JPH11171826A - 芳香族カルボン酸の製造方法 - Google Patents

芳香族カルボン酸の製造方法

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JPH11171826A
JPH11171826A JP9335550A JP33555097A JPH11171826A JP H11171826 A JPH11171826 A JP H11171826A JP 9335550 A JP9335550 A JP 9335550A JP 33555097 A JP33555097 A JP 33555097A JP H11171826 A JPH11171826 A JP H11171826A
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carboxylic acid
reaction
distillation
aromatic carboxylic
heat
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JP9335550A
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Koji Mori
宏治 森
Takashi Komatani
隆志 駒谷
Motomiki Numata
元幹 沼田
Tomohiko Ogata
知彦 緒方
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 テレフタル酸などの芳香族カルボン酸の製造
方法おいて、反応溶媒である酢酸が燃焼または分解によ
って損失するのを防ぐために、酸化反応温度を比較的低
温の140〜190℃で行い、該反応に使用した酢酸溶
媒を循環使用するために、該酢酸中に含まれる反応で生
成した水を蒸留分離するに当たり、酸化反応で発生した
熱をスチームとして回収し、この一部を蒸留分離の熱源
として利用し、製造コストを低減しようとするというも
のである。 【解決手段】 アルキル芳香族炭化水素を低級脂肪族カ
ルボン酸中、触媒の存在下、分子状酸素含有ガスによっ
て液相酸化し、上記酸化によって生成した水と上記低級
脂肪族カルボン酸との混合物を蒸留分離して低級脂肪族
カルボン酸を再利用する芳香族カルボン酸の製造方法に
おいて、上記酸化反応を140〜190℃で行い、この
反応で発生した熱を回収してこれを上記蒸留分離の熱源
として利用し、且つ上記蒸留分離の方法として共沸蒸留
を用いることを特徴とする芳香族カルボン酸の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は芳香族カルボン酸の
製造方法に関する。詳しくは、アルキル芳香族炭化水素
の液相酸化反応において、工業的に有利に反応溶媒を回
収して行う芳香族カルボン酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】テレフタル酸などの芳香族カルボン酸の
製造方法としては、工業的には、パラキシレンなどのア
ルキル芳香族炭化水素を、酢酸溶媒中、コバルト、マン
ガン、及び臭素を含有する触媒の存在下、分子状酸素で
液相酸化反応させる方法が最も一般的である。
【0003】通常、テレフタル酸の品質は、酸化反応器
の反応温度、触媒使用量、滞留時間などの酸化反応条
件、あるいは追酸化反応条件を選定することにより調整
することが可能である。しかしながら一般的に、高品質
のテレフタル酸を製造するためには、酸化反応条件を厳
しくする必要がある。それに伴い、酢酸溶媒が燃焼また
は分解を起こし、損失する量が多くなり、これによって
テレフタル酸の製造コストが高くなる。
【0004】このような背景の中、酢酸の燃焼または分
解による損失減少を防ぐ試みとして、酸化反応温度の低
下が注目されつつあり、共酸化剤等の促進剤を用いた反
応系を採用したケースや、酸化排ガスの一部を反応器の
液相部に循環供給することで反応活性を高めるケース等
により、低温下でも品質の優れたテレフタル酸製造の改
良技術が報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この方法でパラキシレ
ンを液相酸化反応させてテレフタル酸を製造する場合、
スラリー状の酸化反応生成物からテレフタル酸を分離し
た後の反応母液の主成分である酢酸溶媒は、循環使用す
るために反応母液から回収する必要があり、一般に特公
昭39−10119号公報で提案されているような蒸留
による方法が工業的に採用されている。つまり、酸化反
応で生成する水と酢酸溶媒の混合物を、蒸留分離して水
を溜出させて系外に排出させ、塔底より回収される酢酸
を酸化反応用及び/又は洗浄用に再利用する。また、酸
化反応で発生する熱をスチームとして回収し、この一部
を上記蒸留分離の熱源として利用するというものであ
る。水と酢酸の蒸留分離では、大気圧下での操作条件で
も塔底温度は約120℃以上であり、当然、熱源とする
スチームの温度もそれ以上が必要となる。スチーム温度
は高いほど有利であるが、これは酸化反応温度により制
約される。したがって、0.3〜0.6MPaの圧力を
有するスチームを用いるのが一般的である。また、この
蒸留分離では、蒸発熱が大きい水を蒸発させるので、多
量のスチームを消費する。特に、酸化反応温度が比較的
低温の140〜190℃、好ましくは140〜180
℃、更に好ましくは150〜175℃の場合では、該温
度が190℃を超える場合に比べ、反応熱から回収が可
能で、且つ必要温度以上を有するスチームの副生量が減
少し、スチームの消費に制約が生じるといった問題が発
生する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記実情に
鑑み、酸化反応温度が比較的低温の140〜190℃、
好ましくは140〜180℃、更に好ましくは150〜
175℃の範囲においてテレフタル酸を製造するに当た
り、再利用する酢酸溶媒中に含まれる酸化反応生成水を
効率よく蒸留分離する方法について種々検討した結果、
蒸留分離する方法として共沸蒸留を採用することによ
り、従来法では達成できなかった工業的に有利なテレフ
タル酸の製造方法を見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】即ち、本発明の要旨は、アルキル芳香族炭
化水素を低級脂肪族カルボン酸中、触媒の存在下、分子
状酸素含有ガスによって液相酸化し、上記酸化によって
生成した水と上記低級脂肪族カルボン酸との混合物を蒸
留分離して低級脂肪族カルボン酸を再利用する芳香族カ
ルボン酸の製造方法において、上記酸化反応を140〜
190℃で行い、この反応で発生した熱を回収してこれ
を上記蒸留分離の熱源として利用し、且つ上記蒸留分離
の方法として共沸蒸留を用いることを特徴とする芳香族
カルボン酸の製造方法に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について詳細に説
明する。本発明において、原料として用いるアルキル芳
香族炭化水素は、液相酸化により芳香族モノカルボン
酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族トリカルボン酸等の芳
香族カルボン酸に変換されるモノ、ジ、トリアルキルベ
ンゼン、あるいはモノ、ジ、トリアルキルナフタレン等
のアルキル芳香族炭化水素であり、その一部のアルキル
基が酸化されたものも含む。具体的には、パラキシレ
ン、メタキシレン、オルトキシレン、トリメチルベンゼ
ン、トルエン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン
等が例示される。また、生成する芳香族カルボン酸とし
ては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、
トリメリット酸、安息香酸、ナフトエ酸、ナフタレンジ
カルボン酸等が例示されるが、本発明の方法は、テレフ
タル酸やイソフタル酸の製造に適用するのが好ましく、
これらの場合、原料となるアルキルベンゼンとしては、
パラキシレンやメタキシレン等が挙げられる。特に好ま
しいのは、パラキシレンを原料としてテレフタル酸を製
造する方法である。
【0009】低級脂肪族カルボン酸、好ましくは酢酸か
らなる溶媒の使用量は、通常、アルキル芳香族炭化水素
に対して2〜6重量倍である。また、該溶媒には、若干
量、例えば10重量%以下の水を含有していてもよい。
分子状酸素含有ガスとしては、空気、不活性ガスに希釈
された酸素、酸素富化空気などが用いられるが、設備面
及び運転コスト面などからは空気が好ましい。
【0010】触媒としては、通常重金属を含有するもの
が挙げられ、特にコバルト、マンガン及び臭素の各成分
を含有するものが好ましい。これらの具体例としては、
コバルト化合物では、酢酸コバルト、ナフテン酸コバル
ト、臭化コバルトなどが例示される。マンガン化合物で
は、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、臭化マンガン
などが例示される。臭化化合物では、臭化水素、臭化ナ
トリウム、臭化コバルト、臭化マンガンなどが例示され
る。これらの化合物は併用しても良い。
【0011】なお触媒成分として、上記のコバルト、マ
ンガン、臭素成分以外の成分が存在していても良い。例
えば、テレフタル酸の製造の場合にナトリウム成分が通
常1〜1000ppm程度存在すると、マンガン成分の
沈殿の防止、あるいは得られるテレフタル酸の透過率な
どの効果が認められる。ナトリウム成分は触媒調整時に
添加してもよいし、また製造プロセス中で系内に蓄積す
るナトリウム成分をそのまま利用してもよい。更に、必
要に応じて、反応促進のために共酸化剤を併用しても良
い。共酸化剤としては、アセトアルデヒドなどのアルデ
ヒド化合物、メチルエチルケトンなどのケトン化合物、
プロピルアセテートなどのエステル化合物等が用いられ
る。
【0012】以上のような反応原料を用い、反応温度を
140〜190℃、好ましくは140〜180℃、更に
好ましくは150〜175℃の条件下で酸化反応行う。
140℃未満では反応速度が低下し、190℃を超える
と酢酸溶媒の燃焼による損失量が増加するので好ましく
ない。反応圧力は、少なくとも反応温度において混合物
が液相を保持できる圧力以上で、通常0.2〜5MPa
である。反応系内の水分濃度は、通常5〜25重量%、
好ましくは7〜20重量%であり、この水分濃度の調節
は、通常反応器内で揮発したガスを抜き出し、該ガスを
凝縮して得られる凝縮性成分の還流液の一部を系外に排
出(パージ)することにより行うことができる。
【0013】また、反応器から抜き出したガスから凝縮
性成分を凝縮除去して得た酸化排ガスを、2つの流れに
分岐させ、一方は系外に排出し、他方は反応器の液相部
に連続的に循環供給する方が好ましい。この方法は、反
応圧力を高め、酸素分圧を高めることを可能にする。こ
の場合、系外に排出される流れに対する反応器に循環さ
れる流れの容量割合(排ガス循環量)は、通常0.1〜
10、好ましくは0.3〜5、特に好ましくは0.5〜
3に設定される。この場合の酸化反応温度は140〜1
80℃で行うのが好ましい。
【0014】本発明においては、上記の酸化反応の後、
直ちに生成物の回収のため晶析してもよいし、必要に応
じて追酸化処理を行った後で晶析処理してもよい。晶析
されたスラリー溶液は結晶分離手段、例えばロータリー
バキュームフィルター法、遠心分離法、あるいは他の適
当な分離法で、生成する芳香族カルボン酸結晶と酸化反
応母液に分離する。また得られた芳香族カルボン酸の精
製方法としては、粗芳香族カルボン酸中の不純物を水素
還元して精製する方法、あるいは酸化処理して除去する
方法が知られている。このうち、芳香族カルボン酸中の
不純物を水素還元精製する方法として、高温高圧下にお
いて芳香族カルボン酸を水に溶解させ、水素化触媒と接
触させ、該水溶液から芳香族カルボン酸の結晶を回収す
る方法が提案されている(特公昭41−16860
号)。
【0015】上記芳香族カルボン酸の製造方法におい
て、得られるスラリー状の酸化反応生成物から芳香族カ
ルボン酸を分離した後、反応母液から主成分である酢酸
溶媒を循環使用するために、回収を行う必要がある。即
ち、反応母液中には酢酸溶媒及び反応生成水のほかに、
触媒として使用されるコバルト、マンガン等の重金属化
合物や臭素化合物、ならびにp−トルイル酸、4−カル
ボキシベンズアルデヒド等の反応中間生成物、さらには
反応副生成物等を含有している。そこで反応母液は、先
ず溶媒フラッシング蒸留塔に送られ、塔頂部から溜出す
る酢酸溶媒及び水の混合物と、塔底部から得られる触媒
成分、反応中間生成物及び反応副生成物等からなる蒸留
残留物とに分けられる。次いで上記溜出混合物、及び酸
化反応排ガスを凝縮して得られる凝縮性成分の還流液の
一部は、共沸蒸留により水分を除去した後に再使用す
る。
【0016】共沸剤を使用しない一般の蒸留法の場合、
水と酢酸の沸点(沸点117.8℃/標準圧)が接近し
ているため、70段以上の高い段数の蒸留塔が必要とな
り、しかも酢酸に対する水の比揮発度が小さいため、塔
頂における還流比を大きくとる必要があり、効率が悪
い。更に蒸発熱の大きな多量の水を蒸発しなければなら
ないので多大な熱源消費量を要するというものである。
【0017】この問題を解決するために、従来から種々
の提案がなされている。その一例として、水と最低共沸
混合物を形成する共沸剤の存在下に共沸蒸留し、塔頂か
ら水と共沸剤との最低共沸混合物を溜出させ、塔底から
濃縮された酢酸を得る方法が知られている(例えば特公
昭43−16965号公報、特公昭61−31091号
公報)。この方法は、塔頂における還流比を下げて水の
溜出に要する熱量を低減できるという利点がある。
【0018】本発明において、上記共沸蒸留に使用され
る共沸剤は、主として酢酸と水からなる混合溶液の共沸
蒸留に用いられる公知の化合物が概ね使用できる。一例
を挙げると、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メ
チルブチルケトン、クロルベンゼン、エチルアミルエー
テル、ギ酸ブチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、
酢酸アミル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イ
ソブチルであり、これらの中で酢酸n−ブチルが最も好
ましい。
【0019】上記共沸蒸留塔に送られる蒸気あるいは凝
縮液中には、酢酸や低沸点副生成物の他に、酸化反応の
生成水が含まれており、生成水を系外へ排出するため
に、蒸留塔を用いて共沸蒸留分離を行う。上記共沸蒸留
塔に送られる蒸気あるいは凝縮液は蒸留塔の中段へ供給
され、塔底からは酸化反応に使用できる程度に脱水され
た酢酸が得られる。この際、蒸留塔の塔頂又はその他の
部分へ共沸剤を供給する。一方塔頂から溜出する液は、
共沸剤と水の共沸混合物であり、通常、この溜出液中の
酢酸は極めて低濃度である。この溜出した共沸混合物
は、デカンター等適当な分離装置を用いて共沸剤と水に
分離される。水は系外へ排出されるが、その一部を再び
塔頂部へ還流した方が運転安定性がよい。デカンター等
で分離された共沸剤は再び蒸留塔へ供給するが、この共
沸剤中に含まれる低沸点副生成物、例えば酢酸メチル等
を蒸留等で除去した後に、蒸留塔へ循環供給した方が好
ましい。
【0020】通常、上記蒸留分離の熱源には、酸化反応
で発生した熱をスチームとして回収してこれを利用す
る。上記蒸留分離は一般に常圧下で行い、熱源温度は1
20℃以上を必要とするので、この温度に応じた圧力を
有するスチームを酸化反応熱から副生する。副生スチー
ム温度は高いほど好ましいが、酸化反応温度により制約
があり、通常、0.3〜0.6MPaの圧力を有するス
チームを副生するのが一般的である。特に本発明のよう
に酸化反応温度が140〜190℃と比較的低温である
場合は、反応温度190℃を超える場合に比べて、この
圧力を有するスチーム副生量は大幅な減少を余儀なくさ
れ、これにより蒸留塔等のスチーム消費量を抑制する必
要がある。
【0021】芳香族カルボン酸製造において、酸化反応
母液中に含まれる酸化反応生成水を蒸留分離で除去する
場合、共沸蒸留法を採用することは、消費熱量が低減化
されるという利点がある。特に、本発明のように、酸化
反応温度が140〜190℃、好ましくは140〜18
0℃、更に好ましくは150〜175℃と比較的低温条
件下での芳香族カルボン酸の製造プロセスにおいて、酸
化反応の反応熱を利用して副生するスチームが減少した
場合、共沸蒸留法を採用することで、該蒸留分離の熱源
であるスチームの消費量を大幅に抑制できることは、そ
の効果が大きく、工業的に非常に有利なプロセスであ
り、極めて特異的であると言える。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその趣旨を超えないかぎりこれら実施
例により何ら限定されるものではない。なお、実施例
中、「部」とあるのは「重量部」を表す。 実施例1 図1を参照して以下説明する。 スチーム副生を兼ねたチタン製のコンデンサー2、撹
拌機、加熱装置、触媒の溶媒スラリー及びパラキシレン
供給ライン4、空気導入ライン5、反応スラリー抜き出
しライン8、還流液抜き出しライン9及び酸化排ガスを
反応器に循環させるためのブロワー3と循環ライン7を
備えたチタン製の耐圧主酸化反応器1、 コンデンサー、撹拌機、加熱装置、空気導入口及び反
応スラリーの送入口と抜出口を備えたチタン製の耐圧追
酸化反応器、コンデンサー、撹拌機及び反応スラリー
の送入口と抜出口を備えたチタン製の冷却晶析器、より
なる連続反応装置を用いてパラキシレンの酸化反応を行
いテレフタル酸を生成するものである。
【0023】即ち、主酸化反応器1のライン4よりパラ
キシレン28.9部/hr、水9%を含む酢酸146.
1部/hr、及びコバルト、マンガン、臭素からなる触
媒成分混合物を供給する。ライン5より酸化ガスとして
空気を酸化排ガス中の酸素濃度が6容量%となるように
供給し、コンデンサー2から酸化排ガスをライン6より
パージするとともに、系外にパージする酸化排ガス量に
対し非凝縮性成分を基準とした循環ガス量の容量割合が
1.0となるように、酸化排ガスをブロワー3によりラ
イン7を経て主酸化反応器1の液相部に循環する。また
ライン9より還流液96.2部/hrを抜き出し、反応
系内の水分濃度を約10%に調整し、滞留時間100
分、圧力1.36MPa、反応温度175℃の条件下で
パラキシレンの酸化反応を行う。
【0024】このコンデンサー2では、酸化反応熱を利
用して0.35MPaの圧力を有するスチームを回収す
る。ここで言う回収熱とは、その殆どが酸化反応生成熱
であり、テレフタル酸生産量が同一であれば該酸化反応
生成熱はほぼ一定であり、設定する酸化反応温度に関係
なく回収熱量そのものは大差ないと解釈しても差し支え
ない。
【0025】次いで、主酸化反応器1よりライン8を通
して反応スラリーを抜き出し、このスラリーを追酸化反
応器に連続的に送り、滞留時間45分、圧力1.22M
Pa、反応温度174℃の条件下、酸化排ガス中の酸素
濃度が6容量%となるように空気を供給し、追酸化を行
う。追酸化後の反応スラリーは、引き続き冷却晶析器に
送って晶析した後、固液分離し、乾燥することによりテ
レフタル酸結晶を得る。固液分離して得られる反応母液
の50%は酸化反応系へ循環使用する。
【0026】酸化反応排ガスを凝縮して得られる凝縮性
成分の還流液の一部抜き出し液9、及び固液分離により
得られる反応母液の一部を、溶媒フラッシング蒸留塔に
て触媒成分、反応中間生成物、反応副生成物を除去して
得た溜出蒸気10は、コンデンサー12、デカンター
13、リボイラー14及び酸化反応凝縮液供給ライン
9、上記溜出蒸気供給ライン10を備えた酢酸脱水蒸留
塔11、及びコンデンサー16、凝縮液タンク17、
リボイラー18を備えた共沸剤回収塔15よりなる装置
を用いて共沸蒸留を行っている。
【0027】即ち、棚段39段を有する酢酸脱水蒸留塔
11のライン9より、酢酸77.7部、水17.6部及
び酢酸メチル0.9部からなる混合液96.2部/hr
を供給する。またライン10より、酢酸51.0部、水
5.4部及び酢酸メチル0.1部からなる混合蒸気5
6.5部/hrを供給する。塔底からはライン19より
水6.5%を含む酢酸が得られる。この際、ライン20
より共沸剤として酢酸n−ブチルを蒸留塔の塔頂又はそ
の他の部分へ供給する。塔頂から溜出する酢酸n−ブチ
ルと水の最低共沸混合物はコンデンサー12で凝縮さ
れ、デカンター13を用いて、酢酸n−ブチルを主体と
する油層と水を主体とする水層に分離する。分離される
水層21は排水として処理されるが、一部(12部/h
r)を塔頂部へ還流する。この時の還流比(還流液量/
溜出液量)は0.8である。デカンターで分離される油
層22は、棚段20段を有する共沸剤回収塔15によ
り、この油層中に含まれる酢酸メチルを蒸留除去した後
に、不足する酢酸n−ブチルを補充し、酢酸脱水蒸留塔
11へ循環供給する。この酢酸脱水蒸留塔11及び共沸
剤回収塔15の熱源は、酸化反応熱を回収して得られる
0.35MPaの圧力を有するスチームを利用する。こ
の時の酸化反応器、酢酸脱水蒸留塔、共沸剤回収塔の操
作条件及び、装置仕様を表−1に示す。
【0028】比較例1 蒸留分離を一般蒸留法で行うこと以外は実施例1と同様
にして反応、蒸留を行う(図2参照)。酢酸脱水蒸留塔
は棚段70段を有し、還流比(還流液量/溜出液量)を
3.4で行う。この結果を表−1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表−1における*1〜*4の意味は以下の
通りである。 *1 排ガス循環量−−−系外にパージする酸化排ガス
量に対し、非凝縮性成分を基準とした循環ガス量の容量
割合を示す。 *2 コンデンサー伝熱面積比−−−酸化反応で発生す
る熱を0.35MPaの圧力を有するスチームとして回
収するコンデンサー2の伝熱面積について、実施例1の
値を基準とした相対値を示す。
【0031】*3 リボイラー消費熱量比−−−酢酸脱
水蒸留系で消費される熱量について、実施例1の値を基
準とした相対値を示す。尚、ここで対象となるのは、酢
酸脱水蒸留塔11のリボイラー14と共沸剤回収塔15
のリボイラー18の消費熱量である。 *4 リボイラー伝熱面積比−−−酢酸脱水蒸留塔11
のリボイラー14の伝熱面積について、実施例1の値を
基準とした相対値を示す。
【0032】上記の結果から、実施例1に対し、酢酸の
脱水蒸留に一般蒸留法を採用した比較例1では、酢酸の
脱水に必要な消費熱量が1.4倍と大きく、この結果、
酸化反応排ガスから回収する0.35MPaの圧力を有
するスチームの副生量を増大させるために、コンデンサ
ー2の伝熱面積を2.1倍にする必要があることがわか
る(*2)。一方、酢酸脱水蒸留塔11のリボイラー1
4の伝熱面積も消費熱量増大に伴い2.1倍にする必要
があるというものである(*4)。
【0033】このように比較例1で該コンデンサー2及
び該リボイラー14の伝熱面積が実施例1よりも増大す
るのは、酸化反応温度を175℃と比較的低温とするこ
とにより、必要なスチーム副生量を維持するのに制約が
発生することが大きな要因である。従って、酸化反応温
度が190℃を超えるような場合では問題にはならな
い。
【0034】また、該コンデンサー2及び該リボイラー
14の材質は何れも酢酸濃度が高い使用環境であること
から、耐腐食性を考慮して、一般的にチタン等の高級金
属又は合金を使用する。したがって、酸化反応温度が比
較的低温の140〜190℃の場合において、酢酸の脱
水蒸留に共沸蒸留法を採用することは、設備コスト縮小
にも大きく影響を及ぼすことにもなるので、以上のこと
から本発明の方法は工業的に極めて有利な方法であると
言える。
【0035】
【発明の効果】本発明により、酸化反応温度が比較的低
温の140〜190℃で行う芳香族カルボン酸の製造に
おいて、共沸蒸留法の採用により消費熱量が低減化で
き、酢酸溶媒に含まれる酸化反応による生成水を効率よ
く蒸留分離できることは、工業的に極めて有利である。
この効果は、芳香族カルボン酸製造において、特定の酸
化反応温度とすることや、共沸蒸留による酢酸の脱水蒸
留法を独立に行うだけでは到底達し得なかったものであ
り、これらの組合せにより、予想外に効率的であり、か
つ初めて得られる格別な効果である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施例1で用いた主酸化反応系
及び共沸蒸留法による酢酸脱水蒸留系を示すものであ
る。
【図2】図2は本発明の比較例1で用いた主酸化反応系
及び一般蒸留法による酢酸脱水蒸留系を示すものであ
る。
【符号の説明】
1:主酸化反応器 2:コンデンサー 3:ブロワー 4:触媒の酢酸溶媒スラリー及びパラキシレンの供給ラ
イン 5:空気の導入ライン 6:酸化排ガスのパージライン 7:酸化排ガスのリサイクルライン 8:反応スラリーの抜き出しライン 9:還流液の抜き出しライン 10:反応副生成物を除去した溜出蒸気ライン 11:酢酸脱水蒸留塔 12:コンデンサー 13:デカンター 14:リボイラー 15:共沸剤回収塔 16:コンデンサー 17:凝縮液タンク 18:リボイラー 19:回収酢酸抜き出しライン 20:共沸剤循環供給ライン 21:デカンター分離水層ライン 22:デカンター分離油層ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 緒方 知彦 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱化学株式会社黒崎事業所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキル芳香族炭化水素を低級脂肪族カ
    ルボン酸中、触媒の存在下、分子状酸素含有ガスによっ
    て液相酸化し、上記酸化によって生成した水と上記低級
    脂肪族カルボン酸との混合物を蒸留分離して低級脂肪族
    カルボン酸を再利用する芳香族カルボン酸の製造方法に
    おいて、上記酸化反応を140〜190℃で行い、この
    反応で発生した熱を回収してこれを上記蒸留分離の熱源
    として利用し、且つ上記蒸留分離の方法として共沸蒸留
    を用いることを特徴とする芳香族カルボン酸の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 酸化反応を行う反応器からガスを抜き出
    し、該ガスから凝縮性成分を凝縮除去して得た酸化排ガ
    スの一部を、反応器の液相部に循環供給する請求項1に
    記載の芳香族カルボン酸の製造方法。
  3. 【請求項3】 共沸蒸留で使用した共沸剤を循環使用す
    るに当たり、該共沸剤に含まれる低沸点副生成物を、蒸
    留により除去する請求項1又は2に記載の芳香族カルボ
    ン酸の製造方法。
  4. 【請求項4】 アルキル芳香族カルボン酸がパラキシレ
    ンである請求項1乃至3の何れかに記載の芳香族カルボ
    ン酸の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100733400B1 (ko) 2005-08-01 2007-06-29 아신기술 주식회사 아세트산, 메틸아세테이트 및 물을 분리하기 위한공비증류공정
JP2009527473A (ja) * 2006-02-20 2009-07-30 エーエムーティーパシフィック カンパニー リミテッド 芳香族化合物の酸化処理において反応炉出口ガスから水を低減する方法

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KR100733400B1 (ko) 2005-08-01 2007-06-29 아신기술 주식회사 아세트산, 메틸아세테이트 및 물을 분리하기 위한공비증류공정
JP2009527473A (ja) * 2006-02-20 2009-07-30 エーエムーティーパシフィック カンパニー リミテッド 芳香族化合物の酸化処理において反応炉出口ガスから水を低減する方法

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