JPH11161177A - 湿度センサー付き三層カバーネームとその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来商品に貼付するネームは単に商品ブラン
ドや品質などを表示説明する副資材であるが、本発明は
その装飾的、付属的役割の域を越え、使用する商品の刻
刻と変化する条件（含有湿気）を可視的に感知検出する
ため、一重のネーム用布材に感湿センサーインク調合剤
をプリント加工し、さらに本ネーム材を二層構造の薄膜
フィルムシート状カバーで覆い、その縁周りの両面シー
ト層先端部を熱融着、切断加工し、三層構造のカバー型
ネームをつくる。 【解決手段】種々のネーム布材表面に感湿センサーイン
ク調合剤をプリント加工し、そのネーム材を挿入するカ
バー状包装材、つまり、本ネーム材の裏表、両面にプラ
スチック樹脂製の薄膜フィルム状シートを設置、特に裏
面シート層に閉口部を設け、本ネーム材縁周りにあたる
両面シート層先端部を熱融着、切断加工する三層構造の
カバー型ネームをつくり、それを任意商品に取り付け、
商品の含有湿気だけを吸着、感知し、そのインク塗膜部
が変色、文字が浮き出る仕掛を有する湿度センサー付き
三層カバー型のネームをつくる。

Description

【発明の詳細な説明】

【発明の属する技術分野】本発明は織り布、編み布、不
織布などの一重布で、ジャガード又はプリント（＝捺
染）加工したネーム用布材表面に、感湿センサーインク
調合剤をプリント加工し、感湿皮膜部を付与する。更に
そのネーム用布材を挿入するカバー材は二層両面に無
地、溌水型、湿気遮断用のプラスチック樹脂製薄膜フィ
ルム状シートを用い、更にネーム用布材の縁周りにあた
る二方、三方又は四方先端部を高周波電流などで熱溶
融、接着、切断加工して作るカバー状包装材で構成さ
れ、任意商品に取り付ける形状とした三層構造のカバー
型ネームで、特にその三層ネームの裏面シート層には適
宜な形状の開口部（線形、面形）、即ち湿気の出入口や
本ネーム布材の出入口を設ける。これは従来の任意商品
に取り付ける、単なる装飾的付属品的役割だけでなく、
任意商品の保有する含有湿気、即ち使用中、使用前後の
湿気を感知、検出して、可視的に表出する発明商品であ
る。つまり従来のネーム用布材に感湿センサーインク調
合剤を塗布し、新たに感湿皮膜特性を付与し、次にその
両面に溌水、湿気遮断用の無地平面薄膜フィルムシート
を設置、特に裏面シート層に通気専用の開口部を設け、
さらに表面シート層、中間ネーム材、裏面シート層の三
層を一体化する方法、つまり中間ネーム材の縁周りに当
たる両面シート層の二方、三方又は四方先端部を高周波
電流で熱融着、切断加工してカバー状包装材をつくり、
それに本ネーム材を挿入して、三層構造のカバー型ネー
ムを発明する。本発明カバー型ネームは裏面シート層の
開口部より適宜、湿気が出入する構造を有し、これを任
意の湿気測定可商品に取り付けると、その商品の含有湿
気を本感湿センサーインクが吸着反応し、淡桃色に変
色、特定の文字が浮き出るシステム機能を発明する。本
発明カバー型ネームは従来にない感湿表示機能を有する
副資材であり、ひと目で容易に任意商品の保有湿気状態
を識別し、変色および文字が浮き出るシステム商品を発
明する。

【従来の技術】従来のネーム用布材は各種一重織り布
（平、綾、繻子）か、編み布、不織布などのジャガード
柄かプリント加工を施す、数センチメートルか、数十セ
ンチメートル四方のネーム用副資材で、任意商品の一部
に貼付し、ブランド品質など、その意匠文字又は図柄を
表示する薄地の小さな形状の商品付属品である。これは
使用者に商品の製造発売元、品質内容、意匠等を表示す
る看板的、記述的な宣伝媒体的な副資材であり、一般的
に従来品は、商品使用前の製造情報を表示するものであ
るが、本発明は刻刻と変化する商品情報を提供する。つ
まり使用中の商品の含有湿気状態を感知反応し、その都
度、色変化して、現在使用中の商品の湿度情報を表示す
るものである。これは明確に他商品と差別化する副資材
商品であり、本発明ネームは従来ネームの役割を遥かに
越える、従来有しなかった新しい役割を創出する。つま
り任意の商品に本発明ネームを取り付け、商品の含有湿
気を吸、放湿し感湿して色変化する。即ち青色の感湿セ
ンサーインク皮膜色が湿気の吸着で淡桃色に変色、更に
「干してください」という青色文字が浮き出る仕組み
は、使用商品を快適に活用する目安となり、商品の使用
価値を一層引き上げ、引き立たせる副資材商品である。

【発明が解決しようとする課題】本発明は精度の高い感
湿センサーインクを調合し、ネーム用布材にプリント加
工して感湿皮膜部をつくるが、これは長時間不用意に、
湿気の多い場所に放置すると感湿センサーインクが吸湿
し色が変化して、元に戻らないか戻りにくくなる。そこ
で本インク皮膜部が正確に取り付け商品の含有湿気を感
湿、色変化するセンサー構造を作る。つまり湿った空気
が直接そのプリント皮膜部に触れない構造、撥水性、外
気遮断用のフィルム状シートを本ネーム材の裏表両面に
設置する、カバー状包装材の導入である。ただし裏面シ
ート層だけ効果的に、商品の含有湿気を通過、吸放湿す
る構造、つまり本プリント皮膜部に当たる裏側周辺の裏
面シート層に適宜な開口部を設けることである。そこで
本発明の重要な着眼点は、本ネーム布材の両面に設置す
る薄膜フィルム状シートの表面シートは無地平面である
が、裏面シート層は適宜な開口部（出入口、通気口）を
有するカバー状包装材である。更に本ネーム布材縁周り
に当たる両面シートの二方、三方又は四方先端部を熱溶
融、接着、切断加工する三層構造のカバー型ネームは任
意商品に取り付けやすく、軽く薄く柔らかく丈夫で取り
付けが簡単なものを選定し、外部から識別しやすい形状
とした湿度センサー付き三層構造のカバー型ネームであ
る。

【課題を解決するための手段】本発明は各種ネーム用布
材に感湿センサーインク調合剤をプリント加工し、適宜
な厚みの感湿皮膜部を形成するが、本加工インク部が湿
った空気、水に触れ、変質、性能低下しないよう、本イ
ンク皮膜部ネーム材を挟み込む裏、表両面のカバー構造
が重要であり、特に本ネーム材の裏側に設置する溌水、
通気構造であり、本発明で使用の薄膜フィルムシートの
材質、形状、機能が重要である。つまり本発明ネームは
任意商品に取り付け、その商品の含有湿気を正確に感湿
し、色変化する課題解決のため、本感湿センサーインク
皮膜部を種々のカバー類で覆う、二層構造の包装材を使
用する。また湿度の高い日、湿気の多い場所で商品の含
有湿気を正確に感湿、検出するには、本発明の感湿皮膜
部ネーム布が外気から遮断され、その両面を保護するカ
バー状包装材で構成する必要がある。即ち溌水性、外気
遮断用の薄膜透明プラスチック樹脂製のフィルムシート
を本ネーム材の両面に設置、更に本ネーム用布材の縁周
りに当たる両面シートの二方、三方又は四方先端部を高
周波電流で熱融着、切断加工するカバー状包装材をつく
り、特にその裏面フィルムシートに適宜な形状の開口部
を設け、本発明ネームが任意商品に取り付けられ、本プ
リント皮膜部の裏側に当たる本体商品周辺の含有湿気を
吸、放湿し、正確に湿気状態を感湿検出する。つまり本
発明ネームを布団や毛布に取り付けると、本体が使用
中、ムレたり湿気たりして高い湿度を含有するが、本ネ
ームは直ちに吸湿、反応、変色し、「干してくだざい」
という青色文字が浮き出る仕掛である。

【発明の実施の形態】本発明に使用する感湿センサーイ
ンクは、林化学工業（株）製のＥＣベースＷ改と呼ばれ
るコバルト複塩色素インクで、淡桃色ペースト状の外観
を呈し、粘度１０、０００±２、０００（ｃｐｓ／ＶＴ
Ｏ４）、ＰＨ５、５±０、５、粒径５μ以下、そしてイ
オン性（陰／陽）はカチオン／アニオン両性を有する。
本インクは通常、外気から遮断、密封保管する為、使用
時は使用分だけを取り出し、天然又は合成糊剤や、顔
料、合成樹脂、乾性油、石油系溶剤などを適宜、調合使
用する。本プリント加工は調液、捺染、乾燥、熱処理
（例１５０℃×１分）の順に加工するが、本加工塗膜中
の本インクの標準的色相変化は、含水率（重量）が水中
１０％以上の場合無色であるが、湿潤率２〜１０％の場
合淡桃色に変色、吸湿率１〜２％、乾燥率１％以下の場
合青色に変色する。また本ネーム用布材は例えば、ポリ
エステルやアクリル、シルクや人絹、レーヨンやアセテ
ートなど従来の繊維素材を使う一重（平、綾、繻子）織
り布、編み布、不織布があるが、特に本発明は吸、放湿
の優れた繊維を使用し、本ネーム布材のみならず、本感
湿センサーインク皮膜の吸、放湿機能を上げる相乗効果
がある。本ネーム布材の大きさ、形状は色々で、例え
ば、数センチか、数十センチメートル四方の正方形か、
長方形で、その中に従来通り、ブランド名や品質表示、
商品に関わる種々の意匠、文字、絵柄をジャガード織り
又はプリント表示する。例えば、感湿センサー付布団
（毛布）、ドライメッセージマーク付、ふとん（毛布）
ドライ、青色の部分が淡桃色に変化し、更に「干してく
ださい」の文字が浮き出れば、実際に天日で干して下さ
いなどの情報である。ところで、本発明ネームは感湿セ
ンサーインク調合剤を適宜な柄にプリント（＝捺染）加
工して感湿皮膜部を形成するが、本ネーム布材を挿入す
るカバー状包装材は、本ネーム材より縦、横少し大きめ
の薄膜フィルム状シート、具体的には熱可塑性の高分子
樹脂、つまりプラスチック樹脂（ポリウレタン樹脂か、
ポリ塩化ビニール樹脂）製の無地、透明又は有色の薄膜
フィルム状シートを使用し、本ネーム材を挿入するカバ
ー状包装材の二層、両面シートの二方、三方又は四方先
端部の数ミリメートルを高周波電流で熱溶融、接着し、
切断加工する。本発明はネーム用布材に感湿センサーイ
ンク調合剤をプリント加工する工程と、本ネーム材を挿
入するカバー状包装材をつくる工程、即ち、両面フィル
ム状シートの二方、三方又は四方先端を高周波電流によ
る熱融着、切断加工し、成形加工する工程である。この
場合、裏面シート層は種々の線形（直、曲線）、面形
（円、四角、多角形）の開口部を設けてある。さてこの
両工程を一つの生産ラインで同時に製造する方法があ
る。つまり裏、表両面別々のフィルムシートの間に、本
センサーインクプリント済みネーム材を設置、挿入しな
がら、三層を同時、連続的に張り合わせ、適宜、機械的
にその二方、三方、又は四方縁周りを熱融着、切断加工
する方法である。もちろん裏面シートは先に適宜な位
置、適宜な大きさに開口部を設けてあり、本張り合わ
せ、熱融着、切断加工の製造方法により、大幅なコスト
ダウンが可能になる。外気を遮断する無地無色透明の表
面シート層と、湿気の通る開口部を有する無色又は有色
の裏面シート層、その間に湿度センサーインク調合剤の
プリントネーム材を挿入、設置し、三層の同時張り合わ
せを行い、その二方、三方又は四方先端を適宜、高周波
電流により熱融着、切断加工する三層構造のカバー型ネ
ームは全く他に類を見ない発明である。

【発明の効果】本発明ネームは適宜な任意商品、特にそ
の含有湿気が使用上重要な意義をもつ商品に取り付ける
ことで、ひと目で商品の含有湿気が判別でき、その上、
「干してくだざい」というメッセージマークが浮き出る
仕組みであるため、従来商品を一層引き立てる副資材と
なり、一般商品を高機能化、高付加価値化するのに最適
な商品である。本発明ネームを構成する二層両面のポリ
ウレタン製シート状のカバーの耐ドライ洗濯性はきわめ
て良好で、洗濯後のタテ、ヨコ寸法の変化がなく、形状
変化が少ないので、商品本体の品位を低下させない副資
材となる。本発明は商品の含有湿気を色別、文字表示
し、使用する商品の快不快を可視的に識別するシステム
を備えているので、従来の商品イメージを飛躍的にレベ
ルアップするのに有効である。本発明は今後、あらゆる
分野、特に湿気を嫌う布団や毛布などの夜具類や、赤ん
坊のベビー商品類に多く活用され、他商品との明解な差
別化を促進する。また含有湿気が異常に高くなると、健
康にも悪く、快適生活を阻害するので、特に早い時期に
警告する必要があり、使用中の商品を天日、乾燥すると
いうメッセージ的役割を担う。本発明は季節、場所、使
用者により、湿気、日当り、発汗、通気条件が異なり、
千差万別の反応を示し、多彩に商品の含有湿気を感湿
し、変色、文字表出する仕組みである。本発明はより精
度の高い感湿センサーインクや、吸、放湿機能のすぐれ
たネーム用布材、及びそれらを完全に保護、管理、制御
する補助材の導入を含め、その構成要件、構造の改良
で、さらに正確な湿気情報を使用者に提示し、快適な生
活を提案する。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 感湿センサーインク調合剤をプリント加
   工し感湿皮膜部を有するネーム用布材と、それを挿入す
   るカバー材の両面二層にプラスチック樹脂製フィルムシ
   ートを用い、特に裏面シートは適宜な開口部を有し、本
   ネーム材の縁周りに当たる両面シート先端部を熱融着、
   切断加工するカバー状包装材で構成される三層構造の、
   任意の商品に取り付けるコンパクトな形状を特徴とする
   湿度センサー付き三層カバー型のネーム
2. 【請求項２】 ネーム用布材表面に感湿センサーインク
   調合剤をプリント加工し、次にそれを挿入するカバー材
   二層両面にプラスチック樹脂製フィルムシートを用い、
   特に裏面シート層は適宜な開口部を設け、本ネーム材の
   縁周りに当たる両面シート層の二方、三方又は四方先端
   部を熱融着、切断加工するカバー状包装材から構成され
   る三層構造の、任意の商品に取り付けるコンパクトな形
   状を特徴とする湿度センサー付き三層カバー型のネーム
   を製造する方法