JPH11172497A - めっき水洗水からの金属回収方法 - Google Patents
めっき水洗水からの金属回収方法Info
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- JPH11172497A JPH11172497A JP34496397A JP34496397A JPH11172497A JP H11172497 A JPH11172497 A JP H11172497A JP 34496397 A JP34496397 A JP 34496397A JP 34496397 A JP34496397 A JP 34496397A JP H11172497 A JPH11172497 A JP H11172497A
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- Japan
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- washing water
- plating
- ion
- exchange resin
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 電気めっき鋼板製造ラインでのめっき後の水
洗水に含まれる有用金属である、例えばニッケルを効率
良く、かつ安定して回収することが可能な金属回収商法
を提供すること。 【解決手段】 電気めっき設備において、めっき後の水
洗水を処理するイオン交換樹脂塔入側に濃度検出器およ
び流量計を配設し、該イオン交換樹脂の吸着から溶離へ
の切り替えタイミングを濃度と流量の積算値によって決
定することを特徴とするめっき水洗水からの金属回収方
法。
洗水に含まれる有用金属である、例えばニッケルを効率
良く、かつ安定して回収することが可能な金属回収商法
を提供すること。 【解決手段】 電気めっき設備において、めっき後の水
洗水を処理するイオン交換樹脂塔入側に濃度検出器およ
び流量計を配設し、該イオン交換樹脂の吸着から溶離へ
の切り替えタイミングを濃度と流量の積算値によって決
定することを特徴とするめっき水洗水からの金属回収方
法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、めっき後の水洗水
からの金属の回収方法に関し、特に鋼板への電気めっき
後の水洗水中に含有する金属を有効に回収する方法に関
するものである。
からの金属の回収方法に関し、特に鋼板への電気めっき
後の水洗水中に含有する金属を有効に回収する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、鋼板表面に亜鉛系のめっきをする
ことにより、鋼板に耐食性を付与させる技術が広く行わ
れており、その中でも、電気めっきは表面外観に優れる
ことにより、家電、自動車を中心に用途の拡大を続けて
いる。また、その耐食性を一層向上させるためには、亜
鉛−ニッケルの合金めっきを施すことが有効であり、特
に自動車用鋼板として広く使用されてきている。而し
て、この鋼板への電気めっきの方法としては、電極の配
置により横型セル、縦型セル、カローゼルセル等に大き
く区分され、めっき処理後については、鋼板に直接清浄
な洗浄水を噴射させ、表面の酸化性の高いめっき液を素
早く除去する方法が行われいる。しかし、この洗浄方法
においては、当然ながら鋼板表面に付着しているめっき
液またはめっき処理槽出側から飛散しためっき液がめっ
き後水洗水に混入し、水洗水はめっき液の主金属成分で
ある、例えばニッケル成分が多く含まれた状態となり、
環境問題上直接外に廃液することは出来なく、何らかの
金属分離除去手段を施す必要がある。
ことにより、鋼板に耐食性を付与させる技術が広く行わ
れており、その中でも、電気めっきは表面外観に優れる
ことにより、家電、自動車を中心に用途の拡大を続けて
いる。また、その耐食性を一層向上させるためには、亜
鉛−ニッケルの合金めっきを施すことが有効であり、特
に自動車用鋼板として広く使用されてきている。而し
て、この鋼板への電気めっきの方法としては、電極の配
置により横型セル、縦型セル、カローゼルセル等に大き
く区分され、めっき処理後については、鋼板に直接清浄
な洗浄水を噴射させ、表面の酸化性の高いめっき液を素
早く除去する方法が行われいる。しかし、この洗浄方法
においては、当然ながら鋼板表面に付着しているめっき
液またはめっき処理槽出側から飛散しためっき液がめっ
き後水洗水に混入し、水洗水はめっき液の主金属成分で
ある、例えばニッケル成分が多く含まれた状態となり、
環境問題上直接外に廃液することは出来なく、何らかの
金属分離除去手段を施す必要がある。
【0003】特に、亜鉛−ニッケル合金めっきの比率が
高くなってきている現在では、この水処理費用が製造コ
ストに占める割合が高くなり、また、この排出されるニ
ッケルコストが製造コストを悪化させることにある。こ
のような状況のもとに、水洗水からの金属成分除去方法
として、従来においては、生石灰を用いたスラッジ化が
主流ではあるが、一方イオン交換膜を用いた電気析出方
法やイオン交換樹脂を用いた方法が提案、実用化されて
いる。しかし、イオン交換膜を用いた電気析出方法は、
大量のめっき後水洗水を使用する鋼板製造ラインにおい
ては、その現状の能力が、イオン回収装置自体の設備が
大きくならざるを得ず、そのために設備投資がその回収
効果に見合わず、使用実績が少ないのが現状である。一
方、イオン交換樹脂方法においては、有用金属分である
金属を効率良く回収するためには、回収対象液中の有用
金属分濃度変化を把握すること、イオン交換樹脂過破点
を把握すること、および回収対象液中の鉄等の不要金属
分を低減させることが必要となる。
高くなってきている現在では、この水処理費用が製造コ
ストに占める割合が高くなり、また、この排出されるニ
ッケルコストが製造コストを悪化させることにある。こ
のような状況のもとに、水洗水からの金属成分除去方法
として、従来においては、生石灰を用いたスラッジ化が
主流ではあるが、一方イオン交換膜を用いた電気析出方
法やイオン交換樹脂を用いた方法が提案、実用化されて
いる。しかし、イオン交換膜を用いた電気析出方法は、
大量のめっき後水洗水を使用する鋼板製造ラインにおい
ては、その現状の能力が、イオン回収装置自体の設備が
大きくならざるを得ず、そのために設備投資がその回収
効果に見合わず、使用実績が少ないのが現状である。一
方、イオン交換樹脂方法においては、有用金属分である
金属を効率良く回収するためには、回収対象液中の有用
金属分濃度変化を把握すること、イオン交換樹脂過破点
を把握すること、および回収対象液中の鉄等の不要金属
分を低減させることが必要となる。
【0004】そこで、回収対象液中の不要金属分を低減
させる方法として、特公昭57−51479号公報に提
案されているように、めっき液自体から鉄イオンを除去
することで濃度を管理し、めっき後の水洗液中に含まれ
る不純物濃度を低減させる方法や、特開昭62−235
499号公報にて提案されているように、めっき後の水
洗水から先ず鉄イオンを除去し、その後有用金属分を回
収する方法がある。また、イオン交換樹脂過破点を把握
する方法として、均一濃度の回収液の場合には、同特開
昭62−235499号公報に提案されているような、
イオン交換樹脂通過前後での電導度差が一定レベル以上
になった点を過破点として溶離サイクルに切り替える方
法が提案されている。
させる方法として、特公昭57−51479号公報に提
案されているように、めっき液自体から鉄イオンを除去
することで濃度を管理し、めっき後の水洗液中に含まれ
る不純物濃度を低減させる方法や、特開昭62−235
499号公報にて提案されているように、めっき後の水
洗水から先ず鉄イオンを除去し、その後有用金属分を回
収する方法がある。また、イオン交換樹脂過破点を把握
する方法として、均一濃度の回収液の場合には、同特開
昭62−235499号公報に提案されているような、
イオン交換樹脂通過前後での電導度差が一定レベル以上
になった点を過破点として溶離サイクルに切り替える方
法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、製品生
産中のめっき後水洗水からの有用金属分を回収する場合
には、生産している鋼板のサイズおよび生産スピードに
より水洗水に含まれる有用金属分濃度は逐次変化してお
り、イオン交換樹脂の吸着から溶離へのタイミングを決
定する手段としてタイマーやイオン交換樹脂塔の入出側
電導度差を用いた場合、吸着から溶離までのサイクルが
極端に短くなったり、過破点を過ぎても溶離サイクルに
入らない等の不具合が発生し有効ではないと言う問題が
ある。
産中のめっき後水洗水からの有用金属分を回収する場合
には、生産している鋼板のサイズおよび生産スピードに
より水洗水に含まれる有用金属分濃度は逐次変化してお
り、イオン交換樹脂の吸着から溶離へのタイミングを決
定する手段としてタイマーやイオン交換樹脂塔の入出側
電導度差を用いた場合、吸着から溶離までのサイクルが
極端に短くなったり、過破点を過ぎても溶離サイクルに
入らない等の不具合が発生し有効ではないと言う問題が
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述したよう
な問題を解消し、逐次濃度が変化するめっき液水洗水か
らの金属を効率良く回収する方法を提供することを目的
とする。その発明の要旨とするところは、 (1)電気めっき設備において、めっき後の水洗水を処
理するイオン交換樹脂塔入側に濃度検出器および流量計
を配設し、該イオン交換樹脂の吸着から溶離への切り替
えタイミングを濃度と流量の積算値によって決定するこ
とを特徴とするめっき水洗水からの金属回収方法。 (2)電気めっき設備が亜鉛−ニッケル合金電気めっき
設備であることを特徴とする前記(1)に記載のめっき
水洗水からの金属回収方法にある。
な問題を解消し、逐次濃度が変化するめっき液水洗水か
らの金属を効率良く回収する方法を提供することを目的
とする。その発明の要旨とするところは、 (1)電気めっき設備において、めっき後の水洗水を処
理するイオン交換樹脂塔入側に濃度検出器および流量計
を配設し、該イオン交換樹脂の吸着から溶離への切り替
えタイミングを濃度と流量の積算値によって決定するこ
とを特徴とするめっき水洗水からの金属回収方法。 (2)電気めっき設備が亜鉛−ニッケル合金電気めっき
設備であることを特徴とする前記(1)に記載のめっき
水洗水からの金属回収方法にある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面に従っ
て詳細に説明する。図1は、めっき処理工程での水洗水
処理を示す概略図である。鋼板1をメッキセル2にて、
例えば、亜鉛−ニッケル合金めっきを実施する場合につ
いて図示する。めっき液は矢印に示すようにめっき循環
タンク3より順次循環される。また、メッキセル直後に
は水洗タンク4を設け、循環タンク5より水洗水が循環
される。水洗水循環タンク内の水洗水は、図2で示され
るように、鋼板表面に付着してきた鋼板表面残留めっき
液18およびコンダクターロール20とバックアップロ
ール21の回転に伴い飛散しためっき液19が逐次混入
しているため、次第に汚染されてくる。そのため、洗浄
能力を一定レベル以上に確保するため、常に新水が新水
配管6より補給されるように構成されている。
て詳細に説明する。図1は、めっき処理工程での水洗水
処理を示す概略図である。鋼板1をメッキセル2にて、
例えば、亜鉛−ニッケル合金めっきを実施する場合につ
いて図示する。めっき液は矢印に示すようにめっき循環
タンク3より順次循環される。また、メッキセル直後に
は水洗タンク4を設け、循環タンク5より水洗水が循環
される。水洗水循環タンク内の水洗水は、図2で示され
るように、鋼板表面に付着してきた鋼板表面残留めっき
液18およびコンダクターロール20とバックアップロ
ール21の回転に伴い飛散しためっき液19が逐次混入
しているため、次第に汚染されてくる。そのため、洗浄
能力を一定レベル以上に確保するため、常に新水が新水
配管6より補給されるように構成されている。
【0008】このように、新水が補給されるため水洗水
循環タンクはオーバーフロー状態となる。このオーバー
フロー液から、例えばニッケル分を分離回収し再利用す
るため、一旦水洗水回収タンク7に集め、イオン回収装
置17へ移送ポンプ8にて移送される。移送される水洗
水は、イオン回収装置17へ入る前に、イオン濃度検出
器9にてニッケル濃度が測定され、また、流量計10に
て移送流量が測定される。水洗水はイオン交換樹脂を用
いたイオン回収装置17にてニッケルが回収されるが、
その処理方法は通常一般に行われている方法と同様に、
固形不純物を除去するための濾過装置12を経由した
後、イオン交換樹脂塔13にてニッケルが吸着され、吸
着された後の液はピット16に廃液される。なお、符号
14はニッケル溶離回収液タンクであり、15は移送ポ
ンプである。
循環タンクはオーバーフロー状態となる。このオーバー
フロー液から、例えばニッケル分を分離回収し再利用す
るため、一旦水洗水回収タンク7に集め、イオン回収装
置17へ移送ポンプ8にて移送される。移送される水洗
水は、イオン回収装置17へ入る前に、イオン濃度検出
器9にてニッケル濃度が測定され、また、流量計10に
て移送流量が測定される。水洗水はイオン交換樹脂を用
いたイオン回収装置17にてニッケルが回収されるが、
その処理方法は通常一般に行われている方法と同様に、
固形不純物を除去するための濾過装置12を経由した
後、イオン交換樹脂塔13にてニッケルが吸着され、吸
着された後の液はピット16に廃液される。なお、符号
14はニッケル溶離回収液タンクであり、15は移送ポ
ンプである。
【0009】一方、イオン交換樹脂に吸着したニッケル
は酸にて溶離される。本発明では、このイオン回収装置
の吸着モードから溶離モードへの切り替わりタイミイン
グを、前述した流量計とイオン濃度検出器の測定値を利
用して決定することを特徴とするものである。イオン濃
度検出器でのニッケル濃度測定値をC、イオン回収装置
入側での流量測定値をWとすると、イオン交換樹脂にか
かるニッケル負荷量Qは、Q=∫C×Wdtにて算出さ
れる。この計算は数値処理装置11にて行われる。
は酸にて溶離される。本発明では、このイオン回収装置
の吸着モードから溶離モードへの切り替わりタイミイン
グを、前述した流量計とイオン濃度検出器の測定値を利
用して決定することを特徴とするものである。イオン濃
度検出器でのニッケル濃度測定値をC、イオン回収装置
入側での流量測定値をWとすると、イオン交換樹脂にか
かるニッケル負荷量Qは、Q=∫C×Wdtにて算出さ
れる。この計算は数値処理装置11にて行われる。
【0010】一般的にイオン交換樹脂の金属吸着特性は
図3に示すようになっており、樹脂にニッケルが吸着す
るにつれ、吸着効率が低下していき、過破点にて吸着効
率が0%、つまり樹脂塔入側と出側のニッケル濃度が同
じとなる。また、通液のニッケル濃度が変化しても通液
のニッケル濃度が10mg/L以上の場合、同様な吸着
特性が得られる。これは、樹脂の吸着特性上、濃度が薄
くなると単位重量当たりの吸着可能ニッケル量が極端に
低下していくことに起因する。つまり、ニッケル濃度が
10mg/L以上であれば、イオン交換樹脂塔へ吸着出
来るニッケル量が変化しないことに他ならない。従っ
て、ニッケル濃度が10mg/L以上の濃度のめっき後
水洗水であれば、キレート樹脂にてニッケルを回収する
場合、入側のニッケル濃度と流量の積算値にて吸着と溶
離のタイミングを一意に決定することが可能となる。
図3に示すようになっており、樹脂にニッケルが吸着す
るにつれ、吸着効率が低下していき、過破点にて吸着効
率が0%、つまり樹脂塔入側と出側のニッケル濃度が同
じとなる。また、通液のニッケル濃度が変化しても通液
のニッケル濃度が10mg/L以上の場合、同様な吸着
特性が得られる。これは、樹脂の吸着特性上、濃度が薄
くなると単位重量当たりの吸着可能ニッケル量が極端に
低下していくことに起因する。つまり、ニッケル濃度が
10mg/L以上であれば、イオン交換樹脂塔へ吸着出
来るニッケル量が変化しないことに他ならない。従っ
て、ニッケル濃度が10mg/L以上の濃度のめっき後
水洗水であれば、キレート樹脂にてニッケルを回収する
場合、入側のニッケル濃度と流量の積算値にて吸着と溶
離のタイミングを一意に決定することが可能となる。
【0011】つまり、Qが図3に示したイオン交換樹脂
へのニッケル負荷量QLを超えた時点を吸着モードから
溶離モードへの切り替えタイミングとすると効率良くニ
ッケルを回収することが出来るのである。勿論、この方
法では、水洗水量が多いほど、または水洗水濃度が高い
ほど吸着と溶離の切り替え頻度が高くなることになる
が、通液中に含まれるニッケル分の樹脂への最終吸着量
は水洗水の濃度が変化しても水洗水の移送量が変化して
も変わらなく常に安定し、効率の良いニッケル回収が可
能となる。
へのニッケル負荷量QLを超えた時点を吸着モードから
溶離モードへの切り替えタイミングとすると効率良くニ
ッケルを回収することが出来るのである。勿論、この方
法では、水洗水量が多いほど、または水洗水濃度が高い
ほど吸着と溶離の切り替え頻度が高くなることになる
が、通液中に含まれるニッケル分の樹脂への最終吸着量
は水洗水の濃度が変化しても水洗水の移送量が変化して
も変わらなく常に安定し、効率の良いニッケル回収が可
能となる。
【0012】従って、本発明ではニッケル回収対象液ニ
ッケル濃度を10mg/L以上とすることが望ましい。
このニッケル濃度の検出器に関しては、蛍光X線を用い
ることが、その検出精度上有利であるが、電導度からの
変換値でも可能である。この方法であれば、装置はコン
パクトであり連続した測定が可能なものとなり、また、
メンテナンス性も向上する。さらに、ニッケルイオン濃
度と電導度の関係の一例を図4に示す。勿論、水洗に使
用する水洗水の管理レベルおよびめっき液中のその金属
イオン濃度レベルによって変化するが、いずれにしても
通常の鋼板のめっきラインにて操業している間は、イオ
ン回収装置の精度を左右する濃度変化はありえなく、電
導度からのイオン濃度算出が可能である。
ッケル濃度を10mg/L以上とすることが望ましい。
このニッケル濃度の検出器に関しては、蛍光X線を用い
ることが、その検出精度上有利であるが、電導度からの
変換値でも可能である。この方法であれば、装置はコン
パクトであり連続した測定が可能なものとなり、また、
メンテナンス性も向上する。さらに、ニッケルイオン濃
度と電導度の関係の一例を図4に示す。勿論、水洗に使
用する水洗水の管理レベルおよびめっき液中のその金属
イオン濃度レベルによって変化するが、いずれにしても
通常の鋼板のめっきラインにて操業している間は、イオ
ン回収装置の精度を左右する濃度変化はありえなく、電
導度からのイオン濃度算出が可能である。
【0013】具体的に鉄イオンにて一例を説明すると、
鋼板に正常な、例えば亜鉛−ニッケルめっきを施すため
には、めっきのイオン液の鉄イオン濃度/ニッケルイオ
ン濃度<0.02に管理する必要がある。この範囲に管
理されためっき液の流出によるめっき後水洗液の鉄イオ
ン濃度/ニッケルイオン濃度も当然ながら<0.02と
なり、樹脂の吸着効率に対する影響は無視出来る程小さ
くなる。従って、本発明では、水洗水内のニッケル濃度
の測定方法については、単位体積当たりのニッケル濃度
を絶対値にて測定または算出出来る方法であれば、特に
限定しない。
鋼板に正常な、例えば亜鉛−ニッケルめっきを施すため
には、めっきのイオン液の鉄イオン濃度/ニッケルイオ
ン濃度<0.02に管理する必要がある。この範囲に管
理されためっき液の流出によるめっき後水洗液の鉄イオ
ン濃度/ニッケルイオン濃度も当然ながら<0.02と
なり、樹脂の吸着効率に対する影響は無視出来る程小さ
くなる。従って、本発明では、水洗水内のニッケル濃度
の測定方法については、単位体積当たりのニッケル濃度
を絶対値にて測定または算出出来る方法であれば、特に
限定しない。
【0014】溶離モードでは、ニッケルを吸着したイオ
ン交換樹脂に硫酸等を通すことによって、ニッケルと水
素が置換され、イオン交換樹脂塔出側に図5に示すよう
な濃度曲線にて溶離液が流出してくる。溶離液は溶離液
回収タンク14に一度集められ、めっき循環タンクへの
移送ポンプ15にて戻され再利用される。この溶離液回
収にては、イオン交換樹脂塔に吸着したニッケル量が常
に一定となるため、その回収パターンより各ライン毎に
適正の回収範囲を任意に決定することが可能であり、ニ
ッケルおよび硫酸濃度の場合によらず適正かつ一定値の
溶離液回収が得られる。これは、めっき循環タンクに溶
離液回収液を投入再利用する場合のめっき循環タンク内
のめっき液自体の濃度変化が事前に予測出来る点でも非
常に有利となる。
ン交換樹脂に硫酸等を通すことによって、ニッケルと水
素が置換され、イオン交換樹脂塔出側に図5に示すよう
な濃度曲線にて溶離液が流出してくる。溶離液は溶離液
回収タンク14に一度集められ、めっき循環タンクへの
移送ポンプ15にて戻され再利用される。この溶離液回
収にては、イオン交換樹脂塔に吸着したニッケル量が常
に一定となるため、その回収パターンより各ライン毎に
適正の回収範囲を任意に決定することが可能であり、ニ
ッケルおよび硫酸濃度の場合によらず適正かつ一定値の
溶離液回収が得られる。これは、めっき循環タンクに溶
離液回収液を投入再利用する場合のめっき循環タンク内
のめっき液自体の濃度変化が事前に予測出来る点でも非
常に有利となる。
【0015】
【実施例】板厚0.4〜1.6mm、板幅600〜12
00mmの鋼板をラインスピード50〜120mpmに
て亜鉛−ニッケルめっきを実施し、めっき後の水洗を毎
分200〜400Lの浄水にて水洗を行い、その水洗水
を毎分200〜400lにてイオン交換樹脂塔に通液し
吸着モードから溶離モードへの回収金属負荷量を15k
gとしてニッケルを吸着させ、溶離モードでは0〜3L
/L−Rを回収範囲として溶離液を回収した。水洗水の
濃度変化と移送流量は図6に示す通りとなった。また、
溶離液の回収量は、表1に示す通りとなった。なお、表
1には図6以外の場合についても合わせて記載してあ
る。これにより、めっき後水洗水の濃度および流量が大
きく変化しているにも関わらず、常に1回の溶離工程に
て安定したニッケルが回収できることが認識できた。
00mmの鋼板をラインスピード50〜120mpmに
て亜鉛−ニッケルめっきを実施し、めっき後の水洗を毎
分200〜400Lの浄水にて水洗を行い、その水洗水
を毎分200〜400lにてイオン交換樹脂塔に通液し
吸着モードから溶離モードへの回収金属負荷量を15k
gとしてニッケルを吸着させ、溶離モードでは0〜3L
/L−Rを回収範囲として溶離液を回収した。水洗水の
濃度変化と移送流量は図6に示す通りとなった。また、
溶離液の回収量は、表1に示す通りとなった。なお、表
1には図6以外の場合についても合わせて記載してあ
る。これにより、めっき後水洗水の濃度および流量が大
きく変化しているにも関わらず、常に1回の溶離工程に
て安定したニッケルが回収できることが認識できた。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による電気め
っき鋼板製造ラインにおけるめっき後の水洗水に含まれ
る有用金属である、例えばニッケルを効率良く、かつ安
定して回収することが可能となり、製造コストを削減す
ることが可能となった。
っき鋼板製造ラインにおけるめっき後の水洗水に含まれ
る有用金属である、例えばニッケルを効率良く、かつ安
定して回収することが可能となり、製造コストを削減す
ることが可能となった。
【図1】めっき処理工程での水洗水処理を示す概略図で
ある。
ある。
【図2】めっきセルとめっき後水洗の詳細図である。
【図3】イオン交換樹脂のニッケル吸着特性を示すグラ
フである。
フである。
【図4】ニッケル回収対象液濃度と電導度の関係を示す
グラフである。
グラフである。
【図5】溶離工程での溶離液濃度変化を示すグラフであ
る。
る。
【図6】水洗水の流量とニッケル濃度変化を示すグラフ
である。
である。
1 鋼板 2 めっきセル 3 めっき循環タンク 4 めっき後水洗タンク 5 水洗循環タンク 6 新水配管 7 水洗水回収タンク 8、15 移送ポンプ 9 イオン濃度検出器 10 流量計 11 数値処理装置 12 濾過装置 13 イオン交換樹脂塔 14 溶離回収液タンク 16 廃液ピット 17 イオン回収装置 18 鋼板表面残留めっき液 19 飛散めっき液 20 コンダクターロール 21 バックアップロール
Claims (2)
- 【請求項1】 電気めっき設備において、めっき後の水
洗水を処理するイオン交換樹脂塔入側に濃度検出器およ
び流量計を配設し、該イオン交換樹脂の吸着から溶離へ
の切り替えタイミングを濃度と流量の積算値によって決
定することを特徴とするめっき水洗水からの金属回収方
法。 - 【請求項2】 電気めっき設備が亜鉛−ニッケル合金電
気めっき設備であることを特徴とする請求項1に記載の
めっき水洗水からの金属回収方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34496397A JPH11172497A (ja) | 1997-12-15 | 1997-12-15 | めっき水洗水からの金属回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34496397A JPH11172497A (ja) | 1997-12-15 | 1997-12-15 | めっき水洗水からの金属回収方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11172497A true JPH11172497A (ja) | 1999-06-29 |
Family
ID=18373350
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34496397A Pending JPH11172497A (ja) | 1997-12-15 | 1997-12-15 | めっき水洗水からの金属回収方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11172497A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20040079717A (ko) * | 2003-03-10 | 2004-09-16 | 이철호 | 도금 수세수 처리 장치 및 방법 |
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JP6375458B1 (ja) * | 2018-01-23 | 2018-08-15 | 松田産業株式会社 | 金属回収システム及び金属回収装置 |
JP2020138192A (ja) * | 2019-03-01 | 2020-09-03 | 肇▲慶▼学院 | ニッケルめっき廃水用のインテリジェント浄化装置 |
-
1997
- 1997-12-15 JP JP34496397A patent/JPH11172497A/ja active Pending
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