JPH11174793A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH11174793A
JPH11174793A JP34271297A JP34271297A JPH11174793A JP H11174793 A JPH11174793 A JP H11174793A JP 34271297 A JP34271297 A JP 34271297A JP 34271297 A JP34271297 A JP 34271297A JP H11174793 A JPH11174793 A JP H11174793A
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carrier
image forming
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雅博 井上
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健一郎 脇
Katsuaki Kobayashi
克彰 小林
Masaru Hibino
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 注入帯電方式と2成分接触現像の両方を用い
た際に発生する現像時のかぶり、濃度低下を防止する。 【解決手段】 注入帯電方式と交番する現像電界で現像
する2成分接触現像方式を採用した装置で、キャリアの
体積抵抗率を106〜1010Ωcm、現像電界は交番部
と休止部が繰り返してなるものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複写機、プリンタ等
の画像形成装置に関し、特には、像担持体上の静電潜像
を2成分現像剤で現像する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図6に従来の画像形成装置の一例の断面
図を示す。
【0003】同図において、まず、原稿台10上に原稿
Gを複写すべき面を下側にしてセットする。次にコピー
ボタンを押すことにより複写が開始される。原稿照射用
ランプ、短焦点レンズアレイ、CCDセンサーが一体に
構成されたユニット9が原稿を照射しながら走査するこ
とにより、その照明走査光の原稿面反射光が、短焦点レ
ンズアレイによって結像されてCCDセンサーに入射さ
れる。
【0004】CCDセンサーは受光部、転送部、出力部
より構成されており、CCD受光部において光信号が電
荷信号に変えられ、転送部でクロックパルスに同期して
順次出力部へ転送され、出力部において電荷信号を電圧
信号に変換し、増幅、低インピーダンス化して出力す
る。このようにして得られたアナログ信号を周知の画像
処理を行なってデジタル信号に変換してプリンター部に
送る。
【0005】プリンター部においては、上記の画像信号
を受けて以下のようにして静電潜像を形成する。感光ド
ラム1は、中心支軸を中心に所定の周速度で矢印方向に
回転駆動され、その回転過程にて帯電器3により約−6
50Vになるように一様な帯電処理を受け、その一様帯
電された表面上を画像信号に対応してON、OFF発光
される固体レーザー素子の光を高速で回転する回転多面
鏡によって走査することにより、感光ドラム1面には原
稿画像に対応した静電潜像が順次に形成されていく。
【0006】ここで現像工程について説明する。一般的
に現像方法は、非磁性トナーについては、ブレード等で
スリーブ上にコーティングし、磁性トナーについては、
磁気力によってコーティングして搬送し、感光ドラムに
対して非接触状態で現像する2つの方法(1成分非接触
現像)と、上記のようにしてコーティングしたトナーを
感光ドラムに対して磁性キャリアを混合したものを現像
剤として用いて磁気力によって搬送し、感光ドラムに対
して接触状態で現像する方法(2成分接触現像)と上記
の2成分現像剤を非接触状態にして現像する方法(2成
分非接触現像)の4種類に大別される。
【0007】上記の4つの現像方法のなかで、高解像度
でかつ中間調が得易いことからトナー粒子と磁性キャリ
アを混合したものを現像剤として用い、感光ドラムに対
して接触状態で現像する2成分接触現像法を用いてい
る。
【0008】この場合、キャリアとしては過帯電防止、
現像電極効果から体積抵抗率106〜1010Ωcmのも
のを用い、更に、現像電界に交番電界を用い現像効率、
画像品位を向上させている。
【0009】また、近年環境意識の高まりとともにコロ
ナ放電を用いない帯電方法として直接帯電部材が使用さ
れるようになってきた。特に注入帯電方式が感光体を帯
電する際に放電量が極めて少ない方式で非常に優れてい
る。注入帯電方式とは、感光体表面材質の持つトラップ
電位に注入帯電部材で電荷を注入して帯電を行なうも
の、あるいは、感光体表面に導電性粒子を分散させた電
荷注入層を設け、この導電性粒子に対して注入帯電部材
で電荷を充電して帯電を行なうものである。
【0010】この注入帯電は注入帯電部材に印加するバ
イアスに交番電圧を重畳すると帯電効率が良化し、接触
帯電部材の長寿命化を達成し得ることがわかっている。
又、重畳する交番電界としては、ピークtoピーク電
圧、即ちVppが500V以上、特には700V以上、
周波数が、300〜5000Hz、好ましくは500〜
2000Hzのものが好適である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このように注
入帯電と交番現像電界を用いる2成分接触現像を採用し
た装置では、画像にかぶりや濃度低下が発生するという
問題が生じた。
【0012】そこで、本発明者らは、上記のかぶりなら
びに画像濃度の低下が発生する現象について様々な検討
を行なった結果、これらの現象は、感光ドラムに対し
て、現像時に磁性キャリアから電荷が注入され静電潜像
の電位が変わってしまうことにより発生することが判明
した。
【0013】詳述すると、体積抵抗率が、1010Ω・c
m以下、体積平均粒径が略100μm以下、好ましくは
15〜50μmのフェライト等の磁性粒子をマグネット
を内包した帯電用スリーブに対し、帯電用スリーブ表面
の単位面積(1cm2)あたり100mg以上、ただ
し、上述磁性粒子の比重が5.0であるとき、即ち、1
00mg/cm2以上のコート状態で担持し、感光ドラ
ムに対し、前記帯電用スリーブを略500μmの間隔を
保って摺擦しながら、帯電させた目標電位に略等しい直
流電圧にVpp=500V以上、好ましくは700V以
上で、周波数Vf=300〜5000Hz、好ましくは
500〜2000Hzの交番電圧を重畳したバイアスを
印加することによって感光ドラムを帯電することができ
るような装置では、体積抵抗率が、106〜1010Ω・
cm程度の磁性キャリアを用い感光体に、これらの磁性
キャリアを直接接触させて現像を行なう2成分接触現像
においても、注入帯電と同様の電荷注入現象が発生する
場合があることがわかった。
【0014】又、これは、現像時に現像スリーブ−感光
ドラム間に発生する、最大電界強度 Εmax-De={−1000+(−500)}/500×1
-6=−3.0×106〔V/m〕 が、注入帯電時に注入帯電用スリーブ−感光ドラム間に
発生する最大電界強度 Εmax-ch={−350+(−650)}/500×10
-6=−2.0×106〔V/m〕 よりも大きくなってしまっていることも原因の1つと考
えられる。
【0015】従って注入帯電用の感光ドラムに体積抵抗
率が106〜1010Ω・cm程度の磁性キャリアを有す
る2成分現像剤にVppが500V以上、周波数が20
00Hz程度の交番電界を重畳して反転現像を行なおう
とすると、現像部において現像用の磁性キャリアが感光
ドラムに対して電荷注入が行なわれるため、白地部(感
光ドラムに一様帯電した後、露光しなかった部分)、黒
字部(感光ドラムに一様帯電した後、露光した部分)共
に、その電位が現像スリーブに印加している電圧のDC
成分に収束するようになる。このため、白地部と現像ス
リーブの電位差が減少し、かぶりが発生するとともに、
黒字部と現像スリーブの電位差も減少することから画像
濃度が低下してしまうことを見出した。
【0016】上述の従来例の説明においては、現像方式
としては反転現像方式についてのみ説明したが、このよ
うな問題は反転現像方式特有のものではなく、正規現像
方式を用いた場合に同様に発生することも本発明者等の
研究により判明した。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明は、注入帯電可能な像担持体と、振動成分を有する電
圧が印加され感光体を注入帯電する注入帯電部材と、ト
ナーとキャリアを有する2成分現像剤を像担持体に接触
させ、且つ、交番する現像電界下で現像を行なう現像手
段と、を有する現像装置において、キャリアの体積抵抗
率は106〜1010Ωcmで、現像電界は交番部と休止
部が繰り返してなることを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】図2は本発明の実施例の画像形成
装置の断面図である。
【0019】尚、図6に示した装置と同一部材には同一
番号を符して説明は省略する。
【0020】図7は、前記の装置においてレーザー光を
走査するレーザー走査部100の概略構成を示すもので
ある。このレーザー走査部100によりレーザー光を走
査する場合には、まず入力された画像信号に基づき発光
信号発生器101により、固体レーザー素子102を所
定タイミングで明滅させる。そして固体レーザー素子1
02から放射されたレーザー光は、コリメーターレンズ
系103により略平行な光束に変換され、更に矢印B方
向に回転する回転多面鏡104により矢印C方向に走査
されると共にfθレンズ群105a、105b、105
cにより感光ドラム1等の被走査面106にスポット状
に結像される。このようなレーザー光の走査により被走
査面106上には画像一走査分の露光分布が形成され、
更に各走査毎に被走査面106を前記走査方向とは垂直
に所定量だけスクロールさせれば、被走査面106上に
画像信号に応じた露光分布が得られる。
【0021】現像装置4は、図8に示すように現像剤容
器16を備え、この現像剤容器16の内部は隔壁17に
よって現像室(第1室)R1と撹拌室(第2室)R2と
に区画され、トナー貯蔵室R3内には補給用トナー(非
磁性トナー)18が収容されている。なお、トナー貯蔵
室R3の底部には補給口20が設けられ、消費されたト
ナーに見合った量の補給用トナー18が補給口20を経
て撹拌室R2内に落下補給される。
【0022】これに対し現像室R1及び撹拌室R2内に
は現像剤19が収容されている。現像剤19は、前述し
たように非磁性トナーと磁性粒子(キャリア)とを有す
る2成分現像剤である。なお、混合比は重量比で非磁性
トナーが約4〜10%である。非磁性トナーは約5〜1
5μmの体積平均粒径を有する。また、磁性粒子は樹脂
コーティングされたフェライト粒子(最大磁化60em
u/g)からなり、その重量平均粒径は25〜60μm
であり、その抵抗値は106 〜1010Ω・cmの値を示
す。また、磁性粒子の透磁率は約5.0である。
【0023】現像剤容器16の感光ドラム1に近接する
部位には開口部が設けられ、該開口部から現像スリーブ
11が外部に半周分突出し、現像剤容器16内に回転可
能に組込まれている。現像スリーブ11の外径寸法は3
2mmであり、その周速は280mm/secで、図中
矢印の方向に回転される。現像スリーブ11は感光ドラ
ム1との間隔が500μmになるように配置されてい
る。現像スリーブ11は非磁性体からなり、その内部に
は磁界発生手段である磁石12が固定されている。
【0024】磁石12は現像磁極S1とその下流に位置
する磁極N3と現像剤を搬送するための磁極N2、S
2、N1とを有する。磁石12は現像磁極S1が感光ド
ラム1に対向するように現像スリーブ11内に配置され
ている。現像磁極S1は、現像スリーブ11と感光ドラ
ム1との間の現像部の近傍に磁界を形成し、該磁界によ
って磁気ブラシが形成される。
【0025】現像スリーブ11の上方にはブレード15
が現像スリーブ11と800μmの間隔をおいて現像剤
容器16に固定され、現像スリーブ11上の現像剤19
の層厚を規制する。ブレード15はアルミニウム、SU
S316などの非磁性材料からなる。
【0026】現像室R1内には搬送スクリュー13が収
容されている。搬送スクリュー13は図中の矢印が示す
方向に回転され、該搬送スクリュー13の回転駆動によ
って現像室R1内の現像剤19は現像スリーブ11の長
手方向に向けて搬送される。
【0027】貯蔵室R2内には搬送スクリュー14が収
容されている。搬送スクリュー14はその回転によって
トナーを現像スリーブ11の長手方向に沿って搬送し、
そのトナーは補給口20から撹拌室R2内に自由落下す
る。
【0028】現像スリーブ11は磁極N2近傍の位置で
現像剤を担持し、現像スリーブ11の回転に伴い現像剤
19が現像部に向けて搬送される。現像剤19が現像部
近傍に到達すると現像剤19の磁性粒子が磁極S1の磁
気力で連なりながら現像スリーブ11から立ち上がり、
現像剤19の磁気ブラシが形成される。 図3に帯電器
3を示す。
【0029】尚、注入帯電とは、帯電部材から被帯電部
材へ直接電荷注入を行ないながら帯電する方式で、帯電
部材に印加したバイアスとほぼ1:1で立ち上がる表面
電位が、被帯電部材表面に得られる。
【0030】下図にも示すように従来のローラー帯電等
の接触帯電では、放電による被帯電部材への帯電である
ため、帯電部材に印加したバイアスと、被帯電部材表面
に表れる表面電位との間に差分が生じる。(通常約60
0V)
【0031】これに対し、注入帯電では、図からもわか
るように帯電部材に印加したバイアスと、被帯電部材表
面に表れる電位の差は、前述のようにほぼOVか、20
0V以下、特に好ましくは100V以下である。
【0032】帯電器3は容器34の中に、固定されたマ
グネット32を内包したスリーブ31に注入帯電用の帯
電用磁性粒子35を規制部材33でコーティングし、感
光体1との接触部において感光体1の移動方向とは逆方
向にスリーブ31が移動するように接触摺擦しながら、
スリーブ31を回転させる。又、スリーブ31と感光体
1との距離は略500μmとなるよう構成した。
【0033】ところで帯電用磁性粒子35は、 ・樹脂とマグネタイト等の磁性粉体を混練して粒子に成
型したもの、もしくはこれに抵抗値調節のために導電カ
ーボン等を混ぜたもの、 ・焼結したマグネタイト、フェライト、もしくはこれら
を還元または酸化処理して抵抗値を調節したもの、 ・上記の磁性粒子を抵抗調整したコート材(フェノール
樹脂にカーボンを分散したもの等)でコートまたはNi
等の金属でメッキ処理して抵抗値を適当な値にしたも
の、等が考えられる。
【0034】これら帯電用磁性粒子35の抵抗値として
は、高すぎると感光体に電荷が均一に注入できず、微小
な帯電不良によるカブリ画像となってしまう。低すぎる
と感光体表面にピンホールがあったとき、ピンホールに
電流が集中して帯電電圧が降下し、感光体表面を帯電す
ることができず、帯電ニップ状の帯電不良となる。よっ
て磁性粒子の抵抗値としては、1×102 〜1×1010
Ωのものが、好ましくは、感光ドラムにピンホールのよ
うなものが存在することを考慮すると1×106 Ω以上
が望ましい。帯電磁性粒子の抵抗値は、電圧が印加でき
る金属セル(低面積228mm2 )に帯電磁性粒子を2
g入れた後加重し、電圧を100V印加して測定した。
【0035】帯電用磁性粒子の磁気特性としては、ドラ
ムへの帯電用磁性粒子付着を防止するために磁気拘束力
を高くする方がよく、飽和磁化が100(emu/cm
3 )以上が望ましい。
【0036】実際に、本実施例で用いた帯電用磁性粒子
は、平均粒径が30μmで、抵抗値が1×106 Ω、飽
和磁化が200(emu/cm3 )であった。
【0037】帯電用スリーブ31に対してバイアス−6
50VにVpp=700V,Vf=1000HzのSin
波からなる交番電界を重畳したバイアスを印加すること
によって、感光体1は一様に−650Vに帯電する。あ
とは従来例で説明したような工程で画像を形成する。従
って、帯電時に帯電用スリーブ31と感光体1間で、発
生する最大電界強度は、{−350+(−650)}/
500×10-6=−2.0×10-6〔V/m〕である。
【0038】帯電器3はコロナ帯電器を用いてもよい
が、注入帯電方式は感光体を帯電する際に放電量が極め
て少ない方式で感光体表面の状態を放電生成物等による
汚染を押さえる、非常に優れた方式である。
【0039】次に、本実施例における感光ドラムについ
て説明する。
【0040】・感光ドラムAについて φ30mmのアルミニウム製のドラム基体に第1層とし
て下引き層が設けられ、露光の反射によるモアレの発生
を防止するための厚さ20μmの導電層とされている。
第2層は正電荷注入防止層であり、ドラム基体から注入
された正電荷が感光体表面に帯電された負電荷を打ち消
すのを防止する役割を果たし、アミラン樹脂とメトキシ
メチル化ナイロンによって体積抵抗率106 Ω・cm程
度に抵抗調整された厚さ約0.1μmの中抵抗層であ
る。第3層は電荷発生層であり、ジスアゾ系の顔料を樹
脂分散した厚さ約0.3μmの層で、露光によって正負
の電荷対を発生する。第4層は電荷輸送層であり、ポリ
カーボネイト樹脂にヒドラゾンを分散したもので、p型
の半導体である。第5層はポリカーボネイト樹脂に表面
抵抗率を落とすためにSnO2 等の低抵抗粒子を樹脂3
重量部に対し、5重量部分散した2μmの表面層であ
る。その表面層の体積抵抗率は1013Ω・cmである。
表面抵抗率をこのようにコントロールすることにより直
接帯電性が向上し高品位な画像を得ることができる。感
光体はOPCに限らずa−Siドラムでも実現でき、さ
らに高耐久化を実現できる。
【0041】この第4層は、画像形成時に感光ドラムに
与えられるマイナス電荷に対しては、体積抵抗率に換算
して1016Ω・cm以上の絶縁性を示す。従って、本発
明の特徴の1つである第5層とは、電気物性的に違いが
ありその関係は体積抵抗率で見ると第4層>第5層の関
係になる。
【0042】ここで表面層の体積抵抗率は、金属の電極
を200μmの間隔で配し、その間に表面層の調合液を
流入して成膜させ、電極間に電圧を100V印加して測
定した値である。測定は温度23℃、湿度50%RHの
条件下で測定した値である。
【0043】次に、本発明の最も特徴たる部分について
説明する。本発明者等は、注入帯電用の像担持体、特に
は、表面層の体積抵抗率が109〜1014Ω・cm程度
に調整された像担持体である感光ドラム、及び体積抵抗
率が106〜1010Ω・cm程度の2成分現像剤を用い
た現像装置を備えた画像形成装置において、現像時に白
地部と現像スリーブの電位差が減少してかぶりが発生す
ると共に、黒字部と現像スリーブの電位差も減少して画
像濃度が低下するといった問題を解消できるような現像
バイアスを見出した。
【0044】即ち、本発明者等の検討によれば、現像ス
リーブに印加する現像バイアスを、交番電界部と、交番
電界を印加した時間の合計時間の略1〜5倍の時間、D
C成分だけからなる直流電界部が、交互に含まれるよう
なバイアスとすることにより上述のような問題を回避で
きることが判明した。
【0045】例えば、現像スリーブ11と感光ドラム1
との間に図1に示す波形の現像バイアスを印加すること
により、かぶりや画像濃度の低下を発生することなく、
がさつきのない良好な画像形成が行なえるようになっ
た。
【0046】ここで、図1を用いて、本発明による現像
バイアスの特徴を説明する。
【0047】引き戻し電圧V1をT1時間印加した後、現
像電圧V2をT2時間印加し、更に非画像部のかぶりとり
を考慮したDCバイアスに相当する電圧、即ちブランク
電圧V3=1/2・(V1+V2)をT3時間印加する。こ
のV3の値については、(V1+V2)の1/2だけでは
なくV1とV2の間の値であれば同様の効果を得ることが
できる。
【0048】このとき、これらのバイアスの印加時間
は、前述したように現像用キャリアにより、感光ドラム
への注入現象を防止し、勝つがさつきのない良好な画像
を得るために下記のように設定した。
【0049】 (T1+T2)≦T3≦5・(T1+T2) (秒)
【0050】ここで、図9を用いて現像バイアスにおけ
る交番電界部の時間的割合P、即ち、P=(T1+T2
/(T1+T2+T3)と、現像ニップ通過後の感光体電
位の関係について説明する。
【0051】図9において、横軸に現像バイアスにおけ
る交番電界部の時間的割合Pをとり、縦軸に現像ニップ
通過後の感光体電位をとった。
【0052】交番電界部の時間的割合Pを0〜1の間
で、ふったところ、Pの値が、0.5を超えたあたりか
ら、感光体電位におけるVD部:非画像部電位で、例え
ば、−650Vに、注入帯電部材で、感光体に帯電を施
した部分、又、VL部:VD部に露光を与えて、高濃度画
像部に相当する電位で、例えば、−200Vに調整され
た部分が、それぞれ現像バイアスにおけるV1とV2の平
均値図9においては−500Vに収束していくことが判
明した。
【0053】図9の結果からもわかるように、現像バイ
アスの交番電界部に直流電圧のみからなる休止(ブラン
ク)電圧部を設けること、特に、現像ニップ中で、実際
の現像が行なわれている総時間に対し、1/2以上とる
ことにより、現像用の磁性キャリアから感光ドラムに対
して電荷注入がほとんど行なわれなくなり、その結果、
かぶりや画像濃度の低下の発生を防止することが可能と
なった。
【0054】これはブランク部はDC電圧であるため電
荷注入が起こりにくく、交番部で電荷注入しようとする
動きをブランク部で阻止する効果があるためと考えられ
る。
【0055】尚、ブランク部の電圧の絶対値を非画像部
電位VDの絶対値と画像部電位VLの絶対値の間とするこ
とで、画像部と非画像部との電位差が小さくなり、電荷
注入防止効果は高い。
【0056】又、現像バイアスにおいて、このように交
番電界を印加した時間の合計時間の略1倍〜5倍の時
間、DC成分だけからなるバイアスを印加することの、
現像特性に与える影響について考察すると、5倍以下と
することで、交番電界を印加することにより現像スリー
ブ上のトナーに対する揺さぶり効果が十分に得られるよ
うになっている上に、1倍以上であることで、現像用キ
ャリアから離れたトナーが、逆電界が、印加されること
により現像スリーブ側に引き戻される前に、感光ドラム
に付着するに十分な時間が与えられることとなり、ハイ
ライト部のがさつき防止効果が発揮できるようになった
ことも見てとることができる。
【0057】尚、図1に示した現像バイアスの他にも、
図4に示すように、バイアス電圧を2組としたもの、図
5に示すように、バイアス電圧を3組としたもの、即
ち、バイアス電圧を複数組としたものでも上記と同様の
作用効果を得ることができることが判明した。
【0058】次に、図2に示すような実施形態の画像形
成装置に上述の感光体Aを用いて、以下の現像条件で画
像形成を行ない、転写紙上のかぶり並びに画像濃度の評
価を行なった。
【0059】・現像条件 現像スリーブ11は感光体1との距離を略500μmに
設定し、図1に示したような波形の直流電圧及び交流電
圧を印加した。トナーの帯電極性はマイナスとした。つ
まり、図1の波形図にて、 非画像部表面電位VD =−650V、 高濃度画像部表面電位VL =−200V 引き戻し電圧V1 =+500V、 現像電圧V2 =−1500V、 ブランク電圧V3 =−500V の条件で、T1 、T2 、T3 は、 T1 =1.0×10-4 秒 T2 =1.0×10-4 秒 T3 =2.0×10-4 秒 とした。従って、現像時に、現像スリーブ11と感光体
1間で発生する最大電界強度は(−1500)/500
×106〔V/m〕であり、帯電時に帯電用スリーブ3
1と感光体1間で発生する最大電界強度よりも大きくな
っている。
【0060】かぶり濃度の評価基準は下記の表1の通り
である。
【0061】
【表1】
【0062】尚、かぶりは、以下の方法により求めた。
TOKYO DENSHOKU CO.,LTDの濃度
計TC−6DSにより転写紙上のかぶり部と画像形成前
の転写紙のそれぞれの反射濃度を求め、下記の式、 かぶり濃度(%)=(転写紙上のかぶり部の反射濃度)
−(転写紙の反射濃度) で求めた。
【0063】また、画像濃度についてはX−lite社
製の濃度計941型を用いて転写紙上画像の反射濃度を
測定した。
【0064】上記の現像条件にて画像形成を行なったと
ころ、かぶりがなく、即ち表1の評価基準でレベルB、
画像濃度も1.4以上得られ、ハイライト部のがさつき
のない良好な画像が得られた。
【0065】実施例2 実施例2においては、図2に示す実施形態の画像形成装
置に上述の感光体Aを用いて、以下の現像条件で画像形
成を行ない、転写紙上のかぶりならびに画像濃度の評価
を行なった。
【0066】・現像条件 現像スリーブ11は、前述実施例1と同じく、感光体1
との距離を500μmに設定し、図示しない電源から図
1に示したような波形の直流電圧及び交流電圧を印加し
た。トナーの帯電極性はマイナスとした。図1の波形図
にて、 非画像部表面電位VD =−650V、 高濃度画像部表面電位VL =−200V 引き戻し電圧V1 =+500V、 現像電圧V2 =−1500V、 ブランク電圧V3 =−500V の条件で、T1 、T2 、T3 は、 T1 =8.0×10-5 秒 T2 =8.0×10-5 秒 T3 =8.0×10-4 秒 とした。従って、本実施例においても、前述実施例1と
同じく、現像スリーブ11と感光体1間に発生する最大
電界強度が帯電用スリーブ31と感光体1間で発生する
最大電界強度よりも大きくなっている。
【0067】以上の現像条件にて画像形成を行なったと
ころ、かぶりが殆ど無く、即ち表1の評価基準でレベル
B、画像濃度も1.5以上得られ、ハイライト部のがさ
つきのない良好な画像が得られた。
【0068】実施例3 実施例3においては、図2に示す実施形態の画像形成装
置に上述の感光体Aを用いて、以下の現像条件で、画像
形成を行ない、転写紙上のかぶり並びに画像濃度の評価
を行なった。
【0069】・現像条件 現像スリーブ11は、前述実施例1、2と同じく、感光
体1との距離を500μmに設定し、図示しない電源か
ら図1に示したような波形の直流電圧及び交流電圧を印
加した。トナーの帯電極性はマイナスとした。図2の波
形図にて、 非画像部表面電位V =−650V、 高濃度画像部表面電位V =−200V 引き戻し電圧V =+500V、 現像電圧V =−1500V、 ブランク電圧V =−500V の条件で、T 、T 、T は、 T =8.0×10−5 秒 T =8.0×10−5 秒 T =1.6×10−4 秒 とした。従って、本実施例においても、前述実施例1、
2と同じく、現像スリーブ11と感光体1間に発生する
最大電界強度が、帯電用スリーブ31と感光体1間で発
生する最大電界強度よりも大きくなっている。
【0070】以上の現像条件にて画像形成を行なったと
ころ、かぶりが殆ど無く、即ち表1の評価基準でレベル
A、画像濃度も1.6以上得られ、ハイライト部のがさ
つきのない良好な画像が得られた。
【0071】実施例4 実施例4においては、感光ドラムBを下記の構成とし
た。即ち、上記の感光ドラムAの製造で形成した第5層
の表面層に代えて、第5層目にポリカーボネイト樹脂に
表面抵抗を落とすためにSnO2 等の低抵抗粒子を樹脂
2重量部に対し、5重量部分散した2μmの表面層を有
した感光体を用いている。表面抵抗は109 Ωcmであ
る。
【0072】次に、以下の現像条件で画像形成を行な
い、転写紙上のかぶり並びに画像濃度の評価を行なっ
た。
【0073】・現像条件 現像スリーブ11は、前述実施例1、2、3と同じく感
光体1との距離を500μmに設定し図示しない電源か
ら図1に示したような波形の直流電圧及び交流電圧を印
加した。トナーの帯電極性はマイナスとした。図1の波
形図にて、 非画像部表面電位VD =−650V、 高濃度画像部表面電位VL =−200V 引き戻し電圧V1 =+500V、 現像電圧V2 =−1500V、 ブランク電圧V3 =−500V の条件で、T1 、T2 、T3 は、 T1 =1.0×10-4 秒 T2 =1.0×10-4 秒 T3 =2.0×10-4 秒 とした。従って、本実施例においても、前述実施例1、
2、3と同じく、現像スリーブ11と感光体1間に発生
する最大電界強度が、帯電用スリーブ31と感光体1間
で発生する最大電界強度よりも大きくなっている。
【0074】以上の現像条件にて画像形成を行なったと
ころ、かぶりが若干あった、即ち表1の評価基準でレベ
ルC、画像濃度も1.5以上得られ、ハイライト部のが
らつきのない良好な画像が得られた。
【0075】実施例5 実施例5においては、実施例4の感光ドラムBを用い
て、以下の現像条件で画像形成を行ない、転写紙上のか
ぶり並びに画像濃度の評価を行なった。
【0076】・現像条件 現像スリーブ11は、は、前述実施例1、2、3、4と
同じく、感光体1との距離を500μmに設定し図示し
ない電源から図1に示したような波形の直流電圧及び交
流電圧を印加した。トナーの帯電極性はマイナスとし
た。図1の波形図にて、 非画像部表面電位VD =−650V、 高濃度画像部表面電位VL =−200V、 引き戻し電圧V1 =+500V、 現像電圧V2 =−1500V、 ブランク電圧V3 =−500V の条件で、T1 、T2 、T3 は、 T1 =8.0×10-5 秒 T2 =8.0×10-5 秒 T3 =8.0×10-4 秒 とした。従って、本実施例においても、前述実施例1、
2、3、4と同じく、現像スリーブ11と感光体1間に
発生する最大電界強度が帯電用スリーブ31と感光体1
間で発生する最大電界強度よりも大きくなっている。
【0077】以上の現像条件にて画像形成を行なったと
ころ、かぶりが若干あった、即ち表1の評価基準でレベ
ルC、画像濃度も1.5以上得られ、ハイライト部のが
らつきのない良好な画像が得られた。
【0078】比較例1 上記実施例との比較例1として、図2に示す実施形態の
画像形成装置に上述の感光体Aを用いて、以下の現像条
件で画像形成を行ない、転写紙上のかぶりならびに画像
濃度の評価を行なった。
【0079】・現像条件 現像スリーブ11は、感光体1との距離を500μmに
設定し図示しない電源から図1に示したような波形の直
流電圧及び交流電圧を印加した。トナーの帯電極性はマ
イナスとした。図1の波形図にて、 非画像部表面電位VD =−650V、 高濃度画像部表面電位VL =−200V、 引き戻し電圧V1 =+500V、 現像電圧V2 =−1500V、 ブランク電圧V3 =−500V の条件で、T1 、T2 、T3 は、 T1 =2.5×10-4 秒 T2 =2.5×10-4 秒 T3 =0 秒 とした。従って、現像スリーブ11と感光体1間に発生
する最大電界強度が帯電用スリーブ31と感光体1間で
発生する最大電界強度よりも大きくなっている。
【0080】以上の条件にて画像形成を行なったとこ
ろ、かぶりがあり、即ち、表1の評価基準でレベルD、
画像濃度は1.0しか得られず、ハイライト部はややが
さつきのある低品位な画像しか得られなかった。
【0081】実施例6 上記実施例との比較例2として、図2に示す実施形態の
画像形成装置に上述の感光体Bを用いて、以下の現像条
件で画像形成を行ない、転写紙上のかぶりならびに画像
濃度の評価を行なった。
【0082】・現像条件 現像スリーブ11は、感光体1との距離を500μmに
設定し図示しない電源から図1に示したような波形の直
流電圧及び交流電圧を印加した。トナーの帯電極性はマ
イナスとした。図1の波形図にて、 非画像部表面電位VD =−650V、 高濃度画像部表面電位VL =−200V、 引き戻し電圧V1 =+500V、 現像電圧V2 =−1500V、 ブランク電圧V3 =−500V、 の条件で、T1 、T2 、T3 は、 T1 =1.0×10-4 秒 T2 =1.0×10-4 秒 T3 =1.1×10-3 秒 とした。従って、現像スリーブ11と感光体1間に発生
する最大電界強度が帯電用スリーブ31と感光体1間で
発生する最大電界強度よりも大きくなっている。
【0083】以上の条件にて画像形成を行なったとこ
ろ、かぶりはほとんどなかった、即ち、表1の評価基準
でレベルAであったが、画像濃度は0.8で、ハイライ
ト部はややがさつきがあった。
【0084】
【発明の効果】以上説明したとおり本発明によれば、注
入帯電方式で、且つ、かぶりや濃度低下を発生すること
なく2成分接触現像を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従った現像バイアス電圧の波形を示す
波形図である。
【図2】本発明が具現化される画像形成装置を示す概略
構成図である。
【図3】図2の画像形成装置の帯電器を示す構成図であ
る。
【図4】本発明に従った他の現像バイアス電圧の波形を
示す波形図である。
【図5】本発明に従った更に他の現像バイアス電圧の波
形を示す波形図である。
【図6】従来の画像形成装置の一例を示す構成図であ
る。
【図7】図2の画像形成装置の露光装置を示す構成図で
ある。
【図8】図2の画像形成装置の現像装置を示す構成図で
ある。
【図9】現像バイアスにおける交番電界部の比率と、感
光体表面電位の関係を示す図である。
【図10】注入帯電の説明図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム(像担持体) 3 帯電装置(接触帯電部材) 4 現像装置 11 現像スリーブ(現像剤担持体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日比野 勝 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 注入帯電可能な像担持体と、振動成分を
    有する電圧が印加され感光体を注入帯電する注入帯電部
    材と、トナーとキャリアを有する2成分現像剤を像担持
    体に接触させ、且つ、交番する現像電界下で現像を行な
    う現像手段と、を有する現像装置において、 キャリアの体積抵抗率は106〜1010Ωcmで、現像
    電界は交番部と休止部が繰り返してなることを特徴とす
    る画像形成装置。
  2. 【請求項2】 休止部の時間は交番周期の1〜5倍であ
    ることを特徴とする請求項1の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 交番部は複数回交番することを特徴とす
    る請求項1もしくは2の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記現像手段は像担持体と対向し現像剤
    を担持する現像剤担持体を有し、休止部の現像剤担持体
    の電位の絶対値は、像担持体の画像部の電位の絶対値よ
    り大きく、非画像部の電位の絶対値より小さいことを特
    徴とする請求項1から3の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記注入帯電部材は像担持体と接触する
    磁性粒子の穂を有することを特徴とする請求項1から4
    の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 現像部の最大電界強度は帯電部の最大電
    界強度以上であることを特徴とする請求項1から5の画
    像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記像担持体は、感光体と、感光体上に
    設けられ体積抵抗率109〜1014Ωcmの表面層を有
    することを特徴とする請求項1から6の画像形成装置。
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JP2013117708A (ja) * 2011-10-31 2013-06-13 Ricoh Co Ltd 画像形成装置及び画像形成方法

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US6925269B2 (en) 2001-10-04 2005-08-02 Canon Kabushiki Kaisha Developing apparatus
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