JPH11155781A - 電気掃除機用吸込具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 掃除機本体の吸引力が変化しても、通風路の
噴出口から噴出される衝突風の風速を一定に保つ。 【解決手段】 連通管２を介して掃除機本体と接続する
吸込具本体１と、吸込具本体の底面に形成され連通管と
連通する吸込口４と、吸込口の近傍に配置され、上部に
空気取入口６ａを有し清掃面側に噴出口６ｂを有する通
風路６とを備える電気掃除機用吸込具において、噴出口
の開口面積を変更する手段20を設けた。さらに、噴出口
の開口面積の変更は、掃除機本体の吸込流量の変化に応
動して自動的になされるように構成20,22〜27されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電気掃除機の吸込
具に係わり、特に床面に風を吹き付ける開口を備えた電
気掃除機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、ゴミの吸込性能を上げる目的
で、吸込具における吸込風流を床面に衝突させ、ゴミを
掻き上げる方法がある。

【０００３】図１１、図１２及び図１３は例えば特開昭
５４ー１５８０６６号公報に開示されている従来の電気
掃除機用吸込具の例を示すものであり、図１１は断面
図、図１２は正面図、図１３は底面図である。図１４は
吸込具を電気掃除機本体に接続した状態を示す斜視図で
ある。図において、１は吸込具本体であり、電気掃除機
本体１２とホース１３、パイプ１４を介して接続される
連通管２が止め具３により回転自在に取り付けられてい
る。１０は吸込部本体前方に設けたそり部であり、中央
に開口部（吸込口）４を有し、吸込口４の左右には長溝
の吸込通路５が設けられている。６は吸込口４及び吸込
通路５の前方に貫通したスリット状の通風路６であり、
吸込具本体１の長手方向に数個独立して設けられてい
る。また、通風路６は、吸込口４の中央部長手方向両端
に至るに従いその孔面積が大きくなっている。

【０００４】７は吸込具本体１の外周に設けられた緩衝
材のバンパー、８は吸込具本体１の底面の左右に設けら
れたローラーである。９は吸込口４の後方に設けた植毛
であり、掃除の時、吸込具本体１の裏面が床面と接触し
てキズ付けることを防いでいる。

【０００５】上記の構成にて床面の掃除を行うとスリッ
ト状の通風路６及びそり部１０下面から流入した空気流
が合流し床面の深部等へ衝突する。この気流によりゴミ
を掻き上げながら吸込するので、掃除能力を向上させる
ことができる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記のように構成され
た従来の電気掃除機用吸込具においては、吸込具本体１
に入り込む吸込風を吸込具本体１に形成した通風路６に
より床面に衝突させて床面にあるゴミをその衝突風にて
掻き上げ吸塵性能を上げようとしている。しかしなが
ら、毛足が長いために吸込具本体１が吸い付くじゅうた
んや床面では、吸込具本体１を床面やじゅうたんに沿っ
て移動する際に操作荷重が大きくなるため掃除機本体の
吸引力を抑え吸込流量を減らす制御をおこなう。そのた
め、吸込口４を通過する吸込風量が減り、それに伴い通
風路６を通過する風量も減少する。通風路６を通過する
風量が減少すると、衝突風の風速が低下し、そのため、
衝突風による十分な掻き上げ吸塵性能が得られなくなる
という問題点があった。

【０００７】本発明は上記のような従来のものの問題点
を解消するためになされたものであり、掃除機本体の吸
引力が変化して吸込流量が変化しても、通風路を通過し
て噴出口から噴出される衝突風の風速を一定に保つこと
ができるような電気掃除機用吸込具を提供しようとする
ものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】第１の発明による電気掃
除機用吸込具は、連通管を介して掃除機本体と接続する
吸込具本体と、前記吸込具本体の底面に形成され前記連
通管と連通する吸込口と、前記吸込口の近傍に配置さ
れ、上部に空気取入口を有し清掃面側に噴出口を有する
通風路とを備える電気掃除機用吸込具において、前記噴
出口の開口面積を変更する手段を設けたものである。

【０００９】第２の発明による電気掃除機用吸込具は、
前記第１の発明において、前記噴出口の開口面積の変更
は、掃除機本体の吸込流量の変化に応動して自動的にな
されるように構成されているものである。

【００１０】

【発明の実施の形態】実施の形態１．図１は本発明の実
施の形態１による電気掃除機用吸込具の内部構造を示す
側方からの断面図、図２は正面図、図３は下面図であ
る。

【００１１】図において、１５は吸込具本体１の上ケー
ス、１６は下ケースである。１７は吸込具本体１内部の
長手方向中央部に設けた仕切壁であり、前方が吸込室１
８となっている。下ケース１６の吸込室１８には、吸込
口４が形成されている。７は吸込具本体１の外周部に配
置されたバンパーであり、壁、家具などにぶつかった際
に傷を付けないように軟質材料により形成されている。
６は通風路であり、本実施の形態ではバンパー７と一体
的に形成されている。６ａは通風路６の吸込具本体１上
面側に形成された空気取入口、６ｂは清掃面側に設けた
噴出口である。１９は起毛布を外周に接着した起毛布ロ
ーラーであり、吸込口４の後方に配設されている。起毛
布ローラー１９の軸受け部には回転を規制するトルクリ
ミッターが内蔵されており板床の時には吸込具本体１の
移動速度よりもゆっくり回転して拭き機能が得られるよ
うになっている。なお、吸込具本体１の略中央部には従
来例同様、掃除機本体１２とホース１３、パイプ１４を
介して接続される連通管２が設置されている。

【００１２】通風路６は、図１、図２、図３に示すよう
に吸込具本体１の長手方向に複数個設けられており、吸
込具本体１の前側に床面に対して垂直に形成されてい
る。本実施の形態では、この通風路６は軟質材料による
バンパー７と一体で形成されており、その横断面形状は
円、四角、長穴等のいかなる形状でもよい。また、各通
風路６は独立した形状でも複数個が合体した形状になっ
ていてもよく、本実施の形態ではスリット状の長穴に複
数の仕切リブ６０を設けて複数個が合体した形状の通風
路６としている。

【００１３】２０は通風路噴出口６ｂの開口面積を変更
する開閉弁であり、本実施の形態では下ケース１６のバ
ンパー７取付部に設置され、例えばレバー操作等により
通風路６の横断面方向にスライド移動して噴出口６ｂの
開口面積を変更できるように構成されている。

【００１４】このように構成されたものにおいて、掃除
機本体の吸引動作に伴い、吸込具本体１の吸込口４より
床面のゴミとともに周辺空気を吸い込む。その時に吸込
具本体１前側にある通風路６においても吸込口から周辺
空気が吸引され、通風路に導かれた後、噴出口６ｂから
噴出して床面へ衝突し連通管２へ流れ込む。

【００１５】この通風路６を通過し床面へ衝突する風に
よりゴミが掻き上げられるので、じゅうたんや溝を有す
る床面等では、吸込口４周辺から風を吸い込むだけの吸
込具よりゴミの吸塵性能を高めることができる。

【００１６】しかしながら、毛足が長いために吸込具が
吸い付くじゅうたんや床面では、吸込具を床面やじゅう
たんに沿って移動する操作荷重が大きくなるため掃除機
本体の吸引力が抑えられる。このとき通風路噴出口６ｂ
の開口面積が一定であれば、吸込流量が減少すため衝突
風の流速が低下する。そこで、このような条件下におい
ては、開閉弁２０を噴出口６ｂの横断面方向に移動し、
掃除機本体の吸込流量に対応して噴出口６ｂの開口面積
を調整し、開口面積を絞り込んで衝突風の風速を一定に
保持する。これにより、ゴミの掻き上げに必要な衝突風
の風速を確保でき、掃除機本体の吸引力を低下させても
十分な吸塵性能を確保することができる。

【００１７】実施の形態２．本実施の形態は実施の形態
１の機能を別形状で実現したものであり、図４は本発明
の実施の形態２による電気掃除機用吸込具の内部構造を
示す側方からの断面図、図５は下面図である。

【００１８】本実施の形態による電気掃除機用吸込具
は、図１で示した前後にスライド移動する開閉弁２０の
代わりに、図４及び図５で示すように下ケース１６のバ
ンパー７取付部に突起部２１を設け、一点鎖線で示すよ
うにバンパー７を下ケース１６への取付溝に沿ってスラ
イド移動させることにより、通風路噴出口６ｂの開口面
積を変更するように構成している。なお、バンパー７の
移動は例えば実施の形態１の場合と同様にレバー操作等
により行う。

【００１９】実施の形態３．図６及び図７は実施の形態
２の別形状として、突起部２１をバンパー７に設けたも
のである。この場合にも、バンパー７を前後に移動させ
ることにより通風路噴出口６ｂの開口面積を変化させゴ
ミの掻き上げに必要な衝突風の風速を確保できる。

【００２０】実施の形態４．なお、上記各実施の形態で
は開閉弁２０や突起部２１の先端形状が半円形状である
場合について示したが、これに限るものではなく、例え
ば図８（ａ）や（ｂ）に示したような形状であってもよ
く、このような形状とすることにより、開閉弁２０や突
起部２１によって形成される通風路６の横断面積が噴出
口６ｂに向かって徐々に狭まるので、より安定した衝突
風が得られる。なお、図８（ｃ）に示すように開閉弁２
０や突起部２１の先端形状を半円形状とし、対向する通
風路６側面を開閉弁２０や突起部２１の方に徐々に近づ
くように曲げても同様の効果が得られる。

【００２１】実施の形態５．上記各実施の形態では、開
閉弁２０やバンパー７の移動は、例えばレバー操作等に
より使用者が掃除する場所に応じて適宜手動で行うもの
であったが、掃除機本体の吸込流量の変化に応動して自
動的に移動するようにした場合を以下に示す。図９は本
発明の実施の形態４に係わる電気掃除機用吸込具の内部
構造を一部断面で示す斜視図である。

【００２２】本実施の形態は、実施の形態１に対して、
掃除機本体の吸込流量の変化に応動して通風路噴出口６
ｂの開口面積を自動的に変更するための可変機構部を設
けたものである。可変機構部は、吸込口４に突出して設
けられ、吸込風を受けるフィン２４と、このフィン２４
と一体化したリンク２３、長穴２２を有する開閉弁２０
およびスプリング２７で構成されている。リンク２３は
支点Ａ２５によって下ケース１６に回動可能に保持され
ている。開閉弁２０は支点Ｂ２６を介してリンク２３に
連結されている。ここで支点Ｂ２６は長穴２２を介して
開閉弁２０に連接されているため支点Ｂ２６はこの長穴
２２に沿って移動でき、リンク２３の回動を開閉弁２０
の通風路６横断面方向（図中左右方向）への移動に変換
することができる。

【００２３】フィン２４の吸引風に対する投影面積やス
プリング２７の展張力は、スプリング２７の展張力よ
り、最大の吸引力をフィン２４が受け開閉弁２０を移動
させる力のほうが優るように調整している。このため、
本実施の形態の電気掃除機用吸込具を、掃除機本体の吸
引力を最大の状態で使用すると、図中一点鎖線で示すよ
うに、フィン２４と一体化したリンク２３は吸込風の風
圧と吸込口４の高さ方向の静圧差によって上に偏向す
る。この動作にともないリンク２３と支点Ｂ２６および
長穴２２で連結されている開閉弁２０が通風路６の横断
面方向（図中右方向）に移動して、通風路噴出口６ｂの
開口面積が拡大する。一方、掃除機本体の吸引力に制御
をかけると吸込風の流量が減少しフィン２４への吸込風
による風圧および吸込口４の高さ方向の静圧差が減少す
る。そのため上方に移動していたフィン２４が、スプリ
ング２７と吸引流がフィン２４へ与える風圧とが釣り合
う位置まで下がり、フィン２４に連結したリンク２３は
スプリング２７により水平位置に移動する。この動作に
よりリンク２３と支点Ｂ２６および長穴２２で連結され
ている開閉弁２０が前方（図中左）に移動して、通風路
噴出口６ｂの開口面積が縮小する。これらの動作によ
り、吸込流量に対応して通風路噴出口６ｂの開口面積を
自動的に調整し、噴出口６ｂより噴出される衝突風の風
速を一定に制御することが可能となる。

【００２４】実施の形態６．なお、上記の実施の形態５
では、噴出口６ｂの開口面積を自動的に可変させるため
に下ケース１６の内部に可変機構部を設けたが、図１０
に断面図で示すような蝶番型の開閉弁２８とスプリング
２７を設けることにより同様の効果が得られる。

【００２５】開閉弁２８の吸引風に対する投影面積やス
プリング２７の展張力は、最大の吸引力を開閉弁２８が
受けスプリング２７を圧縮する力のほうがスプリング２
７の展張力よりも優るように調整している。このため、
本実施の形態の電気掃除機用吸込具は、掃除機本体の吸
引力を制御しない状態で使用すると開閉弁２８に吸込風
を受け、開閉弁２８の受ける吸込風の風圧とスプリング
２７の展張力が釣り合う位置まで支点Ｃ２９を中心に開
閉弁２８が後方に回動する。この動作により通風路噴出
口６ｂの開口面積が拡大する。一方、掃除機本体の吸引
力に制御をかけると吸込風の流量が減少し、開閉弁２８
が受ける風圧が減少するため、後方に移動していた開閉
弁２８はスプリング２７の展張力により、開閉弁２８の
受ける吸込風の風圧とスプリング２７の展張力とが釣り
合う位置まで前方に押し出され、噴出口６ｂの開口面積
が縮小する。

【００２６】なお、上記各実施の形態では通風路６がバ
ンパー７と一体的に形成された場合について示したが、
これに限るものではなく、例えば下ケース１６の前方等
他の場所に設けられてもよい。

【００２７】

【発明の効果】以上のように、第１の発明によれば、連
通管を介して掃除機本体と接続する吸込具本体と、前記
吸込具本体の底面に形成され前記連通管と連通する吸込
口と、前記吸込口の近傍に配置され、上部に空気取入口
を有し清掃面側に噴出口を有する通風路とを備える電気
掃除機用吸込具において、前記噴出口の開口面積を変更
する手段を設けたので、掃除機本体の吸引力が変化して
吸込流量が変化しても、通風路噴出口から噴出される衝
突風の風速を一定に制御することが可能となり、掃除能
力を更に向上できる。

【００２８】また、第２の発明によれば、前記噴出口の
開口面積の変更は、掃除機本体の吸込流量の変化に応動
して自動的になされるように構成されているので、自動
で衝突風の風速低下を防止することができるため、安定
した掃除能力が確保できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施の形態１による電気掃除機用吸
込具の内部構造を示す側方からの断面図である。

【図２】 本発明の実施の形態１による電気掃除機用吸
込具を示す正面図である。

【図３】 本発明の実施の形態１による電気掃除機用吸
込具を示す下面図である。

【図４】 本発明の実施の形態２による電気掃除機用吸
込具の内部構造を示す側方からの断面図である。

【図５】 本発明の実施の形態２による電気掃除機用吸
込具を示す下面図である。

【図６】 本発明の実施の形態３による電気掃除機用吸
込具の内部構造を示す側方からの断面図である。

【図７】 本発明の実施の形態３による電気掃除機用吸
込具を示す下面図である。

【図８】 本発明の実施の形態４による電気掃除機用吸
込具の要部を示す側面図である。

【図９】 本発明の実施の形態５による電気掃除機用吸
込具の要部の内部構造を一部断面で示す斜視図である。

【図１０】 本発明の実施の形態６による電気掃除機用
吸込具の要部の内部構造を示す側方からの断面図であ
る。

【図１１】 従来の電気掃除機用吸込具の内部構造を示
す側方からの断面図である。

【図１２】 従来の電気掃除機用吸込具を示す正面図で
ある。

【図１３】 従来の電気掃除機用吸込具を示す下面図で
ある。

【図１４】 従来の電気掃除機用吸込具を電気掃除機本
体に接続した状態を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 吸込具本体、 ２ 連通管、 ４ 吸込口、 ６
通風路、 ６ａ 空気取入口、 ６ｂ 噴出口、 ７
バンパー、 ８ ローラー、 ９ 植毛、 １０ そり
部、 １２ 掃除機本体、 １３ ホース、 １４ パ
イプ、 １５上ケース、 １６ 下ケース、 １７ 仕
切壁、 １８ 吸込室、 １９ 起毛布ローラー、 ２
０，２８ 開閉弁、 ２１ 突起部、 ２２ 長穴、
２３リンク、 ２４ フィン、 ２５ 支点Ａ、 ２６
支点Ｂ、 ２７ スプリング、 ２９ 支点Ｃ、 ６
０ 仕切リブ。

フロントページの続き (72)発明者 馬場 正博 埼玉県大里郡花園町大字小前田1728番地１ 三菱電機ホーム機器株式会社内 (72)発明者 八木田 清 東京都千代田区丸の内二丁目２番３号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 古藤 悟 東京都千代田区丸の内二丁目２番３号 三 菱電機株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 連通管を介して掃除機本体と接続する吸
   込具本体と、前記吸込具本体の底面に形成され前記連通
   管と連通する吸込口と、前記吸込口の近傍に配置され、
   上部に空気取入口を有し清掃面側に噴出口を有する通風
   路とを備える電気掃除機用吸込具において、前記噴出口
   の開口面積を変更する手段を設けたことを特徴とする電
   気掃除機用吸込具。
2. 【請求項２】 前記噴出口の開口面積の変更は、掃除機
   本体の吸込流量の変化に応動して自動的になされるよう
   に構成されていることを特徴とする請求項１記載の電気
   掃除機用吸込具。