JPH11154110A - ミラーサーバの同期方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ミラーサーバを含む全サーバの内容を高速に
同期させることができるとともに、同期に伴う負荷を減
らすことができるミラーサーバの同期方法を提供するこ
と。 【解決手段】 マスターサーバ１０のファイル更新監視
機能付ｆｔｐｄ１１でｆｔｐアクセスを監視し、ＰＵＴ
アクセスを検出すると該当ファイルが更新されたと見な
してファイル更新通知部１２を起動し、ミラーサーバ２
０の更新通知受信部２１に更新されたファイルのファイ
ル名を通知し、ファイル更新部２２を起動して更新ファ
イルの取得を実行させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ミラーサーバのフ
ァイルをマスターサーバに同期させて更新する方法に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、インターネット（Ｉｎｔｅｒｎｅ
ｔ）の利用者はかなりの勢いで増加し、ＷＷＷサーバを
始めとするネットワークサービスへのアクセスもうなぎ
登りに増加している。その中で、著名なサーバへのアク
セスは既に一台のサーバマシンで処理するのが難しいレ
ベルに達している。そこで、多くのアクセスがある著名
なサーバでは、同一の機能を有する別のサーバ（ミラー
サーバ）を設けて負荷分散を行っている。また、この
際、ミラーサーバをネットワーク上の適切な位置に配置
することにより、サーバそのものの負荷分散だけではな
く、ネットワークの負荷分散を図ることもできる。

【０００３】ここで、サーバのコンテンツ（ファイル）
は日々更新されていくものであるが、元のサーバ（マス
ターサーバ）のあるファイルが更新された場合には、ミ
ラーサーバの対応するファイルも同期させて更新（ミラ
ーリング）する必要がある。

【０００４】このミラーリングについて、従来はミラー
リングを行うプログラム、例えばｍｉｒｒｏｒというプ
ログラムを定期的に走らせて、マスターサーバからミラ
ーサーバへ更新されたデータのコピーを行うという方法
が一般的であった。

【０００５】このプログラムは、起動されると以下のよ
うな動作を行い、指定されたファイルをミラーする。

【０００６】マスターサーバにｆｔｐで接続する、 必要なディレクトリ以下のファイルのリストを再帰的
に取得する、 取得したリストから各ファイルのタイムスタンプやサ
イズを抽出する、 抽出したタイムスタンプやサイズと、自分が持ってい
るファイルのタイムスタンプやサイズを比較し、マスタ
ーサーバ上でのファイル更新を検出する、 更新されたファイルをマスターサーバから取得する。

【０００７】このような動作を定期的に行い、マスター
サーバとミラーサーバの内容を同一に保つようになして
いた。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかし、一般に、マス
ターサーバ上のファイルの更新周期と、ミラーリングが
行われる周期は一致しないため、マスターサーバ上では
更新され、追加されたファイルがミラーサーバ上では更
新されず、存在しないという期間が必ず存在する。この
ような事態をなるべく防ぐにはミラーリングの周期を短
くし、頻繁にサーバの内容の同期をとることが必要にな
るが、広域ネットワーク越しにミラーを行うのは、ネッ
トワークとサーバの双方に負荷をかけることになるた
め、あまり頻繁に行うのは好ましいことではない。

【０００９】本発明の目的は、ミラーサーバを含む全サ
ーバの内容を高速に同期させることができるとともに、
同期に伴う負荷を減らすことができるミラーサーバの同
期方法を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】マスターサーバとミラー
サーバの内容をできるだけ短時間に同期させようとした
場合、まず、問題となるのは前述したのファイルのリ
ストを取得する部分である。更新されたファイルの数は
マスターサーバに存在する全ファイルに比べるとごく少
数のはずである。そのファイルを検出するために全ファ
イルのリストを取得するのは無駄が大きい。さらに、フ
ァイルのリストを取得するというのはサーバのファイル
システムにも大きな負荷をかけるため、マスターサーバ
のパフォーマンスを下げることにもつながる。ファイル
システムの負荷の問題は、大きなファイルシステムを持
つ大規模なサーバほど顕著になる。

【００１１】従って、全ファイルシステムのリストを取
得する以外の方法で、更新されたファイルを検出するこ
とができれば、効率的に更新されたファイルのみを転送
することが可能になる。さらに更新の検出をリアルタイ
ムに行うことができれば、それをトリガにしてミラーサ
ーバへのファイル転送もリアルタイムに行うことがで
き、マスターサーバとミラーサーバの内容が異なってい
る時間を短くすることも可能となる。

【００１２】前述した従来のｍｉｒｒｏｒを用いた方法
の欠点を補うため、本発明では以下のような手順をとっ
た。 １．マスターサーバ上でのファイル更新を監視する、 ２．ファイル更新を検出するとミラーサーバに対して少
なくとも更新されたファイルのファイル名を通知する、 ３．通知を受けたミラーサーバは該当するファイルをマ
スターサーバから取得する。

【００１３】従来の方法が「ミラーサーバがマスターサ
ーバ上のファイルの更新を調べに行く」という形態であ
ったのに対し、本発明では「マスターサーバがファイル
の更新をミラーサーバに通知する」という形態をとって
いるのが特徴である。

【００１４】このような方法によってミラーサーバを管
理すると、以下のような利点がある。

【００１５】・ファイルの同期遅れの低減 従来のミラープログラムは定期的に起動されるという運
用形態が普通であるため、最大でミラープログラムの起
動間隔とほぼ同じ時間だけ、マスターサーバの内容とミ
ラーサーバの内容が不整合になる可能性があるが、本発
明によれば、マスタサーバ側でファイルが更新されると
直ちにミラーサーバ側に通知が行くため、双方のサーバ
の内容が不整合である時間が短くなる。

【００１６】・ＣＰＵコストの低減 ファイルの更新を検査するために全てのファイルのタイ
ムスタンプやサイズを取得し、比較する必要がない。従
って、ファイルシステムへの負荷は非常に少なくなるこ
とが期待できる。この負荷の軽減は大規模なサイトほど
顕著である。また、ファイルのタイムスタンプやサイズ
を取得し、比較するのに要する時間やそれに要するＣＰ
Ｕコストを節約できる。ＣＰＵの負荷やファイルシステ
ムの負荷が軽くなるため、ファイル更新時のサーバのパ
フォーマンス低下を防ぐことができる。それによって、
頻繁にファイル更新を行ってもサービスのパフォーマン
スに影響が出にくくなる。

【００１７】・回線帯域幅の節約 従来のミラープログラムでは、ファイルのタイムスタン
プやサイズを比較してファイルの更新を検出するという
方法を取っていたため、起動する度に全ファイルの詳細
なリストを転送し、それを比較するという動作が不可欠
であった。本発明ではファイルのリストを必要としない
ため、それを転送するのに要するネットワーク資源を節
約できる。

【００１８】上記のようなメリットがある反面、マスタ
ーサーバ上でのファイル更新を検出するため、ファイル
の更新方法に何らかの制限を設ける必要がある。今回、
我々が実装したシステムでは既存のｆｔｐｄ（ｆｔｐサ
ーバデーモンプログラム）を改造し、ｆｔｐアクセス中
のＰＵＴアクセスを監視することでファイル更新を検出
しているため、全てのファイル更新はｆｔｐ経由で行う
必要がある。

【００１９】

【発明の実施の形態】図１は本発明の本発明のミラーサ
ーバの同期方法の実施の形態の一例を示すシステム構成
図である。本システムではマスターサーバ上でのファイ
ル更新をｆｔｐを用いて行う。具体的には、ｆｔｐアク
セス中のＰＵＴアクセスを監視し、ファイル更新を検出
する。ＰＵＴアクセスされたファイルは更新されたもの
と見なすことができるので、全ファイルのリストを取得
することなく自動的に更新されたファイルを検出するこ
とができる。

【００２０】図１において、１０はマスターサーバ、２
０はミラーサーバであり、マスターサーバ１０はファイ
ル更新監視機能付ｆｔｐｄ１１及びファイル更新通知部
（notifier）１２を備え、ミラーサーバ２０は更新通知
受信部（notify receiver ）２１及びファイル更新部
（retriever ）２２を備えている。なお、ミラーサーバ
が２つ以上ある場合でも各ミラーサーバの構成は同様で
良い。

【００２１】前記ファイル更新監視機能付ｆｔｐｄ１１
は既存のｆｔｐｄを改造したものであり、ｆｔｐアクセ
ス中のＰＵＴアクセスを検出してファイル更新通知部１
２を起動する。ファイル更新通知部１２はｆｔｐｄ１１
により起動されると、ファイル名（パス名も含む。）を
備えたファイル更新の通知を１ファイルにつき１メッセ
ージで、予めファイル毎に設定されたミラーサーバに送
る。

【００２２】また、更新通知受信部２１はファイル更新
通知部１２からの通知を受け取ると、ファイル名を指定
してファイル更新部２２を起動する。ファイル更新部２
２はマスターサーバにｆｔｐでアクセスし、指定された
ファイルを取得し、ローカルファイルシステムに置く。

【００２３】前記システムの動作を簡単に述べる。

【００２４】（１）マスタサーバへの他のサーバ等から
の全てのｆｔｐアクセスを監視 ファイル更新監視機能付ｆｔｐｄ１１は、自分自身への
ｆｔｐアクセスを監視する。

【００２５】（２）ＰＵＴアクセスを検出 ファイル更新監視機能付ｆｔｐｄ１１は、ｆｔｐアクセ
ス中にＰＵＴアクセスがあると、そのファイルが更新さ
れたものと見なしてファイル更新通知部１２を起動す
る。

【００２６】（３）ミラーサーバへ通知 ファイル更新通知部１２は、ファイルの更新通知をミラ
ーサーバ２０に送る。

【００２７】（４）通知を受信 ミラーサーバの更新通知受信部２１は更新通知を受け取
ると、ファイル名を指定してファイル更新部２２を起動
する。

【００２８】（５）ミラーサーバがマスターサーバから
ファイルを取得 ファイル更新部２２は該当するファイルをマスターサー
バ１０から取得する。

【００２９】なお、前述したファイル更新通知部１２、
更新通知受信部２１及びファイル更新部２２は、ファイ
ル更新監視機能付ｆｔｐｄ１１と同様に、各サーバ上で
動作するプログラムとして実現される。

【００３０】前記実施の形態では、ミラーサーバは更新
通知を受け取ると、自動的に該当ファイルをマスターサ
ーバから取得するが、別のルートで既にファイルが更新
されていたり、さらに新しいファイルに更新されていた
りするケースも考えられ、このような場合にマスターサ
ーバからファイルを取得しても意味がない。また、マル
チキャストシステムに適用した場合にはマスターサーバ
側でミラーサーバを個別に指定できないため、本来、そ
のファイルを必要としないミラーサーバに更新通知が届
くケースが考えられ、このような場合もミラーサーバが
通知を受けたファイルをマスターサーバから取得しても
意味がない。

【００３１】これらを防ぐため、更新通知にファイル名
の他、ファイルのタイムスタンプやサイズ、マスターサ
ーバのＦＱＤＮ（Fully Qualified Domain Name ）を含
めて送り、これらの情報から、ミラーサーバ側でそのフ
ァイルが最新のファイルかどうか、そのファイルが必要
かどうかを判断し、取得するか否かを決定するようにし
ても良い。

【００３２】また、ファイルの中には相互に深く関連づ
けられ、依存関係を持っているものがあり、一方が更新
された場合、それに伴って他方も必ず更新されるような
ファイルの組があることも予想される。そのようなファ
イルの組のうち、少なくとも一つのファイルについて更
新通知が届いた場合、ミラーサーバ側ではそれ以外のフ
ァイルに関する更新通知が揃うまで待機し、まとめて取
得することによって、サーバ運用中にファイルの変更を
行ってもコンテンツの整合性になるべく影響を与えない
ようにすることもできる。なお、ファイルの組は予め指
定しておくものとする。

【００３３】さらにまた、ＷＷＷのリンク元ファイルと
リンク先ファイルのように、一方が更新されただけでは
内容に不整合を起こすような場合も考えられる。例え
ば、リンク先のファイルがまだ存在しないにも拘らず、
そのファイルを参照するリンクがリンク元ファイルに書
き込まれている場合がそれに相当する。そのようなリン
ク元ファイルについて更新通知が届いた場合、ミラーサ
ーバ側ではリンク先ファイルに関する更新通知が揃うま
で待機し、まとめて取得することによって、サーバ運用
中にファイルの変更を行ってもコンテンツの整合性にな
るべく影響を与えないようにすることもできる。

【００３４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
マスターサーバ上でのファイル更新を監視し、ファイル
更新を検出するとミラーサーバに対して少なくとも更新
されたファイルのファイル名を通知し、通知を受けたミ
ラーサーバは該当するファイルをマスターサーバから取
得するため、マスターサーバ側でファイル更新が行われ
た時に直ちにミラーサーバ側のファイルを更新でき、各
サーバの内容が不整合になる期間を短縮でき、また、サ
ーバ内の全ファイルのタイムスタンプやサイズを比較し
て更新されたファイルを検出する必要がなく、サーバや
ネットワークに対する負荷を減らすことができる利点が
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のミラーサーバの同期方法の実施の形態
の一例を示すシステム構成図

【符号の説明】

１０：マスターサーバ、１１：ファイル更新監視機能付
ｆｔｐｄ、１２：ファイル更新通知部、２０：ミラーサ
ーバ、２１：更新通知受信部、２２：ファイル更新部。

フロントページの続き (72)発明者 三浦 信幸 東京都新宿区西新宿３丁目19番２号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 横路 誠司 東京都新宿区西新宿３丁目19番２号 日本 電信電話株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ネットワークを介してマスターサーバに
   接続されたミラーサーバのファイルをマスターサーバの
   ファイル更新に同期させて更新するミラーサーバの同期
   方法において、 マスターサーバ上でのファイル更新を監視し、 ファイル更新を検出するとミラーサーバに対して少なく
   とも更新されたファイルのファイル名を通知し、 通知を受けたミラーサーバは該当するファイルをマスタ
   ーサーバから取得することを特徴とするミラーサーバの
   同期方法。
2. 【請求項２】 マスターサーバに対して行われるｆｔｐ
   アクセスを監視し、ｆｔｐアクセス中にＰＵＴアクセス
   を検出した時、該ＰＵＴアクセスされたファイルが更新
   されたと見なすことを特徴とする請求項１記載のミラー
   サーバの同期方法。