JPH11171199A - 医療用具類の回収袋 - Google Patents

医療用具類の回収袋

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JPH11171199A
JPH11171199A JP9340998A JP34099897A JPH11171199A JP H11171199 A JPH11171199 A JP H11171199A JP 9340998 A JP9340998 A JP 9340998A JP 34099897 A JP34099897 A JP 34099897A JP H11171199 A JPH11171199 A JP H11171199A
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water
compound
soluble
polyvinyl alcohol
polymer
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Keiichi Yamamoto
慶一 山本
Tomohito Otani
友人 大谷
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚染物質が付着した医療用具類を回収袋とと
もに洗浄しても泡の発生を抑制し、効率よく短時間に汚
染物質を洗浄除去ができる医療用具類の回収袋を提供す
る。 【解決手段】 水溶性高分子を主成分とする基材からな
る医療用具類の回収袋において、上記基材に消泡性を有
する化合物を含有してなることを特徴とする医療用具類
の回収袋。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用具類の回収
袋に関するものであり、さらに詳しくは、医療現場で使
用された手術器具・器械等の汚染医療器具類や汚染リネ
ン類のうち、再使用を目的に回収される医療用具類を収
納する袋であって、汚染された医療用具類の洗浄・殺菌
を効果的に行うことを目的とした医療用具類の回収袋に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】血液、体液、排泄物等によって汚染され
た医療器具類やリネン類は、医療現場では、安全性や経
済性の点から、再使用を目的とした洗浄・殺菌処理が日
常的に行われている。しかし、これらの汚染医療器具類
や汚染リネン類の回収や洗浄・殺菌処理工程の段階で
は、それらに携わる医療従事者がそれら汚染器具類や汚
染リネン類に付着した汚染物質に直接・間接を問わず接
触することがあり、それによって二次感染が引き起こさ
れることがしばしばあった。また、汚染器具類や汚染リ
ネン類の運搬段階においても何らかの要因により汚染物
質が飛散し汚染が広がる潜在的危険があった。
【0003】このような問題を解決するために、従来、
水溶性フィルムを基材とする水溶性ランドリーバッグ
(特開平6−207075号公報)に、使用後の汚染医
療器具類や汚染リネン類をその場で直ちに密封包装して
洗浄場まで運搬し、該バッグごと汚染医療器具類や汚染
リネン類を洗浄して汚染物質を除去し、消毒を行ってい
る。これによって医療従事者への二次感染や医療施設内
での汚染物質の拡散の抑制が図られている。
【0004】しかしながら、水溶性フィルムを基材とす
る医療用具類の回収袋を使用すると、該回収袋が溶解す
る際に洗浄水が泡立ちやすくなり、医療用具に付着した
汚染物質の除去洗浄が完全に行えないことがしばしばあ
った。医療用具類に付着した汚染物質は、それが原因で
新たな二次感染を引き起こしたり、また細菌繁殖の温床
ともなる可能性があるので、完全に取り除かなければな
らず、上記医療用具類の回収袋を使用した際、完全に汚
染物質を除去洗浄するためには、何度も大量の水又は温
水等で洗浄操作を繰り返さなければならなかった。ま
た、発生した泡によって洗浄機が十分に機能せず、時に
はその運転を停止してしまうこともしばしばあり、この
ため洗浄機の運転状態を絶えず観察しておくことが要求
され、人手を要することになり、作業効率の観点からも
大きな問題であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、使用済
みの汚染医療器具類や汚染リネン類を水溶性ランドリー
バッグに密封包装して回収し、そのままの状態で洗浄・
殺菌をする際、従来の水溶性ランドリーバッグでは汚染
物質を短時間に効率よく除去洗浄することができないと
いう問題があった。また、洗浄・殺菌が自動的に行えず
作業性が悪くなるという問題があった。本発明は、汚染
物質が付着した医療用具類を回収袋とともに洗浄しても
泡の発生を抑制し、効率よく短時間に汚染物質を洗浄除
去することができる医療用具類の回収袋を提供すること
を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、水溶性高分子を主成
分とする基材からなる医療用具類の回収袋に消泡性を有
する化合物を含有させることによって、回収袋の強度を
実質的に損なうことなく、洗浄時の泡の発生を抑制し、
汚染物質を効率よく洗浄除去できることを見出し、本発
明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は、水溶性高分子を主成
分とする基材からなる医療用具類の回収袋において、上
記基材に消泡性を有する化合物を含有してなることを特
徴とする医療用具類の回収袋を要旨とするものである。
【0008】
【発明実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明における水溶性高分子は、フィルム
状に成形できるものであればいかなるものでもよく、例
えば、水溶性合成高分子、水溶性半合成高分子、水溶性
天然高分子等が挙げられる。
【0010】水溶性合成高分子としては、ポリビニルア
ルコール系、ポリエチレンオキサイド等のポリエーテル
系、ポリビニルピロリドン系、アクリル酸、メタアクリ
ル酸、マレイン酸等のエチレン系不飽和脂肪酸系、及び
それらの塩から形成される高分子等が挙げられる。水溶
性半合成高分子としては、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース等のセルロース誘導体、澱粉誘導体等が挙げ
られる。水溶性天然高分子としては、カラギーナン、澱
粉、ゼラチン、キチン等が挙げられる。上記水溶性高分
子のうち、経済性、加工性等の点からポリビニルアルコ
ール系の高分子が好ましい。
【0011】ポリビニルアルコール系の高分子として
は、ポリビニルアルコール又はその誘導体が挙げられ
る。ポリビニルアルコールは、酢酸ビニルを重合したポ
リ酢酸ビニルを加水分解、すなわち脱酢酸する等公知の
方法により製造することができる。この工程で、加水分
解率は鹸化度と呼ばれ、ポリビニルアルコールのモノマ
ーユニットのうち、脱酢酸されている割合を示すもので
ある。例えば、鹸化度100%のポリビニルアルコール
とは、ポリ酢酸ビニルの酢酸エステル残基が全て水酸化
物基に加水分解されているものを表し、鹸化度95%の
ポリビニルアルコールとは、ポリビニルアルコールのモ
ノマーユニットが95%水酸化物基に置換されたものを
意味する。
【0012】本発明において回収袋の基材として使用さ
れるポリビニルアルコールは、冷水又は温水に溶解する
ものであれば特に制限されるものではないが、約60℃
以下の水に溶解するものが好ましい。このようなポリビ
ニルアルコールとしては、鹸化度が70〜98%の範囲
のものが挙げられる。また、ポリビニルアルコールの分
子量、重合度は特に制限されるものではなく、例えば、
低重合度と高重合度のポリビニルアルコールをブレンド
して使用することも可能である。さらに、酢酸ビニルと
共重合させることが可能なモノマーをポリビニルアルコ
ールのモノマーとして含む二元、三元もしくは四元共重
合体であってもよい。共重合可能なモノマー成分として
は、分子中に二重結合を有するモノマーが挙げられる。
例えば、メチルビニルエーテル、スチレン、塩化ビニ
ル、アリルアルコール、アクリル酸及びそのエステル、
メタクリル酸及びそのエステル、アクリロニトリル、ビ
ニルピロリドン、クロロプレン、ブタジエン、イソプレ
ン、エチレン、プロピレン等が挙げられる。
【0013】通常、水溶性ポリビニルアルコールフィル
ムには柔軟性を保持するために可塑剤が添加されている
が、本発明の医療用具類の回収袋においても、フィルム
に成形する際に可塑剤を添加することが好ましい。可塑
剤としては、ポリエチレングリコール、グリセリン等が
挙げられる。ポリビニルアルコールの可塑剤の添加量は
ポリビニルアルコールに対して3〜20重量%であるこ
とが好ましい。
【0014】本発明における医療用具類は、医療現場で
日常的に使用されるものであって、例えば、はさみ、メ
ス、鉗子、開創器等の手術器具類、腹腔鏡、間接鏡、膀
胱鏡、気管支鏡等の生体内に挿入する内視鏡類及びそれ
らの付属品、マイクロ手術器械類、手術室の器械台シー
ツ、病棟シーツ等のリネン類等が挙げられる。
【0015】本発明の医療用具類の回収袋は、血液、体
液、排泄物等の汚染物質が付着し、回収して再利用する
上記のような医療用具類を収納、運搬、さらには汚染医
療用具類とともに洗浄することができるものである。本
発明の医療用具類の回収袋は、上記のごとく水溶性高分
子を主成分とする基材からなるものであるが、この基材
に下記のごとき消泡性を有する化合物を含有するもので
ある。
【0016】本発明に用いる消泡性を有する化合物と
は、上記水溶性高分子を主成分とする基材からなる回収
袋の少なくとも一部が洗浄水に溶解した溶液から発生し
た泡を速やかに消失させる作用(破泡作用)、あるいは
溶解液からの泡の発生を抑制する作用(抑泡作用)を有
する化合物である。消泡性を有する化合物としては、シ
リコーン系化合物、低級アルコール系化合物、鉱物油系
化合物又は有機極性化合物等が挙げられる。
【0017】シリコーン系化合物、低級アルコール系化
合物、鉱物油系化合物又は有機極性化合物は、水溶性高
分子とよく混和し、消泡性を有するものであればいずれ
の化合物でもよい。
【0018】シリコーン系化合物としては、シリコーン
樹脂、シリコーンオイル等が挙げられるが、水中での分
散性を高めるために、界面活性剤又は無機粉末を配合し
たものでもよい。
【0019】低級アルコール系化合物としては、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等の
低級アルコールが挙げらる。
【0020】鉱物油系化合物としては、鉱物油を適当な
大きさの粒子として水中に分散させるために界面活性剤
を配合したものを使用してもよく、さらに、消泡効果を
高めるために水不溶性の金属塩セッケンを配合したもの
等も使用できる。
【0021】有機極性化合物とは、水に難溶性又は不溶
性の有機極性化合物であり、例えば、2−エチルヘキサ
ノール、ジイソブチルカルビノール、アミルアルコール
等のアルコール類、トリブチルフォスフェート、ジメチ
ルアニリンイソアミルフォスフェート、オクチルフォス
フェートナトリウム等のリン酸エステル、アルミニウ
ム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、マンガン等のス
テアリン酸塩、パルミチン酸塩、オレイン酸カリウム塩
等からなる金属セッケン、イソアミルステアリン酸エス
テル、ジグリコールラウリン酸エステル、トリセチルク
エン酸エステル、ソルビタンラウリン酸モノエステル、
ソルビタンオレイン酸モノエステル、ソルビタンオレイ
ン酸トリエステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノ
ラウリル酸エステル等のポリエチレングリコール脂肪酸
エステルを含むHLB価の低い脂肪酸エステル、ジアミ
ルアミン、プルロニック型非イオン活性剤、ポリプロピ
レングリコール及びその誘導体、オレイン酸、トール油
等が挙げられる。
【0022】本発明では、上記の消泡性を有する化合物
を単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよ
い。
【0023】本発明の医療用具類の回収袋に使用する消
泡性を有する化合物の量は、好ましくは、回収袋の基材
の主成分である水溶性高分子に対して0.1〜20重量
%である。0.1重量%未満では、消泡性が十分でない
ことがあり、20重量%を越えると医療用具類の回収袋
の強度が低下することがある。
【0024】本発明の医療用具類の回収袋は、それを構
成する基材に消泡性を有する化合物を含有するが、医療
用具類の回収袋に汚染医療用具類を収納して運搬する際
に、該回収袋が破れない強度のものであれば、いかなる
ものでもよい。本発明の医療用具類の回収袋において
は、例えば、消泡性を有する化合物がそれを構成する基
材全体に均一に分散したもの、基材の表面部分にのみ分
散したもの、基材の中間部にのみ分散したもの、あるい
は回収袋の内表面又は外表面の一方の側の基材の表面に
消泡性を有する化合物を被覆したもの、回収袋の内外両
表面の基材の表面に消泡性を有する化合物を被覆したも
の、さらにはこれらの分散と被覆を組み合わせたもの
等、いずれのものでもよい。消泡性を有する化合物は公
知の方法により医療用具類の回収袋の基材へ分散又は被
覆すればよい。
【0025】本発明の医療用具類の回収袋の水溶性高分
子を主成分とする基材の厚みは、汚染医療用具類を収納
して運搬する際に該回収袋が破れることなく、しかも洗
浄工程で該回収袋が容易に洗浄水に溶解するものであれ
ば特に制限されるものではないが、好ましくは10〜1
00μmである。
【0026】本発明の医療用具類の回収袋の形状は、特
に限定されるものではない。
【0027】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0028】実施例1 温水溶解性ポリビニルアルコール(UF−170M、鹸
化度95.5〜97.5%、ユニチカケミカル(株)
製)15gを水85mlに加え、80℃のウォーターバス
中で加温しつつ撹拌し溶解した後、室温まで冷却させ、
グリセリン1.5g(ポリビニルアルコールに対して1
0重量%)及びシリコーン系消泡剤であるKM−83A
(信越化学(株)製)0.15g(ポリビニルアルコー
ルに対して1重量%)を加え均一に撹拌した。得られた
水溶液をガラス板上に流延し、60℃の温風乾燥器中で
16時間乾燥して、厚さ40μmのフィルムを得た。得
られたフィルムを貼り合わせて40cm四方の一辺が開
口した袋を作製し、これを医療用具類洗浄機内にいれ、
通常の医療用具類洗浄条件で作動させて、泡立ちの様子
を観察した。結果を表1に示した。
【0029】実施例2 消泡剤の量を0.75g(ポリビニルアルコールに対し
て5重量%)とした以外は実施例1と同様の方法でポリ
ビニルアルコールフィルムからなる袋を作製し、実施例
1と同じ条件で医療用具類洗浄機による泡立ちの様子を
観察した。結果を表1に示した。
【0030】実施例3 消泡剤としてシリコーン系消泡剤であるKM−90(信
越化学(株)製)を用い、実施例1と同様の方法でポリ
ビニルアルコールフィルムからなる袋を作製し、実施例
1と同じ条件で、医療用具類洗浄機による泡立ちの様子
を観察した。結果を表1に示した。
【0031】実施例4 消泡剤の量を0.015g(ポリビニルアルコールに対
して0.1重量%)とした以外は実施例3と同様の方法
でポリビニルアルコールフィルムからなる袋を作製し、
実施例1と同じ条件で医療用具類洗浄機による泡立ちの
様子を観察した。結果を表1に示した。
【0032】実施例5 消泡剤として極性消泡剤である1497−VD(ノプコ
ケミカル(株)製)を用い、実施例1と同様の方法でポ
リビニルアルコールフィルムからなる袋を作製し、実施
例1と同じ条件で医療用具類洗浄機による泡立ちの様子
を観察した。結果を表1に示した。
【0033】実施例6 消泡剤の量を0.75g(ポリビニルアルコールに対し
て5重量%)とした以外は実施例5と同様の方法でポリ
ビニルアルコールフィルムからなる袋を作製し、実施例
1と同じ条件で医療用具類洗浄機による泡立ちの様子を
観察した。結果を表1に示した。
【0034】実施例7 消泡剤としてシリコーン系脂肪族系化合物であるアンチ
ホームP(日本染化(株)製)を用い、実施例1と同様
の方法でポリビニルアルコールフィルムからなる袋を作
製し、実施例1と同じ条件で医療用具類洗浄機による泡
立ちの様子を観察した。結果を表1に示した。
【0035】実施例8 消泡剤の量を3g(ポリビニルアルコールに対して20
重量%)とした以外は実施例7と同様の方法でポリビニ
ルアルコールフィルムからなる袋を作製し、実施例1と
同じ条件で医療用具類洗浄機による泡立ちの様子を観察
した。結果を表1に示した。
【0036】実施例9 温水溶解性ポリビニルアルコール(UF−170M)水
溶液をキャストした後、乾燥して得られた均一なフィル
ム(厚さ50μm)の片面に、シリコーン系消泡剤(K
M−83A)をコーティングバー(熊谷理機工業(株)
製)を用いて塗布し、70℃の通風乾燥器で乾燥してコ
ーティングの厚みが約2μmの均一なフィルムを得た。
得られたフィルムをコーティング面が外側となるよう貼
り合わせ40cm四方の袋を作製し、実施例1と同じ条
件で医療用具類洗浄機による泡立ちの様子を観察した。
結果を表1に示した。
【0037】実施例10 温水溶解性ポリビニルアルコール(UF−170M)水
溶液をキャストした後、乾燥して得られた均一なフィル
ム(厚さ40μm)の片面に、ポリビニルアルコール
(UF−170M)15部、シリコーン系消泡剤(KM
−83A)5部、蒸留水80部からなる水溶液をコーテ
ィングバー(熊谷理機工業(株)製)を用いて塗布し、
70℃通風乾燥器で乾燥してコーティングの厚みが約4
μmの均一なフィルムを得た。得られたフィルムをコー
ティング面が外側となるよう貼り合わせ40cm四方の
袋を作製し、実施例1と同じ条件で医療用具類洗浄機に
よる泡立ちの様子を観察した。結果を表1に示した。
【0038】比較例1 消泡剤を加えずに実施例1と同様の方法でポリビニルア
ルコールフィルムからなる袋を作製し、実施例1と同じ
条件で医療用具類洗浄機による泡立ちの様子を観察し
た。結果を表1に示した。
【0039】表1には、実施例1〜10、比較例1にお
いて、医療用具類洗浄機を5分間作動させた後の泡立ち
の様子を泡の深さとして示した。また、医療用具類洗浄
機を停止してから消泡剤の効果により泡が消滅するまで
の時間を測定し、その結果を示した。表1の結果より、
消泡剤を含有するポリビニルアルコールフィルムからな
る袋は、消泡剤を含有しない場合に比べて生じた泡の量
が少なく、また、医療用具類洗浄機停止後の泡の消失が
早かった。
【0040】
【表1】
【0041】実施例11 温水溶解性ポリビニルアルコール(UF−170M、鹸
化度95.5〜97.5%、ユニチカケミカル(株)
製)15gを水85mlに加え、80℃のウォーターバス
中で加温しつつ撹拌し溶解した後、室温まで冷却させ、
グリセリン1.5g(ポリビニルアルコールに対して1
0重量%)及びシリコン系消泡剤であるKM−83A
(信越化学(株)製)0.15g(ポリビニルアルコー
ルに対して1重量%)を加え、均一に撹拌した。得られ
た水溶液をガラス板上に流延し、60℃温風乾燥器中で
一夜乾燥して、厚さ40μmのフィルムを得た。得られ
たフィルムを貼り合わせて40cm四方の1辺が開口した
袋を作製した。次に、血液を付着後乾燥させた手術用は
さみ3本及び同様にして血液を付着させた手術用ピンセ
ット3本を上記の袋内に封入し、医療用具類洗浄機にて
通常の医療用具類洗浄条件で洗浄を行った後、血液汚れ
の付着状況を肉眼観察したところ、いずれの手術用はさ
み、手術用ピンセットも血液汚れが完全に除去されてい
た。また、上記方法で得られた袋内に、綿製シーツに血
液1mlを付着させたものを封入し18時間放置した。同
様にして用意した血液付着シーツを封入した袋10枚を
全自動洗濯機にて洗濯し、乾燥させた後、シーツの汚れ
を肉眼観察したところ、いずれのシーツも血液の汚れが
除去されていた。
【0042】比較例2 消泡剤を加えずに実施例11と同様の方法でポリビニル
アルコールフィルムからなる袋を作製した。次に、実施
例11と同じ条件にて血液を付着させた手術用はさみ及
び手術用ピンセットを封入して、洗浄した後の血液汚れ
の付着状況を肉眼観察したところ、すべての手術用はさ
み、手術用ピンセットに凝固した血液の付着が数カ所づ
つ観察された。また、上記方法で得られた袋内に、実施
例11と同じ条件にて血液を付着させた綿製シーツを封
入して洗濯した後の汚れを肉眼観察したところ、シーツ
10枚のうち6枚に血液の汚れが残存していた。
【0043】
【発明の効果】本発明の医療用具類の回収袋は、医療現
場で使用され汚染された医療用具類を洗浄・殺菌して再
利用する際、医療用具類を汚染医療用具類の回収袋に詰
めたまま洗浄しても、泡の発生を抑制し、洗浄効果の低
下を招くことなく、短時間に効率よく汚染物質の除去洗
浄が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 101/00 C08L 101/00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性高分子を主成分とする基材からな
    る医療用具類の回収袋において、上記基材に消泡性を有
    する化合物を含有してなることを特徴とする医療用具類
    の回収袋。
  2. 【請求項2】 消泡性を有する化合物が、シリコーン系
    化合物、低級アルコール系化合物、鉱物油系化合物及び
    有機極性化合物からなる群より選択されることを特徴と
    する請求項1記載の医療用具類の回収袋。
  3. 【請求項3】 水溶性高分子がポリビニルアルコールで
    あることを特徴とする請求項1記載の医療用具類の回収
    袋。
  4. 【請求項4】 水溶性高分子を主成分とする基材がフィ
    ルム状物であることを特徴とする請求項1記載の医療用
    具類の回収袋。
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