JPH11161796A - 動物の個体識別装置および画像処理方法 - Google Patents

動物の個体識別装置および画像処理方法

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JPH11161796A
JPH11161796A JP9343840A JP34384097A JPH11161796A JP H11161796 A JPH11161796 A JP H11161796A JP 9343840 A JP9343840 A JP 9343840A JP 34384097 A JP34384097 A JP 34384097A JP H11161796 A JPH11161796 A JP H11161796A
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Osamu Yamakita
治 山北
Yuji Kuno
裕次 久野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 照明角度の違いや画像の明度の違いに影響さ
れず、安定した個体識別を行うことのできる個体識別装
置を実現する。 【解決手段】 輪郭抽出部2によって、入力画像から虹
彩顆粒の輪郭を抽出する。周波数変換部3によって、虹
彩顆粒の輪郭データの周波数成分を抽出する。平均差分
計算部4は、輪郭データと、その輪郭の周波数成分と、
記憶部8に記憶されている登録データとの差分を計算す
る。照合部5は、平均差分計算部4で計算した平均差分
が最も小さい登録データの個体を、入力画像の動物のも
のと判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(競走)馬、
(牧)牛等の動物の個体管理が必要な機関において利用
される、動物の個体識別装置およびこの装置で使用する
画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】競馬場やセリ場、あるいは繁殖牧場での
サラブレッドの個体識別は、血統書統括機関の主導のも
とに行なわれている。現行の日本での個体識別方法は、
毛色・肢部の白斑・頭部の白斑・旋毛によるものであ
り、世界的にはこの他に血液型による方法や烙印・入れ
墨を用いる方法等がある(参考文献:「馬の知識」,I
I−3.馬の見分け方,P.153〜P.154)。
【0003】牛の個体識別の場合、首輪や耳タグ等の識
別表札や烙印・入れ墨を用いる方法が一般の牧場にも採
用されている。
【0004】また昨今注目されている動物の個体識別方
法に、MC(Micro Chip)を利用した技術が
ある。これは、超小型集積回路内蔵チップをガラス管に
封入したもので、動物の生体内に注射器等の注入器によ
って埋め込み、識別の際には非接触検知器で埋め込み、
局所をなぞって、その出力信号を個体識別の情報とする
ものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来の技術には次のような解決すべき課題があった。
毛色・白徴・白斑・旋毛による個体識別の場合、特徴の
少ない馬や、同一の特徴を有する馬が多いため、馬の特
定が度々不完全になることがある。更に烙印・入れ墨は
消えてしまったり、改竄される危険性がある上、動物が
受ける疼痛や局所の化膿等、動物愛護の面からも改善が
望まれていた。また血液型による個体識別は正確な反
面、判定までにかなりの処理時間を要するうえコスト高
になる欠点がある。
【0006】牛の場合も、識別表札は破損・紛失したり
盗難される危険性があり、また烙印・入れ墨等の場合は
馬の場合と同様に消えてしまったり、改竄される危険性
がある等の問題を持っている。特にこの改竄行為が明ら
かになったとしても、元来どこに所属していたかを証明
することが困難であることにも問題がある。
【0007】MC方法は、一度埋め込めば半永久的に利
用でき、利便性が高い等の利点もある。しかし、生体動
物への埋め込みの操作性、埋め込み時の動物に与える疼
痛性、腫脹、圧痛、化膿等の局所反応性、動物の運動機
能障害や臨床上の異常性、MCの生体内での移動性、検
知器の操作性、検知感度の変化及び安定性、信頼性で多
くの課題を持っている。そして何よりも動物愛護の面か
ら、MC方式の採用に抵抗感を持つ動物関係者もあり、
MC識別方式に代わる利便性のある識別方法が望まれて
いた。
【0008】そこで、本発明者等は、(競走)馬、
(牧)牛等の動物の個体管理が必要な機関においての動
物の個体識別のために、目の中にある虹彩顆粒の映像を
辞書として登録し、照合処理を行なう手法を開発した。
しかしながら虹彩顆粒は3次元房状の物体であるため、
照明角度等によって画像の明度や影の出方が異なる。従
って虹彩顆粒データを辞書として登録しても、照合時に
照明角度等が異なると安定した個体識別を行うことがで
きないという問題があった。
【0009】このような点から、照明角度の違いや画像
の明度の違いに影響されず、安定した個体識別を行うこ
とのできる個体識別装置の実現が望まれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は以上の点を解決
するため次の構成を採用する。 〈請求項1の構成〉検査対象動物の目を撮影した画像か
ら虹彩顆粒の輪郭データを抽出する輪郭抽出部と、複数
の個体の虹彩顆粒の輪郭データを予め登録した登録デー
タを格納する記憶部と、輪郭抽出部で抽出した輪郭デー
タと、記憶部に格納されている登録データとの差分を算
出する平均差分計算部と、平均差分計算部で計算した平
均差分が最も小さい登録データの個体を検査対象動物の
ものと判定する照合部とを備えたことを特徴とする動物
の個体識別装置である。
【0011】〈請求項1の説明〉検査対象動物とは、例
えば馬や牛であるが、これ以外でも虹彩顆粒を有してい
る動物全てを対象とする。請求項1の発明では、記憶部
に予め複数の個体の輪郭データを辞書データとして登録
しておく。そして、輪郭抽出部で検査対象となる動物の
目の輪郭データを抽出し、この輪郭データに最も近い辞
書を平均差分計算部で求め、照合部では、最も近い値の
辞書の個体を検査対象の個体のものであると判定する。
請求項1の発明はこのように構成されていることによ
り、照明角度の違いや画像の明度の違いに影響されず、
安定した個体識別を行うことができる。
【0012】〈請求項2の構成〉検査対象動物の目を撮
影した画像から虹彩顆粒の輪郭データを抽出する輪郭抽
出部と、輪郭抽出部で抽出した輪郭データの周波数成分
を抽出する周波数変換部と、複数の個体の虹彩顆粒の輪
郭データの周波数成分を予め登録した登録データを格納
する記憶部と、周波数変換部で抽出した輪郭データの周
波数成分と、記憶部に格納されている登録データとの差
分を算出する平均差分計算部と、平均差分計算部で計算
した平均差分が最も小さい登録データの個体を検査対象
動物のものと判定する照合部とを備えたことを特徴とす
る動物の個体識別装置である。
【0013】〈請求項2の説明〉請求項2の発明は、虹
彩顆粒の輪郭データの周波数成分を用いて個体識別を行
うようにしたことを特徴としている。これにより、安定
かつ精度の高い個体識別が行え、また、例えばノイズが
含まれる周波数の高い領域の周波数成分を除去したり、
個体差が際立つ周波数帯のみを用いるといった処理を施
すことによって、更に精度を向上させることができる。
【0014】〈請求項3の構成〉検査対象動物の目を撮
影した画像から虹彩顆粒の輪郭データを抽出する輪郭抽
出部と、輪郭抽出部で抽出した輪郭データの周波数成分
を抽出する周波数変換部と、複数の個体の虹彩顆粒の輪
郭データと、輪郭データの周波数成分を予め登録した登
録データを格納する記憶部と、輪郭抽出部で抽出した輪
郭データと、周波数変換部で抽出した周波数成分と、記
憶部に格納されている登録データとの差分を算出する平
均差分計算部と、平均差分計算部で計算した平均差分が
最も小さい登録データの個体を検査対象動物のものと判
定する照合部とを備えたことを特徴とする動物の個体識
別装置である。
【0015】〈請求項3の説明〉請求項3の発明は、請
求項1の発明の特徴と請求項2の発明の特徴の両方を備
えているものである。これにより、請求項1、2の発明
より更に高い効果を得ることができる。
【0016】〈請求項4の構成〉検査対象動物の目を撮
影した画像から虹彩顆粒領域の目領域中の位置を抽出す
る領域抽出部と、複数の個体の虹彩顆粒領域の目領域中
の位置を予め登録した登録データを格納する記憶部と、
領域抽出部で抽出した虹彩顆粒領域の位置と、記憶部に
格納されている登録データとの距離を算出する距離計算
部と、距離計算部で計算した距離が最も小さい登録デー
タの個体を検査対象動物のものと判定する照合部とを備
えたことを特徴とする動物の個体識別装置である。
【0017】〈請求項4の説明〉請求項4の発明は、虹
彩顆粒領域の位置を用いて個体識別を行うようにしたこ
とを特徴としている。これにより、虹彩顆粒の形状や模
様等を用いるのに較べて辞書の小型化が計れ、照合処理
を高速化することができる。
【0018】〈請求項5の構成〉請求項4に記載の動物
の個体識別装置において、領域抽出部で抽出された虹彩
顆粒領域の重心座標を算出する重心座標計算部と、登録
データとして、複数の個体の虹彩顆粒領域の重心座標を
格納する記憶部と、重心座標計算部で算出した虹彩顆粒
の重心座標と、記憶部に格納されている登録データとの
距離を算出する距離計算部とを備えたことを特徴とする
動物の個体識別装置である。
【0019】〈請求項5の説明〉請求項5の発明は、請
求項4の発明における虹彩顆粒領域の位置を示すデータ
として、その重心を用いたことを特徴としている。これ
により、情報量が1点の座標値のみで構成できるため、
更に辞書サイズの小型化、照合処理の高速化が計れ、大
規模な個体識別装置において、特に有効であるという効
果が得られる。
【0020】〈請求項6の構成〉3次元物体を撮影した
画像中に存在する3次元物体の影を除去する画像処理方
法であって、影の領域中の、影の輪郭に沿った画素値の
累積値が最も暗くなる位置に、影の外縁輪郭を移動する
ことにより影を除去することを特徴とする画像処理方法
である。
【0021】〈請求項6の説明〉請求項6の発明は、3
次元物体から延びる影の部分に最も暗い外縁輪郭状の領
域があり、この領域が3次元物体本来の外縁近傍に相当
することに着目したものである。即ち、3次元物体の影
を除去するため、影の外縁輪郭を最も暗い領域まで移動
させるようにしている。これにより、複雑な処理を行う
ことなく、高精度で3次元物体本来の領域を抽出するこ
とができる。また、3次元物体とは、例えば虹彩顆粒で
あるが、これ以外であっても適用可能である。
【0022】〈請求項7の構成〉請求項4に記載の動物
の個体識別装置において、虹彩顆粒の領域として、虹彩
顆粒の影の部分を含む領域を抽出する領域抽出部と、領
域抽出部で抽出した領域の画像に対して、虹彩顆粒の輪
郭に沿った画素値の累積値が最も暗くなる位置に、虹彩
顆粒の外縁輪郭を移動して影の部分を除去した画像を虹
彩顆粒の画像として出力する影除去処理部と、影除去処
理部で出力した虹彩顆粒の領域の位置と、記憶部に格納
されている登録データとの距離を算出する距離計算部と
を備えたことを特徴とする動物の個体識別装置である。
【0023】〈請求項7の説明〉請求項7の発明は、請
求項4の発明の装置に対して、請求項6の方法を用いた
影除去処理部を備えたものである。これにより、請求項
4の発明の効果に加えて、虹彩顆粒の影を除去してその
領域位置を求めることができるため、照明角度の影響を
受けにくく、安定した識別を行うことができるという効
果がある。
【0024】〈請求項8の構成〉請求項5に記載の動物
の個体識別装置において、虹彩顆粒の領域として、虹彩
顆粒の影の部分を含む領域を抽出する領域抽出部と、領
域抽出部で抽出した領域の画像に対して、虹彩顆粒の輪
郭に沿った画素値の累積値が最も暗くなる位置に、虹彩
顆粒の外縁輪郭を移動して影の部分を除去した画像を虹
彩顆粒の画像として出力する影除去処理部と、影除去処
理部で出力した虹彩顆粒の領域の重心座標を算出する重
心座標計算部とを備えたことを特徴とする動物の個体識
別装置である。
【0025】〈請求項8の説明〉請求項7の発明は、請
求項5の発明の装置に対して、請求項6の方法を用いた
影除去処理部を備えたものである。これにより、虹彩顆
粒の影を除去してその領域の重心位置を求めることがで
きるため、請求項5の発明の効果に加えて、照明角度の
影響を受けにくく、安定した識別を行うことができると
いう効果が得られる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
例を用いて説明する。 《具体例1》本具体例で述べる個体識別装置は動物の個
体識別における前記の問題を解決するために、虹彩顆粒
の輪郭およびその周波数成分を登録し、且つ、照合処理
することを特徴とした個体識別装置である。以下は対象
とする動物として特に馬の場合を例に取り上げて説明す
る。
【0027】図2は馬の眼球の正面図を示したものであ
る。図2に示すように、馬の目は上下のまぶた13の間
の瞳孔10、アイリス(虹彩)11、虹彩顆粒12より
なり、人の目との大きな違いは、瞳孔10が楕円形であ
り、また馬や反芻類に特有の虹彩顆粒12を持つことで
ある。
【0028】外界からの光は瞳孔10を通過し、瞳孔奥
にある網膜に到達する。アイリス11は瞳孔10を取り
巻く筋肉であり、収縮・散大して瞳孔10への入射光量
を制御する働きを持つ。また、虹彩顆粒12は、アイリ
ス11と瞳孔10の間に位置し、半球状の隆起した顆粒
が連なった形を成す。虹彩顆粒12は、メラニン色素に
富んだ黒色をしており、アイリス11が収縮してもなお
まぶしい日中の光を吸収する働きがあるとされている。
【0029】この虹彩顆粒12が馬により、また同一馬
の目の左右によっても様々な大きさ・形を持ち個体差が
あることはこれまであまり知られていなかった。特にそ
の輪郭は照明角度の違いによる影の変化や照明強度の影
響が少なく、カメラで撮影した時に安定して利用できる
特徴である。本発明はこの点に着目したものであり、カ
メラで馬の目を撮像して虹彩顆粒12の輪郭情報を得
て、それを予め登録しておいた様々な馬の輪郭情報と照
合することにより個体を識別するものである。
【0030】〈構成〉図1は、本具体例の構成図であ
る。図1に示す通り本具体例は、目領域撮像部1、輪郭
抽出部2、周波数変換部3、平均差分計算部4、照合部
5、識別結果出力部6、辞書登録部7、記憶部8よりな
る。ここで「辞書」とは登録データのことである。以下
に各部の具体的な構成を説明する。
【0031】目領域撮像部1は、画像入力部および光源
部よりなり、馬の目の映像を電気信号に変換して装置に
入力する役割を担う。ここで、画像入力部は、レンズ、
CCDセンサ、映像信号出力回路等により構成され、馬
の目の像のアナログ光情報をCCD素子によりディジタ
ル電気信号に変換する処理を行う。また、光源部は電
源、ランプ等よりなる照明であり、馬の目をコントラス
ト良く捉えるために用いる。光源には馬が眩しくて過剰
に動くことを避けるために、赤色光あるいは近赤外光、
赤外光のような動物には感知しにくい波長の光を用い
る。
【0032】輪郭抽出部2は、重心計算、エッジ探索と
いった機能部よりなり、目領域撮像部1から送られる馬
の目の全体映像の中から瞳孔、虹彩顆粒の上縁および下
縁を検出する処理を行う。
【0033】周波数変換部3はフーリエ変換機能を有
し、虹彩顆粒輪郭データを周波数の振幅データへ変換す
る。
【0034】平均差分計算部4は、辞書データ読み出し
機能、差分計算機能、累積機能よりなり、輪郭データと
周波数データをそれぞれの辞書データと比較し、その平
均差分の計算を行う。
【0035】照合部5は、平均差分比較機能、辞書属性
データ読み出し機能よりなり、平均差分計算部4で求め
た全ての辞書に対する平均差分の中から最も値の低い辞
書を特定し、記憶部8から該当する馬の属性を読み出
す。
【0036】識別結果出力部6はディスプレイ、プリン
タといった表示部であり、照合部5の出力結果である馬
の属性を利用者に出力する処理を行う。
【0037】辞書登録部7は辞書、属性の登録機能より
なり、輪郭抽出部2および周波数変換部3より得た輪郭
データおよび周波数データをそれぞれのデータの属性と
ともに記憶部8に登録する処理部である。
【0038】記憶部8は、ハードディスク、テープ等の
記録媒体と記録ヘッド、制御回路等よりなり、馬の属性
情報および虹彩顆粒の輪郭データと周波数データを記憶
保持する他、識別時にそれらのデータを提供する機能を
持つ。以上が本具体例の構成の説明である。
【0039】〈動作〉本具体例の個体識別装置の動作に
は「登録モード」と「識別モード」の2種類の動作があ
る。ここで、「登録モード」とは「識別モード」に用い
る辞書データを予め登録しておく動作であり、また「識
別モード」とは、撮像した馬の目がどの登録馬の目であ
るか、あるいは登録していない馬の目であるかを識別し
て利用者に示す動作を表す。
【0040】目領域撮像部1、輪郭抽出部2、周波数変
換部3、記憶部8は、これら二つのモードに共通の処理
であり、辞書登録部7は「登録モード」においてのみ、
また、平均差分計算部4、照合部5、識別結果出力部6
は、「識別モード」においてのみ用いられる処理部であ
る。以下、「識別モード」、「登録モード」の順に各部
の動作を説明する。
【0041】馬を個体識別する利用者は、本具体例の個
体識別装置の目領域撮像部1で馬の目を撮影する。目領
域撮像部1の光源部は、馬の目を赤色光あるいは近赤外
光、赤外光の波長を光源とする照明で照らし、馬の目に
よる反射光、即ち、映像はCCDセンサにより2次元の
配列である電気信号に変換される。これは、2次元に配
列された光電変換素子(CCD)が撮像対象の反射光を
一定時間露光し、光電変換効果により印荷された電圧を
一定の階調で量子化することによるものである。入力さ
れた光はディジタル電気信号として出力される。この2
次元配列の電気信号を以下では「画像」と呼ぶ。
【0042】図3は、輪郭抽出部2の動作を示す説明図
である。目領域撮像部1から得られる画像は、まぶた1
3、瞳孔10、アイリス11、虹彩顆粒12を含んでい
る。輪郭抽出部2は、画像処理によりこれらの中から虹
彩顆粒輪郭を抽出することを目的とする。瞳孔10は中
空であることから照明による反射光が少ない。従って瞳
孔10は濃度が低く均一な領域となる。それに対して瞳
孔10を取り巻くアイリス、虹彩顆粒はそれよりも濃度
が高いため、濃度にある閾値を設けることにより、閾値
よりも画像の画素値が低く、かつ面積がある所要値以上
である一連の領域を瞳孔10として特定することができ
る。
【0043】次に虹彩顆粒12の輪郭を求める。瞳孔1
0の上部には虹彩顆粒12があり、さらにその上にはア
イリス11が位置し、それぞれの器官の内部の変化に較
べ、器官の境界における濃度の変化の方が大きい。その
ため、Sobelオペレータに代表される濃度変化検出
処理を施した画像では、境界の画素値が大きな値を持
つ。従って、先に特定した瞳孔領域の重心Cをまず求め
た上で、重心Cを始点として画素値が所要の閾値以上と
なる画素を探索して上向すれば、最初に瞳孔10と虹彩
顆粒12の境界上の点P1が検出され、次に虹彩顆粒1
2とアイリス11の境界上の点P2が検出される。
【0044】同様の手順により重心Cを通る水平線L上
の他の点についても、重心Cの隣接点から順に始点とし
て上向探索を行えば、虹彩顆粒の全領域について下縁と
上縁が求められる。また、このようにして求められる虹
彩顆粒の上縁と下縁の左右両端は上縁と下縁の垂直方向
の間隔が所要の小さな値以下となった点E1,E2とし
て求められる。このようにして虹彩顆粒12の上縁およ
び下縁の輪郭を抽出することができる。
【0045】周波数変換部3は、輪郭抽出部2で抽出し
た輪郭データに対してフーリエ変換に代表される周波数
変換を行い、各周波数の振幅成分を求める。これは、輪
郭の周波数成分の内、特に有効な成分のみを強調するこ
とにより、識別の効果を上げるために行うものである。
また、雑音的な成分である高周波成分を除去することに
より安定した照合を行う目的もある。即ち、輪郭データ
は種々の周波数成分を含んだ波形であると考えられるた
め、図1中の周波数変換部3の出力波形のように、各周
波数に対する振幅の関係を表すことができる。
【0046】図4は、周波数変換部3と平均差分計算部
4における演算式の説明図である。輪郭抽出部2で抽出
した輪郭データの点系列をx軸に沿って順にxi(i=
1,…,N−1,N:点列数)と表すと、そのフーリエ
変換された周波数成分Xk(k=1,…,N−1)およ
びその振幅Akは、図4の(1)〜(3)に示す式で表
される。尚、(3)の式において、R(a),I(a)
はaの実部、虚部をそれぞれ表す。
【0047】このようにして輪郭の周波数の振幅成分A
kが求められ、これを「識別モード」における平均差分
計算部4へ、または「登録モード」における辞書登録部
7に渡す。以下は「識別モード」、「登録モード」で処
理が分かれるため、「識別モード」、「登録モード」の
順に説明する。
【0048】平均差分計算部4は、輪郭抽出部2から得
た輪郭データと、周波数変換部3から得た周波数データ
の両方を用いて、それらのデータと、記憶部8から読み
出した全ての辞書との平均差分を計算する。
【0049】図5は、平均差分の計算方法を示す説明図
である。輪郭データの各点はx座標とy座標よりなり、
また周波数データの各点は周波数と振幅値からなる。両
データの種類は異なるが1次元の離散的な点の系列とい
う点では共通しているため、両者の平均差分の計算方法
は全く同一の方法を用いる。従って、以下に図5を例と
して輪郭データの場合を説明するが、周波数データも全
く同様の方法で平均差分を求めることができる。
【0050】図5には、「検査対象の輪郭」と「辞書の
輪郭」の2種類のデータ系列が表示されている。ここ
で、図のx軸は画像の横軸の座標値を、また、y軸は画
像の縦軸の座標値をそれぞれ表す。輪郭抽出部2で抽出
した輪郭はx軸の連続した画素について求めたため、図
に示すように、「検査対象」と「辞書」でx座標を基に
点の対応が取れる。従って、同一x座標の点の間で
1,D2,D3といったように順に差分がとれ、これら
の平均値を辞書との相違度とする。ただし、個体によっ
て虹彩顆粒の長さが異なるため、その始点、終点は必ず
しも同一x座標とはならないが、x座標の共通した点の
みを比較区間とすることでこれに対処する。
【0051】従って、平均差分を式で表すと、検査対象
の輪郭(y座標)をfi(i=1,…,Nf,Nfは検査
対象の輪郭点の数)、辞書の輪郭をgi(i=1,Ng
gは辞書の輪郭点の数)、検査対象の輪郭に対する辞
書の輪郭の始点のズレをm,x座標が共通する点の個数
をMとすると、平均差分Dは図4の(4)に示す式で表
される。
【0052】このような差分計算をより識別にとって有
効に行うため、対象領域を予め限定する方法も本具体例
には適用可能である。前述したように、ノイズ成分を除
去するために周波数の高い成分を比較区間Mから除去す
る等はこの例である。
【0053】このようにして平均差分が求められ、同様
の平均差分計算を記憶部8にある全ての辞書との間で行
うと、平均差分のデータ列Dk(k=1,…,K,Kは
辞書数)が得られる。また周波数データの平均差分のデ
ータ列Ekも同様に求められる。
【0054】照合部5は平均差分計算部4の輪郭および
周波数データの平均差分データDk,Ek(k=1,…
K,Kは辞書数)の中から最も相違度が小さい辞書をそ
れぞれ求める。次にその相違度が予め定めた一定値以下
である場合にのみ、記憶部8から該当する属性を読み出
し、その辞書の属性が輪郭データ、周波数データの両方
で一致した場合に、検査対象馬が登録馬であることを識
別したものとしてその旨を属性データとともに識別結果
出力部6に送る。それぞれの相違度が所要値より大きか
ったり、あるいは辞書の属性が輪郭データと周波数デー
タとで一致しない場合は登録外の馬である旨を識別結果
出力部6に送る。
【0055】識別結果出力部6は、ディスプレイあるい
はプリンタに識別結果を表示する。以上が本具体例の
「識別モード」の動作の説明である。
【0056】次に、本具体例の「登録モード」を説明す
る。利用者は識別すべき馬の目を撮像し、記憶部8に予
め辞書データを登録する作業が必要である。周波数変換
部3までの動作は上述した「識別モード」と同じであ
る。周波数変換部3以降、「登録モード」では、辞書登
録部7により辞書を記憶部8に登録する。辞書登録部7
は、輪郭抽出部2および周波数変換部3から輪郭データ
および周波数データを受け、それを馬の属性データと共
に記憶部8に登録する。ここで、属性データは馬の名
前、年齢、血統、病歴、目の左右といった情報であり、
これらは利用者により入力されるべきデータである(図
では省略する)。以上が本具体例の動作の説明である。
【0057】〈効果〉以上述べたように本具体例によれ
ば以下のような効果が見込める。 ●虹彩顆粒の輪郭を用いることにより、照明角度の違い
や画像の明度の違いに影響されず、安定した個体識別を
行うことが可能となる。 ●虹彩顆粒の輪郭の周波数成分を用いることにより、ノ
イズの多い周波数成分を除去し、また個体差の際立った
周波数帯のみを用いることにより、安定かつ精度の高い
個体識別を行うことが可能となる。
【0058】《具体例2》上記の具体例1では、虹彩顆
粒の輪郭を用いた個体識別装置を説明したが、本具体例
で説明する個体識別装置は、瞳孔に対する虹彩顆粒の重
心の位置を識別特徴として予め登録しておき、それに基
づき個体識別するものである。
【0059】虹彩顆粒は個体によって、その形状、模様
が異なるだけではなく、そのアイリスと瞳孔との楕円状
の境界上における位置も個体差があるため、位置情報を
識別特徴とすることにより個体識別が可能である。本具
体例では位置情報として虹彩顆粒の重心を用いる。位置
情報を識別特徴とすることは、情報量が1点の座標値の
みで構成されるため辞書サイズの小型化、照合処理の高
速化が計れ、大規模な個体識別装置においては特に有効
である。しかしながらその一方で、後述するように、虹
彩顆粒の重心の計算の際に照明による虹彩顆粒の影の影
響を受けて誤差を含みやすいといった問題がある。
【0060】この虹彩顆粒の影の与える問題を図6を用
いて説明する。図6は、虹彩顆粒の影の説明図である。
この図は、前述の図2に示した馬の目を詳細に見たもの
である。虹彩顆粒は立体的に隆起した顆粒であるため、
馬の目を下方から照らした場合、虹彩顆粒12の上側に
は影14が延びる。この影14は、虹彩顆粒の上縁のエ
ッジをなまらせ、段階的に変化して暗くなり、上端で明
瞭な輪郭を形成するため、輪郭抽出は虹彩顆粒12の上
縁のエッジを抽出できず、影14の上縁を抽出するとい
った誤りを引き起こす。これを基に重心を計算すると、
重心は本来の位置から影によるズレを含むため光源の位
置に依存した識別誤差を生じる問題がある。
【0061】本具体例の個体識別装置は、この問題を回
避するために影の除去処理部を設けた点が特徴である。
以下、本具体例の構成を説明する。
【0062】〈構成〉図7は、動物の個体識別装置の具
体例2の構成図である。図示の通り、本具体例は、目領
域撮像部101、領域抽出部102、影除去処理部10
3、重心座標計算部104、距離計算部105、照合部
106、識別結果出力部107、辞書登録部108、記
憶部109よりなる。以下に各部の具体的な構成を説明
する。
【0063】目領域撮像部101は、具体例1における
目領域撮像部1と同様、画像入力部および光源部からな
り、馬の目の映像を電気信号に変換して装置に入力する
役割を担う。
【0064】領域抽出部102は、具体例1における輪
郭抽出部2と同様の瞳孔重心計算、エッジ探索といった
虹彩顆粒の輪郭検出機能に加え、瞳孔の座標軸決定機能
を持つ。座標軸決定機能は、瞳孔の水平、垂直軸を求め
る機能であり、虹彩顆粒の重心座標の基準となる。
【0065】影除去処理部103は、前述の虹彩顆粒の
影を除去する機能であり、輪郭上の画素値累積機能およ
び累積値比較機能よりなる。
【0066】重心座標計算部104は、座標変換機能よ
りなり、領域抽出部102にて求めた虹彩顆粒の位置座
標および瞳孔座標軸を基に座標系変換を行う。
【0067】距離計算部105は、辞書データ読み出し
機能、距離計算機能よりなり、虹彩顆粒の位置データを
複数の辞書データと比較し距離を計算する。
【0068】照合部106は距離比較機能、辞書属性デ
ータ読み出し機能よりなり、検査対象との距離が最も小
さい辞書データを求め、記憶部109から該当する馬の
属性を読み出す。
【0069】識別結果出力部107はディスプレイ、プ
リンタといった表示部であり、照合部106の出力結果
である馬の属性を利用者に出力する処理を行う。
【0070】辞書登録部108は辞書データ、辞書属性
データの登録機能よりなり、重心座標計算部104より
得た位置データをそれぞれのデータの属性とともに記憶
部109に登録する処理部である。
【0071】記憶部109は、ハードディスク、テープ
等の記録媒体と記録ヘッド、制御回路等よりなり、馬の
属性情報および虹彩顆粒の位置データを記憶保持する
他、識別時にそれらのデータを提供する機能を持つ。以
上が本具体例の構成の説明である。
【0072】〈動作〉具体例1同様、本発明の個体識別
装置の動作にも「登録モード」と「識別モード」の2種
類の動作がある。両モードは、目領域撮像部101、領
域抽出部102、影除去処理部103、重心座標計算部
104、記憶部109を共有し、「登録モード」のみに
おいて用いられる処理として、辞書登録部108が、ま
た「識別モード」のみにおいて用いられる処理として距
離計算部105、照合部106、識別結果出力部107
がある。ここでは具体例1と動作が同じであるため、目
領域撮像部101および「登録モード」の説明を省略
し、以下に「識別モード」の領域抽出部102以降の動
作を説明する。
【0073】図8は、重心座標計算部の動作説明図であ
る。図9は、領域抽出部102〜距離計算部105で用
いる演算式の説明図である。先ず、領域抽出部102の
動作を図8を援用して説明する。瞳孔領域および虹彩顆
粒の輪郭の求め方は具体例1に説明した通りであるた
め、ここでは具体例2においてのみ必要な瞳孔の座標軸
決定機能を説明する。
【0074】座標軸決定機能は、虹彩顆粒の重心座標決
定の基準となる瞳孔の水平、垂直軸を求める機能であ
る。これは重心計算を目の傾きや瞳孔の開閉度に影響さ
れないようにするための基軸を求めるものであり、求め
た座標軸は後の重心座標計算部104に提供する。
【0075】ここで、水平軸は楕円形をした瞳孔の長軸
に、垂直軸は短軸に一致させる。領域形状からその長軸
方向を求める一方法として回帰直線を適用する。具体的
には画像上の画素の座標を(x,y)とし、既に求めた
瞳孔重心の座標をC(xc,yc)、瞳孔領域内の座標の
集合をQ、画素の数をNQとした時、回帰直線は、図9
の(1)〜(3)に示す式で表される。
【0076】尚、(2)(3)の式において、記号Σx Q
(図中では、QとxのΣに対する位置は同一)は、領域
Qに含まれる画素についてのみその和を求める記号であ
る。これにより、長軸が求められ、また、短軸は長軸に
垂直かつ重心を通る直線であるため図9の(4)に示す
式で求められる。
【0077】以上が領域抽出部102の動作であり、次
に影除去処理部103の動作を説明する。
【0078】上述したように領域抽出部102で求めら
れる虹彩顆粒領域は影を含む可能性があり、影は識別精
度上好ましくない。そこで、影除去処理部103によっ
て影を含む領域を除去する。
【0079】この除去方法は、虹彩顆粒の直上の影の領
域中に、最も暗い上縁輪郭状の領域があることに着目し
たものであり、誤って検出した影の上縁輪郭を当該領域
までずらすことにより影を除去するものである。
【0080】図10は、上縁輪郭状の領域の説明図であ
る。図示のように、3次元物体における影の領域中に、
その3次元物体外縁に沿って最も暗い部分が存在する。
そこで、この領域は上縁輪郭状領域の画素値の累積値が
最も小さくなる位置を探索することにより見つける。具
体的には上縁輪郭の座標(x,y)の集合をL、座標
(x,y)の画素値をPxy、探索移動量を(u,v)と
すると、累積値R(u,v)は図9中の(5)に示す式
で表される。
【0081】上式において記号Σx,y L(図中では、Lと
x,yのΣに対する位置は同一)は、座標値(x,y)
が輪郭上にある場合のみ加算することを意味する。従っ
て、最も暗い輪郭状領域は、u,vを一定の範囲内で変
更して求めた累積値R(u,v)が最も小さくなる場合
である。その時の移動量(u,v)を加えた輪郭が影除
去後の輪郭となる。このようにして修正された輪郭によ
り安定した虹彩顆粒領域が求められる。
【0082】次に、重心座標計算部104は、影を除去
した虹彩顆粒の重心座標を、領域抽出部102にて抽出
した瞳孔の重心を中心とする座標系に変換する処理を行
う。これを前述の図8を再び用いて説明する。この座標
変換処理は、目の傾きおよび瞳孔サイズの正規化のため
に行うものである。
【0083】目の傾きに対しては前述の瞳孔の傾き角度
分を補正し、また瞳孔サイズについては図8に示すよう
に、瞳孔がx,yの各軸上において1および−1になる
ようにスケールの調整を行う。具体的には、変換前の座
標系における虹彩顆粒の重心座標を(XG,YG)、瞳孔
の重心座標を(XC,YC)、瞳孔の長軸方向の幅を2
A、短軸方向の幅を2Bとし、また変換後の虹彩顆粒の
座標を(xg,yg)とすると、図9の(6)〜(8)に
示す変換式で表せる。尚、変換後の重心の座標は、原
点、瞳孔の長軸および短軸の幅はともに2である。
【0084】このようにして得られる虹彩顆粒の位置情
報は、「登録モード」においては、辞書登録部108に
よって記憶部109に登録され、また、「識別モード」
においては、距離計算部105において辞書との距離を
求めるのに利用される。
【0085】距離計算部105は、領域抽出部102か
ら得た位置データと記憶部109から読み出した辞書と
の距離を計算する。ここでは、距離をユークリッド距離
とするがこの限りではない。検査対象の重心データ(x
1,y1)と辞書データ(x2,y2)のユークリッド距離
dは図9中の(9)に示す式で求められる。この計算を
全ての辞書に対して行い、次の照合部106に渡す。
【0086】照合部106は距離計算部105の距離デ
ータ中から最も値が小さい辞書を求め、それが予め定め
た一定値以下である場合のみ、その馬を検査対象馬とし
て記憶部109からその属性を読み出し、識別結果出力
部107に送る。相違度が所要値より大きい場合は登録
外の馬である旨を識別結果出力部107に送る。
【0087】識別結果出力部107は、ディスプレイあ
るいはプリンタに識別結果を表示する。以上が本具体例
の動作の説明である。
【0088】〈効果〉以上述べたように、本具体例によ
れば以下のような効果が見込める。 ●虹彩顆粒の重心を用いて個体識別を行うため、辞書の
小型化、照合処理の高速化が計れるため、大規模な個体
識別に有効である。 ●虹彩顆粒の重心の座標を瞳孔の傾きとサイズにより正
規化するため、瞳孔の傾きや開閉に影響されない安定し
た識別を行える。 ●虹彩顆粒の影を除去して重心を求めるため、照明角度
の影響を受けにくく、安定した識別を行うことが可能で
ある。
【0089】《利用形態》上記各具体例では、検査対象
と辞書との照合において、具体例1では平均差分、具体
例2ではユークリッド距離をそれぞれ用いて説明した
が、任意の距離尺度が適用可能である。
【0090】また、具体例2では、影除去処理部103
によって影の除去を行ったが、具体例1においても、虹
彩顆粒の領域から影の除去を行った後、虹彩顆粒の輪郭
を求めるよう構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の動物の個体識別装置の具体例1の構成
図である。
【図2】馬の眼球画像の説明図である。
【図3】本発明の動物の個体識別装置の具体例1におけ
る輪郭抽出部の動作を示す説明図である。
【図4】本発明の動物の個体識別装置の具体例1におけ
る周波数変換部と平均差分計算部の演算式の説明図であ
る。
【図5】本発明の動物の個体識別装置の具体例1におけ
る平均差分の計算方法を示す説明図である。
【図6】虹彩顆粒の影の説明図である。
【図7】本発明の動物の個体識別装置の具体例2の構成
図である。
【図8】本発明の動物の個体識別装置の具体例2におけ
る重心座標計算部の動作説明図である。
【図9】本発明の動物の個体識別装置の具体例2におけ
る領域抽出部〜距離計算部で用いる演算式の説明図であ
る。
【図10】上縁輪郭状の領域の説明図である。
【符号の説明】
1,101 目領域撮像部 2 輪郭抽出部 3 周波数変換部 4 平均差分計算部 5 照合部 8,109 記憶部 10 瞳孔 12 虹彩顆粒 14 影 102 領域抽出部 103 影除去処理部 104 重心座標計算部 105 距離計算部 106 照合部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検査対象動物の目を撮影した画像から虹
    彩顆粒の輪郭データを抽出する輪郭抽出部と、 複数の個体の虹彩顆粒の輪郭データを予め登録した登録
    データを格納する記憶部と、 前記輪郭抽出部で抽出した輪郭データと、前記記憶部に
    格納されている登録データとの差分を算出する平均差分
    計算部と、 前記平均差分計算部で計算した平均差分が最も小さい登
    録データの個体を前記検査対象動物のものと判定する照
    合部とを備えたことを特徴とする動物の個体識別装置。
  2. 【請求項2】 検査対象動物の目を撮影した画像から虹
    彩顆粒の輪郭データを抽出する輪郭抽出部と、 前記輪郭抽出部で抽出した輪郭データの周波数成分を抽
    出する周波数変換部と、 複数の個体の虹彩顆粒の輪郭データの周波数成分を予め
    登録した登録データを格納する記憶部と、 前記周波数変換部で抽出した輪郭データの周波数成分
    と、前記記憶部に格納されている登録データとの差分を
    算出する平均差分計算部と、 前記平均差分計算部で計算した平均差分が最も小さい登
    録データの個体を前記検査対象動物のものと判定する照
    合部とを備えたことを特徴とする動物の個体識別装置。
  3. 【請求項3】 検査対象動物の目を撮影した画像から虹
    彩顆粒の輪郭データを抽出する輪郭抽出部と、 前記輪郭抽出部で抽出した輪郭データの周波数成分を抽
    出する周波数変換部と、 複数の個体の虹彩顆粒の輪郭データと、当該輪郭データ
    の周波数成分を予め登録した登録データを格納する記憶
    部と、 前記輪郭抽出部で抽出した輪郭データと、前記周波数変
    換部で抽出した周波数成分と、前記記憶部に格納されて
    いる登録データとの差分を算出する平均差分計算部と、 前記平均差分計算部で計算した平均差分が最も小さい登
    録データの個体を前記検査対象動物のものと判定する照
    合部とを備えたことを特徴とする動物の個体識別装置。
  4. 【請求項4】 検査対象動物の目を撮影した画像から虹
    彩顆粒領域の目領域中の位置を抽出する領域抽出部と、 複数の個体の虹彩顆粒領域の目領域中の位置を予め登録
    した登録データを格納する記憶部と、 前記領域抽出部で抽出した虹彩顆粒領域の位置と、前記
    記憶部に格納されている登録データとの距離を算出する
    距離計算部と、 前記距離計算部で計算した距離が最も小さい登録データ
    の個体を前記検査対象動物のものと判定する照合部とを
    備えたことを特徴とする動物の個体識別装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の動物の個体識別装置に
    おいて、 領域抽出部で抽出された虹彩顆粒領域の重心座標を算出
    する重心座標計算部と、 登録データとして、複数の個体の虹彩顆粒領域の重心座
    標を格納する記憶部と、 前記重心座標計算部で算出した虹彩顆粒の重心座標と、
    前記記憶部に格納されている登録データとの距離を算出
    する距離計算部とを備えたことを特徴とする動物の個体
    識別装置。
  6. 【請求項6】 3次元物体を撮影した画像中に存在する
    当該3次元物体の影を除去する画像処理方法であって、 前記影の領域中の、当該影の輪郭に沿った画素値の累積
    値が最も暗くなる位置に、前記影の外縁輪郭を移動する
    ことにより前記影を除去することを特徴とする画像処理
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載の動物の個体識別装置に
    おいて、 虹彩顆粒の領域として、当該虹彩顆粒の影の部分を含む
    領域を抽出する領域抽出部と、 前記領域抽出部で抽出した領域の画像に対して、虹彩顆
    粒の輪郭に沿った画素値の累積値が最も暗くなる位置
    に、前記虹彩顆粒の外縁輪郭を移動して前記影の部分を
    除去した画像を虹彩顆粒の画像として出力する影除去処
    理部と、 前記影除去処理部で出力した虹彩顆粒の領域の位置と、
    前記記憶部に格納されている登録データとの距離を算出
    する距離計算部とを備えたことを特徴とする動物の個体
    識別装置。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載の動物の個体識別装置に
    おいて、 虹彩顆粒の領域として、当該虹彩顆粒の影の部分を含む
    領域を抽出する領域抽出部と、 前記領域抽出部で抽出した領域の画像に対して、虹彩顆
    粒の輪郭に沿った画素値の累積値が最も暗くなる位置
    に、前記虹彩顆粒の外縁輪郭を移動して前記影の部分を
    除去した画像を虹彩顆粒の画像として出力する影除去処
    理部と、 前記影除去処理部で出力した虹彩顆粒の領域の重心座標
    を算出する重心座標計算部とを備えたことを特徴とする
    動物の個体識別装置。
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