JPH11174016A - 局部腐食特性の保証が可能なAl−Mg 系アルミニウム合金およびAl−Mg 系アルミニウム合金の局部腐食特性評価方法 - Google Patents

局部腐食特性の保証が可能なAl−Mg 系アルミニウム合金およびAl−Mg 系アルミニウム合金の局部腐食特性評価方法

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JPH11174016A
JPH11174016A JP9338724A JP33872497A JPH11174016A JP H11174016 A JPH11174016 A JP H11174016A JP 9338724 A JP9338724 A JP 9338724A JP 33872497 A JP33872497 A JP 33872497A JP H11174016 A JPH11174016 A JP H11174016A
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Fumihiro Sato
文博 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 局部腐食特性の保証が可能で、しかも局部腐
食特性に優れたAl-Mg 系Al合金およびAl-Mg 系Al合金の
局部腐食特性評価が簡便でかつ定量的に行える局部腐食
特性評価方法を提供する。 【解決手段】 当該Al-Mg 系Al合金を試料電極とした3
電極方式のポテンシオスタットを用いた電気化学的測定
セル内で、特定濃度の電解溶液中で、一定電流を試料電
極に加えた場合に、初期の一定電位の保持時間が25分以
上であるか、または、前記初期一定電位と終値電位との
差が40mV以下であるAl-Mg 系Al合金とすることである。
また、当該Al-Mg 系Al合金を試料電極とした3 電極方式
のポテンシオスタットを用いた電気化学的測定セル内
で、特定濃度の中性、弱アルカリ性、弱酸性から選択さ
れる電解溶液中で、一定電流を試料電極に加えた場合の
前記電位の変化によって、局部腐食特性を判別するAl-M
g 系Al合金の局部腐食特性評価方法とすることである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、局部腐食特性の保証が
可能で、かつ局部腐食特性などに優れたAl-Mg 系アルミ
ニウム合金およびAl-Mg 系アルミニウム合金の局部腐食
特性評価方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高力アルミニウム合金 (以下、単にAl合
金と言う) 、例えば、JIS 5000系で規格化されているAl
-Mg 系などのAl合金は、Al合金の中でも軽量で高強度を
有し、溶接性にも優れることから、高力Al合金として、
鉄道車両や船舶或いは航空機等の輸送機、ボイラーやタ
ンクあるいは高圧容器、建築および土木構造物、などの
構造材、特に溶接構造材として汎用されている。そし
て、Al合金は、これらの用途に対し、熱間および冷間圧
延による圧延板材、あるいは押出加工による型材、棒材
などの押出材として、成形加工して用いられる。
【0003】ところで、前記構造材、特に溶接構造材と
して、Al-Mg 系Al合金に求められる要求特性は、強度や
耐力などの機械的性質や加工性などの他に、耐食性を有
することが基本特性として求められる。そして構造材用
途では、この耐食性の中でも、一般的な耐均一腐食性の
他に、局部腐食特性が重要な特性となる。この局部腐食
は、孔食によるものが代表的で、当初はAl合金表面に発
生する数十μm 程度のミクロ的な腐食であるにも拘ら
ず、局部腐食の成長速度が異常に大きい時には、孔食内
で粒界腐食などの特定相の選択溶解が生じる。この局部
腐食型の粒界腐食は、腐食量の割に浸食深さが著しく大
きくなる点で、構造用材にとって、最も危険な腐食形態
の一つである。特に、Al合金構造用材の使用環境下で
は、前記粒界腐食を起点に、粒界腐食割れや応力腐食割
れを生じる可能性があり、著しい場合には、Al合金構造
用材自体の破壊乃至破断につながる。したがって、この
ような構造用材では、素材Al-Mg 系Al合金だけではな
く、特に、Al-Mg 系Al合金が溶接された溶接部、より具
体的には溶着金属と母材との境界部などが、局部腐食ひ
いては粒界腐食割れや応力腐食割れの最も注意すべき部
分となる。
【0004】また、本発明Al合金が対象とする、鉄道車
両や船舶或いは航空機等の輸送機、ボイラーやタンクあ
るいは高圧容器、建築および土木構造物、などの構造材
用途では、耐食性確保のための塗装や使用中の再塗装が
必要な鋼材に比較して、塗装が不要で、構造材としての
使用中の塗装や塗料の劣化や剥離に伴う再塗装などのメ
ンテナンスが不要 (メンテナンスフリー) であること
が、Al合金を用いる大きな利点である。したがって、こ
のような無塗装の構造材においては、塗装されて用いら
れるAl合金よりも、一層厳しい局部腐食特性が要求され
る。
【0005】このため、特にAl-Mg 系Al合金の局部腐食
特性を改善するために、従来からAl合金の成分組成や製
造条件の側を改善する技術が、例えば、Aluminium 、Vo
l48(1972) 、P175などで種々提案されている。より具体
的には、Al-Mg 系Al合金成分であるMg、Siなどを特定の
成分範囲に調整するととともに、Al-Mg 系金属間化合物
のサイズの微細化や微細分散により、局部腐食特性を改
善する技術が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Al-Mg
系Al合金の局部腐食特性を改善するこれら従来技術にお
いても、試験的や試作的に、Al-Mg 系Al合金の局部腐食
特性が改善されたとしても、実際に、多量にかつ継続的
にAl-Mg 系Al合金を製造するとともに、対象とする構造
材用途に、多量にかつ継続的に適用するためには、実際
問題として、工業的に製造されるAl合金製品が、全て局
部腐食を生じないことを、顧客などに継続的に保証して
いく必要がある。この製品保証の点は、特に安全性やメ
ンテナンスフリーの長期使用が前提である構造材の用途
では特に厳しくなっている。また、製造工程や条件が必
ずしも毎回全く同じとはならないAl-Mg 系Al合金の生産
ラインにおいて、あるいは、試作段階で局部腐食特性に
優れたAl-Mg 系Al合金を実際の製造ラインにのせて製造
する際において、再現性乃至効率良く、局部腐食特性に
優れたAl-Mg 系Al合金を生産し続けるためには、製造さ
れるAl合金製品の局部腐食特性の正確でかつ定量的な評
価結果をフィードバックし、製造されるAl合金製品の局
部腐食特性を常に保証することが、工業的な品質管理上
重要となる。この点はコストダウンやAl合金の特性改善
などの目的で、大幅に製造工程や条件を変える乃至製造
ラインを新増設する場合でも同様である。したがって、
本発明において課題とする局部腐食特性を保証するとい
うことは、単にAl合金の局部腐食特性がデータ的に優れ
ているということだけではなく、前記品質管理や工程管
理を含んだ上での、工業的により厳密な意味を持ってい
る。
【0007】ここにおいて、周知の通り、Al-Mg 系Al合
金に求められる前記基本的な要求特性である、強度や耐
力などの機械的性質や加工性、あるいは均一耐食性を有
するなどの、基本特性の評価、試験技術は既に古くから
確立されている。しかし、本発明の課題に係わる、Al合
金製品の局部腐食特性の評価技術については、前記工業
的な品質管理や工程管理のために確立した技術は未だ存
在しない。このため、前記した実際の工業的なAl合金製
品や製品製造の際の局部腐食特性を保証するには、この
評価技術の確立が、前提として必要となる。
【0008】この点、Al合金の局部腐食特性の評価技術
としては、従来から、軽金属 (1981、Vol31 、No.3、
157 〜163 頁) に記載された「アルミニウム合金の粒界
腐食感受性の電気化学的推定法」や、軽金属 (1984、
Vol34 、No.6、351 〜360 頁) に記載された「塩化物溶
液中でのアノード溶解によるアルミニウム合金の粒界腐
食感受性の評価」などが提案されている。
【0009】これら従来の評価方法は、いずれも、Al合
金の局部腐食の感受性を、塩化物溶液中でのアノード溶
解による電気化学的方法から評価しようと試みている。
即ち、アノード溶解により電気化学的方法にて作成した
(腐食させた)Al 合金の溶解面の組織観察結果と、局部
腐食環境を模擬した溶液にて強制的に腐食させたAl-Mg
系などのAl合金の腐食部の組織観察結果とが良く対応す
るかどうかを調査している。
【0010】より具体的には、前記の技術では、絶縁
塗料を被覆した試料をアノードとして、1N濃度で40℃の
AlCl3 水溶液 (pH2.5)で、100 μA/cm2 で20時間、或い
は1mA/cm2 で1 時間一定電流を試料電極に加えた場合の
電気科学的な分極測定とアノード溶出試験を行い、これ
により得られたAl合金の溶解面の観察結果と、1ppmのCu
イオンを添加した40℃の水道水に30日間浸漬する腐食促
進試験によるAl合金の腐食部の組織観察結果とを対応さ
せている。また、前記の技術では、同じく絶縁塗料を
被覆した試料ををアノードとして、0.1 モル(M) 濃度の
NaCl水溶液(pH6.2) 、0.1 モル(M) 濃度のNaClと0.05モ
ル(M) 濃度のNa2SO4水溶液(pH6.1) 、1/3 モル(M) 濃度
AlCl3 水溶液 (pH2.8)を各々電解液として用い、40℃の
電解液で10-1〜103 μA/cm2 の定電流法により、長時間
一定電流を試料電極に加えた場合の分極測定とアノード
溶出試験を行い、これにより得られたAl合金の溶解面の
観察結果と、1ppmのCuイオンを添加した40℃の水道水に
30日間浸漬する腐食促進試験によるAl合金の腐食部の組
織観察結果とを対応させている。
【0011】また、前記の技術では、中性のNaCl水溶
液、NaClとNa2SO4水溶液によるアノード溶解では数μA/
cm2 以上、酸性のAlCl3 水溶液によるアノード溶解では
数百μA/cm2 以上の電流で孔食が発生、成長することを
知見している。しかし、電流が数μA/cm2 と低い場合に
は、腐食部の組織観察に必要な溶解量を得るためには長
時間を要するので、実際の評価のためには、中性溶液中
では102 μA/cm2 乃至1mA/cm2 の高定電流で20時間、酸
性溶液中でも1mA/cm2 の高定電流でで1 時間の定電流法
により溶解を行うことが好ましいとしている。そして、
この点は、前記の技術でも同様である。
【0012】その上で、これらの従来技術では、Al
-Mg 系などのAl合金の粒界腐食が、粒界に析出したβ相
(Al-Mg 系金属間化合物) の優先溶解によって生じるこ
と、および酸性のAlCl3 水溶液による102 μA/cm2 乃至
1mA/cm2 のアノード溶解および中性のNaClとNa2SO4水溶
液による100 〜500 μA/cm2 ×20時間程度のアノード溶
解で、アノード溶解後の組織観察結果が、局部腐食環境
を模擬した溶液にて強制的に腐食させたAl-Mg 系などの
Al合金の腐食部の組織観察と良く一致していることを明
らかにしている。
【0013】したがって、Al合金のアノード溶解による
電気化学的評価方法であるこれら従来技術に共通してい
るのは、アノード溶解により電気化学的方法にて作成し
たAl合金の溶解面を光学顕微鏡なり、走査型電子顕微鏡
(SEM) により組織観察して、Al合金の溶解面の粒界の浸
食状況や粒界におけるβ相の存在状況から、試験Al合金
の局部腐食の感受性を評価しようと試みている点であ
る。
【0014】これら従来技術による評価方法では、確か
に、Al合金の溶解面の粒界の浸食状況や粒界におけるβ
相の存在状況について、基準となる局部腐食の感受性の
低いAl合金の溶解面に対し、同一か極端に差異の認めら
れるAl合金、或いは極端に局部腐食の感受性の高いAl合
金の溶解面に対し、同一か極端に差異の認められるAl合
金の局部腐食の感受性は評価できる。しかし、これら従
来技術による評価方法の大きな欠点は、前記極端なケー
スを除き、通常の、前記差異が極端には認められない多
くの場合の、Al合金の局部腐食の感受性を評価しにくい
点である。本発明者らの知見によれば、実際の工業的に
製造されるAl合金製品の場合、局部腐食の原因となる、
Al合金マトリックス中のβ相の分散状況や、粒界におけ
るβ相の存在状況に、光学顕微鏡による観察の上では、
それほどの極端な差異がなくとも、局部腐食特性に大き
な差異が生じる場合が往々にしてある。
【0015】しかも、これら従来技術による評価方法で
は、実際の評価・判定が人間の観察に委ねられるため、
評価・判定に個人差乃至誤差が生じやすい。この結果、
客観的な評価・判定とすることが難しく、評価・判定を
より客観的乃至正確にするための、試験数や観察数ある
いは観察要員の増加を伴い、このための多大な時間や経
費を必要とする。また、局部腐食組織とAl合金材料組織
との相関関係を判別する上で、前記ミクロ組織観察にお
いては、微妙な腐食の差異を定量的に見いだすことは不
可能であり、その出てくる評価の結論も、必然的に定量
的乃至断定的ではなく、局部腐食を起こしやすいか否か
という可能性に過ぎないものとなる。
【0016】したがって、これら従来技術による評価方
法は、学術的な研究には有効であるものの、実際にAl合
金製品を製造している工業ラインにおいて、製造したAl
合金製品の局部腐食特性を逐次評価し、製造条件にフィ
ードバックしたり、製造したAl合金製品全ての局部腐食
特性を顧客に保証していくためには、工業的に適した乃
至現実的な方法とは言えない。
【0017】本発明はこの様な事情に着目してなされた
ものであって、その目的は、局部腐食特性の保証が可能
で、しかも局部腐食特性に優れたAl-Mg 系Al合金および
Al-Mg 系Al合金の局部腐食特性評価が簡便でかつ定量的
に行える局部腐食特性評価方法を提供しようとするもの
である。
【0018】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の要旨は、Al-Mg 系金属間化合物をマトリッ
クス中に有するAl-Mg 系アルミニウム合金であって、当
該Al-Mg 系アルミニウム合金を試料電極 (アノード電
極) とし、更に対極および参照電極を備えた3 電極方式
のポテンシオスタットを用いた電気化学的測定セル内
で、0.5 モルの濃度の脱気されたNaCl電解溶液中で、4
μA/cm2 の一定電流を試料電極に加えた場合に、初期の
一定電位の保持時間が25分以上であるか、または、前記
初期一定電位から電位が降下して一定となった終値電位
と初期一定電位との差が40mV以下である電位の変化を有
することである。また、当該Al-Mg 系アルミニウム合金
を試料電極 (アノード電極) とし、更に対極および参照
電極を備えた3 電極方式のポテンシオスタットを用いた
電気化学的測定セル内で、中性、弱アルカリ性、弱酸性
から選択された電解溶液中で、1 〜10μA/cm2 から選択
された一定電流を試料電極に加えた場合の電位の変化の
評価方法をもって局部腐食特性が判別されたAl-Mg 系ア
ルミニウム合金とすることである。
【0019】また、Al-Mg 系Al合金の局部腐食特性評価
方法として、当該Al-Mg 系Al合金を試料電極 (アノード
電極) とし、更に対極および参照電極を備えた3 電極方
式のポテンシオスタットを用いた電気化学的測定セル内
で、中性、弱アルカリ性、弱酸性から選択された電解溶
液中で、1 〜10μA/cm2 から選択された一定電流を試料
電極に加えた場合の電位の変化によって、局部腐食特性
を判別することである。
【0020】このような本発明要旨とすることにより、
工業的に局部腐食特性の保証が可能で、しかも局部腐食
特性に優れたAl-Mg 系Al合金、およびAl-Mg 系Al合金の
局部腐食特性評価が簡便でかつ定量的に行える局部腐食
特性評価方法を提供することができる。
【0021】本発明者らは、Al-Mg 系Al合金の局部腐食
特性について、検討を重ねた結果、通常の腐食防食分野
で汎用されている、試料電極、対極および参照電極を備
えた3 電極方式のポテンシオスタットを用い、電解液中
において、微小定電流下での電位の変化を測定すること
により、Al-Mg 系Al合金の局部腐食特性評価が簡便でか
つ定量的に行えることを知見した。即ち、当該Al-Mg 系
Al合金を試料電極とし、更に対極および参照電極を備え
た3 電極方式のポテンシオスタットを用いた電気化学的
測定セル内で、1.0 モル(M) 以下の濃度のNaClなどの中
性または弱アルカリ性電解溶液中で、1 〜10μA/cm2
ら選択された微小定電流を試料電極に加えた場合の電位
の変化、即ち、初期の一定電位の保持時間、および前記
初期一定電位から電位が降下して一定となった終値電位
と初期一定電位との差異が、Al-Mg 系Al合金の局部腐食
特性と、深く相関していることを知見した。
【0022】なお、前記電気化学的測定による従来の局
部腐食特性評価技術でも、NaClなどの中性水溶液により
定電流を加えて、試料のアノード溶解を起こさせ、アノ
ード分極曲線を測定している。しかし、前記の従来
技術の電気化学的方法は、前記した通り、元々腐食部の
組織観察に必要な大きな溶解量を得るためのもので、組
織観察のために、中性溶液中では102 μA/cm2 乃至1mA/
cm2 の大電流で、酸性溶液中では1mA/cm2 の大電流で、
アノード溶解を行っている。因みに、Al-Mg 系のAl合金
を直接対象とする前記の技術でも、絶縁塗料を被覆し
た試料をアノードとしており、pH2.5 で酸性の1N濃度Al
Cl3 水溶液で、100 μA/cm2 の大電流で20時間、或いは
1mA/cm2 の大電流で1 時間一定電流を試料電極に加えて
いる。
【0023】したがって、前記の従来技術の電気化
学的方法は、まず、本発明における、前記微小定電流を
試料電極に加えた場合の電位の変化と、Al-Mg 系Al合金
の局部腐食特性との相関に深い関係があることについて
は、一切認識していない。また、本発明の前記初期の一
定電位の保持時間、および前記初期一定電位から電位が
降下して一定となった終値電位と初期一定電位との差異
が、Al-Mg 系Al合金の局部腐食特性と、深く相関してい
ることに関する知見が一切無い。そして、その測定方法
も、本発明の試料電極、対極および参照電極を備えた3
電極方式のポテンシオスタットを用いておらず、電気化
学的方法と条件が大きく異なっている。更に、前記
の従来技術では、いずれも絶縁塗料を被覆した試料をア
ノードとしており、このことは、これら従来技術が塗装
して用いられるAl合金を直接対象としており、塗装して
用いられるAl合金の局部腐食特性を問題としていること
が分かる。これに対し、本発明で対象とするAl-Mg 系の
Al合金は、塗装しても勿論良いが、前記した通り、無塗
装で (裸のAl合金で) 構造材用として用いられるものを
直接の対象としている。したがって、本発明では、塗装
無しの厳しい環境でも局部腐食特性が優れることを前提
にしており、文言上は、同じ局部腐食特性を問題にして
いながら、これら従来技術とは、その腐食環境や要求特
性の厳しさが全く異なる。
【0024】本発明の前記初期の一定電位の保持時間、
および前記初期一定電位から電位が降下して一定となっ
た終値電位と初期一定電位との差異は、前記従来技術で
も認識している、Al-Mg 系Al合金における粒界に析出し
たβ相などのAl-Mg 系金属間化合物の優先溶解と相関し
ている。この点を、本発明Al-Mg 系Al合金の局部腐食特
性評価方法との関係で、以下に説明する。
【0025】図1 は本発明の局部腐食特性評価方法に用
いる、試料電極、対極および参照電極を備えた3 電極方
式のポテンシオスタットを備えた電気化学的測定セルの
概略を示している。図1 において、1 は当該Al-Mg 系Al
合金の試料電極 (アノード電極) 、2 は対極、3 は参照
電極、4 は測定セル、5 は電解液、6 はポテンシオスタ
ット、7 はデータ記録用機器である。
【0026】この図1 のポテンシオスタットを用いた電
気化学的測定セルを用い、当該Al-Mg 系Al合金を試料電
極とし、測定セル4 内に、例えば、0.5 モル(M) の濃度
のNaClなどの中性電解溶液を満たすとともに、前記各電
極を浸漬し、試料電極をアノードとして、4 μA/cm2
微小定電流を試料電極に加える。そして、この場合の電
位の経時変化を測定すると、Al-Mg 系Al合金では、合金
の成分組成の違いによらず、図2 のような、共通する電
位変化X の一定のパターンが得られる。この図2 の電位
変化X のパターンは、立ち上がった初期の電位が一定に
保持され、その後電位が下がって終値の電位が一定に保
持されるものである。そこで、この初期一定電位の電位
をA 、初期の一定電位の保持時間をC 、この初期一定電
位から電位が降下して一定となった終値電位をB とする
と、前記初期の一定電位の保持時間C 、および前記初期
一定電位から電位が降下して一定となった終値電位と初
期一定電位との差異A −B が、Al-Mg 系Al合金の局部腐
食特性と深く相関している。
【0027】即ち、Al合金粒界に析出したβ相の優先溶
解が、Al-Mg 系Al合金の局部腐食特性と深く相関してお
り、このβ相の優先溶解が、前記初期の一定電位の保持
時間C 、および前記初期一定電位から電位が降下して一
定となった終値電位と初期一定電位との差異A −B と深
く相関している。NaClなどの中性、または弱アルカリ
性、弱酸性などの電解溶液中にAl-Mg 系Al合金が浸漬さ
れ、アノードとして、1〜10μA/cm2 から選択された微
小定電流を加えられると、当初はAl合金表面に、酸化
物、水酸化物等の安定な皮膜が形成され、この皮膜がAl
合金母材表面の腐食を防止して耐食性を維持する。この
ため、Al合金電極に加えられている初期電位は変化せず
に一定となり、初期一定電位A を一定時間C だけ保持す
る。したがって、この初期の一定電位の保持時間C は、
Al合金表面の前記皮膜がAl合金母材表面の腐食を防止し
て耐食性を維持するという意味で、不導態保持時間とも
言うことができる。ここにおいて、Al-Mg 系Al合金のマ
トリックス中に必然的に存在しているβ相と称せられる
Al-Mg 2 元系金属間化合物や、またAl合金の組成によっ
てはAl-Mg-Si系やAl-Zn-Mg系などのAl-Mg 系金属間化合
物などが、Al合金マトリックス中の粒界などに多く偏析
していると、前記皮膜の存在にも拘らず、これら粒界に
析出したβ相などの金属間化合物が、優先的に電解溶液
中に溶解する。このため、Al合金電極に加えられている
初期電位は下がり、前記金属間化合物の、電解溶液中へ
の溶解が停止した時点、即ち、電解溶液中の金属間化合
物の溶解量が一定量となった時点で、再びAl合金電極に
加えられている終値電位B が一定となる。
【0028】以上のAl-Mg 系Al合金の局部腐食機構と、
電位変化のパターンの関係から明らかな通り、Al合金マ
トリックス中の粒界などに偏析しているβ相などのAl-M
g 系金属間化合物の量が多ければ、優先的に金属間化合
物が電解溶液中に溶解するタイミングが早くなり、初期
一定電位から電位が降下する時期が速くなり、初期の一
定電位の保持時間 (不導態保持時間)Cが短くなる。ま
た、優先的に電解溶液中に溶解する金属間化合物の量も
多くなり、初期一定電位と終値電位との差異A −B が大
きくなる。一方、Al-Mg 系Al合金のマトリックス中に必
然的に存在しているβ相などのAl-Mg 系金属間化合物
が、Al合金マトリックス中の粒界などに多く偏析せず、
均一に微細分散している場合には、優先的に金属間化合
物が電解溶液中に溶解する量も少ないか、殆ど無く、前
記傾向とは逆に、初期の一定電位の保持時間C が長くな
るとともに、初期一定電位と終値電位との差異A −B が
小さくなる。したがって、このようにして、初期の一定
電位の保持時間C および/ または初期一定電位と終値電
位との差異A −B から、Al-Mg 系Al合金の局部腐食特性
が簡便にかつ正確に、そして定量的に評価できることに
なる。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明において、Al-Mg 系Al合金
の局部腐食特性の保証を可能とし、かつ局部腐食特性に
優れさせるためには、NaClなどの中性、または弱アルカ
リ性、弱酸性などの電解溶液中で、1 〜10μA/cm2 から
選択された一定電流を試料電極に加えた場合に、初期の
一定電位の保持時間 (不導態保持時間) が25分以上であ
るか、および/ または、前記初期一定電位と終値電位と
の差異が40mV以下であることが必要である。詳細には、
後述する実施例にて裏付けるが、前記特定の条件の電位
変化の測定方法において、初期の一定電位の保持時間が
25分未満であるか、および/ または、前記初期一定電位
から電位が降下して一定となった終値電位と初期一定電
位との差が40mVを越える場合には、Al合金マトリックス
中の粒界などに偏析しているβ相などのAl-Mg 系金属間
化合物の量が多いことを示している。そして、その結
果、無塗装で (裸のAl合金で) 構造材用として用いられ
た場合、局部腐食環境下では、優先的に金属間化合物が
Al合金マトリックスから局部腐食環境溶液中に溶解する
タイミングが早くなり、また、優先的に溶解する金属間
化合物の量も多くなり、局部腐食しやすくなり、局部腐
食特性が劣化する。
【0030】特に、粒界腐食を起点に、粒界腐食割れや
応力腐食割れを生じる可能性が大きい構造用材の場合、
より確実に局部腐食を防止して、Al合金構造用材や溶接
部の破壊乃至破断を防止するために、素材Al-Mg 系Al合
金だけではなく、特に、Al-Mg 系Al合金が溶接された溶
接部、より具体的には溶着金属と母材との境界部など
が、前記初期の一定電位の保持時間が25分以上で、かつ
前記終値電位と初期一定電位との差が40mV以下であるこ
とを満足することが好ましい。そして、更に、要求特性
が厳しい場合には、前記初期の一定電位の保持時間 (不
導態保持時間) が100 分以上であるか、および/ または
前記終値電位と初期一定電位との差が15mV以下であるこ
とが、より好ましい。
【0031】ここにおいて、前記電位の変化が再現性よ
く得られ、局部腐食特性のみとの正確な相関を得るため
には、前記3 電極方式のポテンシオスタットを用いた電
位変化の測定において、電解溶液の種類と濃度、印
加する一定電流値の選択が重要である。まず、電解溶液
の種類は、前記従来技術のようなAlCl3 水溶液などの強
酸性の電解液、あるいは強アルカリ性の電解液では、本
発明で意図する電位変化のパターンが得られず、局部腐
食特性を正確に評価できない。このため、中性若しくは
緩衝溶液を使用した弱酸性、弱アルカリ性の電解溶液
(PHが約6 〜10の電解溶液) が適用可能であるが、特
に、Cl- イオンを含有する電解質、例えばNaCl、 KClな
どを含有する電解溶液が好ましい。また、電解溶液の電
解質濃度は、1.0 モル(M) 以下の濃度とする。電解質濃
度が、1.0 モル(M) を越えると、やはり、本発明で意図
する電位変化のパターンが得られず、局部腐食特性を正
確に評価できない。また、電解溶液は、溶存するガスな
どの他の電解質の影響を排除するために、高純度N2ガス
若しくはArガス等の不活性ガスにより、最低30分以上脱
気することが好ましい。
【0032】更に試料電極に加える一定電流は、1 〜10
μA/cm2 の範囲から選択される微小な一定電流とする。
一定電流が1 μA/cm2 未満であれば、局部腐食乃至粒界
腐食が十分発達せず、初期の一定電位しか得られず、本
発明で意図する電位変化の明瞭なパターンが得られな
い。このため、初期の一定電位の保持時間乃至初期一定
電位と終値電位との差異が不明瞭となって、測定に長時
間を要するとともに、局部腐食特性を正確に評価できな
い。逆に、一定電流が10μA/cm2 を越えると、局部腐食
乃至粒界腐食以外のAl合金マトリックスの腐食が生じ
て、電位変化の明瞭なパターンは得られるものの、それ
が局部腐食によるものか、Al合金マトリックスの腐食に
よるものか判別できず、結果として、局部腐食特性を正
確に評価できない。
【0033】なお、図1 のポテンシオスタットを用いた
電気化学的測定セルにおいて、対極には、通常使用され
ているPt電極板、カーボン電極などの不溶性電極を使用
する。また、参照電極には、通常使用されているSCE(飽
和カロメル電極) 、Ag/AgCl、Hg/HgCl 等を接続して使
用する。このデータ記録用機器7 はX-t レコーダ乃至コ
ンピュータなど、電位の時間的変化が記録できる公知の
手段が適宜選択される。この通常使用される機器で簡便
に測定可能な点も、本発明の大きな利点である。
【0034】次に、本発明における適用対象Al-Mg 系Al
合金とは、Al合金のマトリックス中に必然的に、β相と
称せられるAl-Mg 2 元系金属間化合物や、Al-Mg-Si系や
Al-Zn-Mg系などのAl-Mg 系金属間化合物が存在する、JI
S 5000系、JIS 6000系、JIS7000系の成分規格のAl合金
が対象となる。しかし、このJIS 規格以外のAl合金で
も、マトリックス中にAl-Mg 系金属間化合物が存在し、
局部腐食特性が問題となる用途のAl合金は、全て本発明
の適用対象となる。
【0035】ただ、本発明のAl合金材は、構造材乃至溶
接構造材であるので、局部腐食特性の他に、基本要求特
性として、強度や耐力などの機械的性質や加工性、溶接
性を有していることが好ましい。特に、構造材乃至溶接
構造材の用途によっては、高い強度と耐力を確保する必
要がある。この点、これらのAl合金の中でも、構造材用
乃至溶接構造材用の、JIS 5052、5652、5154、5254、54
54、5083、5086、5456、JIS 6061、6N01、6063、6151、
JIS 7001、7N01、7003、7050、7072、7075等が好まし
い。特に、これらのAl合金は、例えば、車両や航空機な
どの輸送機の構造材用としては、通常の調質処理である
O材、溶体化処理材、H116材のいずれかの強度で260N/m
m2以上および耐力で130N/mm2以上を有している。また、
塑性加工性や成形加工性や溶接性も良く、無塗装で使用
された場合にも優れた耐均一腐食性を有しており、本発
明が目的とする構造材用として、局部腐食特性以外の基
本特性を満足している。
【0036】更に、本発明に係るAl合金材は、常法によ
り板乃至型材として製造される。即ち、成分規格範囲内
に溶解調整されたアルミ合金溶湯を、例えば、連続鋳造
圧延法、半連続鋳造法(DC鋳造法)等の通常の溶解鋳
造法を適宜選択して、鋳造する。次いで、このアルミ合
金鋳塊に均質化熱処理を施し、熱間圧延および荒焼鈍や
中間焼鈍を必要により加えた冷間圧延−調質処理により
板材製品とするか、または押出加工−調質処理により型
材製品とする。また、その他鍛造などの成形加工を行っ
て、製品形状としても良い。
【0037】なお、この際、本発明に係るAl合金材の局
部腐食特性を優れたものとするためには、Al-Mg 系Al合
金のマトリックス中に必然的に存在している前記β相な
どのAl-Mg 系金属間化合物が、Al合金マトリックス中の
粒界などに多く偏析せず、均一に微細分散しているよう
に製造することが勿論好ましい。このためには、前記従
来技術と同様あるいは公知の手法が用いられる。即ち、
Al合金の成分組成の点からは、Mg量を低減すること、あ
るいは、製造条件の点からは、熱処理後急冷しMgを固溶
させるか、または空冷乃至炉冷により、β相などのAl-M
g 系金属間化合物を分散した状態に析出させること等に
より、β相などのAl-Mg 系金属間化合物を粗大化や粒界
への偏析を防止して、均一に微細分散させることが好ま
しい。しかし、前記した本発明者らの知見の通り、実際
の工業的に製造されるAl合金製品の場合、局部腐食の原
因となる、Al合金マトリックス中のβ相の分散状況や、
粒界におけるβ相の存在状況に、それほどの極端な差異
がなくとも、局部腐食特性に大きな差異が生じる場合が
往々にしてある。また、Al-Mg 系Al合金のマトリックス
中のβ相などのAl-Mg 系金属間化合物が、Al合金マトリ
ックス中の粒界などに多く偏析せず、均一に微細分散し
ている場合でも、その原因は明確ではないが、Al合金の
他の組成条件や製造条件によって、局部腐食を生じる場
合もある。したがって、これら好ましい製造方法により
製造したとしても、本発明において課題とする局部腐食
特性を、最終的かつ確実に保証するためには、本発明で
規定する電位変化の条件を満足する乃至本発明における
局部腐食特性の判別方法により、腐食特性を評価するこ
とが必要である。
【0038】
【実施例1】次に、本発明の実施例を説明する。JIS 50
83、5456規格の組成のAl-Mg 系Al合金鋳塊をDC鋳造法
により溶製後、均質化熱処理を施し、均質化熱処理後に
熱間圧延および冷間圧延を行い、板厚3 mmのAl合金板材
を製造した。このAl合金板材を各々表1 に示すような、
溶体化処理(480℃×30分ソルトバスに浸漬後水冷) 、時
効硬化処理1(120 ℃×7 日間加熱後空冷) 、時効硬化処
理2(30% 冷間圧延して加工硬化させた後時効硬化処理
1)、O 材 (345 ℃× 2時間の焼きなまし) 、H32処理 (3
0% の冷間圧延して加工硬化処理) 、H116処理などの調
質を、適宜組み合わせて行い、Al-Mg 系金属間化合物の
マトリックス中での分散状況が異なるAl合金板材製品と
した。
【0039】そして、これら板材製品から幅10 mm 、長
さ50mmの試験片を採取し、これら試験片を試料電極とし
て、図1 のポテンシオスタットを用いた電気化学的測定
セルを用いて、電位変化のパターンを求め、初期の一定
電位の保持時間 (不導態保持時間)C (分) と初期一定電
位から電位が降下して一定となった終値電位と初期一定
電位との差A −B (mV)を求めた。測定条件は、0.5 モル
(M) の濃度で、N2ガスにより1 時間脱気したNaCl電解溶
液中で、4 μA/cm2 の一定電流を試料電極に加えた。電
位変化の測定時間は150 分とした。また、対極にはPt電
極板、参照電極にはSCE を用いた。因みに、一定電流が
1 μA/cm2 未満と10μA/cm2 を越えた場合とで、同様に
電位変化のパターンを求めたが、電位変化が得られない
か、電位変化のパターンは得られるものの、それが局部
腐食によるものか、Al合金マトリックスの腐食によるも
のか判別できず、結果として、電位変化により局部腐食
特性を正確に評価することができなかった。
【0040】一方、Al合金板材製品のAl-Mg 系金属間化
合物のマトリックス中での分散状況を知るため、Al-Mg
系金属間化合物の粒界析出状態を、50000 倍の透過型電
子顕微鏡(TEM) により観察し、Al合金マトリックスの組
織写真(1cmが1 ミクロンに該当)において画像解析を行い、
ベータ相のAl-Mg 系金属間化合物析出物がAl合金マトリ
ックスの粒界に全く観察されない場合には、無しと判定
するとともに、ベータ相のAl-Mg 系金属間化合物が粒界
に観察された場合には、粒界への集合度合いの程度によ
り、少し有り(無しとは言えないが極わずか存在するレ
ベル)、多少有り(少数の析出物が集合して存在するレ
ベル)、多い(多数の析出物が集合して存在するレベ
ル)と3 段階に分けて判別した。
【0041】更に、Al合金板材製品の特性として、局
部腐食特性、粒界腐食割れ性、強度(N/mm2) 、耐力
(N/mm2) を評価した。この結果も表1 に示す。なお、
局部腐食特性は、Al合金板材製品表面の微小な局部腐
食の存在を、Al合金板材製品表面の500 倍の光学顕微鏡
により観察し、20000 μm2(200×100 μm)視野の中で数
十μm 単位の微小な局部腐食が観察されないものを○、
数個〜十数個観察されたものを△、20個以上観察された
ものを×として評価した。
【0042】また、粒界腐食割れ性は、Al合金板材製
品をASTM G66-86 の規格の条件にて、NH4Cl 、NH4NO3
(NH4)2C4H2O 、H2O2などの混合溶液中で、温度65℃×24
時間、強制的に粒界腐食割れを促進した試験材の表面を
500 倍の光学顕微鏡により観察し、20000 μm2(200×10
0 μm)視野の中で、Al合金の深さ方向に長さ数十μm単
位の微小な粒界腐食割れが観察されないものを○、数個
〜十数個観察されたものを△、20個以上観察されたもの
を×として評価した。
【0043】表1 の結果から明らかな通り、発明例No.
1、2 、4 、5 、7 、8 は、初期の一定電位の保持時間C
25分以上であるか、および/ または、初期一定電位か
ら電位が降下して一定となった終値電位と初期一定電位
との差異A −B が40mV以下であり、実際に局部腐食特性
および粒界腐食割れ性に優れている。この中でも、発明
例No.1、7 、8 は、初期の一定電位の保持時間が100 分
以上で、かつ前記終値電位と初期一定電位との差が15mV
以下であるより好ましい範囲を満たしており、特に、実
際に局部腐食特性および粒界腐食割れ性が優れている。
【0044】これに対し、比較例No.3は、初期の一定電
位の保持時間C 19分で、初期一定電位から電位が降下し
て一定となった終値電位と初期一定電位との差異A −B
が92mVであり、本発明範囲から外れており、実際の局部
腐食特性および粒界腐食割れ性が著しく劣っている。し
たがって、これら表1 の結果から、本発明Al合金の要件
の局部腐食特性および粒界腐食割れ性に対する臨界的意
義が明らかになるとともに、初期の一定電位の保持時間
C 、および/ または、初期一定電位から電位が降下して
一定となった終値電位と初期一定電位との差異A −B
が、実際の局部腐食特性および粒界腐食割れ性と良く対
応しており、Al-Mg 系Al合金の局部腐食特性評価が簡便
でかつ定量的に行えるとともに、Al-Mg 系Al合金の局部
腐食特性の保証を行えることが裏付けられる。
【0045】更に、表1 の結果からは、β相などのAl-M
g 系金属間化合物が多少析出している発明例No.2、5
と、同じく多少析出している発明例No.4、8 などとの対
比から分かる通り、Al-Mg 系Al合金のマトリックス中の
β相などのAl-Mg 系金属間化合物の粒界などへの偏析乃
至分散析出状態が同じ場合でも、局部腐食特性に差が生
じており、前記した、Al合金の他の組成条件や製造条件
が同じ乃至金属間化合物の析出状態が同じでも、局部腐
食特性に差が生じることが裏付けられる。したがって、
前記従来のAl-Mg 系金属間化合物の析出状態のみから
は、特に析出状態が極端に違う場合を除いて同じような
場合 (析出物が少し乃至多少有りのように、最も多い中
間的な場合) には、Al合金製品の局部腐食特性を最終的
かつ確実に判断して保証することが難しく、また、従来
の組成や製造条件の改善によりAl-Mg系Al合金を製造し
たとしても、本発明において課題とする局部腐食特性
を、最終的かつ確実に保証するためには、本発明で規定
する電位変化の条件を満足する乃至本発明における局部
腐食特性の判別方法により、局部腐食特性を評価するこ
とが必要であることが裏付けられる。
【0046】
【表1】
【0047】
【実施例2】実施例1 と同じAl合金板材を、各々表2 に
示すような、溶体化処理(480℃×30分ソルトバスに浸漬
後水冷) 、時効硬化処理1(120 ℃×7 日間加熱後空冷)
、時効硬化処理2(30% 冷間圧延して加工硬化させた後
時効硬化処理1)、O 材 (345 ℃×2 時間の焼きなまし)
、H32 処理 (30% の冷間圧延して加工硬化処理) 、H11
6処理などの調質を行い、Al-Mg 系金属間化合物のマト
リックス中での分散状況が異なるAl合金板材製品とし
た。そして、これらのAl合金板材製品に開先を設けてテ
ィグ溶接を行い、溶接部を設けた。
【0048】そして、これらAl合金板材製品から幅 10m
m 、長さ 50 mmの試験片 (溶接部を中央に含む) を採取
し、これら試験片を実施例1 と同じ条件で、電位変化の
パターンを求め、初期の一定電位の保持時間C ( 分) と
初期一定電位から電位が降下して一定となった終値電位
と初期一定電位との差A −B (mV)を求めた。一方、Al合
金板材製品のAl-Mg 系金属間化合物の粒界析出状態を、
実施例1 と同じ条件および評価方法で行った。更に、Al
合金板材製品の特性として、局部腐食特性、強度(N/m
m2) 、耐力 (N/mm2) を実施例1 と同じ条件および評価
方法で評価した。これらの結果も表2 に示す。なお、前
記Al-Mg 系金属間化合物の析出状態は、表2 の発明例お
よび比較例No.9〜17では、溶接部の溶着金属と母材Al材
の境界部を3mm 幅で測定し、発明例および比較例No.18
〜22では、溶接部中心より15mm離れた位置を3mm 幅で測
定した。
【0049】また、表2 の発明例および比較例No.9〜17
では、前記Al合金板材製品の溶接部の応力腐食割れ特性
を評価した。更に、発明例および比較例No.18 〜22で
は、溶接部中心より15mm離れた位置を3mm 幅で、応力腐
食割れ特性および層状腐食特性を評価した。この内、応
力腐食割れ特性は、Al合金板材製品溶接部から半径14mm
のU 字形サンプルをU 字形の頂点に溶接部が位置するよ
うに切り出し、3.5%NaCl中で40mA/in2の電流密度で電解
し、強制的に応力腐食割れを促進したサンプル (溶接
部) について、割れが発生するまでの時間を測定して評
価した。即ち、割れが発生する (目視により割れが確認
される) までの時間が80分を越えるものを○、20〜80分
のものを△、20分未満のものを×として評価した。ま
た、層状腐食特性は、Al合金板材製品溶接部中心より15
mm離れた位置を、3mm 幅でU 字形サンプルに切り出し、
前記ASTM G66-86 規格の条件にて、強制的に層状腐食を
促進し、目視により層状腐食が観察されないものを○、
観察されたものを×として評価した。これらの結果も表
2 に示す。なお、応力腐食割れや層状腐食も、粒界腐食
の範疇に属するものであるが、溶接部に発生するものを
応力腐食割れ、溶接部近傍(溶接部より15mm離れた位置
で3mm 幅) に発生するものを層状腐食と言い、本発明で
は、その目的や用途からして、特に溶接構造材の特性を
正確に評価するため、詳細に試験しているものである。
【0050】表2 の結果から明らかな通り、発明例No.9
〜14、18〜20は、初期の一定電位の保持時間C 25分以上
であるか、および/ または、初期一定電位から電位が降
下して一定となった終値電位と初期一定電位との差異A
−B が40mV以下であり、実際に溶接部、または溶接部近
傍の、局部腐食特性、応力腐食特性 (割れ性) あるいは
層状腐食特性 (割れ性) に優れている。この中でも、発
明例No.10 、13、14、は、初期の一定電位の保持時間が
100 分以上で、かつ前記終値電位と初期一定電位との差
が25mV以下であるより好ましい範囲を満たしており、特
に局部腐食特性が優れるとともに、構造材としての溶接
部の、実際の応力腐食割れ性に優れている。
【0051】これに対し、比較例No.15/17、21、22は、
初期の一定電位の保持時間C 、初期一定電位から電位が
降下して一定となった終値電位と初期一定電位との差異
A −B が、本発明範囲から外れており、実際の局部腐食
特性とともに、構造材としての溶接部の、実際の、粒界
腐食割れ性、応力腐食割れ性、層状腐食特性が著しく劣
っている。
【0052】更に、表2 の結果からは、β相などのAl-M
g 系金属間化合物が析出していない発明例No.9の局部腐
食特性の結果や、多少析出している発明例No.10 と、同
じく多少析出している発明例No.11 、12などとの対比か
ら分かる通り、Al-Mg 系Al合金のマトリックス中のβ相
などのAl-Mg 系金属間化合物の粒界などへの偏析が無
い、あるいは偏析乃至分散析出状態が同じ場合でも、局
部腐食特性に差が生じており、前記した、Al合金の他の
組成条件や製造条件や金属間化合物の析出状態が局部腐
食特性に必ずしも対応乃至一致しないことが裏付けられ
る。また、Al合金や製造方法が全く同じ発明例No.20
と、比較例No.17 との対比から、組成条件や製造条件が
同じでも、析出物の状態に差が出ており、更に局部腐食
特性にも差が出ていることが分かる。したがって、実施
例1 の結果と同様に、前記従来のAl-Mg 系金属間化合物
の析出状態のみからや、組成乃至製造条件のみから、Al
合金製品の局部腐食特性を最終的かつ確実に判断して保
証することが難しいことが分かる。そして、本発明にお
いて課題とする局部腐食特性を、最終的かつ確実に保証
するためには、本発明で規定する電位変化の条件を満足
する乃至本発明における局部腐食特性の判別方法によ
り、局部腐食特性を評価することが必要であることが裏
付けられる。
【0053】
【表2】
【0054】以上の結果から明らかな通り、本発明Al合
金材は、Al合金材であっても、また溶接された構造材と
しても、工業的に製造されるAl-Mg 系Al合金の局部腐食
特性の保証を行えることが裏付けられる。更に、局部腐
食特性とともに、粒界腐食割れ性、応力腐食割れ性、層
状腐食特性に優れており、局部腐食特性だけではなく、
粒界腐食割れ性、応力腐食割れ性、層状腐食特性も保証
することが可能であり、鉄道車両や船舶或いは航空機等
の輸送機、ボイラーやタンクあるいは高圧容器、建築お
よび土木構造物などの構造材用途で、塗装が不要で、メ
ンテナンスフリーのAl合金用途に好適に用いることがで
きる。更に、本発明Al合金の局部腐食特性評価方法は、
工業的に製造されるAl-Mg 系Al合金製品が、局部腐食を
生じないことを保証するとともに、再現性乃至効率良
く、局部腐食特性に優れたAl-Mg 系Al合金を生産し続け
ることも保証できる。また、評価方法自体としても、簡
便で、再現性や精度良く、局部腐食特性を評価すること
が可能となる。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、局部腐食特性の保証が
可能で、しかも局部腐食特性に優れたAl-Mg 系Al合金お
よびAl-Mg 系Al合金の局部腐食特性評価が簡便でかつ正
確に、また定量的に行える局部腐食特性評価方法を提供
することができる。したがって、Al-Mg 系Al合金の用途
を拡げ、また、Al-Mg 系Al合金材の生産効率乃至生産性
を飛躍的に高めることができる点で、多大な工業的価値
を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の局部腐食特性評価方法に用いる、電気
化学的測定セルの概略を示す説明図である。
【図2】図1 の電気化学的な測定方法により得られた、
電位変化のパターン例を示す説明図である。
【符号の説明】
1:試料電極、 2: 対極、 3:参照電極、 4: 測定セ
ル、 5:電解液、6:ポテンシオスタット、 7: データ記
録用機器、X:電位変化、A:初期一定電位の電位、B:初期
一定電位から電位が降下して一定となった終値電位、C:
初期の一定電位の保持時間、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C22F 1/00 630 C22F 1/00 630A 630M 640 640A

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al-Mg 系金属間化合物をマトリックス中
    に有するAl-Mg 系アルミニウム合金であって、当該Al-M
    g 系アルミニウム合金をアノード電極とし、更に対極お
    よび参照電極を備えた3 電極方式のポテンシオスタット
    を用いた電気化学的測定セル内で、0.5 モルの濃度の脱
    気されたNaCl電解溶液中で、4 μA/cm 2 の一定電流を試
    料電極に加えた場合に、初期の一定電位の保持時間が25
    分以上であるか、または、前記初期一定電位から電位が
    降下して一定となった終値電位と初期一定電位との差が
    40mV以下である電位の変化を有することを特徴とする局
    部腐食特性の保証が可能なAl-Mg 系アルミニウム合金。
  2. 【請求項2】 Al-Mg 系金属間化合物をマトリックス中
    に有するAl-Mg 系アルミニウム合金であって、当該Al-M
    g 系アルミニウム合金をアノード電極とし、更に対極お
    よび参照電極を備えた3 電極方式のポテンシオスタット
    を用いた電気化学的測定セル内で、中性、弱アルカリ
    性、弱酸性から選択された電解溶液中で、1 〜10μA/cm
    2 から選択された一定電流を試料電極に加えた場合の電
    位の変化によって、局部腐食特性が判別されていること
    を特徴とする局部腐食特性の保証が可能なAl-Mg 系アル
    ミニウム合金。
  3. 【請求項3】 前記初期の一定電位の保持時間が25分以
    上で、かつ前記終値電位と初期一定電位との差が40mV以
    下である請求項1または2に記載の局部腐食特性の保証
    が可能なAl-Mg 系アルミニウム合金。
  4. 【請求項4】 前記初期の一定電位の保持時間が100 分
    以上である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の局部
    腐食特性の保証が可能なAl-Mg 系アルミニウム合金。
  5. 【請求項5】 前記終値電位と初期一定電位との差が15
    mV以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の局
    部腐食特性の保証が可能なAl-Mg 系アルミニウム合金。
  6. 【請求項6】 前記Al-Mg 系アルミニウム合金が、β相
    (Al-Mg 系金属間化合物) を有する請求項1乃至5のい
    ずれか1項に記載の局部腐食特性の保証が可能なAl-Mg
    系アルミニウム合金。
  7. 【請求項7】 前記Al-Mg 系アルミニウム合金が、JIS
    5000系またはJIS 6000系アルミニウム合金である請求項
    1乃至6のいずれか1項に記載の局部腐食特性の保証が
    可能なAl-Mg 系アルミニウム合金。
  8. 【請求項8】 前記Al-Mg 系アルミニウム合金が、O
    材、溶体化処理材、H116材のいずれかの強度で260N/mm2
    以上および耐力で130N/mm2以上を有する請求項1乃至7
    に記載の局部腐食特性の保証が可能なAl-Mg 系アルミニ
    ウム合金。
  9. 【請求項9】 前記Al-Mg 系アルミニウム合金が、構造
    材用である請求項1乃至8のいずれか1項に記載の局部
    腐食特性の保証が可能なAl-Mg 系アルミニウム合金。
  10. 【請求項10】 前記Al-Mg 系アルミニウム合金の構造
    材として溶接された溶接部が、前記初期の一定電位の保
    持時間が25分以上であるか、または、前記初期一定電位
    から電位が降下して一定となった終値電位と初期一定電
    位との差が40mV以下である請求項1乃至9のいずれか1
    項に記載の局部腐食特性の保証が可能なAl-Mg 系アルミ
    ニウム合金。
  11. 【請求項11】 Al-Mg 系アルミニウム合金をアノード
    電極とし、更に対極および参照電極を備えた3 電極方式
    のポテンシオスタットを用いた電気化学的測定セル内
    で、中性、弱アルカリ性、弱酸性から選択された電解溶
    液中で、1 〜10μA/cm2 から選択された一定電流を試料
    電極に加えた場合の電位の変化によって、当該Al-Mg 系
    アルミニウム合金の局部腐食特性を評価することを含
    み、初期の一定電位の保持時間、および/ または、前記
    初期一定電位から電位が降下して一定となった終値電位
    と初期一定電位との差で局部腐食特性を評価することを
    特徴とするAl-Mg 系アルミニウム合金の局部腐食特性評
    価方法。
  12. 【請求項12】 前記初期の一定電位の保持時間が25分
    以上であるか、および/ または、前記初期一定電位から
    電位が降下して一定となった終値電位と初期一定電位と
    の差が40mV以下の時に、局部腐食特性が良好とする請求
    項11に記載のAl-Mg 系アルミニウム合金の局部腐食特
    性評価方法。
  13. 【請求項13】 前記電解溶液が、Cl- イオンを電解質
    として含む請求項11または12に記載のAl-Mg 系アル
    ミニウム合金の局部腐食特性評価方法。
  14. 【請求項14】 前記電解溶液が、NaClを電解質として
    含む請求項13に記載のAl-Mg 系アルミニウム合金の局
    部腐食特性評価方法。
  15. 【請求項15】 前記電解溶液を脱気して用いる請求項
    11乃至14のいずれか1項に記載のAl-Mg 系アルミニ
    ウム合金の局部腐食特性評価方法。
  16. 【請求項16】 前記電解溶液の濃度が0.5 モル以下で
    ある請求項11乃至15のいずれか1項に記載のAl-Mg
    系アルミニウム合金の局部腐食特性評価方法。
  17. 【請求項17】 前記一定電流が4 μA/cm2 以下である
    請求項11乃至16のいずれか1項に記載のAl-Mg 系ア
    ルミニウム合金の局部腐食特性評価方法。
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