JPH11171496A - 産業車両の油圧回路における電磁弁制御装置 - Google Patents

産業車両の油圧回路における電磁弁制御装置

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JPH11171496A
JPH11171496A JP34285597A JP34285597A JPH11171496A JP H11171496 A JPH11171496 A JP H11171496A JP 34285597 A JP34285597 A JP 34285597A JP 34285597 A JP34285597 A JP 34285597A JP H11171496 A JPH11171496 A JP H11171496A
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solenoid
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solenoid valve
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JP34285597A
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Tadashi Yamada
忠 山田
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Toyota Industries Corp
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Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁弁のソレノイドに流す電流値をフィード
バック制御するうえで必要な回路(ハードウェア)を簡
素化する。 【解決手段】 CPU54はフォークリフトの油圧回路
に設けられた電磁弁の電流値制御を行う。CPU54が
指令したデューティ出力値に応じたPWM信号がPWM
ポート59から出力される。バッテリとソレノイド25
aとの間に接続されたトランジスタ60はPWM信号に
基づいてオンオフ動作する。ソレノイド25aに流れた
電流は電流検出回路52により検出され、ローパスフィ
ルタ53を通過した検出信号(電流検出値)S2がA/
Dポート62に入力される。CPU54は電流値制御用
のプログラムデータを逐次実行し、電流検出値と予め記
憶した目標電流値とを比較し、両値が許容範囲内で一致
するようにデューティ出力値を補正するようになってい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は産業車両に設けられ
た油圧シリンダを駆動させるためにその油路に設けられ
た電磁弁の開度を電流値制御する産業車両の油圧回路に
おける電磁弁制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開平7−61792号公
報には、フォークリフトに備えられたリフトシリンダや
ティルトシリンダの油路上に設けられた電磁弁をコント
ローラが制御することで、作業者による荷役レバーの操
作に独立して、フォークを水平姿勢で停止させる自動水
平停止制御や、マストの傾動速度制御を行う装置が開示
されている。
【0003】電磁弁はそのソレノイドを流れる電流がコ
ントローラにより制御されることで、必要な開度に調節
される。コントローラは各種センサからの検出値から電
磁弁の開度が決まると、その開度から一義的に決まる電
流指令値(目標電流値)をソレノイド駆動回路に指令す
る。ソレノイド駆動回路には例えばスイッチング素子が
備えられ、電流指令値に基づいてスイッチング素子がオ
ンオフすることで、バッテリからソレノイドに流れる電
流が制御される。
【0004】ところで、バッテリが満充電のときと空充
電に近い状態のときとでは、ソレノイドに印加される電
圧が異なってくる。また、油温上昇やソレノイドを流れ
る電流によりソレノイドが温度上昇すればその直流抵抗
値が変わることになる。これらの場合、電流指令値通り
にスイッチング素子がオンオフしても、ソレノイドを流
れる電流値が変動し、電磁弁の開度がばらつくため、荷
役機器等を精度高く速度制御することが困難になる。こ
のため、従来、フィードバック制御によりソレノイドを
流れる電流を制御するようにしていた。
【0005】従来は、図9に示すようにフィードバック
制御用のハードウェアを採用していた。フィードバック
制御用の回路には、三角波発生回路81、デューティ発
生回路82、電流検出回路83、フィードバック回路8
4が必要であった。三角波発生回路81は複数の抵抗R
1,コンデンサC1、コンパレータ85とを備え、2つ
の入力端子から電源電圧(例えば5V)と、クロック回
路86からのクロック信号とを入力し、その出力端子か
らクロック信号と同じ周波数(例えば2kHz)の三角
波信号を出力する。ディーティ発生回路82はコンパレ
ータ87からなり、三角波信号とフィードバック回路8
4からの入力電圧とを比較し、入力電圧が三角波信号よ
りも大きな電圧値をとるときにオンになることで所定デ
ューティ比のPWM信号を出力する。そして、駆動回路
88に内蔵されたトランジスタ89がデューティ発生回
路82から入力されるPWM信号に基づいてオンオフ動
作し、ソレノイド90を流れる電流がデューティ比制御
される。電流検出回路83は、抵抗R2,増幅器91等
を備え、ソレノイド90を流れた電流を分圧するととも
に増幅して出力する。フィードバック回路84は、コン
パレータ92,抵抗R3,コンデンサC3を備え、CP
U93がD/Aポート94から出力した指令値(電圧;
V1)と、電流検出回路83の出力値(電圧:V2)と
の差に比例した信号(電圧;a(V1−V2))を出力
する。こうしてデューティ発生回路82に入力されるフ
ィードバック回路84からの出力電圧が、ソレノイド9
0を流れる電流値に応じて補正されることで、ソレノイ
ド90に電流指令値通りの電流が流れるようになってい
た。
【0006】つまり、CPU93は電流指令値を指令す
るだけであり、ハードウェアを構成する各回路81〜8
4がその電流指令値とソレノイド90を流れる電流を検
出した電流値とが一致するようにトランジスタ89のオ
ン時間を補正するフィードバック制御を行っていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図9に
示すフィードバック制御用のハードウェアを用いた構成
によると、ハードウェアを構成する各種回路81〜84
が必要なため回路構成が複雑になるうえ、各種回路81
〜84を構成するための電子部品等の部品点数が多くな
るという問題があった。このためコントローラのコスト
も高くなっていた。
【0008】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その第1の目的は、電磁弁のソレノイドに
流す電流値をフィードバック制御するうえで必要になる
回路を簡素化する産業車両の油圧回路における電磁弁制
御装置を提供することにある。第2の目的は、ソレノイ
ドを流れる電流値を比較的早期に目標電流値に一致させ
ることにある。第3の目的は、ディザ制御を採用しても
正しい電流検出値を得ることにある。第4の目的は、デ
ィザ制御を採用しても、電流検出値の遅延を極力抑えて
即応性の高いフィードバック制御を実現することにあ
る。第5の目的は、更新した電流指令値を活用し、電流
指令値の補正量を小さく抑えたり補正の回数を減らし、
ソレノイドを流れる電流値を早期に目標電流値に一致さ
せることにある。第6の目的は、荷役機器の停止位置精
度の向上を図ることにある。第7の目的は、マストの傾
動速度を荷役機器の揚高に応じて変化させることで、マ
スト後傾時の荷の安定度を確保することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るため請求項1に記載の発明では、荷役機器を駆動する
ための油圧シリンダの油路上に設けられた電磁弁と、前
記電磁弁のソレノイドに流すべき電流を予め目標電流値
として記憶する記憶手段と、前記ソレノイドに流れる電
流を制御するための電流指令値を出力する制御手段と、
前記ソレノイドに流れる電流を前記制御手段から入力し
た電流指令値に基づいて調節する電流調節手段と、前記
ソレノイドに流れる電流を検出して前記制御手段に出力
する電流検出手段とを備え、前記制御手段は、前記電流
検出手段により検出された電流検出値と前記目標電流値
とを比較し、両値が許容範囲内で一致するように前記電
流指令値を補正する補正処理をプログラムデータに基づ
いて行う指令値補正手段を備えている。
【0010】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記制御手段から出力される前記電
流指令値は、該指令値に応じたデューティ比を有するP
WM信号であって、前記電流調節手段は、電源と前記ソ
レノイドとの間に介装されて前記制御手段から入力した
PWM信号に基づいて動作するスイッチング手段を備え
ている。
【0011】第2の目的を達成するため請求項3に記載
の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明におい
て、前記指令値補正手段は、前記電流検出値と前記目標
電流値との差が大きいほど前記電流指令値を補正する際
の補正量を大きくするように設定されている。
【0012】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載の発明において、前記指令値補正手段は、前記電流検
出値と前記目標電流値との差が所定値以上であるときに
大きな補正量で粗調整をし、前記電流検出値と前記目標
電流値のと差が所定値未満であるときに小さな補正量で
微調整をすることをその要旨とする。
【0013】第3の目的を達成するため請求項5に記載
の発明では、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載
の発明において、前記制御手段は、前記ソレノイドに流
れる電流を前記電流指令値を中心に所定周期で微小振幅
させるディザ制御を行っており、前記電流検出手段から
入力した前記所定周期で振幅する検出信号の振幅中心を
前記電流検出値として算出する検出値算出手段を備えて
いる。
【0014】第4の目的を達成するため請求項6に記載
の発明では、請求項5に記載の発明において、前記検出
値算出手段は、前記電流検出手段から入力した前記検出
信号に対してその周期の自然数倍の一定時間当たりに、
少なくとも1周期につき2回以上サンプリングされるよ
うに偶数回のサンプリングを行い、この偶数個のサンプ
リング値の平均を前記電流検出値として算出することを
その要旨とする。
【0015】請求項7に記載の発明では、請求項6に記
載の発明において、前記検出値算出手段は、前記電流検
出手段から入力した前記検出信号に対してその1周期に
等しい一定時間当たりに偶数回のサンプリングを行い、
この偶数個のサンプリング値の平均を電流検出値として
算出することをその要旨とする。
【0016】第5の目的を達成するため請求項8に記載
の発明では、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載
の発明において、前記制御手段は、前記指令値補正手段
により更新された電流指令値を前記目標電流値に対応さ
せて前記記憶手段に記憶し、該記憶手段に記憶された目
標電流値に対応する電流指令値を、前記電磁弁の開度の
制御を開始する際の初期値とする学習機能を備えてい
る。
【0017】第6の目的を達成するため請求項9に記載
の発明では、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載
の発明において、前記記憶手段には、前記荷役機器が所
定状態に停止する直前で減速するように前記電磁弁の開
度を調節し得る前記目標電流値が記憶されており、該目
標電流値に基づいて前記制御手段は前記ソレノイドを流
れる電流値を制御する停止制御を行うことをその要旨と
する。
【0018】第7の目的を達成するため請求項10に記
載の発明では、請求項1〜請求項9のいずれか一項に記
載の発明において、前記油圧シリンダは、前記荷役機器
を昇降可能に支持するマストを前後に傾動させるための
ものであって、前記荷役機器の揚高を検出する揚高検出
手段を備え、前記記憶手段には、前記マストが前記揚高
検出手段により検出された揚高に応じた傾動速度となる
ように前記目標電流値が揚高に応じて設定されており、
該目標電流値に基づいて前記制御手段は前記ソレノイド
を流れる電流値を制御することをその要旨とする。
【0019】(作用)従って、請求項1に記載の発明に
よれば、油圧シリンダの油路上に設けられた電磁弁の開
度が制御されることで、油圧シリンダの駆動速度が調節
されて荷役機器の速度制御が行われる。制御手段から出
力される電流指令値に基づいて電流調節手段が電磁弁の
ソレノイドに流れる電流を調節し、電磁弁がソレノイド
に流れる電流に応じた開度になる。ソレノイドを流れる
電流は電流検出手段により検出され、制御手段に入力さ
れる。制御手段では、指令値補正手段が電流検出値と目
標電流値とを比較し、両値が許容範囲内で一致するよう
に電流指令値を補正する補正処理をプログラムデータに
基づいて実行する。従って、充電池の容量変化や、油温
上昇等の温度要因によるソレノイドの抵抗値変化に拘わ
らず、目標電流値通りの電流がソレノイドに流れること
になる。その結果、電磁弁が常に必要な開度に調節され
る。
【0020】請求項2に記載の発明によれば、制御手段
からは電流指令値として所定のデューティ比を有するP
WM信号が出力される。電流調節手段に入力されたPW
M信号に基づいてスイッチング手段がオンオフ動作する
ことで、ソレノイドを流れる電流の制御が行われる。
【0021】請求項3に記載の発明によれば、指令値補
正手段は、電流検出値と目標電流値との差が大きいほど
電流指令値を補正する際の補正量を大きくする。請求項
4に記載の発明によれば、指令値補正手段は、電流検出
値と目標電流値との差が所定値以上であるときに相対的
に大きな補正量で粗調整をし、電流検出値と目標電流値
のと差が所定値未満であるときに相対的に小さな補正量
で微調整をする。
【0022】請求項5に記載の発明によれば、制御手段
は、ソレノイドに流れる電流が電流指令値を中心に所定
周期で振幅するようにディザ制御を行う。このディザ制
御により電磁弁のスプールが微小振動することで、スプ
ールとボディとの摩擦係数が低下し、スプールの移動が
円滑になる。制御手段には電流検出手段から所定周期で
振幅する検出信号が入力されることになるが、検出値算
出手段が検出信号の振幅中心を電流検出値として算出す
る。
【0023】請求項6に記載の発明によれば、検出値算
出手段は、電流検出手段から入力した検出信号に対して
その周期の自然数倍の一定時間当たりに、少なくとも1
周期につき2回以上のサンプリングが確保されるよう
に、偶数回のサンプリングを行い、この偶数個のサンプ
リング値の平均を電流検出値として算出する。
【0024】請求項7に記載の発明によれば、検出値算
出手段は、電流検出手段から入力した検出信号に対して
1周期に等しい一定時間当たりに偶数回のサンプリング
を行い、この偶数個のサンプリング値の平均を電流検出
値として算出する。
【0025】請求項8に記載の発明によれば、指令値補
正手段により更新された電流指令値は、目標電流値に対
応付けられて記憶手段に記憶されて学習される。制御手
段は、記憶手段に記憶された目標電流値に対応する電流
指令値を、電磁弁の開度制御を開始する際の初期値とす
る。従って、この学習機能により、補正量の減少や補正
頻度の低減が図られ、早期にソレノイドを流れる電流が
目標電流値に近づくことになる。
【0026】請求項9に記載の発明によれば、荷役機器
が所定状態に停止する直前で減速するように電磁弁の開
度を調節し得るように記憶手段に記憶された目標電流値
に基づいて制御手段は、ソレノイドを流れる電流値を制
御する停止制御を行う。充電池の容量変化や、ソレノイ
ドの温度要因による抵抗値変化があっても、この停止制
御過程においてソレノイドを流れる電流がほぼ目標電流
値通りになるため、荷役機器が停止した際の位置精度の
向上が図られる。
【0027】請求項10に記載の発明によれば、揚高検
出手段により検出された荷役機器の揚高に応じた目標電
流値が記憶手段から読み出され、この目標電流値に基づ
いて制御手段は、ソレノイドを流れる電流値を制御す
る。その結果、ソレノイドを流れる電流がほぼ目標電流
値通りになるため、マストが揚高に応じた傾動速度に精
度良く制御される。
【0028】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明を
具体化した一実施形態を図1〜図8に基づいて説明す
る。
【0029】図7に示すように、産業車両としてのフォ
ークリフト1には、荷役機器としてのフォーク2を昇降
させるためのリフトシリンダ3と、フォーク2が昇降可
能に支持されたマスト4を傾動させるための油圧シリン
ダとしてのティルトシリンダ5が設けられている。運転
室6にはリフトシリンダ3を伸縮駆動させるために操作
するリフトレバー7と、ティルトシリンダ5を伸縮駆動
させるために操作するティルトレバー8が装備されてい
る。フォークリフト1の車体1aには、リフトシリンダ
3及びティルトシリンダ5を駆動するための図8に示す
油圧回路が設けられている。
【0030】油圧回路は次のように構成されている。図
8に示すように、オイルタンク10から作動油を汲み上
げて吐出する油圧ポンプ11は、エンジン12(図7に
示す)により駆動される。油圧ポンプ11から管路13
を通って吐出された作動油は、フローディバイダ14で
所定圧以上に昇圧されてから、荷役系の油圧回路と、ス
テアリング系のステアリングバルブ15とに分流され
る。
【0031】フローディバイダ14から荷役系に分流さ
れた圧油が通る作動油供給用管路16は、オイルタンク
10に戻る戻り管路17に接続されており、リフト用手
動切換弁18とティルト用手動切換弁19は、この作動
油供給用管路16上に直列に配設されている。
【0032】リフト用手動切換弁18は3位置切換弁で
あり、リフトレバー7を上昇・中立・下降操作すること
によりa,b,cの3つの状態に切換可能となってい
る。リフト用手動切換弁18が3つの状態に切換えられ
ることで、ボトム室3aに繋がる管路20と、分岐管路
16a及び戻り管路17との間が連通・遮断状態に切換
えられる。
【0033】油圧ポンプ11の吐出圧は管路13に接続
された圧力伝達管路21に伝達されるようになってい
る。圧力伝達管路21上に設けられた減圧弁22は、そ
の下流側において圧力伝達管路21の油圧を所定のパイ
ロット設定圧に調整するためのものである。
【0034】ティルト用手動切換弁19は3位置切換弁
であり、ティルトレバー8を後傾・中立・前傾操作する
ことによりティルト用手動切換弁19がa,b,cの3
つの状態に切換可能となっている。ティルト用手動切換
弁19が3つの状態に切換えられることで、ロッド室5
aに繋がる管路23aとボトム室5bに繋がる管路23
bが、分岐管路16bと排出管路24との間で連通・遮
断状態に切換えられる。ティルトシリンダ5は、ティル
ト用手動切換弁19がa状態(後傾位置)に切換えられ
たときに収縮駆動し、ティルト用手動切換弁19がc状
態(前傾位置)に切換えられたときに伸長駆動するよう
になっている。
【0035】本実施形態では、ティルトレバー8の操作
に独立してマスト4の停止制御や速度制御を行うため、
管路23a上には電磁弁25が設けられている。電磁弁
25は、管路23a上に設けられた制御弁26と、制御
弁26のスプールを駆動するためのパイロット圧を調節
するための比例ソレノイド弁27とから構成されてい
る。電磁弁25のソレノイド25aを流れる電流の電流
値制御により、管路23aを流れる作動油の油路の開度
が調節される。
【0036】リリーフ弁28は、リフト用手動切換弁1
8がa状態(上昇位置)に切換えられた際に、リフト系
の油路が所定圧(リフト設定圧)になるように管路29
を介して余分な作動油を逃がすためのものである。ま
た、リリーフ弁30は、ティルト用手動切換弁19がa
状態(後傾位置)またはc状態(前傾位置)のいずれか
に切換えられた際に、ティルト系の油路が所定圧(ティ
ルト設定圧)になるように管路31を介して余分な作動
油を逃がすためのものである。また、チェック弁32,
33,34は作動油の逆流を阻止するためのものであ
る。フィルタ35は、電磁弁25に流れないように油中
のゴミを除去するために設けたものである。なお、管路
16b,23a,23b,24がティルトシリンダ5を
駆動するためのティルト系の油路を構成している。
【0037】次に、この油圧制御装置の電気的構成を図
4に基づいて説明する。本実施形態では、コントローラ
40が電磁弁25の開度を電流値制御することで、マス
ト4の速度制御や停止制御などのティルト制御を行う。
コントローラ40には、これらの各種制御を行うために
必要な検出値を得るためのセンサ類として、揚高検出手
段としての揚高センサ41,ポテンショメータ42,圧
力センサ43,前傾スイッチ44,後傾スイッチ45及
び操作スイッチ46が接続されている。
【0038】揚高センサ41はアウタマスト4aの上部
に設けられ、フォーク2が所定高さ以上にある高揚高の
ときにオンし、フォーク2が所定高さ未満の低揚高のと
きにオフするようになっている。揚高センサ41は例え
ば近接センサからなる。また、ポテンショメータ42は
ティルトシリンダ5の姿勢角を検出してマスト4の傾斜
角(ティルト角)を間接的に検出するためのものであ
り、マスト4の傾斜角に応じた検出信号を出力するよう
になっている。また、圧力センサ43はリフトシリンダ
3のボトム室3aの油圧を検出するためのものであり、
フォーク2に積載された荷の重量(荷重)に応じた検出
信号を出力する。
【0039】前傾スイッチ44はティルトレバー8が前
傾操作されたことを検知するためのもので、後傾スイッ
チ45はティルトレバー8が後傾操作されたことを検知
するためのものである。両スイッチ44,45は例えば
マイクロスイッチからなる。また、操作スイッチ46は
ティルトレバー8のノブ8aに設けられ、ティルトレバ
ー8を操作する際にフォーク2を水平姿勢で自動停止さ
せたいときに操作者が操作するためのものである。
【0040】コントローラ40は、マイクロコンピュー
タ50、電流調節手段としてのソレノイド駆動回路5
1、電流検出手段を構成する電流検出回路52及びロー
パスフィルタ53を備えている。マイクロコンピュータ
50は、制御手段、指令値補正手段を構成するとともに
検出値算出手段としての中央処理装置(以下CPUとい
う)54、制御手段及び指令値補正手段を構成する読み
出し専用メモリ(ROM)55、EEPROM(Elect
oricalErasable Programmable ROM)56、記憶手
段としての読出し及び書替え可能なメモリ(RAM)5
7を備える。
【0041】CPU54には、揚高センサ41、前傾ス
イッチ44、後傾スイッチ45及び操作スイッチ46が
入力インタフェイス(図示せず)を介して接続されると
ともに、ポテンショメータ42及び圧力センサ43がA
/D変換回路(図示せず)及び入力インタフェイスを介
して接続されている。CPU54に出力インタフェイス
(図示せず)を介して接続されるソレノイド駆動回路5
1には、バッテリ58のプラス端子が接続されるととも
に、ソレノイド25aの第1端部が接続されている。ソ
レノイド25aの第2端部は電流検出回路52に接続さ
れており、ソレノイド25aを流れた電流が電流検出回
路52により検出されるようになっている。電流検出回
路52からの検出電圧(検出信号)はローパスフィルタ
53を介してCPU54に入力されるようになってい
る。
【0042】図1に示すように、CPU54はPWMポ
ート59を備える。PWMポート59は、CPU54に
より実行される後述する電流値制御処理で決定された電
流指令値としてのデューティ出力値Doutに基づき、そ
の後の割込処理で、Dout値に後述するディザ制御のた
めのディザ振幅分を乗せた出力値が書き込まれると、こ
の出力値に応じたデューティ比のパルスを有する2kH
zのPWM信号を生成して出力する。CPU54は書込
む出力値に基づいてPWMポート59から出力されるP
WM信号を制御し、電磁弁25の電流値制御を行う。本
実施形態では、ソレノイド25aに流れる電流を約10
0Hzで微小振幅させるディザ制御を採用しており、D
out値を中心にディザ振幅分の値を加減算して出力値を
得るのはそのためである。このディザ制御によって、電
磁弁25のスプールを所定周波数(約100Hz)で微
小振動させることにより、その摩擦係数を低減してスプ
ールの動作をスムーズにするようにしている。
【0043】本実施形態では、CPU54は電流値制御
処理を10ミリ秒毎に実行し、PWMポート59へのデ
ューティ出力値Doutの書き込みが10ミリ秒単位で行
われる。そのため、従来技術で述べたハードウェア構成
のフィードバック回路のように2kHzのPWM信号が
1パルスずつ制御される訳ではなく、50パルス単位で
制御される。
【0044】ソレノイド駆動回路51はPWM信号に基
づきオン・オフ動作するスイッチング手段としてのトラ
ンジスタ60を内蔵している。このトランジスタ60の
コレクタはバッテリ(+B)に接続され、そのエミッタ
がソレノイド25aの第1端部に接続されている。
【0045】ソレノイド25aの第2端部と接続された
電流検出回路52は、ソレノイド25aと直列に接続さ
れた抵抗R4を備え、抵抗R4の両端に印加される電圧
を増幅器61を介して増幅して検出信号S1として出力
する。つまり、電流検出回路52は従来技術で述べた電
流検出回路と同じ構成を有する。電流検出回路52から
の検出信号S1は、図2(a)に示すように100Hz
と2kHzのリプルが乗った信号である。ローパスフィ
ルタ53は、検出信号S1から2kHzのリプルのみを
取り除くようにその帯域制限周波数が設定されており、
ディザ制御による周波数100Hzで振幅する図2
(b)に示すようなサイン波の検出信号S2を出力す
る。CPU54は100Hzで振幅する検出信号S2を
A/Dポート62を介して量子化された形で入力する。
ローパスフィルタ53において、100Hzのリプルを
取り除かないのは、ローパスフィルタ53を通過する際
の信号の遅延を極力なくし、電流検出値をできるだけリ
アルタイムに近い状態で得るためである。
【0046】ROM55には各種制御プログラム及びプ
ログラムを実行する際に必要な各種データが記憶(格
納)されている。その中の一つにソレノイド25aを電
流値制御するための図3に示す電流値制御処理のプログ
ラムデータがある。CPU54は、この電流値制御処理
のプログラムデータに基づいて電流指令値としてのデュ
ーティ出力値Doutを補正するフィードバック制御を実
行するようになっている。
【0047】CPU54は検出信号S2の振幅の中心値
を、この電流値制御処理に必要な電流検出値Vadとして
算出する。すなわち、CPU54は10ミリ秒単位で1
サイクル分ずつ入力する検出信号S2に対し、図2
(c)に示すように2.5ミリ秒毎の割込み処理で1サ
イクル当たりに4回のサンプリングをする(同図の黒点
部がサンプリング点)。1サイクルのうち最初の3回の
サンプリング値を保存し、4回目のサンプリングを終え
る度に、1サイクル分の計4個のサンプリング値を平均
して検出信号S2の中心値である電流検出値Vadを算出
する。なお、本実施形態では検出信号S2の1サイクル
当たりのサンプリング回数を4回としたが、2回以上の
偶数回であれば足りる。
【0048】このように本実施形態では、図1に示すよ
うにローパスフィルタ53が付加されるものの、従来技
術で述べた三角波発生回路81,デューティ発生回路8
2及びフィードバック回路84が取り除かれ、従来装置
に比較してハードウェアが簡素化された構成になってい
る。
【0049】また、ROM55には、電磁弁25の電流
値制御により行われるマスト4のティルト制御である前
傾角規制制御、自動水平停止制御、後傾速度制御、衝撃
緩和制御(ショックレス制御)等のための各種プログラ
ムデータが記憶されている。
【0050】後傾速度制御とは、マスト4の後傾速度を
揚高に応じて段階的(本実施形態では例えば2段階)に
切換えるものであり、高揚高のときにマスト4の後傾速
度を制限する制御である。EEPROM56には後傾速
度制御を実行するために必要なデータとして、揚高セン
サ41の検知信号から把握されるフォーク2の揚高に応
じた目標電流値Vintを求めるためのマップが記憶され
ている。本実施形態では、図5に示すように低揚高時に
目標電流値Vint=Vn、高揚高時に目標電流値Vint=
Vm(但し、Vn>Vm)が設定されており、マスト4の
後傾速度を高揚高時に制限するようにしている。なお、
電磁弁25はソレノイド25aに流れる電流がIo未満
のときに閉弁する。
【0051】前傾角規制制御とは、揚高と荷重から決ま
るマスト4の最大許容前傾規制角(以下、単に前傾規制
角という)θkをマップを用いて求め、ティルトレバー
8が前傾操作されていても、マスト4を揚高と荷重から
決まる前傾規制角で強制的に停止させる制御である。E
EPROM56には揚高と積載荷重Mとから前傾規制角
θkを求めるための図6に示すマップが記憶されてい
る。マップは、高揚高の場合(実線)と、低揚高の場合
(鎖線)との2種類が用意され、各高揚毎に積載荷重M
に応じた前傾規制角θkが設定されている。
【0052】また、自動水平停止制御とは、操作スイッ
チ46を押しながらティルトレバー8が操作されたとき
に、フォーク2が水平姿勢となった時点でマスト4を自
動停止させる制御である。
【0053】ショックレス制御とは、マスト4を所定停
止角で停止させる直前で一定の傾きで減速させることに
より、マスト4の停止時の衝撃を緩和するための停止制
御である。このショックレス制御は、前傾角規制制御,
自動水平停止制御,後傾マニュアル操作時においてマス
ト4を停止させる際に実行される。EEPROM56に
はショックレス制御を実行するために必要なデータとし
て、マスト4を停止させる停止角(詳しくは前傾規制角
θk,水平設定角,後傾エンド角)θsで速度「0」とな
るように停止角θsから一義的に決まる減速開始角θoか
ら停止角θsに至る過程でほぼ一定の傾きで減少するよ
うに図5に示すように設定された目標電流値Vintが記
憶されている。なお、EEPROM56のデータは、車
両機種別、車両用途別、機器精度のばらつき等を考慮し
て、設定操作部(図示せず)を操作することで機台毎に
個々に設定できるようになっている。
【0054】また、RAM57には、デューティ出力値
Doutを補正する際の補正量として使用する補正デュー
ティ値Drevが、目標電流値Vintに対応付けられた形で
記憶される。この補正デューティ値Drevは電流値制御
処理において逐次更新される。目標電流値Vint が0ア
ンペアから開弁する電流値に立ち上がるときに、キーオ
ン後これまでに学習した補正デューティ値Drev の初期
値をRAM57から読み込む学習機能を備える。なお、
エンジンキーオフによってRAM57のデータは消去さ
れ、再キーオン時に補正デューティ値Drev の初期値読
込みデータは削除されて無いため、キーオンの度にDre
v 初期値の学習はスタートされる。
【0055】次に電流値制御処理のプログラムデータに
ついて図3に従って説明する。ステップ10は、必要な
データを読み込むためのデータ読込処理である。この処
理では、目標電流値Vint,電流検出値Vad,補正デュ
ーティ値Drevを読み込む。
【0056】ステップ20は、目標電流値Vintをデュ
ーティ出力値Doutで換算したデフォルトデューティ値
Ddefを算出するための処理である。デフォルトデュー
ティ値Ddefは、Ddef=Vint/nにより算出される。
変換係数「n」は例えばバッテリが基準容量(例えばM
AX充電の80〜90%の充電容量)にあるときを基準
にして設定されている。
【0057】ステップ30〜ステップ60は、電流検出
値Vadが目標電流値Vintに対してどの程度ずれている
かを判断するための処理である。本実施形態では、電流
検出値Vadが目標電流値Vintに対して小さなずれ
(差)であるか、大きなずれであるかを区別できるよう
にしている。すなわち、電流検出値Vadの目標電流値V
intに対するずれがVo〜4Vo(例えばVo=8AD値
(但し1024ビット))の範囲にある小さなずれの場
合と、そのずれが4Vo以上である大きなずれの場合で
ある。
【0058】ステップ70〜ステップ100は、電流検
出値Vadの目標電流値Vintに対するずれ量(差)に応
じて補正デューティ値Drevを補正する処理である。デ
ューティ出力値DoutはDout=Ddef+Drevで表わされ
る。つまり、補正デューティ値Drevが補正されること
で、デューティ出力値Doutが補正される。本実施形態
では、目標電流値Vintに対する電流検出値Vadのずれ
量がVo〜4Voの範囲内と比較的小さい場合には、補正
デューティ値Drevの補正量をα(例えばα=1bit(デ
ューティ出力値Doutの最大値の約0.4%に相当))
と小さくして微調整を行い、そのずれ量が4Vo以上と
大きい場合には、補正デューティ値Drevの補正量を4
α(同じく約1.6%に相当)と大きくして粗調整を行
うように設定されている。
【0059】ステップ110は、デューティ出力値Dou
tを算出する処理である。すなわち、Dout=Drev+Dd
efにより算出する。ここで、電流検出値Vadの目標電流
値Vintに対するずれ量がVo未満である場合には、前回
までの補正デューティ値Drevがそのまま採用される。
ステップ120は、デューティ出力値Dout をRAM5
7に一旦記憶し、その後、割込処理で、デューティ出力
値Dout にディザ振幅分を乗せた出力値をPWMポート
59に書き込む処理である。なお、割込処理では、2k
HzのPWM信号を出力可能な時間間隔毎に出力値の書
込処理が実行される。
【0060】また、目標電流値Vintが「0アンペア」
のときには、図3の電流値制御処理のうちステップ30
〜ステップ100の処理を省くように設定されている。
これは、目標電流値Vintが0アンペアであるにも拘わ
らず、補正デューティ値Drevが補正されたために電磁
弁25が間違って開弁することを防止するためである。
【0061】次に、フォークリフト1に装備された油圧
制御装置の動作を説明する。キ−オンされると、エンジ
ン12が始動され、油圧ポンプ11の駆動が開始され
る。エンジン始動後、圧力伝達管路21の油圧はパイロ
ット設定圧に達する。油圧ポンプ11から吐出された作
動油はフローディバイダ14において所定圧に昇圧され
た後、荷役系とステアリング系に分流される。
【0062】ティルトレバー8を操作したときには、コ
ントローラ40により電磁弁25が開度制御されること
で、マスト4のティルト制御が行われる。キーオン中
は、CPU54が例えば10ミリ秒毎に電磁弁25の電
流値制御を実行する。CPU54は、各センサ41〜4
3及びスイッチ44〜46からの入力信号に基づいて現
在実行すべき制御に応じたティルトモード(つまり前傾
規制モード,後傾マニュアルモード,自動水平停止モー
ド,ショックレスモード等)を認知し、そのティルトモ
ードに応じた目標電流値Vintを得る。例えば後傾マニ
ュアルモードであれば、揚高センサ41からの検知信号
に基づいて把握されるフォーク2の揚高に応じて、目標
電流値Vintが低揚高のときにVn,高揚高のときにVm
に決まる。また、ショックレスモードであれば、ポテン
ショメータ42からの検出信号から把握されるマスト4
のティルト角から図5に示すように減速開始角θoから
の角度変位量に応じた目標電流値Vintが決まる。RA
M57には目標電流値Vint毎に対応付けられた形で補
正デューティ値Drevのデータが保存される。
【0063】目標電流値Vint が0アンペアから0アン
ペアでなくなったとき、つまり閉弁状態から開弁状態に
しようとするときに、補正デューティ値Drev の初期値
が必要となる。CPU54はまず現在のティルトモード
から目標電流値Vintが決まると、RAM57からこの
目標電流値Vintに対応する補正デューティ値Drevを読
み出す。まず目標電流値Vintからデフォルトデューテ
ィ値Ddefを、式Ddef=Vint/nにより算出し、この
Ddef値を使ってデューティ出力値Doutを、式Dout=
Ddef+Drevにより算出する。そして、このデューティ
出力値Doutを電流値制御の初期値としてRAM57に
一旦記憶した後、割込処理で、この初期値Dout にディ
ザ振幅分を乗せた出力値をPWMポート59に書き込
む。
【0064】PWMポート59は、その書き込まれた出
力値に基づき、デューティ比がその初期値Doutに相当
する値(デューティ比)を中心に100Hzで微小振幅
する2kHzのPWM信号を50パルス単位で出力す
る。そして、ソレノイド駆動回路51に入力されたPW
M信号に基づいてトランジスタ60がオンオフ動作し、
ソレノイド25aに流れる初期電流が決まる。
【0065】ソレノイド25aを流れた電流は電流検出
回路52に入力され、電流検出回路25aからはソレノ
イド25aに流れた電流に比例する電圧波形を有する図
2(a)に示す検出信号S1が出力される。検出信号S
1はローパスフィルタ53に入力され、検出信号S1か
ら2kHzのリプルが取り除かれた検出信号S2がロー
パスフィルタ53からA/Dポート62を介してCPU
54に入力される。
【0066】CPU54は10ミリ秒に1サイクルずつ
入力する検出信号S2に対し、2.5ミリ秒毎に割込み
処理でサンプリングを行い、RAM57の所定記憶領域
に3個のサンプリング値を逐次保存し、その1サイクル
において4回目のサンプリングを終えると、1サイクル
分の計4個のサンプリング値(図2(c)を参照)を平
均して電流検出値Vadを算出する。この電流検出値Vad
は検出信号S2の1サイクルに偶数回行った偶数個のサ
ンプリング値の平均値であるので、検出信号S2の振幅
の中心値となる。このようにCPU54は10ミリ秒毎
に電流検出値Vadを算出し、この電流検出値Vadを用い
て図3の電流値制御処理を実行する。なお、ローパスフ
ィルタ53を通過する際の信号の遅延時間は比較的短
く、ソレノイド25aを流れた電流値はほぼリアルタイ
ムに近い状態でCPU54により検出される。
【0067】以下、CPU54が実行する電流値制御処
理について図3に従って説明する。まず、ステップ10
において、目標電流値Vint,電流検出値Vad,補正デ
ューティ値Drevを読み込む。この際、その時々のティ
ルトモードに応じて決まる目標電流値Vintが読み込ま
れ、この目標電流値Vintに対応した補正デューティ値
Drevが読み込まれる。
【0068】ステップ20では、目標電流値Vintから
デフォルトデューティ値Ddefを算出する。すなわち、
Ddef=Vint/nを算出する。例えばバッテリ58が満
充電であるなどの理由から、電流検出値Vadが目標電流
値Vintに対して4Vo以上ずれてそのずれ量が大きいと
きには、ステップ30におけるVad≧Vint+4Vo、あ
るいはステップ50におけるVad≦Vint−4Voの条件
を満たすことになる。ソレノイド25aに実際に流れた
電流値が目標電流値よりかなり大きく、電流検出値Vad
が目標電流値Vintよりも4Vo以上大きな値である場合
には、ステップ30においてVad≧Vint+4Voが成立
するためステップ70に進み、補正デューティ値Drev
を「4α」だけ小さく補正する(Drev=Drev−4
α)。そして、ステップ110において、この補正した
補正デューティ値Drevを用いて、デューティ出力値Do
utを式Dout=Ddef+Drevから算出する。従って、前
回よりも「4α」だけ小さいデューティ出力値Doutが
PWMポート59に書き込まれることになる。例えばα
=1AD値であれば、デューティ出力値Doutがその最
大値の約1.6%に相当する分だけ小さく補正される。
そのため、ソレノイド25aに流れる電流が小さい側に
粗調整される。この際、RAM57に記憶されたその時
の目標電流値Vintに対応する補正デューティ値Drevが
更新したデータに書替えられる。
【0069】こうして以後、ステップ30において、V
ad≧Vint+4Voが成立する間は、デューティ出力値D
outが前回の値Doutに対して4α(最大値の約1.6
%)ずつ小さく補正される。つまり、その補正量が相対
的に大きい粗調整が行われる。
【0070】そして、デューティ出力値Doutが4αず
つ小さく補正されたことにより、目標電流値Vintに対
して4Vo以上あった電流検出値Vadのずれ量がVo〜4
Voの範囲に収まったときや、もともとそのずれ量がVo
〜4Voの範囲内と小さいときには、ステップ40にお
いて、Vad≧Vint+Voの条件が成立することになる。
そのため、ステップ80に進み、補正デューティ値Dre
vを「α」だけ小さく補正する(Drev=Drev−α)。
そして、ステップ110において、この補正した補正デ
ューティ値Drevを用いて、デューティ出力値Doutを式
Dout=Ddef+Drevから算出する。従って、前回より
も「α」だけ小さいデューティ出力値Doutが決まる。
例えばα=1ADであれば、デューティ出力値Doutが
その最大値の約0.4%に相当する分だけ小さく補正さ
れる。そのため、ソレノイド25aに流れる電流が小さ
い側に微調整される。
【0071】こうして以後、ステップ40において、V
ad≧Vint+Voが成立する間は、デューティ出力値Dou
tが前回の値Doutに対してα(最大値の0.4%)ずつ
小さく補正される。つまり、その補正量が相対的に小さ
い微調整が行われる。
【0072】そして、デューティ出力値Doutがαずつ
小さく補正されたことにより、電流検出値Vadの目標電
流値Vintに対するずれ量がVo未満に収まれば、目標電
流値Vintが変化しない限り、毎回の処理において同じ
値Drevが採用されることになる。こうしてソレノイド
25aにほぼ目標電流値Vint通りの電流が流れること
になり、電磁弁25が必要な開度となる。
【0073】また、例えばバッテリ58が空充電に近い
状態にあったり、油温上昇等によるソレノイド25aの
温度上昇からその直流抵抗値が大きくなるなどの理由
で、電流検出値Vadが目標電流値Vintに対して4Vo以
上小さな値をとる場合には、ステップ50において、V
ad≦Vint−4Voの条件が成立することになる。そのた
め、ステップ90に進み、補正デューティ値Drevを
「4α」だけ大きく補正する(Drev=Drev+4α)。
そして、ステップ110において、この補正した補正デ
ューティ値Drevを用いて、デューティ出力値Doutを式
Dout=Ddef+Drevから算出する。従って、前回より
も「4α」だけ大きいデューティ出力値Doutが決ま
る。そして、このDout値を一旦記憶した後、割込処理
でDout値 にディザ振幅分を乗せた出力値がPWMポー
ト59に書き込まれることになる。例えばα=1bitで
あれば、デューティ出力値Doutがその最大値の約1.
6%に相当する分だけ大きく補正される。そのため、ソ
レノイド25aに流れる電流が大きい側に粗調整され
る。
【0074】こうして以後、ステップ50において、V
ad≦Vint−4Voが成立する間は、デューティ出力値D
outが前回の値よりも4α(最大値の約1.6%)ずつ
大きく補正される。つまり、その補正量が相対的に大き
い粗調整が行われる。
【0075】そして、デューティ出力値Doutが4αず
つが大きく補正されたことにより、目標電流値Vintに
対して4Vo以上あった電流検出値Vadのずれ量がVo〜
4Voの範囲に収まったときや、もともとそのずれ量が
Vo〜4Voの範囲内と小さいときには、ステップ90に
おいて、Vad≦Vint−Voの条件が成立することにな
る。そのため、ステップ100に進み、補正デューティ
値Drevを「α」だけ大きく補正する(Drev=Drev+
α)。そして、ステップ110において、この補正した
補正デューティ値Drevを用いて、デューティ出力値Do
utを式Dout=Ddef+Drevから算出する。従って、前
回よりも「α」だけ大きいデューティ出力値Doutが決
まる。そして、このDout値を一旦記憶した後、割込処
理でDout値 にディザ振幅分を乗せた出力値がPWMポ
ート59に書き込まれることになる。例えばα=1bit
であれば、デューティ出力値Doutがその最大値の約
0.4%に相当する分だけ大きく補正される。そのた
め、ソレノイド25aに流れる電流が大きい側に微調整
される。
【0076】こうして以後、ステップ90において、V
ad≦Vint−Voが成立する間は、デューティ出力値Dou
tが前回の補正デューティ値Doutに対してα(最大値の
0.4%)ずつ大きく補正される。つまり、その補正量
が相対的に小さい微調整が行われる。
【0077】そして、デューティ出力値Doutがαずつ
大きく補正されたことにより、電流検出値Vadの目標電
流値Vintに対するずれ量がVo未満に収まれば、補正デ
ューティ値Drevの補正が行われなくなり、目標電流値
Vintが変化しない限り、毎回の処理において同じ値Dr
evが採用されることになる。こうしてソレノイド25a
にほぼ目標電流値Vint通りの電流が流れることにな
り、電磁弁25が必要な開度となる。
【0078】例えばショックレスモードのときには、C
PU54からのデューティ出力値Doutが必要に応じて
補正されることで、いつもソレノイド25aにはほぼ目
標電流値Vint通りの電流が流れることになる。そのた
め、ソレノイド25aに流れる電流が図5に示すショク
レスモード用に設定された目標電流値Vintにほぼ一致
するようにほぼ一定の傾きで減少し、マスト4が減速開
始角θoから設定通りの減速度で減速することになる。
そのため、例えば前傾規制角や自動水平停止角等の所定
停止角θsでマスト4が精度良く停止することになる。
また、後傾マニュアルモードの際には、マスト4の後傾
速度を揚高に応じたいつも一定の速度になる。
【0079】目標電流値Vintが「0アンペア」のとき
は補正デューティ値Drevを「0」にクリアするので、
電磁弁25を閉弁すべきときに間違って僅かに開弁する
不具合を招くこともない。
【0080】また、ローパスフィルタ53では2kHz
のリプルを取り除くのみとし、CPU54がサンプリン
グした偶数個(4個)のサンプリング値を平均して算出
するというソフトウェアによるフィルタリングをかけて
電流検出値Vadを得るようにした。このため、ローパス
フィルタ53を通過する際の信号の遅延を極力抑え、電
流検出値Vadをできるだけリアルタイムに近い状態で検
出できるので、CPU54によるソフトウェアでのフィ
ードバック制御の割りに、即応性の高いフィードバック
制御が実現される。なお、本実施形態では、CPU54
の処理速度の関係から、2kHzのPWM信号を50パ
ルス単位で制御しており、従来技術で述べたハードウェ
ア構成のフィードバック制御のように2kHzのPWM
信号を1パルスずつ制御することに比べ制御速度が劣る
ものの、電流値の精度を損なうほどではないので問題は
ない。また、ディザ制御の採用により電磁弁25のスプ
ールが微小振動するため、スプールがスピーディに移動
することになる。
【0081】以上詳述した本実施形態によれば、以下の
効果が得られる。 (1)従来はCPUから目標電流値を電流指令値として
指令するだけで、フィードバック制御用のハードウェア
がソレノイドを流れる電流値を目標電流値になるように
制御していた。これに対し、本実施形態ではフィードバ
ック制御をCPU54によるソフトウェアで行うように
し、電流検出値Vadと目標電流値Vintとを比較して、
電流検出値Vadが目標電流値Vintに許容範囲内で一致
するようにデューティ出力値Doutを補正するようにし
た。このため、従来装置で必要であった三角波発生回
路,デューティ発生回路及びフィードバック回路を無く
し、回路素子数を大幅に削減することができる。よっ
て、フィードバック制御に必要なハードウェアを簡素化
できる。
【0082】(2)従来のハードウェアによる2kHz
の細かな制御ではないが、CPU54の処理速度(本実
施形態では10ミリ秒単位)でフィードバック制御が行
われ、十分許容できる制御速度であるので、電磁弁25
の開度を時間遅れのない必要な精度で制御できる。
【0083】(3)ローパスフィルタ53により2kH
zのリプルだけを取り除くこととし、100Hzの検出
信号S2からの偶数個のサンプリング値を平均するソフ
トウェアによるフィルタリング処理により電流検出値V
adを得るようにし、ローパスフィルタ53での信号の遅
延を極力抑えたので、電流検出値Vadをできるだけリア
ルタイムに近い状態で得ることができる。そのため、従
来装置より電流値補正が相対的に遅れ気味になるもの
の、十分即応性の高いフィードバック制御を実現でき
る。
【0084】(4)更新済みの補正デューティ値Drev
を初期値として使用する学習機能を備えるので、ソレノ
イド25aを流れる電流値を早期に適正な電流値に補正
することができる。つまり、電磁弁25の開度を早期に
適正な開度にすることができ、マスト4の速度を早期に
適正な速度にすることができる。
【0085】(5)ショックレス制御時にマスト4を減
速開始角θoから予め設定された目標速度通りに減速さ
せることができるため、マスト4を所定停止角θsで精
度良く停止させることができる。
【0086】(6)後傾マニュアル操作時にマスト4を
いつも揚高に応じた同じ速度で傾動させることができ
る。なお、本発明は前記実施形態に限定されるものでは
なく、例えば次のように具体化してもよい。
【0087】(n)前記各実施形態では、レバー操作で
切換えられる手動切換弁と直列に電磁弁を設けた構成に
実施したが、例えば特開平7−61792号公報等に開
示された油圧制御装置において、速度調整用の電磁弁の
制御に対し、前記実施形態のようなソフトウェアによる
フィードバック制御を実施してもよい。この構成でも、
ハードウェアを構成する回路や素子を減らすことができ
る。
【0088】(m)検出信号S2のサンプリング回数は
1サイクルに2回以上の偶数回に限定されない。ディザ
制御の周期(例えば100Hz)を自然数倍した一定時
間当たりに、1サイクル当たりに2回以上サンプリング
されるように、合計偶数回のサンプリングを行い、この
偶数個のサンプリング値の平均を電流検出値として算出
するようにしてもよい。例えば、2サイクル当たりに6
回のサンプリングをし、この6個の値の平均を電流検出
値とする構成としてもよい。
【0089】(k)前記実施形態で述べたように、1サ
イクル毎にサンプリング値を平均して電流検出値を求め
る場合、検出信号S2の1サイクル当たりのサンプリン
グ回数は2回以上の偶数回であれば足りる。例えばサン
プリング回数をサンプリング定理からみて最少回数の2
回としたり、6回以上の偶数回としてもよい。なお、サ
ンプリング回数をなるべく少なくした方がサンプリング
のための割り込み処理を少なくして他の制御の処理速度
を速くできる。また、ある回数まではサンプリング回数
を多くした方が、精度の高い電流検出値を得ることがで
きる。
【0090】(h)ローパスフィルタ53で100Hz
のリプルも取り除き、A/Dポート62から一定電圧の
電流検出値Vadが入力されるようにし、この電流検出値
Vadと目標電流値Vintとのずれ量に応じてデューティ
出力値Doutを補正する構成としてもよい。この構成で
は、前述したようにローパスフィルタを通過する際の信
号の遅延時間が多少長くはなり、電流値を補正するタイ
ミングが遅れることになるが、電流値を適切な値に補正
することはできる。また、CPU54によるフィルタリ
ング処理を無くすことができる。
【0091】(j)ディザ制御を採用しない電磁弁のソ
レノイドの電流値制御において実施してもよい。 (v)電磁弁25を直動式のものに変更してもよい。
【0092】(t)目標電流値と電流検出値とのずれ量
に応じて補正量を3段階以上で段階的に変更するように
してもよい。また、補正量をずれ量に比例させて連続変
化させてもよい。
【0093】(e)目標電流値と電流検出値とのずれ量
の大きさに拘わらず、1回の補正処理における補正量を
一定にしてもよい。 (d)リフトシリンダの油路に電磁弁を設け、この電磁
弁によりフォークの速度制御や停止制御を行う電磁弁の
電流値制御において実施してもよい。この構成によって
も、少ない回路構成で電磁弁のソレノイドの電流値を適
切な値に補正することができる。もちろん、リーチ式フ
ォークリフトにおけるリーチシリンダや、フォークを車
幅方向にスライドさせるサイドシリンダ等の他の油圧シ
リンダの油路に設けた電磁弁の電流値制御において実施
してもよい。
【0094】(i)CPU54による電流値制御方法は
PWM制御に限定されない。CPUからの出力信号に基
づいてソレノイドに流れる電流を制御できる構成であれ
ばよい。
【0095】(s)エンジンフォークリフトに限らず、
バッテリフォークリフトにおいて実施してもよい。 (p)フォークリフト以外の産業車両において実施して
もよい。例えば、パワーショベルや高所作業車において
油圧シリンダの油路に設けた電磁弁の電流値制御におい
て実施することもできる。
【0096】前記各実施形態及び変更例から把握できる
請求項に係る発明以外の技術的思想(発明)を、その効
果とともに以下に記載する。 (イ)請求項1〜請求項10のいずれか一項に係る発明
において、前記荷役機器を駆動制御するために必要な検
出値を得るための検出手段を備え、前記制御手段は前記
検出手段により検出された検出値に応じて前記目標検出
値を決めるように設定されている。この構成によれば、
検出手段により検出された検出値に応じた適切な開度に
電磁弁を制御できる。なお、前記実施形態において、揚
高センサ41,ポテンショメータ42,圧力センサ4
3,前傾スイッチ44,後傾スイッチ45及び操作スイ
ッチ46が検出手段を構成する。
【0097】(ロ)請求項1〜請求項10のいずれか一
項に係る発明において、前記電磁弁は、前記油圧シリン
ダの油路上に、前記操作部を操作することにより切換駆
動される手動切換弁と直列に設けられている。この構成
によれば、油圧シリンダの油路上に、操作部を操作する
ことにより切換駆動される手動切換弁と直列に電磁弁が
設けられているので、切換弁が固着(スティック)して
も操作部を操作する力の加減次第で手動切換弁を閉弁で
きる。なお、前記実施形態ではティルト用手動切換弁1
9が手動切換弁を構成している。
【0098】(ハ)請求項1〜請求項10のいずれか一
項に係る発明において、前記油圧シリンダは、前記荷役
機器を昇降可能に支持するマストを前後に傾動させるた
めのものである。この構成によれば、マストの傾動速度
の精度を高めることができる。
【0099】(ニ)請求項6に係る発明において、前記
電流検出手段は、前記PWM信号のパルスの周期で現れ
るリプルを取り除いた検出信号を出力するためのローパ
スフィルタを備えている。この構成によれば、電流検出
手段に備えられたローパスフィルタにより、PWM信号
のパルスの周期で現れるリプルが取り除かれた検出信号
を制御手段に出力でき、検出値算出手段により算出され
る電流検出値の精度の向上に寄与する。
【0100】(ホ)請求項1〜請求項10のいずれか一
項に記載の油圧回路の電磁弁制御装置を備えている産業
車両。この構成によれば、請求項1〜請求項10のいず
れか一項に記載の発明と同様の効果を得ることができ
る。
【0101】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1及び請求項
2に記載の発明によれば、ソレノイドを流れる電流を検
出した電流検出値が目標電流値に許容範囲内で一致する
ように制御手段から出力する電流指令値を補正する補正
処理をプログラムデータに基づいて行うことで、フィー
ドバック制御を一部ソフトウェアで行うようにしたの
で、フィードバック制御ためのハードウェアを簡素化で
きる。
【0102】請求項3に記載の発明によれば、電流検出
値と目標電流値との差が大きいほど電流指令値を補正す
る際の補正量を大きくしたので、早期にソレノイドに流
れる電流を目標電流値に近づけることができる。
【0103】請求項4に記載の発明によれば、電流検出
値と目標指令値との差の大小により電流指令値の補正を
粗調整と微調整とに分けたので、早期にソレノイドに流
れる電流を目標電流値に近づけることができる。
【0104】請求項5に記載の発明によれば、ソレノイ
ドに流れる電流を所定周期で微小振幅させるディザ制御
を行っても、所定周期で振幅する検出信号の振幅中心を
電流検出値として算出するので、正しい電流検出値を得
ることができる。
【0105】請求項6に記載の発明によれば、電流検出
手段から入力した検出信号に対して1周期につき2回以
上のサンプリングが確保されるように、その周期の自然
数倍の一定時間当たりに偶数回のサンプリングを行い、
この偶数個のサンプリング値の平均を電流検出値とした
ので、電流検出値を比較的遅延なく得ることができ、即
応性の高い電流値制御を実現できる。
【0106】請求項7に記載の発明によれば、電流検出
手段から入力した検出信号に対してその1周期に等しい
一定時間当たりに偶数回のサンプリングを行い、この偶
数個のサンプリング値の平均を電流検出値としたので、
電流指令値の補正を実施する時間間隔を極力短くでき、
即応性の高い電流値制御を実現できる。
【0107】請求項8に記載の発明によれば、更新され
た電流指令値を目標電流値に対応付けて記憶し、この記
憶した電流指令値を電磁弁の開度制御を開始する際の初
期値とする学習機能を採用したので、補正量の減少や補
正の低減が図られ、早期にソレノイドを流れる電流を目
標電流値に近づけることができる。
【0108】請求項9に記載の発明によれば、荷役機器
を所定状態に停止させる直前で減速させる停止制御の際
に、ソレノイドに流れる電流値が目標電流値に許容範囲
内で一致するので、荷役機器の停止位置精度を向上させ
ることができる。
【0109】請求項10に記載の発明によれば、荷役機
器の揚高に応じて決まる目標電流値通りの電流がソレノ
イドに流れることになるので、荷役機器の揚高に応じた
マストの傾動速度の精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態における電磁弁の電流値制御装置の
電気回路図。
【図2】ソレノイドの電流検出値を求める方法を説明す
る信号波形図。
【図3】電流値制御処理のフローチャート。
【図4】ティルト制御装置の電気構成ブロック図。
【図5】ティルト角と目標電流値との関係を示すグラ
フ。
【図6】揚高と積載荷重から前傾規制角を求めるための
マップ図。
【図7】フォークリフトの側面図。
【図8】フォークリフトの油圧制御回路図。
【図9】従来技術における電磁弁の電流値制御装置の電
気回路図。
【符号の説明】
1…産業車両としてのフォークリフト、2…荷役機器と
してのフォーク、4…マスト、5…油圧シリンダとして
のティルトシリンダ、25…電磁弁、25a…ソレノイ
ド、41…揚高検出手段としての揚高センサ、51…電
流調節手段としてのソレノイド駆動回路、52…電流検
出手段を構成する電流検出回路、53…電流検出手段を
構成するローパスフィルタ、54…制御手段、指令値補
正手段を構成するとともに検出値算出手段としてのCP
U、55…制御手段及び指令値補正手段を構成するRO
M、57…記憶手段としてのRAM、60…スイッチン
グ手段としてのトランジスタ、Vint…目標電流値、Va
d…電流検出値、Dout…電流指令値としてのデューティ
出力値。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷役機器を駆動するための油圧シリンダ
    の油路上に設けられた電磁弁と、 前記電磁弁のソレノイドに流すべき電流を予め目標電流
    値として記憶する記憶手段と、 前記ソレノイドに流れる電流を制御するための電流指令
    値を出力する制御手段と、 前記ソレノイドに流れる電流を前記制御手段から入力し
    た電流指令値に基づいて調節する電流調節手段と、 前記ソレノイドに流れる電流を検出して前記制御手段に
    出力する電流検出手段とを備え、 前記制御手段は、前記電流検出手段により検出された電
    流検出値と前記目標電流値とを比較し、両値が許容範囲
    内で一致するように前記電流指令値を補正する補正処理
    をプログラムデータに基づいて行う指令値補正手段を備
    えている産業車両の油圧回路における電磁弁制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段から出力される前記電流指
    令値は、該指令値に応じたデューティ比を有するPWM
    信号であって、前記電流調節手段は、電源と前記ソレノ
    イドとの間に介装されて前記制御手段から入力したPW
    M信号に基づいて動作するスイッチング手段を備えてい
    る請求項1に記載の産業車両の油圧回路における電磁弁
    制御装置。
  3. 【請求項3】 前記指令値補正手段は、前記電流検出値
    と前記目標電流値との差が大きいほど前記電流指令値を
    補正する際の補正量を大きくするように設定されている
    請求項1又は請求項2に記載の産業車両の油圧回路にお
    ける電磁弁制御装置。
  4. 【請求項4】 前記指令値補正手段は、前記電流検出値
    と前記目標電流値との差が所定値以上であるときに大き
    な補正量で粗調整をし、前記電流検出値と前記目標電流
    値のと差が所定値未満であるときに小さな補正量で微調
    整をする請求項3に記載の産業車両の油圧回路における
    電磁弁制御装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記ソレノイドに流れ
    る電流を前記電流指令値を中心に所定周期で微小振幅さ
    せるディザ制御を行っており、前記電流検出手段から入
    力した前記所定周期で振幅する検出信号の振幅中心を前
    記電流検出値として算出する検出値算出手段を備えてい
    る請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の産業車両
    の油圧回路における電磁弁制御装置。
  6. 【請求項6】 前記検出値算出手段は、前記電流検出手
    段から入力した前記検出信号に対してその周期の自然数
    倍の一定時間当たりに、少なくとも1周期につき2回以
    上サンプリングされるように偶数回のサンプリングを行
    い、この偶数個のサンプリング値の平均を前記電流検出
    値として算出する請求項5に記載の産業車両の油圧回路
    における電磁弁制御装置。
  7. 【請求項7】 前記検出値算出手段は、前記電流検出手
    段から入力した前記検出信号に対してその1周期に等し
    い一定時間当たりに偶数回のサンプリングを行い、この
    偶数個のサンプリング値の平均を電流検出値として算出
    する請求項6に記載の産業車両の油圧回路における電磁
    弁制御装置。
  8. 【請求項8】 前記制御手段は、前記指令値補正手段に
    より更新された電流指令値を前記目標電流値に対応させ
    て前記記憶手段に記憶し、該記憶手段に記憶された目標
    電流値に対応する電流指令値を、前記電磁弁の開度の制
    御を開始する際の初期値とする学習機能を備えている請
    求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の産業車両の油
    圧回路における電磁弁制御装置。
  9. 【請求項9】 前記記憶手段には、前記荷役機器が所定
    状態に停止する直前で減速するように前記電磁弁の開度
    を調節し得る前記目標電流値が記憶されており、該目標
    電流値に基づいて前記制御手段は前記ソレノイドを流れ
    る電流値を制御する停止制御を行う請求項1〜請求項8
    のいずれか一項に記載の産業車両の油圧回路における電
    磁弁制御装置。
  10. 【請求項10】 前記油圧シリンダは、前記荷役機器を
    昇降可能に支持するマストを前後に傾動させるためのも
    のであって、前記荷役機器の揚高を検出する揚高検出手
    段を備え、前記記憶手段には、前記マストが前記揚高検
    出手段により検出された揚高に応じた傾動速度となるよ
    うに前記目標電流値が揚高に応じて設定されており、該
    目標電流値に基づいて前記制御手段は前記ソレノイドを
    流れる電流値を制御する請求項1〜請求項9のいずれか
    一項に記載の産業車両の油圧回路における電磁弁制御装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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