JPH11184072A - 改良されたフレキソ印刷版 - Google Patents

改良されたフレキソ印刷版

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JPH11184072A
JPH11184072A JP35363197A JP35363197A JPH11184072A JP H11184072 A JPH11184072 A JP H11184072A JP 35363197 A JP35363197 A JP 35363197A JP 35363197 A JP35363197 A JP 35363197A JP H11184072 A JPH11184072 A JP H11184072A
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JP
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layer
flexographic printing
plate
elastic foam
photocurable resin
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JP35363197A
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Tadashi Kawamoto
忠志 川本
Kenji Suzuki
賢二 鈴木
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体状光硬化樹脂においては長期保存性に優
れ、液状光硬化樹脂においては光硬化樹脂層と弾性フォ
ーム層の接着性を高めた印刷版として、微細で複雑なネ
ガフィルム上の原稿内容を高精度で再現することがで
き、より高精度、高品質な印刷物を得ることが可能なフ
レキソ印刷版を提供する 【解決手段】 光硬化樹脂層、接着層、バリアー性能を
有する支持体層、及び弾性フォーム層が積層されてなる
フレキソ印刷用原版を作製し、その原版を製版すること
により、フレキソ印刷版を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フレキソ印刷版に
関し特に印刷特性に優れた圧縮性フレキソ印刷用原版及
びフレキソ印刷版に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からフレキソ印刷に用いられる印刷
版(以下、フレキソ印刷版という)は、硬度が低いゴム
弾性に富んだ光硬化樹脂が使用されていた。しかしなが
ら、印刷に十分な弾力性が備わっていないため精度の悪
い印刷機では得られた印刷物の画像が歪んだり、画像の
太りムラなどを生ずるなど、高品質な印刷物が得られな
かった。
【0003】そこで、この問題を解決するために、前記
フレキソ印刷版の裏面(レリーフ像を形成しない面、以
下、「裏面」と言う)に粘着剤を介して弾力性のあるフ
ォームテープを配設し、前記フレキソ印刷版に弾力性を
付与する方法が行われていた。しかしながら、この方法
では前記フォームテープが伸びやすく、フレキソ印刷版
に常に均一な弾力性を付与する事ができないばかりか、
版胴にに取り付けられた版の高さがフォームテープの部
分的な伸びやシワによって均一な厚みが失われる印刷精
度上の問題もあった。
【0004】また、前記フォームテープの粘着力が弱
く、印刷時にフォームテープからフレキソ印刷版が剥離
したり、ずれたりしやすいという問題や、フォームテー
プは高価であるものの強度が十分無いため繰り返し印刷
使用できない問題があった。このため、高精度な印刷を
行うことができなかったばかりでなく、コスト上にも問
題があった。
【0005】そこで、この問題を解決する目的で特開昭
57−210341号公報、特開昭61−84289号
公報、特開昭62−229127号公報に開示されてい
るように、寸法安定性に優れた支持体上に、第1の接着
層を介して弾性フォーム層を配設し、この弾性フォーム
層上に第2の接着剤層を介して光硬化樹脂層を配設させ
た圧縮性フレキソ印刷版が提案されている。この圧縮性
フレキソ版は、予め光硬化樹脂層の裏面に、接着剤層を
介し弾性フォーム層が接着された状態で配設されている
ため、前記フォームテープを使用した場合に比べ、印刷
時に弾性フォーム層から光硬化樹脂層が剥離したり、ず
れたりすることが防止され、高精度な印刷を行うことが
できる。また、前記バリアー層である支持体が弾性フォ
ーム層を支持するため、弾性フォーム層の寸法が変化す
ることを防止できるという利点を備えている。
【0006】しかしながら、前記公報に開示されている
従来の圧縮性フレキソ印刷版は、弾性フォーム層と光硬
化樹脂層との構成材料が異なるため、光硬化樹脂層内に
含有されている光重合開始剤や可塑剤などの低分子物質
が、接着剤層を介して弾性フォーム層に移行するため、
光硬化樹脂層と弾性フォーム層との接着力が低下し、両
者が製版時や印刷中に剥がれやすいと言う問題があっ
た。これらの問題に対するものとして、特開平2−56
554号公報に開示されている光硬化樹脂層と第2の接
着剤層との間に、ポリウレタン層を配設することで両者
の剥離を防止した従来例がある。
【0007】また、固体状感光性樹脂板は製造後使用さ
れるまでに未硬化の状態で長期保存されるため、前記感
光性樹脂中の光重合開始剤や可塑剤などの低分子物質の
弾性フォーム層への移行が特に生じやすい。そのため、
弾性フォーム層へ移行したこれらの物質は、製版の際の
裏面露光(以下、バック露光という)時の紫外線照射に
より、弾性フォーム層の紫外線透過特性を著しく低下さ
せ、そのためにバック露光効果が著しく阻害され、印刷
画像形成性を目的とする所定のバック露光効果が得られ
ず、高再現性のフレキソ版を安定的に得ることができな
い問題がある。
【0008】多層複合版として、光硬化樹脂層とエラス
トマー層の間に寸法安定な支持体を安定層として設けた
特開昭51−74703号公報は、湿潤現像中の現像液
による光硬化樹脂層部分を薄くして支持体を設け、現像
液不溶性の弾性エラストマーをその裏面に配置すること
により、現像液による影響を極力排除し迅速な乾燥処理
を可能ならしめるものである。同公報によれば、現像不
溶性の弾性エラストマーと光硬化樹脂層の間に支持体を
設ける場合は、支持体と反対側の弾性エラストマー表面
に、光硬化樹脂層表面に設ける被覆層と同じ様な接着性
を有しない被覆層を有することが有効であるとされてい
る。しかし、当該被覆層は最終製品としてのフレキソ印
刷版としては不要なもので、当該被覆層の剥がし作業が
面倒であるばかりでなくコスト上も不利である。また、
弾性エラストマー層は適度な弾性を有する使用現像液に
不溶性の発泡物質様材料が使用できる点については示唆
されているものの、インキや現像溶剤に対する吸引作用
を防止する方法については何ら示唆されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記特開昭57−21
0341号公報や特開平2−56554号公報に開示さ
れている圧縮性フレキソ印刷版は、得られた印刷物の画
像の歪みや画像の太りムラ等が改善されている反面、よ
り高精度な印刷画像の印刷においては、微細で複雑な原
稿内容を高精度で再現するという印刷版としての画像再
現性が劣り、高精度で高品質な印刷物を得ることができ
ないと言う問題があった。
【0010】特に写真等の網点物のような微細で複雑な
画像を、被印刷物に転写する印刷版として使用する場
合、必要とされる極ハイライト点を製版時に形成させよ
うと画像露光を増やすと暗部の再現性が低下し、また、
白抜き線が埋まる等、画像再現のバランスをとることが
できないと言う問題があった。このため、非常に微細で
複雑な画像再現を高精度で行うことが必要となる高品質
な印刷物を得ることができず、この分野への適用には至
っていないのが実情である。
【0011】そこで、本発明者らがこの問題が発生する
原因を調査したところ、印刷版自身としての画像再現の
低下は、光硬化樹脂層に入射した光が弾性フォーム層や
支持体で反射し、この反射光が再び光硬化樹脂層内に逆
入する、いわゆるハレーション現象に起因していること
を見出し、ハレーション防止剤を光硬化樹脂層と弾性フ
ォーム層の間に設け且つ印刷画像の裏面から画像形成補
助露光(以下バック露光)が可能な、高版再現性を実現
できる特開平7−28229号公報を提案した。この版
構成体は、実用上は十分性能を有しているが、さらに高
品質な印刷物を得るためにさらなる改良が求められてい
た。
【0012】また、長期保存中に低分子物質が弾性フォ
ーム層に移行して生ずる問題を解決する方法としては、
光硬化樹脂層と弾性フォーム層の間にこれらの低分子物
質の移行を防止するバリアー性に優れた薄層を設けるこ
とによって改善できるが、バリアー層の厚みが厚くなる
と柔軟性を欠いたりする問題がある。更に、特開昭7−
74703号公報に記載された支持体と反対面の弾性エ
ラストマー層表面の被覆層は、作業性が悪いばかりかコ
スト上も不利なものである。
【0013】本発明は、このような従来の課題を解決す
ることを課題とするものであり、固体状光硬化樹脂にお
いては長期保存性に優れ、取り扱い作業性やコストの点
で優れた印刷版を、液状光硬化樹脂においては光硬化樹
脂層と弾性フォーム層の接着性を高めた印刷版として、
微細で複雑なネガフィルム上の原稿内容を高精度で再現
することができ、より高精度、高品質な印刷物を得るこ
とが可能なフレキソ印刷版を提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明者らは鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。即ち、本願は以下の発明を提供する。 (1)光硬化性樹脂層、接着層、バリアー性能を有する
支持体層、及び弾性フォーム層が積層されてなるフレキ
ソ印刷用原版。
【0015】なお、ここでいうフレキソ印刷用原版と
は、印刷版になる前のレリーフを有しない光硬化性樹脂
層をもつ版を意味する。 (2)レリーフを有する光硬化樹脂層、接着層、バリア
ー性能を有する支持体層、及び弾性フォーム層が積層さ
れてなるフレキソ印刷版。また、以下の(3)〜(5)
は、本発明の好ましい実施態様である。 (3)上記(1)または(2)に記載の弾性フォーム層
が、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂、エチレン・プロピ
レンゴム(EPM,EPDM)などから構成されるフレ
キソ印刷用原版またはフレキソ印刷版。 (4)上記(1)または(2)に記載の接着層、支持
体、弾性フォーム層の紫外線透過率が少なくとも1%以
上であることを特徴とするフレキソ印刷用原版またはフ
レキソ印刷版。 (5)上記(1)または(2)に記載の弾性フォーム層
の表面が緻密なスキン層を有することを特徴とするフレ
キソ印刷用原版またはフレキソ印刷版。
【0016】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられる弾性フォーム材としては、製版時のバック露
光に支障をきたさない紫外線透過率や、実際の印刷特性
に支障を来さない程度の弾性特性を満たしていれば、特
に限定されるものではない。好ましい材料としては、連
続及び/又は単独の微細な気泡を有するポリウレタン樹
脂、ポリオレフィン樹脂、エチレン・プロピレンゴム
(EPM,EPDM)などからなり、密度が0.1〜
0.6g/cm3、ショアーA硬度が10〜60度のも
のが挙げられる。(特開昭57−210341号公報、
特開昭59−212298号公報、特開昭62−229
127号公報など参照)これらの空気による気泡を有す
るフォーム層と光硬化樹脂層界面の酸素の硬化阻害を実
用上排除するためには、前記のような低分子物質やガス
遮断性に優れたバリアー層が有効であり、光硬化(性)
樹脂層、接着層、支持体(バリアー層)、弾性フォーム
層の順に積層することにより、この問題が解消できると
共に印刷性能も満足することができる。
【0017】この時、弾性フォーム層がポリエステルな
どのようなバリアー性に優れ且つ、寸法安定性に優れた
フィルム又はシート上に一体成型されているものの場合
には、該弾性フォーム層を新たに貼合する必要もなく、
製造上も有利である。また、弾性フォーム層の表面が緻
密なスキン層を有するものの場合は、表面の汚れもつき
にくく、製版や印刷の際の固定に於いて密着性に優れる
ばかりか、インキや現像溶剤の浸透にも優れ、製版、印
刷作業時にそれらの影響を防止する被覆層を必要としな
いため、作業性に優れるばかりかコスト上も有利であ
る。
【0018】そして、接着層、バリアー層(支持体)、
弾性フォーム層からなる積層体の紫外線透過率を1%以
上とすれば、効果的なバック露光が行える。この接着層
には、ネガフィルムを通して紫外線を照射する際、前記
光硬化性樹脂層を透過して接着層、バリアー性能を有す
る支持体層面に到達した紫外線が当該面で反射し、再び
光硬化性樹脂層に逆入することを防止する公知のハレー
ション防止剤を使用することができる。この接着層、バ
リアー性能を有する支持体、弾性フォーム層からなる積
層体の紫外線透過率は、例えば、光硬化性樹脂の露光光
源として一般的に使用されている紫外線ランプから照射
される紫外線を、被測定物に当てて被測定物を通した紫
外線強度を測定することで求められる。具体的には、例
えば、「紫外線強度計UV−MO2(商品名)」(オー
ク製作所製)のセンサーに専用のフィルター「UV−3
5(商品名)」(オーク製作所製)を取り付け、露光光
源から前記積層体(被測定物)に紫外線を照射し、該積
層体を透過した紫外線の強度を測定する。次に、前記露
光光源から照射された紫外線の強度を測定し、これを紫
外線透過率100%として、前記積層体の紫外線透過率
を算出することで求められる。なお、本発明で限定した
紫外線透過率は、上記装置を使用し、上記方法で求めら
れた結果に基づいて限定したものである。
【0019】本発明に用いられるバリアー性能を有する
支持体としては、光硬化(性)樹脂中の低分子物質の移
行やフォーム層からの酸素阻害の影響を防止できるバリ
アー性に優れた、例えばポリエステル、ナイロン、ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニルなど、単一又はそれらを複
合使用したフィルムやシートが上げられるが、製版時の
バック露光に支障を来さない紫外線透過率や、フレキソ
印刷版として好適な寸法安定性を備えていれば特に限定
されるものではない。
【0020】本発明に用いられる光硬化性樹脂層の材料
である感光性樹脂組成物としては、液状、固体状のいず
れの物性を有していても良いが、光硬化後の樹脂特性が
フレキソ印刷版として使用できるものを使用する。そし
て、360〜380nmの紫外線領域に感光波長域を有
していることが好適である。このような感光性樹脂組成
物としては、例えば、特開昭55−48744号公報、
特開昭63−088555号公報、特開昭51−373
20号公報、特公昭51−43374号公報、特公昭5
3−37762号公報、特公昭59−22219号公報
等に記載されているものが挙げられる。
【0021】本発明に用いられる接着層としては、例え
ば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩
化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂からなる群より選ば
れる少なくとも一種を含むポリマー又はコポリマー、あ
るいはポリブタジェン、ポリイソプレン、スチレンイソ
プレンコポリマー、スチレンブタジェンスチレンコポリ
マーからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むポリ
マーからなることが好ましいが、光硬化性樹脂層との密
着性、バリアー性能を有する支持体層との密着性、また
は光硬化性樹脂層からの低分子物質の移行性、製版時の
バック露光に支障を来さない程度の紫外線透過率など、
実用上の必要性を満たす物質であれば、これに限定され
るものではない。また、接着層は、前記群より選ばれた
ポリマーやコポリマーからなる複数の層から構成しても
良い。
【0022】
【発明の実施の形態】
【0023】
【実施例1】図1は、本発明に係るフレキソ印刷版の断
面構成図である。バリアー性能を有する支持体として、
厚さ=0.125mmのポリエステルフィルム上に厚さ
=0.7mm、密度=0.52g/cm3のウレタンフ
ォームからなるスキン層を有する弾性フォーム層を公知
の方法で密着する。次に、支持体上に以下に示す組成か
らなる組成物を、バーコーターで3回塗布する。これを
60℃の乾燥機に入れ1時間乾燥を行い、ハレーション
防止剤を含む接着層を形成する。このようにして、接着
剤、支持体、弾性フォーム層からなる積層体Aを得た。 (組成) 酢酸エチル 50重量部 テトラヒドロフラン 20重量部 酢酸セロソルブ 15重量部 スチレンイソプレンスチレンエラストマー 15重量部 ポリブタジェンジオール 3重量部 硬化剤 7重量部 ハレーション防止剤 3重量部 ビニルモノマー 3重量部 触媒 0.02重量部 なお、スチレンイソプレンスチレンエラストマーとして
「TF−912(商品名)旭化成製」を、ポリブタジェ
ンジオールとして「G−1000(商品名)」(日本曹
達製)を、硬化剤として「CAT−10(商品名)」
(東洋モートン製)を、ハレーション防止剤として「バ
リアゾールイエローMYH(商品名)」(オリエント化
学製)を、ビニルモノマーとして「PPGモノメタクリ
レート(商品名)」(新中村化学製)、触媒として「ジ
ラウリル酸ジブチル」を使用した。前記組成のハレーシ
ョン防止性を付与した接着剤は、高い密着性を有してお
り接着剤層としての機能を兼ね備えている。
【0024】次いで、この積層体の紫外線透過性を測定
したところ紫外線透過率は5.1%であった。紫外線透
過率の測定方法は「紫外線ランプTL−80/10R
(商品名)」(フィリップス製)を光源として、「UV
メーターMO2(商品名)」(オーク製作所製)のUV
フィルターUV−35を用い測定した。次に、厚さ=
1.7mmの固体状光硬化性樹脂として「AFP−HF
11(商品名)」(旭化成製)を用い、これの保護膜を
有しない支持体側のフィルムを注意深く剥がして、前記
積層体の接着層上に室温下圧着接合し、光硬化性樹脂層
を設けた。
【0025】このようにして、図1に示す様に光硬化性
樹脂層、接着層、支持体、弾性フォーム層が順次積層し
てなる全厚2.45mmの圧縮性フレキソ印刷用原版A
1を得た。次にこのフレキソ印刷用原版の製版を以下の
方法によって行った。まず、「紫外線ランプTL−80
/10R(商品名)」(フィリップス製)を用い、フレ
キソ印刷用原版の弾性フォーム側から13cmの距離を
おいて5分間のバック露光を行った。ついで、光硬化性
樹脂層側のカバーフィルムを剥がした後、光硬化性樹脂
層上にネガフィルム(ネガ原稿)をその膜面側が光硬化
性樹脂層側となるように配置する。なお、スクリーン線
数=100線/インチ、網点濃度=1%のハイライト網
点及び文字サイズ=6ポイントの白抜き文字とゴチック
文字が描かれたものを使用した。次に、前記ネガフィル
ム上に真空密着シートを被せた後、これらを真空密着す
る。次いで、前記バック露光を行った同じ紫外線ランプ
を用いて、前記真空シート越しに13cmの距離から2
0分間の画像露光を行った。
【0026】次いで露光後のフレキソ用印刷用原板を洗
浄装置「AFP−1500(商品名)」(旭化成製)を
用い、以下に示す組成からなる現像液(温度=25℃)
で4分間ブラシ現像を行った。その際、圧縮性フレキソ
印刷用原版A1のスキン層を有する裏面は、現像装置の
平滑に仕上げられたSUS製の版取り付けドラムに、接
着テープなしで容易に固定でき、現像作業も何ら問題な
かった。 (現像液組成) パークロロエチレン 4容量部 n−ブタノール 1容量部 次にブラシ現像後、洗い出したフレキソ印刷版を清浄な
前記組成の現像液でリンスした後、60℃の乾燥機中で
2時間乾燥を行う。途中、乾燥を10分間行った後、フ
レキソ印刷版の表面をパークレンを含ませた柔らかな布
で軽く拭き上げ、所定の時間乾燥させた後、室温下で一
晩放置する。その後、フレキソ印刷版の全面に殺菌線ラ
ンプを用い5分間、次いで前記紫外線ランプで5分間露
光を行い、印刷画像高さ=0.9mmのフレキソ印刷版
A2を得た。
【0027】このフレキソ印刷版A2は100線/イン
チ、1%ハイライトが形成し且つ6ポイントの白抜き文
字の再現も十分なものであり、フレキソ印刷機で印刷し
たところ印刷太りが少なく、広い印圧許容幅を有するも
のであった。また、このフレキソ印刷版は印刷機の版シ
リンダー上での粘着テープとの着脱性にも特に問題ない
ものであった。
【0028】
【比較例1】また、実施例1で作成した支持体に接合し
た弾性フォーム層積層体を使い、実施例1と同じ方法で
スキン層を有する弾性フォーム層面に前記ハレーション
防止剤を含む接着剤組成物をバーコーターで3回塗布す
る。これを60℃の乾燥機に入れ、1時間乾燥を行い、
ハレーション防止剤を含む接着層を弾性フォーム層側に
形成する。このようにして、接着層、弾性フォーム層、
支持体の順で構成される積層体Bを得た。このものの紫
外線透過率は5.0%で、前記積層体Aとほぼ同じ紫外
線透過率であった。次いで、実施例1と同じ手順、同じ
方法で前記光硬化性樹脂を接着層を有する弾性フォーム
層表面に圧着接合し、圧縮性フレキソ印刷用原版B1を
得た。次いで、該フレキソ印刷用原版B1を実施例1と
同じ手順、同じ方法で製版を行ったが、AFP−150
0現像装置ドラムへの該版固定に両面粘着テープが必要
であった他は、特に問題なく圧縮性フレキソ印刷版B2
を得た。該フレキソ印刷版も100線/インチ、1%ハ
イライトが形成し、且つ6ポイントの白抜き文字の再現
も十分なものであり、フレキソ印刷機で印刷したところ
広い印圧許容幅を有するものであった。
【0029】次いで、実施例1及びその比較例で得られ
た製版前の生版、即ち未露光の圧縮性フレキソ印刷用原
版A1,B1をそれぞれ黒紙で遮光した状態で包んで、
室温下同一場所に3ヶ月間保存しておいた。その後、こ
のものを実施例1と同じ方法で露光・現像・リンス・乾
燥(版面拭き含む)・後露光を行ったところ、本発明の
圧縮性フレキソ印刷用原版A1は、印刷画像高さ=0.
9mmで、版の再現もA1作成時の保存前のものと比べ
遜色ない良好なものであったばかりでなく、フレキソ印
刷機での印刷においても遜色ない印刷許容幅のものであ
った。
【0030】しかし、比較例のB1は印刷画像高さ=
1.1mmと深く、版の再現性においても6ポイントの
白抜き再現性は良かったものの、100線/インチのハ
イライト点の形成は4%までしか形成できず、版再現品
質の劣化が顕著にみられ実用上問題のあるものであっ
た。
【0031】
【実施例2】実施例1で作成した接着層、バリアー性能
を有する支持体、弾性フォーム層の順で構成した弾性フ
ォーム層積層体Aを用い、製版装置「APR−AWFシ
ステム(商品名)」(旭化成製)での液状光硬化性樹脂
「APR−F300/F310C(商品名)」(旭化成
製)の全厚=5mmとなる印刷用原版の製版を行った。
この時、弾性フォーム層積層体の接着層側(支持体側)
が光硬化性樹脂層に接する方向になるように配置した。
なお、この時、フレキソ印刷版の頂部層となる光硬化性
樹脂F310Cは0.5mmの厚みで行った。
【0032】露光光源はバック側、レリーフ側共に「紫
外線ランプTL−80/10R(商品名)」(フィリッ
プス製)で、弾性フォーム層積層体Aからの露光、即ち
バック露光を9分30秒、ネガフィルムを通してレリー
フ露光を4分間行った。ネガフィルムの画像は、65線
/インチ、ハイライト網点は5%白抜き画像としては1
0ポイントの文字を有するものを使用した。
【0033】露光が終わった後、前記AWF製版システ
ムの樹脂回収装置で未硬化樹脂を自動回収した後、同洗
浄装置で10分間洗浄、清浄水によるリンスを所定時間
行った。この時、使用した洗浄液組成はXW−10(洗
浄剤)を2容量%、AX−10(ベタツキ除去剤)を
0.2容量%、SH−4(消泡剤)を0.2容量%使用
し、洗浄温度は40℃であった。次いで、同水中後露光
装置で10分間の水中での後露光を行ったあと、同乾燥
装置で60℃15分間乾燥を行いフレキソ印刷版C2を
得た。この版の印刷画像高さは1.5mmで、ネガフィ
ルム上の最小画像である65線/インチ、5%ハイライ
トが形成し、10ポイントの白抜き文字の再現も良好な
ものであった。また、光硬化樹脂層と弾性フォーム層積
層体Aの接着層界面との接着も、印刷作業上十分なもの
であった。
【0034】
【比較例2】比較例1で作成した接着層、弾性フォーム
層、支持体の順で構成した弾性フォーム層積層体Bを用
い、実施例と同様に光硬化性樹脂に接する側が接着層
(弾性フォーム層側)となるよう配置し、実施例2と同
じ液状光硬化性樹脂、製版装置で同じ厚みの製版操作を
行った。得られたフレキソ印刷版D2は、光硬化樹脂層
と弾性フォーム層積層体Bの接着層の界面の接着が弱
く、印刷での版シリンダー上の剥がし作業で、簡単に光
硬化樹脂層が剥離し実用上問題があるものであった。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、優れたクッション性フ
レキソ印刷版としての版再現と印刷再現特性の両方を満
足するためには、弾性フォーム層と光硬化性樹脂層の間
に印刷性能に悪影響を与えない支持体を兼ねたバリアー
層を配置したことにより、固体状光硬化樹脂の場合は生
版の保存中に生ずる低分子物質のフォーム層への移行が
防止される。また、液状光硬化樹脂のような嫌気性が高
いものの場合には、フォーム層に含まれる空気中の酸素
の光硬化阻害の影響が防止される。
【0036】このように本発明によれば、印刷性能に優
れた圧縮性フレキソ印刷版において、固体状光硬化樹脂
原版の場合には、未硬化版の長期保存経過後においても
安定した弾性フォーム層積層体を通してのバック露光効
果が得られ、その結果として微細で複雑な原稿内容を高
精度で安定して圧縮性フレキソ印刷版として再現でき、
より高精度、高品質な印刷物を得ることが可能となる。
また、液状光硬化樹脂版においては、弾性フォーム層積
層体の効果的なバリアー層のため光硬化樹脂層と弾性フ
ォーム層との接着強度が高められる。また、バリアー層
と支持体と兼ねるためバリアー層の機械的強さも高めら
れることから、製版時の弾性フォーム層積層体の取り扱
い性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフレキソ印刷版の断面構成図であ
る。
【符号の説明】
1 弾性フォーム層 2 バリアー性を有する支持体 3 接着層 4 光硬化樹脂層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光硬化性樹脂層、接着層、バリアー性能
    を有する支持体層、及び弾性フォーム層が積層されてな
    るフレキソ印刷用原版。
  2. 【請求項2】 レリーフを有する光硬化樹脂層、接着
    層、バリアー性能を有する支持体層、及び弾性フォーム
    層が積層されてなるフレキソ印刷版。
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