JPH11176606A - チップ部品 - Google Patents

チップ部品

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JPH11176606A
JPH11176606A JP9346736A JP34673697A JPH11176606A JP H11176606 A JPH11176606 A JP H11176606A JP 9346736 A JP9346736 A JP 9346736A JP 34673697 A JP34673697 A JP 34673697A JP H11176606 A JPH11176606 A JP H11176606A
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JP
Japan
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chip
film
protective film
paste
resistance
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Withdrawn
Application number
JP9346736A
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English (en)
Inventor
Koichiro Tsujiku
浩一郎 都竹
Masayuki Inai
雅之 稲井
Yoshiyuki Aoshima
良幸 青嶋
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Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回路膜に生じ得るクラックや剥離等の諸問題
を排除して、特性変動等の特性不良を防止できるチップ
部品を提供する。 【解決手段】 第2保護膜6用のペーストを焼き付ける
ときの熱影響でその内側の抵抗膜3に熱膨張を生じて
も、該抵抗膜3の熱膨張を、これよりも大きな熱膨張を
生じる第2保護膜6とチップ1の一方または両方によっ
て抑制することができる。また、チップ抵抗器を基板に
はんだ付けするときの熱影響や、基板実装後の熱影響
(チップ抵抗器自体の発熱)によって抵抗膜3が熱膨張
する場合も前記同様の作用を得ることができ、これによ
り、抵抗膜自らの熱膨張を原因として抵抗膜3にクラッ
クを生じたり、抵抗膜3がチップ1から剥離するといっ
た諸問題を排除して、特性変動等の不良発生を確実に防
止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チップ抵抗器等の
チップ部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】チップ部品として代表的なチップ抵抗器
は、偏平角柱形状を成す絶縁性のチップと、チップ表面
に間隔をおいて形成された一対の引出電極と、チップ表
面にその両端部が引出電極と重なるように形成された抵
抗膜と、引出電極及び抵抗膜を覆うようにチップ表面に
形成された保護膜と、各引出電極と接続するようにチッ
プ両端部に形成された一対の外部電極とを備えている。
【0003】前記の引出電極と外部電極は、金属粉末を
含有した電極ペーストを塗布しこれを所定温度で焼き付
けることによって形成され、また、保護膜は、非結質低
融点ガラスのペーストを塗布しこれを所定温度で焼き付
けることによって形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記チップ
抵抗器では、保護膜用のガラスペーストを焼き付けると
きの熱影響やチップ抵抗器を基板にはんだ付けするとき
の熱影響等によってその内側の抵抗膜に熱膨張を生じた
り、或いは外部から保護膜に衝撃が加わると、その内側
の抵抗膜にクラックや剥離を生じて、特性変動等の不良
を発生する恐れがある。
【0005】このような不具合は、前記チップ抵抗器に
限らず、チップ表面の回路膜を保護膜で覆ったチップ部
品全般において生じ得る。
【0006】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするとは、回路膜に生じ得るクラックや
剥離等の諸問題を排除して、特性変動等の不良を防止で
きるチップ部品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、チップ表面の回路膜を保護膜で覆ったチ
ップ部品において、保護膜とチップの少なくとも一方の
熱膨張率が回路膜の熱膨張率以上である、ことをその第
1の特徴とする。このチップ部品によれば、保護膜とチ
ップの少なくとも一方の熱膨張率を回路膜の熱膨張率以
上とすることにより、保護膜用ペーストを焼き付けると
きの熱影響やチップ部品を基板にはんだ付けするときの
熱影響等によってその内側の回路膜に熱膨張を生じて
も、該熱膨張をこれ以上の熱膨張を生じる保護膜とチッ
プの少なくとも一方によって抑制して、回路膜自らの熱
膨張を原因としたクラックや剥離の問題を防止できる。
【0008】また、本発明は、チップ表面の回路膜を保
護膜で覆ったチップ部品において、保護膜がチップ表面
を囲むように環状に形成されている、ことをその第2の
特徴とする。このチップ部品によれば、回路膜のみを部
分的に覆うように保護膜を形成する場合に比べて、チッ
プに対する保護膜の密着強度を高めることができ、これ
により、保護膜用ペーストを焼き付けるときの熱影響や
チップ部品を基板にはんだ付けするときの熱影響等によ
ってその内側の回路膜に熱膨張を生じても、該熱膨張を
保護膜によって抑制して、回路膜自らの熱膨張を原因と
したクラックや剥離の問題を防止できる。
【0009】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]図1乃至図3は
本発明をチップ抵抗器に適用した第1実施形態を示すも
ので、図1はチップ抵抗器の平面図、図2は図1のX−
X線断面図、図3は図1のY−Y線断面図である。
【0010】図中の1は偏平角柱形状を成す絶縁性のチ
ップで、例えばアルミナセラミクスから成る。
【0011】2は平面形状が矩形を成す一対の引出電極
で、各一端縁がチップ端縁と一致するようにチップ上面
に間隔をおいて形成されている。この引出電極2は、例
えば銀,ニッケルまたはその合金から成る。
【0012】3は平面形状が矩形を成す抵抗膜で、その
両端部が引出電極2と重なるようにチップ上面に形成さ
れている。この抵抗膜3は、例えば酸化ルテニウムから
成る。また、抵抗膜3には抵抗値調整のためのレーザト
リミングが後述する第1保護膜4を形成した後に実施さ
れており、この結果、抵抗膜3と第1保護膜4にはトリ
ミング跡としての溝3aと4aがそれぞれ形成されてい
る。
【0013】4は平面形状が矩形を成す第1保護膜で、
引出電極2の一部と抵抗膜3を覆うようにチップ上面に
形成されている。この第1保護膜4は非結質の低融点ガ
ラス、例えば石英ガラスから成る。
【0014】5は一対の外部電極で、各引出電極2の露
出部分と重なるようにチップ両端部に形成されている。
この外部電極5は、例えば銀,ニッケルまたはその合金
から成る。
【0015】6は平面形状が矩形を成す第2保護膜で、
第1保護膜4と各引出電極2の露出部分とチップ上面の
露出部分を覆うようにチップ上面に形成されている。先
に述べた抵抗膜3と第1保護膜4の溝3a及び4aには
この第2保護膜6の一部が侵入しチップ上面まで達して
いる。この第2保護膜5は第1保護膜4と同じ材質から
成る。
【0016】ここで、図1乃至図3に示したチップ抵抗
器の製造手順を図4(A)〜(F)を参照して説明す
る。尚、図4には単一チップに対し(A)〜(F)の工
程を順に実施するものを例示してあるが、実際のもので
は、多数個取り可能な大きさを有する基板を用意し、該
基板に対して工程(A)〜(D)を実施した後にこれを
個々のチップに切断し、そして切断後のチップに対して
工程(E),(F)を実施する方法が採用される。
【0017】まず、図4(A)に示すように、偏平角柱
形状を成すチップ1の一面にスクリーン印刷等の手法を
利用して図示のように電極ペーストを塗布し、これを所
定温度で焼き付けて引出電極2を形成する。
【0018】次に、図4(B)に示すように、チップ1
の一面にスクリーン印刷等の手法を利用して図示のよう
に抵抗ペーストを塗布し、これを所定温度で焼き付けて
抵抗膜3を形成する。
【0019】次に、図4(C)に示すように、チップ1
の一面にスクリーン印刷等の手法を利用して図示のよう
に保護ペーストを塗布し、これを所定温度で焼き付けて
第1保護膜4を形成する。
【0020】次に、図4(D)に示すように、各引出電
極2に抵抗値検出器の端子を接触させた状態で、第1保
護膜4を通じて抵抗膜3に対して抵抗値調整のためのレ
ーザトリミングを実施する。抵抗膜3と第1保護膜4に
はトリミング跡としての溝3aと4aがそれぞれ形成さ
れる。
【0021】次に、図4(E)に示すように、チップ1
の両端部にディップ等の手法を利用して図示のように電
極ペーストを塗布し、これを所定温度で焼き付けて外部
電極5を形成する。
【0022】次に、図4(F)に示すように、チップ1
の一面にスクリーン印刷等の手法を利用して図示のよう
に保護ペーストを塗布し、これを所定温度で焼き付けて
第2保護膜6を形成する。抵抗膜3と第1保護膜4の溝
3a及び4aにはこの第2保護膜6の一部が侵入してチ
ップ上面まで達する。
【0023】前述のチップ抵抗器は、チップ1の熱膨張
係数α1と、抵抗膜3の熱膨張係数α2と、第2保護膜
6の熱膨張係数α3とに、α2<α1orα3と、α2
<α1,α2<α3と、α2=α1orα3と、α2=
α1,α2=α3の何れかの関係を持たせてある。
【0024】各々の熱膨張係数に前記のような関係を持
たせる手法としは、チップ1と第2保護膜6の材質を選
定する方法の他に、基になるチップ材料(セラミックス
ラリー)や保護ペーストに熱膨張係数を調整するに好適
な材料、例えばガラス,樹脂等のファイバーやウィスカ
や粉末を添加する方法が採用できる。勿論、抵抗ペース
トに単位抵抗値に対して影響の少ない添加物、例えば、
ガラスファイバーやウィスカを加える方法によって抵抗
膜の熱膨張係数を調整してもよい。
【0025】α2<α1orα3またはα2<α1,α
2<α3の関係を持たせた場合には、第2保護膜6用の
ペーストを焼き付けるときの熱影響でその内側の抵抗膜
3に熱膨張を生じても、該抵抗膜3の熱膨張を、これよ
りも大きな熱膨張を生じる第2保護膜6とチップ1の一
方または両方によって抑制することができる。
【0026】また、α2=α1orα3またはα2=α
1,α2=α3の関係を持たせた場合には、第2保護膜
6用のペーストを焼き付けるときの熱影響でその内側の
抵抗膜3に熱膨張を生じても、該抵抗膜3の熱膨張を、
これと同様の熱膨張を生じる第2保護膜6とチップ1の
一方または両方によって抑制することができる。
【0027】勿論、チップ抵抗器を基板にはんだ付けす
るときの熱影響や、基板実装後の熱影響(チップ抵抗器
自体の発熱)によって抵抗膜3が熱膨張する場合も前記
同様の作用を得ることができ、これにより、抵抗膜自ら
の熱膨張を原因として抵抗膜3にクラックを生じたり、
抵抗膜3がチップ1から剥離するといった諸問題を排除
して、特性変動等の不良発生を確実に防止できる。
【0028】また、抵抗ペーストにガラスファイバーや
ウィスカ等を添加する場合には、これら添加物によって
抵抗膜3自体の機械的強度を高めて、強度不足を原因と
したクラック発生を未然に防止できる。
【0029】尚、前記第1実施形態では、第1保護膜4
と各引出電極2の露出部分とチップ上面の露出部分を覆
うように第2保護膜6を形成したものを例示したが、該
第2保護膜6の両端部が各外部電極5の端部上側に重な
るように形成すれば、該第2保護膜6を利用して外部電
極5の密着性を向上させることができる。
【0030】また、保護膜として第1保護膜4と第2保
護膜6とから成る2層構造のものを例示したが、第1保
護膜4を省略して第2保護膜6のみの単層構造とし、抵
抗膜3へのレーザトリミング実施後に該保護膜を形成す
るようにしてもよい。
【0031】さらに、第2保護膜6用のペーストとして
第1保護膜4用のペーストよりも焼き付け温度の低いも
の、例えばエポキシ樹脂等の樹脂ベースのペーストを用
いれば、第2保護膜6用のペーストを焼き付けるときに
抵抗膜3が受ける熱的損傷を軽減することができる。
【0032】さらにまた、チップ表面の各保護膜が接す
る部分を予め粗くしておけば、例えばチップ表面を研磨
によって粗くするか、表面粗さの高いチップ1を選択的
に使用すれば、各保護膜のチップ1に対する密着強度を
高めて前記作用をより的確に発揮させることができる。
【0033】[第2実施形態]図5乃至図7は本発明を
チップ抵抗器に適用した第2実施形態を示すもので、図
5はチップ抵抗器の平面図、図6は図5のX−X線断面
図、図7は図5のY−Y線断面図である。
【0034】図中の11は偏平角柱形状を成す絶縁性の
チップで、例えばアルミナセラミクスから成る。
【0035】12は平面形状が矩形を成す一対の引出電
極で、各一端縁がチップ端縁と一致するようにチップ上
面に間隔をおいて形成されている。この引出電極12
は、例えば銀,ニッケルまたはその合金から成る。
【0036】13は平面形状が矩形を成す抵抗膜で、そ
の両端部が引出電極12と重なるようにチップ上面に形
成されている。この抵抗膜13は、例えば酸化ルテニウ
ムから成る。また、抵抗膜13には抵抗値調整のための
レーザトリミングが実施されており、この結果、抵抗膜
13にはトリミング跡としての溝13aが形成されてい
る。
【0037】14は一対の外部電極で、各引出電極12
の露出部分と重なるようにチップ両端部に形成されてい
る。この外部電極14は、例えば銀,ニッケルまたはそ
の合金から成る。
【0038】15は保護膜で、引出電極12の一部と抵
抗膜13を覆い、且つチップ表面の外部電極14で挟ま
れる部分全体を囲むように環状に形成されている。先に
述べた抵抗膜13の溝13aにはこの保護膜15の一部
が侵入しチップ上面まで達している。この保護膜15は
熱硬化性樹脂、例えばエポキシ樹脂や、非結質の低融点
ガラス、例えば石英ガラスから成る。
【0039】ここで、図5乃至図7に示したチップ抵抗
器の製造手順を図8(A)〜(E)を参照して説明す
る。尚、図8には単一チップに対し(A)〜(E)の工
程を順に実施するものを例示してあるが、実際のもので
は、多数個取り可能な大きさを有する基板を用意し、該
基板に対して工程(A)〜(C)を実施した後にこれを
個々のチップに切断し、そして切断後のチップに対して
工程(D),(E)を実施する方法が採用される。
【0040】まず、図8(A)に示すように、偏平角柱
形状を成すチップ11の一面にスクリーン印刷等の手法
を利用して図示のように電極ペーストを塗布し、これを
所定温度で焼き付けて引出電極12を形成する。
【0041】次に、図8(B)に示すように、チップ1
1の一面にスクリーン印刷等の手法を利用して図示のよ
うに抵抗ペーストを塗布し、これを所定温度で焼き付け
て抵抗膜13を形成する。
【0042】次に、図8(C)に示すように、各引出電
極12に抵抗値検出器の端子を接触させた状態で、抵抗
膜13に対して抵抗値調整のためのレーザトリミングを
実施する。抵抗膜13にはトリミング跡としての溝13
aが形成される。
【0043】次に、図8(D)に示すように、チップ1
1の両端部にディップ等の手法を利用して図示のように
電極ペーストを塗布し、これを所定温度で焼き付けて外
部電極14を形成する。
【0044】次に、図8(E)に示すように、チップ1
1の外部電極14で挟まれる部分全体に図示のように保
護ペーストを塗布し、これを所定温度で焼き付けて保護
膜15を形成する。抵抗膜13の溝13aにはこの保護
膜15の一部が侵入してチップ上面まで達する。外部電
極14で挟まれる部分全体に保護ペーストを塗布する方
法としては、被塗布部分に塗布ローラを接触させる方法
の他、チップ11全体をペースト槽(図示省略)に収容
された保護ペーストに浸漬する方法が採用できる。浸漬
法を採用するときに外部電極14の表面にペーストが付
着することを回避するには、外部電極14の表面に予め
剥離可能なマスクを付けておくとよい。また、ペースト
として極力粘性の低いものを使用すれば、保護膜15の
厚みを均一なものとすることができる。
【0045】本実施形態のチップ抵抗器は、保護膜15
を、引出電極12の一部と抵抗膜13を覆い、且つチッ
プ表面の外部電極14で挟まれる部分全体を囲むように
環状に形成してあるので、チップ11の抵抗膜13が形
成された面のみに保護膜を形成する場合に比べて、チッ
プ11に対する保護膜15の密着強度を高めることがで
きる。依って、保護膜15用のペーストを焼き付けると
きの熱影響でその内側の抵抗膜13に熱膨張を生じて
も、該抵抗膜13の熱膨張を、保護膜15によって抑制
することができる。
【0046】勿論、チップ抵抗器を基板にはんだ付けす
るときの熱影響や、基板実装後の熱影響(チップ抵抗器
自体の発熱)によって抵抗膜13が熱膨張する場合も前
記同様の作用を得ることができ、これにより、抵抗膜自
らの熱膨張を原因として抵抗膜13にクラックを生じた
り、抵抗膜13がチップ11から剥離するといった諸問
題を排除して、特性変動等の不良発生を確実に防止でき
る。
【0047】また、外部電極14とチップ11との間に
隙間があるような場合でも、該隙間に保護ペーストを侵
入させてこれを埋めることができると共に、侵入分を接
着材的に作用させて外部電極14のチップ11に対する
密着強度を高めることができる。
【0048】尚、前記第2実施形態では、引出電極12
の一部と抵抗膜13を覆い、且つチップ表面の外部電極
14で挟まれる部分全体を囲むように保護膜15を環状
に形成したものを例示したが、該保護膜15の両端部が
各外部電極14の端部上側に重なるように形成すれば、
該保護膜15を利用して外部電極14の密着性を向上さ
せることができる。
【0049】また、保護膜15として単層構造のものを
例示したが、該保護膜を第1実施形態のような2層構造
とし、内側の保護膜を通じて抵抗膜13へのレーザトリ
ミングを実施するようにしてもよい。
【0050】さらに、保護膜用のペーストとして焼き付
け時の収縮が大きな材料を選択すれば、該保護膜によっ
てその内側の抵抗膜13を押さえ付けて、該抵抗膜13
のチップ11に地する密着性を高めることができる。
【0051】さらにまた、チップ表面の保護膜15が接
する部分を予め粗くしておけば、例えば、チップ表面を
研磨によって粗くするか、表面粗さの高いチップ11を
選択的に使用すれば、保護膜15のチップ11に対する
密着強度を高めて前記作用をより的確に発揮させること
ができる。
【0052】[第3実施形態]図9乃至図11は本発明
をチップ抵抗器に適用した第3実施形態を示すもので、
図9はチップ抵抗器の平面図、図10は図9のX−X線
断面図、図11は図9のY−Y線断面図である。
【0053】図中の21は偏平角柱形状を成す絶縁性の
チップで、例えばアルミナセラミクスから成る。
【0054】22は平面形状が矩形を成す抵抗膜で、チ
ップ上面の長手方向中央に形成されている。この抵抗膜
22は、例えば酸化ルテニウムから成る。また、抵抗膜
22には抵抗値調整のためのレーザトリミングが後述す
る第1保護膜24を形成した後に実施されており、この
結果、抵抗膜22と第1保護膜24にはトリミング跡と
しての溝22aと24aがそれぞれ形成されている。
【0055】23は平面形状が矩形を成す一対の引出電
極で、各一端縁がチップ端縁と一致し、且つ各他端部が
抵抗膜22の長手方向両端部と重ねるようにチップ上面
に間隔をおいて形成されている。この引出電極23は、
例えば銀,ニッケルまたはその合金から成る。
【0056】24は平面形状が矩形を成す第1保護膜
で、抵抗膜22を覆うようにチップ上面に形成されてい
る。この第1保護膜24は非結質の低融点ガラス材、例
えば石英ガラスから成る。
【0057】25は一対の外部電極で、各引出電極23
の露出部分と重なるようにチップ両端部に形成されてい
る。この外部電極25は、例えば銀,ニッケルまたはそ
の合金から成る。
【0058】26は平面形状が矩形を成す第2保護膜
で、第1保護膜24と各引出電極23の露出部分とチッ
プ上面の露出部分を覆うようにチップ上面に形成されて
いる。先に述べた抵抗膜22と第1保護膜24の溝22
a及び24aにはこの第2保護膜26の一部が侵入しチ
ップ上面まで達している。この第2保護膜5は結晶化ガ
ラス(ガラスセラミクス)、例えばMgO−Al23
SiO2系やBaO−Al23−SiO2系の材料から成
る。
【0059】ここで、図9乃至図11に示したチップ抵
抗器の製造手順を図12(A)〜(F)を参照して説明
する。尚、図12には単一チップに対し(A)〜(F)
の工程を順に実施するものを例示してあるが、実際のも
のでは、多数個取り可能な大きさを有する基板を用意
し、該基板に対して工程(A)〜(D)を実施した後に
これを個々のチップに切断し、そして切断後のチップに
対して工程(E),(F)を実施する方法が採用され
る。
【0060】まず、図12(A)に示すように、偏平角
柱形状を成すチップ21の一面にスクリーン印刷等の手
法を利用して図示のように抵抗ペーストを塗布し、これ
を所定温度で焼き付けて抵抗膜22を形成する。
【0061】次に、図12(B)に示すように、チップ
21の一面にスクリーン印刷等の手法を利用して図示の
ように電極ペーストを塗布し、これを所定温度で焼き付
けて引出電極23を形成する。
【0062】次に、図12(C)に示すように、チップ
21の一面にスクリーン印刷等の手法を利用して図示の
ように第1保護膜用ペーストを塗布し、これを所定温度
で焼き付けて第1保護膜24を形成する。
【0063】次に、図12(D)に示すように、各引出
電極23に抵抗値検出器の端子を接触させた状態で、第
1保護膜24を通じて抵抗膜22に対して抵抗値調整の
ためのレーザトリミングを実施する。抵抗膜22と第1
保護膜24にはトリミング跡としての溝22aと24a
がそれぞれ形成される。
【0064】次に、図12(E)に示すように、チップ
21の両端部にディップ等の手法を利用して図示のよう
に電極ペーストを塗布し、これを所定温度で焼き付けて
外部電極25を形成する。
【0065】次に、図12(F)に示すように、チップ
1の一面にスクリーン印刷等の手法を利用して図示のよ
うに第2保護膜用ペーストを塗布し、これを所定温度で
焼き付けて第2保護膜26を形成する。抵抗膜22と第
1保護膜24の溝22a及び24aにはこの第2保護膜
26の一部が侵入してチップ上面まで達する。
【0066】本実施形態のチップ抵抗器は、2層構造の
保護膜のうち外側の第2保護膜26に結晶化ガラスを用
い、該第2保護膜26によってその内側にある第1保護
層24と抵抗膜22を覆うことにより、耐衝撃強度と耐
摩耗性を高めることができる。依って、外部から第2保
護膜26に衝撃が加わった場合でも、該第2保護膜26
やその内側の第1保護層24と抵抗膜22にクラックを
生じたり、抵抗膜22がチップ21から剥離するといっ
た諸問題を排除して、特性変動等の不良発生を確実に防
止できる。
【0067】尚、前記第3実施形態では、第1保護膜2
4と各引出電極23の露出部分とチップ上面の露出部分
を覆うように第2保護膜26を形成したものを例示した
が、該第2保護膜26の両端部が各外部電極25の端部
上側に重なるように形成すれば、該第2保護膜26を利
用して外部電極25の密着性を向上させることができ
る。
【0068】また、保護膜として第1保護膜24と第2
保護膜26とから成る2層構造のものを例示したが、第
1保護膜24を省略して第2保護膜26のみの単層構造
とし、抵抗膜22へのレーザトリミング実施後に該保護
膜を形成するようにしてもよい。
【0069】さらに、結晶化ガラスから成る第2保護膜
26の厚みを、(抵抗膜22の厚み+第1保護膜24の
厚み)の2倍以上とすれば、前記作用をより的確に発揮
させることができる。
【0070】さらにまた、チップ表面の各保護膜が接す
る部分を予め粗くしておけば、例えばチップ表面を研磨
によって粗くするか、表面粗さの高いチップ1を選択的
に使用すれば、各保護膜のチップ21に対する密着強度
を高めて前記作用をより的確に発揮させることができ
る。
【0071】以上、前述の実施形態では、本発明をチッ
プ抵抗器に適用したもの示したが、本発明は、チップ表
面の回路膜を保護膜で覆ったチップ部品全般、例えばコ
イル導体を保護膜で覆った構成のチップインダクタや、
導体路を保護膜で覆った構成のチップジャンパや、対向
電極を保護膜で覆った構成のチップコンデンサ等にも幅
広く適用でき同様の効果を得ることができる。
【0072】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
保護膜内側の回路膜に生じ得るクラックや剥離等を諸問
題を排除して特性変動等の不良発生を確実に防止でき、
高品質で高耐久性のチップ部品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をチップ抵抗器に適用した第1実施形態
を示すチップ抵抗器の平面図
【図2】図1のX−X線断面図
【図3】図1のY−Y線断面図
【図4】図1乃至図3に示したチップ抵抗器の製造手順
を示す図
【図5】本発明をチップ抵抗器に適用した第2実施形態
を示すチップ抵抗器の平面図
【図6】図5のX−X線断面図
【図7】図5のY−Y線断面図
【図8】図5乃至図7に示したチップ抵抗器の製造手順
を示す図
【図9】本発明をチップ抵抗器に適用した第3実施形態
を示すチップ抵抗器の平面図
【図10】図9のX−X線断面図
【図11】図9のY−Y線断面図
【図12】図9乃至図11に示したチップ抵抗器の製造
手順を示す図
【符号の説明】
1…チップ、2…引出電極、3…抵抗膜、4…第1保護
膜、5…外部電極、6…第2保護膜、11…チップ、1
2…引出電極、13…抵抗膜、14…外部電極、15…
保護膜、21…チップ、22…抵抗膜、23…引出電
極、24…第1保護膜、25…外部電極、26…第2保
護膜。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チップ表面の回路膜を保護膜で覆ったチ
    ップ部品において、 保護膜とチップの少なくとも一方の熱膨張率が回路膜の
    熱膨張率以上である、 ことを特徴とするチップ部品。
  2. 【請求項2】 保護膜が2層構造を有し、少なくとも外
    側層の熱膨張率が回路膜の熱膨張率以上である、 ことを特徴とする請求項1記載のチップ部品。
  3. 【請求項3】 チップ表面の回路膜を保護膜で覆ったチ
    ップ部品において、 保護膜がチップ表面を囲むように環状に形成されてい
    る、 ことを特徴とするチップ部品。
  4. 【請求項4】 保護膜が2層構造を有し、少なくとも外
    側層がチップ表面を囲むように環状に形成されている、 ことを特徴とする請求項3記載のチップ部品。
  5. 【請求項5】 保護膜が樹脂から成る、 ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載のチ
    ップ部品。
  6. 【請求項6】 保護膜が結晶化ガラスから成る、 ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載のチ
    ップ部品。
JP9346736A 1997-11-13 1997-12-16 チップ部品 Withdrawn JPH11176606A (ja)

Priority Applications (2)

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US08/970,119 US6016536A (en) 1997-11-13 1997-11-13 Method for backing up the system files in a hard disk drive
JP9346736A JPH11176606A (ja) 1997-12-16 1997-12-16 チップ部品

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JPH11176606A true JPH11176606A (ja) 1999-07-02

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009152430A (ja) * 2007-12-21 2009-07-09 Panasonic Corp チップ状電子部品
JP2016025115A (ja) * 2014-07-16 2016-02-08 Koa株式会社 ジャンパー抵抗器
WO2024057852A1 (ja) * 2022-09-16 2024-03-21 パナソニックIpマネジメント株式会社 電子部品

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