JPH11174061A - フローインジェクション分析装置 - Google Patents

フローインジェクション分析装置

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JPH11174061A
JPH11174061A JP36320597A JP36320597A JPH11174061A JP H11174061 A JPH11174061 A JP H11174061A JP 36320597 A JP36320597 A JP 36320597A JP 36320597 A JP36320597 A JP 36320597A JP H11174061 A JPH11174061 A JP H11174061A
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忠雄 酒井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多成分の同時分析が可能なフローインジェク
ション分析装置を提供する。 【解決手段】 試料注入部2でキャリヤー液に注入され
た試料の成分を検出する検出部4は、キャリヤー液の流
路上に設けられた光学窓44を有する複数のフローセル
室401,402と、各フローセル室401,402に
所定の波長の光を照射して光学的性質により所定の成分
の検出を行う光学系5とを備える。光源51からの光
は、分光器52により分光された後、ビームスプリッタ
57で分割され、フローセル室401,402を透過し
た後、検出器54で検出される。第一のフローセル室4
01の手前の流路上には第一の反応部31が設けられ、
第二のフローセル室402との間の流路上には第二の反
応部が設けられている。これらの反応部31,32で所
定の反応を生じさせることで、第一第二のフローセル室
401,402で異なる成分の検出が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願の発明は、各種の無機物
や有機物の同時定量分析に使用されるフローインジェク
ション分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】送液管内にキャリヤー液を流しながら、
そのキャリヤー液中に注入された試料の成分を分析する
フローインジェクション分析装置は、各種の無機物や有
機物の定量分析に多く使用されている。図6は、フロー
インジェクション分析装置の最もシンプルな構成を示す
概略図である。フローインジェクション分析装置は、キ
ャリヤー液を送出して流すポンプ1と、流されるキャリ
ヤー液に試料を注入する試料注入部2と、注入された試
料に所定の反応を生じさせる反応部3と、反応生成物を
検出する検出部4とから主に構成されている。
【0003】キャリヤー液は、試料を検出部4まで運ぶ
役目が主であるが、多くの場合、反応部2で試料に反応
する反応試薬の導入の役目も兼ねている。試料注入部2
には、ロータリーバルブが多く使用される。通常はキャ
リヤー液はバイパス路を流れて反応部3や検出部4に送
られている。ロータリーバルブが回転すると、試料の流
路とキャリヤー液の流路とが重なり、キャリヤー液中に
試料が注入される。反応部3は、送液管をコイル状に形
成した構成のものが多く使用される。反応部3における
送液管の長さは、キャリヤー液中の反応試薬と試料とが
適切に混合・反応するのに要する滞留時間により決定さ
れる。
【0004】検出部4は、吸光度等の光学的性質によっ
て試料中の成分の定量を行うよう構成されている。図7
を使用して吸光度により検出を行う場合の構成について
説明する。図7は、図6に示すフローインジェクション
分析装置の検出部の構成を示す概略図である。この図7
に示すフローセル室は、Z形と呼ばれるものである。具
体的には、セル室形成具41には、図7に示すような
「Z」字状の貫通路が形成され、この貫通路がフローセ
ル室40を形成している。そして、「Z字」の真ん中の
直線上の部分の流路を挟むようにして一対の光学窓42
が設けられている。光学窓42は、固定具43によって
セル室形成具41に固定されている。
【0005】図7に示すように、一対の光学窓42で挟
まれた流路に沿って光学系5の光軸50が設定されてい
る。光学系5は、光源51からの光を分光する分光器5
2と、光源51からの光を分光器52に入射させる反射
ミラー53等から構成されている。光源51からの光は
分光器52により分光され、フローセル室40に設定さ
れた光軸50に沿って進んで一方の光学窓42を通過し
てフローセル室40内に入射するようになっている。そ
して、入射した光は、フローセル室40内を通過して他
方の光学窓42から出射する。出射側の光軸50上に
は、検出器54が設けられている。検出器54は、フロ
ーセル室40を透過した光を受光して電気信号に変換す
る。この電気信号は、増幅器55で増幅されて記録計5
6で記録されるようになっている。
【0006】分析の一例として、塩化物イオンの定量を
行う場合について説明する。キャリヤー液としては、発
色試薬であるHg(SCN)2-Fe3+の溶液が使用さ
れ、ポンプ1によって一定の流量で送液管に流される。
塩化物イオンを含む試料が試料注入部2でキャリヤー液
に注入され、反応部3に送られると、以下の式のような
反応が生ずる。
【数1】 検出部4では、分光器52により波長480nmの光が
選択されてフローセル室40に入射している。反応部3
での反応による生成物Fe(SCN)2 +がフローセル室
40に到達すると、この生成物は480nmの光を吸収
するため、フローセル室40から出射する480nmの
光が一時的に弱くなる。検出器54は、この一時的な光
強度の低下をオペアンプ等で検出信号に変換し、記録計
56に記録させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したフローインジ
ェクション分析装置は、高速液体クロマトグラフィ(H
PLC)やイオンクロマトグラフィ(IC)に比べて、
多数のサンプルを短時間に分析できることから、サンプ
ル数の多い環境試料や生体試料等の分析に威力を発揮し
ている。また、分析精度や再現性の点でもかなり優れて
おり、試薬消費量や廃液量が低減されることから、実用
的に高い評価を得ている。
【0008】しかしながら、従来のフローインジェクシ
ョン分析装置では、HPLCやIC等のように多成分の
同時分析ができない。即ち、従来の装置では、セル室は
一つであり、このフローセル室に検出用の光を入出射さ
せる光学系の光軸も一つである。フローセル室中に検出
可能な複数の試料成分が流れていたとしても、検出器に
生ずる光強度の変化は各々の試料成分による変化の総量
なので、検出器の検出信号からは二つの試料成分の定量
を行うことはできない。
【0009】このため、フローインジェクション分析装
置は、上記のようなメリットがあるものの、複雑な分析
を行うのにはあまり適さないという課題があった。本願
の発明は、かかる課題を解決するためになされたもので
あり、多成分の同時分析が可能なフローインジェクショ
ン分析装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願の請求項1記載の発明は、送液管内にキャリヤ
−液を流しながら、そのキャリヤー液中に注入された試
料の成分を分析するフローインジェクション分析装置で
あって、流されるキャリヤー液に試料を注入する試料注
入部と、注入された試料の成分を検出する検出部とが設
けられており、検出部は、キャリヤー液の流路上に設け
られた光学窓を有する複数のフローセル室と、各フロー
セル室に所定の波長の光を照射して光学的性質により所
定の成分の検出を行う光学系とを備えており、少なくと
も二つのフローセル室で異なる成分の検出が可能なもの
であるという構成を有する。また、上記課題を解決する
ため、請求項2記載の発明は、上記請求項1の構成にお
いて、前記複数のフローセル室は、パラレルに配置され
ており、前記光学系は、光源からの光を分割して各フロ
ーセル室に光を入射させるものであるという構成を有す
る。また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発
明は、上記請求項2の構成において、前記パラレルに配
置された一つのフローセル室に入射する光は、参照光と
して利用されているという構成を有する。また、上記課
題を解決するため、請求項4記載の発明は、上記請求項
1の構成において、前記複数のフローセル室は、シリア
ルに配置されており、前記光学系は、これらフローセル
室を通して共通の光軸を設定するものであるという構成
を有する。 また、上記課題を解決するため、請求項5
記載の発明は、上記請求項4の構成において、前記光学
系は、光源からの光を分割して別々の光軸に沿って光を
進ませるようにするものであり、一方の光軸は前記シリ
アルに配置された複数のフローセル室に共通に設定され
たものであり、他方の光軸は、空気中を光が通過して参
照光として利用されるように設定されたものであるとい
う構成を有する。また、上記課題を解決するため、請求
項6記載の発明は、上記請求項1の構成において、前記
複数のフローセル室は、フローセル室が2つ以上シリア
ルに配置された組がパラレルに複数配置されたものであ
り、シリアルに配置された各フローセル室には前記光学
系によって共通の光軸が設定されているという構成を有
する。また、上記課題を解決するため、請求項7記載の
発明は、上記請求項6の構成において、前記光学系は、
光源からの光を分割して複数の光軸に沿って進ませるよ
うにするものであり、これら複数の光軸は、シリアルに
配置された複数のフローセル室の各々の組に共通に設定
された光軸になっているという構成を有する。また、上
記課題を解決するため、請求項8記載の発明は、上記請
求項3,4,5,6又は7の構成において、前記複数の
フローセル室は、一つの流路上にシリアルに配置されて
おり、流路の後のフローセル室で検出可能な成分に選択
的に反応させる反応部が間に設けられているという構成
を有する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態につ
いて説明する。図1は、本願発明の実施形態に係るフロ
ーインジェクション分析装置の概略構成を示す図であ
る。また、図2は図1に示すフローインジェクション分
析装置の検出部の構成を示す概略図である。図1に示す
フローインジェクション分析装置は、概略的には、キャ
リヤー液を送液する第一のポンプ11と、流されるキャ
リヤー液に試料を注入する試料注入部2と、注入された
試料に所定の反応を生じさせる反応部31,32と、注
入された試料の成分を検出する検出部4とから主に構成
されている。
【0012】本実施形態の装置では、キャリヤー液に第
一第二の二つの反応試薬溶液を混合するよう構成されて
いる。具体的には、第一の反応試薬溶液は、キャリヤー
液とともに第一のポンプ11によって送液され、第一の
混合器61で混合されるようになっている。尚、試料注
入部2は、第一の混合器61の手前の流路上に設けられ
ている。従って、第一の反応試薬溶液が混合される段階
では、試料は既にキャリヤー液に注入されている。ま
た、第二の反応試薬溶液は、第二のポンプ12によって
送液され、第二の混合器62によってキャリヤー液に混
合されるようになっている。尚、第二の混合器62は、
第一の混合器61よりも下流側の流路上に設けられてい
る。
【0013】本実施形態の装置の大きな特徴点は、試料
の成分を検出する検出部4が二つのフローセル室40
1,402を備え、それぞれのフローセル室401,4
02に流れる試料の成分を検出できるようになっている
点である。この点を図2を使用して詳しく説明する。
【0014】フローセル室401,402は、セル形成
具43によって形成されている。セル室形成具43に
は、図2に示すような二つのほぼ「π」字状の貫通路が
向かい合わせて形成され、この貫通路がフローセル室4
01,402になっている。尚、セル形成具の材質はダ
イフロンである。そして、二つのフローセル室401,
402の向かい合った横に長い部分の流路を挟むように
して一対の光学窓44が設けられている。光学窓44
は、不図示の固定具によってセル室形成具43に固定さ
れている。つまり、二つのフローセル室401,402
がパラレルに配置されている。尚、セル室形成具43の
材質としては、前述したダイフロンの他、テフロン等の
フッ素樹脂やポリエーテルケトン(PEEK)等の合成
樹脂又はステンレス等の金属が使用されることがある。
【0015】この二つのフローセル室401,402に
所定の波長の光を照射して光学的性質により所定の成分
の検出を行う光学系5は、光源51からの光を分光する
分光器52と、分光器52からの光を二つに分けるビー
ムスプリッタ57と、ビームスプリッタ57からの光を
各フローセル室401,402に導く反射ミラー53等
から構成されている。そして、各フローセル室401,
402から出射した光を受光して吸光度などの光学的性
質を検出する検出器54と、検出器54の検出結果に従
って分析結果を記録する記録計56とが設けられてい
る。
【0016】また、図1に示す通り、第一のフローセル
室401と第二のフローセル室402とは送液管によっ
て繋がっており、第一のフローセル室401を流れたキ
ャリヤー液が第二のフローセル室402に流れるように
なっている。そして、第一のフローセル室401と第二
のフローセル室402との間に、上述した第二の混合器
62が設けられている。
【0017】さらに、本実施形態の装置では、第一,第
二の二つの反応部31,32が設けられている。第一の
反応部31は、第一の混合器61と第一のフローセル室
401との間の流路上にあり、第二の反応部32は、第
二の混合器62と第二のフローセル室402との間の流
路上にある。従って、まず、第一の混合器61によって
第一の反応試薬溶液が混合されたキャリヤー液が第一の
反応部31に達して試料中に所定の反応が生じ、その
後、この試料の成分が第一のフローセル室401で検出
される。そして次に、第二の混合器62によって第二の
反応試薬溶液が混合されたキャリヤー液が第二の反応部
32に達して試料中に所定の反応が生じ、その後、この
試料の成分が第二のフローセル室402で検出されるよ
うになっている。
【0018】尚、各反応部31,32の構成は、従来と
同様であり、送液管をコイル状に形成したものが使用さ
れている。また、第二のフローセル室402の下流側に
は、背圧用コイル33が設けられている。背圧用コイル
33は、ポンプ1による送液圧力に対して適当な背圧を
加え、反応によって生ずる可能性のある気泡の発生を抑
えるものである。
【0019】次に、火力発電所のボイラー給水中の鉄及
び銅の同時定量を行う場合を例に採り、上記構成に係る
本実施形態のフローインジェクション分析装置の動作を
説明する。火力発電所のボイラー給水中の鉄や銅は、ボ
イラーチューブやタービンに析出し発電の支障となる。
このため、ボイラー給水中の鉄や銅の量は厳しい管理基
準で管理されており、この鉄や銅の定量はボイラー水質
管理上極めて重要である。
【0020】上記構成に係るフローインジェクション分
析装置を使用してボイラー給水中の鉄及び銅の定量を行
う場合、より具体的には、二価の鉄イオンと二価の銅イ
オンの定量を行う場合には、以下のような条件とする。
まず、キャリヤー液としては純水を使用する。第一の反
応試薬溶液としては、2−(5−ブロモ−2−ピリジー
ルアゾ)−5−(N−プロピル−N−3−スルホプロピ
ルアミノ)アニリンナトリウム塩(以下、5−Br−P
SAA)の溶液(pH値4.5)を用いる。また、第二
の反応試薬溶液としては、L−アスコルビン酸の溶液を
用いる。第一のポンプ11の流量は0.9ml/分、第
二のポンプ12の流量は0.4ml/分程度である。ま
た、検出部4の二つのフローセル室401,402に入
射する光の波長は585nmに設定されている。さら
に、第一の反応部31の送液管の長さは20cm、第二
の反応部32の送液管の長さは9mである。
【0021】キャリヤー液及び第一の反応試薬溶液が第
一のポンプ11によって送出され、第一の混合器61で
混合される。そして、このキャリヤー液は、第一のフロ
ーセル室401を通って第二の混合器62に達し、第二
の反応試薬溶液が混合される。さらに、この際、鉄及び
銅を含むボイラー給水が試料として試料注入部2から所
定のタイミングで注入される。そしてこのキャリヤー液
が第一の反応部31に達すると、試料中の二価の銅イオ
ンが5−Br−PSAAと反応して発色する。発色した
キャリヤー液が第一のフローセル室401に達すると、
吸光度が変化し、この変化が検出器54で検出される。
尚、試料中の三価の鉄イオンは5−Br−PSAAとは
反応しない。
【0022】発色したキャリヤー液には、第一のフロー
セル室401の下流側に設けられた第二の混合器62に
おいて第二の反応試薬溶液が混合される。そして、この
キャリヤー液が第二の反応部32に達すると、以下のよ
うな反応が生ずる。即ち、L−アスコルビン酸との反応
によって銅イオンは二価から一価に変わり、二価の銅イ
オンとの反応による5−Br−PSAAの発色は消え
る。その一方で、L−アスコルビン酸により三価の鉄イ
オンを二価に還元すると、5−Br−PSAA−Fe
(Feは二価)錯体となってと発色する。このため、こ
のキャリヤー液が第二のフローセル室402に達する
と、5−Br−PSAA−Fe錯体の光吸収が生じ、こ
の変化が検出器54で検出される。尚、第二のフローセ
ル室402を通過したキャリヤー液は、廃液となる。
【0023】図3は、上述した鉄イオンと銅イオンの同
時定量を行った実験の結果を示す図である。図3中の縦
軸は吸光度の大きさを示し、横軸は時間である。この実
験では、1回の注入で3〜10ppbの二価の鉄イオン
と二価の銅イオンとを5分毎に検出することができた。
尚、この実験では、二価の銅イオンの出力が+側に、二
価の鉄イオンの出力が−側に記録される。この図3に示
すように、銅イオン及び鉄イオンとも再現性のよい分析
結果が得られており、本実施形態の装置によれば、異な
る試料成分が精度よく分析が行えることが分かる。
【0024】上記説明から分かるように、本実施形態の
フローインジェクション分析装置では、第一,第二の二
つのフローセル室401,402を有している。このた
め、この二つのフローセル室401,402の前後で適
当な反応試薬溶液を混合することで、二価の銅イオンと
二価の鉄イオンの二つの試料成分の同時定量が可能にな
っている。このため、二つの試料成分を別々に定量する
場合に比べ、測定が短時間に済む。このようなことか
ら、本実施形態のフローインジェクション分析装置は、
多数のサンプルを精度良く、分析できる実用的なメリッ
トに加え、異種成分の同時分析という複雑な分析も容易
に可能になるというメリットを有している。
【0025】次に、本願発明の他の実施形態について説
明する。図4は、本願発明の第二の実施形態の要部を説
明する図であり、第二の実施形態のフローインジェクシ
ョン分析装置における検出部の構成を示す概略図であ
る。第二の実施形態における検出部4は、同様にダイフ
ロンで形成されたセル室形成具43を横に並べて縦設し
ている。各々のセル室形成具43には、片側に前述の同
様のほぼ「π」字状の貫通路が形成されており、この貫
通路がセル室401,402になっている。つまり、二
つのフローセル室401,402がシリアルに配置され
ている。
【0026】各々のフローセル室401,402の横に
長い部分の流路を挟むようにして、一対の光学窓44が
設けられている。光学窓44は、不図示の固定具によっ
てセル室形成具43に固定されている。また、各々のフ
ローセル室401,402を貫通するようにして光学系
5の光軸50が共通して設定されている。尚、二つのセ
ル室形成具43は、スペーサ45を介在させて光軸50
が共通するように互いに固定されている。このような構
成の検出部4によっても、前記と同様に鉄イオンと銅イ
オンのような二つの試料成分の同時定量が可能である。
この場合いずれのシグナルも図3に示す+側に記録され
る。
【0027】また、本実施形態においても、光源51か
らの光はビームスプリッタ57に分割され、別々の光軸
50に沿って進むようになっている。そして、各々のセ
ル室形成具43の他の片側にはフローセル室401,4
02は形成されていない。従って、ビームスプリッタ5
7で分割されたもう一方の光は、フローセル室401,
402とは反対側の空気中を通過するようになってい
る。そして、この空気中を通過した光も、検出器542
によって受光され、その強度が検出されるようになって
いる。
【0028】この空気中を通過する光は、参照光として
利用される。即ち、フローセル室401,402中を通
過する光(以下、測定光)を受光する検出器(以下、第
一検出器)541の出力と、空気中を通過する光を受光
した検出器(以下、第二検出器)542の出力とが、差
動増幅器58に入力される。差動増幅器58は、第一検
出器541と第二検出器542との差に応じた出力信号
を発生させ、この信号が処理されて記録計56に記録さ
れる。このような検出系によると、参照光に対する測定
光の相対的な強度変化に従ってフローセル室401,4
02中の液体の光学的性質の変化が検出されるので、よ
り精度の高い分析が行える。尚、一つの光源51からの
光を分割する構成は、二つの光源を用いる場合に比べ、
光源の出力変動の影響を受けない長所がある。
【0029】また、図5は、本願発明の第三の実施形態
の要部を説明する図であり、第三の実施形態のフローイ
ンジェクション分析装置における検出部の構成を示す概
略図である。第三の実施形態における検出部4は、図2
に示すものと同様の構成のセル室形成具43及び光学窓
44の組を横に並べて縦設している。つまり、本実施形
態では、四つのセル室401,402がパラレル及びシ
リアルに配置されている。尚、二つのセル室形成具43
は、スペーサ45を介在させて光軸50が共通するよう
に互いに固定されている。
【0030】また、本実施形態においても、図4に示す
のと同様に、光源51からの光はビームスプリッタ57
に分割され、別々の光軸50に沿って進むようになって
いる。各々の光軸50に沿って進む光は、両側のフロー
セル室401,402中をそれぞれ通ってそれぞれの検
出器541,542で受光されるようになっている。
【0031】このような四つのフローセル室40を備え
た検出部4は、色々な使い方ができる。例えば、適当な
反応試薬を選択して選択的に反応を生じさせることで四
つのフローセル室40の各々で異なる試料成分の光学的
性質が検出されるようにすれば、四つの試料成分の同時
分析が可能である。また、四つのフローセル室40のう
ち、例えば上側の二つのフローセル室40には、流路を
バイパスして未反応のキャリヤー液のみを流すようにし
ておき、このフローセル室40を通過する光を参照光と
して利用することもできる。
【0032】
【発明の効果】以上説明した通り、本願発明のフローイ
ンジェクション分析装置によれば、複数のフローセル室
を有しているので1回の試料注入で、異なる試料成分の
同時分析が可能になる。このため、多数のサンプルを精
度良く、分析できる実用的なメリットに加え、異種成分
の同時分析という複雑な分析も容易であるという新たな
メリットを備えたフローインジェクション分析装置が提
供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施形態に係るフローインジェクシ
ョン分析装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1に示すフローインジェクション分析装置の
検出部の構成を示す概略図である。
【図3】鉄イオンと銅イオンの同時定量を行った実験の
結果を示す図である。
【図4】本願発明の第二の実施形態の要部を説明する図
であり、第二の実施形態のフローインジェクション分析
装置における検出部の構成を示す概略図である。
【図5】本願発明の第三の実施形態の要部を説明する図
であり、第三の実施形態のフローインジェクション分析
装置における検出部の構成を示す概略図である。
【図6】フローインジェクション分析装置の主な構成を
示す概略図である。
【図7】図6に示すフローインジェクション分析装置の
検出部の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
11 第一のポンプ 12 第二のポンプ 2 試料注入部 31 第一の反応部 32 第二の反応部 4 検出部 40 フローセル室 401 第一のフローセル室 402 第二のフローセル室 43 セル室形成具 44 光学窓 5 光学系 51 光源 52 分光器 54 検出器 541 第一の検出器 542 第二の検出器 56 記録計 61 第一の混合部 62 第二の混合部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送液管内にキャリヤー液を流しながら、
    そのキャリヤー液中に注入された試料の成分を分析する
    フローインジェクション分析装置であって、 流されるキャリヤー液に試料を注入する試料注入部と、
    注入された試料の成分を検出する検出部とが設けられて
    おり、 検出部は、キャリヤー液の流路上に設けられた光学窓を
    有する複数のフローセル室と、各フローセル室に所定の
    波長の光を照射して光学的性質により所定の成分の検出
    を行う光学系とを備えており、少なくとも二つのフロー
    セル室で異なる成分の検出が可能なものであることを特
    徴とするフローインジェクション分析装置。
  2. 【請求項2】 前記複数のフローセル室は、パラレルに
    配置されており、前記光学系は、光源からの光を分割し
    て各フローセル室に光を入射させるものであることを特
    徴とする請求項1記載のフローインジェクション分析装
    置。
  3. 【請求項3】 前記パラレルに配置された一つのフロー
    セル室に入射する光は、参照光として利用されているこ
    とを特徴とする請求項2記載のフローインジェクション
    分析装置。
  4. 【請求項4】 前記複数のフローセル室は、シリアルに
    配置されており、前記光学系は、これらフローセル室を
    通して共通の光軸を設定するものであることを特徴とす
    る請求項1記載のフローインジェクション分析装置。
  5. 【請求項5】 前記光学系は、光源からの光を分割して
    別々の光軸に沿って光を進ませるようにするものであ
    り、一方の光軸は前記シリアルに配置された複数のフロ
    ーセル室に共通に設定されたものであり、他方の光軸
    は、空気中を光が通過して参照光として利用されるよう
    に設定されたものであることを特徴とする請求項4記載
    のフローインジェクション分析装置。
  6. 【請求項6】 前記複数のフローセル室は、フローセル
    室が二以上シリアルに配置された組がパラレルに複数配
    置されたものであり、シリアルに配置された各フローセ
    ル室には前記光学系によって共通の光軸が設定されてい
    ることを特徴とする請求項1記載のフローインジェクシ
    ョン分析装置。
  7. 【請求項7】 前記光学系は、光源からの光を分割して
    複数の光軸に沿って進ませるようにするものであり、こ
    れら複数の光軸は、シリアルに配置された複数のフロー
    セル室の各々の組に共通に設定された光軸になっている
    ことを特徴とする請求項6記載のフローインジェクショ
    ン分析装置。
  8. 【請求項8】 前記複数のフローセル室は、一つの流路
    上にシリアルに配置されており、流路の後ろのフローセ
    ル室で検出可能な成分に選択的に反応させる反応部が流
    路の前のフローセル室と後ろのフローセル室との間に設
    けられていることを特徴とする請求項3,4,5,6又
    は7記載のフローインジェクション分析装置。
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