JPH11176347A - 陰極線管 - Google Patents

陰極線管

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JPH11176347A
JPH11176347A JP33901697A JP33901697A JPH11176347A JP H11176347 A JPH11176347 A JP H11176347A JP 33901697 A JP33901697 A JP 33901697A JP 33901697 A JP33901697 A JP 33901697A JP H11176347 A JPH11176347 A JP H11176347A
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electrode
potential
built
conductive film
ray tube
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JP33901697A
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Kotaro Amano
高太郎 天野
Takumi Adachi
巧 安達
Kenichi Ozawa
兼一 小沢
Tsuneo Muchi
常雄 鞭
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内蔵分割抵抗板表面からの放電を抑制するこ
とにより、放電が少ない陰極線管を提供する。 【解決手段】 電子銃1の側部に内蔵分割抵抗板2が配
されて成る陰極線管10において、内蔵分割抵抗板2の
表面絶縁膜7上に、電子銃1の低電位側t2 から高電位
側t1 に向かって、互いに分離された複数の導電膜4が
形成された構成を採る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子銃の側部に内
蔵分割抵抗板を有して成る陰極線管に係わる。
【0002】
【従来の技術】カラーテレビジョン受像機に用いられる
カラー陰極線管において、電子銃の側部に内蔵分割抵抗
板(IBR)を配置形成し、この内蔵分割抵抗板により
アノード電圧を分圧して、例えばコンバージェンス電圧
を供給するようにした構成がある。
【0003】内蔵分割抵抗板を配置形成した電子銃の一
例を図11に示す。図11は電子銃をカラー陰極線管に
組み込んだ状態の図である。
【0004】図11中、50は管体、51は管体50の
ネック部50a内に配された分圧用の内蔵分割抵抗板5
2を有する電子銃を示す。電子銃51は、赤、緑、青の
各色に対応する3個のカソードKR ,KG ,KB に対し
て共通に第1電極G1 、第2電極G2 、第3電極G3
第4電極G4 、及び第5電極G5 が順次同軸上に配列さ
れ、第5電極G5 の後段に静電コンバージェンスを行う
コンバージェンス電極53が配されてなる。
【0005】コンバージェンス電極53は、相対向する
内側偏向電極板53a,53bとその外側の外側偏向電
極板53c,53dとを有して成る。第3電極G3 と第
5電極G5 とは例えば導電線54によって電気的に連結
され、これにアノード電圧HVが印加される。コンバー
ジェンス電極53の内側偏向電極板53a,53bは第
5電極G5 に機械的に且つ電気的に連結され、これにア
ノード電圧HVが与えられ、また外側偏向電極板53
c,53dにはアノード電圧HVより低いコンバージェ
ンス電圧CVが与えられる。
【0006】また、第4電極G4 には、導電線であるG
4 リード55により、フォーカス電圧が供給される。
【0007】管体50のファンネル部50bの内側から
ネック部50aの一部にわたって内部導電膜56が被着
形成され、この内部導電膜56に第5電極G5 からの導
電性接触子57が接触される。アノード電圧HVはアノ
ードボタン(図示せず)から内部導電膜56−導電性接
触子57−第5電極G5 を通じて供給される。一方、コ
ンバージェンス電圧CVは内蔵分割抵抗板52により供
給される。
【0008】内蔵分割抵抗板52は、図示しないがアル
ミナ等の絶縁性の基板上に、例えば酸化ルテニウム系の
抵抗体を形成し、その抵抗体の両端と中央部に夫々B電
極t2 、A電極t1 及びC電極t3 を形成し、電極t1
〜t3 を除く表面を抵抗体の保護のために例えばガラス
材等で覆って構成される。
【0009】そして、この内蔵分割抵抗板52は、電子
銃51の各電極G1 〜G5 ,53に対向するように取り
付けられ、A電極t1 が第5電極G5 の導電性取り付け
片58を介して連結され、C電極t3 が導電性取り付け
片58を介してコンバージェンス電極53の外側偏向電
極板53c,53dに連結され、接地用端子t2 がネッ
ク部50aのステムに貫通されたアース端子ピン59a
に導電性取り付け片58(図示せず)を介して連結され
る。すなわち、外側偏向電極板53c,53dには内蔵
分割抵抗板52の抵抗体により分圧されたコンバージェ
ンス電圧CVが供給される。
【0010】内蔵分割抵抗板52は、電子銃51の各電
極G1 〜G5 及び静電コンバージェンス電極53を保持
するためのビーディングガラス60の配置との関係で、
カソードKR ,KG ,KB の配列方向の一方の側、例え
ばカソードKR の側に電子銃51に沿って配置される。
【0011】上述の電子銃51においては、第1電極G
1 に例えば0Vの電圧が、第2電極G2 に例えば500
V〜1000V程度の電圧が、第3電極G3 及び第5電
極G5 に例えば30kV程度のアノード電圧HVが、フ
ォーカス電極である第4電極G4 に例えば6〜10kV
程度のフォーカス電圧が夫々供給され、第3電極G3
第4電極G4 及び第5電極G5 によって主電子レンズが
構成される。
【0012】そして、各カソードKR ,KG 及びKB
ら出射された赤、緑、青に対応する各電子ビームは、主
電子レンズの中心で交差した後、静電コンバージェンス
電極53を通り、即ち中央の緑に対応する電子ビームは
偏向電極板53a及び53b間を直進し、赤に対応する
電子ビームは、偏向電極板53b及び53d間に進入し
て偏向され、青に対応する電子ビームは、偏向電極板5
3a及び53c間に進入して偏向され、蛍光面上でコン
バージェンスされる。
【0013】一方、内蔵分割抵抗板52は、図12A及
び図12Bにそれぞれ平面図及び側面図示すように、例
えばアルミナ基板等からなる絶縁基板65上に、導電性
の膜のパターンにより抵抗体66を形成し、この抵抗体
66を保護するために抵抗体66を覆ってガラス等の絶
縁ペーストからなるオーバーコート膜67を形成するこ
とにより構成される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
内蔵分割抵抗板52を有する陰極線管内の電位分布を図
13に示す。図13Aはスイッチオン直後の電位分布、
図13Bはスイッチオン後長時間経過した後の電位分布
をそれぞれ示す。図中実線は内蔵分割抵抗板52表面の
オーバーコート膜67上の電位分布、破線は内蔵分割抵
抗板52内の抵抗体66の電位分布、鎖線は陰極線管の
ネック部50aの内壁の電位分布をそれぞれ示す。また
横軸ZはB電極をZ=0として、A電極(27kV)ま
でを表示している。
【0015】図13Aに示すように、陰極線管のネック
部50aの内壁の電位は、ネック部50aの内壁が絶縁
物であるガラスからなるため、スイッチオン直後即ち高
圧の陽極電圧印加直後は、ステム(アース)側に対して
放物線状に急減する電位勾配である。しかし、時間の経
過と共に帯電していくため、放物線の減少度(電位差)
が減り、ステム側へ高電位の部分が広がって行く。
【0016】一方、内蔵分割抵抗(IBR)のオーバー
コート膜67上の電位は、スイッチオン直後はネック部
50aの内壁の電位分布と並行しており、ネック部50
aの内壁よりやや高い電位である。ところが、スイッチ
オン後長時間経過後は、ネック部50aの内壁電位並び
に抵抗体66の電位によって帯電するために、図13B
に示すように電位が大きく上昇してしまう。このため、
B電極(1kV:IBRのアース側電極)との間で放電
が生じやすい。またネック部50aの内壁との電位差も
大きくなるので、ネック部50aの内壁との間でも放電
しやすくなる。
【0017】このような放電の問題を解決するために、
先に提案した陰極線管の内蔵分割抵抗板の断面図を図9
に示す。この内蔵分割抵抗板32は、絶縁基板35上に
図示しないが抵抗体が形成され、この抵抗体を覆って形
成されたオーバーコート膜37の内、B電極t2 とA電
極t1 との間のオーバーコート膜37上に、導電ペース
トを全面に塗布することにより、導電膜34が形成され
ている。これによりA電極t1 −B電極t2 間にリーク
電流を流す。
【0018】この場合の陰極線管内の電位分布を図10
に示す。図10Aはスイッチオン直後の電位分布、図1
0Bはスイッチオン後長時間経過した後の電位分布をそ
れぞれ示す。図中実線は内蔵分割抵抗板32表面のオー
バーコート膜37上の電位分布、破線は内蔵分割抵抗板
32内の抵抗体の電位分布、鎖線は陰極線管のネック部
の内壁の電位分布をそれぞれ示す。また横軸ZはB電極
をZ=0として、A電極(27kV)までを表示してい
る。
【0019】このとき、A電極t1 とB電極t2 との間
に導電膜34を通じてリーク電流が流れるため内蔵分割
抵抗板32の表面には帯電は生じないので、図10Bに
示すように、スイッチオン後長時間経過してもオーバー
コート膜37上の電位分布は変化がなく、終始直線の電
位勾配である。これにより、ネック部の内壁との電位差
が少ないため、ネック部の内壁と内蔵分割抵抗板32表
面との間の放電を抑制することができる。
【0020】しかしながら、この場合には、図10Aに
示すように、スイッチオン直後のネック部の内壁(アー
ス近傍)または電子銃の低圧電極(例えば陰極,第1電
極G1 ,第2電極G2 等)と、オーバーコート膜37上
との電位差が図13Aに示した従来の場合よりも大き
く、放電しやすい欠点を有した。
【0021】また、導電膜34をA電極t1 及びB電極
2 に接続させるため、これら電極t1 ,t2 の周囲に
あるオーバーコート膜37の段差を覆って導電膜34を
形成しなければならない。従って、このオーバーコート
膜37の段差付近で導電膜34が切れやすい欠点があ
り、また導電膜34が平面に形成できないので容易に導
電膜を形成することができなかった。
【0022】上述した問題の解決のために、本発明にお
いては、内蔵分割抵抗板表面からの放電を抑制すること
により、放電が少ない陰極線管を提供するものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の陰極線管は、電
子銃の側部に配された内蔵分割抵抗板の表面絶縁膜上
に、電子銃の低電位側から高電位側に向かって、互いに
分離された複数の導電膜が形成されて成るものである。
【0024】上述の本発明の構成によれば、内蔵分割抵
抗板の表面に複数の導電膜を形成することにより、この
複数の導電膜により等電位の部分が形成され、また導電
膜は帯電しないことから、内蔵分割抵抗板の表面におけ
る帯電による電位上昇が抑制されるので、内蔵分割抵抗
板の表面から周囲への放電、及び内蔵分割抵抗板の表面
における沿面放電を抑制することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明は、電子銃の側部に内蔵分
割抵抗板が配されて成る陰極線管において、内蔵分割抵
抗板の表面絶縁膜上に、電子銃の低電位側から高電位側
に向かって、互いに分離された複数の導電膜が形成され
て成る陰極線管である。
【0026】また本発明は、上記陰極線管において、複
数の導電膜の、低電位側のピッチが、高電位側のピッチ
より小とされた構成とする。
【0027】また本発明は、上記陰極線管において、複
数の導電膜が、ドット列である構成とする。
【0028】また本発明は、上記陰極線管において、複
数の導電膜が、内蔵分割抵抗板の表面絶縁膜を横切る構
成とする。
【0029】以下、図面を参照して本発明の陰極線管の
実施の形態を説明する。図1に本発明の陰極線管の一実
施の形態の電子銃付近の要部(いわゆるネック部)の拡
大図を示す。
【0030】図1に示す陰極線管10は、そのネック部
10n内に、いわゆるインライン配列がされた例えば
赤、緑、青の各色に対応する3個のカソードK(KR
G ,KB )に対して共通に第1電極G1 、第2電極G
2 、第3電極G3 、第4電極G4 、第5電極G5 が順次
同軸上に配列され第5電極G5 の後段にコンバージェン
ス電極3を有して成る電子銃1を備えて成る。
【0031】そして、これらの電極G1 〜G5 ,3に対
向して、内蔵分割抵抗板2が配置され、高圧用端子(A
電極)t1 が第5電極G5 に、コンバージェンス用端子
(C電極)t3 がコンバージェンス電極3にそれぞれ接
続される。接地用端子(B電極)t2 はステムピンに接
続されて接地される。
【0032】この場合、内蔵分割抵抗板2は、電子銃1
の各電極G1 〜G5 及び静電コンバージェンス電極3を
保持するためのビーディングガラス(図示せず)の配置
との関係で、図1に示すように、カソードKR ,KG
B の配列方向の一方の側、例えばカソードKR の側に
電子銃1に沿って配置される。
【0033】コンバージェンス電極3は、図示しないが
前述と同様に4枚の偏向電極板にて形成され、その内側
偏向電極板(図示せず)にアノード電圧HVが供給さ
れ、その外側偏向電極板(図示せず)に内蔵分割抵抗板
2の抵抗体により分圧されたコンバージェンス電圧CV
が供給される。
【0034】そして、内蔵分割抵抗板2は、図2に断面
図を示すように、アルミナ基板等の絶縁基板5上に形成
した酸化ルテニウム等の抵抗体(図示せず、図12の抵
抗体66と同様)により構成され、この抵抗体を保護す
るために、例えばガラス材からなるオーバーコート膜7
で電極t1 〜t3 を除く表面を覆って構成される。本実
施の形態においては、特に、このオーバーコート膜7の
表面上に、互いに分離された複数の導電膜4が管軸方向
に垂直なストライプ状に形成されている(図1及び図2
参照)。
【0035】好ましくは、図3に内蔵分割抵抗板2の平
面図を示すように、複数の導電膜4の、低電位側(B電
極t2 側)のピッチを、高電位側(A電極t1 側)のピ
ッチより小とする。これにより、オーバーコート膜7上
の電位は、後述するように高電位側が急な勾配、低電位
側が緩い勾配となる(図6A参照)。
【0036】導電膜4は、例えばATO(Sn−Sb酸
化物)に結合剤としてフリット、印刷膜形成のための有
機樹脂、及び溶剤から成るペーストを用いる。
【0037】そして、オーバーコート膜7上に、このペ
ーストを所定のパターンにスクリーン印刷等の方法で塗
布して、さらに焼成を行って導電膜4を定着させる。次
にこれを乾燥した後、例えば空気中で600℃で10分
保持して焼成を行い、内蔵分割抵抗板2を完成する。
【0038】焼成後の導電膜4の表面抵抗は、好ましく
は109 〜1013Ω/□となるようにする。これにより
内蔵分割抵抗板2内の抵抗体より抵抗が充分大きくかつ
導電膜同士が分離されているので、抵抗体の電流の大き
さには影響が少ない。尚、図1及び図2においては、各
導電膜4を管軸方向に垂直なストライプ状としている
が、各導電膜4を管軸と斜交する方向のストライプ状、
管軸方向と交差するV字状、く字状としてもよく、その
他のオーバーコート膜7上を横切る構成としてもよい。
【0039】また、内蔵分割抵抗板2のオーバーコート
膜7上の導電膜4は、図4Aに平面図、図4Bに断面図
をそれぞれ示すような角部を有する形状であると、ここ
に電位集中が生じて放電しやすくなる。従って、好まし
くは、内蔵分割抵抗板2のオーバーコート膜7上の導電
膜4を、図5Aに平面図、図5Bに断面図をそれぞれ示
すような角部のない丸い端面形状とする。
【0040】また、図示しないが、導電膜4がオーバー
コート膜7に多少浸透した状態であってもよい。
【0041】本実施の形態の陰極線管10における、陰
極線管内の内蔵分割抵抗板2付近電位分布を図6に示
す。図6Aはスイッチオン直後の電位分布、図6Bはス
イッチオン後長時間経過した後の電位分布をそれぞれ示
す。図中実線は内蔵分割抵抗板2表面のオーバーコート
膜7上の電位分布、破線は内蔵分割抵抗板2内の抵抗体
の電位分布、鎖線は陰極線管10のネック部10nの内
壁の電位分布をそれぞれ示す。また横軸ZはB電極をZ
=0として、A電極(27kV)までを表示している。
【0042】本実施の形態においては、図3に示したよ
うに、B電極t2 に近い方が導電膜4のパターン数が多
くA電極t1 に近い方がパターン数が少なくなっている
ため、その結果オーバーコート膜7上の電位分布は、図
6Aに示すようにB電極側が電位勾配が小さく、A電極
側が電位勾配が大きい分布となる。これにより、ネック
部の内壁電位と、オーバーコート膜7上の電位との差が
図10の場合に比して接近しているため、スイッチオン
直後に放電が生じにくくなる。
【0043】また、導電膜4が形成されているため、そ
の部分は帯電しないため、内蔵分割抵抗板2の表面にお
ける帯電が従来の場合より低減されるため、図6Bに示
すようにスイッチオン後長時間経過後の電位上昇が少な
くなるので、放電の発生が抑制される。
【0044】ここで、電子雪崩(沿面放電)と導電膜と
の関係を図7を用いて説明する。図7Aに示すように、
ネック部の内壁等に用いられる絶縁体(ガラス等)11
は、電位分布を有していると、等電位線Cがその表面に
交差する方向にある。そして、この絶縁体11の表面に
電子e- が入射すると、等電位線Cに垂直方向に加速さ
れて進むため、図のように絶縁体11表面で反射しなが
ら表面に沿って進行して行く。このとき、絶縁体11表
面で反射する際に2次電子等を生じるため、自由な電子
が増加して次々に絶縁体11にぶつかって行く。この現
象が電子雪崩(沿面放電)である。
【0045】そこで、図7Bに示すように、絶縁体11
の表面に導電膜12を形成する。導電膜12内では等電
位となるため、導電膜12の周囲の等電位線Cも導電膜
12と平行となる。ここに電子e- が入射すると、導電
膜12のない絶縁体11表面では反射するが、導電膜の
部分では等電位線Cに垂直、即ち絶縁体11表面に垂直
に入射する。従って、仮に反射して2次電子が生じたと
しても等電位線Cに垂直な方向に加速されるため、また
同じ位置に戻る。従って電子の移動が生じないので、こ
の導電膜12の部分では電子雪崩(沿面放電)が起こら
なくなる。
【0046】従って、上述の本実施の形態によれば、オ
ーバーコート膜7上に一次電子が衝突しても、Z軸方向
(管軸方向)の電位勾配が導電膜4パターン中で実質的
になくなるので、電子雪崩を起こさず放電に至らない。
この電子雪崩の防止となる導電体4のパターンを管軸方
向に沿って多数個設けて、各所から飛来する1次電子の
衝突による放電を防止することができる。
【0047】また、図9に示した内蔵分割抵抗板32の
表面に面状に連続した導電膜34を形成した場合と比較
して、本実施の形態は導電膜4が電気的に浮いているパ
ターンで、A電極t1 及びB電極t2 の両電極にコンタ
クトさせる必要がないので、被印刷面即ち導電膜4が形
成される部分のオーバーコート膜7の上面は、ほぼ平面
であり、スクリーン印刷による導電膜4の形成を容易に
行うことができる。これにより製造時の作業性の向上が
図られる。
【0048】続いて、本発明による陰極線管の他の実施
の形態について説明する。本実施の形態は、内蔵分割抵
抗板の表面の導電膜をドット状に形成する場合である。
【0049】図8に内蔵分割抵抗板の一部の平面図を示
すように、本実施の形態においては、内蔵分割抵抗板2
のオーバーコート膜7表面にドット状の導電膜4dが形
成され、このドット状の導電膜4dが管軸方向に垂直な
ドット列4rに整列されて内蔵分割抵抗板2が構成され
て成る。図8ではドット状の導電膜4dが円形になって
いるが、楕円状、長方形、正方形等のその他の形状であ
ってもよい。
【0050】尚、このドット状の導電膜4dを形成する
場合には、ドット列4rが管軸と交差する方向に並んで
いればよいので、必ずしも隣のドット列4rとドット上
の導電膜4dの位置が揃っていなくともよい。その他の
構成は、先の実施の形態と同様であるので、重複説明を
省略する。
【0051】本実施の形態においても、先の実施の形態
と同様に内蔵分割抵抗板2の表面の電位とネック部10
nの内壁との電位差を少なくして、スイッチオン直後の
放電回数を低減させることができ、また、ドット状の導
電膜4d付近は帯電しないので、帯電による電位の上昇
も少なく、長時間の使用後における放電回数も低減させ
ることができる。また、先の実施の形態と同様に、沿面
放電の防止効果も有する。
【0052】本発明の陰極線管は、上述の実施の形態に
限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範
囲でその他様々な構成が取り得る。
【0053】
【発明の効果】上述の本発明による陰極線管によれば、
内蔵分割抵抗板表面に複数の導電膜を形成することによ
り、内蔵分割抵抗板表面とネック部内壁との電位差を少
なくして、スイッチオン直後の放電回数を低減させるこ
とができると共に、帯電する部分が小さくなり帯電によ
る電位上昇が抑制されるため、長時間の使用後における
放電回数も低減させることができる。
【0054】また、導電膜でオーバーコート膜の段差を
覆う必要がないので、導電体のパターンが平面印刷で形
成可能となるため、パターン形成の安定性、作業性の向
上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の陰極線管の実施の形態の要部の概略構
成図である。
【図2】図1の陰極線管の内蔵分割抵抗板の断面図であ
る。
【図3】図2の内蔵分割抵抗板の平面図である。
【図4】A、B 導電膜が角部を有する場合を説明する
図である。
【図5】A、B 導電膜が角部を有しない場合を説明す
る図である。
【図6】図1の陰極線管における内蔵分割抵抗板及びネ
ック内壁の電位分布を示す図である。 A スイッチオン直後の電位分布である。 B スイッチオン後長時間経過後の電位分布である。
【図7】沿面放電を説明する図である。 A 導電膜を形成しない場合である。 B 導電膜を形成する場合である。
【図8】本発明の陰極線管の他の実施の形態の内蔵分割
抵抗板の平面図である。
【図9】内蔵分割抵抗板のオーバーコート膜上に一面に
導電膜を形成した場合を示す図である。
【図10】図9の構成における内蔵分割抵抗板及びネッ
ク内壁の電位分布を示す図である。 A スイッチオン直後の電位分布である。 B スイッチオン後長時間経過後の電位分布である。
【図11】従来の内蔵分割抵抗板を有する陰極線管の要
部の概略構成図である。
【図12】図11の陰極線管の内蔵分割抵抗板の概略構
成図である。 A 平面図である。 B 側面図である。
【図13】図11の陰極線管における内蔵分割抵抗板及
びネック内壁の電位分布を示す図である。 A スイッチオン直後の電位分布である。 B スイッチオン後長時間経過後の電位分布である。
【符号の説明】
1 電子銃、2 内蔵分割抵抗板、3 コンバージェン
ス電極、4 導電膜、4d ドット状の導電膜、4r
ドット列、5 絶縁基板、7 オーバーコート膜、10
陰極線管、10n ネック部、11 絶縁体、12
導電膜、K、KR,KG ,KB 陰極、G1 第1電
極、G2 第2電極、G3 第3電極、G4第4電極、
5 第5電極、t1 A電極、t2 B電極、t3
C電極、C等電位線、e- 電子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鞭 常雄 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子銃の側部に内蔵分割抵抗板が配され
    て成る陰極線管において、 上記内蔵分割抵抗板の表面絶縁膜上に、上記電子銃の低
    電位側から高電位側に向かって、互いに分離された複数
    の導電膜が形成されて成ることを特徴とする陰極線管。
  2. 【請求項2】 上記複数の導電膜の、低電位側のピッチ
    が、高電位側のピッチより小とされたことを特徴とする
    請求項1に記載の陰極線管。
  3. 【請求項3】 上記複数の導電膜が、ドット列であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の陰極線管。
  4. 【請求項4】 上記複数の導電膜が、上記内蔵分離抵抗
    板の上記表面絶縁膜上を横切ることを特徴とする請求項
    1に記載の陰極線管。
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