JPH11155567A - 核酸精製用酸化ジルコニウム及び類縁化合物 - Google Patents

核酸精製用酸化ジルコニウム及び類縁化合物

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JPH11155567A
JPH11155567A JP10235176A JP23517698A JPH11155567A JP H11155567 A JPH11155567 A JP H11155567A JP 10235176 A JP10235176 A JP 10235176A JP 23517698 A JP23517698 A JP 23517698A JP H11155567 A JPH11155567 A JP H11155567A
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nucleic acids
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JP10235176A
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Daniel L Woodard
ダニエル・エル・ウッダード
Wayne F Beyer Jr
ウェイン・エフ・バイヤー,ジュニア
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Becton Dickinson and Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より効果的で効率的な核酸精製の技術を提供
することを目的とする。 【解決手段】 本発明は核酸を結合する特定の組成物に
関する。前記組成物は試料から核酸を精製する方法にお
いて有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】関連出願及び特許 本出願は1996年9月25日出願の米国特許出願番号
第08/719,603の一部継続出願である。本発明
は概して固相抽出法による核酸の精製に関し、更に詳し
くは、適当な条件下で核酸を結合及び溶出可能な酸化ジ
ルコニウム及び関連表面材に関する。
【0002】
【従来の技術】分子生物学においては、高純度二本鎖
(ds)プラスミドDNA,一本鎖(ss)ファージD
NA,染色体DNA,アガロースゲル精製DNAフラグ
メント及びRNAの生成及び精製は非常に重要である。
理想的には、核酸の精製方法は簡潔で、迅速でかつ、追
加される試料操作がたとえあったとしても少ないのが望
ましい。このような方法で得られた核酸はすぐにも転
換、制限分析、ライゲーション(ligation)、塩基配列
の決定に付すことが可能である。核酸試料の生成を自動
化において、このような特徴を備えた方法があれば非常
に魅力的だし、研究診断施設の一つの目標でもある。
【0003】通常、プラスミドDNAを粗アルコール析
出物から生成するには手間がかかり、CsCl勾配、ゲ
ル濾過、イオン交換クロマトグラフィー、又はリボヌク
レアーゼ、プロテイナーゼK及びアルコール析出工程の
繰り返しを利用することが多い。これらの方法はCsC
l及び他の塩、臭化エチジウム及びアルコールを除去す
るためにかなり下流での試料操作を必要とする。DNA
フラグメントの精製にこれらの内のいずれかを用いた場
合も、同様のことがいえる。これらの方法はさらに、微
少な陰電荷細胞成分がDNAと同時に精製されるという
問題を有する。その結果DNAは望ましくない量の汚染
を含んでしまう。
【0004】核酸はまた、固相を用いても精製可能であ
る。従来の固相抽出技術に用いられていた表面材は、
(1)表面材が、核酸分子を溶出中に容易に回収できる
ように設計されているために、十分な量の核酸分子を吸
着保持することができない、或いは(2)表面材に核酸
分子が過剰に接着するので、溶出中の核酸分子の回収に
手間取るという欠点を有していた。固相抽出に用いられ
てこのような問題を起こす従来の金属表面材としては、
例えばガラス、セライト等のシリカ表面材が挙げられ
る。核酸とこのような表面材を十分に結合させるには、
通常、毒性を有し、腐食性で、及び/又は高価であるカ
オトロープやアルコールを高濃度で用いるしかなかっ
た。例えば、DNAはカオトロープの存在下で破砕粉末
ガラスやガラス繊維フィルターと結合することが知られ
ている。通常カオトロピックイオンはアルコールで洗い
落とされ、DNAは低塩溶液又は水で溶出する。重要な
ことは、RNAと蛋白質は結合しないことである。しか
し、破砕粉末ガラスを用いる難点は、その結合能力が低
いことにある。更に、粉末ガラスは回収率が一定せず、
ほう酸塩緩衝液と相溶性がなく、大きいDNAに傷をつ
けやすいという欠点を有することが多い。同様にガラス
繊維フィルターは、非多孔質表面材であり、DNAとの
結合能力が低い。シリカゲル、ガラスビーズ等の他のシ
リカはDNA結合及び回収に適していない。現在DNA
の固相抽出に選択使用される固相としては、Bio−R
ad研究所の“Prep-A-Gene"(商標)のようなセライト
である。破砕粉末ガラスに関して言えば、DNAをセラ
イトに十分に結合させるためには、高濃度のカオトロー
プが必要である。
【0005】DNAの精製法にはいろいろなプロトコル
があるが、例えば、米国特許第4,923,978号に
は、蛋白質とDNAの溶液をヒドロキシル化した支持体
上を通過させて、この蛋白質を結合させ、DNAを溶出
させるDNAの精製方法が開示されている。米国特許第
4,935,342号には、DNAを陰イオン交換体に
選択的に結合させ、次に溶出させてDNAを精製する方
法が開示されている。米国特許第4,946,952号
には、水溶性ケトンと析出させてDNAを単離する方法
が開示されている。更に、カオトロープ及び透析DNA
を用いたDNAの精製方法が米国特許第4,900,6
77号に開示されている。
【0006】Boom他による米国特許第5,234,
809号及びLittle他による米国特許第5,07
5,430号に示されたように、核酸の精製に珪藻も用
いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、より効果的
で効率的な核酸精製の技術を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】より効果的で効率的な核
酸精製の技術を提供するために、本発明は酸化ジルコニ
ウム組成物に関する。この組成物は酸化ジルコニウムを
水酸化ナトリウムで還流することにより変性しても良
い。この酸化ジルコニウム組成物は他の細胞成分から核
酸を精製するのに非常に有用である。このような核酸精
製方法における有用性が判明した他の類縁組成物として
は、酸化ハフニウム及び酸化アルミニウムがある。これ
らすべての金属酸化物組成物は水和物、非水和物にかか
わらず核酸精製に有用である。このような核酸精製方法
は、酸化ジルコニウム又は他の類縁組成物を細胞成分を
含む試料に暴露し、次にこの試料から前記組成物を分離
することからなる。試料中の核酸は酸化ジルコニウム又
は類縁組成物に結合しており、適当な溶出緩衝液で溶出
することにより回収可能である。本発明の酸化ジルコニ
ウム又は類縁組成物を核酸の精製方法に用いる場合、キ
ット状に梱包しやすいように、粒状またはビーズ状であ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は新規組成物に関する。こ
の組成物としては、核酸と結合する、酸化ジルコニウム
組成物、酸化ハフニウム組成物及び酸化アルミニウム組
成物が挙げられる。これらの組成物に結合した核酸は組
成物から溶出する。本発明の組成物は例えば酸化ジルコ
ニウム、酸化ハフニウム又は酸化アルミニウムのような
出発物質を適当なアルカリ物質例えば水酸化ナトリウム
で還流することにより変性したものでもよい。還流反応
への使用に適した出発物質は、粒状又はペレット状で色
々な所から市販されているが、いずれの形状の出発物質
も本発明の組成物の水和物を生成する還流反応に適して
いる。
【0010】出発物質の還流は適当なアルカリ物質を用
いて行われる。この物質は、得られる本発明の水和組成
物が十分に電気的に陽性となることに貢献する組成物で
ある。つまり、得られた組成物が十分に電気的に陽性で
あれば、相対的に電気的に陰性である核酸と結合するか
らである。大部分の強塩基の水溶液が出発物質を還流さ
せて、本発明の水和組成物を生成するのに適したアルカ
リ物質であろう。このようなアルカリ物質としては、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化物イオンを生
じる他の塩基等が挙げられる。
【0011】結合した核酸は後続する反応に付される
が、その反応により、どのアルカリ物質が好ましいか決
まる。例えば、ナトリウムイオンは鎖置換増幅(“SD
A”)反応を阻止すると考えられているので、水和珪酸
ジルコニウム組成物に結合した核酸がSDAにより増幅
される場合は水酸化ナトリウム以外の水酸化物イオン供
与体例えば水酸化カリウムが好ましい。還流反応で用い
られるアルカリ物質の量は、反応に用いられる出発材料
の量に対して、通常約0.1M当量から約5M当量であ
る。本発明の水和組成物を生成するための還流反応は、
通常約100℃(還流温度)で約18から96時間行わ
れる。得られた水和組成物は、還流後、任意に濾過さ
れ、硫酸又は塩酸等の水性の酸で洗浄される。還流後
に、前記の水性の酸で水和組成物の還流懸濁液を酸化し
てpHを6.0以下にし、濾過し、適当な洗浄緩衝液例
えば水及び/又はアセトンで洗浄してもよい。
【0012】上述の還流反応で生成された水和組成物は
核酸と結合する。核酸の結合が起きる少なくとも一つの
理由としてあげられるのは電気的に陽性の水和組成物が
電気的に陰性の核酸に引き付けられるためである。即
ち、陽電荷原子、例えばHfO 2 のHf4+、ZrO2
Zr4+、Al2 3 のAl3+が水和組成物に十分な電気
的陽性を供給しそれにより、核酸の陰電荷リン酸塩と相
互作用がおこり結合するのである。
【0013】下記の実施例で詳細に述べるように、本発
明の未水和組成物と同様に水和組成物の核酸結合能力
は、純粋な(即ち非標的核酸を含まない)試料からある
特定の条件下で表面材に結合する核酸の比率により求め
られる。通常核酸を精製するための試料は少量であるの
で、結合した核酸の比率は少量の(即ち2.5mg)水
和又は非水和組成物、及び核酸が精製される典型的試料
の通常の核酸総量(即ち約104 標的核酸分子)に基づ
いたものである。試料から核酸を精製する方法において
有用であるためには、約104 標的核酸コピーを含む試
料中に約2.5mg存在する核酸結合用組成物は、少な
くともこの標的核酸コピーの約85%と結合しなくては
ならない。下記の実施例に示した様に、本発明の水和及
び非水和組成物はこの要件にかなっている。
【0014】本発明の組成物に結合する核酸としては、
DNA、RNAが挙げられ、例えば粗細胞抽出物、生体
液、ファージ上澄み液、アガロースゲル、放射性同位元
素標識反応から得られたものなどが挙げられるがそれら
に限定されずいずれから得られたものでもよい。核酸特
にDNAは、二本鎖、一本鎖、環状、直線状いずれでも
よく、大きさも可変である。核酸を得るための従来の方
法は、公知のものだが、核酸を生成するために用いられ
るもので、この方法で生成したあと精製される。つま
り、核酸を得るための代表的な工程は、溶液に核酸を懸
濁して終わる。生体試料から核酸を分離する方法は、Ha
rding, J.D. 他、"Nucleic Acids Research (核酸研
究)", 17:6947 (1989) 及び、Marko, M.A. 他, "Analy
tical Biochemistry(分析生化学)", 121:382 (1982)
が参照される。プラスミドDNAの分離方法について
は、Lutze, L.H. 他、"Nucleic Acids Research (核酸
研究)",20:6150 (1990) に記載されている。生体試料
から二本鎖DNAを抽出する方法は Yamada, O. 他、"J
ournal of Virological Methods (ウィルス学的方法
誌)", 27:203(1990) に記載されている。DNA溶液は
大体、適当な緩衝液例えばTE(トリスEDTA)又は
TEA(409mmトリス−酢酸塩、1mmEDTA)
緩衝液に溶解したDNA又は溶解産物である。 Sambroo
k, J. 他、"MolecularCloning: A Laboratory Manual
(分子クローニング:研究室の手引き)" 第2版、Cold
Spring Harbor Laboratory Press, New York (1989)も
参照される。
【0015】いったん核酸が適当な試料形態、通常懸濁
液又は溶液の形態で得られたら、本発明の組成物を、試
料中の核酸が組成物に結合するまで十分な時間この試料
に暴露する。通常このような暴露は約0℃から約25℃
の温度で約30秒から約60分間行う。例えば水又はp
Hが約7.0未満の酸性緩衝液等の適当な結合緩衝液を
用いて、核酸とこの組成物の結合を助けてもよい。核酸
が結合した組成物は、次に試料から分離されるが、この
分離は通常遠心分離又は濾過によって行われる。
【0016】組成物は次に洗浄して、その組成物から核
酸を回収してもよい。洗浄は普通低分子量アルコール又
は他の適当な洗浄液、例えばエタノールと50mMトリ
スの80%/20%混合液(pH7.0)、水又は他の
低pH緩衝液を用いて行われる。結合した核酸は、通
常、適当な溶出緩衝液による溶出により組成物から回収
される。適当な溶出緩衝液としては、pHが約7.0以
上の塩基性緩衝液なら殆ど使用可能で、例えば、50m
Mトリス、KPI、KPDG等いずれの低塩緩衝液も使
用可能である。溶出緩衝液としては、回収後の核酸に対
する処理をできるだけ妨害せず、環境への悪影響が最小
限であるものが好ましい。通常、約1分から約60分間
にわたり、約4℃から約95℃の温度で組成物から溶出
により核酸を回収する。このような溶出は、溶出緩衝液
を核酸の結合した組成物に流し、核酸の溶出を引き起こ
すことによって行う。或は核酸の結合した組成物を溶出
緩衝液に入れて分離することによって溶出緩衝液から核
酸を回収する。
【0017】本発明の組成物を用いて精製した核酸は、
そのまま制限酵素消化、クローニング、塩基配列決定、
診断等に用いても良い。本発明で得られた核酸の品質の
高さ及び、最低限の下流加工で核酸が精製される速度
は、この組成物が核酸試料生成の自動化に有用である事
を意味している。自動化した核酸試料生成に特に有用な
発明組成物の形は粒状である。組成物を粒状化すること
により、核酸結合のための最大の表面積が得られる。こ
の粒状組成物は種々の形、例えば、球、立方体、卵形、
カプセル、錠剤、形容できないランダムな形等をしてい
てよく、又一定形状でも不定形状でもよい。粒子の形に
かかわらず、その粒子の最大点における直径は通常約
0.1mmから約0.15mmの範囲である。本発明の
組成物の好ましい粒子形としては、普通の球状のぺレッ
トと又はビーズが好ましい。
【0018】本発明の組成物の水和物は、密度範囲が約
1.0mg/uLから約4.0mg/uL、好ましくは
約3.3mg/uLであるので、粒状の場合に特に有用
である。比較すると、水和セライトの密度は約0.4m
g/uLである。このように本発明組成物の水和物の密
度がかなり高いので、結合した核酸を含む組成物の粒子
を試料から容易に遠心分離により分離することができ
る。さらに、粒子の密度が高いので、遠心分離により形
成されたペレットは密度の低い化合物よりも固く、それ
により、ペレット部分を除去せずに上澄み液(試料)を
より多く除去することができるし、又遠心分離と上澄み
液(試料)除去の間に必要ならばより長く時間をおいて
もよい。細胞の上澄み液をより多く除去する能力は特に
重要である、というのは、精製後に行なわれる核酸の処
理を妨害する細胞破壊物や結合緩衝液がより多く除去さ
れるからである。
【0019】粒状の本発明の組成物はキットとして使用
しやすいという点においても優れている。粒子は、適当
な容器に容易にかつ効率的に入れる事ができ、試料から
核酸を精製するためのキット或はキットの一部として用
いられる。本発明の粒状組成物用の容器としては、ガラ
ス瓶、管、真空管、真空容器、核酸含有試料を装入可能
な他の容器等が適している。キットには、結合緩衝液、
洗浄緩衝液及び/又は溶出緩衝液、及び試料から核酸を
精製するための工程の一部として必要な他の成分を入れ
る容器も含まれる。次の実施例は、本明細書に述べられ
た本発明の特定の態様を示したものである。同業者には
明らかなように、種々の変更及び修正が可能であり、こ
れらも述べられた本発明の範囲であると考えられる。
【0020】
【実施例】実施例1 水和酸化ジルコニウム組成物の製造 Aldrich社から得られた酸化ジルコニウムビーズ
4gを5.2gの水酸化ナトリウム(NaOH)の80
mL水溶液に添加し、得られた懸濁液を68時間還流
し、次に室温に冷却して、1800rpmで3.5分遠
心分離した。得られた上澄みを除去し、廃棄した。次
に、この懸濁液に1%の硫酸(H2 SO4 )を20ml
と10%のH2 SO4 を5ml加えて酸性(pH約2.
0)にした。この場合、溶液から固形分を分離して酸性
溶液に加えてもよい。得られた酸性懸濁液を一時間室温
で揺動し、次に1800rpmで3.5分間遠心分離
し、得られた上澄みを除去し、廃棄した。各試験管に2
0mlの水を加えて、得られた懸濁液を渦状に回転さ
せ、ろ過して、100mlの水と100mlのアセトン
で洗浄した。最後に、得られた粉末を1時間風乾し、次
に100℃で16時間オーブン乾燥した。得られた水和
酸化ジルコニウム粉末は核酸を結合するのに十分なほど
電気的に陽性であり、これら核酸は下記の実施例で示し
たように、容易に組成物から溶出できた。
【0021】実施例2 水和酸化ハフニウム組成物の製造 Aldrich社から得た酸化ハフニウムビーズ4gを
3.04gの水酸化ナトリウム(NaOH)の80ml
水溶液に加え、実施例1と同様にして、水和酸化ジルコ
ニウムビーズを得た。ビーズは核酸を結合するのに十分
なほど電気的に陽性であり、これら核酸は下記の実施例
で示したように、容易に組成物から溶出できた。
【0022】実施例3 水和酸化アルミニウム組成物の製造 Aldrich社から得た酸化アルミニウムビーズ4g
を6.28gの水酸化ナトリウム(NaOH)の80m
l水溶液に加え、実施例1と同様にして、核酸を結合す
るのに十分なほど電気的に陽性である水和酸化アルミニ
ウムビーズを得た。これら核酸は下記の実施例で示した
ように、容易に組成物から溶出できた。
【0023】実施例4 核酸の水和組成物への結合及び水和組成物からの溶出 水和及び未水和の酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム及
び酸化アルミニウムの核酸結合及び溶出特性を証明する
ために本実験を行なった。実施例1、2及び3で得られ
た組成物(それぞれ水和酸化ジルコニウム、水和酸化ハ
フニウム及び水和酸化アルミニウム)及びこれら3種類
の組成物の未水和物を200μlの水と混合し、次に1
μlの106 32標識M.tuberculosisDNAを添加し
た。得られた懸濁液を室温で30分間回転装置により培
養した。遠心分離した後、上澄み液を除去し、10ml
の計数用シンチレーション液に添加した。水200μl
を残ったペレットに加え、得られた混合物を65℃で3
0分間培養した。遠心分離し、得られた上澄み液を計数
し、溶出工程を繰り返した。結果は下記の通りである。
【0024】考察 未水和の酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム及び酸化ア
ルミニウム組成物も核酸精製に有用であるが、これらの
水和物の方が同様の条件下でより多くの核酸の結合及び
溶出をしたことから、核酸精製という目的のためには、
水和物の方が有用であることがわかる。又、これら水和
物は、水和珪酸ジルコニウム組成物と同等の核酸精製特
性を示した。
【0025】実施例5 水和組成物からの核酸の溶出に与えるpH増加の影響 本実験は水和珪酸ジルコニウムビーズ(実施例4の比較
組成物)に結合した核酸がpHを変化させても溶出する
かどうかを調べるために行なわれた。最初の遠心分離の
次に、水と共に、異なった濃度のNaOHを溶出緩衝液
として用いた以外は実施例4と同様にして、M.tubercul
osisDNAを10mgの水和珪酸ジルコニウムビーズに
結合させた。結果は下記の通りである。
【0026】
【表1】 考察 他の要因もあるかもしれないが、溶出緩衝液のpHと溶
出DNA率に実質的な相関関係は見られない。実施例4
に示したような他の水和組成物も同様の核酸精製特性を
有するので、このような水和組成物は溶出緩衝液と溶出
DNA率の間に同様の相関関係を示すと考えられる。
【0027】実施例6 水和組成物に結合した核酸に与える溶出緩衝液の影響 本実験は水和珪酸ジルコニウムビーズに結合した核酸が
緩衝液を変えても溶出するかどうかを調べるために行な
われた。10mgの水和珪酸ジルコニウムビーズを含有
する遠心分離管に200μLの水を加え、次に1μLの
DNA(104 コピーのM.tuberculosisゲノムDNA)
加えた。得られた懸濁液を室温で30分間回転装置上で
インキュベートした。遠心分離後、上澄み液を除去し、
10mLのシンチレーション液に加えて計数した。得ら
れたペレットに200μLの緩衝液を加えて、得られた
懸濁液を65℃で30分間インキュベートした。次に遠
心分離し、上澄み液を除去し、上述のように計数して溶
出工程を繰り返した。結果は下記の通りである。
【0028】
【表2】 考察 水と比べて、用いた溶出緩衝液は多量のDNAを溶出し
た。実施例5と同様に、実施例4で示したような他の水
和組成物も同様の核酸精製特性を有するので、このよう
な水和組成物は水和珪酸ジルコニウムと同様の溶出特性
を示すと考えられる。
【0029】実施例7 水和組成物の核酸結合条件 本実験は5mgの水和珪酸ジルコニウム組成物に核酸を
結合させる好ましい条件を調べるために行なわれた。結
合緩衝液及び培養時間を下記の表に従い、溶出のための
遠心分離を行なわなかった以外は実施例4と同じような
プロトコルで実験を行なった。結果は下記の通りであ
る。
【0030】
【表3】 考察 本実験で用いた水及びHClは両方とも酸性であり、他
の二つの結合緩衝液(どちらも塩基性であるが)と比較
して、水和珪酸ジルコニウム組成物に対する核酸の結合
に優れていた。実施例4で示したように他の水和組成物
も同様の核酸精製特性を示しているので、酸性条件がこ
のような他の水和組成物に対する核酸の結合に好ましい
影響を与えるものと考えられる。少なくとも本発明の条
件下では温度は結合に影響を与えなかったようである。
【0031】実施例8 水和組成物からの核酸の溶出に与えるpH減少の影響 本実験は、水和珪酸ジルコニウム組成物のDNA溶出効
率に溶出緩衝液のpHの減少が影響を与えるかどうかを
調べるために行なわれた。pHの増加がこれらの表面材
からのDNAの溶出に明確な影響を与えた事は既に示し
た(実施例5)。2種類の酸を異なったpH値でそれぞ
れテストした。具体的には、各表面材5mgを200μ
Lの水に加え、1μLの32P標識DNA(104 ゲノム
コピーのM.tuberculosisDNA)を加えた。得られた懸
濁液を回転装置上で30分間培養して、遠心分離し、上
澄み液を除去して、10mLの計数用シンチレーション
液に加えた。残ったペレットに200μLの溶出緩衝液
を加えて得られた懸濁液を65℃で30分間培養した。
遠心分離し、得られた上澄み液を除去し前記と同様に計
数した。結果は下記の通りである。
【0032】
【表4】 考察 水と比較してpHの低下がM.tuberculosisの溶出量に影
響を与えているようには見えないが、DNAを組成物に
結合させるのには有用かもしれない。又、組成物へのD
NAの結合は再現性が高い。実施例4に示した同様の核
酸精製特性に基づいて、他の水和組成物でも同様の結果
が考えられる。いくつか特定して本発明を述べたが、同
業者に明らかな変更は本発明の範囲を逸脱しない限り可
能である。本発明の種々の特徴は次の請求項に述べる。
フロントページの続き (71)出願人 595117091 1 BECTON DRIVE, FRA NKLIN LAKES, NEW JE RSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA (72)発明者 ウェイン・エフ・バイヤー,ジュニア アメリカ合衆国ノースカロライナ州27503, バハマ,ベッキー・ドライヴ 2012

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水和酸化ジルコニウム、水和酸化ハフニ
    ウム、水和酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化
    ハフニウム及び酸化アルミニウムからなる群から選択さ
    れる核酸を結合する組成物。
  2. 【請求項2】 水中で核酸を結合する請求項1記載の組
    成物。
  3. 【請求項3】 少なくとも1.0mg/uLの密度を有
    する請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の組成物であって、前記組
    成物2.5mgが、他の核酸を含有しない試料中の標的
    核酸104 コピーの少なくとも約85%を結合する組成
    物。
  5. 【請求項5】 (a)前記試料を、前記試料中の核酸が
    前記組成物に結合するのに十分な時間請求項1の組成物
    に暴露する工程、及び(b)前記組成物を前記試料から
    分離する工程を含む試料から核酸を精製する方法。
  6. 【請求項6】 試料からの組成物の分離を遠心分離又は
    ろ過により行なう請求項6記載の方法。
  7. 【請求項7】 (c)前記組成物から核酸を回収する工
    程をさらに含む請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 請求項1の組成物からなる、試料から核
    酸を精製するためのキット。
  9. 【請求項9】 前記組成物が粒状である、請求項8記載
    のキット。
  10. 【請求項10】 (a)pHが約7.0以下である緩衝
    溶液の存在下核酸を表面材に接触させる工程;及び
    (b)pHが約7.0以下である緩衝溶液の存在下、前
    記表面材から前記核酸を溶出させる工程を含む核酸を結
    合可能な表面材から、核酸を結合し次に表面材から溶出
    する方法。
JP10235176A 1997-08-22 1998-08-21 核酸精製用酸化ジルコニウム及び類縁化合物 Pending JPH11155567A (ja)

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