JPH1116535A - 冷陰極放電管 - Google Patents

冷陰極放電管

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JPH1116535A
JPH1116535A JP16825897A JP16825897A JPH1116535A JP H1116535 A JPH1116535 A JP H1116535A JP 16825897 A JP16825897 A JP 16825897A JP 16825897 A JP16825897 A JP 16825897A JP H1116535 A JPH1116535 A JP H1116535A
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JP
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electrode
glass bulb
inner lead
discharge tube
sealed
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JP16825897A
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Yusuke Mori
裕介 森
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West Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、バックライト用光源に使用され、
高輝度、低消費電力、点灯開始電圧の低い冷陰極放電管
を提供することを目的とする。 【解決手段】 ガラスバルブ内に位置した電極マウント
の少なくとも一方の電極部は、封入ガスの平均自由行程
と同程度又はそれ以下の幅の微小な間隙4を有してな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば液晶パネル
用バックライトの光源として使用される冷陰極蛍光放電
管に関し、特にガラス管の両端に封止される電極マウン
トの電極の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、周知のようにOA機器、液晶テレ
ビ等の液晶表示装置のバックライトの光源として冷陰極
放電管が広く使用されるようになっている。そのバック
ライトとしての冷陰極放電管は、最近特に高輝度、低消
費電力、さらには点灯開始電圧の低いものが要求されて
いる。
【0003】図8は、その冷陰極放電管の一例を示した
断面図であり、図において、18はガラスバルブ、1
9、20はインナーリード、21、22はインナーリー
ドに溶接又はカシメ等によって固着される電極であり、
電極21、22とインナーリード19、20とでガラス
バルブ両端に封止される電極マウントを形成しており、
この電極はタングステンに代表される仕事関数の小さい
金属若しくは金属酸化物の焼結体が用いられることが多
く、暗黒中における点灯開始電圧を低下させるために、
電極材料に微量の放射性物質を混入したり、エミッター
と呼ばれる金属酸化物を添加することもある。23は、
ガラスバルブ18の内面に塗布される蛍光膜であり、ま
たガラスバルブ18の内部には、放電ガスであるネオ
ン、アルゴン等のガスとともに、水銀が封入されてい
る。
【0004】このような構成において、周知のインバー
タ回路等によりインナーリード19、20を通じて交流
の電力を供給することにより電極21、22において電
解放出機構により放電が開始される。そして電極21、
22から放出された一次電子は、封入された放電ガスを
電離し、励起して希ガスの準安定状態分子と水銀ガスに
相当する振動数の紫外線を放出し、この紫外線は、蛍光
膜23によって可視光に変換される。さらに電離され励
起された希ガス分子は、電極21、22に衝突して二次
電子の放出を促して放電の能率を上昇させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来か
ら電界放出を放電の基盤とする冷陰極放電管では、電極
近傍の陰極降下部分において大部分のエネルギーを発光
に寄与することなく消費する。すなわち、従来より陰極
降下電圧が高いために、様々な改善、改良が行われてい
るにも拘らず、未だに点灯開始電圧と点灯維持電圧が高
く、また熱陰極放電管よりも電気を光に変換する光変換
効率が低いという問題を有している。
【0006】本発明は、かかる問題点を改善し、電極の
電界放出機構を助長し、熱流体である封入放電ガスの性
質を利用して、放電電子とそれを含めた電離気体に高い
運動エネルギーを与えることにより、点灯開始電圧およ
び点灯維持電圧の低減と、電気の光変換の高効率化を図
った冷陰極放電管を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的を達成する
ために、冷陰極放電管の放電電極として、単一の導電性
構体を成型、又は二つ以上の導電性構体を導電接着し電
極自体に微小な間隙を設けたものである。電極に設けた
微小な間隙において、主に電気的、熱力学的な2種類の
放電促進効果が得られる。電気的な効果としては、放電
ガスの平均自由行程と同等かそれ以下の幅の空間におけ
る電離気体の振る舞いを利用する空間電荷効果を、特に
それが効果的に生じる空間を電極に意図的に設けること
によって積極的に使用するものである。また熱力学的効
果としては、点灯時の電極の加熱を利用して電極内部の
電離気体の運動エネルギーを高め、電極外部との放電ガ
スの圧力差を生じさせてそれを利用するものである。
【0008】この電極に設けられた微小間隙は、空間電
荷領域、すなわち放電ガスの平均自由行程と略等しいか
それ以下の幅の空間のために、この領域の放電ガスは互
いに衝突することなく電極壁まで到達するので、ホロー
陰極効果が起こるのに必要な集合した大きな負グローが
存在せず、したがってこの微小間隙の作用ではホロー陰
極効果は発生しない。しかし、電極の構造如何によって
はホロー効果を同時に利用することも可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、ガラスバルブ内に位置した電極部の少なくとも一方
に放電ガスの平均自由行程と同程度又はそれ以下の幅の
微小間隙を設けてなるもので、この微小間隙内部の空間
電荷効果と熱力学的作用を積極的に利用して、電子の放
出に寄与させ、放出電子の運動エネルギーを高め、放電
助長効果によって、点灯開始電圧、点灯維持電圧を低下
させ、電気の光変換効率を高めることができる。即ち、
微小間隙によって、電離又は励起された封入ガス分子
は、その殆どが他の分子や電子と衝突することなく直接
電極表面に衝突し、粒子射突による二次電子放出に寄与
する効果がある。また、この微小間隙は空間電荷領域な
ので、電離された封入ガス分子は電極表面に衝突するま
で他の粒子に衝突することなく移動し、電子の加速電界
としての作用をして、電極からの一次電子の放出を容易
にし、放出電子の運動エネルギーを高める効果がある。
さらに微小間隙を隔てた電極面間に存在する電位差はた
とえ僅かであっても、その空間自体が狭いために電界と
しては大きいものとなり、この部分の電極表面からの一
次電子放出を促進する効果を有する。一方、冷陰極放電
管の点灯時の発熱は、陽光柱部分よりも電極部分におい
て大きく、点灯中は常に電極部分が最も温度の高い状態
にある。したがって、微小間隙の中に存在するガス分
子、電子を含めた電離気体及び準安定状態のガス分子は
大きなエネルギーを有し、電極外部に比して常に圧力が
高く、微小間隙に存在する準安定粒子、電離気体は常に
高い運動エネルギーを持ちつつ微小間隙の外に噴出する
傾向にあり、ペニング電離を起こすのに、必要な準安定
粒子と電極での放電で生じた電荷を積極的に陽光柱に投
入することができるという効果を有する。
【0010】微小間隙を設けることによって以上の効果
を持たらすことができるが、勿論、それらによって間隙
より陽光柱に放出された電離気体は、放電管の両電極間
の電界に乗って運動し、陽光柱に電離と励起のためのエ
ネルギーを提供する。これらの放電助長効果は、微小間
隙が空間電荷効果を積極的に利用している領域のため、
封入ガスの持つ平均自由行程と電極内の微小間隙の兼ね
合いに、例えば微小間隙の間隔を変更するか、または封
入ガスの圧力、組成等を変更して平均自由行程を変化さ
せて微小間隙の間隔との相対的な変化を生じさせること
によって、電極の放電能力を自由に変化させることがで
きる。
【0011】本発明の請求項2に記載の発明は、ガラス
バルブ内に位置した電極部の少なくとも一方が、インナ
ーリードに接続される第1の電極とこれに導電結合され
る第2の電極とからなり、第1と第2の電極間に微小な
間隙を設けてなるものである。微小間隙内部の空間電荷
効果と熱力学的作用を積極的に利用して、電子の放出に
寄与させ、放出電子の運動エネルギーを高め、放電助長
効果によって、点灯開始電圧、点灯維持電圧を低下さ
せ、電気の光変換効率を高めることができる。
【0012】本発明の請求項3に記載の発明は、ガラス
バルブ内に位置した電極部の少なくとも一方が、インナ
ーリードに接続される第1の電極とこれに導電結合され
る第2の電極とからなり、第1と第2の電極間に微小な
間隙を複数個設けてなるものである。この複数個の微小
間隙内部の空間電荷効果と熱力学的作用を積極的に利用
して、電子の放出に寄与させ、放出電子の運動エネルギ
ーを高め、放電助長効果によって、点灯開始電圧、点灯
維持電圧を低下させ、電気の光変換効率を高めることが
できる。
【0013】本発明の請求項4に記載の発明は、ガラス
バルブ内に位置した電極部の少なくとも一方が、仕事関
数の低い放電に適した金属で前記インナーリードに接続
される第1の電極と、この第1の電極と導電結合される
第2の電極とからなり、前記第2の電極は複数個の金属
平板であり、夫々の平板の間が放電ガスの平均自由行程
と同程度もしくはそれ以下の幅の微小間隙にしたもので
ある。この平板間の微小間隙を封入ガスの平均自由行程
と同程度もしくはそれ以下にし、電極外部への開口部面
積を大きく取ることで放電能力を一層高め、微小間隙内
部の空間電荷効果と熱力学的作用を積極的に利用して、
電子の放出に寄与させ、放出電子の運動エネルギーを高
め、放電助長効果によって、点灯開始電圧、点灯維持電
圧を低下させ、電気の光変換効率を高めることができ
る。
【0014】本発明の請求項5に記載の発明は、一対の
電極マウントは、ガラスバルブ両端に封止されるインナ
ーリードと、前記ガラスバルブ内で相対向して前記イン
ナーリードの少なくとも一方の先端部に取りつけられる
電極部からなり、前記少なくとも一方の電極部は、仕事
関数の低い放電に適した単一の導電性構体であり、この
導電性構体に微小間隙を設けてなる。単一の導電性構体
である電極部に微小間隙を設けることによって、微小間
隙内部の空間電荷効果と熱力学的作用を積極的に利用し
て、電子の放出に寄与させ、放出電子の運動エネルギー
を高め、放電助長効果によって、点灯開始電圧、点灯維
持電圧を低下させ、電気の光変換効率を高めることがで
きる。さらに電極部を単一の導電性構体を使用すること
によって、電極マウントそのものの細径化が図れ、冷陰
極放電管の細径化が実現できる。
【0015】本発明の請求項6に記載の発明は、ガラス
バルブ内に位置した電極マウントの少なくともいずれか
一方の電極部が、放電ガスの平均自由行程と同程度もし
くはそれ以下の幅の微小な間隙と、ホロー陰極効果を生
じるホロー空間とを形成してなる導電性構体であり、微
小間隙より放出された電子を含む電離気体をホロー空間
に投入することによって、負グローの密度を増大させて
ホロー陰極効果を増加させ、点灯開始電圧、点灯維持電
圧を低下させ、電気の光変換効率を高めることができ
る。
【0016】本発明の請求項7に記載の発明は、一対の
電極マウントが、ガラスバルブ両端に封止されるインナ
ーリードと、前記ガラスバルブ内で相対向して前記イン
ナーリードの少なくとも一方の先端部に取りつけられる
電極部からなり、少なくとも一方の電極部は、仕事関数
の低い放電に適した金属で前記インナーリードに接続さ
れる第1の電極と、この第1の電極と導電結合される第
2の電極とからなり、第1と第2の電極間に微小間隙を
設けてなるものである。微小間隙より放出された電子を
含む電離気体をホロー空間に投入することによって、負
グローの密度を増大させてホロー陰極効果を増加させ、
点灯開始電圧、点灯維持電圧を低下させ、電気の光変換
効率を高めることができる。
【0017】本発明の請求項8に記載の発明は、一対の
電極マウントが、ガラスバルブ両端に封止されるインナ
ーリードと、前記ガラスバルブ内で相対向して前記イン
ナーリードの少なくとも一方の先端部に取りつけられる
電極部からなり、少なくとも一方の電極部は、仕事関数
の低い放電に適した金属で前記インナーリードに接続さ
れる第1の電極と、この第1の電極と導電結合される第
2の電極とからなり、第2の電極に複数個の微小間隙を
設けてなるものである。この複数個の微小間隙より放出
された電子を含む電離気体をホロー空間に投入すること
によって、負グローの密度を増大させてホロー陰極効果
を増加させ、点灯開始電圧、点灯維持電圧を低下させ、
電気の光変換効率を高めることができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面ととも
に説明する。図1は、本発明の第1の実施例である冷陰
極放電管の電極の構造を示したものであり、同図(a)
は電極を軸方向に切断した断面図、同図(b)はその断
面図の矢印方向から見た正面図である。図において、1
はタングステン、ニッケル等仕事関数の低い放電に適し
た金属で作成されるピン形状の第1電極、2は第1電極
1と同様の金属又は電気伝導度と仕事関数の異なる他の
種類の金属、又は導電性を有した金属酸化物の粉末を焼
結した焼結構体によって構成されている第2電極であ
る。この第1電極1と第2電極2は、接着部3におい
て、溶接、カシメ等によって導電接着されている。4は
第1電極1と第2電極2との間に形成される間隙で放電
管に封入されている放電ガスの平均自由行程以下、若し
くはそれと同程度の幅を有している。なお、第1と第2
電極を別々の金属の導電性構体の接着結合とせずに、単
一の構体として切削、注型等の技術手段によって成型し
ても良い。
【0019】以上の構成より成る本発明の電極は、微小
な間隙4を形成しているために、電極に投入されている
電力や周囲のガスの電離状態に拘らず、その幅が常に空
間電荷領域の条件を満たしているため次の効果を有す
る。まず、電離又は励起された封入ガス分子が電界及び
熱によって行う運動の行程において、この運動が許容さ
れる範囲が電極の間隙によって平均自由行程以下に制限
されているので、他のガス分子と衝突することなく電極
面まで到達して衝突する。これによって、運動する電離
又は励起されたガス分子は、他のガス分子との衝突でエ
ネルギーを失うことなく、電極との衝突に全てのエネル
ギーを消費できる。したがって、電極の外側の面とは異
なって電極に設けられた微小空間内では電力の投入量や
封入ガスの状態に拘らず、常に電離及び励起されたガス
分子の電極への射突による二次電子の放出機構が最大の
効率を持続する。
【0020】また、この微小間隙内での封入ガスイオン
の移動は、それが他のガス分子若しくは電子との非弾性
衝突によって電荷を失うことがないために、イオンの移
動自体が電子の放電電界及び加速電界としての作用を行
い、電極面からの一次電子の放出とその加速を助成す
る。
【0021】通常冷陰極放電管では、通常その両極に交
流電界が印加されるが、この電界はその大部分が電極に
おける陰極降下の部分で消費されている。しかし、この
陰極降下電圧は、電極を微細な観点で見た場合、電極面
の表面状態や電流密度差等によって部分的に電界の強度
差があり、したがって、同じ位相の交流電界の加わって
いるひとつの電極においてもその場所ごとに微小な電位
差が発生している。当然、電極に微小な間隙を持たせた
ならば、その間隙内部にも各部に電位差が生じている
が、この場合間隙が狭い空間であるために、たとえ電位
差が微小であっても電界としては大きなものとなり、電
極面からの一次電子の放出と加速に貢献するものとな
る。
【0022】さらに冷陰極放電管の点灯時に発生する熱
はその電極において最も高くなるために、電極に微小な
間隙を設けることで、間隙内部で発生した電子を含めた
電離気体、励起された封入ガス分子、および準安定状態
にある封入ガス分子の圧力は間隙外部に比べて高くな
り、電気的、熱的な作用で高い運動エネルギーを持った
電子を含む電離気体を放電管の両電極間の電界に乗せて
陽光柱に投入すると同時に、高い運動エネルギーを持っ
た準安定粒子によるペニング電離効果の向上を図ること
ができる。これらの効果によって電極の放電能力は高く
なり、冷陰極放電管の電気の光変換効率の向上、点灯開
始電圧と点灯維持電圧の低下を実現することができる。
また電極の放電能力を変更する場合には、電極に設けら
れた微小間隙の間隔と封入ガスの平均自由行程の長さを
相対的に変化させればよいので、電極の微小間隙の間隔
を変更させるか、もしくは封入ガスの圧力や組成等を変
更することによって、平均自由行程を変更すれば良い。
【0023】図2は本発明の第2の実施例である冷陰極
放電管に使用する電極を示し、同図(a)はその断面
図、同図(b)は断面図の矢印方向から見た正面図を示
す。この実施例は、図1の実施例に加えてホロー陰極効
果を生じるように、第2電極5の陽光柱側に負グローが
納まることのできるホロー空間6を作り、そこで生じる
負グローに対して図1における場合と同様の効果を有す
る微小間隙4において発生した電子を含めた電離気体を
投入することでホロー陰極効果を高めたものである。一
般的にホロー陰極効果の増大は、陰極降下電圧の低下に
よる点灯維持電圧の低下と陰極電流密度の増加をもたら
すことが知られており、これによって点灯維持電圧を低
下させ、電気の光変換効率を上昇させた冷陰極放電管を
実現させることができる。
【0024】図3は、本発明の第3の実施例である冷陰
極放電管に使用する電極を示し、同図(a)はその断面
図、同図(b)は断面図を矢印方向から見た正面図であ
り、この実施例は図2の実施例と同様に第1電極と第2
電極を接着部3によって結合したものであるが、電極の
内部にホロー陰極効果のための負グローを発生させるホ
ロー空間6を作り、それに対して開口部を向けるよう第
2電極7に切削等の手段によって形成される複数個の微
小間隙8を設けてなる。この微小間隙8は図2の実施例
と同様の効果を有し、ホロー空間6にて発生する負グロ
ーに対して微小間隙8によって効果的に放出される高い
運動エネルギーを持った電子を含めた電離気体を投入す
ることでホロー陰極効果を増大させて冷陰極放電管の点
灯維持電圧の低下と電気の光変換効率の向上を実現させ
るものである。
【0025】図4は本発明の第4の実施例である冷陰極
放電管に使用される電極を示し、同図(a)はその断面
図、同図(b)は断面図を矢印方向から見た正面図であ
り、切削又は注型等の手段によって第2電極9に図示の
十字の切れ込みの形状の微小間隙10を設けたものであ
り、電極径を増加させることなく空間電荷領域となる微
小間隙の面積を増加させるものである。
【0026】図5は本発明の第5の実施例である冷陰極
放電管に使用される電極を示し、同図(a)はその断面
図、同図(b)は断面図を矢印方向から見た正面図であ
り、切削又は注型等の手段によって第2電極11に図4
の実施例よりもさらに多くの切れ込みの形状の微小間隙
12を設けたものであり、電極径を増加させることなく
空間電荷領域となる微小間隙の面積を増加させるもので
ある。
【0027】図4および図5の実施例の電極は、図1の
実施例の微小間隙と同様の効果を奏することは勿論、冷
陰極放電管の細径化に伴う点灯開始電圧と点灯維持電圧
の上昇と電気の光変換効率の低下を抑制することができ
る。
【0028】図6は本発明の第6の実施例である冷陰極
放電管に使用される電極を示し、同図(a)はその断面
図、同図(b)は断面図を矢印方向から見た正面図であ
り、前実施例のように第1と第2電極を接合して構成す
ることなく、ピン形状の電極13に直接、切削、注型等
の手段で前実施例の微小間隙と同様の効果を奏する微小
間隙14を設けることで、さらに電極の細径化を図った
ものである。この実施例の構成にすることによって、冷
陰極放電管を構成するガラス管の内径が細径化されたこ
とによってカソードペレット等の放電を補助する電極構
体を納めることができない場合でも、細径化による点灯
開始電圧と点灯維持電圧の維持の上昇を抑え、かつ電気
の光変換効率の低下を抑えることができる。
【0029】図7は本発明の第7の実施例である冷陰極
放電管に使用される電極を示し、同図(a)はその断面
図、同図(b)は断面図を矢印方向から見た正面図であ
り、この実施例は、ピン形状の第1電極15に金属又は
金属酸化物の焼結構体等の導電性物質からなる数枚の平
板16をその間に図1の実施例と同等の効果を生じる微
小間隙17を設けるように接着部3において溶接等の手
段でもって導電接着する。このような構造にすることに
よって、平板の面積および枚数を増やすことで、空間電
荷効果を積極的に利用できる微小間隙の面積を容易に増
やすことができるために、冷陰極放電管の点灯開始電
圧、点灯維持電圧を容易に低下させ、且つ電気の光変換
効率を上昇させることができる。
【0030】以上の本発明の実施例では、冷陰極放電管
としてガラスバルブ内に蛍光膜を塗布した蛍光放電管で
説明したが、本発明は他のガラスバルブ内に蛍光膜を塗
布しないバルブ内に単に希ガスを封入した、例えばキセ
ノンガスを封入した放電管にも適用できることは言うま
でもない。
【0031】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の冷陰極放電
管は、放電電極に、封入ガスの平均自由行程以下、又は
それと同程度の幅の微小な間隙を導入することで、その
ような空間内では電子を含めた電離気体、準安定粒子等
が運動する際に、他の粒子と衝突せずに境界面に到達す
るという現象によって発生する空間電荷効果による微小
間隙内部での高電界の発生、および一次電子、二次電子
の放出と、放電管の点灯時の電極の発熱による粒子の運
動エネルギーの上昇を一般的な放電電極よりも積極的に
利用して電極の放電能力を向上し、冷陰極放電管の点灯
開始電圧と点灯維持電圧の低下と電気の光変換効率の向
上を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の第1の実施例である冷陰極放電
管に使用される電極の断面図 (b)同断面図の矢印方向から見た電極の正面図
【図2】(a)本発明の第2の実施例である冷陰極放電
管に使用される電極の断面図 (b)同断面図の矢印方向から見た電極の正面図
【図3】(a)本発明の第3の実施例である冷陰極放電
管に使用される電極の断面図 (b)同断面図の矢印方向から見た電極の正面図
【図4】(a)本発明の第4の実施例である冷陰極放電
管に使用される電極の断面図 (b)同断面図の矢印方向から見た電極の正面図
【図5】(a)本発明の第5の実施例である冷陰極放電
管に使用される電極の断面図 (b)同断面図の矢印方向から見た電極の正面図
【図6】(a)本発明の第6の実施例である冷陰極放電
管に使用される電極の断面図 (b)同断面図の矢印方向から見た電極の正面図
【図7】(a)本発明の第7の実施例である冷陰極放電
管に使用される電極の断面図 (b)同断面図の矢印方向から見た電極の正面図
【図8】冷陰極放電管の構造を示す断面図
【符号の説明】
1 第1電極 2 第2電極 4 微小間隙 5 第2電極 6 ホロー空間 7 第2電極 8 微小間隙 9 第2電極 10 微小間隙 11 第2電極 12 微小間隙 13 電極 14 微小間隙 15 第1電極 16 平板 17 微小間隙

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラスバルブの両端に一対の電極マウント
    を封止し、前記ガラスバルブ内に放電ガスが封入されて
    なる冷陰極放電管において、前記ガラスバルブ内に位置
    した前記電極マウントの少なくともいずれか一方の電極
    部は、前記放電ガスの平均自由行程と同程度もしくはそ
    れ以下の幅の微小な間隙を有した導電性構体である冷陰
    極放電管。
  2. 【請求項2】一対の電極マウントは、ガラスバルブ両端
    に封止されるインナーリードと、前記ガラスバルブ内で
    相対向して前記インナーリードの少なくとも一方の先端
    部に取りつけられる電極部からなり、少なくとも一方の
    電極部は、仕事関数の低い放電に適した金属で前記イン
    ナーリードに接続される第1の電極と、この第1の電極
    と導電結合される第2の電極とからなり、前記第1と前
    記第2の電極間に微小間隙が設けられてなる請求項1に
    記載の冷陰極放電管。
  3. 【請求項3】一対の電極マウントは、ガラスバルブ両端
    に封止されるインナーリードと、前記ガラスバルブ内で
    相対向して前記インナーリードの少なくとも一方の先端
    部に取りつけられる電極部からなり、少なくとも一方の
    電極部は、仕事関数の低い放電に適した金属で前記イン
    ナーリードに接続される第1の電極と、この第1の電極
    と導電結合される第2の電極とからなり、前記第2の電
    極に放電ガスの平均自由行程と同程度もしくはそれ以下
    の幅の微小な間隙を複数個設けてなる請求項1に記載の
    冷陰極放電管。
  4. 【請求項4】一対の電極マウントは、ガラスバルブ両端
    に封止されるインナーリードと、前記ガラスバルブ内で
    相対向して前記インナーリードの少なくとも一方の先端
    部に取りつけられる電極部からなり、少なくとも一方の
    電極部は、仕事関数の低い放電に適した金属で前記イン
    ナーリードに接続される第1の電極と、この第1の電極
    と導電結合される第2の電極とからなり、前記第2の電
    極は複数個の金属平板であり、夫々の平板の間が放電ガ
    スの平均自由行程と同程度もしくはそれ以下の幅の微小
    間隙である請求項1に記載の冷陰極放電管。
  5. 【請求項5】一対の電極マウントは、ガラスバルブ両端
    に封止されるインナーリードと、前記ガラスバルブ内で
    相対向して前記インナーリードの少なくとも一方の先端
    部に取りつけられる電極部からなり、前記少なくとも一
    方の電極部は、仕事関数の低い放電に適した単一の導電
    性構体であり、この導電性構体に微小間隙を設けてなる
    請求項1に記載の冷陰極放電管。
  6. 【請求項6】ガラスバルブの両端に一対の電極マウント
    を封止し、前記ガラスバルブ内壁に蛍光膜が施され、前
    記ガラスバルブ内に放電ガスが封入されてなる冷陰極放
    電管において、前記ガラスバルブ内に位置した前記電極
    マウントの少なくともいずれか一方の電極部は、前記放
    電ガスの平均自由行程と同程度もしくはそれ以下の幅の
    微小な間隙と、前記ガラスバルブ内の他方の電極部に対
    向した側にホロー陰極効果を生じるホロー空間とを形成
    してなる導電性構体である冷陰極放電管。
  7. 【請求項7】一対の電極マウントは、ガラスバルブ両端
    に封止されるインナーリードと、前記ガラスバルブ内で
    相対向して前記インナーリードの少なくとも一方の先端
    部に取りつけられる電極部からなり、少なくとも一方の
    電極部は、仕事関数の低い放電に適した金属で前記イン
    ナーリードに接続される第1の電極と、この第1の電極
    と導電結合される第2の電極とからなり、前記第1と前
    記第2の電極間には微小間隙が設けられてなる請求項6
    に記載の冷陰極放電管。
  8. 【請求項8】一対の電極マウントは、ガラスバルブ両端
    に封止されるインナーリードと、前記ガラスバルブ内で
    相対向して前記インナーリードの少なくとも一方の先端
    部に取りつけられる電極部からなり、少なくとも一方の
    電極部は、仕事関数の低い放電に適した金属で前記イン
    ナーリードに接続される第1の電極と、この第1の電極
    と導電結合される第2の電極とからなり、前記第2の電
    極に放電ガスの平均自由行程と同程度もしくはそれ以下
    の幅の微小な間隙を複数個設けてなる請求項6に記載の
    冷陰極放電管。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100475166B1 (ko) * 2002-05-27 2005-03-08 엘지.필립스 엘시디 주식회사 램프

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