JP2004101950A - 光学フィルムおよび液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】視角着色変化が少なく明るい表示を達成できる光学フィルム、およびそれを用いた液晶表示装置を提供する。
【解決手段】偏光板1と1/4波長板2とコレステリック液晶層3がこの順序で積層してなる光学フィルムであって、前記偏光板1の吸収軸を長辺に対して135°としたとき、当該光学フィルムの短辺方向に傾斜角0°(正面)〜60°での色相変化が、Δx=−0.01〜0.04かつΔy=−0.01〜0.04であり、当該光学フィルムの長辺方向に傾斜角0°(正面)〜60°での色相変化が、Δx=−0.04〜0.04かつΔy=−0.04〜0.04である光学フィルム。コレステリック液晶のねじれ方向が右ねじれであり右円偏光を反射するもので、1/4波長板2の遅相軸が0°であり、偏光板1の上にディスコティック液晶を用いた位相差板4を有することが好ましい
【選択図】 図2
【解決手段】偏光板1と1/4波長板2とコレステリック液晶層3がこの順序で積層してなる光学フィルムであって、前記偏光板1の吸収軸を長辺に対して135°としたとき、当該光学フィルムの短辺方向に傾斜角0°(正面)〜60°での色相変化が、Δx=−0.01〜0.04かつΔy=−0.01〜0.04であり、当該光学フィルムの長辺方向に傾斜角0°(正面)〜60°での色相変化が、Δx=−0.04〜0.04かつΔy=−0.04〜0.04である光学フィルム。コレステリック液晶のねじれ方向が右ねじれであり右円偏光を反射するもので、1/4波長板2の遅相軸が0°であり、偏光板1の上にディスコティック液晶を用いた位相差板4を有することが好ましい
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、視角着色変化が少なく明るい表示を達成できる光学フィルム、およびそれを用いた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置における良視認の視野角の拡大と輝度向上が問題となっている。従来、かかる視野角の点ではツイストネマチック液晶使用の薄型トランジスタ型液晶表示素子(TN−TFT型LCD)等にディスコティック液晶を用いた位相差板からなる光漏れ補償板を配置して、黒表示時の斜視方向における光漏れを補償した液晶表示装置が知られていた。
【0003】
しかしながら、光漏れ補償板を用いた液晶表示装置においては、白表示時の場合に視角により色相が変化して、長辺方向に斜視からは画面が黄色に着色するという問題点があった。これは、左右方向の広視野角化が重要となっているため大きな問題である。またその補償板の付加で輝度が低下するという問題もある。
【0004】
一方、輝度向上率の点ではコレステリック液晶ポリマー層などの偏光分離層からなる輝度向上フィルムを液晶表示素子に配置し、その輝度向上フィルムを介して自然光からなる照明光を偏光特性を示す透過光と反射光に分離し、その反射光も反射層を介し反転させ液晶表示素子に入射させることにより光の利用効率を向上した液晶表示装置が知られていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
しかしながら輝度向上フィルムを用いた液晶表示装置においても、視角により色相が変化し、長辺方向に斜視からは画面が黄色に着色し、短辺方向に斜視からは画面が青色に着色するという問題点がある。
【0006】
また、良視認の視野角の拡大と輝度向上どちらも満足させるため、前記のディスコティック液晶を用いた位相差板を貼合せた偏光板と後記の輝度向上フィルムを貼合せるとさらに着色がひどくなる。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−1457250号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、視角着色変化が少なく明るい表示を達成できる光学フィルム、およびそれを用いた液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、コレステリック液晶を用いた液晶表示装置において、コレステリック液晶のねじれ方向を左ねじれから右ねじれにすることで、上下左右任意の色変化を逆にでき、上下方向が黄色く左右方向が青く着色するフィルムが得られることを見出した。そして、正面はニュートラルで左右方向に傾斜角をつけていくと青く着色するという新たな特性を利用し、正面はニュートラルで左右方向に傾斜角をつけていくと黄色に着色する特性をもつディスコティック液晶を用いた位相差板を貼合せた偏光板と組み合わせることで、左右方向においてもニュートラルとなることを見出し本発明を完成するに到った。
【0010】
すなわち、本発明は、偏光板と1/4波長板とコレステリック液晶層がこの順序で積層してなる光学フィルムであって、前記偏光板の吸収軸を長辺に対して135°としたとき、当該光学フィルムの短辺方向に傾斜角0°(正面)〜60°での色相変化が、Δx=−0.01〜0.04かつΔy=−0.01〜0.04であり、当該光学フィルムの長辺方向に傾斜角0°(正面)〜60°での色相変化が、Δx=−0.04〜0.04かつΔy=−0.04〜0.04であることを特徴とする光学フィルムを提供するものである。
【0011】
本発明の光学フィルムにおいては、前記コレステリック液晶のねじれ方向が右ねじれであり右円偏光を反射するものであることが好ましく、前記1/4波長板の遅相軸が0°であることが好ましい。
【0012】
また、本発明の光学フィルムにおいては、前記偏光板の上に、ディスコティック液晶を用いた位相差板を有することが好ましい。
【0013】
次に本発明は、前記の光学フィルムを用いたことを特徴とする液晶表示装置を提供するものである。前記の液晶表示装置においては、偏光板の吸収軸を長辺に対して135°としたとき、前記光学フィルムの短辺方向に傾斜角0°(正面)〜60°での色相変化が、Δx=−0.01〜0.05かつΔy=−0.01〜0.05であり、前記光学フィルムの長辺方向に傾斜角0°(正面)〜60°での色相変化がΔx=−0.01〜0.05かつΔy=−0.01〜0.05であることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の光学フィルムは、偏光板と1/4波長板とコレステリック液晶層がこの順序で積層してなる光学フィルムであって、前記偏光板の吸収軸を該光学フィルムの長辺に対して135°としたとき、当該光学フィルムの短辺方向に傾斜角0°(正面)〜60°での色相変化が、Δx=−0.01〜0.04かつΔy=−0.01〜0.04であり、当該光学フィルムの長辺方向に傾斜角0°(正面)〜60°での色相変化が、Δx=−0.04〜0.04かつΔy=−0.04〜0.04のものである。
【0015】
光学フィルムにおいて、一般に長辺方向に傾斜角0°(正面)〜60°での色相変化が大きくなるほど着色がひどくなり実用上使用不可となるが、Δx=−0.05以下または0.05以上の場合や、Δy=−0.05以下または0.05以上の場合は、着色が非常に目立つ。従って、前記の色相変化は、Δx=−0.04〜0.04かつΔy=−0.04〜0.04の範囲にあるのが好ましく、さらに好ましくはΔx=−0.02〜0.02かつΔy=−0.02〜0.02の範囲であるのがよい。同様に、偏光板の吸収軸を135°としたとき、短辺方向に傾斜角0°(正面)〜60°での色相変化が、Δx=−0.01〜0.04かつΔy=−0.01〜0.04の範囲であるのが好ましく、さらに好ましくはΔx=0.00〜0.03かつΔy=0.00〜0.03の範囲であるのがよい。
【0016】
前記特許文献1には、視角による色相変化が少ない色相補償板が開示され、液晶表示装置を白表示させてその正面方向と斜め60度方向におけるCIE色度座標値を求め、その値より色相差Δxyを求めている。しかし、Δxyを用いた場合は、正面から60°に視角をふった時の変化量は定義されるが、その方向性は定義されない。CIE色度図上で、右上への変化であると黄色、左下への変化であると青色、上への変化であると緑色、下への変化であると赤色であり、実用上はこの方向性が重要となる。本発明のΔx、Δyを用いる方法によれば、その方向性と変化量を共に表記できることから、実用上問題となる着色(色相変化)を表すことができ、非常に有効である。
【0017】
本発明の光学フィルムの構成例を図1、図2に示した(図例では粘着層を省略している)。光学フィルム(11)は、偏光板1と1/4波長板2とコレステリック液晶層3が順次に積層されてなり、偏光板1の上には必要に応じて粘着層が形成されている。あるいは、偏光板1の上にディスコティック液晶を用いた位相差板4が積層されてなる。偏光板1の吸収軸aが135°のとき、図3に示すように長辺方向に傾斜角0°(正面)〜60°での色相変化はΔx=−0.04〜0.04かつΔy=−0.04〜0.04の範囲にあり、図4に示すように短辺方向に傾斜角0°(正面)〜60°での色相変化は、Δx=−0.01〜0.04かつΔy=−0.01〜0.04の範囲にある。
【0018】
本発明で用いる偏光板としては、所定偏光軸の直線偏光を透過して他の光は吸収する適宜なものを用いることができ、その種類については特に限定はない。中でも、偏光度と透過率に優れるものが好ましい。例としてはポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素及び又は二色性染料を吸着させて延伸処理した偏光フィルムなどが挙げられる。二色性偏光板は、偏光フィルムの片側又は両側に、適宜の接着層を介して、保護層となる透明保護フィルムを接着したものでもよい。なお、偏光フィルムの厚さは、特に限定されないが、1〜80μmが一般的であり、好ましくは2〜40μmであるのがよい。
【0019】
また、偏光フィルムの片面又は両面に必要に応じて設ける透明保護層は、適宜な透明フィルムにて形成することができる。特に、透明性や機械的強度、水分遮蔽性等に優れるポリマーからなる透明保護層が好ましい。そのポリマーの例としては、トリアセチルセルロースの如きアセテート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリノルボルネン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂及びアクリル系樹脂等があげられるが、これに限定されるものではない。透明保護層は、ポリマー溶液の塗布方式やフィルムとしたものの接着積層方式などの適宜な方式で形成することができる。また、偏光フィルムの両側に透明保護フィルムを設ける場合、その表裏で異なるポリマー等からなる透明保護層を設けてもよい。
【0020】
保護層に用いられる透明保護フィルムは、本発明の目的を損なわない限り、ハードコート処理や反射防止処理、スティッキングの防止や拡散ないしアンチグレア等を目的とした処理などを施したものであってもよい。なお、透明保護フィルムの厚さは、特に限定されないが、偏光板の薄型化等を目的に500μm以下、好ましくは5〜300μm、より好ましくは5〜150μmであるのがよい。
【0021】
本発明において、ディスコティック液晶を用いた位相差板としては、例えばWVフィルム(商品名、富士写真フィルム社製)などの、ディスコティック液晶を透明基材に配向処理してなる適宜なものを用いうる。
【0022】
本発明において1/4波長板は、コレステリック液晶層を透過した円偏光を直線偏光化するためのものであり、1層又は2層以上の位相差層にて形成される。1/4波長板は、視角による色変化の角度依存性の低減などの点より、円偏光分離層における反射光の中心波長の長波長側に配置することが通例好ましい。光学特性の観点より、偏光板の吸収軸を135°とした場合は、前記の液晶材料を使用した時、1/4波長板の遅相軸は0°とする必要がある。
【0023】
前記の1/4波長板は、可視光域の場合、直線偏光化効果や斜め透過光による色変化の補償などの点より、正面位相差が100〜180nmのものが好ましく用いられる。すなわち、面内の最大屈折率をnx、それに直交する方向の屈折率をny、厚さ方向の屈折率をnz、厚さをdとした場合に式:(nx−ny)d=Δnd=100〜180nmを満足する1/4波長板が好ましく用いられる。正面位相差が110〜150nmのものがさらに好ましい。
【0024】
また、視角による色相変化を抑制する点、すなわち1/4波長板機能を示す位相差層を垂直透過した光(正面)と斜め透過した光(斜視)の色バランスを可及的に一致させて、偏光板を介した視認側をより色付きの少ない中間色とする点では、式:(nx−nz)/(nx−ny)で定義されるNz係数が、−0.5〜−2.5の範囲であることが好ましい。
【0025】
1/4波長板は、例えば、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレンやその他のポリオレフィン、ポリアリレート、ポリアミドなど、光学的に透明なポリマーフィルム材料を延伸(収縮)させる方法、複屈折性を有する分子を基材フィルムなどの上に塗布し光学的に1軸方向に配向させる方法などによって製造した、適宜なものを用いることができる。また、例えば位相差相違の位相差板を光軸を交差させて積層したものの如く、1/4波長板として機能する波長範囲を拡大したものであってもよい。前記の1/4波長板の厚さは、特に限定されないが、一般に10〜300μmであり、好ましくは20〜150μmであるのがよい。
【0026】
本発明において、コレステリック液晶層を形成するコレステリック液晶としては、コレステリック液晶のねじれ方向が右ねじれであり右円偏光を反射する適宜なものを用いることができる。中でも、コレステリック液晶ポリマーが好ましく用いられる。ここで、「コレステリック液晶の右ねじれ方向」とは、図5(a)に示すように、視認側に向かってくる光の方向が反時計回りであることをいう。
【0027】
コレステリック液晶ポリマーは、液晶層の重畳化や薄膜化等の取扱性の点、視角変化に対する光学特性の変化が小さく視野角の広い液晶表示装置を形成しうる点等で優れており、とりわけ、選択反射の波長域の広さ等の点より、複屈折の大きいものが好ましく用いられる。その場合、コレステリック液晶層は、コレステリック液晶ポリマーの単独層又は2層以上の重畳層として形成することができる。
【0028】
コレステリック液晶ポリマーとしては、例えば、液晶配向性を付与する共役性の直鎖状原子団(メソゲン)がポリマーの主鎖や側鎖に導入された主鎖型や側鎖型のもの等が挙げられる。取扱性や実用温度での配向の安定性等の点より、ガラス転移温度が30〜150℃のコレステリック液晶ポリマーが好ましい。
【0029】
前記主鎖型のコレステリック液晶ポリマーとしては、屈曲性を付与するスペーサ部を必要に応じ介してパラ置換環状化合物等からなるメソゲン基を結合した構造を有する、例えばポリエステル系やポリアミド系、ポリカーボネート系、ポリエステルイミド系等のポリマーが挙げられる。
【0030】
また、側鎖型コレステリック液晶ポリマーとしては、例えば、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシロキサン、ポリマロネート等を主鎖骨格とし、側鎖として共役性の原子団からなるスペーサ部を必要に応じ介してパラ置換環状化合物等からなる低分子液晶化合物(メソゲン部)を有するもの、低分子カイラル剤含有のネマチック系液晶ポリマー、キラル成分導入の液晶ポリマー、ネマチック系とコレステリック系の混合液晶ポリマー等が挙げられる。
【0031】
また、アゾメチン形、アゾ形、アゾキシ形、エステル形、ビフェニル形、フェニルシクロヘキサン形、ビシクロヘキサン形等のパラ置換芳香族単位、パラ置換シクロヘキシル環単位等からなるネマチック配向性を付与するパラ置換環状化合物を有するものに、不斉炭素を有する化合物等のキラル成分や低分子カイラル剤等を導入する方式などにより、コレステリック配向性のものとすることもできる。なお、パラ置換環状化合物におけるパラ位における末端置換基は、例えばシアノ基、アルキル基、アルコキシ基などであってもよい。
【0032】
また、前記のスペーサ部としては、屈曲性を示す例えばポリメチレン鎖(繰り返し単位数0〜20、好ましくは2〜12)や、ポリオキシメチレン鎖(繰り返し単位数0〜10、好ましくは1〜3)等が挙げられる。
【0033】
上記したコレステリック液晶ポリマーからなるコレステリック液晶層は、当該ポリマーを配向処理することにより形成されるものであるが、その配向処理は、従来の低分子液晶に準じた方法にて行うことができる。例えば、厚さが20〜200μmの支持基材上に、厚さが0.01〜10μmのポリイミドやポリビニルアルコール、ポリエステルやポリアリレート、ポリアミドイミドやポリエーテルイミド等の膜を形成して、レーヨン布等でラビング処理した配向膜等からなる適宜な配向膜の上にコレステリック液晶ポリマーを展開し、ガラス転移温度以上、等方相転移温度未満に加熱し、液晶ポリマー分子がグランジャン配向した状態でガラス転移温度未満に冷却してガラス状態とし、当該配向が固定化された固化層を形成する方法等が挙げられる。
【0034】
支持基材としては、例えば、トリアセチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アモルファスポリオレフィン、変性アクリル系ポリマー、エポキシ系樹脂等の合成樹脂フィルムからなる単層又は積層フィルム、ガラス板等が挙げられる。薄型化等の点より合成樹脂フィルムが好ましい。
【0035】
支持基材上に形成する液晶ポリマーの固化層の厚さは、配向の乱れや透過率低下の防止、選択反射の波長域の広さなどの点より、一般に0.5〜50μm、好ましくは1〜30μm、より好ましくは2〜10μmである。支持基材上の液晶ポリマー固化層は、支持基材との一体物として用いてもよいし、支持基材から粘着剤や接着剤を用いて別の基材に剥離転写して用いてもよい。特に、液晶層の剥離強度を高めるためには、後者の方法によるのが好ましい。
【0036】
また展開処理は、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等の適宜な方法で行うことができる。展開に際しては、必要に応じ配向膜を介したコレステリック液晶ポリマー層の重畳方式なども採ることができる。
【0037】
コレステリック液晶ポリマー層の厚さは、配向の乱れや透過率低下の防止、選択反射性(円偏光二色性を示す波長範囲)などの点より、0.5〜100μm、とりわけ1〜50μm、特に3〜20μmが好ましい。なおコレステリック液晶ポリマー層の形成に際しては、安定剤や可塑剤や金属類などからなる種々の添加剤を必要に応じて配合することができる。
【0038】
コレステリック液晶層は、上記したように2層又は3層以上のコレステリック液晶ポリマー層の重畳層として形成することもできる。重畳化は、分離機能の広波長域化や斜め入射光の波長シフトに対処する点等より有利であり、その場合には反射光の中心波長が異なる組合せで重畳することが好ましい。
【0039】
すなわち、単層のコレステリック液晶ポリマー層では通例、選択反射性を示す波長域に限界があり、その限界は約100nmの波長域に及ぶ広い範囲の場合もあるが、その波長範囲でも液晶表示装置等に適用する場合に望まれる可視光の全域には及ばないから、そのような場合に選択反射性の異なるコレステリック液晶ポリマー層を重畳させて円偏光二色性を示す波長域を拡大させることができる。
【0040】
ちなみに選択反射の中心波長が300〜900nmのコレステリック液晶ポリマー層を同じ偏光方向の円偏光を反射する組合せで、かつ選択反射の中心波長が異なる組合せで用いて、その2〜6種類を重畳することで可視光域をカバーできるコレステリック液晶層を効率的に形成することができる。
【0041】
前記した同じ偏光方向の円偏光を反射するものの組合せとする点は、各層で反射される円偏光の位相状態を揃えて各波長域で異なる偏光状態となることを防止し、利用できる状態の偏光の増量を目的とする。なお上記した如く、コレステリック液晶ポリマーとしては適宜なものを用いてよいが、複屈折率差の大きい液晶ポリマーほど選択反射の波長域が広くなり、層数の軽減や大視野角時の波長シフトに対する余裕などの点より好ましく用いうる。
【0042】
前記したコレステリック液晶ポリマーにおける選択反射の中心波長の相違は、クランジャン配向の螺旋ピッチの相違に基づく。本発明にては厚さ方向に螺旋ピッチが変化する円偏光分離層や、螺旋ピッチ相違の2層以上のコレステリック液晶ポリマー層が例えば反射光の中心波長に基づいて長短の順序通りに重畳して厚さ方向に螺旋ピッチが変化する円偏光分離層などの適宜な形態の円偏光分離層であってよい。
【0043】
前記の螺旋ピッチが厚さ方向に変化する構造も選択反射の波長域の拡大などに有効である。その場合、同じ螺旋ピッチのコレステリック液晶ポリマー層間に、螺旋ピッチの異なるコレステリック液晶ポリマー層が前記中心波長の長短の順序通りに1層又は2層以上介在した形態のものの如く、同じ螺旋ピッチのコレステリック液晶ポリマー層を2層以上含む層構造なども許容される。
【0044】
なお前記の厚さ方向に螺旋ピッチが変化する円偏光分離層は、連続した反射光の波長域を示すものであってもよいし、不連続な反射光の波長域を示すものであってもよい。視角による色相変化の防止等の点より好ましい円偏光分離層は、連続した反射光の波長域を示すものである。
【0045】
前記の連続した反射光の波長域を示す円偏光分離層の製造は、例えば上記した熱圧着操作等で形成したコレステリック液晶ポリマー層の重畳体をガラス転移温度以上、等方相転移温度未満に加熱して、その密着界面に上下の層を形成するコレステリック液晶ポリマーが混合した配向層を形成する方法などにより行うことができる。
【0046】
前記において、上下層のコレステリック液晶ポリマーが混合して形成されたコレステリック液晶ポリマー層は、螺旋ピッチが上下の層とも異なって厚さ方向に螺旋ピッチが多段階に変化した円偏光分離層を形成し、通例その螺旋ピッチは上下の層を形成するコレステリック液晶ポリマー層の中間値をとって、上下の層と共に連続した反射光の波長域を示す領域を形成する。
【0047】
従って、上下層で反射光の波長域が重複しないコレステリック液晶ポリマー層の組合せ、すなわち反射光の波長域に不連続による欠落域が存在する組合せで用いた場合に、上下の層の混合により形成されたコレステリック液晶ポリマー層が前記欠落域を埋めて反射光の波長域を連続化することができる。
【0048】
よって例えば、反射波長域が500nm以下のものと600nm以上のものの2種のコレステリック液晶ポリマー層を用いて、反射波長域の不連続域である500〜600nmの波長域の光についても反射する円偏光分離層を得ることができ、これは少ないコレステリック液晶ポリマー層の重畳で、広い帯域の反射波長域を示す円偏光分離層を形成しうることを意味する。
【0049】
図6に、本発明の光学フィルムを搭載した液晶表示装置の一例を示した。6が位相差板、7が偏光板、8が液晶セル、9が導光板(面光源)、10が光源である。また、1は偏光板、2は1/4波長板、3はコレステリック液晶層、4はディスコティック液晶を用いた位相差板である。5は粘着層である。
【0050】
図6に例示したように、本発明の光学フィルムをサイドライト型導光板やELランプなどの面光源の上に配置して、液晶表示装置のバックライト等として好適な照明装置を形成することができる。なお、図6の面光源は裏面に反射層を有する導光板の側面に光源10を配置したものからなる。サイドライト型導光板では、反射光がコレステリック液晶層と導光板の反射層の間に閉じ込められ、その間で反射を繰り返す内にコレステリック液晶層を透過することとなり、光源からの入射光の初期透過光と共に出射されて、これにより反射ロスによる光の未利用分が低減される。
【0051】
本発明の光学フィルムを形成する偏光板、1/4波長板およびコレステリック液晶層や、ディスコティック液晶を用いた位相差板等の各素材は単に重ね置いたものであってもよいが、透過率向上、光軸のズレ防止による品質の安定化や液晶表示装置の組立効率の向上などの点より、粘着層等の透明接着層を介して積層一体化されていることが好ましい。ちなみに図例の図1と図2では、偏光板1、1/4波長板2、コレステリック液晶層3、ディスコティック液晶を用いた位相差板4が、それぞれ図示していない粘着層を介して接着一体化されている。
【0052】
粘着層は、特に限定されないが、例えば、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステルやポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系、ゴム系等、適宜なポリマーをベースポリマーとする粘着剤などの適宜な粘着性物質を用いて形成することができる。特に、アクリル系粘着剤の如く、光学的透明性や対光性、耐熱性に優れて熱や湿度の影響で浮きや剥がれ等を生じにくいものが好ましく用いられる。粘着層の厚さは、特に限定されないが、一般には、接着力や薄型化の観点より1〜500μm、好ましくは2〜200μm、より好ましくは5〜100μmとされる。
【0053】
ちなみに前記アクリル系粘着剤の例としては、メチル基やエチル基やプチル基等の炭素数が20以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルと、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等の改良成分からなるアクリル系モノマーを、ガラス転移温度が0℃以下となる組み合わせにて共重合してなる、重量平均分子量が10万以上のアクリル系重合体をベースポリマーとするものなどがあげられるが、これに限定されない。
【0054】
粘着層の形成は、例えばカレンダーロール法等による圧延方式、ドクターブレード法やグラビヤロールコーター法等による塗工方式など、粘着性物質を光学フィルム等の形成素材に付設する方式、あるいはそれに準じてセパレータ上に粘着層を形成しそれを光学フィルム等の形成素材に移着する方式など、適宜な方式で行うことができる。
【0055】
なお、粘着層は、それに透明粒子を含有させる方式などにより光拡散型のものとして形成することもできる。その透明粒子には、例えばシリカやアルミナ、チタニアやジルコニア、酸化錫や酸化インジウム、酸化カドミウムや酸化アンチモン等からなる、導電性のこともある無機系粒子、架橋又は未架橋のポリマーからなる有機系粒子などの適宜なものを1種又は2種以上用いることができる。
【0056】
光学フィルムの外表面、望ましくは偏光板の外表面には、必要に応じ液晶セル等の他部材との接着を目的とした粘着層を設けることもできる。その粘着層が表面に露出する場合には実用に供するまでの間、汚染防止等の保護を目的にその表面をセパレータなどで仮着カバーしておくこともできる。また光学フィルムの形成素材が表面に露出する場合には、その露出表面を表面保護フィルムにて接着カバーして傷つき等から保護することもできる。
【0057】
前記のセパレータや表面保護フィルムは、光学フィルムの実用段階では剥離除去され、その際に静電気やそれによるゴミ付着が生じる場合があるので、必要に応じて帯電防止処理したセパレータや表面保護フィルムを用いることができる。また同様に、例えば帯電防止層を光学フィルムの形成素材の層間や表面に位置させる方式などの適宜な方式で帯電防止処理した光学フィルムとすることもできる。
【0058】
なお本発明において、光学フィルムを形成するコレステリック液晶層、1/4波長板、位相差板や、照明装置を形成する支持基材、偏光板、導光板、接着層、その他の光学層等は、例えばサリチル酸エステル系化合物やベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などの適宜な方式により紫外線吸収能を持たせたものなどであってもよい。
【0059】
本発明による光学フィルムは、例えばTN液晶を用いたTFT型LCDなどの各種液晶表示装置の形成などに好ましく用いうるが、その適用に際しては各種の光学層(反射板、半透過反射板、視角補償フィルム等)を付加することもできる。特に正面指向性の向上を目的とした面光源装置や輝度の向上を目的とした液晶表示装置の形成に好ましく用いられる。面光源装置は、例えば三波長管よりなる蛍光灯等を光源とするサイドライト型や直下型等の面光源上に、光学フィルムを配置する方式などにより形成することができる。また、液晶表示装置は、例えば前記の面光源装置における光学フィルムの上側に、必要に応じ偏光板等を介して適宜な液晶セルを配置する方式などにより形成することができる。
【0060】
面光源装置や液晶表示装置の形成に際して光学フィルムは、面光源の発光面や液晶セルの視認面又は/及び背面等の適宜な位置に単に設置するだけであってもよいが、他部材とのスティッキングや耐熱性等の性能試験時などにおけるカール、うねりの発生を防止する点などより、粘着層等の透明接着層を介して面光源や液晶セル等に接着処理することが好ましい。
【0061】
前記の液晶表示装置を形成する液晶セルは任意であり、例えば薄膜トランジスタ型に代表されるアクティブマトリクス駆動型のもの、ツイストネマチック型やスーパーツイストネマチック型に代表される単純マトリクス駆動型のものなどの適宜なタイプの液晶セルを用いたものであってよい。
【0062】
また、液晶セルの両側に偏光板や光学部材を設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。更に、液晶表示装置の形成に際しては、例えばプリズムアレイシートやレンズアレイシート、光拡散板やバックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
【0063】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0064】
(実施例1)
右ねじれからなるコレステリック液晶層の上に、ポリカーボネートの延伸フィルムからなる正面位相差が130nmでNz係数が−1.5の1/4波長板と、ディスコティック液晶を用いた位相差板(富士写真フィルム(株)製、「WVフィルム」)と、ポリビニルアルコール系偏光板とを、厚さ20μmのアクリル系粘着剤を介して順次貼合せ、光学フィルムを得た。その場合、WVフィルムの光軸と偏光板の吸収軸は略直角にクロスさせた。また、偏光板の吸収軸は、光学フィルムの長辺に対し135°の角度に設定した。
【0065】
前記のコレステリック液晶層は、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム上に設けたポリビニルアルコールラビング処理面(約0.1μm厚)に、メソゲンの比率が相違する2種のアクリル系サーモトロピックコレステリック液晶ポリマーを用いて、その25重量%シクロヘキサン溶液をワイヤーバーにて塗工し、160℃で2分間加熱配向処理したのち、室温で放冷する方式にて、厚さ2.5μm、選択反射の波長域400〜510nm、520〜710nm、715〜900nmの右円偏光を反射する円偏光分離層を形成し、それらを順にアクリル系粘着剤で積層させ、その選択反射の波長域が400〜900nmの円偏光分離層を形成することにより得た。
【0066】
(比較例1)
実施例1において、コレステリック液晶層と1/4波長板を有しない構造とした以外は、実施例1と同様に、WVフィルムとポリビニルアルコール系偏光板とを厚さ20μmのアクリル系粘着剤を介して順次貼合せ、光学フィルムを得た。
【0067】
(比較例2)
左ねじれからなるコレステリック液晶層の上に、ポリカーボネートの延伸フィルムからなる正面位相差が130nmでNz係数が−1.5の1/4波長板と、WVフィルムと、ポリビニルアルコール系偏光板とを、厚さ20μmのアクリル系粘着剤を介して順次貼合せ、光学フィルムを得た。その場合、WVフィルムの光軸と偏光板の吸収軸は略直角にクロスさせた。
【0068】
(評 価)
実施例および比較例で得た光学フィルムを、20μmのアクリル系粘着剤を介してガラスに接着したものを面光源の上に配置し、輝度計(TOPCON製、BM−7)によりその正面方向(x0,y0)と斜め60°方向(x60,y60)におけるCIE色度座標値を測定し、次式により色相差(Δx、Δy)を求めた。
Δx=x60−x0
Δy=y60−y0
なお前記の(x60,y60)は、左右の斜め60°方向における座標値の平均値である。また、面光源には、裏面に微細プリズムアレイ構造を形成した楔形のアクリル系導光板における厚さ4mmの側面に直径3mmの冷陰極管を配置してアルミニウム蒸着フィルムにて包囲し、前記裏面にもその蒸着フィルムを延設して反射シートとしたものを用いた。
【0069】
評価結果を表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】
(パネル実装評価)
実施例および比較例で得た光学フィルムをTN液晶セルの片面に厚さ20μmのアクリル系粘着剤を介して接着し、そのセルの他面にWVフィルムと偏光板からなる積層体をセルの表裏で偏光板がクロスニコルにとなるように接着して液晶表示装置を得た(図6参照)。この液晶表示装置の面光源の上に液晶表示装置を白表示させ、輝度計(TOPCON製、BM−7)によりその正面方向(x0,y0)と斜め60°方向(x60,y60)におけるCIE色度座標値を測定し、上記の式により色相差を求めた。なお輝度向上率は、輝度向上フィルムなしで偏光板のみの輝度を100として、それに対する割合(向上率)を示した。
【0072】
評価結果を表2に示す。
【0073】
【表2】
【0074】
表1および表2より、本発明の光学フィルムは視角着色変化が少なく、明るい表示を達成できることがわかる。これに対して、従来の光学フィルム(比較例2)は、長辺方向の視角着色変化があり、斜視からは画面が黄色に着色することがわかる。
【0075】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、視角の変化による色相の変化が少ない光学フィルムを得ることができる。そのため、本発明の光学フィルムを液晶表示装置に用いることにより、視角の変化による白表示での色相の変化が少なく、かつ輝度に優れる液晶表示装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学フィルム例の断面模式図である。
【図2】本発明の光学フィルム例の断面模式図である。
【図3】長辺方向の傾斜角を説明する図である。
【図4】短辺方向の傾斜角を説明する図である。
【図5】コレステリック液晶のねじれ方向を説明する図である。
【図6】本発明の液晶表示装置例の断面模式図である。
【符号の説明】
1 偏光板
2 1/4波長板
3 コレステリック液晶層
4 ディスコティック液晶を用いた位相差板
5 粘着層
6 ディスコティック液晶を用いた位相差板
7 偏光板
8 液晶セル
9 導光板(面光源)
10 光源
11 光学フィルム
【発明の属する技術分野】
本発明は、視角着色変化が少なく明るい表示を達成できる光学フィルム、およびそれを用いた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置における良視認の視野角の拡大と輝度向上が問題となっている。従来、かかる視野角の点ではツイストネマチック液晶使用の薄型トランジスタ型液晶表示素子(TN−TFT型LCD)等にディスコティック液晶を用いた位相差板からなる光漏れ補償板を配置して、黒表示時の斜視方向における光漏れを補償した液晶表示装置が知られていた。
【0003】
しかしながら、光漏れ補償板を用いた液晶表示装置においては、白表示時の場合に視角により色相が変化して、長辺方向に斜視からは画面が黄色に着色するという問題点があった。これは、左右方向の広視野角化が重要となっているため大きな問題である。またその補償板の付加で輝度が低下するという問題もある。
【0004】
一方、輝度向上率の点ではコレステリック液晶ポリマー層などの偏光分離層からなる輝度向上フィルムを液晶表示素子に配置し、その輝度向上フィルムを介して自然光からなる照明光を偏光特性を示す透過光と反射光に分離し、その反射光も反射層を介し反転させ液晶表示素子に入射させることにより光の利用効率を向上した液晶表示装置が知られていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
しかしながら輝度向上フィルムを用いた液晶表示装置においても、視角により色相が変化し、長辺方向に斜視からは画面が黄色に着色し、短辺方向に斜視からは画面が青色に着色するという問題点がある。
【0006】
また、良視認の視野角の拡大と輝度向上どちらも満足させるため、前記のディスコティック液晶を用いた位相差板を貼合せた偏光板と後記の輝度向上フィルムを貼合せるとさらに着色がひどくなる。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−1457250号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、視角着色変化が少なく明るい表示を達成できる光学フィルム、およびそれを用いた液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、コレステリック液晶を用いた液晶表示装置において、コレステリック液晶のねじれ方向を左ねじれから右ねじれにすることで、上下左右任意の色変化を逆にでき、上下方向が黄色く左右方向が青く着色するフィルムが得られることを見出した。そして、正面はニュートラルで左右方向に傾斜角をつけていくと青く着色するという新たな特性を利用し、正面はニュートラルで左右方向に傾斜角をつけていくと黄色に着色する特性をもつディスコティック液晶を用いた位相差板を貼合せた偏光板と組み合わせることで、左右方向においてもニュートラルとなることを見出し本発明を完成するに到った。
【0010】
すなわち、本発明は、偏光板と1/4波長板とコレステリック液晶層がこの順序で積層してなる光学フィルムであって、前記偏光板の吸収軸を長辺に対して135°としたとき、当該光学フィルムの短辺方向に傾斜角0°(正面)〜60°での色相変化が、Δx=−0.01〜0.04かつΔy=−0.01〜0.04であり、当該光学フィルムの長辺方向に傾斜角0°(正面)〜60°での色相変化が、Δx=−0.04〜0.04かつΔy=−0.04〜0.04であることを特徴とする光学フィルムを提供するものである。
【0011】
本発明の光学フィルムにおいては、前記コレステリック液晶のねじれ方向が右ねじれであり右円偏光を反射するものであることが好ましく、前記1/4波長板の遅相軸が0°であることが好ましい。
【0012】
また、本発明の光学フィルムにおいては、前記偏光板の上に、ディスコティック液晶を用いた位相差板を有することが好ましい。
【0013】
次に本発明は、前記の光学フィルムを用いたことを特徴とする液晶表示装置を提供するものである。前記の液晶表示装置においては、偏光板の吸収軸を長辺に対して135°としたとき、前記光学フィルムの短辺方向に傾斜角0°(正面)〜60°での色相変化が、Δx=−0.01〜0.05かつΔy=−0.01〜0.05であり、前記光学フィルムの長辺方向に傾斜角0°(正面)〜60°での色相変化がΔx=−0.01〜0.05かつΔy=−0.01〜0.05であることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の光学フィルムは、偏光板と1/4波長板とコレステリック液晶層がこの順序で積層してなる光学フィルムであって、前記偏光板の吸収軸を該光学フィルムの長辺に対して135°としたとき、当該光学フィルムの短辺方向に傾斜角0°(正面)〜60°での色相変化が、Δx=−0.01〜0.04かつΔy=−0.01〜0.04であり、当該光学フィルムの長辺方向に傾斜角0°(正面)〜60°での色相変化が、Δx=−0.04〜0.04かつΔy=−0.04〜0.04のものである。
【0015】
光学フィルムにおいて、一般に長辺方向に傾斜角0°(正面)〜60°での色相変化が大きくなるほど着色がひどくなり実用上使用不可となるが、Δx=−0.05以下または0.05以上の場合や、Δy=−0.05以下または0.05以上の場合は、着色が非常に目立つ。従って、前記の色相変化は、Δx=−0.04〜0.04かつΔy=−0.04〜0.04の範囲にあるのが好ましく、さらに好ましくはΔx=−0.02〜0.02かつΔy=−0.02〜0.02の範囲であるのがよい。同様に、偏光板の吸収軸を135°としたとき、短辺方向に傾斜角0°(正面)〜60°での色相変化が、Δx=−0.01〜0.04かつΔy=−0.01〜0.04の範囲であるのが好ましく、さらに好ましくはΔx=0.00〜0.03かつΔy=0.00〜0.03の範囲であるのがよい。
【0016】
前記特許文献1には、視角による色相変化が少ない色相補償板が開示され、液晶表示装置を白表示させてその正面方向と斜め60度方向におけるCIE色度座標値を求め、その値より色相差Δxyを求めている。しかし、Δxyを用いた場合は、正面から60°に視角をふった時の変化量は定義されるが、その方向性は定義されない。CIE色度図上で、右上への変化であると黄色、左下への変化であると青色、上への変化であると緑色、下への変化であると赤色であり、実用上はこの方向性が重要となる。本発明のΔx、Δyを用いる方法によれば、その方向性と変化量を共に表記できることから、実用上問題となる着色(色相変化)を表すことができ、非常に有効である。
【0017】
本発明の光学フィルムの構成例を図1、図2に示した(図例では粘着層を省略している)。光学フィルム(11)は、偏光板1と1/4波長板2とコレステリック液晶層3が順次に積層されてなり、偏光板1の上には必要に応じて粘着層が形成されている。あるいは、偏光板1の上にディスコティック液晶を用いた位相差板4が積層されてなる。偏光板1の吸収軸aが135°のとき、図3に示すように長辺方向に傾斜角0°(正面)〜60°での色相変化はΔx=−0.04〜0.04かつΔy=−0.04〜0.04の範囲にあり、図4に示すように短辺方向に傾斜角0°(正面)〜60°での色相変化は、Δx=−0.01〜0.04かつΔy=−0.01〜0.04の範囲にある。
【0018】
本発明で用いる偏光板としては、所定偏光軸の直線偏光を透過して他の光は吸収する適宜なものを用いることができ、その種類については特に限定はない。中でも、偏光度と透過率に優れるものが好ましい。例としてはポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素及び又は二色性染料を吸着させて延伸処理した偏光フィルムなどが挙げられる。二色性偏光板は、偏光フィルムの片側又は両側に、適宜の接着層を介して、保護層となる透明保護フィルムを接着したものでもよい。なお、偏光フィルムの厚さは、特に限定されないが、1〜80μmが一般的であり、好ましくは2〜40μmであるのがよい。
【0019】
また、偏光フィルムの片面又は両面に必要に応じて設ける透明保護層は、適宜な透明フィルムにて形成することができる。特に、透明性や機械的強度、水分遮蔽性等に優れるポリマーからなる透明保護層が好ましい。そのポリマーの例としては、トリアセチルセルロースの如きアセテート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリノルボルネン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂及びアクリル系樹脂等があげられるが、これに限定されるものではない。透明保護層は、ポリマー溶液の塗布方式やフィルムとしたものの接着積層方式などの適宜な方式で形成することができる。また、偏光フィルムの両側に透明保護フィルムを設ける場合、その表裏で異なるポリマー等からなる透明保護層を設けてもよい。
【0020】
保護層に用いられる透明保護フィルムは、本発明の目的を損なわない限り、ハードコート処理や反射防止処理、スティッキングの防止や拡散ないしアンチグレア等を目的とした処理などを施したものであってもよい。なお、透明保護フィルムの厚さは、特に限定されないが、偏光板の薄型化等を目的に500μm以下、好ましくは5〜300μm、より好ましくは5〜150μmであるのがよい。
【0021】
本発明において、ディスコティック液晶を用いた位相差板としては、例えばWVフィルム(商品名、富士写真フィルム社製)などの、ディスコティック液晶を透明基材に配向処理してなる適宜なものを用いうる。
【0022】
本発明において1/4波長板は、コレステリック液晶層を透過した円偏光を直線偏光化するためのものであり、1層又は2層以上の位相差層にて形成される。1/4波長板は、視角による色変化の角度依存性の低減などの点より、円偏光分離層における反射光の中心波長の長波長側に配置することが通例好ましい。光学特性の観点より、偏光板の吸収軸を135°とした場合は、前記の液晶材料を使用した時、1/4波長板の遅相軸は0°とする必要がある。
【0023】
前記の1/4波長板は、可視光域の場合、直線偏光化効果や斜め透過光による色変化の補償などの点より、正面位相差が100〜180nmのものが好ましく用いられる。すなわち、面内の最大屈折率をnx、それに直交する方向の屈折率をny、厚さ方向の屈折率をnz、厚さをdとした場合に式:(nx−ny)d=Δnd=100〜180nmを満足する1/4波長板が好ましく用いられる。正面位相差が110〜150nmのものがさらに好ましい。
【0024】
また、視角による色相変化を抑制する点、すなわち1/4波長板機能を示す位相差層を垂直透過した光(正面)と斜め透過した光(斜視)の色バランスを可及的に一致させて、偏光板を介した視認側をより色付きの少ない中間色とする点では、式:(nx−nz)/(nx−ny)で定義されるNz係数が、−0.5〜−2.5の範囲であることが好ましい。
【0025】
1/4波長板は、例えば、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレンやその他のポリオレフィン、ポリアリレート、ポリアミドなど、光学的に透明なポリマーフィルム材料を延伸(収縮)させる方法、複屈折性を有する分子を基材フィルムなどの上に塗布し光学的に1軸方向に配向させる方法などによって製造した、適宜なものを用いることができる。また、例えば位相差相違の位相差板を光軸を交差させて積層したものの如く、1/4波長板として機能する波長範囲を拡大したものであってもよい。前記の1/4波長板の厚さは、特に限定されないが、一般に10〜300μmであり、好ましくは20〜150μmであるのがよい。
【0026】
本発明において、コレステリック液晶層を形成するコレステリック液晶としては、コレステリック液晶のねじれ方向が右ねじれであり右円偏光を反射する適宜なものを用いることができる。中でも、コレステリック液晶ポリマーが好ましく用いられる。ここで、「コレステリック液晶の右ねじれ方向」とは、図5(a)に示すように、視認側に向かってくる光の方向が反時計回りであることをいう。
【0027】
コレステリック液晶ポリマーは、液晶層の重畳化や薄膜化等の取扱性の点、視角変化に対する光学特性の変化が小さく視野角の広い液晶表示装置を形成しうる点等で優れており、とりわけ、選択反射の波長域の広さ等の点より、複屈折の大きいものが好ましく用いられる。その場合、コレステリック液晶層は、コレステリック液晶ポリマーの単独層又は2層以上の重畳層として形成することができる。
【0028】
コレステリック液晶ポリマーとしては、例えば、液晶配向性を付与する共役性の直鎖状原子団(メソゲン)がポリマーの主鎖や側鎖に導入された主鎖型や側鎖型のもの等が挙げられる。取扱性や実用温度での配向の安定性等の点より、ガラス転移温度が30〜150℃のコレステリック液晶ポリマーが好ましい。
【0029】
前記主鎖型のコレステリック液晶ポリマーとしては、屈曲性を付与するスペーサ部を必要に応じ介してパラ置換環状化合物等からなるメソゲン基を結合した構造を有する、例えばポリエステル系やポリアミド系、ポリカーボネート系、ポリエステルイミド系等のポリマーが挙げられる。
【0030】
また、側鎖型コレステリック液晶ポリマーとしては、例えば、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシロキサン、ポリマロネート等を主鎖骨格とし、側鎖として共役性の原子団からなるスペーサ部を必要に応じ介してパラ置換環状化合物等からなる低分子液晶化合物(メソゲン部)を有するもの、低分子カイラル剤含有のネマチック系液晶ポリマー、キラル成分導入の液晶ポリマー、ネマチック系とコレステリック系の混合液晶ポリマー等が挙げられる。
【0031】
また、アゾメチン形、アゾ形、アゾキシ形、エステル形、ビフェニル形、フェニルシクロヘキサン形、ビシクロヘキサン形等のパラ置換芳香族単位、パラ置換シクロヘキシル環単位等からなるネマチック配向性を付与するパラ置換環状化合物を有するものに、不斉炭素を有する化合物等のキラル成分や低分子カイラル剤等を導入する方式などにより、コレステリック配向性のものとすることもできる。なお、パラ置換環状化合物におけるパラ位における末端置換基は、例えばシアノ基、アルキル基、アルコキシ基などであってもよい。
【0032】
また、前記のスペーサ部としては、屈曲性を示す例えばポリメチレン鎖(繰り返し単位数0〜20、好ましくは2〜12)や、ポリオキシメチレン鎖(繰り返し単位数0〜10、好ましくは1〜3)等が挙げられる。
【0033】
上記したコレステリック液晶ポリマーからなるコレステリック液晶層は、当該ポリマーを配向処理することにより形成されるものであるが、その配向処理は、従来の低分子液晶に準じた方法にて行うことができる。例えば、厚さが20〜200μmの支持基材上に、厚さが0.01〜10μmのポリイミドやポリビニルアルコール、ポリエステルやポリアリレート、ポリアミドイミドやポリエーテルイミド等の膜を形成して、レーヨン布等でラビング処理した配向膜等からなる適宜な配向膜の上にコレステリック液晶ポリマーを展開し、ガラス転移温度以上、等方相転移温度未満に加熱し、液晶ポリマー分子がグランジャン配向した状態でガラス転移温度未満に冷却してガラス状態とし、当該配向が固定化された固化層を形成する方法等が挙げられる。
【0034】
支持基材としては、例えば、トリアセチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アモルファスポリオレフィン、変性アクリル系ポリマー、エポキシ系樹脂等の合成樹脂フィルムからなる単層又は積層フィルム、ガラス板等が挙げられる。薄型化等の点より合成樹脂フィルムが好ましい。
【0035】
支持基材上に形成する液晶ポリマーの固化層の厚さは、配向の乱れや透過率低下の防止、選択反射の波長域の広さなどの点より、一般に0.5〜50μm、好ましくは1〜30μm、より好ましくは2〜10μmである。支持基材上の液晶ポリマー固化層は、支持基材との一体物として用いてもよいし、支持基材から粘着剤や接着剤を用いて別の基材に剥離転写して用いてもよい。特に、液晶層の剥離強度を高めるためには、後者の方法によるのが好ましい。
【0036】
また展開処理は、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等の適宜な方法で行うことができる。展開に際しては、必要に応じ配向膜を介したコレステリック液晶ポリマー層の重畳方式なども採ることができる。
【0037】
コレステリック液晶ポリマー層の厚さは、配向の乱れや透過率低下の防止、選択反射性(円偏光二色性を示す波長範囲)などの点より、0.5〜100μm、とりわけ1〜50μm、特に3〜20μmが好ましい。なおコレステリック液晶ポリマー層の形成に際しては、安定剤や可塑剤や金属類などからなる種々の添加剤を必要に応じて配合することができる。
【0038】
コレステリック液晶層は、上記したように2層又は3層以上のコレステリック液晶ポリマー層の重畳層として形成することもできる。重畳化は、分離機能の広波長域化や斜め入射光の波長シフトに対処する点等より有利であり、その場合には反射光の中心波長が異なる組合せで重畳することが好ましい。
【0039】
すなわち、単層のコレステリック液晶ポリマー層では通例、選択反射性を示す波長域に限界があり、その限界は約100nmの波長域に及ぶ広い範囲の場合もあるが、その波長範囲でも液晶表示装置等に適用する場合に望まれる可視光の全域には及ばないから、そのような場合に選択反射性の異なるコレステリック液晶ポリマー層を重畳させて円偏光二色性を示す波長域を拡大させることができる。
【0040】
ちなみに選択反射の中心波長が300〜900nmのコレステリック液晶ポリマー層を同じ偏光方向の円偏光を反射する組合せで、かつ選択反射の中心波長が異なる組合せで用いて、その2〜6種類を重畳することで可視光域をカバーできるコレステリック液晶層を効率的に形成することができる。
【0041】
前記した同じ偏光方向の円偏光を反射するものの組合せとする点は、各層で反射される円偏光の位相状態を揃えて各波長域で異なる偏光状態となることを防止し、利用できる状態の偏光の増量を目的とする。なお上記した如く、コレステリック液晶ポリマーとしては適宜なものを用いてよいが、複屈折率差の大きい液晶ポリマーほど選択反射の波長域が広くなり、層数の軽減や大視野角時の波長シフトに対する余裕などの点より好ましく用いうる。
【0042】
前記したコレステリック液晶ポリマーにおける選択反射の中心波長の相違は、クランジャン配向の螺旋ピッチの相違に基づく。本発明にては厚さ方向に螺旋ピッチが変化する円偏光分離層や、螺旋ピッチ相違の2層以上のコレステリック液晶ポリマー層が例えば反射光の中心波長に基づいて長短の順序通りに重畳して厚さ方向に螺旋ピッチが変化する円偏光分離層などの適宜な形態の円偏光分離層であってよい。
【0043】
前記の螺旋ピッチが厚さ方向に変化する構造も選択反射の波長域の拡大などに有効である。その場合、同じ螺旋ピッチのコレステリック液晶ポリマー層間に、螺旋ピッチの異なるコレステリック液晶ポリマー層が前記中心波長の長短の順序通りに1層又は2層以上介在した形態のものの如く、同じ螺旋ピッチのコレステリック液晶ポリマー層を2層以上含む層構造なども許容される。
【0044】
なお前記の厚さ方向に螺旋ピッチが変化する円偏光分離層は、連続した反射光の波長域を示すものであってもよいし、不連続な反射光の波長域を示すものであってもよい。視角による色相変化の防止等の点より好ましい円偏光分離層は、連続した反射光の波長域を示すものである。
【0045】
前記の連続した反射光の波長域を示す円偏光分離層の製造は、例えば上記した熱圧着操作等で形成したコレステリック液晶ポリマー層の重畳体をガラス転移温度以上、等方相転移温度未満に加熱して、その密着界面に上下の層を形成するコレステリック液晶ポリマーが混合した配向層を形成する方法などにより行うことができる。
【0046】
前記において、上下層のコレステリック液晶ポリマーが混合して形成されたコレステリック液晶ポリマー層は、螺旋ピッチが上下の層とも異なって厚さ方向に螺旋ピッチが多段階に変化した円偏光分離層を形成し、通例その螺旋ピッチは上下の層を形成するコレステリック液晶ポリマー層の中間値をとって、上下の層と共に連続した反射光の波長域を示す領域を形成する。
【0047】
従って、上下層で反射光の波長域が重複しないコレステリック液晶ポリマー層の組合せ、すなわち反射光の波長域に不連続による欠落域が存在する組合せで用いた場合に、上下の層の混合により形成されたコレステリック液晶ポリマー層が前記欠落域を埋めて反射光の波長域を連続化することができる。
【0048】
よって例えば、反射波長域が500nm以下のものと600nm以上のものの2種のコレステリック液晶ポリマー層を用いて、反射波長域の不連続域である500〜600nmの波長域の光についても反射する円偏光分離層を得ることができ、これは少ないコレステリック液晶ポリマー層の重畳で、広い帯域の反射波長域を示す円偏光分離層を形成しうることを意味する。
【0049】
図6に、本発明の光学フィルムを搭載した液晶表示装置の一例を示した。6が位相差板、7が偏光板、8が液晶セル、9が導光板(面光源)、10が光源である。また、1は偏光板、2は1/4波長板、3はコレステリック液晶層、4はディスコティック液晶を用いた位相差板である。5は粘着層である。
【0050】
図6に例示したように、本発明の光学フィルムをサイドライト型導光板やELランプなどの面光源の上に配置して、液晶表示装置のバックライト等として好適な照明装置を形成することができる。なお、図6の面光源は裏面に反射層を有する導光板の側面に光源10を配置したものからなる。サイドライト型導光板では、反射光がコレステリック液晶層と導光板の反射層の間に閉じ込められ、その間で反射を繰り返す内にコレステリック液晶層を透過することとなり、光源からの入射光の初期透過光と共に出射されて、これにより反射ロスによる光の未利用分が低減される。
【0051】
本発明の光学フィルムを形成する偏光板、1/4波長板およびコレステリック液晶層や、ディスコティック液晶を用いた位相差板等の各素材は単に重ね置いたものであってもよいが、透過率向上、光軸のズレ防止による品質の安定化や液晶表示装置の組立効率の向上などの点より、粘着層等の透明接着層を介して積層一体化されていることが好ましい。ちなみに図例の図1と図2では、偏光板1、1/4波長板2、コレステリック液晶層3、ディスコティック液晶を用いた位相差板4が、それぞれ図示していない粘着層を介して接着一体化されている。
【0052】
粘着層は、特に限定されないが、例えば、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステルやポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系、ゴム系等、適宜なポリマーをベースポリマーとする粘着剤などの適宜な粘着性物質を用いて形成することができる。特に、アクリル系粘着剤の如く、光学的透明性や対光性、耐熱性に優れて熱や湿度の影響で浮きや剥がれ等を生じにくいものが好ましく用いられる。粘着層の厚さは、特に限定されないが、一般には、接着力や薄型化の観点より1〜500μm、好ましくは2〜200μm、より好ましくは5〜100μmとされる。
【0053】
ちなみに前記アクリル系粘着剤の例としては、メチル基やエチル基やプチル基等の炭素数が20以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルと、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等の改良成分からなるアクリル系モノマーを、ガラス転移温度が0℃以下となる組み合わせにて共重合してなる、重量平均分子量が10万以上のアクリル系重合体をベースポリマーとするものなどがあげられるが、これに限定されない。
【0054】
粘着層の形成は、例えばカレンダーロール法等による圧延方式、ドクターブレード法やグラビヤロールコーター法等による塗工方式など、粘着性物質を光学フィルム等の形成素材に付設する方式、あるいはそれに準じてセパレータ上に粘着層を形成しそれを光学フィルム等の形成素材に移着する方式など、適宜な方式で行うことができる。
【0055】
なお、粘着層は、それに透明粒子を含有させる方式などにより光拡散型のものとして形成することもできる。その透明粒子には、例えばシリカやアルミナ、チタニアやジルコニア、酸化錫や酸化インジウム、酸化カドミウムや酸化アンチモン等からなる、導電性のこともある無機系粒子、架橋又は未架橋のポリマーからなる有機系粒子などの適宜なものを1種又は2種以上用いることができる。
【0056】
光学フィルムの外表面、望ましくは偏光板の外表面には、必要に応じ液晶セル等の他部材との接着を目的とした粘着層を設けることもできる。その粘着層が表面に露出する場合には実用に供するまでの間、汚染防止等の保護を目的にその表面をセパレータなどで仮着カバーしておくこともできる。また光学フィルムの形成素材が表面に露出する場合には、その露出表面を表面保護フィルムにて接着カバーして傷つき等から保護することもできる。
【0057】
前記のセパレータや表面保護フィルムは、光学フィルムの実用段階では剥離除去され、その際に静電気やそれによるゴミ付着が生じる場合があるので、必要に応じて帯電防止処理したセパレータや表面保護フィルムを用いることができる。また同様に、例えば帯電防止層を光学フィルムの形成素材の層間や表面に位置させる方式などの適宜な方式で帯電防止処理した光学フィルムとすることもできる。
【0058】
なお本発明において、光学フィルムを形成するコレステリック液晶層、1/4波長板、位相差板や、照明装置を形成する支持基材、偏光板、導光板、接着層、その他の光学層等は、例えばサリチル酸エステル系化合物やベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などの適宜な方式により紫外線吸収能を持たせたものなどであってもよい。
【0059】
本発明による光学フィルムは、例えばTN液晶を用いたTFT型LCDなどの各種液晶表示装置の形成などに好ましく用いうるが、その適用に際しては各種の光学層(反射板、半透過反射板、視角補償フィルム等)を付加することもできる。特に正面指向性の向上を目的とした面光源装置や輝度の向上を目的とした液晶表示装置の形成に好ましく用いられる。面光源装置は、例えば三波長管よりなる蛍光灯等を光源とするサイドライト型や直下型等の面光源上に、光学フィルムを配置する方式などにより形成することができる。また、液晶表示装置は、例えば前記の面光源装置における光学フィルムの上側に、必要に応じ偏光板等を介して適宜な液晶セルを配置する方式などにより形成することができる。
【0060】
面光源装置や液晶表示装置の形成に際して光学フィルムは、面光源の発光面や液晶セルの視認面又は/及び背面等の適宜な位置に単に設置するだけであってもよいが、他部材とのスティッキングや耐熱性等の性能試験時などにおけるカール、うねりの発生を防止する点などより、粘着層等の透明接着層を介して面光源や液晶セル等に接着処理することが好ましい。
【0061】
前記の液晶表示装置を形成する液晶セルは任意であり、例えば薄膜トランジスタ型に代表されるアクティブマトリクス駆動型のもの、ツイストネマチック型やスーパーツイストネマチック型に代表される単純マトリクス駆動型のものなどの適宜なタイプの液晶セルを用いたものであってよい。
【0062】
また、液晶セルの両側に偏光板や光学部材を設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。更に、液晶表示装置の形成に際しては、例えばプリズムアレイシートやレンズアレイシート、光拡散板やバックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
【0063】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0064】
(実施例1)
右ねじれからなるコレステリック液晶層の上に、ポリカーボネートの延伸フィルムからなる正面位相差が130nmでNz係数が−1.5の1/4波長板と、ディスコティック液晶を用いた位相差板(富士写真フィルム(株)製、「WVフィルム」)と、ポリビニルアルコール系偏光板とを、厚さ20μmのアクリル系粘着剤を介して順次貼合せ、光学フィルムを得た。その場合、WVフィルムの光軸と偏光板の吸収軸は略直角にクロスさせた。また、偏光板の吸収軸は、光学フィルムの長辺に対し135°の角度に設定した。
【0065】
前記のコレステリック液晶層は、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム上に設けたポリビニルアルコールラビング処理面(約0.1μm厚)に、メソゲンの比率が相違する2種のアクリル系サーモトロピックコレステリック液晶ポリマーを用いて、その25重量%シクロヘキサン溶液をワイヤーバーにて塗工し、160℃で2分間加熱配向処理したのち、室温で放冷する方式にて、厚さ2.5μm、選択反射の波長域400〜510nm、520〜710nm、715〜900nmの右円偏光を反射する円偏光分離層を形成し、それらを順にアクリル系粘着剤で積層させ、その選択反射の波長域が400〜900nmの円偏光分離層を形成することにより得た。
【0066】
(比較例1)
実施例1において、コレステリック液晶層と1/4波長板を有しない構造とした以外は、実施例1と同様に、WVフィルムとポリビニルアルコール系偏光板とを厚さ20μmのアクリル系粘着剤を介して順次貼合せ、光学フィルムを得た。
【0067】
(比較例2)
左ねじれからなるコレステリック液晶層の上に、ポリカーボネートの延伸フィルムからなる正面位相差が130nmでNz係数が−1.5の1/4波長板と、WVフィルムと、ポリビニルアルコール系偏光板とを、厚さ20μmのアクリル系粘着剤を介して順次貼合せ、光学フィルムを得た。その場合、WVフィルムの光軸と偏光板の吸収軸は略直角にクロスさせた。
【0068】
(評 価)
実施例および比較例で得た光学フィルムを、20μmのアクリル系粘着剤を介してガラスに接着したものを面光源の上に配置し、輝度計(TOPCON製、BM−7)によりその正面方向(x0,y0)と斜め60°方向(x60,y60)におけるCIE色度座標値を測定し、次式により色相差(Δx、Δy)を求めた。
Δx=x60−x0
Δy=y60−y0
なお前記の(x60,y60)は、左右の斜め60°方向における座標値の平均値である。また、面光源には、裏面に微細プリズムアレイ構造を形成した楔形のアクリル系導光板における厚さ4mmの側面に直径3mmの冷陰極管を配置してアルミニウム蒸着フィルムにて包囲し、前記裏面にもその蒸着フィルムを延設して反射シートとしたものを用いた。
【0069】
評価結果を表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】
(パネル実装評価)
実施例および比較例で得た光学フィルムをTN液晶セルの片面に厚さ20μmのアクリル系粘着剤を介して接着し、そのセルの他面にWVフィルムと偏光板からなる積層体をセルの表裏で偏光板がクロスニコルにとなるように接着して液晶表示装置を得た(図6参照)。この液晶表示装置の面光源の上に液晶表示装置を白表示させ、輝度計(TOPCON製、BM−7)によりその正面方向(x0,y0)と斜め60°方向(x60,y60)におけるCIE色度座標値を測定し、上記の式により色相差を求めた。なお輝度向上率は、輝度向上フィルムなしで偏光板のみの輝度を100として、それに対する割合(向上率)を示した。
【0072】
評価結果を表2に示す。
【0073】
【表2】
【0074】
表1および表2より、本発明の光学フィルムは視角着色変化が少なく、明るい表示を達成できることがわかる。これに対して、従来の光学フィルム(比較例2)は、長辺方向の視角着色変化があり、斜視からは画面が黄色に着色することがわかる。
【0075】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、視角の変化による色相の変化が少ない光学フィルムを得ることができる。そのため、本発明の光学フィルムを液晶表示装置に用いることにより、視角の変化による白表示での色相の変化が少なく、かつ輝度に優れる液晶表示装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学フィルム例の断面模式図である。
【図2】本発明の光学フィルム例の断面模式図である。
【図3】長辺方向の傾斜角を説明する図である。
【図4】短辺方向の傾斜角を説明する図である。
【図5】コレステリック液晶のねじれ方向を説明する図である。
【図6】本発明の液晶表示装置例の断面模式図である。
【符号の説明】
1 偏光板
2 1/4波長板
3 コレステリック液晶層
4 ディスコティック液晶を用いた位相差板
5 粘着層
6 ディスコティック液晶を用いた位相差板
7 偏光板
8 液晶セル
9 導光板(面光源)
10 光源
11 光学フィルム
Claims (6)
- 偏光板と1/4波長板とコレステリック液晶層がこの順序で積層してなる光学フィルムであって、前記偏光板の吸収軸を長辺に対して135°としたとき、当該光学フィルムの短辺方向に傾斜角0°(正面)〜60°での色相変化が、Δx=−0.01〜0.04かつΔy=−0.01〜0.04であり、当該光学フィルムの長辺方向に傾斜角0°(正面)〜60°での色相変化が、Δx=−0.04〜0.04かつΔy=−0.04〜0.04であることを特徴とする光学フィルム。
- 前記コレステリック液晶のねじれ方向が右ねじれであり、右円偏光を反射する請求項1記載の光学フィルム。
- 前記1/4波長板の遅相軸が0°である請求項1または2記載の光学フィルム。
- 前記偏光板の上に、ディスコティック液晶を用いた位相差板を有する請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルム。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の光学フィルムを用いたことを特徴とする液晶表示装置。
- 偏光板の吸収軸を長辺に対して135°としたとき、前記光学フィルムの短辺方向に傾斜角0°(正面)〜60°での色相変化が、Δx=−0.01〜0.05かつΔy=−0.01〜0.05であり、前記光学フィルムの長辺方向に傾斜角0°(正面)〜60°での色相変化がΔx=−0.01〜0.05かつΔy=−0.01〜0.05である請求項5に記載の液晶表示装置。
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JP2006526797A (ja) * | 2003-06-05 | 2006-11-24 | コンゾルテイウム フユール エレクトロケミツシエ インヅストリー ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング | らせん分子構造を有するポリマーフィルム |
US7884902B2 (en) | 2005-10-28 | 2011-02-08 | Chimei Innolux Corporation | Transmission liquid crystal display having discotic molecular film |
US11139632B2 (en) | 2016-02-04 | 2021-10-05 | Furukawa Electric Co., Ltd. | Optical module and light output device |
-
2002
- 2002-09-10 JP JP2002264577A patent/JP2004101950A/ja active Pending
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