JPH11174041A - 発毛用薬物の探索方法 - Google Patents

発毛用薬物の探索方法

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JPH11174041A
JPH11174041A JP9362288A JP36228897A JPH11174041A JP H11174041 A JPH11174041 A JP H11174041A JP 9362288 A JP9362288 A JP 9362288A JP 36228897 A JP36228897 A JP 36228897A JP H11174041 A JPH11174041 A JP H11174041A
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JP
Japan
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complex
binding protein
hormone receptor
steroid hormone
immunosuppressant
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JP9362288A
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Norio Iwabuchi
徳郎 岩渕
Tsunao Magara
綱夫 真柄
Masahiro Tajima
正裕 田島
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Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 毛髪発毛促進作用を有する薬剤の探索方法の
提供。 【解決手段】 ステロイドホルモン受容体と複合体を形
成できる免疫抑制剤結合蛋白質に結合でき、ステロイド
ホルモン受容体と複合体を形成できない免疫抑制剤結合
蛋白質に結合できない物質の探索方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、毛髪発毛促進薬剤
を迅速かつ高精度に探索することのできる探索方法、な
らびにかくして探索される薬剤の頭部用組成物への使用
に関する。本発明によれば、医薬品、医薬部外品、化粧
品の分野において、頭部組成物、特に養毛料などに有効
に用いられる薬剤の探索、ならびに優れた毛髪発毛促進
効果を有する頭部用組成物の提供が可能になる。
【0002】
【従来の技術】育毛薬剤として、生薬抽出物、各種有機
化合物などの薬剤が、医薬品、医薬部外品などの分野で
利用されてきている。そして、かような薬剤を選抜する
方法としては、C3Hマウスを利用した発毛薬剤評価
法、5αレダクターゼ活性阻害を利用した脱毛防止薬剤
評価法、毛包器官培養を利用した育毛薬剤評価法、ボラ
ンティアによる実使用試験法などが知られている。
【0003】発毛薬剤の選抜において、たとえば、C3
Hマウスを利用する評価方法によれば、マウス等の動物
の体毛を除毛し、その部位に被検試料を一定量塗布し、
体毛の伸びを目視あるいは色差計により評価する必要が
あり、またボランティアによる試験法では、脱毛症や薄
毛症のヒトに被検試料を連続使用してもらい、アンケー
トや目視ないしは写真判定、及びその画像解析により評
価する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】発毛薬剤の評価法につ
いては、効果を客観的かつ精度良く迅速に評価できるこ
とが重要である。しかし、上記の方法では、動物を用い
た場合には通常1か月以上、ヒトを用いた方法では通常
半年以上かかる上、評価基準が一部主観的なこともあり
効果の判定精度が必ずしも充分とは言えない。
【0005】本発明は、かかる実情に鑑みてなされたも
のであって、育毛成分の効果を迅速かつ客観的に評価
し、ひいては有効薬剤を迅速に探索できる方法ととも
に、有効かつ副作用の少ない頭部用組成物を提供するこ
とを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討を重ねた結果、ステロイドホル
モン受容体と複合体を形成できる免疫抑制剤結合蛋白質
が発毛作用に重要な役割を演じており、このものと結合
できる薬剤が発毛促進物質となり、かような薬剤のう
ち、さらにステロイドホルモン受容体と複合体を形成で
きない免疫抑制剤結合蛋白質に結合できない性質をも併
せもつものは、免疫抑制性を持たないことを見い出し
た。したがって、本発明によれば、毛髪発毛促進薬剤の
探索方法であって、ステロイドホルモン受容体と複合体
を形成できる免疫抑制剤結合蛋白質に結合でき、ステロ
イドホルモン受容体と複合体を形成できない免疫抑制剤
結合蛋白質に結合できない薬剤の探索方法が提供され
る。
【0007】本発明に従うより具体的な探索方法は、
(A) ステロイドホルモン受容体と複合体を形成でき
る免疫抑制剤結合蛋白質およびステロイドホルモン受容
体と複合体を形成できない免疫抑制剤結合蛋白質を用意
する工程、(B) 前記両蛋白質と被検試料を個別に接
触させる工程、(C) 前記蛋白質と被検試料の結合性
を評価する工程、ならびに(D) 前記複合体を形成で
きる免疫抑制剤結合蛋白質の少なくとも1種と結合でき
るが、前記複合体を形成できない免疫抑制剤結合蛋白質
の少なくとも1種と結合できない被検試料を選抜する工
程、を含んでなる。
【0008】かような探索方法で選抜されうる薬剤は、
優れた毛髪発毛促進作用を有する上に、副作用、たとえ
ば免疫抑制作用をもたないかもしくは該作用が極めて弱
いことに特徴がある。
【0009】したがって、本発明によれば、前記探索方
法で選抜されうる薬剤を有効成分として含有する頭部用
組成物も提供される。
【0010】
【発明の具体的な記述】本明細書において、「毛髪発毛
促進」また単に「発毛」とは、毛の発生促進、毛周期に
おける休止期から成長期への移行の促進および毛成長期
間延長作用を包含する概念で使用している。したがっ
て、「毛髪発毛促進」または「発毛」の語は、いわゆる
育毛、養毛の語と互換可能な概念である。本発明の頭部
用組成物は、少なくともかかる作用を有し、そして頭部
への適用を主たる目的とする組成物である。
【0011】ステロイドホルモン受容体と複合体を形成
できる免疫抑制剤結合蛋白質は、本発明の目的に沿う限
り前記蛋白質に概念上包含されるいかなるものであって
もよいが、具体的には、ステロイドステロイドホルモン
受容体に直接もしくは該受容体の構造の維持と機能の発
現を補助するある種の蛋白質(例、HSP90)を介し
て複合体を形成でき、かつ免疫抑制剤と結合することの
できる蛋白質である。限定されるものでないが、このよ
うな蛋白質の具体例としては、シクロスポリンの結合蛋
白質であるシクロフィリン40や、FK506の結合蛋
白質であるFKBP59、FKBP52、FKBP51
などが挙げられる。これらのうち、好適に使用できるも
のは、シクロフィリン(CyP)40およびFKBP5
2である。
【0012】一方、ステロイドホルモン受容体と複合体
を形成できない免疫抑制剤結合蛋白質は、上記のような
受容体と直接もしくは間接的にも複合体を形成しない
が、免疫抑制剤とは結合することのできる蛋白質であ
る。限定されるものでないが、このような蛋白質の具体
例としては、シクロスポリンの結合蛋白質であるシクロ
フィリンA、シクロフィリンBや、FK506の結合蛋
白質であるFKBP12、FKBP13などが挙げられ
る。これらのうち、好適に使用できるものは、シクロフ
ィリンAおよびFKBP12である。
【0013】上記の2つに分類される前記免疫抑制剤結
合蛋白質を使用する際の好適な組み合わせの例は、シク
ロフィリン40とシクロフィリンA、FKBP52とF
KBP12である。
【0014】以上で言及した免疫抑制剤結合蛋白質(イ
ムノフィリン)は、単離された蛋白質分子に限定される
ものでなく、それらが本発明の目的に沿って使用できる
状態にあるもの、たとえば細胞調製物または組織調製物
中に存在する状態のものも包含する。このような蛋白質
は、常法により、ウシ、ネズミ、ヒトなどの動物組織な
どから抽出、精製して得ることができ、また、これら遺
伝子(cDNA)を用いて常法により発現プラスミドを
作製し、大腸菌、酵母、培養動物細胞、培養昆虫細胞な
どの宿主に組み込み、これらの細胞で発現させた後、精
製、単離することにより入手できる。なお、たとえばイ
ムノフィリンの共通アミノ酸配列は、J.E. Kay, Bioche
m J., 314(1996)、361−385に記載され
ているので、それらの情報が前記発現プラスミドを作製
する際に参照できるであろう。本発明による毛髪発毛促
進薬剤の探索方法では、まず最初に上記のような2つに
分類される免疫抑制剤結合蛋白質(イムノフィリン)の
それぞれ少なくとも1種を独立して用意する。こうして
用意された蛋白質を、それらの蛋白質が変性しない条件
下で被検試料と接触させる。より具体的には、この接触
は、適当な緩衝剤(例、35mMのHEPES)を用い
て、pH7.8に調節した緩衝液中に各蛋白質と被検試
料を添加し、4〜30℃、好ましくは4〜15℃にて、
撹拌もしくは撹拌することなく、一定期間インキュベー
トすることにより行う。なお、被検試料は、単一の化合
物であっても、数種の化合物の混合物であってもよい。
後者には、天然物(例、植物、微生物、動物、土壌な
ど)からの抽出物もしくは分離物が包含される。また、
本発明にいう、薬剤にも、上記被検試料と同様の形態に
ある各物質が包含される。
【0015】上記接触による2つに分類される各免疫抑
制剤結合蛋白質と被検試料との結合性の評価は、シクロ
フィリンに対してはシクロスポリン、FK506の結合
蛋白質であるFKBPなどについては、FK506、ア
スコマイシン、ラパマイシンなどの本来のリガンドの結
合試験を用いて評価してもよいし、これら蛋白質が本質
的に持つペプチジルプロリルイソメラーゼ(PPIas
e)活性を指標にしてもよい。また、NMR、円偏向二
色性、微量熱量計などを用いて蛋白質構造の変化を見て
もよい。いずれにしても、本来のリガンドの結合を競合
阻害することや、蛋白質の結合によりPPIase活性
の上昇を検出することで評価することができる。
【0016】こうして評価した結果、ステロイドホルモ
ン受容体と複合体を形成できる免疫抑制剤結合蛋白質の
少なくとも1種と結合できるが、ステロイドホルモン受
容体と複合体を形成できない免疫抑制剤結合蛋白質の少
なくとも1種と結合できない被検試料を選択すれば、発
毛効果を持つが免疫抑制作用を持たない物質を効率よく
探索できる。
【0017】こうして、本発明によれば、上記のような
探索方法によって選抜された被検試料が育毛、養毛薬剤
の有効成分として活用でき、養毛料、育毛料、毛生え薬
として医薬品、医薬部外品などに有効な薬剤として配合
できる。
【0018】したがって、本発明によれば、ステロイド
ホルモン受容体と複合体を形成できる免疫抑制剤結合蛋
白質に結合でき、ステロイドホルモン受容体と複合体を
形成できない免疫抑制剤結合蛋白質に結合できない薬剤
を有効成分として含有する頭部用組成物も提供される。
限定されるものでないが、このような薬剤の例としては
スフェノメリスチャイネンシス(Sphenomeris chinensi
s)からのメタノール抽出物またはアニソメレスインデ
ィカ(Anisomeles indica)からのメタノール抽出物が
挙げられる。
【0019】上記有効成分は、それらの発毛作用に悪影
響を及ぼさない限り、特に頭部へ適用される医薬品、医
薬部外品および化粧品に常用されている各種添加剤、希
釈剤などと、また場合によって他の発毛活性物質と組み
合わせて使用することができる。
【0020】
【実施例】以下に、具体例を挙げて本発明をさらに具体
的に説明する。
【0021】例1:イムノフィリンの調製 (発現プラスミドの構築)ヒトシクロフィリンA(Ge
nbank:HSCYCR)、ヒトシクロフィリン40
(Genbank:HUMCYC40A)、ヒトFKB
P12(Genbank:HSFKBPA)、ヒトFK
BP52(Genbank:HUMIMMPHLN)遺
伝子は、すでに報告されているDNA塩基配列[たとえ
ば、J. E.Kay, Biochem J. 314(1996):36
1−385参照]をもとに各プライマーを作成し、これ
らを用いヒト脳またはヒト胎盤由来cDNAを鋳型とし
てPCRを行ない調製した。PCRに用いた各プライマ
ーは各遺伝子の5′−端にBamHIサイトと、3′−
端にXhoIサイトまたはSalIサイトができるよう
タグを付けて設計した下記の組み合わせを使用した。
【0022】 ヒトシクロフィリンAについて: 5′-GTGTACTATTAGCCGGATCCAACCCCACCGTGTTCTTCGACATTG-3′(配列番号:1) 5′-GGAATGATCTGGTGCTCGAGATAAAACACAAGTC-3′(配列番号:2) ヒトシクロフィリン40について: 5′-CGTTTGTAAGTCGGATCCTCGCACCCGTCCCCCCAAGCCAAG-3′(配列番号:3) 5′-GCCTCGCTACGGTCAGTCGACAATAAGCAAAACTGAATCC-3′(配列番号:4) ヒトFKBP12について: 5′-AACTCCGCCATAGCAGCCGCCGGATCCGGAGTGCAGGTGGAGACCATC-3′(配列番号:5) 5′-CCACGGGCGGAGCTAAGGCTCGAGGCCACTTCTGTCATTCCA-3′(配列番号:6) ヒトFKBP52について: 5′-TAGGATCCACAGCCGAGGAGATGAAGGCGACC-3′(配列番号:7) 5′-TAACAGGCTCGAGTGGGGAGACTG-3′(配列番号:8) これらのPCRは、常法に従ってVent DNAポリ
メラーゼを用いて行った。
【0023】増幅されたDNA断片をBamHIとXh
oIで消化後、発現ベクターpGEX4T−1(ファル
マシア:Genbank:XXU13853)のBam
HI/XhoIサイトに挿入しグルタチオンS−トラン
スフェラーゼとの融合タンパクとして発現する発現プラ
スミドを構築した(方法については、文献:D. B. Smit
h and K. S. Johnson(1988)Gene 67:31−4
0を参照)。
【0024】(発現プラスミドの発現およびシクロフィ
リン、FKBPの精製)上記 D.B.Smith らに記載の
方法に従い酵素の発現および精製を行った。各発現プラ
スミドを含む大腸菌BL21(DE3)を37℃にて L
-broth で培養しOD=0.6まで培養し、その後終濃度
が0.1mMになるようイソプロピル−1−チオ−β−
D−ガラクシド(IPTG)を添加し、さらに3時間培
養した。培養後集菌し35mM HEPES−NaOH
緩衝液(pH7.5)に分散後、超音波処理で菌体を破
砕した。菌破砕液は遠心を行い粗抽出液とした。粗抽出
液をセファロース4Bに(ファルマシア)よるアフィニ
ティ−クロマトグラフィーを用いて精製し、各イムノフ
ィリン蛋白質調製物を得た。
【0025】例2:前記蛋白質調製物に対するリガンド
の結合性 (リガンド結合によるPPIase活性の測定)シクロ
フィリンのPPIase活性の測定は本間・高橋著「新
生化学実験講座タンパク質VI」(東京化学同人刊)p.
331−341に記載の方法に従い、一方FKBPのP
PIase活性の測定は R. K. Harrison, R. L Stein
(1990)Biochemistry 29:3813ー3816
の方法に従った。
【0026】シクロフィリンのPPIase活性は、3
5mM HEPES−NaOH緩衝液(pH7.8)に終
濃度が25μMのN−スクシニル−アラニン−アラニン
−プロニン−フェニルアラニン−4−ニトロアニリド
(シグマ)および適当量の上記の蛋白質調製物を添加撹
拌後、終濃度が0.76mMになるようキモトリプシン
を添加し、400nmの吸光度の変化を測定した。FK
BPのPPIase活性の場合は基質としてN−スクシ
ニル−アラニン−ロイシン−プロリン−フェニルアラニ
ン−4−ニトロアニリド(ペプチド研究所)を用いた他
はシクロフィリンのPPIase活性測定法と同様に行
った。なお、測定は15℃で行った。
【0027】(生薬エキスとPPIase活性の変化)
スフェノメリスチャイネンシス(Sphenomeris chinensi
s)のメタノール抽出乾燥残分0.5%(w/v)の75
%(v/v)エタノール溶液(終濃度1×10-6%)と
アニソメレスインディカ[ブソロイバナ(Anisomeles i
ndica)]のメタノール抽出乾燥残分0.5%(w/v)
の75%(v/v)エタノール溶液)終濃度1×10-6
%)のシクロフィリンA、シクロフィリン40、FKB
P12、FKBP52へのPIase阻害活性を測定し
た。シクロフィリンAおよびシクロフィリン40の阻害
剤としてシクロスポリンA(終濃度1×10-7M)、F
KBP12およびFKBP52の阻害剤としてFK50
6(終濃度1×10-7M)を比較として用いた。PPI
ase活性は被検試料を添加しない場合のシクロフィリ
ンA、シクロフィリン40、FKBP12、FKBP5
2それぞれのPPIase活性を100とした比活性で
表した。結果を表Iに示す。
【0028】 表 I PPIase 被検試料 PPIase 比活性 シクロフィリン A なし 100 (複合体を形成しない)* シクロスポリン A <1 Sphenomeris chinensis 抽出物 94 Anisomeles indica 抽出物 98 シクロフィリン 40 なし 100 (複合体を形成する)* シクロスポリン A <1 Sphenomeris chinensis 抽出物 8 Anisomeles indica 抽出物 94 FKBP 12 なし 100 (複合体を形成しない)* FK 506 <1 Sphenomeris chinensis 抽出物 99 Anisomeles indica 抽出物 95 FKBP 52 なし 100 (複合体を形成する)* FK 506 <1 Sphenomeris chinensis 抽出物 99 Anisomeles indica 抽出物 5 *:ステロイドホルモン受容体に対する作用 なお、測定法におけるキモトリプシン添加の影響を確認
するために、以下の試験を行った。この試験は、キモト
リプシンが、その基質であるSuc−Ala−Ala−
Pro−Phe−pNA(式中、Sucはスクシニル基
を表し、pNAはパラ−ニトロアニリンを表す)におけ
るトランス体のPro−Phe結合を切断する際に、上
記生薬抽出物が影響を及ぼすか否かを調べるものであ
る。
【0029】キモトリプシン活性の測定は、上記PPI
ase活性の測定にキモトリプシン濃度、被検試料濃
度、基質濃度などを調整し、切断されるpNA量を40
0nmにおける吸光度を経時的に測定することにより行
った。結果を表IIに示す。なお、被検試料の無添加を対
照とし、75%エタノール水溶液を比較のために用い
た。
【0030】 表 II 添加剤 キモトリプシン比活性(%) Sphenomeris chinensis 抽出物 97 Anisomeles indica 抽出物 101 75%エタノール(比較) 98対照 100 以上の表IIから、両生薬抽出物はキモトリプシン活性を
阻害しないことから、表Iの結果は、両生薬はそれぞれ
ステロイドホルモン受容体と複合体を形成できるイムノ
フィリンと結合するが、ステロイドホルモン受容体と複
合体を形成できないイムノフィリンとは結合しないこと
がわかる。
【0031】例3:発毛作用 「生薬抽出物の調製方法」採取した Sphenomeris chnen
sis または Anisomeles indica(各々幹、枝、根、葉の
混合物)の天日乾燥試料約200gに99.9%メタノ
ール2000mlを入れ密栓硝子瓶に入れ、室温にて1
4日間放置した。その後不溶分を濾過分離し、メタノー
ルをエバポレーターにて除去した乾燥残分を75%エタ
ノールに1%(w/v)になるよう溶解し、生薬抽出物
とした。
【0032】「発毛作用」8週令オスC3Hマウスの背
毛をバリカンで刈り、その部分に下記各試料各0.1m
lを30日間連日塗布し、バリカンで刈った部分(試料
塗布部分)に対する30日後の発毛面積の割合を測定し
た。
【0033】 塗布試料 発毛面積比 Sphenomeris chnensis 抽出物[1%(w/v)] 80% Anisomeles indica 抽出物[1%(w/v)] 83% 75%エタノール 0% 無塗布 0%
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、発毛作用を有する薬剤
のなかから、免疫抑制作用をもたない薬剤の探索が可能
になる。
【0035】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:45 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列の特徴 特徴を表す記号:ヒトシクロフィリンAの5′側 prime
r 存在位置:1−45 配列 GTGTACTATT AGCCGGATCC AACCCCACCG TGTTCTTCGA CATTG 45 配列番号:2 配列の長さ:34 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列の特徴 特徴を表す記号:ヒトシクロフィリンAの3′側 prime
r 存在位置:1−34 配列 GGAATGATCT GGTGCTCGAG ATAAAACACA AGTC 34 配列番号:3 配列の長さ:42 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列の特徴 特徴を表す記号:ヒトシクロフィリン40の5′側 pri
mer 存在位置:1−42 配列 CGTTTGTAAG TCGGATCCTC GCACCCGTCC CCCCAAGCCA AG 42 配列番号:4 配列の長さ:40 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列の特徴 特徴を表す記号:ヒトシクロフィリン40の3′側 pri
mer 存在位置:1−40 配列 GCCTCGCTAC GGTCAGTCGA CAATAAGCAA AACTGAATCC 40 配列番号:5 配列の長さ:48 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列の特徴 特徴を表す記号:ヒトFKBP12の5′側 primer 存在位置:1−48 配列 AACTCCGCCA TAGCAGCCGC CGGATCCGGA GTGCAGGTGG AGACCATC 48 配列番号:6 配列の長さ:42 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列の特徴 特徴を表す記号:ヒトFABP12の3′側 primer 存在位置:1−42 配列 CCACGGGCGG AGCTAAGGCT CGAGGCCACT TCTGTCATTC CA 42 配列番号:7 配列の長さ:32 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列の特徴 特徴を表す記号:ヒトFKBP52の5′側 primer 存在位置:1−32 配列 TAGGATCCAC AGCCGAGGAG ATGAAGGCGA CC 32 配列番号:8 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列の特徴 特徴を表す記号:ヒトFKBP52の3′側 primer 存在位置:1−24 配列 TAACAGGCTC GAGTGGGGAG ACTG 24

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステロイドホルモン受容体と複合体を形
    成できる免疫抑制剤結合蛋白質およびステロイドホルモ
    ン受容体と複合体を形成できない免疫抑制剤結合蛋白質
    を用意し、 前記両蛋白質と被検試料を個別に接触させ、 前記蛋白質と被検試料の結合性を評価し、そして前記複
    合体を形成できる免疫抑制剤結合蛋白質の少なくとも1
    種と結合できるが、前記複合体を形成できない免疫抑制
    剤結合蛋白質の少なくとも1種と結合できない被検試料
    を選抜する、ことを特徴とする毛髪発毛促進薬剤の探索
    方法。
  2. 【請求項2】 ステロイドホルモン受容体と複合体を形
    成できる免疫抑制剤複合蛋白質がシクロフィリン40ま
    たはFKBP52である請求項1記載の探索方法。
  3. 【請求項3】 ステロイドホルモン受容体と複合体を形
    成できる免疫抑制剤結合蛋白質がシクロフィリン40で
    あり、ステロイドホルモン受容体と複合体を形成できな
    い免疫抑制剤結合蛋白質がシクロフィリンAである請求
    項1記載の探索方法。
  4. 【請求項4】 ステロイドホルモン受容体と複合体を形
    成できる免疫抑制剤結合蛋白質がFKBP52であり、
    ステロイドホルモン受容体と複合体を形成できない免疫
    抑制剤結合蛋白質がFKBP12である請求項1記載の
    探索方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかの探索方法によ
    って選抜される薬剤を有効成分として含有する頭部用組
    成物。
  6. 【請求項6】 ステロイドホルモン受容体と複合体を形
    成できる免疫抑制剤結合蛋白質の少なくとも1種に結合
    でき、ステロイドホルモン受容体と複合体を形成できな
    い免疫抑制剤結合蛋白質の少なくとも1種に結合できな
    い薬剤を有効成分として含有する頭部用組成物。
  7. 【請求項7】 薬剤がスフェノメリスチャイネンシス
    Sphenomeris chinensis)由来の抽出物またはアニソ
    メレスインデイカ(Anisomeles indica)由来の抽出物
    である請求項6記載の頭部用組成物。
JP9362288A 1997-12-12 1997-12-12 発毛用薬物の探索方法 Withdrawn JPH11174041A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1399579A4 (en) * 2001-06-26 2006-04-19 Anaderm Res Corp MAMMALIAN HAIR GROWTH INDUCED BY FKBP51 / 52 AND CYP40
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WO2014042401A1 (ko) * 2012-09-12 2014-03-20 경희대학교 산학협력단 사이클로필린 a를 포함하는 탈모 방지 및 발모 개선을 위한 조성물

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