JPH11181682A - シート状物の製造方法 - Google Patents

シート状物の製造方法

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JPH11181682A
JPH11181682A JP9342567A JP34256797A JPH11181682A JP H11181682 A JPH11181682 A JP H11181682A JP 9342567 A JP9342567 A JP 9342567A JP 34256797 A JP34256797 A JP 34256797A JP H11181682 A JPH11181682 A JP H11181682A
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JP
Japan
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sheet
polymer
fiber
sea
sea component
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Application number
JP9342567A
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English (en)
Inventor
Masaaki Sakai
政明 坂井
Hiromichi Iijima
弘通 飯島
Koji Watanabe
幸二 渡辺
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、引っ張り、引き裂き強力、耐久性お
よび柔軟性に優れさらには緻密性、短立毛性を兼ね備え
た立毛シートの製造方法を提供せんとするものである。 【解決手段】本発明のシート状物の製造方法は、溶剤溶
解性の異なる少なくとも2種以上の高分子重合体からな
る極細化可能な海島型複合繊維でウェブを形成し、該ウ
ェブに400本/cm2 以上のニードルパンチングを施し
て三次元的に交絡した繊維シートとした後、複合繊維の
少なくとも高分子重合体の海成分を10%以上、かつ9
0%以下の割合で溶解除去し、さらにその後、該繊維シ
ートに高分子弾性重合体を含浸凝固させ、次いで、前記
10%以上90%以下の割合で溶解除去した高分子重合
体海成分の残量を溶解除去し、しかる後、少なくとも片
面を起毛処理する工程を組み合わせ行うことを特徴とす
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、引っ張り、引き裂
き強力、耐久性および柔軟性に優れ、さらには緻密性、
短立毛性、平滑性に優れたシート状物の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、極細繊維の交絡した繊維シー
トにゴム状弾性重合体を介在せしめその表面を起毛して
得るスエード調のシート状物が開発され、その幾つかは
好評を得ているものも在る。
【0003】極細繊維と高分子弾性体とからなるシート
状物において、柔軟化して風合いを改良する提案として
は、特公昭45−20790号公報、特公昭46−25
93号公報、特公昭48−4940号公報、特公昭52
−49042号公報等には、多孔化ポリウレタンの使
用、あるいはポリウレタン中に柔軟化剤や多孔化剤を添
加する方法が提案されている。しかし、これら柔軟化の
方法は柔軟化が不十分であるとか、特定のポリウレタン
にのみ有効であるとか、例え柔軟化できても得られるシ
ート状物は物理的強力が劣る物であったり、また、加工
性が不安定であるなど何らかの難点を伴う物であった。
【0004】さらに、表面の立毛長を短くし、緻密化す
る技術としては、例えば、特開平7−126986号公
報には、極細繊維と弾性重合体とからなるシートをスラ
イスし、そのスライス面に弾性重合体の溶剤を含む溶液
をコーティングし、凝固後、付与面をバフィングする方
法、また特開平7−126985号公報には、極細繊維
シートに高分子弾性体を含浸した後、基材の表面から厚
み方向の高分子弾性体の一部をスクイーズし、凝固させ
た後、バフィングする方法などが提案されている。しか
し、これらの方法は、シート表面の立毛長を短くし、緻
密化に効果があるが極細繊維と高分子弾性体との接着力
が高まるため、反面、製品の風合い硬化を招くといった
課題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来技術の問題点を解決し、引っ張り、引き裂き強力、耐
久性および柔軟性に優れさらには緻密性、短立毛性を兼
ね備えた立毛シートの製造方法を提供せんとするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用する。すなわ
ち、本発明のシート状物の製造方法は、溶剤溶解性の異
なる少なくとも2種以上の高分子重合体からなる極細化
可能な海島型複合繊維でウェブを形成し、該ウェブを三
次元的に交絡した後、複合繊維の少なくとも高分子重合
体の海成分を10%以上90%以下の割合で溶解除去
し、さらにその後、該繊維シートに高分子弾性重合体を
含浸凝固させ、次いで、前記10%以上90%以下の割
合で溶解除去した高分子重合体海成分の残量を溶解除去
し、しかる後、少なくとも片面を起毛処理する工程を組
み合わせ行うことを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題について鋭意
検討したところ、極細化可能な海島型複合繊維ウェブ
を、まず、三次元的に交絡した後、該複合繊維の海成分
の特定量を溶解除去し、そこへ高分子弾性体を付与、凝
固させ、ついで前記残りの海成分を除去する方法を採用
したところ、意外にもかかる課題を一挙に解決すること
を究明したものである。
【0008】本発明に用いられる複合繊維としては、互
いに性質の異なる少なくとも2成分以上のポリマーを用
い、複合紡糸あるいは混合紡糸などにより形成された複
合繊維であり、少なくとも1成分を溶解除去により極細
化可能な海島型複合繊維が用いられる。複合繊維の形態
は特に限定するものではない。
【0009】このような複合繊維の極細繊維を形成する
ポリマーとしては、例えばナイロン6、ナイロン66、
ナイロン12、共重合ナイロンなどのポリアミド類、ポ
リエチレンテレフタレート、共重合ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、共重合ポリブ
チレンテレフタレートなどのポリエステル類などが挙げ
られる。溶解除去されるポリマーとしては、上記のポリ
アミド類、ポリエステル類、ポリエチレン、ポリスチレ
ン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類が挙げられ
る。これらの中から極細繊維の断面形成性、紡糸性、延
伸性などを考慮して組み合わせればよい。またこれらの
ポリマー中に必要に応じて安定剤、艶消し剤、制電剤、
難燃剤などの添加剤を含有せしめて本発明の効果が損な
われるものではない。
【0010】上記の複合繊維の海成分を溶解除去した後
の極細繊維の平均繊維径は、0.1〜7μmが好まし
い。0.1μm未満では発色性が得難く、7μmを越え
ると風合い、タッチが低下し好ましくない。
【0011】上記のポリマーの組み合わせにおいて、複
合繊維のニードルパンチでの高絡合性、高分子弾性体と
の接着性、更には極細化に用いる有機溶剤の環境性など
を考慮すると複合繊維の除去成分がアルカリにて溶解可
能で、かつ高分子弾性体の溶剤に不溶であるアルカリ溶
解性ポリマーからなることが好ましい。
【0012】アルカリ溶解性ポリマーの具体例として
は、例えばテレフタル酸とエチレングリコールとを主た
る構成成分とし、5−ナトリウムスルホイソフタル酸お
よびイソフタル酸から選ばれた少なくとも1種を含有す
る共重合ポリエステルからなるポリマーを使用すること
ができる。
【0013】これらのポリマーの溶解に当たっては、事
前に酸処理するかもしくはマイクロ波を利用した溶解促
進法など適宜対応し溶解することができる。後述する極
細化処理時の高分子弾性体の劣化を考慮するとアルカリ
溶解性ポリマーは、カセーソーダ溶液濃度が1重量%、
処理温度90℃、処理時間20〜30分で溶解可能な特
性を保持しているものが特に望ましい。かかるポリマー
例としては、例えばアルカリ溶解性ポリマーが、全酸成
分に対し6〜12mol%の5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸および0〜10mol%のイソフタル酸から選
ばれた少なくとも1種を含有する共重合ポリエステルを
用いることが好ましいが、本発明はこれらにとらわれる
ものではなく、各種の2元、3元およびそれ以上の多元
の共重合ポリエステルを使用することができることは言
うまでもない。
【0014】次いで複合繊維の繊維絡合体を形成する。
形成手段としては、該複合繊維を短繊維化しカード・ク
ロスラッパーもしくはランダムウエッバーなど常法によ
りウエブを作り、その後ニードルパンチあるいはウオー
タージェットパンチなどを施すことにより形成される。
ウエブ形成はメルトブローなど紡糸から直接形成するこ
とも可能である。
【0015】これらの繊維絡合体に収縮熱処理、ヒート
プレス、ウエットプレスなどで繊維絡合体の高密度化あ
るいはポリビニールアルコールなどの糊剤による形態固
定化などの工程を組み合わせることは製品品位を高める
のに好ましいものである。
【0016】繊維絡合体の構造としては、上記の複合繊
維の三次元絡合構造が一般的に用いられるが、繊維絡合
体が複合繊維と織物もしくは編み物とが絡合一体化した
構造にも応用できる。この構造形成は、上記の複合繊維
のウエブを織物もしくは編み物に積層し、ニードルパン
チ、ウォータージエットパンチあるいはこれらの組み合
わせにより絡合一体化するものである。
【0017】織物もしくは編み物を構成する糸種として
は、フィラメントヤーン、紡績糸、フィラメントと短繊
維の混紡糸などをもちいることができ、特に限定される
ものではない。また織物もしくは編み物の種類として
は、平織、綾織、朱子織およびそれらの織り方を基本と
した各種織物、あるいは経編、トリコット編、緯編、レ
ース編およびそれらの編み方を基本とした各種編み物な
どいずれも採用することができ、特に限定されるもので
はない。
【0018】織物もしくは編み物を構成する繊維は、ポ
リエステル類、ポリアミド類、ポリエチレン、ポリプロ
ピレンおよびそれらの共重合体類が用いられる。中でも
ポリエステル類、ポリアミド類およびそれらの共重合体
類を単独または複合して用いるのが好ましい。
【0019】かくして得られた複合繊維絡合体の少なく
とも海島型複合繊維の海成分を10%以上90%以下の
割合で溶解除去する。海島型複合繊維の海成分を溶解除
去する割合は、海島成分比率に関連し、本発明の目的と
するシート状物における引っ張り、引き裂き強力、耐久
性および柔軟性の向上、さらには立毛の緻密性、短立毛
性および柔軟性の発現に重大な関係があり、適宜設定す
れば目的を達成できる。一般的には、海成分の除去割合
が小さいと柔軟性に富んだ物ができるが物理的強力は低
下し、立毛の緻密性、短立毛性も、海成分の除去割合が
大きい物に比べ劣る場合が多い。溶解除去する海成分の
割合が10%未満または90%を越えては効果が小さ
い。
【0020】さらに、本発明の効果は海島型複合繊維の
海成分の割合が大きい繊維よりなるシート状物ではその
効果が小さく、溶解除去する海成分が20%以上を占め
る海島型複合繊維よりなるシート状物に応用するのが好
ましい。
【0021】この海島型複合繊維の海成分の一部溶解除
去処理に当たって、用いる溶媒としては一成分を溶解除
去するものならいずれでも良い。例えば複合繊維のポリ
マー構成がポリアミド類/ポリエチレンの場合は、トル
エン溶液中で、ポリアミド類/ポリスチレンの場合は、
トリクロールエチレン溶液中で、ポリアミド類/アルカ
リ可溶型ポリマー、ポリエステル/アルカリ可溶型ポリ
マーの場合は、カセーソーダの熱水中でそれぞれ溶解除
去を行い海島型複合繊維の一部繊維を極細化するもので
ある。
【0022】海成分の一部溶解除去処理の方法として
は、マングルによる圧縮、サーキュラー、ウインス、バ
イブロワッシャーなどを用い、それぞれの溶剤中で処理
する。かかる処理条件設定に当たっての濃度、温度、処
理時間は、除去成分の溶解性や複合繊維の海成分比率を
加味しながら適宜設定する必要がある。
【0023】次いで、繊維絡合体に高分子弾性体を付与
する。本発明に用いられる高分子弾性体とはポリウレタ
ンエラストマー、アクリロニトリル・ブタジエンラバ
ー、ブタジエンラバー、天然ゴム、ポリ塩化ビニール、
ポリアミドなどを使用することができる。中でも本発明
プロセスにおける加工性および最終製品品位などの観点
から、ポリウレタンエラストマーが好ましく、平均分子
量が500〜3000のポリエステルジオール系、ポリ
エーテルジオール系、ポリカーボネートジオール系を単
独もしくは組み合わせ用いたものが良い。中でも耐アル
カリ性のあるポリエーテルジオール系、ポリカーボネー
トジオール系が特に好ましく用いられる。繊維絡合体に
これらの高分子弾性体を含浸またはコーティングして付
与し、弾性体の溶剤を除去し実質的に固化する。実質的
に固化するとは、溶剤の一部が高分子弾性体中に残存し
ている状態であっても、シートを半分の厚さに圧縮し解
放した時に高分子弾性体が溶剤と共に絞り出されない状
態をさす。高分子弾性体の付与に際して、該弾性体中に
必要に応じて着色剤、酸化防止剤、制電防止剤、分散
剤、柔軟剤、凝固調整剤などの添加剤を配合してもよ
い。
【0024】かくして得た繊維絡合体と高分子弾性体か
らなるシートの海島型複合繊維の残海成分の溶解除去を
行い繊維絡合体全体の複合繊維を極細化、およびまたは
織物もしくは編み物用の細化可能型複合繊維を極細化す
るものである。この海成分の溶解除去に際しては前記一
部除去の際と同様で、用いる溶媒としては一成分を溶解
除去するものならいずれでもよい。例えば複合繊維のポ
リマー構成がポリアミド類/ポリエチレンの場合は、ト
ルエン溶液中で、ポリアミド類/ポリスチレンの場合
は、トリクロールエチレン溶液中で、ポリアミド類/ア
ルカリ可溶型ポリマー、ポリエステル/アルカリ可溶型
ポリマーの場合は、カセーソーダの熱水中でそれぞれ溶
解除去を行い海島型複合繊維を極細化するものである。
【0025】海成分の溶解除去処理の方法としては、マ
ングルによる圧縮、サーキュラー、ウインス、バイブロ
ワッシャーなどを用い、それぞれの溶剤中で処理する。
かかる処理条件設定に当たっての濃度、温度、処理時間
は、除去成分の溶解性や複合繊維の海成分比率を加味し
ながら適宜設定することができる。
【0026】次いで、サンドペーパーなどでシート表面
を起毛する。この起毛前、または起毛後に、必要によ
り、繊維シートに染色、仕上工程を施す。
【0027】このようにして得られた本発明の繊維シー
ト状物においては、高分子弾性体を含浸前に海成分を溶
解除去され一部極細化された繊維は、絡合箇所を高分子
弾性体により接着固定されているため、立毛シートの物
理的強力の付与に効果を発揮し、さらには立毛の緻密
化、短毛化においても効果がある。さらに、高分子弾性
体含浸後の残海成分の溶解除去による極細化では、風合
いの一層の柔軟化に効果を発揮し、従来技術の問題点で
あった立毛シートの緻密化、短立毛化を図るが故の風合
い硬化を解消し、更に前記の好ましい実施態様により、
一層の柔軟化と平滑性が改良された立毛シートが得るこ
とを可能としたものである。
【0028】
【実施例】以下に、本発明を実施例にて詳細に説明する
が、本発明の有効性や権利の範囲はこれによって限定、
制約をうけるものではない。むしろ次の応用、発展をも
たらすものである。
【0029】実施例1 島成分がポリエチレンテレフタレート、海成分がポリス
チレン、島/海比率=55/45重量%、島数36島、
複合繊維デニール約4d、カット長約51mm、ケン縮数
約12山/inとした高分子相互配列体繊維のステープル
を用い、このステープルをカード・クロスラッパーでウ
ェブとし、ニードルパンチして目付570g/m2 のフ
ェルトを作り、これらのフェルトを収縮処理し乾燥し
た。このシートをトリクロールエチレン中に浸漬、圧搾
し、海成分のポリスチレンが平均で40%溶解除去され
たシートとした。次いで、このシートをDMF/水=9
2/8重量%中にポリエステル−ポリエーテル系ポリウ
レタンを溶解させた溶液を固形分として対島繊維当たり
約30部となるように含浸し、湿式凝固、溶剤除去を行
いポリエチレンテレフタレートの極細繊維の絡合体に高
分子弾性体が付与されたシートを得た。さらに、このシ
ートをトリクロールエチレン中に浸漬、圧搾し残海成分
のポリスチレンを脱海した後、乾燥した。得られたシー
トをスライスし、非スライス面を400メッシュのサン
ドペーパーで起毛処理を行った。
【0030】このようにして得られたシートは、引っ張
り、引き裂きの強力が大であり、柔軟性に優れ、緻密で
立毛繊維が短く、平滑性、ライティング効果を有する立
毛シートであった。
【0031】実施例2 島成分がナイロン6、海成分が5−ナトリウムスルホイ
ソフタレート単位を全酸成分単位の5.2mol%共重
合したポリエステル、島/海比率=50/50重量%、
島数36島、複合繊維デニール約4d、カット長約51
mm、ケン縮数約12山/inとした高分子相互配列体繊維
のステープルを用い、このステープルをカード・クロス
ラッパーでウェブとし、ニードルパンチして目付600
g/m2のフェルトを作り、これらのフェルトを収縮処
理し乾燥した。このシートをカセーソーダ溶液濃度1重
量%、温度90℃中で40分間、浸漬・マングル圧搾を
繰り返し行い、酢酸で中和した後、水洗し乾燥し、高分
子相互配列体繊維の約45%が繊維径約2.4μmにナ
イロン極細繊維化したシートとした。このシートにDM
F:系のポリエステル−ポリエーテル系ポリウレタンを
固形分として対島繊維当たり約30部となるように含浸
し、湿式凝固した。
【0032】次いで、このシートをカセーソーダ溶液濃
度3重量%、温度98℃中で40分間、浸漬・マングル
圧搾を繰り返し行い、酢酸で中和した後、水洗し乾燥
し、繊維径約2.4μmのナイロン極細繊維の絡合体に
高分子弾性体が付与されたシートを得た。次いで該シー
トをスライスし、非スライス面を400メッシュのサン
ドペーパーで起毛処理を行った。
【0033】このようにして得られたシートは、引っ張
り、引き裂きの強力が大であり、柔軟性に優れ、緻密で
立毛繊維が短く、平滑性、ライティング効果を有する立
毛シートであった。
【0034】実施例3 島成分がポリエチレンテレフタレート、海成分が全酸成
分に対し8mol%の5−ナトリウムスルホイソフタル
酸および1mol%のイソフタル酸を共重合したポリエ
ステル、島/海比率=50/50重量%、島数36島、
複合繊維デニール約4d、カット長約51mm、ケン縮数
約12山/inとした高分子相互配列体繊維のステープル
を用い、このステープルをカード・クロスラッパーでウ
ェブとし、ニードルパンチして目付600g/m2 のフ
ェルトを作り、これらのフェルトを収縮処理し乾燥し
た。このシートをカセーソーダ溶液濃度1重量%、温度
90℃中で10分間、浸漬・マングル圧搾を繰り返し行
い、酢酸で中和した後、水洗し乾燥し、高分子相互配列
体繊維の約50%が繊維径約2.2μmのポリエチレン
テレフタレート極細繊維化したシートとした。
【0035】このシートにDMF系のポリエステル−ポ
リエーテル系ポリウレタンを固形分として対島繊維当た
り約30部となるように含浸し、湿式凝固した。
【0036】次いで、このシートをカセーソーダ溶液濃
度1重量%、温度90℃中で20分間、浸漬・マングル
圧搾を繰り返し行い、酢酸で中和した後、水洗し乾燥
し、繊維径約2.2μmのポリエチレンテレフタレート
極細繊維の絡合体に高分子弾性体が付与されたシートを
得た。次いで該シートをスライスし、非スライス面を4
00メッシュのサンドペーパーで起毛処理を行った。
【0037】このようにして得られたシートは、引っ張
り、引き裂きの強力が大であり、柔軟性に優れ、緻密で
立毛繊維が短く、平滑性、ライティング効果を有する立
毛シートであった。
【0038】実施例4 実施例3と同じ高分子相互配列体繊維のステープルを用
いたウェブをナイロン6の65D−94f、撚り数25
00T/mの強撚糸使いの平織物(目付56g/m2
の間に積層し、ニードルパンチを行い目付600gm2
のフェルトを作成した。このフェルトを以後、実施例4
と同じ条件で処理し、ポリエチレンテレフタレートの極
細繊維束とナイロンの強撚平織物とが交絡一体化された
繊維絡合体にポリウレタンが付与されたシートを得た。
次いで該シートをスライスし、スライス面を400メッ
シュのサンドペーパーで起毛処理を行った。
【0039】このようにして得られたシートは、引っ張
り、引き裂きの強力が大であり、柔軟性に優れ、緻密で
立毛繊維が短く、平滑性、ライティング効果を有する立
毛シートであった。
【0040】実施例5 実施例3で用いた高分子相互配列体繊維のステープルを
用い、このステープルをカード・クロスラッパーでウェ
ブとし、島成分がポリエチレンテレフタレート、海成分
が全酸成分に対し8mol%の5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸および1mol%のイソフタル酸を共重合し
たポリエステル、島/海比率=90/10重量%、島数
36島の高分子相互配列体繊維からなる90D−18
f、撚り数2500T/mの強撚糸使いの平織物の間に
積層し、ニードルパンチを行いフェルトを作成した。こ
のフェルトを以後、実施例4と同じ条件で処理し、繊維
径約2.2μmのポリエチレンテレフタレートの極細繊
維束とポリエチレンテレフタレートの極細化された強撚
平織物とが交絡一体化された繊維絡合体にポリウレタン
が付与されたシートを得た。次いで該シートをスライス
し、スライス面を400メッシュのサンドペーパーで起
毛処理を行った。
【0041】このようにして得られたシートは、引っ張
り、引き裂きの強力が大であり、柔軟性に優れ、緻密で
立毛繊維が短く、平滑性、ライティング効果を有する立
毛シートであった。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、原料繊維にかかわら
ず、一層の柔軟性が改良され、さらにシートの強力、風
合い、立毛繊維の緻密性、立毛長などを調整することが
可能であり、製品外観としてスエード調、更には繊細か
つ優美なヌバック調品位のものが得られ、もって、衣料
は勿論のこと、靴、鞄、帽子、手袋、椅子、カーシート
など資材類としても好適に用いることができるシート状
物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D06M 11/38 D06N 3/00 DAA D06N 3/00 DAA D01F 8/14 B // D01F 8/14 D06M 5/02 F

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶剤溶解性の異なる少なくとも2種以上の
    高分子重合体からなる極細化可能な海島型複合繊維でウ
    ェブを形成し、該ウェブを三次元的に交絡した後、複合
    繊維の少なくとも高分子重合体の海成分を10%以上9
    0%以下の割合で溶解除去し、さらにその後、該繊維シ
    ートに高分子弾性重合体を含浸凝固させ、次いで、前記
    10%以上90%以下の割合で溶解除去した高分子重合
    体海成分の残量を溶解除去し、しかる後、少なくとも片
    面を起毛処理する工程を組み合わせ行うことを特徴とす
    るシート状物の製造方法。
  2. 【請求項2】該三次元的交絡が、400本/cm2 以上の
    ニードルパンチング処理であることを特徴とする請求項
    1記載のシート状物の製造方法。
  3. 【請求項3】該複合繊維の海成分が、アルカリにて溶解
    可能で、かつ高分子弾性体の溶剤に不溶であるアルカリ
    溶解性ポリマーからなることを特徴とする請求項1記載
    のシート状物の製造方法。
  4. 【請求項4】該アルカリ溶解性ポリマーが、テレフタル
    酸とエチレングリコールとを主たる構成成分とし、全酸
    成分に対し6〜12mol%の5−ナトリウムスルホイ
    ソフタル酸および0〜10mol%のイソフタル酸から
    選ばれた少なくとも1種を含有する共重合ポリエステル
    からなることを特徴とする請求項3記載のシート状物の
    製造方法。
  5. 【請求項5】該シート状物が、織物もしくは編み物と複
    合繊維とが絡合一体化されたものであることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載のシート状物の製造方
    法。
  6. 【請求項6】該織物または編み物が、少なくとも一部に
    500T/m以上、4500T/m以下の強撚糸を含む
    糸で構成されてなることを特徴とする請求項5記載のシ
    ート状物の製造方法。
  7. 【請求項7】該織物または編み物が、アルカリ可溶型ポ
    リマーを海成分とする細化可能型複合繊維からなる糸を
    含むものであることを特徴とする請求項5または6記載
    のシート状物の製造方法。
  8. 【請求項8】該高分子弾性体が、エーテル系および/ま
    たはポリカーボネート系ポリウレタンからなることを特
    徴とする請求項1または3記載のシート状物の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010065373A (ja) * 2002-04-15 2010-03-25 Invista Technologies Sarl 弾性不織シート

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