JPH11113885A - 個体識別装置およびその方法 - Google Patents

個体識別装置およびその方法

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JPH11113885A
JPH11113885A JP9291687A JP29168797A JPH11113885A JP H11113885 A JPH11113885 A JP H11113885A JP 9291687 A JP9291687 A JP 9291687A JP 29168797 A JP29168797 A JP 29168797A JP H11113885 A JPH11113885 A JP H11113885A
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iris
pupil
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arc
axis
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JP9291687A
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English (en)
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Masahiko Suzaki
昌彦 須崎
Yuji Kuno
裕次 久野
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 個体識別のために特別な知識を持つ必要がな
く、動物に対して苦痛を与えることのない個体識別装置
を実現する。 【解決手段】 カメラ101は、馬等の動物の目を撮影
する。輪郭線抽出部102は、カメラ101で撮影され
た目の画像から瞳孔と虹彩顆粒の輪郭線を抽出する。円
弧当てはめ処理部103は、瞳孔下部の輪郭線に円弧を
当てはめる。虹彩顆粒形状変形部104は、瞳孔下部の
輪郭線に当てはめた円弧を主軸を中心に折り返し、虹彩
顆粒の基準軸とする。そして、この基準軸の中心を原点
とする極座標系に虹彩顆粒の画像を写像する。虹彩顆粒
識別部106は、予め登録された辞書データと、虹彩顆
粒形状変形部104で求めた虹彩顆粒の形状とを比較
し、個体識別を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(競走)馬や
(牧)牛等、動物の個体識別を行う個体識別装置および
その方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、馬の識別方法としては、毛
色、旋毛の位置、頭部や四肢の白色毛の模様等を人が目
視で識別する方法がとられている。また、これ以外に
も、体に焼き印を入れたり、体内にマイクロチップを埋
め込んで機械で読み取る方法も考えられている(参考文
献:「馬の知識」 木全春生、サイマル出版会 pp15
3-164)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の方法では以下のような問題があった。例えば、
個体識別に身体的特徴を用いる場合、毛色や体の各部
位、白色毛の模様の種類や名前を知っている必要があ
り、特別な知識を持った人でなければ個体の識別を行う
ことができない。また、人が見て判断するため曖昧な識
別を行ってしまうこともあった。更に、焼き印やマイク
ロチップといった方法は、動物に苦痛を与えるという欠
点があった。
【0004】このような点から、個体識別のために特別
な知識を持つ必要がなく、また、精度の高い個体識別が
行え、しかも、動物に対しても苦痛を与えることのない
個体識別装置の実現が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決するため次の構成を採用する。 〈請求項1の構成〉動物の目の中の情報を用いて個体識
別を行う個体識別装置であって、瞳孔の輪郭線を抽出す
る輪郭線抽出部と、瞳孔の重心を通り、かつ、瞳孔内領
域を点の集合とした場合、その軸上に全ての点を写像し
たとき点の分布が最も大きくなるような軸である主軸に
対して垂直な直線上に中心点を持つ円弧によって、瞳孔
の下部領域または上部領域の輪郭線を近似する円弧当て
はめ処理部とを備えたことを特徴とする個体識別装置で
ある。
【0006】〈請求項1の説明〉動物の目の中の情報と
は、例えば、アイリス(虹彩)や虹彩顆粒の情報である
が、これ以外の情報であってもよい。また、動物は例え
ば馬や牛であるが、これ以外の動物にも適用可能であ
る。
【0007】瞳孔の重心とは、瞳孔領域内の重心の位置
である。また、瞳孔の主軸とは、例えば主成分分析等の
手法を用いて求めた瞳孔領域内の点の分布の広がりが最
も大きくなるように引いた直線である。
【0008】円弧当てはめ処理部では、瞳孔の下部また
は上部の輪郭線を円弧で近似する。これにより、動物の
目のように、瞳孔が円形でないものであっても、その輪
郭線の誤差を少なくすることができ、従って、精度の高
い個体識別を行うことができる。
【0009】〈請求項2の構成〉動物の目の中の情報を
用いて個体識別を行う場合の前処理として、瞳孔の重心
を通り、かつ、瞳孔内領域を点の集合とした場合、その
軸上に全ての点を写像したとき点の分布が最も大きくな
るような軸である主軸に対して垂直な直線上に中心点を
持つ円弧によって、瞳孔の下部または上部の輪郭線を近
似するようにしたことを特徴とする個体識別方法であ
る。
【0010】〈請求項2の説明〉請求項2の発明は、動
物の目の中の情報により個体識別を行う場合の前処理と
して、瞳孔の下部または上部の輪郭線を円弧で近似する
ようにした個体識別方法である。これにより、精度の高
い個体識別を行うことができる。
【0011】〈請求項3の構成〉請求項1の個体識別装
置において、円弧を主軸に対して折り返した曲線を、虹
彩顆粒の基準軸とし、この基準軸の中心を原点とする極
座標系に虹彩顆粒の画像を写像する虹彩顆粒形状変形部
とを備えたことを特徴とする個体識別装置である。
【0012】〈請求項3の説明〉請求項3の発明は、動
物の目の中に存在する虹彩顆粒の形状を、虹彩顆粒の基
準軸の中心を原点とする極座標系に写像するようにした
ものである。ここで、極座標系とは、円の中心からの距
離rを縦軸に、角度θを横軸にとった座標系である。
【0013】虹彩顆粒は、瞳孔の縮瞳状態や散瞳状態に
よって、その湾曲度が変化する。そこで、請求項3の発
明では、虹彩顆粒の基準軸の円弧が、その長さを保った
まま水平になるようにすることで、湾曲度が変化しても
一定の形状を抽出できるようにしている。従って、虹彩
顆粒による個体識別の精度を向上させることができる。
【0014】〈請求項4の構成〉請求項2に記載の個体
識別方法において、円弧を主軸に対して折り返した曲線
を、虹彩顆粒の基準軸とし、この基準軸の中心を原点と
する極座標系に前記虹彩顆粒の画像を写像することを特
徴とする個体識別方法である。
【0015】〈請求項4の説明〉請求項4の発明は、虹
彩顆粒の基準軸とした円弧が水平になるよう虹彩顆粒の
画像を写像するようにした個体識別方法である。これに
より、虹彩顆粒の情報を用いる個体識別方法において、
その精度を向上させることができる。
【0016】〈請求項5の構成〉請求項4に記載の個体
識別方法において、写像した虹彩顆粒の形状と、予め設
けた辞書データとを照合することで個体識別を行うこと
を特徴とする個体識別方法である。
【0017】〈請求項5の説明〉請求項5の発明は、個
体識別の方法として、写像した虹彩顆粒の形状と、予め
設けた辞書データとを照合するようにしたものである。
ここで、その照合方法としては、例えば、写像した虹彩
顆粒の画像と、辞書データの画像を表示し、人間により
目視することで照合を行ったり、あるいは、パターンマ
ッチング等の方法を用いてもよい。このように構成する
ことにより、個体識別方法として、そのために特別な知
識を持つ必要がなく、また、精度の高い個体識別が行
え、しかも、動物に対しても苦痛を与えることのない個
体識別方法を実現することができる。
【0018】〈請求項6の構成〉請求項3に記載の個体
識別装置において、その基準軸上に写像された虹彩顆粒
の輪郭線の形状を表す各個体毎の辞書データを格納する
登録辞書と、虹彩顆粒形状変形部から出力された虹彩顆
粒の輪郭線の形状と、登録辞書の辞書データとを比較し
て個体識別を行う虹彩顆粒識別部とを備えたことを特徴
とする個体識別装置である。
【0019】〈請求項6の説明〉請求項6の発明は、登
録辞書に、基準軸上に写像された虹彩顆粒の輪郭線の形
状を表す各個体毎の辞書データを予め格納し、虹彩顆粒
識別部において、この辞書データと識別対象となる虹彩
顆粒の輪郭線の形状を比較し、個体識別を行うようにし
たものである。これにより、個体識別装置として構成を
簡素化することができ、しかも、個体識別のために特別
な知識を持つ必要がなく、また、精度の高い個体識別が
行え、更に、動物に対して苦痛を与えることがないとい
った効果が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて詳細に説明する。図1は本発明の個体識別装置
の具体例を示す構成図であるが、この装置の説明を行う
前に、馬の目の構造等を説明する。
【0021】図2は、馬の目の画像説明図である。この
図は、馬の眼球の正面図を示したものである。この図に
示すように、馬の目は、上下のまぶた13の間の瞳孔1
0、アイリス(虹彩)11、虹彩顆粒12よりなり、人
の目との大きな違いは、瞳孔10が楕円状となっている
点であり、しかも、馬や反芻類に特有の虹彩顆粒12を
持つことである。
【0022】外界からの光は瞳孔10を通過し、瞳孔奥
にある網膜に到達する。アイリス11は瞳孔10を取り
巻く筋肉であり、収縮・散大して瞳孔11ヘの入射光量
を制御する働きをもつ。また虹彩顆粒12は、アイリス
11と瞳孔10の間に位置し、半球状の隆起した顆粒が
連なった形を成す。虹彩顆粒12は、メラニン色素に富
んだ黒色をしておりアイリス11が収縮してもなおまぶ
しい日中の光を吸収する働きがあるとされている。
【0023】この虹彩顆粒12は様々な大きさ・形の3
次元形状をしており、また表面には細かいしわや凹凸が
あり、これらは馬や目の左右により異なり個体差がある
ことはこれまであまり知られていなかった。本発明はこ
の点に着目したものであり、カメラで馬の目を撮像して
虹彩顆粒12を基準データとして登録しておき、検査時
は撮像した虹彩顆粒データと登録データとの比較照合に
より検査対象個体を識別するものである。
【0024】また、虹彩顆粒の形状は瞳孔10の縮瞳や
散瞳の影響を受けて形状が変化する。図3は、瞳孔の大
きさが変化した場合の虹彩顆粒の変化の様子を示す図で
ある。図中、(a)は瞳孔10が縮瞳している場合、
(c)は散瞳している場合、(b)はその中間的な状態
である。
【0025】図示のように、瞳孔10が散瞳している場
合は、虹彩顆粒12全体が瞳孔10の輪郭部分に沿うよ
うに湾曲し、縮瞳している場合とは異なった形となる。
そこで、本発明では、虹彩顆粒12を用いて個体識別を
行う場合、瞳孔がどのような状態であっても、同じ個体
のものであれば同じ形になるように補正するようにして
いる。
【0026】更に、虹彩顆粒を補正する場合には、瞳孔
の開き具合を知る必要があり、そのために、瞳孔をある
幾何学的な形で近似し、適当な座標系を決める必要があ
る。この観点から、本発明では、瞳孔に対する座標系の
設定方法も示している。以下、図1を用いて、本具体例
の個体識別装置の詳細を説明する。
【0027】《具体例》 〈構成〉図1の装置は、カメラ101、輪郭線抽出部1
02、円弧当てはめ処理部103、虹彩顆粒形状変形部
104、登録辞書105、虹彩顆粒識別部106、ディ
スプレイ107からなる。
【0028】カメラ101は、馬や牛などの動物の目を
撮影するためのカメラであり、後段の画像処理に適する
よう、十分な大きさと明るさを持つ画像が得られるもの
とする。
【0029】輪郭線抽出部102は、虹彩顆粒12領域
の輪郭線と、虹彩顆粒12によって隠れていない部分の
瞳孔10の輪郭線を抽出する部分である。馬の目を識別
する場合、図2に示したように、虹彩顆粒12は瞳孔1
0の上に存在するため、瞳孔10の下の部分しか輪郭線
を見つけることができず、この部分を瞳孔10の輪郭線
として抽出するよう構成されている。
【0030】円弧当てはめ処理部103は、輪郭線抽出
部102で求めた瞳孔10の輪郭線を用いて瞳孔10に
円弧を当てはめ、新たな座標系を設定する機能を有して
いる。
【0031】虹彩顆粒形状変形部104は、円弧当ては
め処理部103で求めた瞳孔座標系に従って虹彩顆粒領
域を記述し、瞳孔座標をx−y座標系に変換することに
より虹彩顆粒を変形する機能を有している。
【0032】登録辞書105には、予め、カメラ101
〜虹彩顆粒形状変形部104の処理が行われた虹彩顆粒
12の情報が蓄えられており、識別は、この辞書に登録
されてあるものに対して行われるようになっている。
【0033】虹彩顆粒識別部106は、人が目視で識別
を行う場合は、虹彩顆粒形状変形部104の画像と登録
辞書105に格納されている画像とを出力する機能を備
えている。また、照合を自動的に行う場合は、変形した
虹彩顆粒12に対して、パターンマッチング等の認識処
理を行い、個体の識別を行う機能を有している。また、
ディスプレイ107は、一連の処理結果を表示するため
の表示部である。
【0034】尚、上記の輪郭線抽出部102〜虹彩顆粒
識別部106は、コンピュータにより機能構成され、各
機能部は、プログラムによって実現されている。従っ
て、このようなプログラムをフロッピーディスクやCD
−ROM等の記憶媒体に記録してから一般のコンピュー
タにインストールするか、あるいはネットワークを経由
してダウンロードするといったことにより本具体例のシ
ステムを実現することができる。
【0035】〈動作〉以下、輪郭線抽出部102〜虹彩
顆粒識別部106毎にその動作を説明する。また、ここ
では、馬の目に対する動作を説明するが、他の虹彩顆粒
を持つ動物に関しても同様の動作となる。
【0036】[1]輪郭線抽出部102の動作 図4は、輪郭線抽出部102の動作を示すフローチャー
トである。先ず、図1で示すカメラ101で撮影された
目の映像は、画像としてコンピュータに入力される(ス
テップS201)。これにより、輪郭線抽出部102
は、入力された画像中から、瞳孔と虹彩顆粒を含む矩形
領域を抽出する(ステップS202)。この方法とし
て、例えば、目を撮影した画像中では瞳孔領域が最も暗
く、また、画像の中心付近に存在することを利用する。
先ず、適当な閾値Tを用いて画像を二値化し、閾値Tよ
り暗い領域のうちで、最も画像中の中心付近にある領域
を瞳孔領域として抽出する。
【0037】図5は、瞳孔矩形抽出の説明図である。図
中の(a)に示すように、抽出された瞳孔領域を含む矩
形をRpとする。この矩形Rpの中には、虹彩顆粒の領
域も含まれるように、瞳孔のみの領域対して十分なマー
ジンを与え、その幅をWr、高さをHrとする(図中の
(b))。ここで、マージンの大きさは固定であっても
よいし、抽出された瞳孔の大きさによって変化させても
よい。更に、入力画像中からその矩形領域を切り取った
画像を瞳孔矩形画像と呼び、図のように画像の左上が
(0,0)、右下が(Wr,Hr)となるような座標系と
する。
【0038】瞳孔矩形画像内では、瞳孔領域の平均的な
濃度が最も暗く、次に虹彩顆粒領域、アイリス領域とい
う順番になっている。そこで、瞳孔領域の平均濃度をD
p、虹彩顆粒領域の平均濃度をDg、アイリス領域の平均
濃度をDiとして、 Dp<Tp<Dg<Tg<Di となるような閾値Tp、Tgを設定する。尚、ここで、濃
度値が低いとは暗いことを意味する。
【0039】図6は、瞳孔および虹彩顆粒の輪郭線探索
方法の説明図である。この図は瞳孔が縮瞳状態の場合を
示している。先ず、図6(a)に示すような瞳孔および
虹彩顆粒の画像に対し、閾値Tpを用いて瞳孔矩形画像
を二値化する(ステップS203)。ここで、図6
(b)のように閾値Tpより暗い領域は瞳孔のみの領域
であり、この領域をApとする。領域Apの輪郭線は、瞳
孔の輪郭線および虹彩顆粒の下側の輪郭線(瞳孔と虹彩
顆粒の境界線)となり(ステップS204)、この輪郭
線をCpとする(図6の(c)に示す)。
【0040】次に、閾値Tgを用いて瞳孔矩形画像を二
値化する(ステップS205)。ここで、図6(d)の
ように閾値Tgより暗い領域は瞳孔と虹彩顆粒を合わせ
た領域であり、この領域をAgとする。領域Agの輪郭線
は、瞳孔の輪郭線および虹彩顆粒の上側の輪郭線(アイ
リスと虹彩顆粒の境界線)となり(ステップS20
6)、この輪郭線をCgとする(図6の(e)に示
す)。従って、輪郭線CpとCgに挟まれた部分が虹彩顆
粒の領域Agrnである(図6(f))。
【0041】また、馬の目の場合、虹彩顆粒は瞳孔の上
部に存在するため、輪郭線CpとCgの下半分はほとんど
重なっている。従って、CpとCgの下半分を瞳孔下部の
輪郭線CUpupilとし、瞳孔上部の輪郭線COpupilは輪
郭線CpとCgの中間を通る線とし、これらの輪郭線に囲
まれた領域を瞳孔領域Apupilとする(図6(g))。
【0042】主成分分析などの手法を用い、瞳孔領域の
重心および主軸(瞳孔領域を点の分布とした場合、点の
分布の広がりが最も大きくなるように引いた直線)を求
める(ステップS207)。具体的には、瞳孔領域内の
全ての点と、任意の直線との平均距離を求め、瞳孔領域
内の全ての点との距離の平均値が最も小さくなるような
直線を主軸(第1主成分)とする。
【0043】図7は瞳孔の重心と主軸の説明図である。
図7(a)が、求めた重心と主軸とを示す図である。そ
して、この主軸が水平になるように瞳孔の重心を中心と
して瞳孔矩形画像と輪郭線Cp、Cgを回転し、瞳孔の重
心を原点、主軸をx軸として新たにx−y座標を設定す
る(ステップS208、図7(b))。
【0044】[2]円弧当てはめ処理部103の動作 ここでは、瞳孔の下部輪郭線に、先に設定したx-y座
標上のy軸上に中心を持つ円弧を当てはめる。
【0045】主軸が水平になるように回転した瞳孔下部
の輪郭線CUpupilを構成する点の集合を、CUpupil=
{(X0,Y0),(X1,Y1),…,(Xn-1,Yn-1)}
(但し、nは輪郭線を構成する点の数、0≦i<nに対
して、Xi<Xi+1である)とする。
【0046】図6のように瞳孔が縮瞳している場合、瞳
孔下部の輪郭線の中央部分と両端付近を同じ円弧で近似
することは不可能であるため、瞳孔の両端の距離をLp
とすると、円弧の当てはめは、両端付近をカットした部
分に対して行う。ここでカットする長さは左右それぞれ
Lpの5〜10%程度とし、カットされる数をそれぞれ
m(全体で2m)とする。瞳孔下部輪郭に対する円弧の
当てはめは、例えば以下のようにして行う。
【0047】図8は、円弧当てはめ処理部103の動作
を示すフローチャートである。先ず、y=0とし、D
(=最終的に求める誤差値)を十分に大きな値(初期
値)にしておく(ステップS301)。次に、円の中心
を(0,y)としたときの輪郭線上からの平均半径cを
計算する(ステップS302)。そして、この場合の平
均誤差dを計算し(ステップS303)、この場合の誤
差dがDより小さいかを判定する(ステップS30
4)。
【0048】このステップS304において、d<Dで
あった場合は、誤差値Dをその時点の誤差dとし、ま
た、半径Cをその時点の半径c、円弧の中心点のy軸上
の座標Pをその時点の座標値yとする(ステップS30
5)。
【0049】そして、yの値をdyだけ大きくし(ステ
ップS306)、yの値がYmaxより小さいかを判定し
(ステップS307)、そうであるならばステップS3
02に戻って、上記の処理を繰り返す。但し、dy、Y
maxは正の定数であり、dyは、y=0から予め定めた
yの最大値Ymaxまでのyの増加分を示している。
【0050】このようにして、y=0からy=Ymaxま
での円弧の半径cおよび誤差dを求め、最も誤差dが小
さかった座標値yを円弧の中心Pとし、半径cを半径C
とする。このC,Pが、それぞれ、瞳孔の下部の輪郭に
当てはまる円弧の半径および中心のy座標となる。
【0051】図9は、瞳孔に対する円弧の当てはめの説
明図である。図示のように、円弧を含む円の方程式は、 x2+(y−P)2=C2 である。
【0052】また、この近似に用いた輪郭線に対応する
円弧の開始と終了の角度をそれぞれrs,re(=π−r
s)とし、その長さをLcとした場合、これらの関係は、
図面中に示すように、 rs=π−re=arccos(Xm/C) Lc=2πC×{(re−rs)/2π}=C×(re−r
s) となる。
【0053】尚、円弧の当てはめは、上記の方法以外に
も、Hough変換等の他の方法を用いてもよい。
【0054】[3]虹彩顆粒形状変形部104の動作 瞳孔の下部輪郭線に当てはめた円を、主軸を中心に折り
返し、虹彩顆粒の基準軸とする。
【0055】図10は、虹彩顆粒の補正動作の説明図で
ある。図10(a)が、主軸を中心に折り返した状態を
示している。従って、円の方程式は、 x2+(y+P)2=C2 となり、開始と終了の角度はそれぞれRs=π−Re=r
s−πとなる。
【0056】虹彩顆粒の変形は、この円弧が長さを保っ
たまま水平になるように行う。即ち、角度方向のきざみ
幅を、Rt=(Re−Rs)/Lcとして、これを角度方向
の単位として瞳孔領域の画像と輪郭線を円の中心からの
距離rとx軸に対する角度θからなる極座標系に写像す
る。ここで極座標系とは横軸を角度θ、縦軸を円の中心
からの距離rとした座標系を指す。
【0057】従って、ある点(x,y)は、図10
(b)に示すように、θとrの値に写像される。即ち、 θ=arctan(x/(y+P))÷Rt r=√{x2+(y+P)2}(但し、√{a}は、aの
平方根を示すものとする)
【0058】また、写像された虹彩顆粒の画像をIgr
n、虹彩顆粒上部輪郭線の点の集合をCOgrn、虹彩顆粒
下部輪郭線の点の集合をCUgrnとする。
【0059】[4]虹彩顆粒識別部106の動作 虹彩顆粒識別部106では、入力された虹彩顆粒のデー
タを登録辞書105の辞書データと比較して識別する。
識別は、登録されてある(変形済の)虹彩顆粒の画像
と、入力された虹彩顆粒の画像Igrnを同時に表示し、
これらを人が目視で識別を行うか、パターンマッチング
等の方式を用いて識別を自動的に行う。
【0060】以下、パターンマッチング等の方式を用い
て行う場合を説明する。先ず、虹彩顆粒の上部輪郭線C
Ogrnと下部輪郭線CUgrnの差分値(虹彩顆粒の幅:図
面における上下方向の幅)を振幅とした一次元の波形を
Fgrnとする。登録辞書105に登録されてある虹彩顆
粒の輪郭線に対しても同様の処理によって虹彩顆粒の幅
の波形が計算されてあるものとし、これをFDgrnとす
る。
【0061】入力された虹彩顆粒の画像と、登録されて
ある虹彩顆粒の画像の大きさが一致するように入力画像
を拡大縮小する。これはFgrnをあるステップ幅毎に拡
大、または縮小したものと、登録されてある波形FDgr
nとの相関値を計算する。この相関値が最も大きくなる
ような倍率で入力画像を拡大または縮小する。
【0062】大きさを正規化した入力画像と、登録辞書
105に登録されてある画像の間で相関値を計算する。
この相関値が予め設定された値より大きければ、入力画
像の虹彩顆粒と、登録されてある虹彩顆粒は同じもので
あると判断する。
【0063】その後は、虹彩顆粒識別部106の識別結
果をディスプレイ107に表示し、個体識別処理を終了
する。
【0064】尚、上記具体例では、虹彩顆粒識別部10
6は虹彩顆粒の輪郭線の形状に基づいて個体識別を行っ
たが、これ以外にも虹彩顆粒の画像パターン認識によっ
て個体識別を行う等の構成であってもよい。
【0065】〈効果〉以上のように、具体例によれば、
瞳孔の散瞳、縮瞳による虹彩顆粒の形状の変化を補正す
るので、瞳孔の状態が一定の条件での虹彩顆粒の形を比
較することができ、正確な個体識別が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の個体識別装置の具体例を示す構成図で
ある。
【図2】馬の目の画像説明図である。
【図3】瞳孔の大きさが変化した場合の虹彩顆粒の変化
の様子を示す説明図である。
【図4】本発明の個体識別装置における輪郭線抽出部の
動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の個体識別装置における瞳孔矩形抽出の
説明図である。
【図6】本発明の個体識別装置における瞳孔および虹彩
顆粒の輪郭線探索方法の説明図である。
【図7】本発明の個体識別装置における瞳孔の重心と主
軸の説明図である。
【図8】本発明の個体識別装置における円弧当てはめ処
理部の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の個体識別装置における瞳孔に対する円
弧の当てはめの説明図である。
【図10】本発明の個体識別装置における虹彩顆粒の補
正動作の説明図である。
【符号の説明】
102 輪郭線抽出部 103 円弧当てはめ処理部 104 虹彩顆粒形状変形部 105 登録辞書 106 虹彩顆粒識別部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動物の目の中の情報を用いて個体識別を
    行う個体識別装置であって、 瞳孔の輪郭線を抽出する輪郭線抽出部と、 瞳孔の重心を通り、かつ、当該瞳孔内領域を点の集合と
    した場合、その軸上に全ての点を写像したとき点の分布
    が最も大きくなるような軸である主軸に対して垂直な直
    線上に中心点を持つ円弧によって、前記瞳孔の下部領域
    または上部領域の輪郭線を近似する円弧当てはめ処理部
    とを備えたことを特徴とする個体識別装置。
  2. 【請求項2】 動物の目の中の情報を用いて個体識別を
    行う場合の前処理として、 瞳孔の重心を通り、かつ、当該瞳孔内領域を点の集合と
    した場合、その軸上に全ての点を写像したとき点の分布
    が最も大きくなるような軸である主軸に対して垂直な直
    線上に中心点を持つ円弧によって、瞳孔の下部または上
    部の輪郭線を近似するようにしたことを特徴とする個体
    識別方法。
  3. 【請求項3】 請求項1の個体識別装置において、 円弧を主軸に対して折り返した曲線を、虹彩顆粒の基準
    軸とし、この基準軸の中心を原点とする極座標系に前記
    虹彩顆粒の画像を写像する虹彩顆粒形状変形部とを備え
    たことを特徴とする個体識別装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の個体識別方法におい
    て、 円弧を主軸に対して折り返した曲線を、虹彩顆粒の基準
    軸とし、この基準軸の中心を原点とする極座標系に前記
    虹彩顆粒の画像を写像することを特徴とする個体識別方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の個体識別方法におい
    て、 写像した虹彩顆粒の形状と、予め設けた辞書データとを
    照合することで個体識別を行うことを特徴とする個体識
    別方法。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の個体識別装置におい
    て、 その基準軸上に写像された虹彩顆粒の輪郭線の形状を表
    す各個体毎の辞書データを格納する登録辞書と、 虹彩顆粒形状変形部から出力された虹彩顆粒の輪郭線の
    形状と、前記登録辞書の辞書データとを比較して個体識
    別を行う虹彩顆粒識別部とを備えたことを特徴とする個
    体識別装置。
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