JPH11166409A - 排気ガス用のフィルタ装置 - Google Patents

排気ガス用のフィルタ装置

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JPH11166409A
JPH11166409A JP9345824A JP34582497A JPH11166409A JP H11166409 A JPH11166409 A JP H11166409A JP 9345824 A JP9345824 A JP 9345824A JP 34582497 A JP34582497 A JP 34582497A JP H11166409 A JPH11166409 A JP H11166409A
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JP
Japan
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filter
exhaust gas
mesh
metal mesh
filter device
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Application number
JP9345824A
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English (en)
Inventor
Akira Tange
下 彰 丹
Koichi Tamatsu
松 孝 一 田
Tadayuki Kojima
嶋 忠 行 小
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NHK Spring Co Ltd
Original Assignee
NHK Spring Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低い圧力損失を保ちながら粒子状物質の捕集
効率を高めることができるとともに、フィルタの目詰ま
りを防止可能にする。 【解決手段】 排気ガスの粒子状物質をフィルタにより
補集および燃焼除去する装置において、線径が細く目の
細かい金属メッシュ部と線径が太く目の粗いアルミナ繊
維のヤーンからなるアルミナセラミックメッシュ部と
を、交互に複数マイ積層し、この積層体を厚さ方向に加
圧圧縮することでアルミナセラミックメッシュを、金属
メッシュに変形密着させ、金属メッシュの開口部の一部
を、圧縮変形されたアルミナメッシュのヤーンで閉塞し
た構造の積層体フィルタとし、この積層体フィルタを、
排気ガスの通路に設置し、前記フィルタの1枚以上の金
属メッシュ部、または前記積層体フィルタに複数の面状
ヒータまたは線状ヒータを介在させ、この面状ヒータま
たは線状ヒータの1つ以上に、断続的に通電加熱するこ
とで補集した粒子状物質を燃焼除去することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車、鉄道、
船舶、建設機械、発電などに利用される主にディーゼル
エンジンから排出される粒子状物質を捕集および処理す
る排気ガス用のフィルタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンから排出される排気
ガス中には、ドライスートと称するカーボン単体のす
す、燃料や潤滑油の未燃排気物質としてのSOF(H
C)、水を含んだサルフェート(H2 SO42 O)、
エンジン部品から生じる金属摩耗粉等、燃料中の無機質
が粒子状物質として含まれている。
【0003】そして、これらの粒子状物質からなる黒煙
は環境を汚染するとともに、人体に悪い影響を与えるお
それがあることが指摘され、大気中への排出防止に関す
る技術開発が盛んに行なわれている。
【0004】この排出防止技術としては、高圧燃料噴射
などエンジンの改良によるものと後処理技術とがある。
エンジンの改良技術は、一定負荷運転においてはかなり
の成功を納めつつあるが、自動車のような千差万別の負
荷が加わる場合においては課題が多い。そこで、フィル
タによって粒子状物質を除去する等の後処理技術の開発
が望まれている。
【0005】また、従来の粒子物質(粒子径0.1〜1
00ミクロンと言われている)を捕集するフィルタと目
詰まり除去の再生装置としては、図9および図10に示
すコージェライトからなるセラミック製モノリスフィル
タ1と電気ヒータ2またはバーナとの組み合わせがよく
知られている。このモノリスフィルタ1は、フィルタと
して好ましい特性、すなわち、高い捕集効率と低い圧力
損失を示す。
【0006】このモノリスフィルタ1は、図9,図10
に示すように一方が開口部3と他方がセラミック目封じ
材4によって目封じされ、微細多孔質の隔壁5で囲まれ
たセルを多数有するハニカム構造をなしている。また、
この目封じは隣接するセルに対し交互に配置されてい
る。従って、粒子状物質を含むガスは、各セルに対し開
口部3よりフィルタ内に入るが、フィルタ出口は目封じ
材4によって封さがれているため、排ガスは隔壁5の微
細孔から隣接するセルへと流れフィルタ外へと放出され
る。隔壁5の微細孔は、微粒子状物質と同程度の大きさ
を有しているため、排ガス中の微粒子状物質はこの時隔
壁5によって濾過捕集される。この捕集メカニズムは遮
り効果と呼ばれる。
【0007】さらに、低い圧力損失は、極めて多数の微
細孔を有することと同時に、大きな表面積を持たせるこ
とによって達成している。
【0008】再生と称するフィルタの目詰まり除去の必
要性は次の理由による。フィルタは使用するにしたが
い、次第に粒子状物質が微細孔に詰まり、圧力損失が増
加する。この圧力損失はエンジンに対する背圧として作
用し、この結果、燃費の悪化や出力低下を来すためであ
る。
【0009】モノリスフィルタ1の場合、再生は加熱に
よることが多い。例えば、目詰まりしたモノリスフィル
タ1を図9に示すように排気ガス上流側に配置された電
気ヒータ2もしくはバーナによって加熱し、可燃物であ
るすす等の粒子状物質に着火させ、その燃焼によってす
すなどを焼とばすことで行なわれる。すなわち、加熱酸
化分解しCO2 やH2 Oなどに変えることで行なわれ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる従来の
セラミック製のモノリスフィルタ1には以下のような課
題がある。まず、第1に、隔壁5の微細孔による濾過捕
集のため、加熱酸化分解のできない金属摩耗粉や燃焼後
に残る無機物からなる灰分が再生後も孔の中に残留し、
除去することが困難である。従って、微細孔による濾過
捕集フィルタは繰り返しの再生性に限界があり、いずれ
は目詰まりにより使用できなくなるほか、フィルタ交換
を行えばコスト高になり、その交換作業が面倒である。
【0011】また、第2に、モノリスフィルタ1はセラ
ミック製であることと、多数の微細孔を有する構造のた
め、機械的強度が小さい。このため、再生燃焼処理時の
フィルタ内温度の不均一分布発生による熱疲労で、フィ
ルタにクラックが生じ易い。
【0012】また、第3に、再生の際、すすやSOFの
異常高温燃焼によってセラミックフィルタが溶損し易
い。モノリスフィルタ1の再生は、フィルタの排気ガス
上流側に配置された電気ヒータ2やバーナによってフィ
ルタ前面に捕集されたすすやSOFに着火した後、フィ
ルタ内を燃焼が排気ガス上流側より下流側に向けて伝ば
することで達成される。このとき燃焼による反応熱のた
め下流側ほど高温になる。さらに、図9に示した目封じ
4の存在のため、モノリスフィルタ1では粒子状物質は
排気ガス下流側に多く捕集され、再生時の燃焼は下流側
ほど激しいものになる。下流側ではともするとコージェ
ライトセラミックの融点約1200℃を越えるような高
温になる場合が生じる。フィルタの溶損はこのような場
合に発生し易い。
【0013】この発明は前記のような従来の課題を解決
するものであり、低い圧力損失を保ちながら粒子状物質
の捕集効率を高めることができるとともに、フィルタの
目詰まり、熱疲労によるフィルタの破壊およびフィルタ
の再生時における溶損を未然に防止できる排気ガス用の
フィルタ装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記目的達成のために、
本発明の請求項1にかかる排気ガス用のフィルタ装置
は、排気ガスの粒子状物質をフィルタにより捕集および
燃焼除去する装置において、線径が細く目の細かい金属
メッシュ部と線径が太く目の粗いアルミナ繊維のヤーン
からなるアルミナセラミックメッシュ部とを、交互に複
数枚積層し、この積層体を厚さ方向に加圧圧縮すること
でアルミナセラミックメッシュを金属メッシュに変形密
着させ、金属メッシュの開口部の一部を、圧縮変形され
たアルミナメッシュのヤーンで閉塞した構造の積層体フ
ィルタとし、この積層体フィルタを、排気ガスの通路に
設置し、前記フィルタの1枚以上の金属メッシュ部、ま
たは前記積層体フィルタに複数の面状ヒータまたは線状
ヒータを介在させ、この面状ヒータまたは線状ヒータの
1つ以上に、断続的に通電加熱することで捕集した粒子
状物質を燃焼除去することを特徴とする。
【0015】また、本発明の請求項2にかかる排気ガス
用のフィルタ装置は、前記金属メッシュ部、面状ヒータ
および線状ヒータには、金属メッシュ部および前記アル
ミナセラミックメッシュ部の積層体を中心とする前記排
気ガスの流入側および流出側間で生じる圧力損失または
圧力差が設定値を越えたとき通電加熱するようにしたこ
とを特徴とする。
【0016】また、本発明の請求項3にかかる排気ガス
用のフィルタ装置は、前記金属メッシュ部を、Fe−C
r−Al系合金から構成したものである。
【0017】また、本発明の請求項4にかかる排気ガス
用のフィルタ装置は、前記排気ガスの流入側および流出
側間に圧力損失検出手段を設けたものである。
【0018】また、本発明の請求項5にかかる排気ガス
用のフィルタ装置は、前記金属メッシュ部が、平織りの
一枚当たりでメッシュ粗さが♯30〜♯180、線径Φ
0.3mm〜Φ0.05mm、目開きが0.05mm〜
0.09mmからなり、前記アルミナセラミックメッシ
ュ部が平織りの一枚あたりでメッシュ粗さが♯3〜♯1
5、糸径がΦ0.5mm〜Φ1.5mm、目開きが7.
96mm〜0.19mmからなるアルミナ長繊維のヤー
ンからなることを特徴とする。
【0019】さらに、本発明の請求項6の発明にかかる
排気ガス用のフィルタ装置は、前記金属メッシュ部およ
び前記アルミナセラミックメッシュ部の各部の粗さを、
排気ガスの上流側から下流側にかけて粗から密に変化さ
せたことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
図について説明する。図1はこの発明の排気ガス用のフ
ィルタ装置を示す概念図である。同図において、11は
Fe−Cr−Al系合金からなる金属メッシュ部であ
り、メッシュ粗さが♯30〜♯180、線径がΦ0.3
mm〜Φ0.05mm、目開きが0.55mmから0.
09mmとされている。この金属メッシュを形成するF
e−Cr−Al系合金としては、表1に示す成分のもの
を例示することができる。
【0021】
【表1】
【0022】また、12は繊維径がΦ5ミクロン〜Φ1
5ミクロンのアルミナ長繊維のヤーンからなるアルミナ
セラミックメッシュ部であり、これがアルミナセラミッ
クメッシュの一枚または複数枚からなり、平織りの一枚
当りで、メッシュ粗さが♯3〜♯15、ヤーンの糸径が
Φ0.5mm〜Φ1.5mm、目開きが7.96mm〜
0.19mmとされている。このアルミナセラミックメ
ッシュを形成するアルミナセラミックとしては、表2に
示す成分のものを例示することができる。
【0023】
【表2】
【0024】そして、これらの金属メッシュ部11およ
びアルミナセラミックメッシュ部12は交互に重ね合さ
れて(積層されて)フィルタ本体10とされ、これらの
各メッシュ粗さは排気ガスの上流側(エンジン側)から
下流側にかけて粗いものかか密なものへと変化させてあ
る。さらに、この積層されたフィルタ本体10は図2に
示すように、フィルタケースAによってフィルタの厚さ
方向に加圧圧縮される。すなわち、排気ガスの通路に位
置するフィルタケースA内に設置されたフィルタ本体1
0を、フィルタケースAのフランジに、通路を形成する
パイプBのフランジCを締め付けることで、厚み方向に
圧縮する。このとき細かなアルミナ長繊維の集まりから
なるアルミナセラミックメッシュ部12は図3のように
押しつぶされそのヤーンの幅を広げられる結果、細かい
金属メッシュ部11の目開きの一部を塞ぐ形となってい
る。
【0025】また、前記金属メッシュ部11のうち、す
すの燃焼除去のために必要な位置にあるメッシュ部の両
端には電圧印加用の端子が接続されており、これらの端
子への電圧印加により、これらの金属メッシュ部11自
体が通電加熱可能とされている。すなわち、金属メッシ
ュ部はフィルタ機能と同時にヒータとしての機能も有し
ている。このヒータ機能を兼ねた金属メッシュ部は必要
に応じて一枚以上積層したフィルタの中の適当な場所に
挿入される。また、図4および図5に示すようなヒータ
を使用してもよい。図4は金属メッシュを用いて形成し
た面状ヒータ21であり、図5は面状ヒータ22であ
る。これらも必要に応じて1つ以上フィルタの中の適当
な場所でアルミナメッシュ部の間に介挿される。尚、符
号23は端子を示す。
【0026】さらに、前記金属メッシュ部11およびア
ルミナセラミックメッシュ部12の積層枚数および排気
ガスを受けるフィルタ断面積(受圧面積)は、対象とな
るエンジンの排気量や許容できるフィルタ寸法、圧力損
失さらに目標捕集効率などによってその適正値が異な
り、一概に示すことはできない。なぜなら、捕集効率は
積層枚数の増加とともに良くなるが、圧力損失は積層枚
数の増加とともに悪くなるという矛盾が生じるためであ
る。但し、一つの目安としては初期の圧力損失が8KP
a以下でかつ捕集効率が30%以上となる積層枚数と受
圧面積が選択される。
【0027】また、本発明の電気ヒータはFe−Cr−
Al系合金からなる前記金属メッシュ部11そのものお
よび金属メッシュから成形して得られる面状ヒータまた
は同種材料の線状のヒータである。加熱はこれらのヒー
タに通電することで発生するジュール熱によって行なわ
れる。アルミナメッシュ部12はこれらのヒータの絶縁
層の役割もはたしている。
【0028】この金属メッシュ部11とアルミナセラミ
ックメッシュ部12とを交互に積層して得られる構造
は、高い捕集効率と低い圧力損失を達成しつつ、従来技
術の課題を次のように解決する。
【0029】まず、(A)捕集効率と圧力損失と再生時
目詰まり防止について、本発明のフィルタでは、Fe−
Cr−Al系合金およびアルミナ共に目開きは小さいも
のでもそれぞれ0.09mmと0.19mmで、粒子状
物質に比べかなり大きく選択されている。従って、従来
のモノリスフィルタが遮り効果を主たる捕集メカニズム
としているのに対し、本発明においては、メッシュの線
の存在によってガスの流れが方向を変えるとき、質量を
持つ粒子に作用する慣性力によって、粒子が線に衝突し
捕集される慣性捕集を主たるメカニズムとしている。
【0030】この慣性捕集は非常に小さい粒子の捕集や
単位厚さ当り捕集効率は小さいが、目開きの大きさを本
発明のように捕集物質の大きさに対して広くとった場合
は、容易に目詰まりしない利点がある。このことは捕集
効率を上げるために積層枚数を増加させても圧力損失の
増加は小さいことを意味している。
【0031】さらに、再生後に残った金属摩耗粉や灰分
がメッシュの孔を塞ぐことはない。従って長期間の使用
においても再生時の目詰まりによるフィルタ交換の必要
はない。本フィルタの特徴である金属メッシュとアルミ
ナセラミックメッシュを交互に重ねる構造は捕集性能に
対して次のことが期待される。フィルタを構成する際
に、フィルタの厚み方向に対して適当な加圧を行うと、
各メッシュの厚みの方向に対して適当な加圧を行うと、
各メッシュの厚みの合計よりも薄くなる。その時のフィ
ルタの内部構造は先に示した図3のようになり、細かい
繊維の集まりであるアルミナセラミックメッシュの線の
一本一本が、金属メッシュに押し付けられ、つぶれて広
がる。その状態はアルミナメッシュ線と金属メッシュ線
により、図6に模式するように、フィルタ内に無数のポ
ケット状の構造を作り出す。この構造は慣性捕集の効果
を高めると共に、多量のすすを保持する空間を作り出し
ている。また慣性捕集で懸念される、風圧によって一旦
捕集されたものが排出される、吹き抜けと呼ばれる現象
にも効果がある。
【0032】次に、(B)熱疲労によるフィルタの破壊
防止については、再生時、すすやSOFが熱酸化分解す
る時に発生する反応熱は大きく、ともすると燃焼温度が
1200℃にも達する場合がある。そこでフィルタ材料
には、耐熱性と高温酸化性の高い材料が必要となる。こ
の用途としては、アルミナやコージェライトなど酸化物
系のセラミックスが最も適している。しかし、モノリス
フィルタのような一体構造は、歪みの不均一分布とセラ
ミックの靭性の不足とから熱疲労破壊が生じ易い。
【0033】本発明においては、フィルタ構造の一部と
して繊維状アルミナセラミックからなるメッシュとする
ことで、耐熱性と高温酸化性を維持しつつ熱疲労破壊を
回避している。すなわち、メッシュ構造は繊維同士が結
合しておらず、単に束ねられているのみであるため、歪
みの不均一を容易に緩和することができる。
【0034】しかしアルミナセラミックメッシュ部12
のみでフィルタを構成すると、剛性が小さすぎ、排気ガ
スの脈動によってフィルタが振動するため、エンジンに
大きな背圧が加わるなどの不具合を生じる。そこでフィ
ルタ全体の剛性を高めることも目的の一つとして、アル
ミナセラミックメッシュは剛性の高い金属メッシュ部1
1と交互に組み合わされる。
【0035】金属メッシュ部11としてFe−Cr−A
l系合金の選択は二つの理由による。第1の理由は、F
e−Cr−Al系合金は優れた耐熱性,高温酸化性を有
するためである。第2の理由は、Fe−Cr−Al系合
金は電熱材料、すなわち、電気ヒータの材料そのもので
あり、このメッシュを再生用電気ヒータとして利用する
ためである。また、Fe−Cr−Al系合金はセラミッ
クと比較し靭性が優れることと、メッシュ構造を採用し
ていることにより、金属メッシュは耐熱疲労性に優れる
ことは言うまでもない。
【0036】さらに、(C)フィルタの溶損防止につい
て、金属メッシュ部11とアルミナセラミックメッシュ
部12の複合化と金属メッシユ部11を電気ヒータとす
ることは、フィルタの溶損防止にも効果が大きい。モノ
リスフィルタの溶損は、反応熱が蓄熱される排気ガス下
流側のフィルタに多くの可燃性粒子物質が捕集されるた
め、燃焼が下流側で激しいことが一つの原因となってい
る。
【0037】本発明においては、メッシュの粗さを排気
ガス上流側から下流側にかけて粗から密に変化させる。
このことによって可燃性粒子状物質の捕集はフィルタの
全体に亘って平均化することができる。従って、下流側
フィルタでの燃焼温度を下げることが可能となり、フィ
ルタ溶損防止が達成される。
【0038】また、金属メッシュ部11は通電可能なヒ
ータであるから、フィルタ内の任意の場所での加熱が可
能であり、燃焼コントロールが極めて容易となる。場合
によってはフィルタ下流や中央からの加熱もしくは全体
を同時に加熱することも可能である。
【0039】次に、本発明によるフィルタの捕集性を図
7のような測定装置によって試験した場合について説明
する。ここでは、粒子状物質発生装置として0.25リ
ットルのディーゼルエンジン13を用いている。この時
のエンジン負荷は3000rpmで2kw・hである。
【0040】フィルタ装置14内の金属メッシュ部11
およびアルミナセラミックメッシュ部12は直径68m
mの円盤状で、積層構造は排気ガス上流からメッシュ粗
さ♯30,線径Φ0.3mmのFe−Cr−Al系金属
メッシュ部11と、メッシュ粗さ♯6,線径Φ1.0m
mのアルミナセラミックメッシュ部12を交互に40枚
重ね合わせ、次にメッシュ粗さ♯35,線径Φ0.26
mmのFe−Cr−Al金属メッシュ部11と、メッシ
ュ粗さ♯9,線径Φ1.0mmのアルミナセラミックメ
ッシュ部12を交互に40枚重ね合わせ、さらに、メッ
シュ粗さ縦♯45,横♯40,線径Φ0.26mmのF
e−Cr−Al系金属メッシュ部11とメッシュ粗さ♯
11,線径Φ1.0mmアルミナセラミックメッシュ部
12を交互に40枚重ねている。
【0041】再生用電気ヒータとしては、排気ガス上流
側から1,2,3番目のメッシュ粗さ♯30のFe−C
r−Al系金属メッシュ部11に線一本当り1Aの電流
を通電する。このときヒータは約5分で900℃に達す
る。この測定装置で測定されるフィルタの捕集性能は、
フィルタに入る排気ガスとフィルタから出る排気ガスの
粒子状物質濃度をボッシュ式のスモークメータ16によ
り測定し、この測定結果を比較することで把握でき、フ
ィルタの目詰まりは、フィルタの前後の圧力差または圧
力損失をマノメータなどの圧力損失検出手段15により
測定することで求められる。そして、金属メッシュ部に
は、加熱電源が連結され、この加熱電源は、圧力損失検
出手段15により測定される圧力差または圧力損失が設
定値を超えると、制御部に制御されてONされる。この
ONによって金属メッシュ部に通電され加熱再生処理が
行われるものである。
【0042】従って、前記測定装置によれば、図8に示
すようなこの発明はフィルタ装置による粒子状物質の捕
集効率と圧力損失とが、測定時間ごとの変化で示され
る。
【0043】ここで捕集効率はフィルタに入る排気ガス
のスモークメータの値からフィルタを出た値の差を、入
る排気ガスの値で除すことで定義してある。捕集効率は
当初は約40%であるがその後60%〜80%を示すよ
うになり、粒子状物質捕集用フィルタとして充分な性能
を示していることがわかる。圧力損失は測定時間の経過
と共に次第の大きくなっているが、これは捕集が順調に
行われていることを意味している。
【0044】また、図8には、再生後の捕集効率と圧力
損失の変化を示してあるが、再生後も再生前と同様な変
化を示している。そして、この再生処理は、例えば図7
に示すような圧力損失検出手段としてのマノメータで検
出された圧力損失が20KPaに達した時点で行われ、
5分の通電によってフィルタを兼ねた金属メッシュは約
900℃に達して捕集された粒子状物質が燃焼を開始
し、約15分〜20分でこの燃焼は終了した。この時点
でフィルタの圧力損失はほぼ初期の値5KPaを示すこ
とから、すべてのフィルタに捕集された粒子状物質は熱
分解し、再生が完全,自動的に行われたことがわかる。
【0045】前記実施例においては、金属メッシュとし
て表1に示すNo.1のFe−Cr−Al系合金を、ア
ルミナセラミックメッシュとして表2に示すNo.1の
アルミナセラミックを使用した。この他にも表1に示す
No.2〜No.4のFe−Cr−Al系合金、および
表2に示すNo.2〜No.5のアルミナセラミックも
充分使用でき、両者とも耐熱性のあるものである。ま
た、金属メッシュは、エンジンの排気量、圧縮比、回転
数、等により排気ガス温度が変動することから、熱サイ
クル(温度の変動)に対応できることが要求され、表1
に例示するFe−Cr−Al系合金の金属メッシュは、
これらの要求に合致し効果があり提供できるものであ
る。
【0046】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれば
線径が細く目の細かい金属メッシュ部と線径が太く目の
粗いアルミナ繊維のヤーンからなるアルミナセラミック
メッシュ部とを、交互に複数枚積層し、この積層体を厚
さ方向に加圧圧縮することでアルミナセラミックメッシ
ュを金属メッシュに変形密着させ、金属メッシュの開口
部の一部を、圧縮変形されたアルミナセラミックメッシ
ュのヤーンで閉塞した構造の積層体フィルタとし、この
積層体フィルタを、排気ガスの通路に設置し、前記金属
メッシュ部、面状ヒータまたは線状ヒータに断続的に通
電加熱するように構成したので、低い圧力損失を保ちな
がら粒子状物質の捕集効率を高めることができるととも
に、フィルタの目詰まり、熱疲労によるフィルタの破壊
およびフィルタの再生時における溶損を未然に防止でき
るという効果が得られる。
【0047】また、請求項2の発明によれば前記金属メ
ッシュ部を、該金属メッシュ部および前記アルミナセラ
ミックメッシュ部の積層体を中心とする前記排気ガスの
流入側および流出側間で生じる圧力損失または圧力差が
設定値を超えたとき通電加熱するように構成したので、
金属メッシュ部やアルミナセラミックメッシュ部が粒子
状物質により所定の目詰まり状態になったことを検出す
ることによって、自動的にその目詰まり物質を焼却除去
できるという効果が得られる。
【0048】また、請求項3の発明によれば前記金属メ
ッシュ部を、Fe−Cr−Al合金から構成したので、
金属メッシュ部を粒子状物質などを捕集するフィルタと
して利用できるとともに、その捕集した物質を加熱焼却
するヒータとしても利用でき、結果的にフィルタ装置全
体の小形化とローコスト化を実現できるという効果が得
られる。
【0049】また、請求項4の発明によれば前記排気ガ
スの流入側および流出側間に圧力損失検出手段を設ける
ように構成したので、この圧力損失検出手段による圧力
損失検出結果に応じて、前記金属メッシュ部に対する加
熱電流供給を自動化することができるという効果が得ら
れる。
【0050】また、請求項5の発明によれば前記金属メ
ッシュ部を、平織りの一枚当りでメッシュ粗さが♯30
〜♯180、線径がΦ0.3mm〜Φ0.05mm、目
開きが0.55mmから0.09mmとし、前記アルミ
ナセラミックメッシュ部を、平織りの一枚当りでメッシ
ュ粗さが♯3〜♯15、糸径がΦ0.5mm〜Φ1.5
mm、目開きが7.96mm〜0.19mmからなるア
ルミナ長繊維のヤーンで構成したので、最適のフィルタ
効率および粒子状物質の焼却除去を実現できるという効
果が得られる。
【0051】また、請求項6の発明によれば前記金属メ
ッシュ部およびアルミナセラミックメッシュ部の各メッ
シュ粗さを、排気ガスの上流側から下流側にかけて粗か
ら密に変化させるように構成したので、粒子状物質の捕
集をフィルタの全体に亘って平均化でき、これによって
下流側フィルタで燃焼温度が上がるのを防止でき、フィ
ルタの溶損を未然に回避できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態による排気ガス用フィ
ルタ装置を示す要部の概念図である。
【図2】積層体フィルタを厚さ方向に圧縮する状態を示
す実施の形態を示す断面図である。
【図3】積層体フィルタの圧縮状態を示す説明図であ
る。
【図4】面状ヒータの実施の形態を示す説明図である。
【図5】線状ヒータの実施の形態を示す説明図である。
【図6】積層体フィルタの模式図である。
【図7】この発明の排気ガス用のフィルタ装置の捕集特
性を測定するのに用いる測定装置を示す構成図である。
【図8】この発明の排気ガス用のフィルタ装置の捕集特
性および圧力損失特性を示す特性図である。
【図9】従来のフィルタ装置を示す断面図である。
【図10】図9に示す排気ガス用のフィルタ装置の正面
図である。
【符号の説明】
10 フィルタ本体 11 金属メッシュ部 12 アルミナセラミックメッシュ部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気ガスの粒子状物質をフィルタにより
    捕集および燃焼除去する装置において、線径が細く目の
    細かい金属メッシュ部と線径が太く目の粗いアルミナ繊
    維のヤーンからなるアルミナセラミックメッシュ部と
    を、交互に複数枚積層し、この積層体を厚さ方向に加圧
    圧縮することでアルミナセラミックメッシュを、金属メ
    ッシュに変形密着させ、金属メッシュの開口部の一部
    を、圧縮変形されたアルミナメッシュのヤーンで閉塞し
    た構造の積層体フィルタとし、この積層体フィルタを、
    排気ガスの通路に設置し、前記フィルタの1枚以上の金
    属メッシュ部、または前記積層体フィルタに複数の面状
    ヒータまたは線状ヒータを介在させ、この面状ヒータま
    たは線状ヒータの1つ以上に、断続的に通電加熱するこ
    とで捕集した粒子状物質を燃焼除去することを特徴とす
    る排気ガス用のフィルタ装置。
  2. 【請求項2】 前記金属メッシュ部、面状ヒータおよび
    線状ヒータには、金属メッシュ部および前記アルミナセ
    ラミックメッシュ部の積層体を中心とする前記排気ガス
    の流入側および流出側間で生じる圧力損失または圧力差
    が設定値を越えたとき通電加熱されるようにしたことを
    特徴とする請求項1に記載の排気ガス用のフィルタ装
    置。
  3. 【請求項3】 前記金属メッシュ部が、Fe−Cr−A
    l系合金からなることを特徴とする請求項1に記載の排
    気ガス用のフィルタ装置。
  4. 【請求項4】 前記排気ガスの流入側および流出側間に
    圧力損失検出手段を設けたことを特徴とする請求項1に
    記載の排気ガス用のフィルタ装置。
  5. 【請求項5】 前記金属メッシュ部が、平織りの一枚当
    たりでメッシュ粗さが♯30〜♯180、線径Φ0.3
    mm〜Φ0.05mm、目開きが0.05mm〜0.0
    9mmからなり、前記アルミナセラミックメッシュ部が
    平織りの一枚あたりで、メッシュ粗さが♯3〜♯15、
    糸径がΦ0.5mm〜Φ1.5mm、目開きが7.96
    mm〜0.19mmからなるアルミナ長繊維のヤーンか
    らなることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス用の
    フィルタ装置。
  6. 【請求項6】 前記金属メッシュ部および前記アルミナ
    セラミックメッシュ部の各メッシュ粗さを、排気ガスの
    上流側から下流側にかけて粗から密に変化させたことを
    特徴とする請求項1に記載の排気ガス用のフィルタ装
    置。
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