JPH11168969A - 穀類の保存安定性を向上させる方法 - Google Patents
穀類の保存安定性を向上させる方法Info
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- JPH11168969A JPH11168969A JP36203997A JP36203997A JPH11168969A JP H11168969 A JPH11168969 A JP H11168969A JP 36203997 A JP36203997 A JP 36203997A JP 36203997 A JP36203997 A JP 36203997A JP H11168969 A JPH11168969 A JP H11168969A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 穀類の貯蔵安定性を高める殺菌方法の提供。
【解決手段】 静置した穀類中に二酸化塩素ガスを強制
的に通し、一般生菌数を殆ど減らす事無く黴類と酵母類
を有効に殺菌する。 【効果】 経済性が高く、穀類の貯蔵安定性を高め、食
品に加工後の食感を新鮮に保つ事を可能ならしめた。
的に通し、一般生菌数を殆ど減らす事無く黴類と酵母類
を有効に殺菌する。 【効果】 経済性が高く、穀類の貯蔵安定性を高め、食
品に加工後の食感を新鮮に保つ事を可能ならしめた。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は穀物の貯蔵に関し、
穀物の変質を生じさせる微生物を死滅せしめて穀物の品
質を保持させる方法に関したものである。
穀物の変質を生じさせる微生物を死滅せしめて穀物の品
質を保持させる方法に関したものである。
【0002】
【従来の技術】米の貯蔵は通常、籾米あるいは玄米の状
態で行われる。貯蔵の容積効率の問題から玄米での貯蔵
が主流となっている。そして収穫後から翌年の5月頃ま
での比較的低温な時期では大きな品質劣化は生じない。
気温と湿度が高くなる夏を経過すると古米化(ご飯の粘
りがなくなり、酸性化が進む等の現象)が顕著になる。
この原因は次の2段階で進行する、すなわち、 玄米表層の蝋状物質保護効果を持つ圃場細菌(Pse
udomonous類)から有害貯蔵黴類(Asper
gilus属やPenicillum属)への移行によ
るハダズレ生成 スフェロゾームの顆粒形成のぬか層の脂質体の酵素や
空気による酸化による酸性化が進行。 また、糸状菌の有害代謝産物であるマイコトキシン中で
Aspergillus flavusの産生するアフ
ラトキシンに強い発癌性がある事から貯蔵穀類や輸入穀
類等への糸状菌とアフラトキシンに注意が必要である。
玄米貯蔵の理想条件は低温貯蔵であり、温度15℃以
下、相対湿度70〜75%(平衡水分14.5%程度)
が良いが、米余りと時として米不足が生じる時代では低
温貯蔵倉庫建設費とランニングコスト負担をどこに求め
るのかは大きな社会問題であり、現状は僅かな適応にと
どまっている。
態で行われる。貯蔵の容積効率の問題から玄米での貯蔵
が主流となっている。そして収穫後から翌年の5月頃ま
での比較的低温な時期では大きな品質劣化は生じない。
気温と湿度が高くなる夏を経過すると古米化(ご飯の粘
りがなくなり、酸性化が進む等の現象)が顕著になる。
この原因は次の2段階で進行する、すなわち、 玄米表層の蝋状物質保護効果を持つ圃場細菌(Pse
udomonous類)から有害貯蔵黴類(Asper
gilus属やPenicillum属)への移行によ
るハダズレ生成 スフェロゾームの顆粒形成のぬか層の脂質体の酵素や
空気による酸化による酸性化が進行。 また、糸状菌の有害代謝産物であるマイコトキシン中で
Aspergillus flavusの産生するアフ
ラトキシンに強い発癌性がある事から貯蔵穀類や輸入穀
類等への糸状菌とアフラトキシンに注意が必要である。
玄米貯蔵の理想条件は低温貯蔵であり、温度15℃以
下、相対湿度70〜75%(平衡水分14.5%程度)
が良いが、米余りと時として米不足が生じる時代では低
温貯蔵倉庫建設費とランニングコスト負担をどこに求め
るのかは大きな社会問題であり、現状は僅かな適応にと
どまっている。
【0003】ところで本発明に係る二酸化塩素は化学式
ClO2 で表される物質で、融点−59℃、沸点11℃
の常温ではガス状の物質であって、強い酸化力と殺菌性
を有するのでパルプ漂白、天然繊維漂白、飲料水消毒や
原油井戸の賦活化等に利用されている。一方、輸入穀物
の燻蒸は殺虫を目的として、その殆どが臭化メチルを用
いて行われている。この臭化メチルはオゾン層破壊係数
が大きく土壌燻蒸剤を含めて2010年に全廃する国際
条約が成立し加盟が求められている状況であり代替品が
求められている。更に、従来より行われて来ている臭化
メチルを用いた玄米燻蒸の場合、ジメチルサルファイド
前駆物質が生成する、75%精米したものでも22%前
駆物質が残存し特異臭(青のりの香り)がする。また臭
素が高濃度で残留して臭化メチルの残存も心配されてい
る。小麦と外米については臭素50μg/gの規定で管
理されており、FAO、WHOにおいては1日の摂取許
容量を1mg/Kgと定めている。従来、精米工場では
サイロが空になった時にフォスフィンで燻蒸された例が
あるが臭化メチルに比べ高価であり、かつ、また、殺菌
・殺虫に選択性がない、燻蒸に長時間を要する等の欠点
から穀類には広く適用されていない。特開平6−233
985には多孔性無機質担体に二酸化塩素ガスを担持さ
せたものを米ビツ等の容器に充填して自然に二酸化塩素
が脱着する事を利用した消毒方法が記載されているが目
的に合わせた二酸化塩素ガス濃度と保持時間を管理でき
ないから、なりゆきまかせの結果しか期待できない。
ClO2 で表される物質で、融点−59℃、沸点11℃
の常温ではガス状の物質であって、強い酸化力と殺菌性
を有するのでパルプ漂白、天然繊維漂白、飲料水消毒や
原油井戸の賦活化等に利用されている。一方、輸入穀物
の燻蒸は殺虫を目的として、その殆どが臭化メチルを用
いて行われている。この臭化メチルはオゾン層破壊係数
が大きく土壌燻蒸剤を含めて2010年に全廃する国際
条約が成立し加盟が求められている状況であり代替品が
求められている。更に、従来より行われて来ている臭化
メチルを用いた玄米燻蒸の場合、ジメチルサルファイド
前駆物質が生成する、75%精米したものでも22%前
駆物質が残存し特異臭(青のりの香り)がする。また臭
素が高濃度で残留して臭化メチルの残存も心配されてい
る。小麦と外米については臭素50μg/gの規定で管
理されており、FAO、WHOにおいては1日の摂取許
容量を1mg/Kgと定めている。従来、精米工場では
サイロが空になった時にフォスフィンで燻蒸された例が
あるが臭化メチルに比べ高価であり、かつ、また、殺菌
・殺虫に選択性がない、燻蒸に長時間を要する等の欠点
から穀類には広く適用されていない。特開平6−233
985には多孔性無機質担体に二酸化塩素ガスを担持さ
せたものを米ビツ等の容器に充填して自然に二酸化塩素
が脱着する事を利用した消毒方法が記載されているが目
的に合わせた二酸化塩素ガス濃度と保持時間を管理でき
ないから、なりゆきまかせの結果しか期待できない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、二酸化
塩素ガスによる酸化を最小限となし、かつ穀類の蝋状物
質保護効果を持つ一般生菌を殆ど死滅させることなく、
穀類の劣化を進める糸状菌を死滅させめて穀類の貯蔵安
定性を保持する経済性に富んだ燻蒸方法の提供すべく研
究を行った。その結果、穀物を二酸化塩素ガスで処理し
て穀物の保存安定性を向上させるには、燻蒸でなく、二
酸化塩素を空気あるいは不活性ガスで大巾に希釈し、容
器中に保持した穀物中に、該希釈された二酸化塩素ガス
保持させ、若しくは通気するときは、比較的短時間で前
記方法を提供できることを見出し、本発明に到達した。
以上の記述から明らかなように本発明の目的は、第一に
前述の方法を提供することであり、第二に臭化メチルを
使用しなくても可能な穀類中の菌の殺菌方法を提供する
ことである。
塩素ガスによる酸化を最小限となし、かつ穀類の蝋状物
質保護効果を持つ一般生菌を殆ど死滅させることなく、
穀類の劣化を進める糸状菌を死滅させめて穀類の貯蔵安
定性を保持する経済性に富んだ燻蒸方法の提供すべく研
究を行った。その結果、穀物を二酸化塩素ガスで処理し
て穀物の保存安定性を向上させるには、燻蒸でなく、二
酸化塩素を空気あるいは不活性ガスで大巾に希釈し、容
器中に保持した穀物中に、該希釈された二酸化塩素ガス
保持させ、若しくは通気するときは、比較的短時間で前
記方法を提供できることを見出し、本発明に到達した。
以上の記述から明らかなように本発明の目的は、第一に
前述の方法を提供することであり、第二に臭化メチルを
使用しなくても可能な穀類中の菌の殺菌方法を提供する
ことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は下記(1)〜
(3)の構成を有する。
(3)の構成を有する。
【0006】(1)密閉された容器中に保持された穀物
中に二酸化塩素ガス若しくは二酸化塩素ガスを含有する
空気あるいは不活性ガスを保持させ若しくは通気するこ
とを特徴とする穀類の保存安定性を向上させる方法。
中に二酸化塩素ガス若しくは二酸化塩素ガスを含有する
空気あるいは不活性ガスを保持させ若しくは通気するこ
とを特徴とする穀類の保存安定性を向上させる方法。
【0007】(2)二酸化塩素ガスを含有する空気ある
いは不活性ガス中の二酸化塩素ガスの濃度を10〜50
0ppmとし穀物中での該空気あるいは不活性ガスの保
持時間を10〜240分とする前記(1)に記載の方
法。
いは不活性ガス中の二酸化塩素ガスの濃度を10〜50
0ppmとし穀物中での該空気あるいは不活性ガスの保
持時間を10〜240分とする前記(1)に記載の方
法。
【0008】(3) 穀類が米穀であり、米穀が籾米若
しくは玄米である前記(1)もしくは(2)のいずれか
に記載の方法。
しくは玄米である前記(1)もしくは(2)のいずれか
に記載の方法。
【0009】本発明は二酸化塩素ガスによる穀類、特に
は籾米あるいは玄米の保存安定性を高める殺菌方法とし
て、保存安定性を損ないそしてあるいは発癌性物質生産
菌である穀類中の黴類と酵母類の殺菌を目的とし、保存
安定性を高める効果を持つ一般生菌数の減少が殆どない
方法に関する。更に詳細には、二酸化塩素ガス濃度が1
0〜500ppm、好ましくは10〜200ppmであ
り通気または保持時間が10〜240分、好ましくは3
0〜120分である方法である。二酸化塩素ガスの本発
明に係る密閉容器への通気量は、標準状態で0.01〜
10ml/m3 ・hr、好ましくは0.1〜1ml/m
3 ・hrである。0.01ml/m3 ・hr未満では、
処理に極めて長時間を要し、しかも殺菌効果が不十分で
ある。また1ml/m3 ・hrを超えて通気量を増して
も格別処理時間は短縮できず、殺菌効果も格別向上しな
い。また、処理温度は、常温が好ましいが−10℃〜5
0℃の範囲であれば実施できる。本発明の方法におい
て、二酸化塩素ガス濃度と時間は穀類の表面物質の酸化
作用と付着細菌類の殺菌作用に影響する重要な因子であ
る。濃度×時間値(ppm・分)が大き過ぎると酸化物
生成と選択的な殺菌性能が失われ、逆に小さ過ぎると殺
菌が不十分となるので好ましくない。また穀類の状態、
例えば玄米と籾米の状態の違いやあるいは産地、銘柄、
青米や黒米含有量、貯蔵年数や貯蔵状態等種々の条件で
適正値は変化するのでラボテストにて条件設定を予めす
るのが好ましい。
は籾米あるいは玄米の保存安定性を高める殺菌方法とし
て、保存安定性を損ないそしてあるいは発癌性物質生産
菌である穀類中の黴類と酵母類の殺菌を目的とし、保存
安定性を高める効果を持つ一般生菌数の減少が殆どない
方法に関する。更に詳細には、二酸化塩素ガス濃度が1
0〜500ppm、好ましくは10〜200ppmであ
り通気または保持時間が10〜240分、好ましくは3
0〜120分である方法である。二酸化塩素ガスの本発
明に係る密閉容器への通気量は、標準状態で0.01〜
10ml/m3 ・hr、好ましくは0.1〜1ml/m
3 ・hrである。0.01ml/m3 ・hr未満では、
処理に極めて長時間を要し、しかも殺菌効果が不十分で
ある。また1ml/m3 ・hrを超えて通気量を増して
も格別処理時間は短縮できず、殺菌効果も格別向上しな
い。また、処理温度は、常温が好ましいが−10℃〜5
0℃の範囲であれば実施できる。本発明の方法におい
て、二酸化塩素ガス濃度と時間は穀類の表面物質の酸化
作用と付着細菌類の殺菌作用に影響する重要な因子であ
る。濃度×時間値(ppm・分)が大き過ぎると酸化物
生成と選択的な殺菌性能が失われ、逆に小さ過ぎると殺
菌が不十分となるので好ましくない。また穀類の状態、
例えば玄米と籾米の状態の違いやあるいは産地、銘柄、
青米や黒米含有量、貯蔵年数や貯蔵状態等種々の条件で
適正値は変化するのでラボテストにて条件設定を予めす
るのが好ましい。
【0010】本発明の一態様である二酸化塩素ガスと穀
類の接触方法が静置状態の穀類に対して二酸化塩素ガス
を強制的に送気させる方法について、穀類をタンブラー
型撹拌機にて器械撹拌状態下に二酸化塩素を接触させる
方法は均一な接触にはプラスであるが一方摩擦熱による
酸化促進が著しく、また容器材質を磨耗せしめ磨耗物に
よるコンタミの原因となるので好ましくない。
類の接触方法が静置状態の穀類に対して二酸化塩素ガス
を強制的に送気させる方法について、穀類をタンブラー
型撹拌機にて器械撹拌状態下に二酸化塩素を接触させる
方法は均一な接触にはプラスであるが一方摩擦熱による
酸化促進が著しく、また容器材質を磨耗せしめ磨耗物に
よるコンタミの原因となるので好ましくない。
【0011】穀類を密閉容器に入れる場合の容器材質は
耐食性のチタン、チタン合金、タンタル、高珪素鉄、陶
磁器、ポリ塩化ビニール、ポリ塩素化塩化ビニール、ポ
リ塩化ビニリデン、強化ポリエステル、フッ素樹脂等が
好適に用いる事が出来る。穀類用のサイロではコンクリ
ート製かコンクリートの内張りに塩化ビニール等の樹脂
をライニングしたものが特に好適である。該密閉容器の
形状は限定されず、チャンバー状、円筒状、多角筒状、
平板状等のいずれも使用できる。また、密閉容器の容量
も限定されないが、実用性を考慮すると0.1〜5,0
00m3 、好ましくは1〜500m3 である。
耐食性のチタン、チタン合金、タンタル、高珪素鉄、陶
磁器、ポリ塩化ビニール、ポリ塩素化塩化ビニール、ポ
リ塩化ビニリデン、強化ポリエステル、フッ素樹脂等が
好適に用いる事が出来る。穀類用のサイロではコンクリ
ート製かコンクリートの内張りに塩化ビニール等の樹脂
をライニングしたものが特に好適である。該密閉容器の
形状は限定されず、チャンバー状、円筒状、多角筒状、
平板状等のいずれも使用できる。また、密閉容器の容量
も限定されないが、実用性を考慮すると0.1〜5,0
00m3 、好ましくは1〜500m3 である。
【0012】実施例1〜4、対照例1 籾米と玄米の二
酸化塩素ガス燻蒸 収穫後2ケ月経過の籾米及びこれを籾摺りして得た玄米
(品種は秋田こまち)を本発明に係る殺菌試験に使用し
た。強制循環送風装置を付着させた密閉容器は1m×1
m×高さ1.5mの塩化ビニール製チャンバーで循環送
風機は毎分5m3 のシロッコファンである。玄米及び籾
米は90×90×高さ10cm角のプラスチック網トレ
ーに米の厚みが平均8cmになる様に敷き詰める。この
トレーをチャンバー底部より15段積み上げた。チャン
バー上部より玄米、籾米ともに100,300、50
0、800ml/m3 の4濃度水準の空気で希釈された
二酸化塩素ガスを1m3 /min.で30分導入した。
5m3 /min.のシロッコファン風量の5分の1を二
酸化塩素水から空気バブリングによって二酸化塩素ガス
を発生させるガス発生器に導き、残り5分の4の風量を
循環系に分配した。従って玄米に接触する実際の二酸化
塩素ガス濃度はそれぞれ20,60、100,160m
l/m3 となる。30分後に発生器への分配を止めて全
量を循環に切り換えて30分間引き続き運転を続行す
る。循環停止後に新鮮空気取り入れ、チャンバー内排ガ
スを活性炭カラムに導き処理してパージする。供給口と
循環排気口の二酸化塩素ガス濃度は東京光電製ANA−
6302型連続ガス濃度計にて測定した。また段積みし
た米の高さ方向の中間点のガス濃度も同じ濃度計にて監
視した。
酸化塩素ガス燻蒸 収穫後2ケ月経過の籾米及びこれを籾摺りして得た玄米
(品種は秋田こまち)を本発明に係る殺菌試験に使用し
た。強制循環送風装置を付着させた密閉容器は1m×1
m×高さ1.5mの塩化ビニール製チャンバーで循環送
風機は毎分5m3 のシロッコファンである。玄米及び籾
米は90×90×高さ10cm角のプラスチック網トレ
ーに米の厚みが平均8cmになる様に敷き詰める。この
トレーをチャンバー底部より15段積み上げた。チャン
バー上部より玄米、籾米ともに100,300、50
0、800ml/m3 の4濃度水準の空気で希釈された
二酸化塩素ガスを1m3 /min.で30分導入した。
5m3 /min.のシロッコファン風量の5分の1を二
酸化塩素水から空気バブリングによって二酸化塩素ガス
を発生させるガス発生器に導き、残り5分の4の風量を
循環系に分配した。従って玄米に接触する実際の二酸化
塩素ガス濃度はそれぞれ20,60、100,160m
l/m3 となる。30分後に発生器への分配を止めて全
量を循環に切り換えて30分間引き続き運転を続行す
る。循環停止後に新鮮空気取り入れ、チャンバー内排ガ
スを活性炭カラムに導き処理してパージする。供給口と
循環排気口の二酸化塩素ガス濃度は東京光電製ANA−
6302型連続ガス濃度計にて測定した。また段積みし
た米の高さ方向の中間点のガス濃度も同じ濃度計にて監
視した。
【0013】二酸化塩素ガス無処理の対照区と各処理区
につき一般生菌と黴・酵母を別々に以下に記す方法にて
測定した。 一般生菌:籾米、玄米それぞれ別個に10gを採り、
生理食塩水(0.85%、0.01%Tween80を
含む)を加え、カートリッジミルにて粉砕、均質化の
後、その1mlをSPC培地(一般生菌用ペトリフイル
ム)に塗布する。35℃で48時間培養してコロニー数
をカウントする。 黴、酵母:籾米、玄米それぞれ別個に10gを採り、
生理食塩水(0.85%、0.01%Tween80を
含む)を加え、カートリッジミルにて粉砕、均質化の
後、その1mlをPDA培地に塗布する。27℃で1週
間培養してコロニー数をカウントする。
につき一般生菌と黴・酵母を別々に以下に記す方法にて
測定した。 一般生菌:籾米、玄米それぞれ別個に10gを採り、
生理食塩水(0.85%、0.01%Tween80を
含む)を加え、カートリッジミルにて粉砕、均質化の
後、その1mlをSPC培地(一般生菌用ペトリフイル
ム)に塗布する。35℃で48時間培養してコロニー数
をカウントする。 黴、酵母:籾米、玄米それぞれ別個に10gを採り、
生理食塩水(0.85%、0.01%Tween80を
含む)を加え、カートリッジミルにて粉砕、均質化の
後、その1mlをPDA培地に塗布する。27℃で1週
間培養してコロニー数をカウントする。
【0014】(米の貯蔵試験)二酸化塩素ガス処理した
籾米と玄米を12ケ月室温保存したものと無処理(対照
区)のものを温度15℃で相対湿度73〜75%の低温
貯蔵庫に12ケ月保存したものを以下の項目につき比較
した。なお、籾米は籾擦りして玄米として保管した。 貯蔵後の検査項目:色調(Lab)、食味(官能評価、
食味値)、脂肪酸、POV(過酸化脂質) 玄米と籾米の二酸化塩素燻蒸20分後の濃度と燻蒸後の
菌数測定結果を下表に示した。
籾米と玄米を12ケ月室温保存したものと無処理(対照
区)のものを温度15℃で相対湿度73〜75%の低温
貯蔵庫に12ケ月保存したものを以下の項目につき比較
した。なお、籾米は籾擦りして玄米として保管した。 貯蔵後の検査項目:色調(Lab)、食味(官能評価、
食味値)、脂肪酸、POV(過酸化脂質) 玄米と籾米の二酸化塩素燻蒸20分後の濃度と燻蒸後の
菌数測定結果を下表に示した。
【0015】
【表1】
【0016】500ml/m3 処理区の籾米を籾擦りし
て得た玄米と処理区の玄米を室温状態に12ケ月保存し
た。また対照区の籾米と玄米は前記した条件の低温貯蔵
を同じく12ケ月行った。貯蔵後に精白米(歩留まり9
0%)として色調(Lab)、食味(官能評価、食味
値)、脂肪酸、POV(過酸化脂質)について測定、対
照区に比べ処理区は殆ど有意差が認められず非常に良好
な結果であった。
て得た玄米と処理区の玄米を室温状態に12ケ月保存し
た。また対照区の籾米と玄米は前記した条件の低温貯蔵
を同じく12ケ月行った。貯蔵後に精白米(歩留まり9
0%)として色調(Lab)、食味(官能評価、食味
値)、脂肪酸、POV(過酸化脂質)について測定、対
照区に比べ処理区は殆ど有意差が認められず非常に良好
な結果であった。
【0017】
【発明の効果】本発明の方法によれば、従来の臭化メチ
ルによる燻蒸に替えて、オゾン層破壊係数とは、無関係
の二酸化塩素含有空気あるいは不活性気体を通気若しく
は循環させることにより、穀物に安定保存有害な黴・酵
母を選択的に殺菌し、有害または無害の一般生菌を著し
くは殺菌しない方法が可能となった。
ルによる燻蒸に替えて、オゾン層破壊係数とは、無関係
の二酸化塩素含有空気あるいは不活性気体を通気若しく
は循環させることにより、穀物に安定保存有害な黴・酵
母を選択的に殺菌し、有害または無害の一般生菌を著し
くは殺菌しない方法が可能となった。
Claims (3)
- 【請求項1】 密閉された容器中に保持された穀物中に
二酸化塩素ガス若しくは二酸化塩素ガスを含有する空気
あるいは不活性ガスを保持させ若しくは通気することを
特徴とする穀類の保存安定性を向上させる方法。 - 【請求項2】 二酸化塩素ガスを含有する空気あるいは
不活性ガス中の二酸化塩素ガスの濃度を10〜500p
pmとし穀物中での該空気あるいは不活性ガスの保持時
間を10〜240分とする請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 穀類が米穀であり、米穀が籾米若しくは
玄米である請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36203997A JPH11168969A (ja) | 1997-12-11 | 1997-12-11 | 穀類の保存安定性を向上させる方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36203997A JPH11168969A (ja) | 1997-12-11 | 1997-12-11 | 穀類の保存安定性を向上させる方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11168969A true JPH11168969A (ja) | 1999-06-29 |
Family
ID=18475709
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36203997A Pending JPH11168969A (ja) | 1997-12-11 | 1997-12-11 | 穀類の保存安定性を向上させる方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11168969A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008011754A (ja) * | 2006-07-05 | 2008-01-24 | Daiwa Can Co Ltd | 米穀類の缶詰方法 |
WO2011100165A1 (en) * | 2010-02-04 | 2011-08-18 | Pureline Treatment Systems, Llc | Apparatus and method for treating stored crops infected with toxins |
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KR101465409B1 (ko) * | 2014-05-27 | 2014-11-27 | 고려대학교 산학협력단 | 이산화염소 기체를 이용한 무균 식물 종자의 생산 방법 |
CN114342671A (zh) * | 2022-01-18 | 2022-04-15 | 中国农业科学院农产品加工研究所 | 小麦面粉质量调控方法及装置 |
-
1997
- 1997-12-11 JP JP36203997A patent/JPH11168969A/ja active Pending
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