JPH11164650A - 青果物の代謝ガス除去装置および該装置を備えた冷蔵庫 - Google Patents

青果物の代謝ガス除去装置および該装置を備えた冷蔵庫

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JPH11164650A
JPH11164650A JP33603397A JP33603397A JPH11164650A JP H11164650 A JPH11164650 A JP H11164650A JP 33603397 A JP33603397 A JP 33603397A JP 33603397 A JP33603397 A JP 33603397A JP H11164650 A JPH11164650 A JP H11164650A
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water
metabolic gas
lid
fruits
vegetables
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JP33603397A
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Kazuyuki Furukawa
和志 古川
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Sharp Corp
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  • Cold Air Circulating Systems And Constructional Details In Refrigerators (AREA)
  • Storage Of Fruits Or Vegetables (AREA)
  • Storage Of Harvested Produce (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 青果物の代謝ガスを長期にわたって確実に除
去することが可能な簡素な構成の代謝ガス除去装置およ
び冷蔵庫を提供する。 【解決手段】 乾燥時と湿潤時とで代謝ガスの吸着能力
に差のある活性炭を、通気口と空気中の水蒸気を下面に
結露させる天井板とを有する容器に収容して、代謝ガス
除去装置とする。冷蔵庫の野菜室の野菜容器を閉じる蓋
体の冷却され易い部位に開口を設けて、この開口に天井
板が露出するように代謝ガス除去装置を取り付ける。活
性炭は天井板から落下する結露水で湿潤し、乾燥時に吸
着した代謝ガスを放出して、吸着能力を回復する。放出
された代謝ガスは野菜室を開いたときや天井板に形成し
た開口から排出される。上部を開放した代謝ガス除去装
置を野菜容器の蓋体に取り付けて、蓋体の結露水で活性
炭を湿潤させてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、青果物の代謝ガス
を除去する装置および野菜室を備えた冷蔵庫に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に青果物は収穫後も貯蔵中に呼吸を
行うが、その際放出される新陳代謝ガスには青果物を老
化・追熟させる作用をもつエチレンガスが含まれる。貯
蔵中の青果物は、自身または他の青果物が放出したエチ
レンガスによって、呼吸を促進されたり熟成を速められ
たりする。ところが、冷蔵庫の野菜室は、青果物が呼吸
によって放出する水分の蒸散を極力抑えて高湿度に保つ
必要があるため、密閉性を高められている。その結果、
青果物より放出されたエチレンガスはその多くが野菜室
内に滞留することになり、保存中の青果物の貯蔵期間が
短くなるという不都合が生じている。
【0003】このため従来より、活性炭等の多孔質材料
に吸着させることによって、野菜室のエチレンガスを除
去することが行われている。近年では、特開平7−71
866号公報に示されているように、触媒によってエチ
レンガスを分解する方法や、実開平6−64085号公
報に示されているように、分離膜等の膜素材によってエ
チレンガスを分離するといった手法も採用されている。
【0004】上記特許公報に掲げられている冷蔵庫野菜
室の容器を図35に示す。図中、51は上部が開放され
た野菜容器、55は野菜室の扉が閉じられた時に野菜容
器51の上部を閉じる蓋体である。蓋体55は触媒53
を収納する収納部52を備えており、収納部52はカバ
ー54によって閉じられる。収納部52の下面には野菜
容器51に通じる通気口が形成されており、触媒53は
野菜容器51から収納部52に侵入したエチレンガスを
分解して、無害な水と炭酸ガスに変える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報技術のようにエチレンガスの除去手段として触媒を用
いる方法では、エチレンガスを含んだ空気が触媒を通過
する際に接触面積を大きくする必要があり、その流路の
設定が複雑になる。また、接触面積を大きくするために
はその構造自体も複雑になり、加工や組み立てが煩雑に
なる。さらには、このような触媒はコストが高く、粉末
状にして担持したり、メッキしたりする必要もある。
【0006】エチレンガスの除去に分離膜を用いる方法
では、分離するための推進力としてエチレンガスの濃度
差が必要になる。ところが、一般に、青果物が放出する
量と老化・追熟に感応する量はいずれも数ppmの低濃
度であり、また、野菜室を開いた時にエチレンガスが流
出するため、通常の使用では十分な推進力となる濃度差
が生じ難い。このため、野菜室を長期間開かない特殊な
場合を除き、効果はごく限られたものとなる。また、分
離膜を野菜室の蓋体に同時に加工するため、製造が容易
ではないという問題もある。
【0007】また、多孔質材料を用いてエチレンガスを
除去する方法では、多孔質材料の吸着能力が飽和するた
めに、一定期間ごとに取り替えるか、あるいは加熱して
再生するようにしており、使用者にとって不便である。
取り替えや再生の処理が遅れると、吸着がそれ以上進ま
なくなるのみならず、一度吸着したエチレンガスが脱離
して高濃度で野菜室内に滞留してしまうこともある。
【0008】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
もので、青果物の代謝ガスを長期にわたって確実に除去
することが可能な簡素な構成の代謝ガス除去装置および
冷蔵庫を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、吸着により空気中から青果物の代謝ガ
スを除去する装置において、青果物の代謝ガスを吸着す
る能力が乾燥時に高く湿潤時に低い吸着媒体を、空気中
の水蒸気を結露させる結露手段と通気口とを有する容器
に収容した構成とする。
【0010】容器には通気口が設けられており、この通
気口を通って青果物の代謝ガスや水蒸気を含む空気が容
器に出入りする。吸着媒体は、容器内に侵入した空気に
含まれる青果物の代謝ガスを吸着するが、乾燥時と湿潤
時とでその吸着能力に差があり、乾燥時に吸着した代謝
ガスの一部を湿潤時に放出する。したがって、吸着媒体
が乾燥状態にある時に、装置を代謝ガス除去の対象とす
る空間内に設置し、吸着媒体が湿潤状態にある時に、装
置を対象空間外に移動させるかまたは対象空間外に開放
することにより、対象空間から代謝ガスを除去すること
が可能である。
【0011】容器には結露手段が設けられており、結露
手段は容器に侵入した空気に含まれる水蒸気を結露させ
て、結露水により容器内の吸着媒体を湿潤させることが
できる。これにより吸着媒体は自動的に湿潤し、使用者
が容器に水を注入する必要はない。また、湿潤した吸着
媒体は、代謝ガスを放出した後、自然に乾燥して吸着能
力を次第に回復する。したがって、単に結露水による吸
着媒体の湿潤時期と装置の対象空間外への移動や開放の
時期を揃えるだけで、容易に代謝ガスの除去を継続して
行うことが可能になる。なお、通気口は、容器のどの部
位に設けてもよいが、結露水が多い場合でもこぼれない
位置に設けることが望ましい。
【0012】前記容器に、熱伝導性を有する材料から成
り上面を冷却されて下面に空気中の水蒸気を結露させる
天井壁を備え、これを結露手段とするとよい。代謝ガス
除去の対象とする空間を冷却する場合、天井壁が結露手
段として自動的に機能し、その結露水は凝集すると重力
により落下するから、きわめて簡素な構成で、水蒸気を
結露させかつ吸着媒体を湿潤させることができる。
【0013】結露水は容器に振動が加わった時にも落下
して吸着媒体を湿潤する。代謝ガス除去の対象とする空
間外に装置を移動させることにより、あるいは除去対象
空間と外部とを隔てる扉を開くことにより、その時の振
動を利用して、吸着媒体が吸着している代謝ガスを対象
空間外に容易に放出させることができる。結露手段であ
る天井壁は、容器に固定したものでもよく、容器の着脱
可能な蓋の一部であってもよい。
【0014】前記目的を達成するために、本発明ではま
た、吸着により空気中から青果物の代謝ガスを除去する
装置において、青果物の代謝ガスを吸着する能力が乾燥
時に高く湿潤時に低い吸着媒体を、空気中の水蒸気の結
露により生じた水を内部に導く結露水導入手段と通気口
とを有する容器に収容した構成とする。
【0015】この装置は上記の代謝ガス除去装置から結
露手段を省略し、代わりに結露水導入手段を設けたもの
である。この装置は、何らかの方法で空気中の水蒸気を
結露させた水を外部から導き入れて、吸着媒体を湿潤さ
せる。すなわち、装置自体は結露手段を備えず、ガス除
去の対象とする空間の内外に設けられた他の装置や部材
を結露手段として利用する。この装置も、吸着媒体が乾
燥状態にある時に除去対象空間内に設置し、吸着媒体が
湿潤状態にある時に対象空間外に移動または開放するこ
とにより、対象空間から代謝ガスを除去することが可能
である。
【0016】容器の上で結露した水を重力による自由落
下で内部に導く開口を容器の上部に形成し、これを結露
水導入手段とするとよい。最も簡素な構成で吸着媒体を
湿潤させることができる。容器の上部全体を開放しても
よい。この装置は、ガス除去の対象とする空間を冷却す
る場合に特に適しており、単に、その空間内の水蒸気が
結露する部位の下方に配置するだけで、吸着媒体を自動
的に湿潤させることが可能になる。除去対象空間と外部
とを隔てる扉の振動が結露水に伝わるようにしておけ
ば、その扉を開くだけで、結露水が落下して、吸着媒体
が吸着している代謝ガスを対象空間外に放出させること
が可能である。
【0017】前記目的を達成するために、本発明ではさ
らに、冷気を室内に流入させる流入口と、空気を室外に
流出させる流出口と、蓋体とを備えた野菜室を有し、青
果物を収納するための上部が開放された野菜容器を野菜
室に収容したときに、蓋体によって野菜容器の開放され
た上部を閉じる冷蔵庫において、流入口から流入した冷
気によって冷却され易い蓋体の部位に開口を設けるとと
もに、天井壁を結露手段とした上記の代謝ガス除去装置
を、蓋体の開口を塞ぎかつその開口から結露手段の上面
が露出するように、蓋体に取り付ける。
【0018】上部を蓋体で閉じられた野菜容器中の青果
物が出す代謝ガスと水蒸気は、蓋体に取り付けられた代
謝ガス除去装置にその通気口から侵入していく。一方、
代謝ガス除去装置の天井壁は、蓋体の開口から露出して
おり、冷気によって上面を冷却されて結露手段として機
能する。装置内部の水蒸気は天井壁で結露して水とな
り、水滴を形成して自由に、または扉の開閉等によって
冷蔵庫が振動した時に、落下する。吸着媒体は落下した
結露水によって湿潤する状態と、水の自然蒸発によって
乾燥する状態を交互にとり、代謝ガスの吸着と放出を繰
り返すことになる。
【0019】野菜室が開かれたとき、その振動により結
露水は装置の天井壁から落下し、これにより湿潤した吸
着媒体は吸着していた代謝ガスを放出する。すなわち、
野菜室および野菜容器が庫外に開放されている状態にあ
る時に代謝ガスが放出されることになって、放出された
代謝ガスは、野菜室や野菜容器内に留まらず、庫外に排
出される。
【0020】青果物の取り出しあるいは新たな青果物の
収納が行われた後、野菜室は閉じられ、野菜容器は蓋体
で閉じられる。この時点での野菜容器内の代謝ガスは少
量である。また、この時の吸着媒体は湿潤状態にありそ
の吸着能力は低いが、水の蒸発により吸着媒体は自然に
乾燥状態へと移行し、次第に吸着能力を回復していく。
この間に青果物から出た新たな代謝ガスは、吸着能力を
回復した吸着媒体に吸着される。こうして、吸着した代
謝ガスの庫外への放出と新たな吸着とを反復することに
より、野菜容器内の代謝ガスは除去される。
【0021】本発明ではまた、冷気を室内に流入させる
流入口と、空気を室外に流出させる流出口と、蓋体とを
備えた野菜室を有し、青果物を収納するための上部が開
放された野菜容器を野菜室に収容したときに、蓋体によ
って野菜容器の開放された上部を閉じる冷蔵庫におい
て、流入口から流入した冷気によって冷却され易い蓋体
の部位を、熱伝導性を有する材料で構成して下面に空気
中の水蒸気を結露させる結露手段とし、容器上部に開口
を形成して結露水導入手段とした上記の代謝ガス除去装
置を、蓋体の結露手段とした部位の下面に取り付ける。
【0022】この冷蔵庫では野菜室の蓋体の一部を結露
手段として利用する。この冷蔵庫の代謝ガスの除去に関
する動作は、代謝ガス除去装置自体に結露手段を備えた
上記の冷蔵庫と同じになる。いずれの冷蔵庫において
も、代謝ガス除去装置を野菜室の蓋体に着脱自在に取り
付けるのが好ましい。
【0023】代謝ガス除去装置に結露手段を設けた冷蔵
庫でも、野菜室の蓋体を結露手段として利用する冷蔵庫
でも、結露手段の下面に凹凸を設けるとよい。下面が平
坦でなくなって結露水が流動し易くなり、凹凸の下端に
結露水が集まる。これにより、結露水が僅かな振動によ
っても落下し易くなり、野菜室を開いた時により確実に
結露水を落下させて吸着ガスを庫外に放出させることが
できる。
【0024】結露手段の下面に撥水処理を施してもよ
い。結露水が水滴となって落下し易くなる。
【0025】結露手段に小さな固定開口を設けてもよ
い。野菜室を開かない時でも結露水が落下して吸着媒体
が吸着している代謝ガスを放出することがあるが、この
とき放出された代謝ガスは、この開口から野菜容器外に
除去されることになる。開口から出た代謝ガスは空気と
共に流出口から野菜室外に排出される。水蒸気の漏出を
できるだけ少なくするために、常時開いている固定開口
は小さく形成することが好ましい。開口が小さいとき、
水蒸気の大部分は結露手段によって水とされて野菜容器
内に留まることになり、青果物の乾燥が防止される。
【0026】結露手段に開口を形成する開口形成手段を
設けてもよい。開口形成手段を動作させた時に、通常は
開口を有しない結露手段に、吸着媒体が放出した代謝ガ
スを野菜容器外に排出するための開口を形成することが
可能になる。結露水の落下に合わせて開口形成手段を動
作させることで、吸着された代謝ガスを野菜容器外に確
実に排出し、しかも、通常時の水蒸気の漏出を防止する
ことができる。ここで形成する開口は、一時的なもので
あるから、大きくてもよい。
【0027】結露手段に固定開口や開口形成手段を設け
た構成では、結露手段にさらに、結露した水を強制的に
落下させる落下強制手段を設けるとよい。結露水を強制
的に落下させることにより、飽和している吸着媒体を随
時賦活させることが可能になる。結露水の強制落下によ
り吸着媒体が放出した代謝ガスは、野菜容器に再度充満
することなく、固定開口または一時的に形成した開口か
ら野菜容器外に除去される。
【0028】結露手段に、傾斜可能で、傾斜時に近隣部
位との間に開口を形成すると同時に結露した水をその端
縁より強制的に落下させて、開口形成手段かつ落下強制
手段となる可動部を設けてもよい。簡素な構成で、通常
時の水蒸気の漏出を防止しつつ、飽和している吸着媒体
を随時賦活させることができる。
【0029】結露手段に結露した水を検知する結露水検
知手段を備えて、結露水検知手段が水を検知したときに
落下強制手段を動作させるとよい。結露水が結露手段に
付着したままになることを避け、最短の時間間隔で吸着
媒体を賦活させることができる。
【0030】蓋体に野菜容器内の湿度を検知する湿度検
知手段を備え、湿度検知手段が検知した湿度が所定時間
続いて所定値以上になったときに落下強制手段を動作さ
せるようにしてもよい。湿度検知手段を備えることによ
り結露を予測することが可能となり、結露水を直接検知
することができないときでも、短い時間間隔で吸着媒体
を賦活させることができる。
【0031】青果物の代謝ガス除去装置に吸着媒体を加
熱して乾燥するための加熱手段を備えるとよい。湿潤し
吸着能力が低下した吸着媒体を速やかに賦活することが
できる。落下強制手段を設けない構成では野菜室を閉じ
た直後に、落下強制手段を設けた構成では野菜室を閉じ
た直後および落下強制手段を動作させた直後に、加熱手
段を動作させると、熱を無駄なく利用することができ
る。所定の周期で加熱手段を動作させてもよい。なお、
加熱手段の熱が野菜容器の内部に伝わるのを防止するた
めに、断熱手段を設けることが望ましい。
【0032】青果物の代謝ガス除去装置の容器の底部に
溜まった水を検知する溜水検知手段を備えて、溜水検知
手段が水を検知したときに加熱手段を動作させるように
してもよい。熱を無駄なく利用することができる上、野
菜容器内の温度上昇が避けられる。容器の底部を傾斜さ
せておき、その最も低い位置に溜水検知手段を配置すれ
ば、確実に水を検知することができる。
【0033】水を蓄える貯水器を備え、所定時間毎に貯
水器の水を代謝ガス除去装置の容器内に供給するように
してもよい。青果物が出す代謝ガスや水蒸気の量は青果
物の種類によって異なり、野菜容器内の代謝ガスや水蒸
気の量は大きく変動する。代謝ガスが多く水蒸気が少な
いときには、吸着媒体が飽和し易いにもかかわらず、結
露水で吸着媒体を賦活することができないという事態も
生じ得る。所定時間毎に貯水器の水を代謝ガス除去装置
の容器内に供給すると、このようなときでも、確実に吸
着媒体を賦活することが可能になり、継続して代謝ガス
を除去することができる。しかも、野菜容器内が乾燥す
ることも防止される。除霜によって生じる水を貯水器に
導くようにしておけば、貯水器に水を補充する操作は不
要である。
【0034】落下強制手段や貯水器を備える構成では、
青果物の代謝ガス除去装置の通気口を開閉可能とし、落
下強制手段を動作させる時または貯水器の水を代謝ガス
除去装置の容器内に供給する時から所定長の期間に通気
口を閉じ、他の期間に通気口を開くようにするとよい。
吸着手段を湿潤させたときに、吸着されていた代謝ガス
が野菜容器に再充満することが確実に防止されるから、
効率よく代謝ガスを除去することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。図1に第1の実施形態の冷蔵
庫の野菜室周辺の概略構成を示す。1は冷蔵庫本体、2
は冷蔵庫の機械室内に配置された圧縮機、3は野菜室
扉、5は青果物を収納するための上部が開放された野菜
容器、4は野菜容器5を収容する野菜室、6は野菜容器
5が野菜室4に収容されている際に野菜容器5を閉じる
蓋体、7は青果物から出る新陳代謝ガスを除去する代謝
ガス除去ユニットである。
【0036】野菜室4の上方には他の冷蔵室9が設けら
れており、野菜室4と冷蔵室9を仕切る隔壁によって野
菜室4に冷気を流入させる流入口8aおよび野菜室4か
ら空気を流出させる流出口8bが形成されている。流入
口8aから流入した冷気により、野菜室4の内部全体が
冷却されるが、蓋体6の流入口8a近傍の部位は特に冷
却され易い。蓋体6は樹脂材料から成り熱伝導性に特に
優れたものではないが、常時冷却されているため、野菜
容器5に収納されている青果物が発する水蒸気はこの部
位で結露し易い。代謝ガス除去ユニット(以下、単にユ
ニットともよぶ)7は、蓋体6のこの結露が生じ易い部
位6aの下面に取り付けられている。
【0037】蓋体6に取り付けられた状態の代謝ガス除
去ユニット7の断面を図2に示す。ユニット7は樹脂材
料から成り、内部にはエチレン等の新陳代謝ガスを吸着
する媒体として活性炭10が充填されており、側壁には
通気口11が形成されている。野菜容器5の空気は、矢
印Aで示したように通気口11からユニット7に流入
し、空気に含まれている代謝ガスは活性炭10に吸着さ
れる。なお、ここでは通気口11をユニット7の対向す
る側壁に形成しているが、他の側壁に形成してもよい。
【0038】図3に、代謝ガス除去ユニット7および蓋
体6の構成と両者の取り付けの様子を示す。ユニット7
の側壁の上端には爪12が設けられており、蓋体6には
爪孔13が形成されている。図3中に矢印Bで示したよ
うに、爪12を爪孔13に挿入して両者を係合させるこ
とで、ユニット7は蓋体6に取り付けられる。したがっ
て、ユニット7は蓋体6に着脱自在である。代謝ガス除
去ユニット7は上部全体を開放されており、蓋体6に取
り付けられたときに、蓋体6がユニット7を蓋する形態
となる。
【0039】活性炭は、吸着量が飽和した際、一般的に
は200〜300℃程度の高温に加熱すれば、吸着能力
を回復する。しかし、本発明では、この性質ではなく、
活性炭が吸着しているエチレン等の代謝ガスを湿潤時に
放出するという性質を利用して、活性炭を賦活する。図
4に、エチレンガスの吸着が飽和に達している活性炭を
湿潤させたときの、吸着量の変化を示す。この図から明
らかなように、活性炭は一時間程度で吸着しているガス
の80%以上を放出する。多量のガスを放出した活性炭
は、乾燥後高い吸着能力を回復することになる。
【0040】野菜容器5内の空気には青果物が呼吸によ
って放出する水蒸気が含まれており、この水蒸気は代謝
ガス除去ユニット7に入り、冷却されている蓋体6の下
面に結露する。結露によって生じた水は、野菜室扉3を
開けるときの振動で重力により落下し、活性炭10を湿
潤させる。湿潤した活性炭10からは、乾燥時に吸着し
た代謝ガスが放出される。この時野菜室3は開いてお
り、蓋体6も野菜容器5から外れているため、放出され
た代謝ガスは庫外に排出されることになる。
【0041】その後、野菜室扉3は閉じられ、野菜容器
5も蓋体6で閉じられる。活性炭に付着した水は次第に
蒸発し、時間の経過とともに活性炭は吸着能力を回復し
ていく。活性炭自体は水蒸気をあまり吸着せず、高湿度
環境下でも代謝ガスを放出しないため、その代謝ガス吸
着能力は野菜容器内の湿度によらず安定している。な
お、結露は青果物からの水蒸気のみによって発生するも
のであり、また、野菜容器5の空気は開いた時に乾燥し
た外気と一部交換されるから、頻繁に結露水が落下して
活性炭を湿潤させることはない。
【0042】このように、代謝ガス除去ユニット7は、
代謝ガスを吸着し野菜室3が開かれたときに吸着してい
る代謝ガスを庫外に放出することで、野菜容器5内の代
謝ガスを除去する。また、代謝ガス除去ユニット7は、
飽和量まで代謝ガスを吸着したときでも賦活されて、代
謝ガスを除去する能力を長期間継続して保持する。しか
も、吸着能力の賦活は、通常の使用形態における野菜室
の開閉操作で自動的になされる。したがって、ユニット
7は、機能維持に特別なメインテナンスを必要としな
い、簡便かつ永続的な代謝ガス除去装置となっている。
【0043】数十ヶ月以上におよぶ長期の使用により活
性炭10が劣化して、高い吸着能力を回復し得なくなっ
た場合でも、ユニット7を蓋体6から取り外すことで、
きわめて容易に活性炭を交換することができる。ユニッ
ト7は小型であり、しかも蓋体6の下面に取り付けられ
るから、野菜容器5への青果物の収納を妨げることもな
い。
【0044】なお、ここでは、蓋体6の一部を水蒸気を
結露させるための結露手段として利用したが、代謝ガス
除去ユニット7自体に結露手段を備える構成としてもよ
い。そのためには、ユニット7にその開放された上部を
閉じる着脱自在の蓋を設けるとともに、蓋体6に開口を
形成して、その開口をユニット7の蓋で塞ぐようにす
る。開口から露出する蓋の上面は流入口8aから流入す
る冷気によって冷却されて、下面に結露を生じさせる結
露手段となる。着脱自在の蓋を設けることに代えて固定
の天井壁を代謝ガス除去ユニットに設けて、この天井壁
を蓋体6の開口から露出させて結露手段とすることも可
能である。その場合、側壁に活性炭交換のための扉を形
成しておく。結露手段とする蓋や天井壁は、熱伝導性を
有する材料で形成する。
【0045】以下の各実施形態でも、蓋体の一部を結露
手段として利用する構成を例に取って説明するが、代謝
ガス除去ユニットの蓋または天井壁を結露手段としても
よい。また、各実施形態の冷蔵庫は、代謝ガス除去ユニ
ットとその取り付け部位の蓋体の構成以外は、上記第1
の実施形態と同様の構成であるので、以下の説明におい
ては、同様の部材には同一の符号を付して重複する説明
は省略する。
【0046】第2の実施形態の冷蔵庫における蓋体6に
取り付けられた状態の代謝ガス除去ユニット7の断面を
図5に示し、両者の構成と取り付けの様子を図6に示
す。ユニット7が取り付けられ結露手段となる蓋体6の
部位6aには、帯状の開口14が複数形成されている。
【0047】結露水は野菜室扉3以外の他の扉の開閉等
により落下することがあり、その場合、野菜室4および
野菜容器5が閉じられたままの状態で、活性炭10が吸
着している代謝ガスを放出することになる。このとき放
出された代謝ガスは、第1の実施形態の構成では、通気
口11を通して野菜容器5に充満する。
【0048】本実施形態では、活性体10から放出され
た代謝ガスは、矢印C(図5)で示したように、開口1
4を通って野菜容器5外に出て、矢印D(図6)のよう
に流れる冷気により流出口8bから野菜室4外に排出さ
れる。したがって、野菜室4を開かない時に結露水が落
下しても、放出された代謝ガスは速やかに除去されて、
野菜容器5にはほとんど留まらない。このため、本実施
形態の構成では、確実かつ効率よく代謝ガスを除去する
ことが可能である。
【0049】なお、開口14の総面積は、ユニット7を
覆う部位6aの全体の面積の数分の1程度に小さく設定
されている。このため、開口14から漏出する水蒸気は
僅かであり、野菜容器5内の湿度が大きく低下すること
はない。また、部位6aの開口14以外の面積は広く、
結露手段として十分に機能する。
【0050】第3の実施形態の冷蔵庫における代謝ガス
除去ユニット7および蓋体6の構成と両者の取り付けの
様子を図7に示す。本実施形態では、ユニット7が取り
付けられ結露手段となる蓋体6の部位6aは、周囲とは
異なり、熱伝導性および熱容量の大きい金属で形成され
ている。部位6aに複数の開口14が設けられているこ
とは第2の実施形態と同様であるが、ここでは開口14
を小径の円形としている。
【0051】蓋体6全体を同一材料で形成すると、その
下面全体に均等に結露が発生し易くなり、また、ユニッ
ト7を蓋体6と同様の材料で形成すると、ユニット7の
壁面にも結露し易くなる。そのような場合、ユニット7
を取り付けた部位の結露の量が少なくなり、結露手段と
してとしての機能が低下し、野菜室扉3を開いた時でも
活性炭10が湿潤しないことがある。
【0052】しかしながら、本実施形態のように、ユニ
ット7を取り付ける部位6aを結露しやすい材料で構成
すると、ここに優先的に結露が生じ、野菜容器5内の水
蒸気の大部分を活性炭10を湿潤させるために利用する
ことが可能になる。これにより、野菜室扉3を開いた時
に、確実に活性炭を賦活させることができて、代謝ガス
が効率よく庫外に排出される。
【0053】野菜室扉3を開かない時に活性炭10が湿
潤する頻度も高くなり、このとき活性炭10から放出さ
れた代謝ガスは開口14から排出される。なお、本実施
形態においても、開口14の総面積は小さく設定されて
おり、水蒸気の漏出は僅かである。
【0054】第4の実施形態の冷蔵庫における蓋体6に
取り付けられた状態の代謝ガス除去ユニット7の断面を
図8に示し、代謝ガス除去ユニット7および蓋体6の構
成を図9に示す。本実施形態では、ユニット7が取り付
けられ結露手段となる蓋体6の部位6aは、複数の板材
16より構成されている。各板材16は野菜室扉3側が
高くなるように傾斜して設けられており、その端縁の高
低差により隣合う板材16の間には開口14が形成され
ている。
【0055】部位6aの下面に結露した水は傾斜に沿っ
て移動し、落下が促進される。これにより、扉の開閉等
の振動がないときでも活性炭10が湿潤し易くなり、賦
活の頻度が増す。野菜室扉3が開いていないときに活性
炭10から放出された代謝ガスは、開口14から排出さ
れる。ここでも、水蒸気の漏出を少なくするために、開
口の面積は小さく設定されている。なお、ユニット7を
取り付ける部位6a以外では蓋体6は平坦に構成されて
おり、結露水の落下の促進は部位6aに限られている。
【0056】第5の実施形態の冷蔵庫における蓋体6の
代謝ガス除去ユニット7を取り付ける部位6aの構成を
図10および図11に示す。これらの図において、
(a)は断面図であり、(b)は平面図である。部位6
aには円形の小さな開口14が複数設けられており、ま
た、下面にはドーム状の凸部17または四角錐状の凸部
17aが下方に向けて複数形成されている。部位6aの
下面に結露した水は、凸部17または17aの傾斜面に
沿って移動してその下端に集まり、落下が促進されるこ
とになる。
【0057】なお、開口14は、結露水によって塞がれ
ることを避けるために、凸部17、17aの間に形成し
ておく。凸部の形状や数は任意であり、部位6aの全体
を下方に向けて窪ませて1つの凸部とし、周辺に開口を
形成するようにしてもよい。ただし、図示したように、
部位6aの全体にわたって多数の凸部を設ける方が、活
性炭10を均等に湿潤させることができて好ましい。
【0058】第6の実施形態の冷蔵庫における蓋体6に
取り付けられた状態の代謝ガス除去ユニット7の側面図
を図12および図13に示す。本実施形態では、ユニッ
ト7が取り付けられ結露手段となる蓋体6の部位6aを
2つの板材18で構成し、板材18を軸22で支持して
回動可能にしている。図12は板材18を回動させてい
ない状態を表しており、図13は板材18を回動させた
状態を表している。
【0059】2つの板材18は、非回動時(図12)
に、両者の間に細い開口14aを形成するように僅かに
離間して、かつ開口14aを形成する端部が低くなるよ
うに僅かに傾斜して、配置されている。支持軸22に関
して板材18を回動させることにより傾斜は大きくなり
(図13)、部位6aの辺縁に開口14bが新たに形成
される。
【0060】板材18は、通常、図12の非回動の状態
とされ、下面に水蒸気を結露させる。板材18が僅かに
傾斜して配置されていることにより、結露水Wは開口1
4aに集まる。図示しないが、野菜室4には2つの板材
18間の電気抵抗値を測定するセンサが設けられてお
り、開口14aの結露水によって両板材18が接続され
たか否かによって抵抗値は変わる。これにより結露水の
有無を判断し、結露水があるときは、板材18を回動さ
せて結露水を落下させるとともに開口14bを形成す
る。
【0061】落下した結露水により活性炭10は湿潤
し、吸着していた代謝ガスを放出する。この代謝ガス
は、矢印D方向に流れ上流側の開口14bからユニット
7内に入る空気によって、矢印Cで示したように、下流
側の開口14bから積極的に排出される。開口14bを
数十秒程度の短時間形成するだけで、代謝ガスの排出は
完了する。野菜容器5外に出た代謝ガスは、流出口8b
より野菜室4外に排出されることになる。
【0062】本実施形態における代謝ガス除去の処理動
作を図14のフローチャートに示す。センサ出力により
抵抗値が変化したか否かを判定し(ステップ#10
5)、抵抗値に変化があったときは、板材18を上記の
所定時間傾けた後(#110)、板材18を戻す(#1
15)。センサは抵抗値を常時測定しており、抵抗値に
変化があった時すなわち開口14aに結露水が溜まった
時には、上記処理がなされて、活性炭10が賦活され
る。
【0063】常時開いている開口14aはきわめて小さ
く、また、開口14bは通常は存在せず、結露が検知さ
れたときに短時間だけ形成されるものであるから、野菜
容器5から失われる水蒸気はきわめて僅かである。な
お、開口14aは結露を検知するための一手段として設
けられたものであり、代謝ガス排出口としてはほとんど
機能しない。他の方法によって結露を検知するように
し、開口14aを設けない構成としてもよい。
【0064】第7の実施形態の冷蔵庫における蓋体6の
代謝ガス除去ユニット7を取り付ける部位6aの拡大図
を図15に示す。本実施形態は部位6aの下面に撥水処
理を施したものである。図16に撥水処理を施していな
い対照例を示す。いずれも、第5の実施形態で説明した
ような凸部17を形成した例を示している。
【0065】撥水処理が施されていない場合、部位6a
の下面に付着した結露水Wは、図16に示したように、
広がりながら凝集する。このため、広がった結露水W
は、部位6aをゆるやかに流れるため、落下しにくくな
る。
【0066】一方、本実施形態のように撥水処理を施し
ておくと、結露水Wは、図15に示したように、部位6
a上に、表面張力のため接触面積が小さくなり、粒状に
凝集する。ある一定以上の大きさになるか、野菜室の開
閉による振動で、凝集した結露水Wは部位6aの傾斜を
滑り、途中他の凝集した結露水と合わさって落下しやす
くなる。このため、落下後に部位6a上に残存する結露
水はほとんどなく、新たに結露が生じるまでにある程度
の時間が必要なため、結露の発生と代謝ガスの放出とが
短時間に連続して起こる可能性が大幅に低減される。
【0067】第8の実施形態の冷蔵庫における蓋体6に
取り付けられた状態の代謝ガス除去ユニット7の断面を
図17に示し、その構成を図18に示す。ユニット7に
設ける通気口11の位置が低いときは、結露水の量が多
い場合や野菜室扉3を強く開閉した場合に、結露水が通
気口からこぼれて野菜容器5内の青果物を浸し、保存期
間を短くしてしまう恐れがある。一方、通気口11を上
部に小さく形成したのでは、野菜容器5とユニット7の
内部との空気の循環が悪くなり、活性炭10が代謝ガス
を吸着する速度が低下する。
【0068】本実施形態では、通気口11を活性炭10
に面しかつユニット7の底面から所定の高さhだけ高い
位置に設けることで、この問題を解決している。通気口
11には活性炭10の粒径よりも小さな孔を多数有する
フィルターが取り付けられており、活性炭10が野菜容
器5内に散乱する恐れはない。フィルターを用いず、通
気口11自体を活性炭10の粒径よりも小さな多数の孔
としてもよい。
【0069】第9の実施形態の冷蔵庫における蓋体6に
取り付けられた状態の代謝ガス除去ユニット7の断面を
図19に示す。上記の各実施形態は、結露水により湿潤
した活性炭10を、水の自然蒸発により乾燥させるもの
であったが、本実施形態では、活性炭10を積極的に乾
燥させるために、ユニット7の底部にヒーター24を備
えた箱25を取り付けている。ヒーター24を動作させ
ることで、ユニット7の底に溜まった水および活性炭1
0に付着した水を蒸発させる。
【0070】本実施形態における代謝ガス除去の処理動
作を図20のフローチャートを参照して説明する。ま
ず、野菜室扉3の開閉状態を判定する(ステップ#20
5)。野菜室扉3が開いているときにはヒーター24を
動作させるとともに(#210)、タイマーのカウント
を開始して(#215)、#205に戻る。
【0071】野菜室扉3が閉じているときには、タイマ
ーがカウント中であるか否かを判定する(#220)。
カウント中でなければ、ヒーター24を停止し(#22
5)、#205に戻る。タイマーがカウント中であれ
ば、所定時間加熱したか否か、すなわちカウント開始後
所定時間が経過したか否かを判定する(#230)。こ
の所定時間は、ヒーター24の発熱量を考慮して設定す
べきもので、ここでは10分程度に設定している。
【0072】所定時間が経過していないときは、ヒータ
ー24を継続して動作させ(#235)、所定時間が経
過していれば、ヒーター24を停止し(#240)、タ
イマーをクリアして(#245)、#205に戻る。
【0073】上記の制御では、野菜室扉3を開くことに
より加熱が開始され、野菜室扉3が閉じられた後所定の
一定時間が経過するまで、加熱は継続されることにな
る。加熱により、活性炭10は速やかに乾燥されて、吸
着能力が低下している時間が短縮される。なお、蓋体6
のユニット7を取り付ける部位6aの上面を、ヒーター
24より低い温度で加熱することにより、蒸発した水蒸
気がすぐに部位6aに再結露するのを防止するようにし
てもよい。
【0074】第10の実施形態の冷蔵庫について説明す
る。本実施形態も、上記第9の実施形態と同様の構成で
加熱により活性炭10の乾燥を速めるものであるが、ヒ
ーター24の動作の制御の仕方が異なり、野菜室扉3の
開閉と無関係に一定周期でヒーター24を動作させる。
【0075】本実施形態における代謝ガス除去の処理動
作を図21のフローチャートを参照して説明する。ま
ず、タイマーがカウント中であるか否かを判定し(ステ
ップ#305)、カウント中であれば既に加熱を所定時
間行ったか否かを判定する(#310)。加熱時間が所
定時間に達していないときには加熱を継続し(#31
5)、所定時間に達しているときはヒーター24を停止
するとともに(#320)、タイマーをクリアして(#
325)、#305に戻る。
【0076】#305の判定でタイマーがカウント中で
ないときには、前回の加熱開始から一定時間が経過した
か否かを判定する(#330)。未経過のときには#3
05に戻り、経過していればヒーター24を動作させ
(#335)、タイマーのカウントを開始して(#34
0)、#305に戻る。
【0077】野菜室扉3が開けられる都度ヒーターを動
作させる制御では、野菜室扉3が頻繁に開けられる場
合、絶えずヒーターが動作して、あまり湿潤していない
活性炭10を加熱するという事態が生じ得る。これは無
駄な電力消費となり、好ましくない。上記の制御のよう
に、一定時間毎にヒーター24を動作させることで、こ
の不都合を避けることができる。ヒーター24の動作周
期である一定時間は、青果物の平均的な収納量や収納時
間、さらには野菜室扉3の開閉の平均回数を考慮して定
めるとよい。
【0078】なお、冷蔵庫が除霜のために冷却を休止し
ている時にヒーター24を動作させると、野菜室4の温
度上昇を招く恐れがある。これを回避するためには、ス
テップ#330と#335の間に、除霜期間に入ってい
るか否かを判定するステップ#333を加えて、除霜期
間に入っていないときに#335に進み、除霜期間に入
っているときには#305に戻るようにするとよい。こ
のようにすると、除霜期間終了後、直ちに加熱を行うこ
とができる。
【0079】第11の実施形態の冷蔵庫における蓋体6
に取り付けられた状態の代謝ガス除去ユニット7の断面
を図22に示す。本実施形態のユニット7は、ヒーター
24に加えて、ユニット7の底に溜まった水を検知する
センサ26を備えており、センサ26により水が検知さ
れたときに、活性炭10を乾燥するための加熱を行う。
センサ26は複数個所に配置されており、偏りなく水を
検知することができる。
【0080】本実施形態における代謝ガス除去の処理動
作を図23のフローチャートに示す。この制御は、図2
1に示した第10の実施形態のステップ#330を、ス
テップ#430に置き換えたものである。他のステップ
は同じであり、重複する説明は省略する。#430で
は、ユニット7の底の水の有無をセンサ26の出力に基
づいて判定する。ここで水があると判定したときに、ヒ
ーター24とタイマーを動作させ(#435、#44
0)、所定時間の加熱を行う。
【0081】この制御では、活性炭10が湿潤している
ときに限り、また、活性炭10が湿潤しているときは常
に加熱が行われる。ユニット7に溜まった水が多く、所
定時間の乾燥後も水が検知されたときは、引き続き加熱
されるから、結露水の量にかかわらず、確実に活性炭1
0を乾燥することができる。
【0082】なお、ヒーター24が発する熱は大部分が
水の蒸発に利用されるから、除霜時であっても必ずしも
加熱を避ける必要はない。また、水を検知したセンサ2
6の数に応じて、ヒーター24の発熱量や動作時間を調
節するようにしてもよい。より過不足なく加熱を行うこ
とが可能になる。
【0083】第12の実施形態の冷蔵庫における蓋体6
に取り付けられた状態の代謝ガス除去ユニット7の断面
を図24に示す。本実施形態では、ユニット7の底面に
傾斜をもたせてその中央部が最も低くなるようにしてお
り、ここにセンサ26を配置し、センサ26を取り囲む
ようにヒーター24を配置している。
【0084】結露手段である蓋体6の部位6aの下面か
ら落下した水は、活性炭10を湿潤させた後、ユニット
7の傾斜した底面を伝ってその中央に集まる。センサ2
6でこの水を検知し、水を検知したときに、第11の実
施例で説明したようにヒーター24を動作させる。
【0085】この構成では、ユニット7のどこに落下し
た結露水であっても落下位置に留まらず底面の中央に集
まるから、底面の中央部周辺だけにヒーター24を設け
ることで、確実に水を蒸発させることができる。また、
ヒーター24が発する熱は専ら水の蒸発に利用されるた
め、野菜容器5内の温度上昇を招きにくい。しかも、セ
ンサ26を複数個所に設ける必要もなくなる。
【0086】本実施形態の変形例の断面を図25に示
す。これは、ユニット7の底面の最も低くした中央部
に、さらに窪みを形成して水溜め28としたものであ
る。センサ26は水溜め28の中の水を検知し、ヒータ
ー24は水溜め28を加熱する。このように構成するこ
とで、ヒーター24の配置面積をさらに減少させること
ができて、水の蒸発への熱の利用効率が一層向上する。
【0087】第13の実施形態の冷蔵庫における蓋体6
に取り付けられた状態の代謝ガス除去ユニット7の断面
を図26に示す。本実施形態は、ヒーター24を収容す
る箱25に断熱材29を充填したものである。断熱材2
9により、ヒーター24の発する熱が野菜容器5内の空
気に伝搬することが防止され、野菜容器5内の温度上昇
をより確実に抑えることができる。なお、ここでは、図
24の構成に断熱材29を適用した例を示したが、ヒー
ター24を備えるものであればどのような構成でも断熱
材は有用である。
【0088】第14の実施形態の冷蔵庫における蓋体6
に取り付けられた状態の代謝ガス除去ユニット7の側面
図を図27に示す。本実施形態は、代謝ガス除去ユニッ
ト7に給水タンク30を設けて、所定の時間間隔でまた
は徐々に、給水タンク30からユニット7内部に水を供
給するようにしたものである。ユニット7には第12の
実施形態と同様のヒーター24も備えられている。
【0089】一般に、果物は野菜に比べて、エチレンガ
スの放出量が多く水蒸気の放出量が少ない。このため、
野菜容器5内に収容した果物の量が多いときには、活性
炭10の代謝ガスの吸着が飽和し易い反面、活性炭10
を賦活するための結露水として利用し得る水蒸気が不足
するという事態が起こりかねない。このような場合で
も、給水タンク30から水をユニット7の内部に供給す
ることで、活性炭を賦活することが可能になり、確実に
代謝ガスを除去することができる。
【0090】本実施形態における代謝ガス除去の処理動
作を図28のフローチャートに示す。これは所定の時間
間隔でユニット7に水を供給する制御の例である。ま
ず、ヒーター24が動作中であるか否かを判定する(ス
テップ#505)。ヒーター24が動作しているとき
は、加熱を所定時間行ったか否かを判定し(#51
0)、加熱が所定時間に達していないときは#505に
戻り、所定時間に達しているときはヒーター24を停止
して(#515)、#505に戻る。
【0091】ヒーター24が動作していないときは、あ
らかじめ定めた一定の時間が前回の水の供給から経過し
たか否かを判定し(#520)、未経過であれば#50
5に戻る。経過しているときは、給水タンク30からユ
ニット7の内部に水を供給し(#525)、ヒーター2
4を動作させて(#530)、#505に戻る。
【0092】給水タンク30からの水の供給を徐々に行
うことは、例えば、給水タンク30のユニット7の内部
に臨む面を膜素材で構成しておくことで容易に実現する
ことができる。なお、ユニット7は着脱自在であるか
ら、給水タンク30への水の補給は容易である。
【0093】第15の実施形態の冷蔵庫における蓋体6
に取り付けられた状態の代謝ガス除去ユニット7の側面
および関連する冷蔵庫内部の構成を図29に示す。本実
施形態は、除霜によって生じる水を活性炭10の賦活に
利用するものである。図29において、34は冷気通路
15に設けられた冷蔵庫の蒸発器、33は蒸発器34の
下方に配置された除霜水受け容器、31は除霜水受け容
器33の水をユニット7に導く給水管、32は給水管3
1を開閉するバルブである。
【0094】バルブ32は除霜が終了するまで閉じられ
ており、除霜の終了と同時に開いて容器33に溜まった
水をユニット7に供給する。容器33の容量は、バルブ
32までの給水管31の容積との和が、活性炭10を賦
活するのに必要な水量となるように設定されている。し
たがって、除霜によって蒸発器34から落下した水が容
器33を満たしても、必要以上にユニット7に水が供給
されることはない。
【0095】本実施形態における代謝ガス除去の処理動
作を図30のフローチャートを参照して説明する。ま
ず、ヒーター24が動作中であるか否かを判定する(#
605)。ヒーター24が停止しているときは、除霜が
終了したか否かを判定し(#610)、終了していなけ
れば#605に戻る。除霜が終了していれば、バルブ3
2を開いて(#615)、ユニット7に水を供給する
(#620)。供給終了後、バルブ32を閉じるととも
に(#625)、ヒーター24を動作させて加熱を開始
し(#630)、#605に戻る。
【0096】#605の判定でヒーター24が動作して
いるときは、#630での加熱開始から所定時間が経過
したか否かを判定し(#635)、未経過であればその
まま、経過していればヒーター24を停止して(#64
0)、#605に戻る。
【0097】このように、除霜水を利用することで、給
水タンクに水を補給する必要がなくなり、使用者の負担
が軽減されるとともに、確実に活性炭10を賦活するこ
とが可能になる。また、ヒーター24を活性炭10の湿
潤時のみに動作させることができるから、無駄な電力消
費もない。なお、除霜水はクリーンであるから、活性炭
10を汚損して吸着能力を低下させる恐れはない。
【0098】第16の実施形態の冷蔵庫の代謝ガス除去
ユニット7の側面を、図31および図32に示す。本実
施形態はユニット7の通気口11を開閉可能にしたもの
であり、図31は通気口を開いた状態、図32は通気口
を閉じた状態を表している。
【0099】これらの図において、11は上下方向に長
い開口として一定間隔で複数形成された通気口であり、
35は可動の通気口閉塞板である。閉塞板35には通気
口11と略同じ形状で同じ大きさの開口36が、通気口
11と同じ間隔で同じ高さに複数形成されている。37
は上下から閉塞板35を挟んで保持し、自身が回転する
ことにより閉塞板35を水平方向に移動させるコロであ
り、38は上側のコロを支持するレールである。閉塞板
35を移動させることで通気口11に対する開口36の
位置を変化させ、これにより通気口11を開閉させる。
【0100】活性炭10を湿潤させる時に通気口11を
閉じることで、活性炭10から放出された代謝ガスが通
気口11を通って野菜容器5内に戻るのを防止すること
ができて、代謝ガスを除去する効率が大きく向上する。
暫時通気口11を閉じたままにしておくことにより、ユ
ニット7内に充満した代謝ガスはユニット7の上方の結
露手段の開口14から排出される。
【0101】通気口11を開閉可能にすることは、前述
の全ての実施形態に適用して有用であるが、第6および
第11〜第15の実施形態のように活性炭が湿潤する時
期が明確なものに適用し、湿潤時期に合わせて通気口1
1を閉じるようにすると、特に有用である。第14の実
施形態に適用するときの通気口11の開閉の制御の例を
図33のフローチャートを参照して説明する。
【0102】まず、給水タンク30より水をユニット7
に供給してからの経過時間に基づいて、活性炭10が代
謝ガスを吸着中であるか否かを判定する(ステップ#7
05)。吸着中のときは、あらかじめ定めた一定時間が
前回の水の供給から経過したか否かを判定し(#71
0)、未経過であれば#705に戻る。一定時間が経過
しているときは、通気口11を閉じた後(#715)、
ユニット7に水を供給し(#720)、活性炭10を乾
燥するためにヒーター24を動作させて(#725)、
#705に戻る。
【0103】#705の判定で吸着中でないときは、#
715での水の供給から所定の時間が経過したか否かを
判定し(#730)、未経過のときは#705に戻る。
経過しているときは、開口14からの代謝ガスの排出が
完了したと判断して通気口11を再び開き(#73
5)、ヒーター24を停止して(#740)、#705
に戻る。
【0104】第17の実施形態の冷蔵庫について説明す
る。図示しないが、本実施形態では、図12、13に示
した第6の実施形態のように結露手段を回動可能にする
とともに、野菜容器5を閉じる蓋体6の結露手段となる
部位以外の下面に、野菜容器5内の湿度を検知するセン
サを備える。そして、センサの検知結果に基づいて、結
露手段への結露の有無を予測し、結露手段を傾斜させる
ものである。結露手段を傾斜させることにより、結露が
落下するとともに、活性炭10から放出された代謝ガス
を排出するための開口14b(図13)が形成される。
【0105】具体的には、野菜室5内の湿度の検知を断
続的にまたは連続して行い、所定値以上の湿度が所定時
間続いたときに、結露手段に結露が生じたと判断する。
第6の実施形態で説明した結露検出用のセンサを結露手
段に備えない構成とするときでも、結露手段を傾斜させ
て結露を落下させるべき時期が判る。また、結露そのも
のを検知するのではなく湿度を検知するのであるから、
野菜容器5内の青果物の収容位置に偏りがあり、その結
果蓋体6の結露の分布に偏りが生じるときでも、結露手
段の結露の有無を正しく予測することができる。
【0106】ヒーター24を備えた構成での結露手段の
傾斜の制御の例を図34のフローチャートに示す。ここ
では、所定値以上の湿度が継続している時間を計るため
に、リセット可能で常時カウントするタイマーを使用す
る。まず、結露手段を傾斜させてからの経過時間に基づ
いて、活性炭10が代謝ガスを吸着中であるか否かを判
定する(ステップ#805)。吸着中のときは、検知し
た湿度が所定値以上であるか否かを判定し(#81
0)、所定値未満であればタイマーをクリアして(#8
15)、#805に戻る。
【0107】検知した湿度が所定値以上のときは、タイ
マーのカウント値から所定時間が経過したか否かを判定
し(#820)、経過していないときはタイマーのカウ
ントを継続して(#825)、#805に戻る。所定時
間が経過しているときは、結露手段を傾斜させ(#83
0)、ヒーター24を動作させて(#835)、タイマ
ーをクリアし(#836)、#805に戻る。
【0108】#805の判定で吸着中でないときは、#
830で結露手段を傾斜させてから所定時間が経過した
か否かを判定し(#840)、未経過のときは#805
に戻る。経過しているときは、結露手段の傾斜により形
成された開口からの代謝ガスの排出が完了したと判断し
て、結露手段を元の位置に戻し(#845)、ヒーター
24を停止して(#850)、#805に戻る。
【0109】このように、予測結果に基づいて結露手段
を傾斜させると、実際に結露を検知して傾斜させる場合
よりも、活性炭10の早期賦活が可能になる。特に、結
露の分布に偏りがあるときに、その効果は大きい。
【0110】なお、湿度検出用のセンサは、必ずしもユ
ニット7の外に設ける必要はなく、ユニット7の内部に
設けてもよい。より正確に結露手段の結露の有無を予測
できる。ただし、ユニット7自体に結露手段を備える構
成としたときは、センサと冷蔵庫本体間に設けられるケ
ーブルが邪魔になってユニット7の蓋体6からの取り外
しが困難になるから、その場合は蓋体の一部位6aを結
露手段として利用する構成とすることが望ましい。そし
て、賦活の際にはセンサ出力をチェックせず、また、賦
活の水で湿潤しないようにセンサ上部に傘などを取り付
けるとよい。
【0111】野菜容器5にセンサを取り付けることも可
能であるが、同様にケーブルが野菜容器5の移動の妨げ
になりがちであり、特別の配慮が必要になる。野菜容器
5の内部とこれを収容する野菜室4間で湿度の平衡が保
たれるときは、野菜室4にセンサを備える構成としても
よい。
【0112】
【発明の効果】請求項1ないし請求項4の青果物の代謝
ガス除去装置は、冷却される空間の代謝ガス除去に適し
ており、本来飽和してしまう吸着媒体を賦活するから、
長期にわたって代謝ガスを除去することができる。しか
も、吸着媒体の賦活は通常の使用形態で自動的になされ
るから、使用者は煩わしい処理をする必要がない。ま
た、装置は小型で簡素な構成であり、低コストで製造す
ることができる上、設置や取り付けも容易である。特
に、請求項2や請求項4のガス除去装置では、運転費用
が不要となる。
【0113】請求項5や請求項6の冷蔵庫によるとき
は、野菜室の代謝ガスを長期間メインテナンスなしで除
去することが可能である。また、代謝ガス除去装置は小
型であり、しかも蓋体に取り付けられているから、野菜
容器のスペースを青果物の収納に有効に利用することが
できる。
【0114】請求項7や請求項8の冷蔵庫では、結露水
の落下が促進されて、吸着媒体の賦活を確実に行うこと
ができる。
【0115】請求項9や請求項10の冷蔵庫では、野菜
室を開けることなく代謝ガスを野菜室外に排出すること
ができるから、随時吸着媒体を賦活することが可能であ
る。したがって、野菜室内の代謝ガス濃度は常に低く抑
えられる。また、ガス除去に伴う水蒸気の漏出は僅かで
あるから、野菜室の乾燥も抑制される。
【0116】請求項11や請求項12の冷蔵庫では、任
意の時に吸着媒体を賦活することができる。このため、
吸着媒体が飽和している状態が長時間続くのを防止する
ことができて、代謝ガスが効率よく除去される。
【0117】請求項13や請求項14の冷蔵庫では、吸
着媒体を短い時間間隔で賦活させることができて、代謝
ガスの除去効率がよい。
【0118】請求項15の冷蔵庫では、吸着媒体が湿潤
している期間を短くして、速やかに吸着能力を高めるこ
とができる。したがって、多量の青果物を野菜室に収納
しているときでも、野菜室内の代謝ガスが一時的に高濃
度になることがない。
【0119】請求項16の冷蔵庫では、熱を吸着媒体の
乾燥に有効に利用することができて無駄がなく、野菜室
内の温度が上昇する恐れもない。
【0120】請求項17の冷蔵庫では、野菜室内の水蒸
気が少ないときでも、確実に吸着媒体を賦活させること
ができる。また、野菜室の加湿もなされる。
【0121】請求項18の冷蔵庫では、一旦吸着された
代謝ガスが野菜容器に再充満することが防止される。し
たがって、効率よく代謝ガスを除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の冷蔵庫の野菜室とその周辺の概略構
成を示す図。
【図2】 第1の実施形態における蓋体に取り付けられ
た状態の代謝ガス除去ユニットの断面図。
【図3】 第1の実施形態の代謝ガス除去ユニットおよ
び蓋体の構成と両者の取り付けの様子を示す図。
【図4】 エチレンガスの吸着が飽和に達している活性
炭を湿潤させたときの吸着量の変化を示す図。
【図5】 第2の実施形態における蓋体に取り付けられ
た状態の代謝ガス除去ユニットの断面図。
【図6】 第2の実施形態の代謝ガス除去ユニットおよ
び蓋体の構成と両者の取り付けの様子を示す図。
【図7】 第3の実施形態の代謝ガス除去ユニットおよ
び蓋体の構成と両者の取り付けの様子を示す図。
【図8】 第4の実施形態における蓋体に取り付けられ
た状態の代謝ガス除去ユニットの断面図。
【図9】 第4の実施形態の代謝ガス除去ユニットおよ
び蓋体の構成を示す図。
【図10】 第5の実施形態の代謝ガス除去ユニットを
取り付ける蓋体の部位の構成を示す図。
【図11】 第5の実施形態の代謝ガス除去ユニットを
取り付ける蓋体の部位の構成を示す図。
【図12】 第6の実施形態における蓋体に取り付けら
れた状態の代謝ガス除去ユニットの側面図。
【図13】 第6の実施形態における蓋体に取り付けら
れた状態の代謝ガス除去ユニットの側面図。
【図14】 第6の実施形態における代謝ガス除去の処
理動作を示すフローチャート。
【図15】 第7の実施形態の代謝ガス除去ユニットを
取り付ける蓋体の部位の拡大図。
【図16】 第7の実施形態の対照例を示す図。
【図17】 第8の実施形態における蓋体に取り付けら
れた状態の代謝ガス除去ユニットの断面図。
【図18】 第8の実施形態の代謝ガス除去ユニットの
構成を示す図。
【図19】 第9の実施形態における蓋体に取り付けら
れた状態の代謝ガス除去ユニットの断面図。
【図20】 第9の実施形態における代謝ガス除去の処
理動作を示すフローチャート。
【図21】 第10の実施形態における代謝ガス除去の
処理動作を示すフローチャート。
【図22】 第11の実施形態における蓋体に取り付け
られた状態の代謝ガス除去ユニットの断面図。
【図23】 第11の実施形態における代謝ガス除去の
処理動作を示すフローチャート。
【図24】 第12の実施形態における蓋体に取り付け
られた状態の代謝ガス除去ユニットの断面図。
【図25】 第12の実施形態の代謝ガス除去ユニット
の変形例の断面図。
【図26】 第13の実施形態における蓋体に取り付け
られた状態の代謝ガス除去ユニットの断面図。
【図27】 第14の実施形態における蓋体に取り付け
られた状態の代謝ガス除去ユニットの側面図。
【図28】 第14の実施形態における代謝ガス除去の
処理動作を示すフローチャート。
【図29】 第15の実施形態における蓋体に取り付け
られた状態の代謝ガス除去ユニットの側面および関連す
る冷蔵庫内部の構成を示す図。
【図30】 第15の実施形態における代謝ガス除去の
処理動作を示すフローチャート。
【図31】 第16の実施形態の代謝ガス除去ユニット
の側面図。
【図32】 第16の実施形態の代謝ガス除去ユニット
の側面図。
【図33】 第16の実施形態における代謝ガス除去の
処理動作を示すフローチャート。
【図34】 第17の実施形態における代謝ガス除去の
処理動作を示すフローチャート。
【図35】 従来の冷蔵庫の野菜室の野菜容器の構成を
示す図。
【符号の説明】
1 冷蔵庫本体 2 圧縮機 3 野菜室扉 4 野菜室 5 野菜容器 6 蓋体 6a 取り付け部位 7 代謝ガス除去ユニット 8a 流入口 8b 流出口 9 冷蔵室 10 活性炭 11 通気口 12 爪 13 爪孔 14 開口 14a 開口 14b 開口 15 冷気通路 16 板材 17 凸部 17a 凸部 18 板材 22 回動軸 24 ヒーター 25 箱 26 水センサ 28 水溜め 29 断熱材 30 給水タンク 31 給水管 32 バルブ 33 除霜水受け容器 34 蒸発器 35 通気口閉塞板 36 閉塞板開口 37 コロ 38 レール

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸着により空気中から青果物の代謝ガス
    を除去する装置において、 青果物の代謝ガスを吸着する能力が乾燥時に高く湿潤時
    に低い吸着媒体を、空気中の水蒸気を結露させる結露手
    段と通気口とを有する容器に収容して成ることを特徴と
    する青果物の代謝ガス除去装置。
  2. 【請求項2】 前記結露手段は、前記容器の熱伝導性を
    有する材料から成る天井壁であり、上面を冷却されて下
    面に空気中の水蒸気を結露させることを特徴とする請求
    項1に記載の青果物の代謝ガス除去装置。
  3. 【請求項3】 吸着により空気中から青果物の代謝ガス
    を除去する装置において、 青果物の代謝ガスを吸着する能力が乾燥時に高く湿潤時
    に低い吸着媒体を、空気中の水蒸気の結露により生じた
    水を内部に導く結露水導入手段と通気口とを有する容器
    に収容して成ることを特徴とする青果物の代謝ガス除去
    装置。
  4. 【請求項4】 前記結露水導入手段は、前記容器の上部
    に形成された開口であり、前記容器の上で結露した水を
    重力による自由落下で内部に導くことを特徴とする請求
    項3に記載の青果物の代謝ガス除去装置。
  5. 【請求項5】 冷気を室内に流入させる流入口と、空気
    を室外に流出させる流出口と、蓋体とを備えた野菜室を
    有し、青果物を収納するための上部が開放された野菜容
    器を前記野菜室に収容したときに、前記蓋体によって前
    記野菜容器の開放された上部を閉じる冷蔵庫において、
    前記流入口から流入した冷気によって冷却され易い前記
    蓋体の部位に開口を設けるとともに、請求項2に記載の
    青果物の代謝ガス除去装置を、前記開口を塞ぎかつ前記
    開口から前記結露手段の上面が露出するように、前記蓋
    体に取り付けたことを特徴とする冷蔵庫。
  6. 【請求項6】 冷気を室内に流入させる流入口と、空気
    を室外に流出させる流出口と、蓋体とを備えた野菜室を
    有し、青果物を収納するための上部が開放された野菜容
    器を前記野菜室に収容したときに、前記蓋体によって前
    記野菜容器の開放された上部を閉じる冷蔵庫において、
    前記流入口から流入した冷気によって冷却され易い前記
    蓋体の部位を、熱伝導性を有する材料で構成して下面に
    空気中の水蒸気を結露させる結露手段とし、請求項4に
    記載の青果物の代謝ガス除去装置を前記蓋体の結露手段
    とした部位の下面に取り付けたことを特徴とする冷蔵
    庫。
  7. 【請求項7】 前記結露手段の下面に凹凸を設けたこと
    を特徴とする請求項5または請求項6に記載の冷蔵庫。
  8. 【請求項8】 前記結露手段の下面に撥水処理を施した
    ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の冷蔵
    庫。
  9. 【請求項9】 前記結露手段に小さな固定開口を設けた
    ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の冷蔵
    庫。
  10. 【請求項10】 前記結露手段に開口を形成する開口形
    成手段を設けたことを特徴とする請求項5または請求項
    6に記載の冷蔵庫。
  11. 【請求項11】 前記結露手段に結露した水を強制的に
    落下させる落下強制手段を設けたことを特徴とする請求
    項9または請求項10に記載の冷蔵庫。
  12. 【請求項12】 前記結露手段に、傾斜可能で、傾斜時
    に近隣部位との間に開口を形成すると同時に結露した水
    をその端縁より強制的に落下させて、開口形成手段かつ
    落下強制手段となる可動部を設けたことを特徴とする請
    求項5または請求項6に記載の冷蔵庫。
  13. 【請求項13】 前記結露手段に結露した水を検知する
    結露水検知手段を備えて、該結露水検知手段が水を検知
    したときに前記落下強制手段を動作させることを特徴と
    する請求項11または請求項12に記載の冷蔵庫。
  14. 【請求項14】 前記蓋体に前記野菜容器内の湿度を検
    知する湿度検知手段を備え、該湿度検知手段が検知した
    湿度が所定時間続いて所定値以上になったときに前記落
    下強制手段を動作させることを特徴とする請求項11ま
    たは請求項12に記載の冷蔵庫。
  15. 【請求項15】 前記青果物の代謝ガス除去装置に前記
    吸着媒体を加熱して乾燥するための加熱手段を備えたこ
    とを特徴とする請求項5、請求項6、請求項11または
    請求項12に記載の冷蔵庫。
  16. 【請求項16】 前記青果物の代謝ガス除去装置の容器
    の底部に溜まった水を検知する溜水検知手段を備えて、
    該溜水検知手段が水を検知したときに前記加熱手段を動
    作させることを特徴とする請求項15に記載の冷蔵庫。
  17. 【請求項17】 水を蓄える貯水器を備え、所定時間毎
    に前記貯水器の水を前記代謝ガス除去装置の容器内に供
    給することを特徴とする請求項9、請求項10または請
    求項12に記載の冷蔵庫。
  18. 【請求項18】 前記青果物の代謝ガス除去装置の通気
    口を開閉可能とし、前記落下強制手段を動作させる時ま
    たは前記貯水器の水を前記代謝ガス除去装置の容器内に
    供給する時から所定長の期間に前記通気口を閉じ、他の
    期間に前記通気口を開くことを特徴とする請求項11、
    請求項12または請求項17に記載の冷蔵庫。
JP33603397A 1997-12-05 1997-12-05 青果物の代謝ガス除去装置および該装置を備えた冷蔵庫 Pending JPH11164650A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20150120272A (ko) * 2014-04-17 2015-10-27 히타치 어플라이언스 가부시키가이샤 냉장고

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