JPH11171039A - キャブサスペンション制御装置 - Google Patents

キャブサスペンション制御装置

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Publication number
JPH11171039A
JPH11171039A JP9336953A JP33695397A JPH11171039A JP H11171039 A JPH11171039 A JP H11171039A JP 9336953 A JP9336953 A JP 9336953A JP 33695397 A JP33695397 A JP 33695397A JP H11171039 A JPH11171039 A JP H11171039A
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JP
Japan
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cab
acceleration
deceleration
detecting means
signal
Prior art date
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Application number
JP9336953A
Other languages
English (en)
Inventor
Norikatsu Hoshina
憲克 保科
Katsuya Iwasaki
克也 岩崎
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Publication date
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Publication of JPH11171039A publication Critical patent/JPH11171039A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】車両の加速もしくは減速時に発生する車両の傾
斜および前後方向加減速度に基づく信号ドリフトを防止
し、ショックアブソーバにおける減衰力特性の制御性の
悪化を防止して車両の乗り心地および操縦安定性を確保
すること。 【解決手段】シャシ側前後加減速度検出手段dで検出さ
れたシャシ側の前後方向加減速度からキャブのピッチ角
を求めるピッチ角検出手段eと、ピッチ角検出手段eで
求められたキャブのピッチ角とシャシ側加減速度検出手
段dで検出されたシャシ側の前後方向加減速度からキャ
ブのピッチ方向傾斜によってキャブ側上下加速度検出手
段cで検出される前後方向加減速度の検出方向分力を求
める前後方向加減速度成分検出手段fと、キャブ側上下
加速度検出手段cで検出されたキャブ側の上下方向加速
度信号から前後方向加減速度の検出方向分力をキャンセ
ルしたキャブ側上下方向加速度信号を得る信号補正手段
gと、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キャブ・オーバ・
タイプの車両において、キャブ側とシャシ側との間に介
在されたショックアブソーバの減衰力特性を最適制御す
るキャブサスペンション制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ショックアブソーバの減衰力特性
制御を行う制御装置としては、例えば、特開平7−69
023号公報に記載されたものが知られている。この従
来の減衰力特性制御装置は、車両のばね上上下速度信号
に基づいてショックアブソーバの減衰力特性制御を行う
ようにしたものであり、前記ばね上上下速度信号は、車
体ばね上に設けられた上下加速度センサでばね上上下加
速度を検出すると共に、この検出されたばね上上下加速
度信号を積分することによって求めるようになってい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来装
置では、上述のように構成されるため、以下に述べるよ
うな問題点があった。即ち、上下加速度センサは、その
検出方向が走行路面に対し垂直方向となるように車両の
ばね上である車体(キャブ)側に取り付けられていて、
走行路面および車体(キャブ)が水平状態を維持してい
る状態においては、走行路面に対し垂直方向の加速度成
分だけを正確に検出することができるが、車両の加速も
しくは減速により発生する車両(キャブ)のピッチ方向
の姿勢変化(スカット、ダイブ)によって走行路面に対
し車両が前後(ピッチ)方向に傾斜した状態において
は、走行路面に対する上下加速度センサの検出方向も走
行路面に対し前後方向に傾斜した状態となることから、
この傾斜状態で加速もしくは減速による前後方向の加減
速度が車両に作用すると、走行路面に対し平行に作用す
る前後方向加減速度の分力が上下加速度センサの検出方
向にも作用するようになるため、前後方向加減速度の分
力の分だけ上下加速度信号をドリフトさせ、これによ
り、車両の乗り心地および操縦安定性を害する結果とな
る。また、同様の問題は、車体(キャブ)が横(ロー
ル)方向に傾斜した場合においても生じる。
【0004】本発明は、上述の従来の問題点に着目して
なされたもので、車両の加速もしくは減速時、または操
舵時に発生する車両前後また横方向傾斜、および、前後
方向加減速度または横方向加速度に基づく信号ドリフト
を防止し、これにより、ショックアブソーバにおける減
衰力特性の制御性の悪化を防止して車両の乗り心地およ
び操縦安定性を確保することができるキャブサスペンシ
ョン制御装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明請求項1記載のキャブサスペンション制御
装置は、図1のクレーム対応図に示すように、車両のキ
ャブ側とシャシ側との間に介在されていて減衰力特性変
更手段aにより減衰力特性を変更可能なショックアブソ
ーバbと、キャブ側に設けられていてキャブ側の上下方
向加速度を検出するキャブ側上下加速度検出手段cと、
シャシ側に設けられていて該シャシ側の前後方向加減速
度を検出するシャシ側前後加減速度検出手段dと、該シ
ャシ側前後加減速度検出手段dで検出されたシャシ側の
前後方向加減速度からキャブのピッチ角を求めるピッチ
角検出手段eと、該ピッチ角検出手段eで求められたキ
ャブのピッチ角と前記シャシ側前後加減速度検出手段d
で検出されたシャシ側の前後方向加減速度からキャブの
ピッチ方向傾斜によってキャブ側上下加速度検出手段c
で検出される前後方向加減速度の検出方向分力を求める
前後方向加減速度成分検出手段fと、前記キャブ側上下
加速度検出手段cで検出されたキャブ側の上下方向加速
度信号から前後方向加減速度の検出方向分力をキャンセ
ルしたキャブ側上下方向加速度信号を得る信号補正手段
gと、該信号補正手段gで補正されたキャブ側上下方向
加速度から得られる制御信号に基づいて前記各ショック
アブソーバbの減衰力特性制御を行なう減衰力特性制御
手段hと、を備えている手段とした。また、請求項2記
載のキャブサスペンション制御装置では、車両のキャブ
側とシャシ側との間に介在されていて減衰力特性変更手
段により減衰力特性を変更可能なショックアブソーバ
と、キャブ側に設けられていてキャブ側の上下方向加速
度を検出するキャブ側上下加速度検出手段と、シャシ側
に設けられていて該シャシ側の横方向加速度を検出する
シャシ側横加速度検出手段と、該シャシ側横加速度検出
手段で検出されたシャシ側の横方向加速度からキャブの
ロール角を求めるロール角検出手段と、該ロール角検出
手段で求められたキャブのロール角と前記シャシ側横加
速度検出手段で検出されたシャシ側の横方向加速度から
キャブのロール方向傾斜によってキャブ側上下加速度検
出手段で検出される横方向加速度の検出方向分力を求め
る横方向加速度成分検出手段と、前記キャブ側上下加速
度検出手段で検出されたキャブ側の上下方向加速度信号
から横方向加速度の検出方向分力をキャンセルしたキャ
ブ側上下方向加速度信号を得る信号補正手段と、該信号
補正手段で補正されたキャブ側上下方向加速度から得ら
れる制御信号に基づいて前記各ショックアブソーバの減
衰力特性制御を行なう減衰力特性制御手段と、を備えて
いる手段とした。
【0006】
【作用】本発明請求項1記載のキャブサスペンション制
御装置では、車両の急激な加速や減速が行なわれると、
シャシ側前後加減速度検出手段dでシャシ側の前後方向
加減速度が検出されると共に、該前後方向加減速度から
ピッチ角検出手段eにおいて車両のピッチ角が求めら
れ、さらに、このピッチ角と前後方向加減速度の値から
前後方向加減速度成分検出手段fにおいて車両のピッチ
方向傾斜によってキャブ側上下加速度検出手段cで検出
される前後方向加減速度の検出方向分力が求められる。
そして、信号補正手段gでは、キャブ側上下加速度検出
手段cで検出されたキャブ側の上下方向加速度信号から
前後方向加減速度の検出方向分力をキャンセルしたキャ
ブ側上下方向加速度信号が求められる。従って、車両の
加速もしくは減速時に発生する車両のピッチ方向傾斜お
よび前後方向加減速度に基づく信号ドリフトを防止し、
これにより、ショックアブソーバbにおける減衰力特性
の制御性の悪化を防止して車両の乗り心地および操縦安
定性を確保することができる。また、請求項2記載のキ
ャブサスペンション制御装置では、信号補正手段におい
て、キャブ側上下加速度検出手段cで検出されたキャブ
側の上下方向加速度信号から横方向加減速度の検出方向
分力をキャンセルしたキャブ側上下方向加速度信号が求
められる。従って、車両の操舵時に発生する車両のロー
ル方向傾斜および横方向加減速度に基づく信号ドリフト
を防止し、これにより、ショックアブソーバにおける減
衰力特性の制御性の悪化を防止して車両の乗り心地およ
び操縦安定性を確保することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図2は、本発明の実施の形態のキャブサ
スペンション制御装置を示す構成説明図のうち、キャブ
部分を示す斜視図であり、この図に示すように、車両に
おけるキャブ5とシャシ6との間に介在されて、4つの
ショックアブソーバSAFL,SAFR,SARL,SA
RR(なお、ショックアブソーバを説明するにあたり、こ
れら4つをまとめて指す場合、およびこれらの共通の構
成を説明する時にはただ単にSAと表示する。また、右
下の符号は設置位置を示すもので、FLはフロント左,FR
はフロント右,RLはリア左,RRはリア右をそれぞれ示し
ている。)が設けられている。また、前記ショックアブ
ソーバSAの近傍位置には、キャブ5とシャシ6との間
に介在されてエアばね36がそれぞれ設けられている。
なお、前記ショックアブソーバSAおよびエアばね36
は、左右対象につき右側は図示を省略する。
【0008】そして、各ショックアブソーバSAFL,S
FR,SARL,SARRの近傍位置のキャブ5には、キャ
ブ(ばね上)側の上下方向加速度GUD(GUDFL,GU
DFR,GUDRL,GUDRR)(上向きで正の値、下向きで負
の値)を検出するばね上上下加速度センサ(以後、上下
Gセンサという)1FL,1FR,1RL,1RRが設けられ、
また、運転席の近傍位置には、前記各上下Gセンサ1
(1FL,1FR,1RL,1RR)、および、後述の前後方向
加速度センサ2および横方向加速度センサ8からの信号
に基づき、各ショックアブソーバSAのパルスモータ3
に駆動制御信号を出力するコントロールユニット4が設
けられている。
【0009】また、図3は、キャブオーバタイプの車両
全体を示す側面図であり、この図に示すように、前輪と
後輪との中間位置のシャシ6には、車両の前後方向加減
速度GFB(加速方向で正の値、減速方向で負の値)を検
出する前後方向加減速度センサ(以後、前後Gセンサと
いう)2が設けられ、また、前記フロント側左右各ショ
ックアブソーバSAFL,SAFRの近傍位置のシャシ6に
は、車両の横方向加速度GLRを検出する横方向加速度セ
ンサ(以後、横Gセンサという)8が設けられている。
【0010】以上の構成を示すのが図4のシステムブロ
ック図であって、コントロールユニット4は、インタフ
ェース回路4a,CPU4b,駆動回路4cを備え、前
記インタフェース回路4aに、前記各上下Gセンサ
FL,1FR,1RL,1RRからのキャブ(ばね上)側の上
下方向加速度GUD(GUDFL,GUDFR,GUDRL,GUDRR
信号、前後Gセンサ2からの前後方向加速度GFB信号、
および、横Gセンサ8からの横方向加速度GLR信号が入
力される。
【0011】そして、前記インタフェース回路4aに
は、図15に示すように、キャブ5のピッチ方向傾斜に
よって上下Gセンサ1(1FL,1FR,1RL,1RR)で検
出されたキャブ(ばね上)側の上下方向加速度GUD(G
UDFL,GUDFR,GUDRL,GUDRR)信号に含まれる前後方
向加減速度成分GudFB(GudFBFL,GudFBFR,GudF
BRL,GudFBRR)を求めると共に、該前後方向加減速度
成分GudFB(GudFBFL,GudFBFR,GudFBRL,GudF
BRR)をキャンセルした絶対空間におけるキャブ5の上
下方向加速度G(GFL,GFR,GRL,GRR)信号を求め
る信号処置回路と、図18に示すように、キャブ5のロ
ール方向傾斜によって上下Gセンサ1(1FL,1FR,1
RL,1RR)で検出されたキャブ(ばね上)側の上下方向
加速度GUD(GUDFL,GUDFR,GUDRL,GUDRR)信号に
含まれる横方向加速度成分GudLR(GudLRFL,GudL
RFR,GudLRRL,GudLRRR)を求めると共に、該横方向
加減速度成分GudLR(GudLRFL,GudLRFR,GudLRRL
GudLRRR)をキャンセルした絶対空間におけるキャブ5
の上下方向加速度G(GFL,GFR,GRL,GRR)信号を
求める信号処置回路と、絶対空間におけるキャブ5の上
下方向加速度G(GFL,GFR,GRL,GRR)から、各シ
ョックアブソーバSA位置におけるキャブ5(ばね上)
の上下方向速度Δxと、キャブ5−シャシ6間(ばね上
−ばね下間)相対速度(Δx−Δx0 )をそれぞれ求め
るための信号処理回路とが設けられている。なお、これ
ら信号処理回路の詳細については後述する。
【0012】次に、図5は、ショックアブソーバSAの
構成を示す断面図であって、このショックアブソーバS
Aは、シリンダ30と、シリンダ30を上部室Aと下部
室Bとに画成したピストン31と、シリンダ30の外周
にリザーバ室32を形成した外筒33と、下部室Bとリ
ザーバ室32とを画成したベース34と、ピストン31
に連結されたピストンロッド7の摺動をガイドするガイ
ド部材35と、バンパラバー37とを備えている。
【0013】次に、図6は前記ピストン31の部分を示
す拡大断面図であって、この図に示すように、ピストン
31には、貫通孔31a,31bが形成されていると共
に、各貫通孔31a,31bをそれぞれ開閉する圧側減
衰バルブ20および伸側減衰バルブ12が設けられてい
る。また、ピストンロッド7の先端に螺合されたバウン
ドストッパ41には、ピストン31を貫通したスタッド
38が螺合して固定されていて、このスタッド38に
は、貫通孔31a,31bをバイパスして上部室Aと下
部室Bとを連通する流路(後述の伸側第2流路E,伸側
第3流路F,バイパス流路G,圧側第2流路J)を形成
するための連通孔39が形成されていて、この連通孔3
9内には前記流路の流路断面積を変更するための調整子
40が回動自在に設けられている。また、スタッド38
の外周部には、流体の流通の方向に応じて前記連通孔3
9で形成される流路側の流通を許容・遮断する伸側チェ
ックバルブ17と圧側チェックバルブ22とが設けられ
ている。なお、この調整子40は、前記パルスモータ3
によりコントロールロッド70を介して回転されるよう
になっている(図5参照)。また、スタッド38には、
上から順に第1ポート21,第2ポート13,第3ポー
ト18,第4ポート14,第5ポート16が形成されて
いる。
【0014】一方、調整子40は、中空部19が形成さ
れると共に、内外を連通する第1横孔24および第2横
孔25が形成され、さらに、外周部に縦溝23が形成さ
れている。
【0015】従って、前記上部室Aと下部室Bとの間に
は、伸行程で流体が流通可能な流路として、貫通孔31
bを通り伸側減衰バルブ12の内側を開弁して下部室B
に至る伸側第1流路Dと、第2ポート13,縦溝23,
第4ポート14を経由して伸側減衰バルブ12の外周側
を開弁して下部室Bに至る伸側第2流路Eと、第2ポー
ト13,縦溝23,第5ポート16を経由して伸側チェ
ックバルブ17を開弁して下部室Bに至る伸側第3流路
Fと、第3ポート18,第2横孔25,中空部19を経
由して下部室Bに至るバイパス流路Gの4つの流路があ
る。また、圧行程で流体が流通可能な流路として、貫通
孔31aを通り圧側減衰バルブ20を開弁する圧側第1
流路Hと、中空部19,第1横孔24,第1ポート21
を経由し圧側チェックバルブ22を開弁して上部室Aに
至る圧側第2流路Jと、中空部19,第2横孔25,第
3ポート18を経由して上部室Aに至るバイパス流路G
との3つの流路がある。
【0016】即ち、ショックアブソーバSAは、調整子
40を回動させることにより、伸側・圧側のいずれとも
図7に示すような特性で減衰力特性を多段階に変更可能
に構成されている。つまり、図8に示すように、伸側・
圧側いずれもソフトとした状態(以後、ソフト領域SS
という)から調整子40を反時計方向に回動させると、
伸側のみ減衰力特性を多段階に変更可能で圧側が低減衰
力特性に固定の領域(以後、伸側ハード領域HSとい
う)となり、逆に、調整子40を時計方向に回動させる
と、圧側のみ減衰力特性を多段階に変更可能で伸側が低
減衰力特性に固定の領域(以後、圧側ハード領域SHと
いう)となる構造となっている。
【0017】ちなみに、図8において、調整子40を
,,のポジションに配置した時の、図6における
K−K断面,L−L断面およびM−M断面,N−N断面
を、それぞれ、図9,図10,図11に示し、また、各
ポジションの減衰力特性を図12,13,14に示して
いる。
【0018】次に、コントロールユニット4の制御作動
のうち、キャブ5のピッチ方向傾斜によって上下Gセン
サ1(1FL,1FR,1RL,1RR)で検出されたキャブ
(ばね上)側の上下方向加速度GUD(GUDFL,GUDFR
GUDRL,GUDRR)信号に含まれる前後方向加減速度成分
GudFB(GudFBFL,GudFBFR,GudFBRL,GudFBRR)を
求めると共に、該前後方向加減速度成分GudFB(GudFB
FL,GudFBFR,GudFBRL,GudFBRR)をキャンセルした
絶対空間におけるキャブ5の上下方向加速度G(GFL
FR,GRL,GRR)信号を求める信号処置回路の内容
を、図15のブロック図、および、図16の作用説明図
に基づいて説明する。
【0019】まず、図15のブロック図において、C1
では、前後Gセンサ2で検出された前後方向加減速度G
FB信号から、次式(1)、(2) に基づいて車両の加速時およ
び減速時におけるキャブ5のピッチ角θpをそれぞれ求
める(図17参照)。
【0020】 加速時θp=Kf・GFB−Kf・GFBmin-f・・・・・・・・・・(1) 但し、GFBmin-f<GFB また、GFB>GFBmax-fの時、θp=θpmax-f なお、Kfは加速時の定数、GFBmin-fは加速側不感
帯、GFBmax-fは加速度信号の最大値、θpmax-fはピ
ッチ角の最大値である。
【0021】 減速時θp=Kb・GFB−Kb・GFBmin-b・・・・・・・・・・(2) 但し、GFBmin-b<GFB また、GFB>GFBmax-bの時、θp=θpmax-b なお、Kbは加速時の定数、GFBmin-bは減速側不感
帯、GFBmax-bは減速度信号の最大値、θpmax-bはピ
ッチ角の最大値である。
【0022】続くC2では、次式(3) に基づき、キャブ
5のピッチ方向傾斜によって上下Gセンサ1(1FL,1
FR,1RL,1RR)で検出されたキャブ(ばね上)側の上
下方向加速度GUD(GUDFL,GUDFR,GUDRL,GUDRR
信号に含まれる前後方向加減速度成分GudFB(GudF
BFL,GudFBFR,GudFBRL,GudFBRR)を求める(図1
6参照)。
【0023】 GudFB=GFB・sin θp≒GFB・θp・・・・・・・・・・・・・(3) 続くC3では、次式(4) に基づき、上下Gセンサ1(1
FL,1FR,1RL,1RR)で検出されたキャブ(ばね上)
側の上下方向加速度GUD(GUDFL,GUDFR,GUDRL,G
UDRR)信号に含まれる前記C2で求められた前後方向加
減速度成分GudFB(GudFBFL,GudFBFR,GudFBRL,G
udFBRR)をキャンセルした絶対空間におけるキャブ5の
上下方向加速度G(GFL,GFR,GRL,GRR)信号を求
める(図16参照)。
【0024】 G=GUD・(1/cos θp)+|GudFB・cos θp| ≒GUD+|GudFB| ≒GUD+GFB・θp・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4) 次に、コントロールユニット4の制御作動のうち、キャ
ブ5のロール方向傾斜によって上下Gセンサ1(1FL
FR,1RL,1RR)で検出されたキャブ(ばね上)側の
上下方向加速度GUD(GUDFL,GUDFR,GUDRL,GU
DRR)信号に含まれる横方向加速度成分GudLR(GudLR
FL,GudLRFR,GudLRRL,GudLRRR)を求めると共に、
該前後方向加減速度成分GudLR(GudLRFL,GudLRFR
GudLRRL,GudLRRR)をキャンセルした絶対空間におけ
るキャブ5の上下方向加速度G(GFL,GFR,GRL,G
RR)信号を求める信号処置回路と、絶対空間におけるキ
ャブ5の上下方向加速度G(GFL,GFR,GRL,GRR
から、各ショックアブソーバSA位置におけるばね上上
下速度Δxと、ばね上−ばね下間相対速度(Δx−Δx
0 )をそれぞれ求めるための信号処理回路の内容を、図
18のブロック図、および、図19の作用説明図に基づ
いて説明する。
【0025】まず、図18のブロック図において、D1
では、横Gセンサ8で検出された横方向加速度GLR信号
から、次式(5)、(6) に基づいて車両の右方向ロール時お
よび左方向ロール時におけるキャブ5のロール角θrを
それぞれ求める(図20参照)。
【0026】 右旋回時θr=Kr・GLR−Kr・GLRmin-r・・・・・・・・・・(5) 但し、GLRmin-r<GLR また、GLR>GLRmax-rの時、θr=θrmax-r なお、Krは右旋回時の定数、GLRmin-rは右旋回側不
感帯、GLRmax-rは左方向ロール速度信号の最大値、θ
rmax-rはロール角の最大値である。
【0027】 左旋回時θr=Kl・GLR−Kl・GLRmin-l・・・・・・・・・・(6) 但し、GLRmin-l<GLR また、GLR>GLRmax-lの時、θr=θrmax-l なお、Klは左旋回時の定数、GLRmin-lは左旋回側不
感帯、GLRmax-lは左方向ロール速度信号の最大値、θ
rmax-lはロール角の最大値である。
【0028】続くD2では、次式(7) に基づき、キャブ
5のロール方向傾斜によって上下Gセンサ1(1FL,1
FR,1RL,1RR)で検出されたキャブ(ばね上)側の上
下方向加速度GUD(GUDFL,GUDFR,GUDRL,GUDRR
信号に含まれる横方向加速度成分GudLR(GudLRFL,G
udLRFR,GudFBRL,GudFBRR)を求める(図18参
照)。
【0029】 GudLR=GLR・sin θr≒GLR・θr・・・・・・・・・・・・・(7) 続くD3では、次式(8) に基づき、上下Gセンサ1(1
FL,1FR,1RL,1RR)で検出されたキャブ(ばね上)
側の上下方向加速度GUD(GUDFL,GUDFR,GUDRL,G
UDRR)信号に含まれる前記D2で求められた横方向加速
度成分GudLR(GudLRFL,GudLRFR,GudFBRL,GudFB
RR)をキャンセルした絶対空間におけるキャブ5の上下
方向加速度G(GFL,GFR,GRS)信号を求める(図1
8参照)。
【0030】 G=GUD・(1/cos θr)+|GudLR・cos θr| ≒GUD+|GudLR| ≒GUD+GLR・θr・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(8) 次に、コントロールユニット4の制御作動のうち、前記
絶対空間におけるキャブ5の上下方向加速度G(GFL
FR,GRL,GRR)から、各ショックアブソーバSA位
置におけるキャブ5(ばね上)の上下方向速度Δxと、
キャブ5−シャシ6間(ばね上−ばね下間)相対速度
(Δx−Δx0 )を求めるための信号処理回路の構成
を、図21のブロック図に基づいて説明する。
【0031】まず、B1では、位相遅れ補償式を用い、
前記図15および/または図18の信号処理回路で得ら
れた各ショックアブソーバSA位置における絶対空間に
おけるキャブ5の上下方向加速度G(GFL,GFR
RL,GRR)を、各ショックアブソーバSA位置の上下
方向速度信号に変換する。なお、位相遅れ補償の一般式
は、次の伝達関数式(9) で表わすことができる。
【0032】 G(S) =((AS+1)/(BS+1))・・・・・・・・(9) (A<B) そして、減衰力特性制御に必要な周波数帯(0.5 Hz〜 3
Hz )において積分(1/S)する場合と同等の位相お
よびゲイン特性を有し、低周波(〜0.05 Hz )側でのゲ
インを下げるための位相遅れ補償式として、次の伝達関
数式(10)が用いられる。
【0033】 G(S) =(0.001 S+1)/(10S+1)×γ・・・・・・・・(10) なお、γは、積分(1/S)により速度変換する場合の
信号とゲイン特性を合わせるためのゲインであり、この
発明の実施の形態ではγ=10に設定されている。その
結果、図22の(イ) における実線のゲイン特性、およ
び、図22の(ロ) における実線の位相特性に示すよう
に、減衰力特性制御に必要な周波数帯(0.5 Hz〜 3 Hz
)における位相特性を悪化させることなく、低周波側
のゲインだけが低下した状態となる。なお、図22の
(イ),(ロ) の点線は、積分(1/S)により速度変換され
たばね上上下速度信号のゲイン特性および位相特性を示
している。
【0034】続くB2では、制御を行なう目標周波数帯
以外の成分を遮断するためのバンドパスフィルタ処理を
行なう。即ち、このバンドパスフィルタBPFは、2次
のハイパスフィルタHPF(0.8 Hz)と2次のローパス
フィルタLPF(1.2 Hz)とで構成され、車両のキャブ
(ばね上)共振周波数帯を目標とした上下方向速度Δx
(ΔxFL,ΔxFR,ΔxRL,ΔxRR)信号を求める。
【0035】一方、B3では、次式(11)に示すように、
各絶対空間におけるキャブ5の上下方向加速度からばね
上−ばね下間相対速度までの伝達関数Gu(S) を用い、
各絶対空間におけるキャブ5の上下方向加速度G
(GFL,GFR,GRL,GRR)信号から、各ショックアブ
ソーバSA位置のばね上−ばね下間相対速度(Δx−Δ
0)[(Δx−Δx0FL,(Δx−Δx0FR
(Δx−Δx0RL,(Δx−Δx0RR]信号を求め
る。 Gu(S) =−ms/(cs+k)・・・・・・・・(11) なお、mはばね上マス、cはサスペンションの減衰係
数、kはサスペンションのばね定数である。
【0036】次に、前記コントロールユニット4におけ
るショックアブソーバSAの減衰力特性制御作動の内容
を図23のフローチャートに基づいて説明する。なお、
この基本制御は各ショックアブソーバSAFL,SAFR
SARL,SARRごとに行なわれる。
【0037】ステップ101では、ばね上上下方向速度
Δxが正の値であるか否かを判定し、YESであればス
テップ102に進んで各ショックアブソーバSAを伸側
ハード領域HSに制御し、NOであればステップ103
に進む。
【0038】ステップ103では、ばね上上下方向速度
Δxが負の値であるか否かを判定し、YESであればス
テップ104に進んで各ショックアブソーバSAを圧側
ハード領域SHに制御し、NOであればステップ105
に進む。
【0039】ステップ105は、ステップ101および
ステップ103でNOと判断された時、即ち、ばね上上
下方向速度Δxの値が、0である時の処理ステップであ
り、この時は、各ショックアブソーバSAをソフト領域
SSに制御する。
【0040】次に、前記コントロールユニット4におけ
るショックアブソーバSAの減衰力特性制御作動の内容
を、図24のタイムチャートにより説明する。
【0041】ばね上上下方向速度Δxが、この図に示す
ように変化した場合、図に示すように、ばね上上下方向
速度Δxの値が0である時には、ショックアブソーバS
Aをソフト領域SSに制御する。
【0042】また、ばね上上下方向速度Δxの値が正の
値になると、伸側ハード領域HSに制御して、圧側の減
衰力特性をソフト特性に固定する一方、制御信号を構成
する伸側の減衰力特性(目標減衰力特性ポジションP
T )を、次式(12)に基づき、ばね上上下方向速度Δxに
比例させて変更する。 PT =α・Δx・Ku ・・・・・・・・・・・・・・・・(12) なお、αは、伸側の定数、Ku は、ばね上−ばね下間相
対速度(Δx−Δx0 )に応じて可変設定されるゲイン
である。
【0043】また、ばね上上下方向速度Δxの値が負の
値になると、圧側ハード領域SHに制御して、伸側減衰
力特性をソフト特性に固定する一方、制御信号を構成す
る圧側の減衰力特性(目標減衰力特性ポジションPC
を、次式(13)に基づき、ばね上上下方向速度Δxに比例
させて変更する。 PC =β・Δx・Ku ・・・・・・・・・・・・・・・・(13) なお、βは、圧側の定数である。
【0044】次に、コントロールユニット4の減衰力特
性制御作動のうち、主にショックアブソーバSAの制御
領域の切り換え作動状態を図24のタイムチャートに基
づいて説明する。
【0045】図24のタイムチャートにおいて、領域a
は、ばね上上下方向速度Δxが負の値(下向き)から正
の値(上向き)に逆転した状態である、この時はまだ相
対速度(Δx−Δx0 )は負の値(ショックアブソーバ
SAの行程は圧行程側)となっている領域であるため、
この時は、ばね上上下方向速度Δxの方向に基づいてシ
ョックアブソーバSAは伸側ハード領域HSに制御され
ており、従って、この領域ではその時のショックアブソ
ーバSAの行程である圧行程側がソフト特性となる。
【0046】また、領域bは、ばね上上下方向速度Δx
が正の値(上向き)のままで、ばね上−ばね下間相対速
度(Δx−Δx0 )は負の値から正の値(ショックアブ
ソーバSAの行程は伸行程側)に切り換わった領域であ
るため、この時は、ばね上上下方向速度Δxの方向に基
づいてショックアブソーバSAは伸側ハード領域HSに
制御されており、かつ、ショックアブソーバの行程も伸
行程であり、従って、この領域ではその時のショックア
ブソーバSAの行程である伸行程側が、ばね上上下方向
速度Δxの値に比例したハード特性となる。
【0047】また、領域cは、ばね上上下方向速度Δx
が正の値(上向き)から負の値(下向き)に逆転した状
態であるが、この時はまだばね上−ばね下間相対速度
(Δx−Δx0 )は正の値(ショックアブソーバSAの
行程は伸行程側)となっている領域であるため、この時
は、ばね上上下方向速度Δxの方向に基づいてショック
アブソーバSAは圧側ハード領域SHに制御されてお
り、従って、この領域ではその時のショックアブソーバ
SAの行程である伸行程側がソフト特性となる。
【0048】また、領域dは、ばね上上下方向速度Δx
が負の値(下向き)のままで、ばね上−ばね下間相対速
度(Δx−Δx0 )は正の値から負の値(ショックアブ
ソーバSAの行程は伸行程側)になる領域であるため、
この時は、ばね上上下方向速度Δxの方向に基づいてシ
ョックアブソーバSAは圧側ハード領域SHに制御され
ており、かつ、ショックアブソーバの行程も圧行程であ
り、従って、この領域ではその時のショックアブソーバ
SAの行程である圧行程側が、ばね上上下方向速度Δx
の値に比例したハード特性となる。
【0049】以上のように、この発明の実施の形態で
は、ばね上上下方向速度Δxとばね上−ばね下間相対速
度(Δx−Δx0 )とが同符号の時(領域b,領域d)
は、その時のショックアブソーバSAの行程側をハード
特性に制御し、異符号の時(領域a,領域c)は、その
時のショックアブソーバSAの行程側をソフト特性に制
御するという、スカイフック制御理論に基づいた減衰力
特性制御と同一の制御が、ばね上上下方向速度Δx信号
のみに基づいて行なわれることになる。そして、さら
に、この発明の実施の形態では、ショックアブソーバS
Aの行程が切り換わった時点、即ち、領域aから領域
b,および領域cから領域d(ソフト特性からハード特
性)へ移行する時には、切り換わる行程側の減衰力特性
ポジションは前の領域a,cで既にハード特性側への切
り換えが行なわれているため、ソフト特性からハード特
性への切り換えが時間遅れなく行なわれるもので、これ
により、高い制御応答性が得られると共に、ハード特性
からソフト特性への切り換えはパルスモータ3を駆動さ
せることなしに行なわれるもので、これにより、パルス
モータ3の耐久性向上と、消費電力の節約が成されるこ
とになる。
【0050】次に、前記コントロールユニット4におけ
るショックアブソーバSAの減衰力特性制御作動のう
ち、上下Gセンサ1(1FL,1FR,1RL,1RR)で検出
されたキャブ(ばね上)側の上下方向加速度GUD(GUD
FL,GUDFR,GUDRL,GUDRR)信号の補正制御の内容
を、図16および図19に基づいて説明する。
【0051】(イ)定速直進走行時 車両が一定の速度で直進走行している時は、前記キャブ
5のピッチ角θpおよびロール角θrの値は0であるた
め、前記式(4),(8) により、上下Gセンサ1(1FL,1
FR,1RL,1RR)で検出されたキャブ(ばね上)側の上
下方向加速度GUD(GUDFL,GUDFR,GUDRL,GUDRR
信号の値がそのまま用いられる。
【0052】(ロ)車両の加減速時 車両の加速もしくは減速により発生する車両(キャブ)
5のピッチ方向の姿勢変化(スカット、ダイブ)によっ
て走行路面に対し車両が前後(ピッチ)方向に傾斜した
状態においては、走行路面に対する上下Gセンサ1の検
出方向も走行路面に対し前後方向に傾斜した状態となる
ことから、この傾斜状態で加速もしくは減速による前後
方向の加減速度が車両に作用すると、走行路面に対し平
行に作用する前後方向加減速度の分力が上下Gセンサ1
の検出方向にも作用するようになるため、前後方向加減
速度の分力の分だけ上下方向加速度信号をドリフトさ
せ、これにより、車両の乗り心地および操縦安定性を害
する結果となる。
【0053】ところが、この発明の実施の形態では、車
両の加減速により前後Gセンサ2で検出された前後方向
加減速度GFB信号の値が所定の不感帯(加速側不感帯G
FBmin-f、減速側不感帯GFBmin-b)の範囲を越える
と、前記式(1),(2) によりキャブ5のピッチ角θpが検
出され、前記式(4) により、キャブ5のピッチ方向傾斜
によって上下Gセンサ1(1FL,1FR,1RL,1RR)で
検出されたキャブ(ばね上)側の上下方向加速度GUD
(GUDFL,GUDFR,GUDRL,GUDRR)信号に含まれる前
後方向加減速度成分GudFB(GudFBFL,GudFBFR,Gud
FBRL,GudFBRR)をキャンセルした絶対空間におけるキ
ャブ5の上下方向加速度G(GFL,GFR,GRL,GRR
信号が求められる。
【0054】従って、車両の加減速時においても、ばね
上上下方向加速度信号のドリフトが防止され、これによ
り、定速直進走行時とほぼ同じ条件でショックアブソー
バSAの減衰力特性制御が行なわれることになる。
【0055】(ハ)車両の旋回時 車両の旋回時に発生する車両(キャブ)5の横方向の姿
勢変化(ロール)によって走行路面に対し車両が横方向
に傾斜した状態においても、走行路面に対する上下Gセ
ンサ1の検出方向も走行路面に対し横方向に傾斜した状
態となることから、前記(ロ)と同様の問題が生じ、こ
れにより、車両の乗り心地および操縦安定性を害する結
果となる。
【0056】ところが、この発明の実施の形態では、車
両の旋回により横Gセンサ8で検出された横方向加減速
度GLR信号の値が所定の不感帯(右旋回側不感帯GLRmi
n-r、左旋回側不感帯GLRmin-l)の範囲を越えると、
前記式(5),(6) によりキャブ5のロール角θrが検出さ
れ、前記式(8) により、キャブ5のロール方向傾斜によ
って上下Gセンサ1(1FL,1FR,1RL,1RR)で検出
されたキャブ(ばね上)側の上下方向加速度GUD(GUD
FL,GUDFR,GUDRL,GUDRR)信号に含まれる横方向加
減速度成分GudLR(GudLRFL,GudRLFR,GudLRRL,G
udLRRR)をキャンセルした絶対空間におけるキャブ5の
上下方向加速度G(GFL,GFR,GRL,GRR)信号が求
められる。
【0057】従って、車両の旋回時においても、ばね上
上下方向加速度信号のドリフトが防止され、これによ
り、定速直進走行時とほぼ同じ条件でショックアブソー
バSAの減衰力特性制御が行なわれることになる。
【0058】なお、前述のように、車両の加減速により
前後Gセンサ2で検出された前後方向加減速度GFB信号
の値が所定の不感帯(加速側不感帯GFBmin-f、減速側
不感帯GFBmin-b)の範囲内である時、または、車両の
旋回により横Gセンサ8で検出された横方向加減速度G
LR信号の値が所定の不感帯(右旋回側不感帯GLRmin-
r、左旋回側不感帯GLRmin-l)の範囲内である時は、
上下Gセンサ1(1FL,1FR,1RL,1RR)で検出され
たキャブ(ばね上)側の上下方向加速度GUD(GUDFL
GUDFR,GUDRL,GUDRR)信号の補正制御が行われな
い。
【0059】これは、サスペンションは、その構造上、
所定の摩擦抵抗を持ち、ショックアブソーバSAにおい
て最低でも所定の減衰力を発生すると共に、特に、アン
チススカット、アンチダイブ、アンチロール制御機構を
持つサスペンションにおいては、ある一定範囲の加速度
に対してはキャブ5の傾きが発生しないので、その範囲
内の検出加速度に対しては補正制御を行わないようにす
ることによって、より正確な制御信号が得られ、減衰力
特性制御効果を高めることができる。
【0060】以上説明してきたように、この発明の実施
の形態のキャブサスペンション制御装置では、車両の加
減速時および旋回時に発生するキャブ5の傾斜および前
後方向加減速度もしくは横方向加速度に基づく信号ドリ
フトを防止し、これにより、ショックアブソーバSAに
おける減衰力特性の制御性の悪化を防止して車両の乗り
心地および操縦安定性を向上させることができるように
なるという効果が得られる。
【0061】また、車両の前後方向加減速度および横方
向加速度による傾斜の少ないシャシ6側に前後Gセンサ
2および横Gセンサ8が設けられているため、センサの
傾斜による検出加速度の誤差が極めて少ないため、制御
精度を高めることができるようになるという効果が得ら
れる。以上、発明の実施の形態について説明してきたが
具体的な構成はこの発明の実施の形態に限られるもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等が
あっても本発明に含まれる。
【0062】例えば、発明の実施の形態では、キャブの
ピッチ角検出手段およびロール角検出手段として前後方
向加減速信号または横方向加速度信号から演算で求める
ようにした例を示したが、予め机上もしくは実車におけ
るデータを求め、線形補間を行うことにより図25およ
び図26に示すような対応マップを作成し、このマップ
を利用するようにしたり、または、予め関数を求め、こ
れを利用するようにしてもよい。
【0063】また、発明の実施形態では、エアばね36
を備える場合を示したが、このエアばね36に代えて、
図27に示すように、サスペンションスプリングSを備
えたショックアブソーバSAを用いることもできる。
【0064】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明請求項1
記載のキャブサスペンション制御装置では、上述のよう
に、ピッチ角検出手段で求められたキャブのピッチ角と
前記シャシ側前後加減速度検出手段で検出されたシャシ
側の前後方向加減速度からキャブのピッチ方向傾斜によ
ってキャブ側上下加速度検出手段で検出される前後方向
加減速度の検出方向分力を求める前後方向加減速度成分
検出手段と、前記キャブ側上下加速度検出手段で検出さ
れたキャブ側の上下方向加速度信号から前後方向加減速
度の検出方向分力をキャンセルしたキャブ側上下方向加
速度信号を得る信号補正手段と、該信号補正手段で補正
されたキャブ側上下方向加速度から得られる制御信号に
基づいて前記各ショックアブソーバの減衰力特性制御を
行なう減衰力特性制御手段と、を備えた構成としたこと
で、車両の加速もしくは減速時に発生する車両の傾斜お
よび前後方向加減速度に基づく信号ドリフトを防止し、
ショックアブソーバにおける減衰力特性の制御性の悪化
を防止して車両の乗り心地および操縦安定性を確保する
ことができるようになるという効果が得られる。
【0065】また、車両の前後方向加減速度による傾斜
の少ないシャシ側に前後加減速度検出手段を設けた構成
としたことで、前後加減速度検出手段の傾斜による検出
加速度の誤差が極めて少ないため、制御精度を高めるこ
とができるようになるという効果が得られる。
【0066】また、請求項2記載のキャブサスペンショ
ン制御装置では、信号補正手段において、キャブ側上下
加速度検出手段で検出されたキャブ側の上下方向加速度
信号から横方向加減速度の検出方向分力をキャンセルし
たキャブ側上下方向加速度信号を求める構成としたこと
で、車両の操舵時に発生する車両のロール方向傾斜およ
び横方向加減速度に基づく信号ドリフトを防止し、これ
により、ショックアブソーバにおける減衰力特性の制御
性の悪化を防止して車両の乗り心地および操縦安定性を
確保することができる。
【0067】また、車両の横方向加減速度による傾斜の
少ないシャシ側に横加速度検出手段を設けた構成とした
ことで、横加速度検出手段の傾斜による検出加速度の誤
差が極めて少ないため、制御精度を高めることができる
ようになるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のキャブサスペンション制御装置を示す
クレーム対応図である。
【図2】本発明の実施の形態のキャブサスペンション制
御装置を示す構成説明図のうち、キャブオーバタイプ車
両のキャブ部分を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態のキャブサスペンション制
御装置を示す構成説明図のうち、キャブオーバタイプ車
両の全体を示す側面図である。
【図4】発明の実施の形態のキャブサスペンション制御
装置を示すシステムブロック図である。
【図5】発明の実施の形態に適用したショックアブソー
バを示す断面図である。
【図6】前記ショックアブソーバの要部を示す拡大断面
図である。
【図7】前記ショックアブソーバのピストン速度に対応
した減衰力特性図である。
【図8】前記ショックアブソーバのパルスモータのステ
ップ位置に対応した減衰力特性図である。
【図9】前記ショックアブソーバの要部を示す図6のK
−K断面図である。
【図10】前記ショックアブソーバの要部を示す図6の
L−L断面およびM−M断面図である。
【図11】前記ショックアブソーバの要部を示す図のN
−N断面図である。
【図12】前記ショックアブソーバの伸側ハード時の減
衰力特性図である。
【図13】前記ショックアブソーバの伸側・圧側ソフト
状態の減衰力特性図である。
【図14】前記ショックアブソーバの圧側ハード状態の
減衰力特性図である。
【図15】前後方向加減速度成分をキャンセルした絶対
空間におけるキャブの上下方向加速度信号を求める信号
処理回路を示すブロック図である。
【図16】前記図15の信号処理回路の作用説明図であ
る。
【図17】車両の前後方向加減速度と車両のピッチ角と
の関係を示す図である。
【図18】横方向加速度成分をキャンセルした絶対空間
におけるキャブの上下方向加速度信号を求める信号処理
回路を示すブロック図である。
【図19】前記図18の信号処理回路の作用説明図であ
る。
【図20】車両の横方向加速度と車両のロール角との関
係を示す図である。
【図21】発明の実施の形態におけるキャブ(ばね上)
の上下方向速度およびキャブ−シャシ間(ばね上−ばね
下間)相対速度を求める信号処理回路を示すブロック図
である。
【図22】前記図21の信号処理回路で得られたキャブ
(ばね上)上下方向速度信号のゲイン特性(イ) および位
相特性(ロ) を示す図である。
【図23】コントロールユニットの減衰力特性制御作動
の内容を示すフローチャートである。
【図24】コントロールユニットの減衰力特性制御作動
の内容を示すタイムチャートである。
【図25】車両の前後横方向加減速度と車両のピッチ角
との関係を示すマップである。
【図26】車両の横方向加速度と車両のロール角との関
係を示すマップである。
【図27】エアばねに代えてサスペンションスプリング
を用いる場合の適用ショックアブソーバを示す断面図で
ある。
【符号の説明】
a 減衰力特性変更手段 b ショックアブソーバ c キャブ側上下加速度検出手段 d シャシ側前後加減速度検出手段 e ピッチ角検出手段 f 前後方向加減速度成分検出手段 g 信号補正手段 h 減衰力特性制御手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両のキャブ側とシャシ側との間に介在さ
    れていて減衰力特性変更手段により減衰力特性を変更可
    能なショックアブソーバと、 キャブ側に設けられていてキャブ側の上下方向加速度を
    検出するキャブ側上下加速度検出手段と、 シャシ側に設けられていて該シャシ側の前後方向加減速
    度を検出するシャシ側前後加減速度検出手段と、 該シャシ側前後加減速度検出手段で検出されたシャシ側
    の前後方向加減速度からキャブのピッチ角を求めるピッ
    チ角検出手段と、 該ピッチ角検出手段で求められたキャブのピッチ角と前
    記シャシ側前後加減速度検出手段で検出されたシャシ側
    の前後方向加減速度からキャブのピッチ方向傾斜によっ
    てキャブ側上下加速度検出手段で検出される前後方向加
    減速度の検出方向分力を求める前後方向加減速度成分検
    出手段と、 前記キャブ側上下加速度検出手段で検出されたキャブ側
    の上下方向加速度信号から前後方向加減速度の検出方向
    分力をキャンセルしたキャブ側上下方向加速度信号を得
    る信号補正手段と、 該信号補正手段で補正されたキャブ側上下方向加速度か
    ら得られる制御信号に基づいて前記各ショックアブソー
    バの減衰力特性制御を行なう減衰力特性制御手段と、を
    備えていることを特徴とするキャブサスペンション制御
    装置。
  2. 【請求項2】車両のキャブ側とシャシ側との間に介在さ
    れていて減衰力特性変更手段により減衰力特性を変更可
    能なショックアブソーバと、 キャブ側に設けられていてキャブ側の上下方向加速度を
    検出するキャブ側上下加速度検出手段と、 シャシ側に設けられていて該シャシ側の横方向加速度を
    検出するシャシ側横加速度検出手段と、 該シャシ側横加速度検出手段で検出されたシャシ側の横
    方向加速度からキャブのロール角を求めるロール角検出
    手段と、 該ロール角検出手段で求められたキャブのロール角と前
    記シャシ側横加速度検出手段で検出されたシャシ側の横
    方向加速度からキャブのロール方向傾斜によってキャブ
    側上下加速度検出手段で検出される横方向加速度の検出
    方向分力を求める横方向加速度成分検出手段と、 前記キャブ側上下加速度検出手段で検出されたキャブ側
    の上下方向加速度信号から横方向加速度の検出方向分力
    をキャンセルしたキャブ側上下方向加速度信号を得る信
    号補正手段と、 該信号補正手段で補正されたキャブ側上下方向加速度か
    ら得られる制御信号に基づいて前記各ショックアブソー
    バの減衰力特性制御を行なう減衰力特性制御手段と、を
    備えていることを特徴とするキャブサスペンション制御
    装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020195295A1 (ja) * 2019-03-26 2020-10-01 日立オートモティブシステムズ株式会社 サスペンション制御装置
WO2023098725A1 (zh) * 2021-11-30 2023-06-08 江苏徐工国重实验室科技有限公司 悬置系统、工程车辆以及悬置系统控制方法

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