JPH11170469A - 低反発弾性のクッション材 - Google Patents

低反発弾性のクッション材

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JPH11170469A
JPH11170469A JP9345414A JP34541497A JPH11170469A JP H11170469 A JPH11170469 A JP H11170469A JP 9345414 A JP9345414 A JP 9345414A JP 34541497 A JP34541497 A JP 34541497A JP H11170469 A JPH11170469 A JP H11170469A
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JP
Japan
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foam
pressure
sensitive adhesive
rebound resilience
polyurethane resin
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Application number
JP9345414A
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English (en)
Inventor
Kenichiro Toda
健一郎 戸田
Hirohide Sakaguchi
博英 坂口
Yosuke Daimon
陽介 大門
Keisuke Fukuda
恵介 福田
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TOKEN JUSHI KAGAKU KK
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
TOKEN JUSHI KAGAKU KK
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高反発弾性の軟質ポリウレタン発泡体の全体
又は部分的に低反発弾性化した軟質ポリウレタン発泡体
からなるクッション材を提供すること。 【解決手段】 軟質ポリウレタン発泡体の表面及び/又
は裏面に末端に水酸基を含有する感圧粘着性ポリウレタ
ン樹脂、好ましくはA液として末端イソシアネート基を
2〜10重量%含有するプレポリマー、B液がポリオー
ルの2成分型ウレタン樹脂であり、両者の使用比率(N
CO/OH比)が0.6〜0.98である感圧粘着性ポ
リウレタン樹脂を含浸及び/又はスプレーして、硬化さ
せて低反発弾性のクツション材を提供した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、シート、ベッ
ト、玩具及び衝撃吸収等に使用するクッション材料に関
し、特に、通常の軟質クッション材の反発弾性を25%
以下に規制したクッション材料に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、軟質ポリウレタン発泡体は、スラ
ブ発泡やモールド発泡と呼ばれる公知の方法により発泡
・硬化させて得られ、また、発泡体細片をポリウレタン
樹脂で結着させ製造することができる。このような方法
で製造した軟質ポリウレタン発泡体は35〜80%の反
発弾性(JIS K1401)を有し、寝具、家具のク
ッシュン、自動車のシート等に広く使用されている。
【0003】又、硬質ないし半硬質のポリウレタンフォ
ームやプラスチック発泡体、例えば、ポリスチレン発泡
体、ポリプロピレン発泡体は、反発弾性が、通常、8〜
12%と低いが、いずれも弾性率が高いため硬い。さら
に、発泡体細片をポリウレタン樹脂で結着させ製造した
発泡体も(例えば、特開昭57−123275号等)、
発泡体細片自体が高反発であり、結着させるバインダー
も粘着性等は無いので反発弾性は高い。ポリウレタン発
泡体の用途によっては、より低反発弾性のポリウレタン
発泡体が望まれている。このような要望に対して、例え
ば、低反発弾性のクッション材としては、特開平2−1
75713号で、分子量が低く、特定の平均官能基数の
ポリエーテルポリオールを使用する軟質ポリウレタンフ
ォームが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】反発弾性が高いフォー
ムを使用してシートとした場合、シートに座る際に硬
い感じがして感触が悪い、長時間座っているとシート
からの反発力により圧迫感があり疲労感が感じられる、
ソフト感を出すため密度を低下させると外力による変
形量が大きくなって内在するスプリングあるいはフレー
ム等が使用者の体に感知されて使用感が劣る、部分的
に反発弾性を変化させるには、異種のフォームを接着使
用する必要がある等の問題点がある。また、長期の入院
者や身動きのできない患者が使用するベッドやシート等
のクッションは、高反発弾性品より低反発弾性品が良い
と考えられる。しかしながら、上記の低反発弾性クッシ
ョン材を使用した場合、内在するスプリングやフレーム
等が使用者の体に感知されることは殆ど無くなるが、良
好なクッション感が得られない。また変形が大きくなる
とフォーム構造が破壊され、樹脂の降伏点以上では永久
歪みが残存し、形状の回復性が悪く元に戻らないという
問題点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の問
題点に鑑み、反発弾性の低い軟質ポリウレタン発泡体を
得ること、また、部分的に反発弾性を低下させた軟質ポ
リウレタン発泡体を得ることを課題として鋭意検討し
た。その結果、軟質ポリウレタン発泡体の表面及び/又
は裏面に末端に水酸基を含有する感圧粘着性ポリウレタ
ン樹脂を含浸及び/又はスプレーすることにより、高反
発弾性の軟質ポリウレタンフォームを低反発弾性化する
ことができるのを見出し、本発明の方法を確立した。
【0006】すなわち、本発明は、軟質ポリウレタン発
泡体の表面及び/又は裏面に末端に水酸(OH)基を含
有する感圧粘着性ポリウレタン樹脂を含浸及び/又はス
プレーすることを特徴とする低反発弾性のクツション
材、あるいは軟質ウレタン発泡体成形物の一部に感圧粘
着性ポリウレタン樹脂を含浸及び/又はスプレーし、部
分的に反発弾性率を低下させた低反発弾性のクッション
材である。これらの発明において、好ましくは、感圧粘
着性ポリウレタン樹脂の使用量が、軟質ウレタン発泡体
に対して10〜200重量%であり、また感圧粘着性ポ
リウレタン樹脂が、A液として末端イソシアネート基を
2〜10重量%含有するプレポリマー、B液がポリオー
ルである2成分型樹脂であり、両者の使用比率(NCO
/OH比)が0.6〜0.98である。
【0007】本発明の方法によれば、軟質ポリウレタン
発泡体の表面及び/又は裏面の全面または部分的に感圧
粘着性ポリウレタン樹脂を含浸及び/又はスプレーし
て、軟質ポリウレタン発泡体の反発弾性を低下させるこ
とができる。したがって、その製造方法の態様を変化さ
せることにより、例えば、高反発弾性の軟質ポリウレタ
ン発泡体の製造ラインで製造された発泡体を本発明の方
法で処理して低反発弾性の軟質ポリウレタン発泡体とす
る、ことができる。このことは公知の方法のように、使
用する原料から全て低反発弾性の軟質ポリウレタン発泡
体を製造する生産ラインとする必要が無く、経済的にも
エンジニアリングの面からも有益である。また、部分的
に低反発弾性化する方法であるため用途に応じて部分的
に反発弾性の異なる多様なクッション材を提供すること
ができる。また、分子量が低く平均官能基数を特定する
等の処方改良により低反発弾性化した場合、フォームの
機械強度ならびに圧縮永久歪が低下するため弱くヘタリ
易いフォームとなるが、本願発明の方法によれば機械強
度が高く、圧縮永久歪が小さい通常のフォームを低反発
化するので強くヘタラないフォームを得ることができ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の方法で使用する軟質ポリ
ウレタン発泡体は、軟質のものであれば、ポリエステル
型ポリウレタン発泡体、ポリエーテル型ポリウレタン発
泡体の両方及び混合系でも使用可能である。例えば、通
常、家具やマットレスに使用される、ホットモールドと
称する密度が低く柔らかいものや、自動車シートに使用
されている高反発弾性フォームと称される密度がやや高
く反発弾性も高く、形状回復性に優れるものに加え、更
に密度の高い半硬質フォームや、軟質ウレタン発泡体の
細片体(粒径1〜50mm)を1液又は2液のバインダ
ーで接着加工したもの等軟質のポリウレタン発泡体であ
れば何れも使用可能である。通常これらの発泡体は35
〜80%の反発弾性を有するものである。
【0009】この高反発弾性の軟質ポリウレタン発泡体
を低反発弾性化するには、末端に水酸(OH)基を含有
する感圧粘着性ポリウレタン樹脂を発泡体に含浸及び/
又はスプレーする。この時、発泡体の内部空間の大部分
に感圧粘着性ポリウレタン樹脂層がコーテイングされる
ため、外力により少しでも変形するとコーティング面同
士が感圧粘着された状態となる。また、外力を解除する
とその粘着部分が徐々に離れ、一定の時間後には、軟質
ポリウレタン発泡体自体の復元力と相まって外力が加わ
った前の状態に戻ることができる。なお、塗布された感
圧粘着性ポリウレタン樹脂は一定時間経過後には、完全
に反応硬化するため、製品となった状態では粘着性を有
するものの、接着性(外力を除いた際前の状態に戻れな
い)は失われており、加圧圧縮時に接着固定されること
はない。
【0010】加えて、コーティングされた感圧粘着性ポ
リウレタン樹脂は低硬度のウレタン無発泡体のため、そ
れ自体も反発弾性は低く、外力が加わった際に軟質ポリ
ウレタン発泡体の反発弾性を抑制する作用がある。この
ため、感圧粘着性ポリウレタン樹脂は軟質であるけれど
も、ポリウレタン発泡体の反発弾性を25%以下まで小
さくすることが可能となった。
【0011】本発明で使用する感圧粘着性ポリウレタン
樹脂は、末端に水酸基を有する熱可塑性ポリウレタン樹
脂、または2成分型のウレタン樹脂であり、末端に水酸
基を有する熱可塑性ポリウレタン樹脂を溶剤で希釈した
溶液として、また2成分型のウレタン樹脂は、A液とし
ては末端イソシアネート基を2〜10重量%含有するプ
レポリマー、B液としてポリオールを用いる2成分型樹
脂であり、A液とB液の使用比率がNCO/OH比で
0.6〜0.98となるようにAおよびB液を混合した
ものである。中でも2成分型ウレタン樹脂が好適であ
る。使用比率が1.0以上であると樹脂の鎖伸長反応が
進むことと、末端にOH基が残存しないため、粘着性能
が低下し、材料の硬さが向上するためクッション性が低
下する。又、0.6未満では感圧粘着性は増加するがポ
リウレタン樹脂自体の物性が低下して耐久性も低下する
ことと、分子量が低すぎるため粘着度が大き過ぎ圧縮力
を除去した後の回復性が悪くなる。このように、A、B
2液をNCO/OH比が0.6〜0.98となるような
比率で使用して、感圧粘着性ポリウレタン樹脂の鎖伸長
反応を抑制して分子量をあまり大きくせずにポリマー自
身に粘着性を持たせることと、ポリオール成分を多く使
用して硬化後も水酸基が残存させることは、軟質ポリウ
レタン発泡体の低反発弾性化に有効な手段である。
【0012】感圧粘着性ウレタン樹脂の製法は、末端に
水酸基を有する熱可塑性ポリウレタン樹脂の場合、ジメ
チルホルムアミド、トルエン、酢酸エチル等の溶媒中で
下記に例示するイソシアネート化合物と活性水素含有化
合物をNCOインデックス(NCO対Hの比率)を1未
満で反応させ末端に水酸基を残存させた構造の樹脂を得
る方法が好ましい。
【0013】2成分型のウレタン樹脂の場合は、A液の
プレポリマーは公知の方法で合成できる。具体的には、
所定量のポリオールとイソシアネート成分をフラスコ中
60〜100℃で数時間攪拌・混合することにより合成
することができる。最終的に末端のイソシアネート基含
有量(NCO%)が2〜10%となるよう調整する。N
CO%が2%未満では粘度が高くなり作業性が低下する
ことに加え、樹脂の機械強度が低下する。又、NCO%
が10%を超えると樹脂の硬さが高くなり、例えば、ク
ッション等の軟質ポリウレタン発泡体の低反発弾性化に
使用しても、クッションのソフト感が低下する。B液と
して使用される活性水素含有化合物は、下記に例示する
ポリオールであり、これらは1種又は2種以上の混合物
として用いられる。
【0014】感圧粘着性ウレタン樹脂を得るためのイソ
シアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネー
トおよび2,6−トルエンジイソシアネートまたはその
混合物、粗トルエンジイソシアネート、パラフェニレン
ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネ
ート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート及
びそのポリメリック体、1,5−ナフタレンジイソシア
ネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルジ
イソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ
−4,4’−ジフェニルジイソシアネート、2−クロロ
−1,4−フェニルジイソシアネート、1−クロロ−
2,4−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレン
ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、
2,2’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェ
ニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイ
ソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、ω−
キシリレンジイソシアネート、ω’−キシリレンジイソ
シアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソ
シアネート、イソプロピリデンビス(シクロヘキシルイ
ソシアネート)等の脂肪族または脂環族ジイソシアネー
トが使用できる。これらは1種又は2種以上の混合物と
して用いられる。
【0015】また感圧粘着性ウレタン樹脂を得るための
ポリオール(活性水素含有化合物)としては、例えば、
n−ブタノール、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル等のモノオール、プロピレングリコール、エチレング
リコール又はこれらにプロピレンオキサイドまたはエチ
レンオキサイドあるいはその両者を付加重合させたも
の、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のポリエ
ーテルジオール、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,4−ブタンジオール等の低分子グリコール
と、アジピン酸、フタル酸等の有機酸とから脱水縮合し
て得られるポリエステルグリコール、グリセリン、トリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトール、アラビト
ール、ソルビトールまたはこれらを開始剤としてプロピ
レンオキサイドまたはエチレンオキサイドあるいはその
両者を付加重合させたもの等が用いられ、分子量は20
0〜20000、好ましくは400〜12000程度で
ある。
【0016】感圧粘着性ウレタン樹脂を得る際に、更に
塩化第二鉄、硝酸蒼塩、三塩化アンチモン、塩化第一ス
ズ、塩化第二スズ、トリ−n−ブチルチンアセテート、
n−ブチルチントリクロライド、ジメチルチンジクロラ
イド、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンジ−2
−エチルヘキソエート、コバルト−2−エチルヘキソエ
ート、第二鉄−2−エチルヘキソエート、鉛−2−エチ
ルヘキソエート、オクチル酸錫、オクチル酸鉛、ナフテ
ルン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、オレイン酸カリウ
ム、ネオデカン酸ビスマス、オレイン酸ビスマス、トリ
エチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモル
ホリン、N−エチルモルホリン、N、N’−ジメチルベ
ンジルアミン、N、N’−ジメチルピペラジン、N、
N、N’、N’−テトラメチルエチレンジアミン、N、
N、N’、N’−テトラメチルプロピレンジアミン、
N、N、N’、N’−テトラメチル−1,3−ブタンジ
アミン、N、N、N’、N’−テトラメチルヘキサメチ
レンジアミン、N−ペンタメチルジエチレントリアミ
ン、N−ヘキサメチルトリエチレンジアミン等の反応促
進剤、繊維屑、プラスチック屑、無機充填材、可塑剤、
粘着付与剤等は、製品の粘弾性を阻害しない程度に添加
されても良い。
【0017】本発明の軟質ポリウレタン発泡体の低反発
弾性化は、上記の末端に水酸基を含有する感圧粘着性ポ
リウレタン樹脂を、軟質ポリウレタン発泡体の表面また
は裏面あるいは両面の全体または部分的に、含浸及び/
又はスプレーして硬化させて、含浸及び/又はスプレー
した部分の発泡体の反発弾性を低下させることにより行
うことができる。
【0018】感圧粘着性ポリウレタン樹脂を発泡体の必
要部分に塗布する方法は含浸法またはスプレー法があ
る。含浸法およびスプレー法を併用しても良い。含浸及
び/又はスプレーする感圧粘着性ウレタン樹脂の使用量
は、軟質ポリウレタン発泡体に対して5〜200重量%
であり、好ましくは20〜150重量%である。5重量
%未満では反発弾性が低下せず、200重量%を超える
と粘着性が出過ぎるため、クッションの回復性が劣る傾
向である。この感圧粘着性ポリウレタン樹脂を発泡体の
必要部分に塗布して部分的に低反発弾性化する方法は、
軟質スラブフォームおよび軟質モルドフォームの何れに
も適用可能であり、軟質ウレタン発泡体成形物の所要部
分に感圧粘着性ポリウレタン樹脂を部分的に含浸及び/
又はスプレーして、軟質ウレタン発泡体成形物を部分的
に反発弾性率を低下させた低反発弾性のクッション材等
の多様な製品を得ることができる。このことは、クッシ
ョンやベットを製造する場合、中心部のみ低反発性とす
る等、目的により反発弾性を変えることができるのでラ
インの組み替えや複雑な後加工をせずに種々のものが得
られる利点があり、本発明方法の大きな特徴である。
【0019】感圧粘着性ポリウレタン樹脂を軟質ポリウ
レタン発泡体の表面及び/又は裏面全体に塗布する方法
も、含浸法またはスプレー法が適用される。勿論、併用
してもよい。含浸法の場合、軟質ポリウレタン発泡体
を、感圧粘着性ポリウレタン樹脂を溶剤等で希釈した溶
液を含ませた後、そのまま乾燥・硬化させても、また溶
液を含ませた後、ロールで圧縮して溶液を軟質フォーム
の全体に行き渡らせて絞り含浸量を調節した後、乾燥・
硬化させてもよい。スプレーする場合は、軟質ポリウレ
タン発泡体の表面及び/又は裏面の全面にに必要量の感
圧粘着性ポリウレタン樹脂をスプレーして乾燥・硬化さ
せても、また、スプレー後、ロールで圧縮して乾燥・硬
化させても良い。圧縮するによって上記同様の効果が得
られる。この方法により軟質ポリウレタン発泡体の表面
または裏面全面あるいは軟質ポリウレタン発泡体の表裏
全体が低反発弾性化された軟質ポリウレタン発泡体を得
ることができる。
【0020】上記における感圧粘着性ポリウレタン樹脂
を軟質ポリウレタン発泡体に含浸させるには公知の方法
が適用できる。例えば、槽に満たした液に発泡体を浸漬
するディピング法、液をナイフ等でコートする方法等で
ある。また、感圧粘着性ポリウレタン樹脂を軟質ポリウ
レタン発泡体にスプレーするには、1成分材料の場合は
通常のエアースプレー又はエアレススプレー装置が使用
できる。2成分系材料の場合は、スプレーを行う前に2
液を混ぜる方法とガンの部分で2液を混合させる方法と
がある。ガンでの混合方法は静的混合のスタティックミ
キサー、機械式攪拌混合及び高圧衝突混合式がありいず
れも使用できる。感圧粘着性ポリウレタン樹脂を含ませ
た軟質ポリウレタン発泡体は、必要に応じ圧縮、加熱を
行うことで、A、B2成分を反応させ高分子化する。加
熱は熱風吹き付け、型枠に装備した電熱装置、高周波等
の周知の手段で行われる。
【0021】
【実施例】低反発弾性のクッション材を製造するに当た
り、実際に使用する材料の調製を行った。公知の軟質ポ
リウレタン発泡体はスラブ発泡又はモールド発泡により
製造されており、原料は分子量3000〜6000の平
均官能基数3〜3.5のポリオールとトルエンジイソシ
アネート(TDI)及びTDIと粗製ジフェニルメタン
ジイソシアネートの混合イソシアネートを使用する。ス
ラブ発泡では発泡したフォームを100〜150℃に加
熱した炉内で約20〜30分程度硬化させる。またモー
ルド発泡では予め30〜65℃に加熱した金型へ原料を
注入し、100から200℃に保持した炉内で5〜20
分加熱後、型から成形したポリウレタタン発泡体を取り
出す。実施例では下記の特性を有する市販品を使用し
た。 F1:スラブ法による発泡体で反発弾性60%、密度3
5kg/m-3F2:モールド法による高反発弾性発泡体
で反発弾性75%、密度45kg/m-3F3:発泡体細
片をウレタンバインダーで結着したリボンデイングフォ
ームで反発弾性55%、密度43kg/m-3
【0022】[感圧粘着性を有するポリウレタン樹脂の
製造] T1:1成分型ポリウレタン樹脂粘着剤で、製造はアジ
ピン酸とエチレングリコールによる分子量2000のポ
リエステルポリオール2モルに対しMDIを1.8モル
の割合(NCO/OH比=0.9)としジメチルホルム
アミド中で反応させたもので、固形分を33%に調整し
た。2成分型の粘着剤用として、末端にイソシアネート
基を有するA液は A1:分子量3,000のポリプロピレングリコール
(2官能)1,500gとTDI−80/20(2,4
−トルエンジイソシアネート/2,6−トルエンジイソ
シアネート=80/20重量比)174gを90℃で3
時間反応させたNCO%=2.5の末端イソシアネート
含有プレポリマー。 A2:分子量1,500のポリプロピレングリコール
(2官能)1,000gとTDI−80/20を233
g、80℃で3時間反応させたNCO%=4.5のウレ
タンプレポリマー。 A3:分子量4,000のポリプロピレングリコール
(2官能成分:3官能成分=3:1重量比;1778
部)と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
(332部)、及びモノアルコールとしてイソプロピル
アルコール(3部)との反応生成物からなる遊離NCO
%=3.2のウレタンプレポリマー。 A4:分子量1,000のポリプロピレングリコール
(2官能)500gにTDI−100(2,4−トルエ
ンジイソシアネートが100%)を191g反応させた
NCO%=7.2%のウレタンプレポリマー,である。
【0023】[実施例1]感圧粘着性ポリウレタン樹脂
としてT1をキシレンで希釈し固形分を20%とした溶
液をステンレス製の容器に入れ、スラブ発泡で発泡した
軟質ポリウレタン発泡体(F1)を300×300×1
00mmの大きさに切断し、片面を溶液に20mmの深
さに5秒間浸漬した。次いでゴムロールで発泡体をプレ
スし樹脂溶液を発泡体の全体に塗布した後、乾燥機で溶
剤を蒸発させた。常温で1週間養生後物性試験を実施し
たところ、反発弾性は23%(JIS K1404)で
あり、圧縮した後の形状回復性も良好であった。試験結
果をまとめて表1に示す。
【0024】[実施例2]モールド法により製造した高
反発弾性発泡体(F2)を300×300×100mm
に切断後、2成分型感圧粘着性として、A1(200
部)と分子量3,000のポリプロピレングリコール
(3官能;224部)をNCO/OH比を0.7の比率
とし、硬化促進剤としてオクチル酸鉛の25%溶液を
0.5%添加して混合した後、発泡体の両面に塗布し
た。次いでプレスを用いて溶液を全体に塗布すると同時
に、塗布量を一定(100重量%)とした後、100℃
で1時間加熱し粘着剤を硬化させた。1週間常温で養生
後物性を測定したところ、反発弾性は15%で圧縮後の
形状回復性は非常に良好であった。試験結果をまとめて
表1に示す。
【0025】[実施例3]発泡体として、発泡体細片を
ウレタンバインダーで結着したリボンデイングフォーム
(F3)を300×300×100mmに切断した後、
2成分型粘着剤としてA2(300部)にポリオールと
して分子量3,000ポリプロピレントリオール(3官
能;201部)と分子量2,000のポリプロピレンジ
オール(2官能;201部)を重量比で1:1に混合し
たレジンに硬化促進剤としてジブチルチンジラウレート
(0.05%)を混合したものを2液高圧スプレーマシ
ン(H−2000;ガスマー社製)に衝突混合型スプレ
ーガン(プロブラー;グラスクラフト社)を取り付けて
両面にスプレーした。スプレー後、実施例2と同様の硬
化・養生を行い物性を測定したところ、反発弾性は10
%で圧縮後の形状回復性も良好であった。試験結果をま
とめて表1に示す。
【0026】[実施例4]発泡体は、実施例3と同じも
のを使用し、2成分型粘着剤としてA3(300部)に
ポリオールとして分子量3,000ポリプロピレンジオ
ール(2官能;381部)を混合した後、希釈剤として
トルエン(68.1部)、硬化促進剤としてネオデカン
酸ビスマス(0.1%)を混合し1成分とした粘着剤溶
液を、ビンクス社製1液エアレススプレーで発泡体の両
面に吹き付けた後、ゴムロールで塗布量(150%)を
均一化し、実施例2と同様の硬化・養生し物性を測定し
たところ、反発弾性は8%で形状回復性も良好であっ
た。試験結果をまとめて表1に示す。
【0027】[実施例5]発泡体(F2)を2000×
1200×250(D)mmに成形した後、粘着性ポリ
ウレタンはA4(200部)と分子量6,000のポリ
プロピレンジオール(1468部)をにオクチル酸鉛の
25%溶液を0.5%添加した混合レジンを実施例3と
同じ高圧スプレーマシンを使用し周辺部に100mm幅
を残し中心部に90%の割合で表面のみ塗布した。10
0℃で2時間硬化した後、ベットに加工し常温で1週間
養生した。物性測定の結果、中心部の反発弾性は13
%、周辺部の反発弾性は75%であり、形状回復性は非
常に良好であった。また、このベットに寝た感じは従来
のベットに比較し疲労感が少なかった。試験結果をまと
めて表1に示す。
【0028】[比較例1]実施例2と同様の材料を使用
し、2成分型感圧粘着剤の発泡体に対する配合比を30
0%とした。塗布方法及びその後の硬化・養生も同じと
して物性を測定したところ、反発弾性は10%と低く良
好であったが、圧縮後の形状回復性が悪く一端圧縮する
と元に戻るのに長い時間が必要であった。比較例のまと
めを表2,表3に示す。試験結果をまとめて表2に示
す。
【0029】[比較例2]実施例2と同様の材料を使用
し、2成分型感圧粘着剤の配合比をNCO/OH=1.
2として使用した。物性試験の結果、反発弾性は45%
と高く低反発にはならなかった。又、形状回復性は非常
に良好であった。試験結果をまとめて表2に示す。
【0030】[比較例3]発泡処方自体で低反発弾性化
する方法として、レジンとして分子量2,000のポリ
プロピレンジオール(150部)に分子量2,000の
ポリプロピレントリオール(150部)、整泡剤として
日本ユニカー社製有機ケイ素系(L−580;3部)、
水(2.5部)、触媒としてトリエチレンジアミンの3
3%ジエチレングリコール溶液(L−1020;0.5
部)、日本曹達社製ポリブタジエン(C−1000;3
部)、触媒としてスタナスオクトエート(T−9;0.
75部)を加え10秒間攪拌し直ちにイソシアネートと
してTDI−80/20(56部)を添加し7秒間高速
攪拌した後、200×200×100mmのアルミボッ
クスに入れフリー発泡した。この時のNCO/OH比は
1.0である。1週間常温で養生した後物性を測定した
ところ、反発弾性は23%であったが、圧縮後の形状回
復性は不良であった。試験結果をまとめて表3に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】本発明では反発弾性が小さくかつ柔軟性
に富む発泡体が得られ、このような発泡体をベッドやシ
ートのクッションとして使用すれば衝撃吸収材となると
同時に、内在するスプリングあるいはフレーム等が使用
者の体に感知されにくくなり優れた使用感と安全性が得
られる。その用途は、例えば、車両のクッション材に用
いるとすれば、車輪からの振動の吸収に役立つし、又老
人用車椅子のシートクッション、介護用ベッドのマット
等多大な用途が開拓される。更に、粘着剤を部分的に塗
布することにより必要部分のみ簡単に反発弾性を低減さ
せることが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大門 陽介 愛知県名古屋市中区錦3−23−31 三井化 学株式会社内 (72)発明者 福田 恵介 東京都千代田区霞が関三丁目2番5号 三 井化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟質ポリウレタン発泡体の表面及び/又
    は裏面に末端に水酸基を含有する感圧粘着性ポリウレタ
    ン樹脂を含浸及び/又はスプレーすることを特徴とする
    低反発弾性のクツション材。
  2. 【請求項2】 軟質ウレタン発泡体成形物の一部に感圧
    粘着性ポリウレタン樹脂を含浸及び/又はスプレーし、
    部分的に反発弾性率を低下させた低反発弾性のクッショ
    ン材。
  3. 【請求項3】 感圧粘着性ポリウレタン樹脂の使用量
    が、軟質ウレタン発泡体に対して10〜200重量%で
    ある特許請求の範囲1または2項記載の低反発弾性のク
    ツション材。
  4. 【請求項4】 感圧粘着性ポリウレタン樹脂が、A液と
    して末端イソシアネート基を2〜10重量%含有するプ
    レポリマー、B液がポリオールの2成分型ウレタン樹脂
    であり、両者の使用比率(NCO/OH比)が0.6〜
    0.98である特許請求の範囲1または2項記載の低反
    発弾性のクツション材。
JP9345414A 1997-12-15 1997-12-15 低反発弾性のクッション材 Pending JPH11170469A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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