JPH11178715A - 液体加熱容器の製造方法 - Google Patents

液体加熱容器の製造方法

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JPH11178715A
JPH11178715A JP35265697A JP35265697A JPH11178715A JP H11178715 A JPH11178715 A JP H11178715A JP 35265697 A JP35265697 A JP 35265697A JP 35265697 A JP35265697 A JP 35265697A JP H11178715 A JPH11178715 A JP H11178715A
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JP
Japan
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coating layer
container
liquid heating
fluororesin coating
liquid
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JP35265697A
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Kiyoshi Ida
清志 井田
Nobumasa Matsushita
信賢 松下
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フッ素樹脂コーティング層表面の親水化によ
る突沸防止層が形成され、早切れによる誤作動がなく、
しかも耐汚染性に優れた液体加熱容器の製造方法に関す
る。 【解決手段】 金属製容器本体の内面にフッ素樹脂コー
ティング層が形成された液体加熱容器を製造する方法で
あって、該フッ素樹脂コーティング層表面の少なくとも
加熱部表面を形成する部分に、該部分をメチルセルロー
ス水溶液と接触させた状態で紫外線又は紫外線レーザー
光を照射することにより、被照射部分を親水化したこと
を特徴とする液体加熱容器の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体加熱容器の製
造方法に関し、さらに詳しくはフッ素樹脂コーティング
層表面の親水化による突沸防止層が形成され、早切れに
よる誤作動がなく、しかも耐汚染性に優れた液体加熱容
器の製造方法に関する。本発明の液体加熱容器は、電気
ポットなどの電気液体加熱器の容器として使用される。
【0002】
【従来の技術】電気液体加熱器は、手軽かつ安全に液体
を加熱または保温することができるため、電気ポットや
酒燗器などとして広く使用されている。電気液体加熱器
は、被加熱液体を収容する容器(液体加熱容器)と発熱
源を備えており、さらに、液体を所望の温度に加熱し、
保温するために、温度感知部(温度センサー、温度感知
器)を備えている。これらの発熱源及び温度感知部は、
通常、液体加熱容器の外面に密着して配置されている。
電気液体加熱器における問題点の一つは、発熱源近傍の
容器内表面で生ずる突沸現象である。突沸が生ずると、
大きな音が発生するほか、突沸による気泡が生じた部分
の容器内表面が過加熱されて表面温度が高くなり、温度
感知部の誤動作をまねく。
【0003】従来より、液体加熱容器の突沸問題に対処
するため、各種の提案がなされている。例えば、(1)
容器内面に金属酸化物を熔射して突沸防止層とする方法
(特公昭63−51003号公報)、(2)フッ素樹脂
コーティング層の上に無機粉末や有機ポリマー等の煮沸
防止剤層を設ける方法(特開平5−123246号公
報)、(3)フッ素樹脂コーティング層表面を高周波放
電処理またはコロナ放電処理して、処理被膜の表面に親
水性を付与する方法(特開平4−371116号公
報)、(4)フッ素樹脂コーティング層表面に水を接触
させた状態で、紫外線を照射することにより親水性を付
与する方法(特開平8−256913号公報)などが提
案されている。
【0004】一般に、電気液体加熱器により液体を温度
ムラなく早く加熱するには、発熱源を容器底部外面に設
けるのが好ましい。しかし、容器底部の発熱源で液体を
加熱するには、発熱源の電気容量を大きくしなければな
らないが、それによって発熱源近傍の容器表面での突沸
防止がより一層困難になる。
【0005】そのため、前記(1)の方法により金属酸
化物の熔射による突沸防止層を設けると、突沸自体はか
なり減少できるものの、突沸防止層の表面粗度を50〜
150μmと大きくし、層厚も50〜400μmと厚く
する必要がある。ところが、表面粗度が大きくなると、
表面の凹所に水垢等の汚れが付着するため、耐汚染性が
低下する。しかも、突沸防止層を厚くすると、その部分
の熱伝導性が低下する。
【0006】前記(2)の方法による煮沸防止剤層は、
層を薄くすることができるものの、耐汚染性が悪く、水
垢の付着量が多くなる。
【0007】前記(3)のフッ素樹脂コーティング層表
面を高周波放電処理または高周波コロナ放電処理する方
法では、被処理面に必ずクラックが発生しており、フッ
素樹脂コーティング層の強度劣化が避けられず、未処理
物の約7割程度の強度しか保持することができない。し
かも、発生したクラックから腐食成分等が浸透し、その
結果、容器との界面でフッ素樹脂コーティング層が剥離
するため、容器の耐久性が低下する。
【0008】前記(4)のフッ素樹脂コーティング層表
面を水と接触させた状態で、紫外線を照射する方法で
は、水垢等の付着が少なく、突沸もかなり減少すること
が可能であるものの、工業的には若干のばらつきによ
り、完全に突沸を解消するまでには至っていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フッ
素樹脂コーティング層の親水化による突沸防止層が形成
され、早切れによる誤動作がなく、しかも耐汚染性に優
れた液体加熱器を安定的に製造する方法を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、金属製
容器本体の内面にフッ素樹脂コーティング層が形成され
た液体加熱容器を製造する方法であって、該フッ素樹脂
コーティング層表面の少なくとも加熱部表面を形成する
部分に、該部分をメチルセルロース水溶液と接触させた
状態で紫外線又は紫外線レーザー光を照射することによ
り、被照射部分を親水化したことを特徴とする液体加熱
容器の製造方法が提供される。
【0011】本発明の製造方法により得られる液体加熱
容器は、フッ素樹脂コーティング層表面の対水接触角が
40〜110°の範囲内になるように親水化されている
ため、突沸が防止でき、さらに耐汚染性が優れている。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明によれば、発熱源と温度感
知部を液体加熱容器の底部外面に設けても、突沸による
温度センサーの早切れを起こさず、しかもフッ素樹脂コ
ーティング層の膜強度が強く、かつ、耐汚染性が従来品
より優れた液体加熱容器が提供される。本発明の液体加
熱容器は、電気液体加熱器において液体を収納し加熱す
るための容器として使用される。
【0013】電気液体加熱器の基本的な構成は、図1に
示す通りである。すなわち、金属製容器2の内面にフッ
素樹脂コーティング層5が設けられており、該容器の外
部表面には、発熱源3及び温度感知部4が密着して配置
されている。これらの発熱源3及び温度感知部4は、容
器本体2と一体化したものであっても、あるいは別々に
分離したものであってもよい。図1及び図2に示すよう
に、容器2の内部のフッ素樹脂コーティング層5の少な
くとも加熱部表面には、フッ素樹脂コーティング層の表
面が親水化された層6が形成されている。
【0014】液体加熱器本体は、アルミニウム(アルミ
ニウム合金を含む)やステンレス鋼などの金属基材を用
いて作製される。容器の内面には、フッ素樹脂コーティ
ング層が設けられている。フッ素樹脂としては、例え
ば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラ
フルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテ
ル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/ヘキ
サフルオロプロピレン共重合体(FEP)などがあげら
れる。
【0015】フッ素樹脂のコーティング層は、常法によ
りフッ素樹脂塗料をコーティングし、乾燥後、焼結する
ことにより形成することができる。液体加熱容器を作成
するには、通常、ステンレス鋼やアルミニウム等の金属
円板の表面をブラスト、電解エッチング、化学エッチン
グ等により粗面化処理し、あるいはプライマー塗装処理
し、次いで、フッ素樹脂塗料をコーティングし、乾燥
後、焼成して、フッ素樹脂コーティング層を有する円板
を作成し、これを容器の形状にプレス加工する。
【0016】本発明では、容器内面のフッ素樹脂コーテ
ィング層表面の少なくとも加熱部表面を形成する部分
に、該部分をメチルセルロース水溶液と接触させた状態
で紫外線又は紫外線レーザー光を照射することにより、
被照射部分を親水化する。加熱部表面は、通常、容器の
底部内面である。紫外線又は紫外線レーザー光の照射に
よる親水化処理は、フッ素樹脂コーティング層を形成し
た金属製円板の少なくとも加熱部表面となる部分に、照
射することにより行い、しかる後、容器の形状にプレス
加工する。プレス加工により表面の親水性が劣化するお
それがある場合は、容器の形状にプレス加工した後、該
容器の加熱部表面となる部分のフッ素樹脂コーティング
層表面に紫外線又は紫外線レーザー光を照射して親水化
処理を行うことができる。
【0017】フッ素樹脂コーティング層表面の少なくと
も加熱部表面を形成する部分をメチルセルロース溶液と
接触させた状態で、紫外線又は紫外線レーザー光を照射
する方法では、好ましくは水の温度を50〜100℃、
より好ましくは80〜100℃に昇温して照射すると、
親水化反応性が向上し、同一対水接触角を得ようとする
場合、照射時間を短縮することができる。
【0018】照射による親水化の程度は、対水接触角に
て定量的に表わすことができる。対水接触角は、協和界
面科学(株)製の接触角計(CA−A)を用い、液適法
にて水との接触角を測定することにより求める。対水接
触角は、突沸防止性、汚染物付着量、早切れ防止性など
を総合評価して、40〜110°の範囲にする必要があ
る。
【0019】紫外線レーザー光(例えば、KrFエキシ
マレーザー光)を照射する場合には、照射量、通常、
0.5〜2000J/cm2好ましくは5〜500J/
cm2程度になるように調整する。紫外線を用いる場合
には、照射時間が40〜3000秒程度になるように調
整する。
【0020】フッ素樹脂コーティング層5は、汚れ防止
を目的とするものであるが、照射による親水化層6の形
成により、気泡の発生を容易にし、突沸や過加熱状態を
生じさせないようにすることができる。本発明により形
成される親水化層は、特開平8−256913号公報に
開示されている親水化方法により形成される親水化層と
比較してばらつきなく形成することができる。
【0021】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明
についてより具体的に説明する。なお、対水接触角につ
いては、協和界面科学(株)製の接触角計(CA−A)
を用い、液適法にて水との接触角を測定した。
【0022】[実施例]アルミニウム円板を、塩化ナト
リウム水溶液中、30Q/cm2の電気量で、電気化学
エッチングを行い、表面に微細な凹凸を形成させた。さ
らに、この面を15%硫酸中、15Vで5分間、陽極酸
化処理を行い、エッチング面に硬質層を設けた。この表
面に、フッ素樹脂塗料(ダイキン工業株式会社製ポリフ
ロンD−1F)を約25μmの厚さになるように塗布
し、約100℃で乾燥後、380℃で15分間焼結し
た。さらに、黒色系のPTFE塗料(乾燥・焼結後の成
分比:PTFE78%、PFA7%、顔料(大日精化工
業株式会社製FCT SE 1002)15%)を約1
0μmの厚さになるように塗布し、約100℃で乾燥
後、380℃で15分間焼結した。次に、紫外線ランプ
(アイグラフィックス株式会社製UVランプ;メタルハ
ライドタイプ、M03−L31)を用い、石英ガラスを
窓材として水層部を設けて、メチルセルロースを0.4
重量%含む水溶液と接触させたフッ素樹脂コーティング
アルミニウム板に紫外線を、それぞれ、40、100、
1000秒と照射時間を変えて照射した。それぞれの条
件にて10個の試験片を作成し、対水接触角を測定し
た。対水接触角が110°以下になると、沸騰する際親
水化されているため、表面の気泡離れがスムーズに進
み、早切れしなくなることから、対水接触角が110°
以下のものを良好とした。この条件で作成した試験片は
すべて対水接触角が110°以下で良好であった。
【0023】[比較例]実施例と同じ条件でフッ素樹脂
コーティングアルミニウム板を作成した。次に、紫外線
ランプ(アイグラフィックス株式会社製UVランプ;メ
タルハライドタイプ、M03−L31)を用い、石英ガ
ラスを窓材として水層部を設けて水と接触させたフッ素
樹脂コーティングアルミニウム板に、紫外線を、それぞ
れ、40、100、1000秒と照射時間を変えて照射
した。それぞれの条件にて10個の試験片を作成し、対
水接触角を測定し、対水接触角が110°以下になる良
好率を求めた。その結果を本発明の実施例と併せて表1
に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、フッ素樹脂コーティン
グ層表面の親水化による突沸防止層ばらつきなく安定的
に形成され、早切れによる誤動作がなく、しかも耐汚染
性に優れた液体加熱容器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体加熱容器を用いた電気加熱容器の
一実施態様の構造を示す断面略図である。
【図2】本発明の液体加熱容器の底部の構造を示す一実
施態様の断面略図である。
【符号の説明】
1:電気液体加熱器 2:液体加熱容器 3:発熱源 4:温度感知部 5:フッ素樹脂コーティング層 6:親水化層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製容器本体の内面にフッ素樹脂コー
    ティング層が形成された液体加熱容器を製造する方法で
    あって、該フッ素樹脂コーティング層表面の少なくとも
    加熱部表面を形成する部分に、該部分をメチルセルロー
    ス水溶液と接触させた状態で紫外線又は紫外線レーザー
    光を照射することにより、被照射部分を親水化したこと
    を特徴とする液体加熱容器の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1のメチルセルロース水溶液の濃
    度が0.2重量%以上であることを特徴とする液体加熱
    容器の製造方法。
JP35265697A 1997-12-22 1997-12-22 液体加熱容器の製造方法 Pending JPH11178715A (ja)

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