JPH11182250A - 筒内噴射式内燃機関のピストン - Google Patents

筒内噴射式内燃機関のピストン

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JPH11182250A
JPH11182250A JP9350547A JP35054797A JPH11182250A JP H11182250 A JPH11182250 A JP H11182250A JP 9350547 A JP9350547 A JP 9350547A JP 35054797 A JP35054797 A JP 35054797A JP H11182250 A JPH11182250 A JP H11182250A
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piston
cylinder
spark plug
valve side
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Takeshi Taniyama
剛 谷山
Goji Masuda
剛司 桝田
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    • F02B23/08Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation with positive ignition
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    • F02B75/12Other methods of operation
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F1/00Cylinders; Cylinder heads 
    • F02F1/24Cylinder heads
    • F02F2001/241Cylinder heads specially adapted to pent roof shape of the combustion chamber
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成層燃焼時にピストン4に衝突して反射した
貫徹力の大きな大粒径の液滴の付着による点火プラグ7
の濡れを回避し、失火やくすぶりを防止する。 【解決手段】 ピストン4頂面の凸部21は、ペントル
ーフ型燃焼室の傾斜面に平行な排気弁側傾斜面23およ
び吸気弁側傾斜面22によって構成されている。吸気弁
側に真円形のボウル12が形成されており、点火プラグ
7背部となる開口縁の一部に、ボウル12内周側に張り
出した庇部31が形成されている。成層燃焼のため圧縮
行程中にボウル12へ向けて燃料噴射弁10から噴射さ
れた噴霧の中で粒径の大きな液滴は、貫徹力が大きく、
ボウル12底面12aで反射し、上方へ向おうとする
が、庇部31によって受け止められ、点火プラグ7への
付着が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ガソリン機関に
代表される筒内噴射式内燃機関のピストン、特に、圧縮
行程付近でピストン頂部へ向けて燃料噴射を行うことに
より成層燃焼を実現するようにした筒内噴射式内燃機関
のピストンの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】全開出力時等にシリンダ内に略均質な空
燃比の混合気を形成していわゆる均質燃焼を行うととも
に、低負荷域では、シリンダ内の一部つまり点火プラグ
近傍のみに比較的濃い混合気を形成して平均的な空燃比
を非常に大きく得るようした成層燃焼を行う筒内噴射式
内燃機関が従来から種々提案されている。
【0003】成層希薄燃焼を可能とした筒内噴射式内燃
機関のピストンとしては、例えば、特開平6−2075
42号公報に記載のものが知られている。この公報に記
載の内燃機関は、ピストンの頂部に、ピストン外形円に
対し偏心した非円形のボウル(キャビティ)が形成され
ているとともに、ピストン上死点付近において該ボウル
へ向けて燃料を噴射供給できるように燃料噴射弁が配置
されている。
【0004】つまり、この公報の内燃機関では、希薄燃
焼時には、シリンダ内にスワールを形成し、かつ圧縮上
死点付近でボウル内に燃料を噴射することにより、ボウ
ル内で可燃混合気が形成され、点火プラグ近傍に運ばれ
る。従って、適宜な時期に点火を行うことにより、着火
燃焼に至ることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように成層希薄
燃焼を実現するために、頂部にボウルを凹設し、圧縮行
程付近で該ボウルへ向けて燃料噴射を行うようにした従
来の筒内噴射式内燃機関のピストンにおいては、燃料噴
射弁から噴射された燃料の中で、粒径が大きく従って貫
徹力が大きな燃料液滴が、ボウル底部に衝突して上方へ
跳ね返り、点火プラグに液状のまま衝突付着してしま
う、という問題がある。つまり、点火プラグ先端が燃料
液滴によって濡れてしまい、失火しやすくなり、燃焼が
不安定となる不具合がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る筒内噴射
式内燃機関のピストンは、シリンダヘッドに凹設された
ペントルーフ型燃焼室に2つの吸気弁および2つの排気
弁を有するとともに、シリンダ略中央に点火プラグを有
し、かつ、シリンダ内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁
がシリンダ略中央を指向した姿勢で吸気弁側に配置さ
れ、圧縮行程付近でピストン頂部へ向けて燃料噴射を行
うことにより成層燃焼を実現するようにした筒内噴射式
内燃機関のピストンにおいて、上記ペントルーフ型燃焼
室の排気弁側の傾斜面に略平行となるように傾斜した排
気弁側傾斜面およびペントルーフ型燃焼室の吸気弁側の
傾斜面に略平行となるように傾斜した吸気弁側傾斜面を
有する頂部の凸部と、ピストン外形円に対し吸気弁側に
偏心した位置に凹設され、かつ上記点火プラグがその外
周部に位置する略真円形のボウルと、このボウルの開口
縁の点火プラグ近傍部分に部分的に設けられ、かつボウ
ル内周側へ突出した庇部と、を備えていることを特徴と
している。
【0007】上記の構成では、吸気弁側傾斜面と排気弁
側傾斜面とを有するピストン頂部の凸部が、ピストン上
死点において、シリンダヘッド側の燃焼室内に入り込む
ようになっており、両者間の空間は非常に小さなものと
なる。成層燃焼時には、例えば一方の吸気ポートを閉じ
る等の手段によって、シリンダ内にスワールが生成され
る。このスワールは、ピストンの上昇に伴ってボウル内
に封じ込められる。そして、上死点近傍で燃料がボウル
へ向けて噴射されることにより、ボウル内に点火可能な
比較的濃い混合気が生成され、かつこれがスワールの旋
回に伴って点火プラグ付近へ向うので、成層希薄燃焼を
実現できる。ここで、燃料噴射弁からシリンダ略中央の
点火プラグへ向かって噴射された燃料噴霧は、ボウル底
部、特に点火プラグの下方付近に衝突するが、貫徹力の
大きな粒径の大きい液滴が底部で跳ね返って上方へ向お
うとしても、ボウル内周側へ張り出した庇部によって阻
止され、点火プラグへ衝突することがない。なお、ボウ
ル底部に衝突して微粒化した燃料は、庇部両側から上方
へ向うことができる請求項1の発明をさらに具体化した
請求項2の発明では、上記庇部は、その下面がボウル側
壁面に対し所定の角度で折れ曲がった状態となるように
形成されている。
【0008】つまり、ボウル側壁面から明確に折れ曲が
った形の庇状に張り出しており、これにより、ボウル底
面で反射した液滴が確実に受け止められる。
【0009】また請求項3の発明では、上記庇部は、そ
の下面がボウル側壁面に滑らかに連続したリエントラン
ト形状をなしている。
【0010】この構成では、ボウル底面で反射した液滴
は、リエントラント形状をなす滑らかに連続した側壁面
および庇部下面に沿ってボウル内周側へ向うようにな
り、点火プラグへの接触が回避されるとともに、ボウル
外部への流出が抑制される。
【0011】また請求項4の発明は、シリンダヘッドに
凹設されたペントルーフ型燃焼室に2つの吸気弁および
2つの排気弁を有するとともに、シリンダ略中央に点火
プラグを有し、かつ、シリンダ内に直接燃料を噴射する
燃料噴射弁がシリンダ略中央を指向した姿勢で吸気弁側
に配置され、圧縮行程付近でピストン頂部へ向けて燃料
噴射を行うことにより成層燃焼を実現するようにした筒
内噴射式内燃機関のピストンにおいて、上記ペントルー
フ型燃焼室の排気弁側の傾斜面に略平行となるように傾
斜した排気弁側傾斜面およびペントルーフ型燃焼室の吸
気弁側の傾斜面に略平行となるように傾斜した吸気弁側
傾斜面を有する頂部の凸部と、ピストン外形円に対し吸
気弁側に偏心した位置に凹設され、かつ上記点火プラグ
がその外周部に位置する略真円形のボウルと、このボウ
ルの側壁面の点火プラグ下方部分に設けられ、かつボウ
ル底部からボウル開口縁に延びるとともに、点火プラグ
と燃料噴射弁とを結ぶ線に沿った稜線を有する突条部
と、を備えていることを特徴としている。
【0012】すなわち、この発明では、圧縮行程付近で
噴射された燃料は、上記突条部に衝突し、その稜線を中
心として左右へ向うように反射する。従って、上方つま
り点火プラグ側へ向う液滴は非常に少なくなる。
【0013】
【発明の効果】この発明に係る筒内噴射式内燃機関のピ
ストンによれば、圧縮行程付近で燃料噴射を行う成層燃
焼時に、貫徹力の大きな液滴がボウル底部で反射して点
火プラグを濡らすことがなく、この点火プラグの濡れに
よる失火やくすぶり、燃焼の不安定化を防止することが
できる。
【0014】また、請求項4の構成によれば、ボウルの
加工時にアンダーカットとなる部分がないので、鋳造や
機械加工等によるボウルの形成が容易となる利点があ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好ましい実施の
形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】始めに、この発明のピストン4が用いられ
る筒内噴射式内燃機関の構成を図1および図2に基づい
て説明する。図示するように、シリンダブロック1に
は、複数のシリンダ3が直列に配置されており、その上
面を覆うように、シリンダヘッド2が固定されている。
上記シリンダ3内には、ピストン4が摺動可能に嵌合し
ている。また、上記シリンダヘッド2に凹設された燃焼
室11は、いわゆるペントルーフ型に構成されており、
その一方の傾斜面11aに一対の吸気弁5が、他方の傾
斜面11bに一対の排気弁6がそれぞれ配置されてい
る。そして、これらの一対の吸気弁5および一対の排気
弁6によって囲まれたシリンダ3の略中心位置に、点火
プラグ7が配置されている。
【0017】上記シリンダヘッド2には、一対の吸気弁
5にそれぞれ対応する一対の吸気ポート8が、互いに独
立して形成されている。つまり、この一対の吸気ポート
8は、シリンダヘッド2内で合流せず、それぞれシリン
ダヘッド2側面において独立して開口している。また上
記排気弁6に対応して排気ポート9が形成されている。
【0018】略円筒状をなす電磁式燃料噴射弁10は、
吸気弁5側のシリンダ3側壁寄りのシリンダヘッド2下
面部に配置されており、その中心軸が斜め下方へ向かっ
た姿勢で取り付けられている。特に、図2に示すよう
に、上記燃料噴射弁10は、2つの吸気弁5の間に配置
され、点火プラグ7が位置するシリンダ3中心ヘ噴霧軸
線が指向している。
【0019】上記シリンダ3内に配置されたピストン4
の頂部には、後述するように、吸気弁5側に偏心した位
置に、円形のボウル12が形成されており、ピストン4
が上死点近傍にあるときに、上記燃料噴射弁10の噴霧
軸線がこのボウル12を指向するようになっている。
【0020】上記の一対の吸気ポート8は、それぞれ吸
気マニホルド13側に独立して形成された一対の吸気通
路14a,14bに接続されている。そして、一方の吸
気通路14b内には、該吸気通路14bを開閉するバタ
フライバルブ型の空気制御弁15が介装されている。こ
の空気制御弁15は、シャフト16を介して図示せぬ駆
動機構により機関運転条件に応じて開閉制御される。な
お、上記空気制御弁15が閉じた状態では、他方の吸気
通路14aに連なる吸気ポート8のみを通して新気が流
入するのであるが、この吸気ポート8は、ヘリカルポー
トではなく、緩く湾曲した略直線状のポート形状をなし
ている。
【0021】上記の内燃機関の基本的な作用について簡
単に説明すると、先ず、機関の全負荷時あるいは希薄燃
焼域の中でも比較的空燃比が小さな領域では、シリンダ
3内に均質な混合気を形成して点火する均質燃焼が行わ
れる。この均質燃焼時には、上記空気制御弁15は、開
状態に制御され、一対の吸気ポート8の双方からシリン
ダ3内へ新気が導入される。これにより、シリンダ3内
には、強いタンブル流(縦渦)が生成される。また、燃
料は、吸気行程中にシリンダ3内に噴射供給される。こ
の燃料は、タンブル流によってシリンダ3内で積極的に
拡散され、ボウル12内に滞留することなく均質化が促
進される。
【0022】一方、低負荷域で、かつ空燃比を非常に大
きくする希薄燃焼域では、混合気の成層化により確実な
着火を可能とする成層希薄燃焼を行う。この成層希薄燃
焼時には、上記空気制御弁15が閉じられ、一方の吸気
ポート8のみからシリンダ3内に新気が流入する。これ
により、シリンダ3内では、タンブル成分が相対的に弱
められ、かつ水平方向に沿ったスワール流が強く生成さ
れる。そして、この成層希薄燃焼の際には、燃料は、圧
縮行程の後半において燃料噴射弁10からボウル12へ
向けて噴射される。この噴射された燃料は、ピストン4
頂部のボウル12内に封じ込められたスワール流に乗っ
て点火プラグ7側へ移動し、点火プラグ7周辺に着火可
能な混合気を形成するので、適宜なタイミングで点火す
ることにより、着火燃焼が可能となる。
【0023】次に、図3〜図7に基づいて、第1実施例
に係るピストン4の構成、特にその頂部の構成を詳細に
説明する。
【0024】このピストン4においては、上死点におい
て、ボウル12がシリンダ3内の空間の大部分を占める
ように、頂面に凸部21が設けられている。この凸部2
1は、基本的に4つの面から構成されている。すなわ
ち、シリンダヘッド2側のペントルーフ型燃焼室11を
構成する2つの傾斜面11a,11bに対し略平行な平
面からなる吸気弁側傾斜面22および排気弁側傾斜面2
3と、ピストン4の外形円と同心の円錐面からなる一対
の円錐形側面24,25とによって、凸部21が構成さ
れている。
【0025】上記凸部21における円錐形側面24,2
5の円錐の頂角は、比較的小さく、図4に示すように、
円錐形側面24,25は、切り立ったものとなってい
る。そして、これに伴い、凸部21の尾根部分はピスト
ンピン軸方向に沿ってピストン4外形円近くまで延びて
いる。これによって、ピストン4が上死点にあるとき
に、上記円錐形側面24,25とシリンダヘッド2側燃
焼室11との間に生じるクリアランスが非常に小さなも
のとなっており、シリンダ3内に残る容積の大部分をボ
ウル12が占有する。
【0026】また、上記のボウル12が、上記吸気弁側
傾斜面22を中心とした範囲に凹設されている。上記ボ
ウル12は、ピストン4の平面上で見て真円形をなし、
かつピストン4の半径よりも僅かに大きい直径を有して
いて、その一部が排気弁側傾斜面23に差しかかってい
る。そして、底面12aがピストン4中心線と直交する
面に沿っているとともに、内周の側壁面12bが上方へ
テーパ状に立ち上がった皿形をなしている。また図5に
示すように、ピストン4が上死点にあるときに、点火プ
ラグ7がボウル12内に入り、かつその外周部に位置す
るように配置されている。
【0027】ここで、上記ボウル12の開口縁の一部、
詳しくは点火プラグ7に近接するとともに燃料噴射弁1
0に対向する部分には、内周側に突出した庇部31が設
けられている。この庇部31は、先端がボウル12外周
円と同心円をなすように一定の突出幅を有し、かつ排気
弁側傾斜面23に沿って、つまり上面が排気弁傾斜面2
3に連続した平面をなすように、斜めに張り出してお
り、また下面31aも上記排気弁傾斜面23と平行とな
るように傾斜している。従って、図5に明らかなよう
に、庇部31下面31aは、ボウル12の側壁面12b
に対し所定の角度で折れ曲がった状態となるように接続
されている。また、庇部31の左右両端の端縁は、ボウ
ル12の半径方向に略沿った形となっている。
【0028】なお、上記庇部31の形成範囲は、点火プ
ラグ7の背部を十分に覆い得る大きさであるとともに、
図3に示すように、圧縮行程中に噴射された燃料噴霧F
がボウル12底部に衝突する際の干渉範囲よりも多少狭
い角度範囲となっている。
【0029】上記の構成においては、成層燃焼時にシリ
ンダ3内に生成されたスワールが、ピストン4の上昇に
伴って、真円形をなすボウル12内にスムースに案内さ
れ、十分な強さを保ったまま保存される。そして、圧縮
行程後半においてボウル12へ向けて燃料が噴射された
後、ピストン4が上死点に近づくと、ボウル12を有す
る凸部21の各面が、シリンダヘッド2側の対応する面
にそれぞれ近接するため、ボウル12が全周に亙って良
好にシールされた状態となる。従って、ボウル12内の
スワールや混合気が外部へ漏出せずに該ボウル12内で
燃焼が進行する。ここで、燃料噴射弁10からボウル1
2内へ向かって噴射された燃料噴霧の多くは、ボウル1
2底部に滞留し、かつここで気化するが、粒径が大きく
貫徹力の大きな燃料液滴は、図5に矢印F1として示す
ように、ボウル12底面12aで衝突反射して上方へ向
おうとする。しかしながら、この実施例では、上方へ向
おうとした燃料液滴は、庇部31によって阻止され、矢
印F2のように、ボウル12内側へ落ちる。従って、点
火プラグ7の濡れやそれに伴う失火やくすぶりが防止さ
れる。なお、庇部31は点火プラグ7近傍のみに設けら
れているので、微細な液滴は、図6に示すように、庇部
31の両側を通って上方へ向い、かつ図3の矢印F3の
ように点火プラグ7近傍に供給される。
【0030】次に、図8〜図12は、この発明に係るピ
ストン4の第2実施例を示している。
【0031】この実施例においては、ボウル12開口縁
に形成された庇部31がリエントラント形状をなしてお
り、図10に明らかなように、その下面31aがボウル
12側壁面12bに滑らかに連続している。また、この
庇部31は、ボウル12径方向の突出量が、点火プラグ
7背部で最大となるように徐々に変化しており、図8に
示すように、平面図上においては、庇部31先端縁が、
円の弦に近似した形状をなしている。
【0032】この実施例においては、粒径が大きく貫徹
力の大きな燃料液滴は、図10に矢印F4として示すよ
うに、滑らかに連続した側壁面12bおよび庇部31下
面31aに沿ってボウル12内周側へ向い、点火プラグ
7に付着することがない。特に、この実施例では、上記
第1実施例に比べて、貫徹力の大きな液滴に対しボウル
12内周側へ向う速度成分が積極的に付与されるので、
ボウル12外部への流出を最小限に抑制できる。なお、
この実施例でも、微細な液滴は、図11に示すように、
庇部31の両側を通って上方へ向い、かつ図8の矢印F
3のように点火プラグ7近傍に供給される。
【0033】図13〜図17は、この発明に係るピスト
ン4の第3実施例を示している。
【0034】この実施例においては、燃料噴射弁10が
対向するボウル12の側壁面12bに、ボウル12底部
からボウル12開口縁に延びる突条部41が設けられて
いる。つまり、この突条部41は、点火プラグ7の背部
に沿って形成されており、かつ、ボウル12内側へ向っ
て、断面が山型もしくは椀型をなすように突出してい
る。そして、この突条部41の稜線41aは、ボウル1
2の半径方向に沿っており、特に、点火プラグ7と燃料
噴射弁10とを結ぶ線(図13のB−B線)に沿ってい
る。なお、突条部41の断面形状が椀型のように湾曲し
ている場合には、この稜線41aは、必ずしも明確な折
れ線としては現れない。
【0035】この実施例では、燃料噴射弁10から圧縮
行程付近でボウル12へ噴射された燃料は、点火プラグ
7下方の上記突条部41に衝突する。この燃料噴霧の中
で粒径が大きく貫徹力が大きな液滴は、この衝突に伴
い、突条部41の稜線41aを中心として左右へ向うよ
うに反射する。つまり、図13および図14に矢印F5
として示すように、点火プラグ7を中心として左右に別
れ、点火プラグ7側へ直接向う液滴は非常に少なくな
る。従って、上述した各実施例と同様に点火プラグ7の
濡れを回避でき、失火やくすぶりを防止できる。
【0036】そして、この実施例によれば、ボウル12
の加工時に庇部のようなアンダーカットとなる部分がな
いので、上述した第1実施例や第2実施例に比べて、鋳
造や鍛造あるいは機械加工等によるボウル12の形成が
容易となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る筒内噴射式内燃機関の構成を示
す縦断面図。
【図2】シリンダヘッドを下面側から見た状態を示す底
面図。
【図3】この発明に係るピストンの第1実施例を示す平
面図。
【図4】図3のA−A線に沿った断面図。
【図5】図3のB−B線に沿った断面図。
【図6】図3のC−C線に沿った断面図。
【図7】この第1実施例のピストンの斜視図。
【図8】この発明に係るピストンの第2実施例を示す平
面図。
【図9】図8のA−A線に沿った断面図。
【図10】図8のB−B線に沿った断面図。
【図11】図8のC−C線に沿った断面図。
【図12】この第2実施例のピストンの斜視図。
【図13】この発明に係るピストンの第3実施例を示す
平面図。
【図14】図13のA−A線に沿った断面図。
【図15】図13のB−B線に沿った断面図。
【図16】図13のC−C線に沿った断面図。
【図17】この第3実施例のピストンの斜視図。
【符号の説明】
4…ピストン 12…ボウル 21…凸部 22…吸気弁側傾斜面 23…排気弁側傾斜面 31…庇部 41…突条部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッドに凹設されたペントルー
    フ型燃焼室に2つの吸気弁および2つの排気弁を有する
    とともに、シリンダ略中央に点火プラグを有し、かつ、
    シリンダ内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁がシリンダ
    略中央を指向した姿勢で吸気弁側に配置され、圧縮行程
    付近でピストン頂部へ向けて燃料噴射を行うことにより
    成層燃焼を実現するようにした筒内噴射式内燃機関のピ
    ストンにおいて、 上記ペントルーフ型燃焼室の排気弁側の傾斜面に略平行
    となるように傾斜した排気弁側傾斜面およびペントルー
    フ型燃焼室の吸気弁側の傾斜面に略平行となるように傾
    斜した吸気弁側傾斜面を有する頂部の凸部と、ピストン
    外形円に対し吸気弁側に偏心した位置に凹設され、かつ
    上記点火プラグがその外周部に位置する略真円形のボウ
    ルと、このボウルの開口縁の点火プラグ近傍部分に部分
    的に設けられ、かつボウル内周側へ突出した庇部と、を
    備えていることを特徴とする筒内噴射式内燃機関のピス
    トン。
  2. 【請求項2】 上記庇部は、その下面がボウル側壁面に
    対し所定の角度で折れ曲がった状態となるように形成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の筒内噴射式内
    燃機関のピストン。
  3. 【請求項3】 上記庇部は、その下面がボウル側壁面に
    滑らかに連続したリエントラント形状をなしていること
    を特徴とする請求項1記載の筒内噴射式内燃機関のピス
    トン。
  4. 【請求項4】 シリンダヘッドに凹設されたペントルー
    フ型燃焼室に2つの吸気弁および2つの排気弁を有する
    とともに、シリンダ略中央に点火プラグを有し、かつ、
    シリンダ内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁がシリンダ
    略中央を指向した姿勢で吸気弁側に配置され、圧縮行程
    付近でピストン頂部へ向けて燃料噴射を行うことにより
    成層燃焼を実現するようにした筒内噴射式内燃機関のピ
    ストンにおいて、 上記ペントルーフ型燃焼室の排気弁側の傾斜面に略平行
    となるように傾斜した排気弁側傾斜面およびペントルー
    フ型燃焼室の吸気弁側の傾斜面に略平行となるように傾
    斜した吸気弁側傾斜面を有する頂部の凸部と、ピストン
    外形円に対し吸気弁側に偏心した位置に凹設され、かつ
    上記点火プラグがその外周部に位置する略真円形のボウ
    ルと、このボウルの側壁面の点火プラグ下方部分に設け
    られ、かつボウル底部からボウル開口縁に延びるととも
    に、点火プラグと燃料噴射弁とを結ぶ線に沿った稜線を
    有する突条部と、を備えていることを特徴とする筒内噴
    射式内燃機関のピストン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016121567A (ja) * 2014-12-24 2016-07-07 三菱自動車工業株式会社 筒内噴射式エンジン
CN110578614A (zh) * 2018-06-07 2019-12-17 卡特彼勒公司 用于流动重定向的活塞设计

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