JPH11157495A - 移動物体の圧力吸収構造 - Google Patents

移動物体の圧力吸収構造

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JPH11157495A
JPH11157495A JP32407397A JP32407397A JPH11157495A JP H11157495 A JPH11157495 A JP H11157495A JP 32407397 A JP32407397 A JP 32407397A JP 32407397 A JP32407397 A JP 32407397A JP H11157495 A JPH11157495 A JP H11157495A
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pressure
absorbing structure
piston
cylinder
moving object
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JP32407397A
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Takashi Uesugi
隆司 上杉
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 移動する移動物体を取りまく環境による圧力
変化により生ずる応力を有効に吸収する移動物体の圧力
吸収構造を提供する。 【解決手段】 外方の圧力が地上の圧力とは異なる環境
下において、圧力変化に抗しうる耐圧壁14,23を有
して移動しうるように形成された移動物体10におい
て、上記耐圧壁14,23には、耐圧壁14,23に作
用する圧力を吸収しうる圧力吸収装置19が設けられて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動物体の圧力吸
収構造に係り、特に、外方の圧力が地上の圧力とは異な
る環境下において人間を収納し、圧力変化に抗しうる耐
圧壁を有して移動しうる移動物体の外方から又は内方か
ら作用する圧力の変化により生ずる応力集中に有効に対
応しうる移動物体の圧力吸収構造に関する。
【0002】
【従来技術】一般に、航空機が高高度に上昇した際には
気圧が下がるため、機体内部の圧力との気圧差が大きく
なり、機内圧の外気圧との調整を行わない場合には、機
内外の圧力差が極端に増大し、場合によっては機体が破
壊される場合がある。従って、このような事態を防止す
るために、航空機にはいわゆる与圧システムが採用され
ている。
【0003】即ち、このような与圧システムは、例え
ば、民間機にあっては、不特定多数の搭乗者が10,0
00メートルの高空を飛行したばあいであっても、高山
病等にかからないように機内高度を維持するように構成
され、一般の民間機の場合には、飛行中の機内高度は8
000ft(約2600m)に制限されている。このよ
うな与圧システムは、通常、エンジンコンプレッサの高
圧抽気を利用し、機内の空気調和用空気の機外への排出
量を制御することにより行われている。即ち、このよう
な与圧システムは、通常の運行中の与圧機能を果たす制
御機能と安全バルブとにより構成され、機体の使用目的
により様々な構成、構造がある。
【0004】このような与圧システムが装備された場合
であっても、例えば、軍用の戦闘機に関しては、一般の
民間機とは異なり、所定の高度まで所定時間内に上昇又
は下降する等の性能が要求され、かつ、複雑な飛行経路
を高速でたどる必要もあることから、与圧システムによ
る機内圧の調整が機外圧の変化に充分に対応して行われ
ず、機体に対して大きな気圧変化が作用する場合があ
る。また、民間機であっても緊急時等には非常に大きな
高度を短時間で上昇又は降下しなければならない場合も
ある。
【0005】このような場合には、与圧システムの作動
によっても、機体外の気圧の変化に充分に追随して機体
内の気圧変化を対応させることが不可能な場合があり、
このような気圧差により機体へ作用する応力が増大し、
機体に大きな負担がかかり、機体が破壊される可能性が
ある場合もあった。一方、潜水艦等においては、潜水時
に潜水深度が大きくなるにつれ、深度に応じた水圧が潜
水艦の艦体に作用する。従って、このような水圧に抗す
るため、一般に潜水艦には円筒状の圧力壁が、艦の軸方
向に沿って設けられている。このような圧力壁は基本的
に潜水艦の外郭を形成する単殻式のものや、この圧力壁
のさらに外方に別個の圧力壁を設けた複殻式のものがあ
る。
【0006】このような潜水艦にあっては、軍事目的で
使用されるため、所定時間内に所定の深度に至ることが
要求され、更に、軍事行動においては急速な潜行や急速
な浮上運動が行われる場合も多い。このような場合、艦
に急激な水圧が作用することにより大きな応力集中が発
生し、このような応力集中が発生した場合には、艦体に
大きな負担がかかる場合がある。
【0007】従って、このように大きな応力が発生した
場合には、圧力壁にも大きな応力が作用することにより
圧力壁に様々な歪みが生じ、経年変化により安全な潜行
に支障を来す虞もあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来の不具合に鑑みなされたものであって、請求項第1記
載の発明の技術的課題は、移動する移動物体を取りまく
環境による圧力変化により生ずる応力を有効に吸収する
移動物体の圧力吸収構造を提供することにある。また、
請求項2記載の発明の技術的課題は、請求項1記載の技
術的課題に加えて、移動物体に作用する圧力の変化をシ
リンダ及びピストンにより吸収する移動物体の圧力吸収
構造を提供することにある。
【0009】また、請求項3記載の発明の技術的課題
は、請求項1又は2記載の技術的課題に加えて、航空機
に作用する気圧の変化により生ずる機体へ作用する応力
の集中を有効に吸収する航空機の圧力吸収構造を提供す
ることにある。また、請求項4記載の発明の技術的課題
は、請求項1又は2記載の技術的課題に加えて、シリン
ダ及びピストンにより構成された圧力吸収装置により航
空機のに作用する気圧変化により発生する応力変化を有
効に吸収する圧力吸収構造を提供することにある。
【0010】また、請求項5記載の発明にあっては、請
求項1又は2記載の発明の技術的課題に加えて、潜水艦
に作用する水圧の変化により生ずる潜水艦へ作用する応
力の集中を有効に吸収する潜水艦の圧力吸収構造を提供
することにある。また、請求項6記載の発明にあって
は、請求項5記載の発明の技術的課題に加えて、複殻式
の構造の潜水艦に作用する水圧により発生する応力の集
中を有効に吸収する圧力吸収構造を提供することにあ
る。
【0011】また、請求項7記載の発明にあっては、請
求項5記載の発明の技術的課題に加えて、単殻式の構造
の潜水艦に作用する水圧により発生する応力の集中を有
効に吸収する圧力吸収構造を提供することにある。ま
た、請求項8記載の発明にあっては、請求項2,4,6
又は7記載の発明の技術的課題に加えて、大きな応力の
発生があった場合であっても、応力の集中を有効に吸収
することができる圧力吸収構造を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような技術的課題解
決のため、請求項1記載の発明にあっては、外方の圧力
が地上の圧力とは異なる環境下において、圧力変化に抗
しうる耐圧壁14,23を有して移動しうるように形成
された移動物体10,22,37において、上記耐圧壁
14,23には、耐圧壁14,23に作用する圧力を吸
収しうる圧力吸収装置19が設けられていることを特徴
とする。
【0013】従って、請求項1記載の発明にあっては、
当該移動物体10,22,37を取りまく圧力が地上の
圧力とは異なる圧力環境下に至った場合に発生する、移
動物体10,22,37の外方から移動物体10,2
2,37に作用する圧力又は、移動物体10,22,3
7内方から移動物体10,22,37の外壁13,24
に作用する圧力が耐圧壁14,23に作用し、当該耐圧
壁14,23が支持しきれない圧力が作用した場合であ
っても、当該圧力は上記圧力吸収装置に19吸収され
る。
【0014】その結果、請求項1記載の発明にあって
は、人間が搭乗した移動物体10,22,37が地上に
おける圧力とは異なる圧力環境下において移動物体1
0,22,37に外方又は内方から作用する圧力を有効
に吸収し、移動物体10,22,23を安全に運行させ
ることができる。請求項2記載の発明にあっては、上記
圧力吸収構造は、耐圧壁14,23又は移動物体10,
22,37のフレームを構成する構造材21,27に固
定されたシリンダ16,33と、このシリンダ16,3
3内に配設されると共に、耐圧壁14,23又は移動物
体10,22,37のフレームを構成する構造材21,
27に固定されたピストン17とを備え、上記ピストン
17に入力された応力をシリンダ16,33内に封入さ
れた流体の圧縮により吸収しうるように構成されている
ことを特徴とする。
【0015】従って、請求項2記載の発明にあっては、
耐圧壁14,23に圧力が作用した場合であっても、耐
圧壁14,23又は移動物体10,22,23のフレー
ムを構成する構造材21,27に固定されたシリンダ1
6,33と、このシリンダ16,33内に配設されると
共に、耐圧壁14,23又は移動物体10,22,23
のフレームを構成する構造材21,27に固定されたピ
ストン17とにより、シリンダ16,33内に封入され
た流体の圧縮により吸収するため、耐圧壁14,23に
固定されたピストン17に当該応力が入力され、当該ピ
ストン17がシリンダ16,33内をスライドして、シ
リンダ16,33内に封入された流体を押圧することに
より、流体が圧縮される際に応力が吸収される。
【0016】その結果、請求項2記載の発明にあって
は、耐圧壁14,23に、当該耐圧壁14,23が支持
しきれない圧力が作用した場合であっても、上記圧力吸
収装置19が耐圧壁14,23によっては吸収されなか
った圧力を有効に吸収し、移動物体10,22,23を
安全に運行させることができる。請求項3記載の発明に
あっては、上記圧力吸収構造は航空機10に適用され、
上記耐圧壁14の外側には圧力吸収装置19が配設され
ていることを特徴とする。 従って、請求項3記載の発
明にあっては、航空機10が急上昇又は急降下等の運動
を行い、急激な気圧の変化が起こった場合であっても、
上記耐圧壁14の外方には圧力吸収構造が設けられてい
るため、外気圧の変化に応じて機内の与圧室11内部の
空調用の空気の排出が充分に対応できず、機体外方へ向
けて作用する圧力が大きくなった場合であっても、当該
圧力の変動を有効に吸収することができる。
【0017】その結果、請求項3記載の発明にあって
は、航空機10が急激な上昇下降運動を行い急激な気圧
の変化があった場合であっても、機体に応力の集中が発
生した場合であっても、充分に対応して運行させること
ができる。請求項4記載の発明にあっては、上記耐圧壁
14の外方にはシリンダ16が固定されると共に、機体
外壁内方に設けられた構造材21にはピストン17が固
定され、上記シリンダ16及びピストン17により圧力
吸収装置19が構成されていることを特徴とする。
【0018】従って、請求項4記載の発明にあっては、
航空機10が急上昇又は急降下等の運動を行い、急激な
気圧の変化が起こった場合であっても、上記耐圧壁14
の外方に固定されたシリンダ16と、機体の外壁13内
方に設けられた構造材21に設けられたピストン17に
より構成される圧力吸収装置19が、上記耐圧壁14が
支持できない圧力が発生した場合であっても、当該圧力
を吸収することができるため、航空機が急激な高度の変
更、又は急激な運動を行った場合であっても、航空機1
0を安全に運行することができる。
【0019】請求項5記載の発明にあっては、上記圧力
吸収構造は潜水艦22,37に適用され、上記耐圧壁2
3の内側には圧力吸収装置19が配設されていることを
特徴とする。従って、請求項5記載の発明にあっては、
潜水艦22,37が軍事行動等において、急速な潜航又
は浮上動作を行い、艦に対して水圧の急激な変化により
大きな圧力変化が発生し、耐圧壁23が吸収しきれない
場合であっても、当該耐圧壁23内方に配設された圧力
吸収装置19により圧力が有効に吸収される。
【0020】その結果、請求項5記載の発明にあって
は、潜水艦22,37が急激な潜行や浮上動作を行い、
耐圧壁が支持しきれない圧力が耐圧壁23に作用した場
合であっても、上記圧力吸収装置19により有効に圧力
を吸収し、潜水艦22,37の安全な運行を可能にす
る。請求項6記載の発明にあっては、上記圧力吸収構造
は複殻式の構造を有する潜水艦22に適用され、耐圧壁
23内面部にはピストン34が固定されていると共に潜
水艦のフレームを構成する構造材27にはシリンダ33
が固定されていることを特徴とする。
【0021】従って、請求項6記載の発明にあっては、
複殻式の潜水艦22が軍事行動等において、急速な潜航
又は浮上動作を行い、艦に対して水圧の急激な変化によ
り大きな圧力変化が発生し、耐圧壁23が吸収しきれな
い場合であっても、当該耐圧壁23内方に配設された圧
力吸収装置19により圧力が有効に吸収される。その結
果、請求項6記載の発明にあっては、複殻式の潜水艦2
2が急激な潜行や浮上動作を行い、耐圧壁23が支持し
きれない圧力が耐圧壁23に作用した場合であっても、
上記圧力吸収装置19により有効に圧力を吸収し、複殻
式の潜水艦22の安全な運行を可能にする。
【0022】請求項7記載の発明にあっては、上記圧力
吸収構造は単殻式の構造を有する潜水艦37に適用さ
れ、耐圧壁23内面部にはピストン34が固定されてい
ると共に潜水艦のフレームを構成する構造材38にはシ
リンダ33が固定されていることを特徴とする。従っ
て、請求項7記載の発明にあっては、単殻式の潜水艦3
7が軍事行動等において、急速な潜航又は浮上動作を行
い、艦に対して水圧の急激な変化により大きな圧力変化
が発生し、耐圧壁23が吸収しきれない場合であって
も、当該耐圧壁23内方に配設された圧力吸収装置19
により圧力が有効に吸収される。
【0023】その結果、請求項7記載の発明にあって
は、単殻式の潜水艦37が急激な潜行や浮上動作を行
い、耐圧壁23が支持しきれない圧力が耐圧壁23に作
用した場合であっても、上記圧力吸収装置19により有
効に圧力を吸収し、単殻式の潜水艦37の安全な運行を
可能にする。請求項8記載の発明にあっては、上記ピス
トン34には、シリンダ33との間において伸縮しうる
コイルスプリング35が巻装して固定されていることを
特徴とする。
【0024】従って、請求項8記載の発明にあっては、
上記コイルスプリング35がピストン34が伸縮する際
にピストン34に対して付勢力を付与する。その結果、
請求項8記載の発明にあっては、大きな圧力が作用し、
大きな応力がピストン34に入力された場合であって
も、上記コイルスプリング35が有効に当該応力を吸収
することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に示す実施の形態
に基づき、本発明に係る移動物体の圧力吸収構造を説明
する。図1及び図2に示すように、本実施の形態に係る
移動物体の圧力吸収構造は航空機に適用された場合を示
す。
【0026】図1及び図2に示すように、本実施の形態
に係る航空機10は、例えば、軍用機であって乗員が搭
乗する部位は与圧室11が設けられている。この与圧室
11は適宜の構成の圧力調整装置により、外気圧に応じ
て室内圧が適宜に調整されるように構成されている。即
ち、上述のように、エンジンコンプレッサの高圧抽気を
利用して機内の空気調和用空気の機外への排出量を制御
することにより与圧室11内の空気圧を適宜調整するよ
うに構成されている。
【0027】そして、図2に示すように、機体12の外
壁13の内側に所定間隔をおいて与圧室11が設けられ
ているが、この与圧室11は円筒状に形成された耐圧壁
14により形成されている。そして、この耐圧壁14と
外壁13との間には、適宜の空隙23が形成され圧力吸
収装置15が設けられている。本実施の形態にあって
は、等角度をおいて配置された8機の圧力吸収装置19
からなり、これらの圧力吸収装置19は、エアが封入さ
れたシリンダ16と、このシリンダ16内に配設され、
上記エアを圧縮しうるように摺動するピストン17とを
有し、上記ピストン17にはシリンダ16の端部との間
にコイルスプリング20が巻装されている。
【0028】従って、この圧力吸収装置19は、ピスト
ン17に外部から圧力が入力された場合には、ピストン
17がシリンダ16内に封入されたエアを圧縮し、この
圧縮の際に外部から作用した圧力が吸収されるように構
成されている。更に、本実施の形態にあっては、コイル
スプリング20がピストン17とシリンダ16との間に
巻装されており、上記ピストン17の摺動抵抗を高める
ように構成されている。 即ち、上記耐圧壁14の外方
にはシリンダ16が固定され、このシリンダ16内には
流体が封入されると共にピストン17が内装されてい
る。このピストン17の先端部は固定部18を介して機
体外壁13の内方に配設され、上記機体外壁13の内方
に配設された構造材21に固定されており、上記シリン
ダ16の先端部とピストン17の固定部18との間には
コイルスプリング20が配設されている。
【0029】この圧力吸収装置19は機体12の軸方向
に沿って複数列配設されており、上記与圧室11は複数
列の圧力吸収装置19により機体外壁13内部に配設さ
れた構造材21に対して支持されると共に、適宜箇所に
おいて機体外壁13の構造材22に固定されている。従
って、本実施の形態にあっては、与圧室11は8個の圧
力吸収装置19により機体外壁13の構造材22に支持
固定されて設けられている。
【0030】以下、本実施の形態に係る圧力吸収構造の
作用について説明する。従って、本実施の形態にあって
は、上記与圧室11は圧力吸収装置19により支持され
て機体12内に設けられている。その結果、本実施の形
態に係る圧力吸収構造を備えた非常に高速で飛行可能な
航空機が例えば、急上昇又は急降下等の、短時間で高度
が大きく変化するような飛行をした場合には、与圧室1
1内に設けられている圧力吸収装置19により与圧室1
1内の空気調和空気がエンジンコンプレッサの高圧抽気
を利用して機外へ排出し与圧室11内の気圧が外気圧に
追随するように調整されるが、短時間での気圧の変化が
非常に大きい場合には、機内圧の調整が外気圧の変化に
追随できない場合がある。
【0031】このような場合には、機内圧が外気圧より
も大きくなり、与圧室11の耐圧壁14は機内圧により
外方へ膨張する。この場合、本実施の形態に係る航空機
には圧力吸収装置19が設けられているため、上記与圧
室11に機体外壁13方向へ放射状に作用する応力が作
用した場合であっても、上記圧力吸収装置19を構成す
るピストン17が、シリンダ16内に封入されたエアを
圧縮し、その際のピストン17に作用する摺動抵抗によ
り応力を吸収する。この場合、作用する応力が非常に大
きい場合には、上記シリンダ16とピストン17との間
に巻装されたコイルスプリング20が圧縮し、更に反発
力を強める。従って、上記コイルスプリング20及びエ
アの圧縮により上記応力が吸収される。
【0032】その結果、本実施の形態にあっては、上記
のように、与圧室11内の気圧と外気圧との差圧により
与圧室11の耐圧壁14が機外方向へ膨張して撓んだよ
うな場合であっても、上記圧力吸収装置19がその膨張
圧により耐圧壁14に作用する応力を吸収する。従っ
て、与圧室11の内圧による圧力変形を上記圧力吸収装
置19が吸収するため、膨張による機体外壁13に直接
の影響を及ぼすことがなく、機体破裂等の事態を有効に
防止することができる。
【0033】図4及び図5は本発明に係る圧力吸収構造
を潜水艦に適用した場合を示す。図4に示すように、本
実施の形態における潜水艦22は、いわゆる複殻式の潜
水艦であって、耐圧殻23の外側に更に艦の外壁を構成
する外殻板24が配設されている。上記外殻板24と耐
圧殻23との間の空隙25は、両舷のバラストタンク及
び燃料タンクとして形成され、これらのバラストタンク
及び燃料タンクは非耐圧部として構成されている。この
外殻板24の上方には上部構造部28が形成され、この
上部構造部28もまた非耐圧部として形成されている。
この上部構造部28の上方にはセイル26が立設されて
いる。
【0034】そして、上記耐圧殻23の内方には、適宜
の空隙31を介して潜水艦22の躯体を構成する断面円
形で円筒状に形成された構造材27がフレーム部29を
介して上記耐圧殻23に固定されて設けられている。こ
の構造材27内に様々な艦内施設が設けられている。上
記空隙31内において上記耐圧殻23と構造材27との
間に、等角度をおいて8機の圧力吸収装置32が設けら
れている。この圧力吸収装置32は、前記実施の形態の
場合と同様に、構造材27に固定され、エアが封入され
たシリンダ33と、このシリンダ33内に配設され、上
記エアを圧縮しうるように摺動するピストン34とを有
し、上記ピストン347にはシリンダ16の端部との間
にコイルスプリング35が巻装されている。
【0035】従って、この圧力吸収装置32は、ピスト
ン34に外部から圧力が入力された場合には、ピストン
34がシリンダ33内に封入されたエアを圧縮し、この
圧縮の際に外部から作用した圧力が吸収されるように構
成されている。更に、本実施の形態にあっては、コイル
スプリング35がピストン34とシリンダ33との間に
巻装されており、上記ピストン34の摺動抵抗を高める
ように構成されている。
【0036】即ち、上記耐圧殻23の内方にはピストン
34が固定部36介して固定され、また、上記構造材2
7の外方にはシリンダ33が固定され、このシリンダ3
3内には流体が封入されると共にピストン17が内装さ
れている。なお、上記耐圧殻23の外表面には複数のリ
ブ30が形成されている。本実施の形態に係る圧力吸収
構造の作用を説明する。
【0037】このように構成された潜水艦22にあって
は、例えば、軍事行動等において、急速な潜航や急速な
浮上を行うことにより、所定の深度を短時間で移動した
場合には、水圧が短時間で大幅に変化し、耐圧殻23に
作用する応力も短時間で大きく変化する。例えば、深深
度に至る急速な潜行行動を行った場合には、大きな圧力
が耐圧殻に作用し、耐圧殻は艦内方へ押圧される。この
場合、上記圧力吸収装置32を構成するピストン34が
シリンダ33内方へ縮退する。このピストン34の縮退
動作によりシリンダ33内のエアをピストン34が圧縮
することから、耐圧殻23に内方へ作用していた水圧に
よる応力は上記ピストン34の伸縮動作により吸収さ
れ、耐圧殻23の水圧による変形、破壊を有効に防止す
ることができる。
【0038】従って、本実施の形態にあっては、潜水艦
22が急速な潜航を行った場合であっても、安全に航行
することができる、という効果を奏する。なお、本実施
の形態にあっては、複殻式の構造の潜水艦22を例に説
明したが、上記実施の形態に限定されず、図5に示すよ
うに、単殻式の潜水艦37にも適用することができる。
【0039】このような単殻式の潜水艦37にあって
は、耐圧殻23の内側にリブ30が設けられている。そ
して、この耐圧殻の内側には所定の間隔をおいて、上記
実施の形態と同様の円筒状に形成された構造材38が配
設されている。そして、上記構造材38と耐圧殻23と
の間には上記実施の形態と同様の構造の圧力吸収装置3
2が配設されている。圧力吸収装置32の作用は前期実
施の形態の場合と同様である。
【0040】上記実施の形態にあっては、本発明に係る
圧力吸収構造を航空機及び潜水艦に適用した場合を例に
説明したが、上記実施の形態に限定されず、外方の圧力
が地上の圧力とは異なる環境下において、圧力変化に抗
しうる耐圧壁を有して移動しうるように形成された移動
物体であれば全て適用することができる。
【0041】
【発明の効果】請求項1記載の発明にあっては、移動す
る移動物体を取りまく環境による圧力変化により生ずる
応力を有効に吸収する移動物体の圧力吸収構造が提供さ
れる。また、請求項2記載の発明にあっては、請求項1
記載の効果に加えて、移動物体に作用する圧力の変化を
シリンダ及びピストンにより吸収する移動物体の圧力吸
収構造が提供される。
【0042】また、請求項3記載の発明にあっては、請
求項1又は2記載の効果に加えて、航空機に作用する気
圧の変化により生ずる機体へ作用する応力の集中を有効
に吸収する航空機の圧力吸収構造が提供される。また、
請求項4記載の発明にあっては、請求項1又は2記載の
発明の効果に加えて、シリンダ及びピストンにより構成
された圧力吸収装置により航空機のに作用する気圧変化
により発生する応力変化を有効に吸収する航空機の圧力
吸収構造が提供される。
【0043】また、請求項5記載の発明にあっては、請
求項1又は2記載の発明の効果に加えて、潜水艦に作用
する水圧の変化により生ずる潜水艦へ作用する応力の集
中を有効に吸収する潜水艦の圧力吸収構造が提供され
る。また、請求項6記載の発明にあっては、請求項5記
載の効果に加えて、複殻式の構造の潜水艦に作用する水
圧により発生する応力の集中を有効に吸収する潜水艦の
圧力吸収構造が提供される。
【0044】また、請求項7記載の発明にあっては、請
求項5記載の発明の効果に加えて、単殻式の構造の潜水
艦に作用する水圧により発生する応力の集中を有効に吸
収する潜水艦の圧力吸収構造が提供される。また、請求
項8記載の発明にあっては、請求項2,4,6又は7記
載の発明の効果に加えて、大きな応力の発生があった場
合であっても、応力の集中を有効に吸収することができ
る圧力吸収構造が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る圧力吸収構造の一実施の形態を
示し、航空機に適用した場合の与圧室の構造を示す分解
斜視図である。
【図2】 本発明に係る圧力吸収構造の一実施の形態を
示し、航空機に適用した場合の与圧室の構造を示す断面
図である。
【図3】 本発明に係る圧力吸収構造の一実施の形態を
示し、圧力吸収装置の構造を示す断面図である。
【図4】 本発明に係る圧力吸収構造の一実施の形態を
示し、複殻式の潜水艦に適用した場合の与圧室の構造を
示す断面図である。
【図5】 本発明に係る圧力吸収構造の一実施の形態を
示し、単殻式の潜水艦に適用した場合の与圧室の構造を
示す断面図である。
【符号の説明】
10 航空機 11 与圧室 12 機体 13 外壁 14 耐圧壁 15 圧力吸収構
造 16 シリンダ 17 ピストン 18 固定部 19 圧力吸収装
置 20 コイルスプリング 21 構造材 22 潜水艦 23 耐圧殻 24 外殻板 25 空隙 26 セイル 27 構造材 28 上部構造部 29 フレーム部 30 リブ 31 空隙 32 圧力吸収装置 33 シリンダ 34 ピストン 35 コイルスプ
リング 36 固定部 37 潜水艦 38 構造材

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外方の圧力が地上の圧力とは異なる環境
    下において、圧力変化に抗しうる耐圧壁を有して移動し
    うるように形成された移動物体において、上記耐圧壁に
    は、耐圧壁に作用する圧力を吸収しうる圧力吸収装置が
    設けられていることを特徴とする移動物体の圧力吸収構
    造。
  2. 【請求項2】 上記圧力吸収構造は、耐圧壁又は移動物
    体のフレームを構成する構造材に固定されたシリンダ
    と、このシリンダ内に配設されると共に、耐圧壁又は移
    動物体のフレームを構成する構造材に固定されたピスト
    ンとを備え、上記ピストンに入力された応力をシリンダ
    内に封入された流体の圧縮により吸収しうるように構成
    されていることを特徴とする請求項1記載の移動物体の
    圧力吸収構造。
  3. 【請求項3】 上記圧力吸収構造は航空機に適用され、
    上記耐圧壁の外側には圧力吸収機構が配設されているこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の移動物体の圧力吸
    収構造。
  4. 【請求項4】 上記耐圧壁の外方にはシリンダが固定さ
    れると共に、機体外壁内方に設けられた構造材にはピス
    トンが固定され、上記シリンダ及びピストンにより圧力
    吸収装置が構成されていることを特徴とする請求項3記
    載の移動物体の圧力吸収構造。
  5. 【請求項5】 上記圧力吸収構造は潜水艦に適用され、
    上記耐圧壁の内側には圧力吸収装置が配設されているこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の移動物体の圧力吸
    収構造。
  6. 【請求項6】 上記圧力吸収構造は複殻式の構造を有す
    る潜水艦に適用され、耐圧壁内面部にはピストンが固定
    されていると共に潜水艦の躯体を構成する構造材にはシ
    リンダが固定されていることを特徴とする請求項5記載
    の移動物体の圧力吸収構造。
  7. 【請求項7】 上記圧力吸収構造は単殻式の構造を有す
    る潜水艦に適用され、耐圧壁内面部にはピストンが固定
    されていると共に潜水艦のフレームを構成する構造材に
    はシリンダが固定されていることを特徴とする請求項5
    記載の移動物体の圧力吸収構造。
  8. 【請求項8】 上記ピストンには、シリンダとの間にお
    いて伸縮しうるコイルスプリングが巻装して固定されて
    いることを特徴とする請求項2,4,6又は7記載の移
    動物体の圧力吸収構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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