JPH11174452A - 液晶素子、光学素子及び偏光素子 - Google Patents

液晶素子、光学素子及び偏光素子

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JPH11174452A
JPH11174452A JP36181597A JP36181597A JPH11174452A JP H11174452 A JPH11174452 A JP H11174452A JP 36181597 A JP36181597 A JP 36181597A JP 36181597 A JP36181597 A JP 36181597A JP H11174452 A JPH11174452 A JP H11174452A
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liquid crystal
layer
crystal polymer
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light
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JP36181597A
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English (en)
Inventor
Tadayuki Kameyama
忠幸 亀山
Hisafumi Mihara
尚史 三原
Hironori Motomura
弘則 本村
Naoki Takahashi
直樹 高橋
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正面や斜視方向の広い視覚範囲で表示ムラを
生じにくい液晶表示装置を形成できる、液晶ポリマーの
配向物からなる液晶素子や、それを用いた光学素子、偏
光素子を得ること。 【解決手段】 層の肉厚部分を含む層表面の単位面積に
基づく溶剤の平均含有量を5μg/cm2以下に制御し
た、又はその溶剤平均含有量をaμg/cm2としたとき
層全体の当該単位面積に基づく溶剤含有量bμg/cm2
がa−2√a≦b≦a+2√aを満足する液晶ポリマー
の配向層又はそれを支持基材上に有する液晶素子、及び
その液晶素子と位相差板との重畳体からなる光学素子、
及び前記の液晶素子又は光学素子と偏光板との重畳体か
らなる偏光素子。 【効果】 液晶ポリマーが高度に配向し、その配向ムラ
の少ない良好な配向特性の液晶素子が得られ、視野角が
広く、輝度や視認性に優れる液晶表示装置が安定して得
られ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、液晶ポリマーの配向性や
その均一性に優れて液晶表示装置等の視認性向上等に好
適な液晶素子や光学素子や偏光素子に関する。
【0002】
【発明の背景】液晶ポリマーの配向層又はそれを支持基
材上に設けてなる液晶素子が各種の光エレクトロニクス
分野で利用されている。液晶セルの位相差を補償して着
色等を抑制するための位相差板や液晶ポリマーにコレス
テリック液晶を用いた円偏光分離層などはその例であ
る。なおかかる円偏光分離層は、それにより自然光を左
右の円偏光に分離して1/4波長板を介し直線偏光化し
て偏光板による吸収ロスを低減し液晶表示装置の輝度の
向上化等が期待されているものである。
【0003】従来、前記液晶ポリマーの配向層の実用に
際しては、補償用位相差板では面内及び厚さ方向を含む
三次元方向の位相差特性等が関係し、円偏光分離層では
円偏光二色性(選択反射の波長域)を含む反射特性が関
係するため用途に応じた光学特性に制御されてきた。し
かしながら、位相差特性や反射特性等をマッチングさせ
て正面(垂直)方向の視認に問題のない場合でも、斜視
方向の視認では着色等の表示ムラが現れる問題点などが
あった。
【0004】
【発明の技術的課題】本発明は、正面や斜視方向の広い
視覚範囲で表示ムラを生じにくい液晶表示装置を形成で
きる、液晶ポリマーの配向物からなる液晶素子や、それ
を用いた光学素子、偏光素子を得ることを課題とする。
【0005】
【課題の解決手段】本発明は、溶剤の平均含有量を層の
肉厚部分を含む層表面の単位面積に基づいて5μg/cm
2以下に制御してなる液晶ポリマーの配向層又はそれを
支持基材上に有するものからなることを特徴とする液晶
素子を提供するものである。
【0006】また本発明は、層の肉厚部分を含む層表面
の単位面積に基づく溶剤の平均含有量をaμg/cm2
したとき、層全体の当該単位面積に基づく溶剤含有量b
μg/cm2がa−2√a≦b≦a+2√aを満足する液
晶ポリマーの配向層又はそれを支持基材上に有するもの
からなることを特徴とする液晶素子を提供するものであ
る。
【0007】さらに本発明は、前記の液晶素子と位相差
板との重畳体からなることを特徴とする光学素子、及び
前記の液晶素子又は光学素子と偏光板との重畳体からな
ることを特徴とする偏光素子を提供するものである。
【0008】
【発明の効果】本発明によれば、正面や斜視方向の広い
視覚範囲で表示ムラを生じにくい液晶表示装置を安定し
て得ることができ、これは前記した溶剤含有特性を示す
液晶素子の使用に基づく。すなわち本発明者らは、上記
した位相差特性や反射特性等をマッチングさせて正面方
向の視認に問題のない場合に斜視方向の視認で表示ムラ
が現れる問題点を克服するために鋭意研究を重ねた結
果、かかる斜視方向における表示ムラの発生問題は、液
晶ポリマーの配向性やその配向ムラ、すなわち配向度や
その配向方向のバラツキによる散乱に原因があり、溶剤
含有量の調節で液晶ポリマーの配向状態を制御しうるこ
とを究明した。
【0009】上記の如く、液晶ポリマーの配向層におけ
る面内の溶剤含有量やそのバラツキを制御することによ
り、液晶ポリマーが高度に配向し、その配向ムラの少な
い良好な配向特性の液晶素子が得られ、それを用いて正
面や斜視方向の表示ムラが少なくて視野角が広く、輝度
や視認性に優れる液晶表示装置を安定して得ることがで
きる。
【0010】
【発明の実施形態】本発明の液晶素子は、層の肉厚部分
を含む層表面の単位面積に基づく溶剤の平均含有量を5
μg/cm2以下に制御してなる、又はその平均含有量を
aμg/cm2としたとき層全体の当該単位面積に基づく
溶剤含有量bμg/cm2がa−2√a≦b≦a+2√a
を満足する液晶ポリマーの配向層又はそれを支持基材上
に有するものからなる。その例を図1、図2に示した。
1が液晶ポリマーの配向層、2が支持基材であり、21
は配向膜である。
【0011】液晶素子の製造は、例えば配向膜の上に液
晶ポリマーを展開し、それをガラス転移温度以上、等方
相転移温度未満の液晶相を呈する温度に加熱し、液晶ポ
リマーを配向させた状態でガラス転移温度未満に冷却し
てガラス状態とし、当該配向が固定化された固化層を形
成する方法などにより行うことができる。
【0012】前記の配向膜としては、例えばポリマー層
をレーヨン布等でラビング処理した膜やSiO2等を斜
方蒸着してなる膜、あるいは延伸フィルムやUV硬化性
LCP等からなる配向フィルム基材などの、低分子液晶
用の配向膜に準じうる。
【0013】ちなみに前記のラビング処理膜や延伸フィ
ルム等を形成するポリマーの例としては、ポリエチレン
やポリプロピレン、ノルボルネン構造を有するポリオレ
フィンやエチレン・プロピレン共重合体の如きオレフィ
ン系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートやポリエチ
レンナフタレートの如きポリエステル系ポリマー、二酢
酸セルロースや三酢酸セルロースの如きセルロース系ポ
リマー、ポリメチルメタクリレートの如きアクリル系ポ
リマー、ナイロンや芳香族ポリアミドの如きアミド系ポ
リマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリ
エーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケ
トン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマ
ー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニル系ポリマ
ー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポ
リマー、カーボネート系ポリマー、アリレート系ポリマ
ー、ポリオキシメチレン系ポリマー、スチレン系ポリマ
ーなどがあげられる。
【0014】上記した配向膜は、例えば支持基材上にポ
リマー溶液を塗布してラビング処理する方式や支持基材
上に配向膜形成材を配向蒸着する方式などにより、厚さ
5μm以下、就中0.001〜1μm、特に0.01〜
0.5μmなどの単層又は複層の薄膜として形成しう
る。なおラビング処理膜は、配向膜形成用のポリマーと
支持基材形成用のポリマーを共押出して2層又は3層以
上のラミネートフィルムを形成し、それをラビング処理
する方式などによっても形成することができる。
【0015】前記の支持基材には前記した配向膜形成用
のポリマーからなる基材などの適宜な単層又は複層の透
明基材を用いうる。就中、三酢酸セルロースフィルムや
ガラス板の如く等方性に優れて複屈折が可及的に少ない
基材が液晶ポリマーの配向性などの点より好ましく用い
うる。支持基材の厚さは、適宜に決定されるが、一般に
は光透過率や強度などの点より、500μm以下、就中
5〜200μm、特に10〜100μmとされる。
【0016】一方、上記した配向フィルム基材からなる
配向膜は、例えばキャスティング法や押出法、2層又は
3層以上の共押出法等の適宜な方式で形成した単層又は
複層のフィルムを一軸や二軸等の適宜な方式で延伸処理
する方式などにより得ることができる。分子配向の均一
性などの点よりは、一軸延伸フィルムが好ましい。なお
配向フィルム基材は、結晶化により分子配向した非延伸
のフィルムであってもよい。配向フィルム基材の厚さ
は、前記した支持基材に準じうる。
【0017】好ましい配向膜は、配向の均一性に優れる
ものである。配向膜における配向のバラツキは、液晶ポ
リマーの配向性を低下させたり、その配向方向にバラツ
キを生じさせたりする場合がある。液晶ポリマーの配向
方向のバラツキ、すなわち配向ムラは、液晶表示装置等
に適用した場合に輝度ムラや色ムラなどを生じさせる原
因となる。
【0018】配向膜上への液晶ポリマーの展開は、加熱
溶融方式によってもよいし、溶剤による溶液として展開
することもできる。その溶剤としては、例えばメタノー
ルやエタノール、塩化メチレンやシクロヘキサノン、ト
リクロロエチレンやテトラクロロエタン、N−メチルピ
ロリドンやテトラヒドロフランなどの適宜なものを1又
は2種以上用いることができ、特に限定はない。
【0019】上記した溶剤含有量の制御の点などより
は、加熱溶融した液晶ポリマーの展開方式が好ましい。
しかし液晶ポリマーの一般的な溶融温度は100度以上
で、その溶融液を配向膜上に展開した場合、配向膜の配
向状態が変化して液晶ポリマーの配向性の低下や配向ム
ラを生じやすい。従って、一般には溶剤による液晶ポリ
マー溶液の展開方式が採られるため、上記した溶剤含有
量の制御が重要な意義を持つこととなる。
【0020】前記の展開は、スピンコート法やロールコ
ート法、フローコート法やプリント法、ディップコート
法や流延成膜法、バーコート法やグラビア印刷法等の適
宜な方法で行うことができる。展開に際しては、必要に
応じ配向膜を介した液晶ポリマー層の重畳方式なども採
ることができる。なお液晶ポリマーの展開に際しては、
安定剤や可塑剤や金属類などからなる種々の添加剤を必
要に応じて配合することができる。
【0021】液晶ポリマーの展開層を配向させるための
処理は、上記した如く展開層をガラス転移温度以上、等
方相転移温度未満の液晶相を呈する温度に加熱し、液晶
ポリマーを配向させた状態でガラス転移温度未満に冷却
してガラス状態とし、当該配向状態を固定化することに
より行うことができる。冷却は、強制冷却方式や自然冷
却方式などの適宜な方式を採ることができる。
【0022】本発明において液晶ポリマーの配向層にお
ける溶剤含有量の制御は、液晶ポリマーの展開層を配向
処理する前に乾燥処理を施す方式にても行うことができ
るし、液晶ポリマーの展開層を配向処理する際に乾燥処
理を兼ねた加熱処理を施す方式にても行うことができ
る。また液晶ポリマー展開層を配向処理した後に乾燥処
理を施す方式にても行うことができ、前記の乾燥処理を
適宜に組合せて併用する方式も採ることができる。なお
乾燥処理には、加熱方式や減圧方式などの適宜な方式を
採ることができる。
【0023】本発明による液晶ポリマーの配向層は、溶
剤の平均含有量を層の肉厚部分を含む層表面の単位面積
に基づいて、すなわち層の体積における溶剤の平均含有
量を層表面の単位面積あたりで表示して5μg/cm2
下に制御したものである。液晶ポリマーの配向度の向上
化や配向ムラの低減化と液晶ポリマー配向層の形成効率
などの点より好ましい当該溶剤平均含有量は、4μg/
cm2以下、就中0.01〜2μg/cm2、特に0.02〜
1μg/cm2である。
【0024】また本発明による液晶ポリマーの配向層
は、前記した溶剤の平均含有量をaμg/cm2としたと
き、層全体の当該単位面積に基づく溶剤含有量bμg/
cm2が式:a−2√a≦b≦a+2√aを満足するもの
である。かかる式は、液晶ポリマー配向層の全体におけ
る溶剤含有量のバラツキの許容範囲を意味する。液晶ポ
リマーの配向度の向上化や配向ムラの低減化と液晶ポリ
マー配向層の形成効率などの点より好ましい当該溶剤含
有量bμg/cm2のバラツキ範囲は、a−1.5√a≦
b≦a+1.5√a、就中a−1.2√a≦b≦a+
1.2√a、特にa−√a≦b≦a+√aである。なお
a−(2〜1.2)√aが負の場合、当該溶剤含有量は
0を意味する。
【0025】前記において、液晶ポリマー配向層におけ
る溶剤含有量は、液晶ポリマーの配向層をバイアル瓶に
入れ密栓して坪量したのち、その瓶をヘッドスペースオ
ートサンプラーにより150℃で10分間加熱し、加熱
状態の瓶内におけるガスをガスクロマトグラフィーに注
入して溶剤含有量を定量分析した値に基づく。
【0026】液晶素子の形成に用いる液晶ポリマーとし
ては、例えば偏光層や旋光層、位相差層や円偏光分離層
などの目的とする液晶素子に応じて例えばネマチック系
やスメクチック系、コレステリック系やディスコティッ
ク系、それらの混合系などの適宜なものを用いることが
でき、特に限定はない。
【0027】前記の円偏光分離層は、コレステリック液
晶ポリマーをグランジャン配向させてなり、自然光を反
射と透過を介し左右の円偏光に分離する機能を有するも
のである。円偏光分離層は、適宜なコレステリック液晶
ポリマーを用いて形成でき、1層又は2層以上のコレス
テリック液晶ポリマー層にて形成することができる。コ
レステリック液晶ポリマーは、液晶層の重畳効率や薄膜
化の点、視角変化に対する光学特性の変化が小さく視野
角の広い液晶表示装置を形成しうる点などで優れてお
り、就中、選択反射の波長域の広さなどの点より複屈折
による位相差の大きいものが好ましい。
【0028】ちなみにコレステリック液晶ポリマーの例
としては、液晶配向性を付与する共役性の直線状原子団
(メソゲン)がポリマーの主鎖や側鎖に導入された主鎖
型や側鎖型のものなどがあげられる。取扱性や実用温度
での配向の安定性などの点よりは、ガラス転移温度が3
0〜150℃のコレステリック液晶ポリマーが好ましく
用いうる。なお前記主鎖型のコレステリック液晶ポリマ
ーの具体例としては、屈曲性を付与するスペーサ部を必
要に応じ介してパラ置換環状化合物等からなるメソゲン
基を結合した構造を有する、例えばポリエステル系やポ
リアミド系、ポリカーボネート系やポリエステルイミド
系などのポリマーがあげられる。
【0029】また側鎖型のコレステリック液晶ポリマー
の具体例としては、ポリアクリレートやポリメタクリレ
ート、ポリシロキサンやポリマロネート等を主鎖骨格と
し、側鎖として共役性の原子団からなるスペーサ部を必
要に応じ介してパラ置換環状化合物等からなる低分子液
晶化合物(メソゲン部)を有するもの、低分子カイラル
剤含有のネマチック系液晶ポリマー、キラル成分導入の
液晶ポリマー、ネマチック系とコレステリック系の混合
液晶ポリマーなどがあげられる。
【0030】前記の如く、例えばアゾメチン形やアゾ
形、アゾキシ形やエステル形、ビフェニル形やフェニル
シクロヘキサン形、ビシクロヘキサン形の如きパラ置換
芳香族単位やパラ置換シクロヘキシル環単位などからな
るネマチック配向性を付与するパラ置換環状化合物を有
するものにても、不斉炭素を有する化合物等からなる適
宜なキラル成分や低分子カイラル剤等を導入する方式な
どによりコレステリック配向性のものとすることができ
る(特開昭55−21479号公報、米国特許明細書第
5332522号等)。なおパラ置換環状化合物におけ
るパラ位における末端置換基は、例えばシアノ基やアル
キル基、アルコキシ基などの適宜なものであってよい。
【0031】またスペーサ部としては、屈曲性を示す例
えばポリメチレン鎖−(CH2n−やポリオキシメチレ
ン鎖−(CH2CH2O)m−などがあげられる。スペー
サ部を形成する構造単位の繰返し数は、メソゲン部の化
学構造等により適宜に決定され、一般にはポリメチレン
鎖の場合にはnが0〜20、就中2〜12、ポリオキシ
メチレン鎖の場合にはmが0〜10、就中1〜3であ
る。
【0032】配向膜上に形成する液晶ポリマー層、就中
コレステリック液晶ポリマー層の厚さは、配向の乱れや
透過率低下の防止、選択反射性(円偏光二色性を示す波
長範囲)などの点より、0.5〜100μm、就中1〜
50μm、特に2〜20μmが好ましい。
【0033】液晶素子は、図2に例示の如く2層又は3
層以上の液晶ポリマーの配向層11,12の重畳層とし
て形成されていてもよい。円偏光分離層の場合、コレス
テリック液晶ポリマー層の重畳化は、分離機能の広波長
域化や斜め入射光の波長シフトに対処する点等より有利
であり、その場合には反射光の中心波長が異なる組合せ
で重畳することが好ましい。
【0034】すなわち、単層のコレステリック液晶ポリ
マー層では通例、選択反射性(円偏光二色性)を示す波
長域に限界があり、その限界は約100nmの波長域に及
ぶ広い範囲の場合もあるが、その波長範囲でも液晶表示
装置等に適用する場合に望まれる可視光の全域には及ば
ないから、そのような場合に選択反射性の異なるコレス
テリック液晶ポリマー層を重畳させて円偏光二色性を示
す波長域を拡大させることができる。
【0035】ちなみに選択反射の中心波長が300〜9
00nmのコレステリック液晶ポリマー層を同じ偏光方向
の円偏光を反射する組合せで、かつ選択反射の中心波長
が異なる組合せで用いて、その2〜6種類を重畳するこ
とで可視光域をカバーできる円偏光分離層を効率的に形
成することができる。なお前記の同じ偏光方向の円偏光
を反射するものの組合せとする点は、各層で反射される
円偏光の位相状態を揃えて各波長域で異なる偏光状態と
なることを防止し、利用できる状態の偏光の増量を目的
とする。
【0036】なお上記した如く、コレステリック液晶ポ
リマーとしては適宜なものを用いてよいが、位相差の大
きい液晶ポリマーほど選択反射の波長域が広くなり、層
数の軽減や大視野角時の波長シフトに対する余裕などの
点より好ましく用いうる。また視角変化による色変化の
角度依存性を低減する点よりは、選択反射の中心波長が
短いものより順々に重畳し、その長波長側に1/4波長
板を配置することが好ましい。
【0037】前記したコレステリック液晶ポリマーにお
ける選択反射の中心波長の相違は、クランジャン配向の
螺旋ピッチの相違に基づくが、本発明にては厚さ方向に
螺旋ピッチが変化する円偏光分離層や、螺旋ピッチ相違
の2層以上のコレステリック液晶ポリマー層が反射光の
中心波長に基づいて長短の順序通りに重畳して厚さ方向
に螺旋ピッチが変化する円偏光分離層などの適宜な形態
の円偏光分離層であってよい。
【0038】前記した螺旋ピッチが厚さ方向に変化する
構造も選択反射の波長域の拡大などに有効である。その
場合、同じ螺旋ピッチのコレステリック液晶ポリマー層
間に、螺旋ピッチの異なるコレステリック液晶ポリマー
層が前記中心波長の長短の順序通りに1層又は2層以上
介在した形態のものの如く、同じ螺旋ピッチのコレステ
リック液晶ポリマー層を2層以上含む層構造なども許容
される。
【0039】なお上記した螺旋ピッチが厚さ方向に変化
する円偏光分離層の製造は、例えば配向処理したコレス
テリック液晶ポリマー層同士の2枚又は3枚以上の所定
数を熱圧着により接着する操作などにより行うことがで
きる。熱圧着処理には、ロールラミネータ等の適宜な加
熱押圧手段を介してコレステリック液晶ポリマー層をガ
ラス転移温度以上、等方相転移温度未満に加熱して圧着
処理する方式などの適宜な方式を採ることができる。
【0040】基材との一体物からなる液晶ポリマーの固
化層の場合には、その固化層同士が密接するように前記
に準じて重畳処理することにより厚さ方向に螺旋ピッチ
が変化する円偏光分離層を得ることができる。なお基材
との一体物からなる液晶ポリマー層の重畳は、必要に応
じ接着層を介してその2層又は3層以上を積層する方式
等によっても行うことができる。またコレステリック液
晶ポリマー層等の液晶ポリマー層は、配向膜より剥離し
て液晶ポリマーフィルムとして用いることもでき、その
フィルムを重畳処理に供することもできる。従って本発
明による液晶素子は、液晶ポリマーフィルム等の液晶ポ
リマー層のみからなっていてもよいし、液晶ポリマー層
と支持基材が重畳一体化したものからなっていてもよ
い。
【0041】前記の厚さ方向に螺旋ピッチが変化する円
偏光分離層は、連続した反射光の波長域を示すものであ
ってもよいし、不連続な反射光の波長域を示すものであ
ってもよい。その製造は、例えば上記した熱圧着操作等
で形成したコレステリック液晶ポリマー層の重畳体をガ
ラス転移温度以上、等方相転移温度未満に加熱して、そ
の密着界面に上下の層を形成するコレステリック液晶ポ
リマーが混合した配向層を形成する方法などにより行う
ことができる。
【0042】前記において、上下の層のコレステリック
液晶ポリマーが混合して形成されたコレステリック液晶
ポリマー層は、螺旋ピッチが上下の層とも異なって厚さ
方向に螺旋ピッチが多段階に変化した円偏光分離層を形
成し、通例その螺旋ピッチは上下の層を形成するコレス
テリック液晶ポリマー層の中間値をとって、上下の層と
共に連続した反射光の波長域を示す領域を形成する。
【0043】従って上下の層で反射光の波長域が重複し
ないコレステリック液晶ポリマー層の組合せ、すなわち
反射光の波長域に不連続による欠落域が存在する組合せ
で用いた場合に、上下の層の混合により形成されたコレ
ステリック液晶ポリマー層が前記欠落域を埋めて反射光
の波長域を連続化することができる。よって例えば、反
射波長域が500nm以下のものと600nm以上のものの
2種のコレステリック液晶ポリマー層を用いて、反射波
長域の不連続域である500〜600nmの波長域の光に
ついても反射する円偏光分離層を得ることができ、これ
は少ないコレステリック液晶ポリマー層の重畳で、広い
帯域の反射波長域を示す円偏光分離層を形成しうること
を意味する。
【0044】本発明の液晶素子を円偏光分離層として用
いる場合を上記に例示したが、本発明の液晶素子は各種
の位相差板、就中、液晶セルの複屈折による位相差を補
償するための位相差板などとしても好ましく用いうる。
かかる位相差板としての液晶素子は、適宜な液晶ポリマ
ーからなっていてよい。ちなみにネマチック系液晶セル
に対するネマチック液晶ポリマーからなる位相差板の如
く、液晶セルを形成する液晶と同型の液晶ポリマーから
なる位相差板により着色防止等の良好な補償を達成でき
る場合が多い。
【0045】本発明による光学素子は、液晶素子と位相
差板との重畳体からなる。その液晶素子や位相差板には
使用目的に応じて適宜なものを用いうる。ちなみに上記
した円偏光分離層と1/4波長板を重畳することで直線
偏光を出射する光学素子を得ることができる。光学素子
の例を図3に示した。3が1/4波長板(位相差板)で
ある。
【0046】すなわち前記した1/4波長板は、図3に
例示の如く液晶素子1からなる円偏光分離層を透過した
円偏光を直線偏光化するためのものであり、本発明にお
いては1層又は2層以上の位相差層にて形成することが
できる。1/4波長板は、視角変化による色変化の角度
依存性の低減などの点より円偏光分離層における反射光
の中心波長の長波長側に配置することが好ましい。
【0047】1/4波長板(位相差層)としては可視光
域の場合、直線偏光化効果や斜め透過光による色変化の
補償などの点より正面位相差が100〜180nmのもの
が好ましく用いられる。すなわち面内の最大屈折率をn
x、それに直交する方向の屈折率をny、厚さ方向の屈折
率をnz、厚さをdとした場合に式:(nx−ny)d=
△nd=100〜180nmを満足する1/4波長板が好
ましく用いられる。
【0048】前記1/4波長板機能を示す位相差層と共
に必要に応じて用いられる位相差層は、1/4波長板機
能を示す位相差層を斜め透過した光の色バランスを垂直
透過した光の色バランスに可及的に一致させて、偏光板
を介した視認をより色付きの少ない中間色とすることな
どを目的とする補償用のものであり、正面位相差(△n
d)が100〜720nmのものが好ましく用いられる。
【0049】なお前記において色変化の補償等の点より
好ましく用いうる位相差層は、厚さ方向の屈折率が面内
方向の一方又は両方のそれよりも大きいもの、あるいは
式:(nx−nz)/(nx−ny)で表されるNzが5以
下、就中2以下、特に1.1以下(いずれもマイナス値
を許容する)のものである。なおnx、nyは面内方向
の、nzは厚さ方向の屈折率である。
【0050】位相差層は、任意な材質で形成してよく透
明性に優れ、就中80%以上の光透過率を示して均一な
位相差を与えるものが好ましい。一般には上記の配向膜
や液晶素子で例示したポリマーからなる延伸フィルムや
液晶ポリマー、就中、捩じれ配向の液晶ポリマーなどが
用いられる。
【0051】前記した△ndやNz等の特性を制御する
ために厚さ方向の屈折率を含めた屈折率制御が必要な場
合には、例えばポリマーフィルムを熱収縮性フィルムと
の接着下に加熱延伸する方式などにより行うことができ
る。位相差層の一般的な厚さは、単層物に基づき5〜5
00μm、就中10〜300μm、特に20〜200μm
であるが、これに限定されない。
【0052】なお1/4波長板等の位相差板を液晶ポリ
マーにて形成する場合には、上記した円偏光分離層の場
合に準じて、液晶ポリマーの配向フィルムや支持基材で
支持した液晶ポリマーの配向層などの適宜な形態を有す
るものとして得ることができる。液晶ポリマーを用いた
場合には、延伸処理なしに目的の位相差板を形成するこ
ともできる。
【0053】1/4波長板は、前記の如く単層の位相差
層からなっていてもよいし、位相差が相違する2層又は
3層以上の位相差層の重畳体からなっていてもよい。位
相差が相違する位相差層の重畳化は、目的の1/4波長
板や補償板として機能する波長範囲の拡大などに有効で
ある。位相差層の重畳体とする場合、厚さ方向の屈折率
が面内屈折率の少なくとも一方よりも高い位相差層を1
層又は2層以上配置することが上記した点より好まし
い。
【0054】本発明による偏光素子は、液晶素子又は光
学素子と偏光板との重畳体からなる。その例を図4、図
5に示した。4が偏光板である。図5の如く円偏光分離
層と1/4波長板3とを重畳した光学素子の場合、偏光
板4はその1/4波長板側に設けられ、この場合には別
個の偏光板を用いることなくそのまま液晶セルに適用す
ることができる。
【0055】偏光板としては、二色性物質を含有させた
吸収型偏光板やポリエン配向フィルム、あるいは当該フ
ィルムに透明保護層を設けたものなどの適宜なものを用
いうる。ちなみに吸収型偏光板の例としては、ポリビニ
ルアルコール系フィルムや部分ホルマール化ポリビニル
アルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体
系部分ケン化フィルムの如き親水性高分子フィルムに、
ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて延伸し
たフィルムなどがあげられる。また、ポリエン配向フィ
ルムの例としては、ポリビニルアルコールの脱水処理物
やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物などがあげられる。な
お偏光板の厚さは通例5〜80μmであるが、これに限
定されない。
【0056】液晶表示装置の形成には、明るい表示の達
成性、すなわち1/4波長板を介し高度に直線偏光化さ
れた光を可及的に吸収ロスを防止しつつ偏光板を透過さ
せて、液晶セルへの高度な直線偏光の入射による良好な
コントラスト比の表示を得る点などより、二色性物質含
有の吸収型偏光板などの如く偏光度の高いものが好まし
く用いられる。就中、光透過率が40%以上で、偏光度
が95.0%以上、特に99%以上の二色性物質含有の
吸収型偏光板が好ましく用いられる。
【0057】前記の透明保護層は、特に二色性物質含有
の偏光板の如く耐水性に乏しい場合などに保護目的で設
けられるもので、プラスチックの塗布方式やフィルムと
したものの積層方式などの適宜な方式で形成してよい。
フィルム等の分離物で形成する場合には、接着層で積層
一体化することが反射ロスの防止等の点より好ましい。
透明保護層の厚さは適宜に決定してよく、一般には1mm
以下、就中500μm以下、特に1〜300μmとされ
る。なおプラスチックとしては、適宜なものを用いてよ
く、上記の配向膜等で例示のものなどがあげられる。
【0058】なお透明樹脂層は、微粒子を含有させる方
式などにて表面微細凹凸構造の形態に形成することもで
きる。その微粒子には、例えば平均粒径が0.5〜5μ
mのシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化
錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン
等の導電性のこともある無機系微粒子や、架橋又は未架
橋ポリマー等の有機系微粒子などの透明樹脂層中で透明
性を示すものが用いられる。微粒子の含有量は2〜25
重量%、就中5〜20重量%が一般的である。
【0059】偏光板を1/4波長板の上側に配置するに
際して、1/4波長板に対する偏光板の配置角度は、1
/4波長板の位相差特性やそれに入射する円偏光の特性
などに応じて適宜に決定しうるが、光利用効率の向上等
の点より1/4波長板を介し直線偏光化された光の偏光
方向(振動方向)に対し偏光板の透過軸を可及的に平行
に配置することが好ましい。
【0060】上記の図5に例示した偏光素子は、自然光
等の光源からの光を円偏光分離層により反射と透過を介
して左右の円偏光に分離し、円偏光分離層を透過した円
偏光や楕円偏光を1/4波長板で直線偏光化して偏光板
に供給しうるようにしたものである。従って図6に例示
した如く、かかる偏光素子をサイドライト型導光板やE
Lランプなどの適宜な面光源5の上に配置して液晶表示
装置のバックライト等として好適な照明装置を形成する
ことができる。なお図例の面光源は、裏面に反射層51
を有する導光板5の側面に光源52を配置してなる。
【0061】前記図例の照明装置によれば、光源52よ
りの光が導光板5の側面に入射し裏面等での反射を介し
て導光板の表面より出射し、その出射光は、導光板の表
面側に配置した円偏光分離層1を所定の円偏光(垂直)
や楕円偏光(斜め)として透過し、1/4波長板3を介
し直線偏光化されて偏光板4に入射する。
【0062】一方、所定外の円偏光として円偏光分離層
1で反射された光は、導光板5に再入射して裏面に配置
された反射層51を介し反射され、戻り光として再び円
偏光分離層1に入射し、その一部が円偏光分離層を透過
する。従って円偏光分離層による反射光は、その円偏光
分離層を透過するまで円偏光分離層と導光板との間に閉
じ込められて、それらの間で反射を繰り返す。
【0063】前記の如くサイドライト型導光板では、反
射光が円偏光分離層と導光板の反射層の間に閉じ込めら
れ、その間で反射を繰り返す内に円偏光分離層を透過す
ることとなり、光源からの入射光の初期透過光と共に出
射されて、これにより反射ロスによる光の未利用分が低
減される。
【0064】他方、円偏光分離層より出射した光は1/
4波長板を介して直線偏光や直線偏光成分の多い楕円偏
光に変換され、この変換光はその直線偏光方向が偏光板
の透過軸と合致したとき、殆ど吸収されずに偏光板を透
過し、これにより吸収ロスによる光の未利用分も低減さ
れる。その結果、従来では反射ロスや吸収ロスとなって
いた光も有効利用でき、光の利用効率を向上させること
ができる。従って面光源としてはサイドライト型の導光
板が好ましく用いうる。
【0065】前記の導光板としては、裏面等を介して光
を表面側に出射するようにした適宜なものを用いうる。
好ましくは、光を吸収なく効率的に出射するものが用い
られる。(冷,熱)陰極管等の線状光源や発光ダイオー
ド、EL等の光源を導光板5の側面に配置し、その導光
板に導光板内を伝送される光を拡散や反射、回折や干渉
等により板の片面側に出射するようにした、液晶表示装
置で公知のサイドライト型バックライトなどはその例で
ある。
【0066】上記した照明装置の形成に際しては、図6
に例示の如く、光の出射方向を制御するためのプリズム
シート等からなるプリズムアレイ層6、均一な発光を得
るための拡散板、線状光源からの出射光を導光板の側面
に導くための光源ホルダなどの補助手段を導光板5の上
下面や側面などの所定位置に必要に応じ1層又は2層以
上を配置して適宜な組合せ体とされる。
【0067】本発明において、上記した光学素子や偏光
素子や照明装置を形成する液晶素子(円偏光分離層)や
位相差板(1/4波長板)、偏光板や導光板等の各層
は、必要に応じて接着層を介し積層一体化することがで
きる。形成層の積層一体化は、各界面での反射ロスの抑
制や各界面への異物等の侵入防止による表示品位等の低
下予防、光学系のズレによる補償効率や偏光変換効率等
の低下防止などに有効である。従って液晶素子や位相差
板、偏光板や導光板等がそれぞれ複数の層で形成される
場合にも、各層を接着層等を介して密着一体化すること
が好ましい。前記の接着剤には粘着剤等の適宜な接着剤
を用いうる
【0068】本発明による光学素子や偏光素子や照明装
置には、その表面や層間の適宜な位置に光拡散板などの
適宜な光学層を配置することもできる。なお上記した図
6は、液晶表示装置としたものを例示しておりこれは、
照明装置を形成する導光板5の光出射面側に、光学素子
を介して液晶セル7を配置したものであり、液晶セルは
図例の如く光学素子の1/4波長板3の側に配置され
る。なお図中、71は偏光板、8は視認光拡散用の光拡
散板である。
【0069】液晶表示装置は一般に、偏光板、液晶セ
ル、バックライト、及び必要に応じての補償用位相差板
等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことな
どにより形成される。本発明においては上記の如く、液
晶セルの視認背面側に1/4波長板側ないし偏光板側を
介して光学素子又は偏光素子、あるいは照明装置を配置
する点を除いて特に限定はなく従来に準じて形成するこ
とができるが、各構成部品は粘着層を介して接着一体化
されていることが好ましい。
【0070】液晶表示装置の形成に際しては、例えば視
認側の偏光板の上に設ける光拡散板やアンチグレア層、
反射防止膜や保護層や保護板、あるいは液晶セルと視認
側等の偏光板の間に設ける補償用位相差板などの適宜な
光学層を適宜に配置することができる。
【0071】前記の補償用位相差板は、上記したように
複屈折の波長依存性などを補償して視認性を向上させる
ことなどを目的とするものである。本発明においては、
視認側又は/及びバックライト側の偏光板と液晶セルの
間等に必要に応じて配置される。なお補償用位相差板と
しては、波長域などに応じて本発明による液晶素子や上
記した位相差板などの適宜なものを用いうる。また補償
用位相差板は、2層以上の位相差層からなっていてもよ
い。
【0072】
【実施例】実施例1 厚さ50μmの三酢酸セルロースフィルムの上に、厚さ
0.1μmのポリビニルアルコール層を設けてレーヨン
布でラビング処理し、そのラビング処理上にアクリル系
サーモトロピックネマチック液晶ポリマーの20重量%
テトラクロロエタン溶液をワイヤバーにて塗工して乾燥
後、160±2℃で5分間加熱配向処理して室温で放冷
し、厚さ1.6μmのネマチック液晶層を有する液晶素
子(補償用位相差板)を得た。
【0073】実施例2 アクリル系サーモトロピックネマチック液晶ポリマーの
20重量%テトラクロロエタン溶液に代えて、アクリル
系サーモトロピックコレステリック液晶ポリマーの20
重量%テトラヒドロフラン溶液を用い、加熱配向処理を
150±2℃、5分間の条件で行ったほかは実施例1に
準じて、厚さ2μmのコレステリック液晶ポリマー層を
有する液晶素子を得た。これは、500〜600nmの波
長範囲で選択反射を示す円偏光分離機能を有するもので
あった。
【0074】比較例1 加熱配向処理条件を140±2℃としたほかは実施例1
に準じて液晶素子を得た。
【0075】比較例2 加熱配向処理条件を150±5℃としたほかは実施例2
に準じて液晶素子を得た。
【0076】評価試験 溶剤平均含有量とそのバラツキ 実施例、比較例で得た液晶素子における液晶ポリマー配
向層を8cm2採取して容量28.8mlのバイアル瓶に入
れ密栓して坪量したのち、その瓶をヘッドスペースオー
トサンプラーにより150℃で10分間加熱し、加熱状
態の瓶内におけるガス0.8mlをガスクロマトグラフィ
ーに注入して溶剤含有量を定量分析する方式で、ランダ
ムな箇所より採取した液晶ポリマー配向層の溶剤含有量
を調べ、その平均と平均に対するバラツキを調べた。
【0077】鮮明性 実施例1、比較例1で得た液晶素子を表示ムラのないS
TN型液晶セルの片側に補償用位相差板として配置し、
それを輝度ムラのない面光源上に配置して表示ムラを調
べた。また実施例2、比較例2で得た液晶素子の片面に
位相差が135nmの位相差板(1/4波長板)をアクリ
ル系粘着層を介し接着して光学素子(直線偏光化円偏光
分離層)とし、それを両面に偏光板を有する表示ムラの
ないTFT型液晶セルの片側に位相差板をセル側として
配置し、それを輝度ムラのない面光源上に配置して表示
ムラを調べた。その際、液晶セルと面光源の間に光学素
子が位置するように配置し、また液晶セルが最大輝度を
示すように光学素子の配置角度を調節した。なお前記の
表示ムラは、色度計にて正面から斜視45度方向におけ
る色度差として調べ、鮮明性はその色度差と、液晶表示
装置の実観察との総合にて評価した。
【0078】配向性、配向ムラ 実施例、比較例で得た液晶素子における液晶ポリマー配
向層の断面を顕微鏡観察して、配向性(配向分子の割
合)と配向ムラ(配向分子の方向のバラツキ)を調べ
た。
【0079】前記の結果を次表に示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶素子例の断面図
【図2】他の液晶素子例の断面図
【図3】光学素子例の断面図
【図4】偏光素子例の断面図
【図5】他の偏光素子例の断面図
【図6】液晶表示装置例の断面図
【符号の説明】
1,11,12:液晶ポリマーの配向層(補償用位相差
板,円偏光分離層等) 2:支持基材 21:配向膜 3:位相差板(1/4波長板) 4:偏光板 5:面光源(導光板) 51:反射層 52:光源 7:液晶セル(液晶表示装置) 71:偏光板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 直樹 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶剤の平均含有量を層の肉厚部分を含む
    層表面の単位面積に基づいて5μg/cm2以下に制御し
    てなる液晶ポリマーの配向層又はそれを支持基材上に有
    するものからなることを特徴とする液晶素子。
  2. 【請求項2】 層の肉厚部分を含む層表面の単位面積に
    基づく溶剤の平均含有量をaμg/cm2としたとき、層
    全体の当該単位面積に基づく溶剤含有量bμg/cm2
    a−2√a≦b≦a+2√aを満足する液晶ポリマーの
    配向層又はそれを支持基材上に有するものからなること
    を特徴とする液晶素子。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、液晶ポリマー
    がコレステリック液晶ポリマーである液晶素子。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3において、液晶セルによる
    位相差を補償するためのものである液晶素子。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4に記載の液晶素子と位相差
    板との重畳体からなることを特徴とする光学素子。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4に記載の液晶素子又は請求
    項5に記載の光学素子と偏光板との重畳体からなること
    を特徴とする偏光素子。
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