JPH11159470A - 取り外し可能な生簀用ポンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な方法でモータおよびポンプを船尾梁に
接続された外装から取り外すことができるようにする。 【解決手段】 生簀用ポンプ６０は、第一の外装部分６
４と第二の外装部分６６をもつポンプ外装６２と、前記
第二の外装部分６４に取り付けられたポンプ用取水管７
０と、前記第一の外装部分に取り付けられたポンプ機構
２８と、掛け止め式の固定機構８０と、を有する。固定
機構８０は、第一の外装部分６４に位置した一対の第一
の固定部８０と、第二の外装部分６６に位置した第二の
固定部７６と、を含む。前記一対の第一の固定部８０の
各々は正反対の位置に備わり、第一の固定位置において
第一の固定部８０は第二の固定部７６と結合し、第二の
非固定位置において第一の固定部８０が第二の固定部７
６との結合から解放される。片手で第二の外装部分６６
を取り外せる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明はポンプに関し、特
に、釣り船に使用される生簀（いけす）タンク用の取り
外し可能なポンプに関する。

【０００２】

【従来の技術及びその課題】商用および趣味用の釣り船
は、通常、少なくとも一つの水タンクを積載しており、
このタンクに餌や釣り魚が保存される。そのような餌や
釣り魚は船が岸に戻るまで生きたままにしておく必要が
あるものである。ポンプが当該タンク中の水を循環さ
せ、それによって餌および魚は生きたまま保存される。
ポンプは、一般に船の喫水線より下に位置した取水管お
よびタンクに通じて延びた放水管を含む。排水管が水を
船外に放流し、タンク内の水位を適正に保つ。従来の生
簀用ポンプは船穀（boat hull）に直接取り付けられて
いた。ポンプ用取水管は船穀を貫通した孔に挿入されて
いた。取水管は、通常ポンプ外装部品の一部として一体
形に作製されていた。

【０００３】ポンプは淡水と海水とを循環させており、
しばしば屑が詰まって清掃の必要が生じる。さらに、個
々のポンプは一般に船穀貫通形の取り付け部品（throug
h-hull fitting）よりも頻繁に修理を必要とする。取水
管とポンブ外装とは一体品であるため、ポンプを取り外
して清掃や修理を行う場合、取水管もまた取り外す必要
がある。ポンプと取水管の両方を取り外すと、船穀に形
成された孔が露出する。したがって、ポンプを手入れす
る間、船を持ち上げるか、海から揚げるか、あるいは船
穀の孔を塞ぐ必要がある。船穀の孔を塞ぐことは困難で
ある。この理由は、多くの場合この孔は船体下部の目立
たない所にあって、物の出し入れと目視での確認が制約
されるためである。先行技術によるポンプの取り外し作
業は煩瑣であると共に効率が悪いものであった。

【０００４】米国特許第５，５３８，４０６号には取り
外し可能なカートリッジ型のポンプが開示されており、
このポンプでは一方の外装部に接続されたモータをもう
一方の外装部から取り外すことができる。このポンプ構
成では、差し込みピンまたはボルト接続を固定用掛け金
と併用して、該二つの外装部を一つに組み合わすように
なっている。その第一の実施形態（同公報の図１２）で
は、モータを取り外すために作業者は掛け金９１の脚９
４を押し下げて、モータ取り外し前にポンプのモータ部
１５を回転させる必要がある。第二の実施形態（同公報
の図１３および１４）では、掛け金１０５を外側に引っ
張ってモータ部１５を回転させるようになっている。第
三の実施形態（同公報の図１５）では、モータ部１５
は、外装１２のネジ山４５と噛み合う外ネジ山（extern
al threads）を用いて形成されるため、モータ部１５を
回転させながら取り外す必要がある。これらの回転動作
は煩雑なものであり、特に、掛け金９１および１０５の
動作を組み合わせた場合は煩雑である。

【０００５】先行技術において、簡単な方法で、モータ
およびポンプを船尾梁に接続された外装から取り外しで
きるようにする必要があった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の第１の目的は、
取水管から取り外すことができる着脱式の生簀用ポンプ
を提供することにある。

【０００７】本発明の第三の目的は、回転式速動嵌合式
留め具をもつ着脱式生簀用ポンプを提供することにあ
る。

【０００８】本発明の第三の目的は、片手で結合から解
放することのできる取り外し可能な生簀用ポンプを提供
することにある。

【０００９】上記の先行技術の問題点は本発明によりほ
ぼ解決され、本発明によって、分離が必要な機構を簡単
に取り外すことができる生簀用ポンプが提供される。

【００１０】簡単に説明すると、本発明に係る生簀用ポ
ンプは、第一および第二の外装部分をもつポンプ外装
と、前記第二の外装部分に取り付けられたポンプ用取水
管と、前記第一の外装部分に取り付けられたポンプ機構
と、前記第一の外装部分に位置した第一の固定部と前記
第二の外装部分に位置した第二の固定部とを含むスナッ
プ・フィッティング（掛け止め）方式の固定機構と、を
含む。望ましくは、前記各第一の固定部は正反対の位置
に設けられる。前記第一の固定部は、第一の固定位置と
第二の非固定位置の間を動くことができ、第一の固定位
置において該第一の固定部が第二の固定部と結合し、第
二の非固定位置において該第一の固定部が第二の固定部
との結合から解放される。一対の第一の固定部の各頂部
を径方向内側に動かすことによって、第一の固定部が第
一の固定位置から第二の非固定位置に移動する。第一の
外装部分と第二の外装部分との間に設置されたＯリング
がこれら外装部分間を封止し、ポンプ外装からの漏水を
防ぐ。

【００１１】

【発明の実施の形態】各図面において、同じ部品は同じ
参照数字で表されている。図１〜３に本発明によって作
製された生簀用ポンプ６０の好適な実施形態を示す。取
水管７０（図２）が、船底（図示せず）に取り付けられ
た船尾梁１２を貫通して伸張形成されている。取水管７
０はポンプ外装（ハウジング）６２に通じており、外装
６２はさらに可とう性のある送水管１６に通じている。
取水管７０は船の喫水線より下の位置で船尾梁１２に装
着される。ポンプ外装６２内にポンプ機構が収容され、
ポンプ機構は、ポンプ２８と、そのポンプ２８にエネル
ギ供給するモータ２６と、を含む。ポンプ２８は取水管
７０から水を吸い上げ、送水管１６から生餌用タンク
（図示せず）に送水する。排水管（図示せず）によって
タンクから溢れた水が海中に戻される。

【００１２】ポンプ外装６２は、外装蓋部６４、外装主
要部６６、および外装基台６８を含む。外装基台６８は
外装主要部６６にボルトで固定される。取水管７０は外
装基台６８と一体構造に形成される。また送水管１６は
外装主要部６６に接続される。外装蓋部６４は外装主要
部６６から取り外すことができる。外装蓋部６４を外装
主要部６６から取り外す時、モータ２６とポンプ２８
は、外装蓋部６４に取り付けられたままであり、取水管
７０と送水管１６は外装主要部６６に取り付けられたま
まである。外装蓋部６４には分離不能な電源コード１８
が取り付けられる。

【００１３】Ｏリング８８が外装蓋部６４と外装主要部
６６の間に設置される。Ｏリング８８が両部間を封止
し、ポンプ外装６２からの漏水を防ぐ。

【００１４】ポンプ外装６２はスナップ・フィッティン
グ（掛け止め）方式の固定機構８０を含む。この固定機
構は、外装蓋部６４に設けられた第一の固定部８０と、
外装主要部６６に設けられた第二の固定部７６と、を含
む。好適な実施形態において、第一の固定部８０は、回
転可能な一対の留め具８０からなり、第二の固定部は外
装主要部６６の周囲に形成されたフランジ７６からな
る。好適な実施形態において、一対の停止材７７がフラ
ンジ７６上に形成される。停止材７７が留め具８０のい
ずれか一つに当接することにより、外装蓋部６４の外装
主要部６６に対する回転が防止される。別の実施形態で
は、第二の停止材対７７を第一の停止材対７７と正反対
の位置に設置して第二の留め具８０に当接するようにさ
れる。

【００１５】一対の留め具８０の各々は正反対の位置に
設けられる。一対の回転式留め具８０の各々は、レバー
部８２とフック部８４とを含み、これらは共に転心８６
によって外装蓋部６４に接続される。レバー部８２とフ
ック部８４は外装蓋部６４と一体構造に形成される。フ
ック部８４はフランジ７６と結合し得る寸法にされる。
転心８６は、弾力性ヒンジなどの薄型プラスチック部材
からなる。

【００１６】外装蓋部６４を外装主要部６６に組み付け
るために、作業者はレバー部８２を外装蓋部６４に向け
て径方向内側に押さえる。留め具８０が転心８６を中心
にして回動し、これによりフック部８４が径方向外側に
動く。次いで作業者は外装蓋部６４を外装主要部６６の
方向に押して、Ｏリング８８を押さえ付ける。フック部
８４がフランジ７６から離れると、作業者はレバー部８
２を緩める。レバー部８２が緩まると留め具８０の固有
弾性力によってフック部８４が径方向内側に運動してフ
ランジ７６と係合し、図２および３に示すように外装蓋
部６４が外装主要部６６に固定される。

【００１７】外装蓋部６４を取り外す場合には、作業者
はレバー部８２を径方向内側に動かす。これにより留め
具８０が転心８６を中心にして回動し、フック部８４が
フランジ７６から解放される。外装蓋部６４が取り外さ
れると、作業者は取水管７０を栓で塞ぐ。外装蓋部６４
を取り外すことによりポンプ２８及びモータ２６が露出
し、その結果、作業者はあらゆる部品の修理、清掃およ
び交換を、送水管１６と取水管７０をポンプ外装に装着
したまま行うことができる。

【００１８】以上の説明および図面は本発明の好適な実
施形態の例を示したものであり、本発明はそれらに限定
されるものではない。特許請求の範囲内でのあらゆる本
発明の変形は本発明に含まれるものと考える。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明によって作製された着脱式生簀用ポン
プの側面図である。

【図２】 図１の生簀用ポンプのラインII−IIに沿った
断面図である。

【図３】 図２の生簀用ポンプ中の固定機構を示す拡大
図である。

【符号の説明】

１２ 船尾梁、１６ 送水管、６０ 生簀用ポンプ、６
２ ポンプ外装、６４外装蓋部、６６ 外装主要部、６
８ 外装基台、７０ 取水管、７６ フランジ、７７
停止材、８０ 回転式留め具、８２ レバー部、８４
フック部、８６ 転心、８８ Ｏリング。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジェームス テー バーリル アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 グ ローセスター シー フォックス レーン 10

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 第一の外装部分と第二の外装部分とから
   なるポンプ外装と、 前記第二の外装部分に取り付けられたポンプ用取水管
   と、 前記第一の外装部分に取り付けられたポンプ機構と、 前記第一の外装部分に位置した一対の第一の固定部と前
   記第二の外装部分に位置した第二の固定部とを有する掛
   け止め式の固定機構と、 を含み、 前記第一の固定部は互いに正反対の位置に設けられ、 前記第一の固定部は第一の固定位置と第二の非固定位置
   の間で可動であり、前記第一の固定位置において前記第
   一の固定部は前記第二の固定部と結合し、前記第二の非
   固定位置において前記第一の固定部が前記第二の固定部
   との結合から解放され、 前記各第一の固定部のレバー部を径方向内側に動かすこ
   とによって、前記第一の固定部が前記第一の固定位置か
   ら前記第二の非固定位置に移動することを特徴とする取
   り外し可能な生簀用ポンプ。
2. 【請求項２】 請求項１記載の生簀用ポンプにおいて、 前記第一の外装部分と前記第二の外装部分の間に設置さ
   れ、これら外装部分間を封止して前記ポンプ外装からの
   水漏れを防ぐＯリングを含むことを特徴とする取り外し
   可能な生簀用ポンプ。
3. 【請求項３】 請求項１記載の生簀用ポンプにおいて、 前記各第一の固定部は、前記レバー部とフック部とを有
   する回転式留め具を含み、 前記第二の固定部は、前記第二の外装部分の周囲に形成
   されたフランジと、前記フランジと前記第二の外装部分
   の間に形成され、前記フックを収容し得る寸法にされた
   窪みと、を含み、 前記フックは、前記第一の固定部が前記第一の固定位置
   に存在する時に前記窪み内に収容されることを特徴とす
   る取り外し可能な生簀用ポンプ。
4. 【請求項４】 請求項３記載の生簀用ポンプにおいて、
   前記回転可能な留め具が片手で前記第一の固定位置から
   前記第二の非固定位置に移動できるように構成されてい
   ることを特徴とする取り外し可能な生簀用ポンプ。
5. 【請求項５】 ポンプ外装から生簀用ポンプ機構を取り
   外す方法であって、 正反対の位置に備わる一対の留め具を片手で径方向内側
   に動かして、各留め具のフックを前記ポンプ外装の付近
   に形成された窪みから解放するステップと、 前記ポンプ外装の第一の部分に取り付けられた前記ポン
   プ機構を前記ポンプ外装の第二の部分から持ち上げるス
   テップと、 を含むことを特徴とする方法。