JPH11172012A - 架橋アラミドシリコーン重合体、架橋方法及び成形体 - Google Patents

架橋アラミドシリコーン重合体、架橋方法及び成形体

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JPH11172012A
JPH11172012A JP33687797A JP33687797A JPH11172012A JP H11172012 A JPH11172012 A JP H11172012A JP 33687797 A JP33687797 A JP 33687797A JP 33687797 A JP33687797 A JP 33687797A JP H11172012 A JPH11172012 A JP H11172012A
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aramid
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aramid silicone
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Akio Hayashi
昭男 林
Taijirou Shiino
太二朗 椎野
Mitsuru Akashi
満 明石
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Abstract

(57)【要約】 【課題】架橋されたアラミドシリコーン重合体の提供、
その架橋方法及び成形体の提供。 【解決手段】電子線、放射線、プラズマ等のエネルギー
線照射により架橋されたアラミドシリコーンの重合体。
アラミドシリコーン成形体に電子線を照射して架橋する
方法、およびその方法により架橋された成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エネルギー線照射
により架橋されたアラミドシリコーン重合体に関する。
さらにその架橋方法、および該架橋方法による成形体に
関する。さらに詳しくは、アラミドシリコーン重合体の
成形体の形状保持性、軟化温度、強度等の物性を向上さ
せるための架橋方法に関する。さらに該アラミドシリコ
ーン重合体の架橋方法によって得られる架橋化したアラ
ミドシリコーン重合体の成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリジメチルシロキサンに代表されるシ
リコーン重合体は優れた生体適合性や気体透過性等の機
能を有しており、様々な医療分野に用いられている。し
かしながら強度的に不足しているためその用途が限られ
ていた。一方、芳香族系のポリアミド(アラミド)は強
度は優れているが生体適合性などの機能がなく用途が限
られていた。このような中で、 [1]特開平1−123824号公報では、シリコーン
重合体とアラミドをブロック共重合して複合化したアラ
ミドシリコーン重合体が開示されている。 [2]特開平2−203863および特開平5−285
216号公報ではアラミドシリコーン重合体が生体適合
性材料として優れていることが開示されている。また、 [3]特開平6−313864号公報ではアラミドシリ
コーン重合体がコンタクトレンズ用材料として開示され
ている。またさらに生体適合性評価試験としては、以下
が報告されている。 [4]ジャーナル オブ バイオマテリアル サイエン
ス ポリマー(J. Biomater. Sci. Polym. Ed.5)第5
巻、第89頁(1993年)ではタンパク質吸着、血小
板粘着、血小板活性化測定、細胞接着性の評価試験が行
われている。
【0003】一方、従来からのシリコーン重合体の架橋
方法として一般的に知られているものとしては、 [5]酸触媒あるいはアルカリ触媒存在下で加熱するこ
とによるシラノール基の脱水縮合によるもの。 [6]あらかじめ添加された過酸化物の分解により生じ
るラジカルの水素引き抜き及びカップリングによるも
の。 [7]低分子の反応性シランやシロキサンを用いた加水
分解、縮合により架橋することが知られている。また、 [8]アクリル、メルカプト、アジド基を導入したシラ
ン、シロキサンを微量の増感剤を加え光照射することに
よって硬化することや、 [9]ビニル基を導入したシランを過酸化物で架橋させ
たり、あるいはエポキシ基を導入したシランを感光性カ
チオン開始剤で架橋させる例も知られている。このよう
に光、電子線等のエネルギー照射による硬化は、他の方
法に比べ速く、大幅に硬化時間を短縮できることから生
産性の向上がはかれる上に、熱的に不安定な材料や、寸
法安定性が要求される材料においては有用な方法であ
る。しかしながら、これらの架橋方法は、特殊な官能基
をあらかじめシロキサンセグメント中に導入しておく必
要がある。 [10]サーフェイス アンド インターフェイス アナ
リシス(Surface and interface analysis)、第10
巻、第416−423頁(1987年) や 同雑誌(Sur
face and interface analysis)、第13巻、第233
−236頁(1988年) には、シロキサン側鎖を有す
るアクリレートポリマーからなるコンタクトレンズにプ
ラズマを照射する報告がなされているが、これは表面を
親水化するためである。
【0004】また、[11]高分子論文集、第42巻、第
841−847頁(1985年)には、シリコーンラバ
ーのコンタクトレンズにプラズマを照射する報告がなさ
れているが、これも表面を親水化するためのものであ
り、長期間の親水化を保持するのが困難であるととも
に、タンパク質の付着が激しくなるという問題点も報告
されている。 [12]ポリマージャーナル(Polymer Journal)、第2
0巻、第485−491頁(1988年)には、ポリジ
メチルシロキサンに電子線を80Mradまで照射して
もガス透過性への影響は全くなく、このことより80M
rad程度の強度の電子線では化学構造に対する架橋も
分解も起こらないとの報告がなされている。一方で、 [13]アドヒション(Adhesion)、第34巻,第201
−209頁(1991年)には、ポリジメチルシロキサ
ンに電子線を照射し、その膨潤度(溶解性)の試験より
20kGy(=2Mrad)以下では完全溶解するが、
50kGy(=5Mrad)以上では架橋が観測される
という報告がなされている。この中ではさらに貯蔵弾性
率(G')、損失弾性率(G")も電子線照射により大き
くなることが報告されている。しかしながら、前記した
全ての架橋方法に関する内容はシリコーン重合体に関す
るもので、アラミドシリコーン重合体の架橋方法につい
ては過去に知られていなかった。
【0005】シリコーン重合体よりなる成形体は、前記
のようにシリコーンセグメントに由来する効果により、
酸素透過性に優れ、且つ生体親和性に優れているため、
生体と接するコンタクトレンズや各種医療用の基材とし
て用いられている。しかし、このシリコーン重合体は、
それ自体の強度が不足しており、用途が限定される問題
があった。アラミドシリコーン重合体は、このシリコー
ン重合体の主に強度的欠点を補うためにシリコーン連鎖
中にアラミドセグメントをマルチブロック型に導入した
ものある。これは溶媒キャストや加熱成形品そのまま
で、シリコーン重合体単独のような架橋処理がなくて
も、アラミドセグメント間の相互作用によって強度を大
幅に向上させることができるものである。アラミドシリ
コーン重合体中のアラミドセグメントとシリコーンセグ
メントの組成比は、アラミド由来の強度と、他方シリコ
ーン由来の酸素透過性や生体親和性等の機能について相
反する関係にある。従ってより高いトータル性能を目標
とした場合にはアラミドシリコーンポリマー中のシリコ
ーンセグメントには架橋によって、例えば強度の向上な
どが必要となってくる。このような架橋方法については
従来知られていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、エネルギー線照射により架橋されたアラミドシリコ
ーン重合体を提供することにある。本発明の第2の目的
は、架橋されたアラミドシリコーン重合体の成形体の架
橋方法を提供することにある。本発明の第3の目的は、
前記の架橋方法によるアラミドシリコーン重合体の成形
体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点に鑑み鋭意検討した結果、アラミドシリコーン重合体
よりなる成形体にエネルギー線を照射すると架橋反応が
起こることを見出し、本発明を完成するに至った。すな
わち、本発明は次の(1)〜(7)である。 (1)エネルギー線照射または放電処理により架橋され
たアラミドシリコーン重合体。 (2)前記のエネルギー線照射が電子線を照射または放
射線を照射することにより、また、放電処理がプラズマ
放電処理またはコロナ放電処理することにより架橋され
たアラミドシリコーン重合体。 (3)アラミドシリコーンポリマー成形体に、エネエル
ギー線照射または放電処理して架橋することによるアラ
ミドシリコーン重合体の成形体の架橋方法。 (4)架橋の程度が熱機械分析(TMA分析)で軟化温
度の上昇度合いとして確認される前記の架橋方法。 (5)架橋の程度が動的粘弾性(バイブロン分析)で温
度−150〜−50℃での貯弾性率G’、損失弾性率
G''のシリコーン鎖の動きによるピークが減少または消
失することで確認される前記の架橋方法。 (6)前記の架橋方法によって得られる架橋化したアラ
ミドシリコンポリマー重合体の成形体。 (7)前記のアラミドシリコーン重合体の成形体がコン
タクトレンズ材料または医用材料である成形体。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いる原料のアラミドシ
リコーン重合体は、重合体中にアラミドセグメント部分
とシリコーンセグメント部分を含有していれば特に限定
されるものではない。アラミドシリコーン重合体中のシ
リコーンセグメント成分の組成の好ましい範囲としては
1〜99重量%を挙げることができる。更に好ましく
は、アラミドシリコーン重合体中のシリコーンセグメン
トの組成がおおよそ15〜85重量%のものを挙げるこ
とができる。
【0009】原料のアラミドシリコーン重合体は、例え
ば、特開平1−123824号公報、特開平6−313
864号公報あるいはMacromolecules第
2巻第4143頁(1989年)に記載の方法に従って
アラミドシリコーンポリマーを合成できる。例えば、両
末端にアミノ基を有するポリシロキサンと両末端に酸ク
ロリドを有する芳香族系酸クロリドと両末端にアミノ基
を有する芳香族系ポリアミンとを用いてポリシロキサン
−ポリアミド系ブロック共重合体を反応することによっ
て得られる。
【0010】本発明で用いるポリシロキサンは、例え
ば、下記の一般式(1)
【化1】 (ただし、式中、Rは炭素数10以下の2価の有機基、
mは5〜200の数を示す。)で表される両末端にアミ
ノ基を有するポリシロキサンであり、アミノ基をポリシ
ロキサンに導入する方法はいかなるものでもよい。例え
ば、両末端にシリルヒドロリド基を有し、あらかじめ目
的の分子量を有するポリシロキサンをパラジウム、ロジ
ウム、ルテニウム等の金属化合物を触媒として使用して
3−アミノ−1−プロペン、4−アミノ−1−ブテン等
の不飽和アミンと反応させて製造する方法や前記の不飽
和アミンの代わりにアクリロニトリル等と反応して、接
触還元等によりアミノプロピル基等を導入する方法等が
ある。さらに、一般にポリシロキサンの製造方法におい
てアミノアルキル基を有するジシロキサンを重合停止剤
として用いて環状オリゴシロキサンを開環重合させて両
末端にアミノ基を有するポリシロキサンを製造すること
もできる。
【0011】これらのアミノ基を有するポリシロキサン
と特定の芳香族基を有するジアミンおよびジカルボン酸
クロリドを用いて反応することができる。まず、特定の
芳香族基を有するジアミンおよびカルボン酸クロリドを
用いて反応して一般式(2)
【化2】 (ただし、nはアラミドセグメントの繰り返し単位で1
〜1000の数を示す。)で表されるポリアミドを合成
させる。ここで用いる芳香族ジアミンおよびジカルボン
酸クロリドの特定の芳香族基としては、例えば、p−フ
ェニレン基、m−フェニレン基、o−フェニレン基、
4,4’−ジフェニレンエーテル基、4,3’−ジフェ
ニレンエーテル基、4,4’−ジフェニレン基、4,
3’−ジフェニレン基、4,4’−フェニレンジメチレ
ン基、4,4’−チオジフェニレン基、4,3’−チオ
ジフェニレン基、4,4’−プロピレンジフェニレン
基、4,4’−プロピレンジフェニレン基、4,3’−
メチレンジフェニレン基等を好ましく挙げることができ
る。
【0012】次いで先の両末端にアミノ基を有するポリ
シロキサンを反応させることによって下記一般式(3)
【化3】 (ただし、R、mは前記と同じ、nはアラミドセグメン
トの繰り返し単位で1〜1000の数を示す。また、y
は、重合に基づくアラミドシリコーンの繰り返し単位で
1〜1000の数を示す)で表されるアラミドシリコー
ン重合体を合成することができる。
【0013】合成したポリシロキサン−ポリアミド系ブ
ロック共重合体は、乾燥は常圧下、室温〜150℃、好
ましくは、70℃程度で1〜20時間、より好ましく
は、2〜8時間乾燥し、その後真空ポンプ減圧下、1〜
7日乾燥する。
【0014】本発明で用いる「成形体」の語句の意味
は、紡糸、粉体、シート、積層板、チューブ等の比較的
単純なものから、特定用途に用いられる例えば医療用人
工心臓弁、人工心臓や、ペースメーカのリード線等の特
殊形状のものまでを含めて指す。また、コンタクトレン
ズ等も含めて挙げることができる。 アラミドシリコー
ン成形体を得る方法として、フィルム成形体について述
べる。この成形方法の一法として溶媒キャスト成形があ
る。溶媒キャスト成形の条件としては、溶媒としてジメ
チルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド
等を用い、0.5〜40重量%、好ましくは10重量%
程度の濃度の溶液を用いキャスト成形するのが好まし
い。乾燥は常圧下、室温〜150℃、好ましくは70℃
程度のホットプレート上で、1〜20時間、好ましくは
2〜8時間、粗乾燥し、その後、室温あるいは250℃
以下の温度で、真空ポンプ減圧条件下1〜7日乾燥する
ことによって、キャスト膜を得ることができる。
【0015】架橋させるエネルギー照射の方法として
は、電子線の照射または放射線の照射が挙げられる。こ
れに限定されるものでなく、各種のエネルギー照射によ
って、アラミドシリコーン重合体中のセグメントが化学
反応を起こし架橋等の反応を起こすものであればよい。
架橋させる放電処理の方法としては、プラズマ放電処
理、コロナ放電処理が挙げられる。例えば、電子線の照
射条件としては、1〜1000Mrad、より好ましく
は5〜100Mradの範囲を好ましく挙げることがで
きる。電子線照射としては、Energy Scien
ce Inc.製 Electron Curtain
System CB175−15−180L型 電子
線照射装置(輸入代理店 岩崎電気(株))を挙げるこ
とができる。また、その装置で加速電圧170eV、照
射量として、10〜100Mradなどの照射条件が好
ましく選択することができる。
【0016】アラミドシリコーン重合体の電子線照射に
よって架橋した効果を確認する方法として、例えば電子
線を照射した後、熱機械分析(TMA)でアラミドシリ
コーン重合体の成形体の軟化温度を測定し、軟化温度の
上昇によって、架橋の有無を、上昇程度によって架橋の
程度を評価することができる。また、同様にアラミドシ
リコーン重合体の成形体の動的粘弾性の測定によって、
架橋の有無および程度を評価することができる。たとえ
ば、熱機械分析(TMA)については、TMA測定機と
して市販されているセイコー電子(株)製、TMA10
0型等が挙げられる。また動的粘弾性の測定について
は、例えば市販されているA&Dオリエンテック(株)
社製 レオバイブロンDDV−II−C型が例として挙
げられる。
【0017】本発明のアラミドシリコーンは酸素透過性
に優れており、コンタクトレンズに適する。特にハード
コンタクトレンズ用に適する。また、血球などの生体成
分の吸着が少なく血栓形成を誘引する血小板の活性化を
抑制することができる。そのため本発明のアラミドシリ
コーン重合体の利用分野としては、医用材料、臨床検査
用材料、製剤用材料、光学材料など直接生体成分と接触
する材料として有用である。例えば、人工血管、血液バ
ッグ、血液透析膜、カテーテル、カプセル材料、人工心
臓装置部材、酵素電極、コンタクトレンズ等を挙げるこ
とができる。また、本発明のアラミドシリコーン成形体
の架橋方法は、アラミドシリコーン重合体をそのまま成
形したものだけでなく、さらに、他の重合体と併用して
その重合体の表面にアラミドシリコーン重合体溶融した
りして改質したものに、エネルギー線を照射して、アラ
ミドシリコーン部分を架橋して改質することも可能であ
る。特に、前記のように、本発明の方法により架橋によ
り強度が更に向上するので、形状の維持や経時安定性等
が向上することが見込まれる。
【0018】
【発明の効果】本発明は、エネルギー照射により架橋さ
れたアラミドシリコーン重合体である。架橋のために機
械的強度などの性能が向上する。また、本発明の架橋方
法は、電子線の照射、放射線の照射またはプラズマの照
射等のエネルギー照射によりアラミドシリコーン重合体
の成形体を容易に架橋することができる方法である。物
性として、軟化温度の上昇や粘弾性特性評価の結果より
架橋反応が起こっていることが明らかとなり、これによ
り通常、架橋反応によって生じる物性への効果、すなわ
ち、成形体の形状保持性、引っ張り強度等の向上による
改善がはかれる。また成形体の処理において、連続的に
行うことができるため工業的な方法として有効である。
これによって従来相反の関係にあり両立の難しかった、
アラミド由来の強度と、一方酸素透過性や生体親和性等
のシリコーン由来の機能を微妙にコントロールすること
ができるようになる。
【0019】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいて説明する。 [合成1];アラミドシリコーン重合体(=PAS2
0)の合成;特開平1−123824号公報記載の方法
に準じて合成した。3,4’−ジアミノジフェニルエー
テル 175.2g(0.88mol)、トリエチルア
ミン塩酸塩 201.21g(1.50mol)、トリ
エチルアミン 177.0g(1.75mol)および
溶媒であるクロロホルム 2500gからなる混合溶液
中に、0℃で、イソフタル酸クロリド 190.5g
(0.94mol)、および溶媒であるクロロホルム
3100gのあらかじめ混合した溶液を滴下し、2時間
かき混ぜて反応した。得られた両末端が酸クロリドの重
合物に、ビス−(アミノプロピル)ポリジメチルシロキ
サン(分子量;1680)105.0g(0.0625
mol)、トリエチルアミン 13.0g(0.125
mol)および溶媒であるクロロホルム 1910gか
らなる混合溶液を滴下して、0℃で4時間かき混ぜて反
応した。得られた共重合体は反応液を40リットルのメ
タノール;エタノール(1:1、v/v)混合溶媒中に
添加して共重合体を析出させ、濾過後、メタノールを用
いて、洗浄し、減圧下に乾燥してポリシロキサン−芳香
族ポリアミドブロック共重合体を得た。得られたアラミ
ドシリコーン重合体は、仕込みのシリコーン成分約20
重量%からPAS20と略記した。結果を表1に示し
た。
【0020】[合成2〜4];アラミドシリコーン重合
体(=PAS50、PAS70、PAS80)の合成;
前記の合成1のシリコーン/アラミドの比率の20/8
0重量%の代わりに表1に示す量に、すなわちシリコー
ン/アラミドの比率を合成2は約50/50重量%、合
成3は約70/30重量%、合成4は約80/20重量
%に代えた以外は合成1と同様にして、アラミドシリコ
ーンポリマーの合成を行った。合成したポリマーは、そ
れぞれ、PAS50、PAS70、PAS80とポリマ
ー中のシリコーン成分のおおよその仕込み重量%の値を
数値で示した。合成したアラミドシリコーン重合体(P
AS50、PAS70、PAS80)を表1に示した。
【0021】アラミドシリコーン重合体(合成1〜4)
フィルム成形体の作成(F−1〜F−4) 合成1〜4のアラミドシリコーン重合体をそれぞれジメ
チルアセトアミド(DMAc)に溶解させ、10重量%
の溶液を調製した。0.5ミクロンのメンブランフィル
ターで濾過後、フッ素樹脂製シャーレ(直径10cm)
上に展開しホットプレートで6時間加熱し、キャスト膜
(厚さ;約100μm)を得た。合成1のアラミドシリ
コーン重合体からのフイルムをF−1、合成2のアラミ
ドシリコーン重合体からのフイルムをF−2、合成3の
アラミドシリコーン重合体からのフイルムをF−3およ
び合成4のアラミドシリコーン重合体からのフイルムを
F−4とした。
【0022】[実施例1−1]アラミドシリコーン重合
体のフィルム(F−1)への電子線照射 合成1のフィルムF−1を、Energy Scien
ce Inc.製 Electron Curtain
System CB175−15−180L型 電子
線照射装置(輸入代理店 岩崎電気(株))を用いて、
加速電圧170eV、照射量10、20、30、50お
よび70Mradを照射した。
【0023】[実施例1−2]架橋評価法1:アラミド
シリコーン重合体の動的粘弾性測定 実施例1−1で電子線照射した照射量10Mradの代
わりに照射量20Mrad照射のアラミドシリコーン重
合体のフィルム(F−1)の動的粘弾性測定を、A&D
オリエンテック(株)社製 レオバイブロンDDV−I
I−C型によって行った。なお、測定周波数は10Hz
で、測定温度は−150〜250℃である。測定に用い
たサンプルは長さ50mm、幅10mm、厚さ100μ
mである。
【0024】[実施例1−3]架橋評価法2:アラミド
シリコーンポリマーのTMA測定 実施例1−1で電子線照射(20、30、50および7
0Mrad)したアラミドシリコーンポリマー(F−
1)のTMA測定(機種;セイコー電子(株)製、TM
A100型、昇温速度10℃/min、サンプルの形状
は、長さ20mm、幅3mm、厚さ約100μm)を行
った。
【0025】[実施例2−1〜4−1];アラミドシリ
コーン重合体のフィルムへの電子線照射 合成2〜4のフィルムF−2〜F−4を、実施例1−1
と同様にEnergyScience Inc.製 E
lectron Curtain System CB
175−15−180L型 電子線照射装置(輸入代理
店 岩崎電気(株))を用いて、加速電圧170eV、
照射量10、20、30、50および70Mradを照
射した。
【0026】[実施例2−2〜4−2]前記の実施例2
−1〜4−1のフィルムF−2〜F−4の20、30、
50および70Mrad電子線を照射した試料を用いて
実施例1−3に準じて動的粘弾性を測定した。結果を表
1および表2に示した。
【0027】[実施例2−3〜4−3]前記の実施例2
−1〜4−1のフィルムF−2〜F−4の10、20、
30、50および70Mrad電子線を照射した試料を
用いて実施例1−3に準じてTMA分析を行った。結果
を表2に示した。
【0028】[比較例1]実施例4−2の対照として、
実施例4−2に用いたアラミドシリコーンフイルム(F
−1)の電子線照射をしていない試料について動的粘弾
性を測定した。
【0029】[比較例2]前記PAS80のフィルムF
−4を用いて、エネルギー線を照射しない未処理のまま
実施例4−3と同様にしてTMA分析を行った。結果を
表2に示した。
【0030】
【表1】 注;表中用いた略号はつぎのとおり。 α、ω−ジアミノシリコーン;ビス(3−アミノプロピ
ル)ポリジメチルシロキサン(分子量;1680) 3,4’−DAPE;3,4’ジアミノジフェニルエー
テルIPC;イソフタル酸クロリド *印;ポリマーの再沈澱精製時の粒径が細かく、簡易的
にろ過した固体分のみの値を示した。
【0031】
【表2】
【0032】[実施例5];アラミドシリコーン重合体
のコンタクトレンズの作成 合成4のアラミドシリコーン重合体を用いて、テフロン
製の時計皿(大きさ、直径100mm)にアラミドシリ
コーンをDMAc溶媒に希釈した10重量%溶液を流し
込み、60℃で乾燥してコンタクトレンズのモデルを作
成した。そのコンタクトレンズモデルの1個に前記と同
様にして電子線を70Mrad照射した。その試料と電
子線を照射していないコンタクトレンズモデルの試料を
前記と同様にTMAおよびレオバイブロンで評価した。
なお、試料は、大きさは50×10mm、厚さ約100
μmのものを用いた。その結果、フイルムと同様に電子
線を照射していないものに比較して、実施例4の試料で
は−150〜−50℃におけるピークの消失と軟化点の
上昇を確認した。
【0033】以上の結果から代表例として実施例4−2
のPAS80のフィルムF−4について、動的粘弾性の
測定した結果を図1に示した。また比較例1のPAS8
0の電子線を照射していないフィイルムF−4の動的粘
弾性を測定した結果を図2に示した。その結果、実施例
4−2の図1と比較例1の図2との比較から、本発明の
実施例では−150〜−100℃において現れるシリコ
ーンセグメントのモビリティをあらわすG’、G"の共
鳴が、電子線照射により減少し、すなわちシリコーンセ
グメントの動きが抑制されていることがわかる。また、
実施例4−3と比較例2の測定結果を図3に示した。図
3より0〜70Mradと照射強度が増すに従って、軟
化温度が上昇し、架橋反応が起こっていることが明らか
となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例4のPAS80フィルムF−4の電子線
照射(10Mrad)した試料の動的粘弾性の図であ
る。
【図2】比較例1のPAS80フィルムF−4の電子線
未照射試料の動的粘弾性の図である。
【図3】実施例4のPAS80フィルムF−4の電子線
照射(20、30、50および70Mrad)した試料
および比較例2の試料のTMA測定結果の図である。
【符号の説明】
図1、2中のG’は貯蔵弾性率、G”は損失弾性率、t
anδはG’とG”の比を示す。図3中の数字0、2
0、30、50および70は電子線の照射強度(Mra
d)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08J 7/00 306 C08J 7/00 306

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エネルギー線照射または放電処理により架
    橋されたアラミドシリコーン重合体。
  2. 【請求項2】エネルギー線照射が電子線または放射線に
    よる照射であり、放電処理がプラズマ放電処理またはコ
    ロナ放電処理である請求項1記載の架橋されたアラミド
    シリコーン重合体。
  3. 【請求項3】アラミドシリコーン重合体の成形体に、エ
    ネルギー線を照射して架橋することによるアラミドシリ
    コーン重合体の成形体の架橋方法。
  4. 【請求項4】架橋の程度が熱機械分析(TMA分析)で
    軟化温度の上昇度合いとして確認される請求項3記載の
    架橋方法。
  5. 【請求項5】架橋の程度が動的粘弾性(レオバイブロン
    分析)で温度−150〜−50℃での貯蔵弾性率G’、
    損失弾性率G’’のシリコーン鎖の動きによるピークが
    減少または消失することで確認される請求項3記載の架
    橋方法。
  6. 【請求項6】請求項3記載の架橋方法によって得られる
    架橋化したアラミドシリコーン重合体の成形体。
  7. 【請求項7】請求項6記載のアラミドシリコーン重合体
    の成形体がコンタクトレンズ材料または医用材料である
    成形体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4547806B2 (ja) * 1998-08-14 2010-09-22 日油株式会社 ポリシロキサン−ポリアミド共重合体、その製造方法及び各種材料
US8367772B2 (en) 2008-04-25 2013-02-05 Teijin Aramid B.V. Crosslinked aramid polymer

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