JPH1115379A - 識別マーク、マーク識別方法及びマーク識別装置 - Google Patents
識別マーク、マーク識別方法及びマーク識別装置Info
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- JPH1115379A JPH1115379A JP18033397A JP18033397A JPH1115379A JP H1115379 A JPH1115379 A JP H1115379A JP 18033397 A JP18033397 A JP 18033397A JP 18033397 A JP18033397 A JP 18033397A JP H1115379 A JPH1115379 A JP H1115379A
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- mark
- identification mark
- light
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 偽造が困難な識別マークと、その識別マーク
を識別するためのマーク識別識別装置を提供する。 【解決手段】 識別マーク7の表面には複屈折フィルム
46を設けている。偏光フィルタ33を通過した直線偏
光の光を識別マーク7に照射すると、その光は識別マー
ク7で反射され、再び偏光フィルタ7を通過して観察者
の目に入る。表面に複屈折フィルムを有していない偽造
の識別マークの場合には、識別マークで反射されるとき
に直線偏光の偏光方向が変化しないので、偏光フィルタ
33を通して見ても比較的明るく見えるが、複屈折フィ
ルム46を有する真正の識別マーク7の場合には複屈折
フィルム46を通るときに偏光方向が回転するので、偏
光フィルタ33を通して見ると黒く見える。従って、容
易に真正の識別マークであるか否かを判別できる。
を識別するためのマーク識別識別装置を提供する。 【解決手段】 識別マーク7の表面には複屈折フィルム
46を設けている。偏光フィルタ33を通過した直線偏
光の光を識別マーク7に照射すると、その光は識別マー
ク7で反射され、再び偏光フィルタ7を通過して観察者
の目に入る。表面に複屈折フィルムを有していない偽造
の識別マークの場合には、識別マークで反射されるとき
に直線偏光の偏光方向が変化しないので、偏光フィルタ
33を通して見ても比較的明るく見えるが、複屈折フィ
ルム46を有する真正の識別マーク7の場合には複屈折
フィルム46を通るときに偏光方向が回転するので、偏
光フィルタ33を通して見ると黒く見える。従って、容
易に真正の識別マークであるか否かを判別できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は識別マーク、マーク
識別方法及びマーク識別装置に関する。具体的にいう
と、本発明は、複数の対象物の区別や正規の対象物であ
ることの判別を行なうための識別マークに関する。さら
に、その識別マークを判別するためのマーク識別方法及
びマーク識別装置に関する。
識別方法及びマーク識別装置に関する。具体的にいう
と、本発明は、複数の対象物の区別や正規の対象物であ
ることの判別を行なうための識別マークに関する。さら
に、その識別マークを判別するためのマーク識別方法及
びマーク識別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近では、クレジットカードのようなプ
ラスチックカードの表面にホログラムを記録した識別マ
ーク(ホログラムシール)を一体に埋め込んだり、商品
券やギフトカードのような有価証券の表面にホログラム
を記録した識別マークを織り込んだりしたものが広く用
いられるようになっている。
ラスチックカードの表面にホログラムを記録した識別マ
ーク(ホログラムシール)を一体に埋め込んだり、商品
券やギフトカードのような有価証券の表面にホログラム
を記録した識別マークを織り込んだりしたものが広く用
いられるようになっている。
【0003】このようなホログラムを記録した識別マー
クは、作製するのに高度の技術を要し、また多大なコス
トも掛かることから、識別マークを目で見ることによ
り、あるいはマーク識別装置で読み取ることにより、識
別マークを貼られたクレジットカードや有価証券等の真
贋を判断するのに有効であると考えられている。
クは、作製するのに高度の技術を要し、また多大なコス
トも掛かることから、識別マークを目で見ることによ
り、あるいはマーク識別装置で読み取ることにより、識
別マークを貼られたクレジットカードや有価証券等の真
贋を判断するのに有効であると考えられている。
【0004】このような識別マークは、例えば特開平4
−340583号公報に開示されている。従来の識別マ
ーク1は、図1に示すように複数の回折格子3の配置を
工夫することによってホログラム(識別用パターン)2
を記録したものであって、適当な角度から見たときに、
所定のパターンや図形が浮び上がるか否かによって識別
マークの真贋を判定される。また、図2に示すようなマ
ーク識別装置4を用いて投光部5から識別マーク1にコ
リメート光を照射し、識別マーク1から所定方向へ回折
される回折光を受光部6で受光し、受光部6で受光した
光強度の大きさから識別マーク1の真贋を判定してい
る。
−340583号公報に開示されている。従来の識別マ
ーク1は、図1に示すように複数の回折格子3の配置を
工夫することによってホログラム(識別用パターン)2
を記録したものであって、適当な角度から見たときに、
所定のパターンや図形が浮び上がるか否かによって識別
マークの真贋を判定される。また、図2に示すようなマ
ーク識別装置4を用いて投光部5から識別マーク1にコ
リメート光を照射し、識別マーク1から所定方向へ回折
される回折光を受光部6で受光し、受光部6で受光した
光強度の大きさから識別マーク1の真贋を判定してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ホログ
ラムを用いた識別マークの普及と近年の微細加工技術の
向上により、識別マークの偽造に対する技術的障壁が低
くなってきており、見た目にも本物と区別がつかないよ
うなものが容易に作製可能となってきている。
ラムを用いた識別マークの普及と近年の微細加工技術の
向上により、識別マークの偽造に対する技術的障壁が低
くなってきており、見た目にも本物と区別がつかないよ
うなものが容易に作製可能となってきている。
【0006】また、識別マークを機械的に判別するため
の上記マーク識別装置においては、回折格子の向きが少
々異なるものでも同一のホログラムを記録された識別マ
ークであると判断する恐れがあった。このような誤検知
をなくし、ホログラムを安定検出するためには受光部を
かなり大きくする必要があるが、偽造の精度が向上する
とそれだけ受光部を大きくしなければならず、誤検知の
可能性が大きくなる。
の上記マーク識別装置においては、回折格子の向きが少
々異なるものでも同一のホログラムを記録された識別マ
ークであると判断する恐れがあった。このような誤検知
をなくし、ホログラムを安定検出するためには受光部を
かなり大きくする必要があるが、偽造の精度が向上する
とそれだけ受光部を大きくしなければならず、誤検知の
可能性が大きくなる。
【0007】本発明は叙上の従来例の欠点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、偽造が困難
な識別マークを提供することにある。また、類似や偽造
の識別マークも精度よく判別することができるマーク識
別方法及びマーク識別装置を提供することにある。
れたものであり、その目的とするところは、偽造が困難
な識別マークを提供することにある。また、類似や偽造
の識別マークも精度よく判別することができるマーク識
別方法及びマーク識別装置を提供することにある。
【0008】
【発明の開示】本発明の識別マークは、反射面の表面側
に、識別のための複屈折特性を有する層が形成されてい
ることを特徴としている。
に、識別のための複屈折特性を有する層が形成されてい
ることを特徴としている。
【0009】従って、識別マークが複屈折特性を有する
層を有しているか否かを調べることによって、複屈折特
性を有しない識別マークと区別することができ、真正の
識別マークであるか否かを判定することができる。
層を有しているか否かを調べることによって、複屈折特
性を有しない識別マークと区別することができ、真正の
識別マークであるか否かを判定することができる。
【0010】また、複屈折特性を有する層の複屈折特性
を調べることによって、識別のための規格によって形成
された複屈折特性を有しない識別マークや異なる規格の
複屈折特性を有する層を設けられている類似の識別マー
クと区別することができ、真正の識別マークであるか否
かを判定することができる。
を調べることによって、識別のための規格によって形成
された複屈折特性を有しない識別マークや異なる規格の
複屈折特性を有する層を設けられている類似の識別マー
クと区別することができ、真正の識別マークであるか否
かを判定することができる。
【0011】複屈折特性を有する層の有無は目視で判断
することはできず、また、複屈折特性を有する層の特性
の分析は困難であるから、本発明の識別マークによれ
ば、識別マークの偽造防止の効果が高い。また、他の識
別手段と組合わせることによって識別マークの識別性を
向上させることができる。
することはできず、また、複屈折特性を有する層の特性
の分析は困難であるから、本発明の識別マークによれ
ば、識別マークの偽造防止の効果が高い。また、他の識
別手段と組合わせることによって識別マークの識別性を
向上させることができる。
【0012】この識別マークを識別するためのマーク識
別装置は、識別マークに直線偏光の光を照射する手段
と、識別マークで反射された光の偏光方向の変化に基づ
く物理量の変化を検出する手段と、前記物理量検出手段
によって検出された物理量の変化から複屈折特性を有す
る層の有無もしくは複屈折特性の違いを判断して真性の
識別マークであるか否かを判定する手段とを備えてい
る。
別装置は、識別マークに直線偏光の光を照射する手段
と、識別マークで反射された光の偏光方向の変化に基づ
く物理量の変化を検出する手段と、前記物理量検出手段
によって検出された物理量の変化から複屈折特性を有す
る層の有無もしくは複屈折特性の違いを判断して真性の
識別マークであるか否かを判定する手段とを備えてい
る。
【0013】識別マークに直線偏光の光を照射すると、
正規の識別マークの場合には、直線偏光の偏光方向は決
まった角度だけ回転して偏光方向が所定方向に向くか
ら、偏光方向の変化を物理量の変化として検出すること
により、偏光方向の変化の有無、あるいは偏光方向の変
化量を知ることができ、その識別マークの複屈折特性を
有する層の有無や複屈折特性から識別マークの真偽を判
別できる。
正規の識別マークの場合には、直線偏光の偏光方向は決
まった角度だけ回転して偏光方向が所定方向に向くか
ら、偏光方向の変化を物理量の変化として検出すること
により、偏光方向の変化の有無、あるいは偏光方向の変
化量を知ることができ、その識別マークの複屈折特性を
有する層の有無や複屈折特性から識別マークの真偽を判
別できる。
【0014】
(第1の実施形態)図3は本発明の一実施形態による識
別マーク7及びマーク識別装置8を示す斜視図である。
識別マーク7は、図4に示されているように、アルミシ
ート13のミラー面に複屈折フィルム46を貼ったもの
であって、例えばギフトカード24等の表面に貼り付け
られている。複屈折フィルム46としては、例えばPC
(ポリカーボネイト樹脂)のようなプラスチック材料に
テンションを掛けてフィルム状に延した延伸フィルムが
用いられる。なお、アルミシート13のミラー面には、
回折格子によるホログラムが形成されていてもよい。
別マーク7及びマーク識別装置8を示す斜視図である。
識別マーク7は、図4に示されているように、アルミシ
ート13のミラー面に複屈折フィルム46を貼ったもの
であって、例えばギフトカード24等の表面に貼り付け
られている。複屈折フィルム46としては、例えばPC
(ポリカーボネイト樹脂)のようなプラスチック材料に
テンションを掛けてフィルム状に延した延伸フィルムが
用いられる。なお、アルミシート13のミラー面には、
回折格子によるホログラムが形成されていてもよい。
【0015】マーク識別装置8は、識別マーク7を貼ら
れたギフトカード24等を置くための台座31と、台座
31に立てられた支柱32と、支柱32によって台座3
1の上方に支持された偏光フィルタ33とから構成され
ている。
れたギフトカード24等を置くための台座31と、台座
31に立てられた支柱32と、支柱32によって台座3
1の上方に支持された偏光フィルタ33とから構成され
ている。
【0016】しかして、複屈折フィルム46を貼った識
別マーク7を台座31の上に置き、偏光フィルタ33を
通して識別マーク7を見ると識別マーク7は黒く見え
る。図4は識別マーク7が黒く見える理由を説明する図
である。太陽光や室内の照明光等の光が偏光フィルタ3
3を通過して識別マーク7に当るとき、偏光フィルタ3
3を通過した光は直線偏光となっている。この偏光方向
の光をP偏光と呼ぶ。このP偏光の光が識別マーク7の
ミラー面で反射するとき、P偏光の光は複屈折フィルム
46内を往復するから、偏光方向が変化し、識別マーク
7で反射した光はP偏光とS偏光(P偏光と偏光面が直
交する直線偏光)を含んでいる。しかし、偏光フィルタ
33を通過して目に入る光はP偏光のみであるから、偏
光フィルタ33を通して識別マーク7を見るとき、識別
マーク7で反射して目に入る光は当初の約1/4とな
る。
別マーク7を台座31の上に置き、偏光フィルタ33を
通して識別マーク7を見ると識別マーク7は黒く見え
る。図4は識別マーク7が黒く見える理由を説明する図
である。太陽光や室内の照明光等の光が偏光フィルタ3
3を通過して識別マーク7に当るとき、偏光フィルタ3
3を通過した光は直線偏光となっている。この偏光方向
の光をP偏光と呼ぶ。このP偏光の光が識別マーク7の
ミラー面で反射するとき、P偏光の光は複屈折フィルム
46内を往復するから、偏光方向が変化し、識別マーク
7で反射した光はP偏光とS偏光(P偏光と偏光面が直
交する直線偏光)を含んでいる。しかし、偏光フィルタ
33を通過して目に入る光はP偏光のみであるから、偏
光フィルタ33を通して識別マーク7を見るとき、識別
マーク7で反射して目に入る光は当初の約1/4とな
る。
【0017】これに対し、複屈折特性を有しない透明フ
ィルムをアルミシートの表面に貼られた識別マークやア
ルミシートのみの識別マークの場合には、偏光フィルタ
33を通過して識別マークに当るP偏光は、識別マーク
で反射してもやはりP偏光のままであるから、そのまま
偏光フィルタ33を通過して目に入る。従って、複屈折
フィルムを貼っていない識別マークの場合には、目に入
る光は当初の約1/2となる。
ィルムをアルミシートの表面に貼られた識別マークやア
ルミシートのみの識別マークの場合には、偏光フィルタ
33を通過して識別マークに当るP偏光は、識別マーク
で反射してもやはりP偏光のままであるから、そのまま
偏光フィルタ33を通過して目に入る。従って、複屈折
フィルムを貼っていない識別マークの場合には、目に入
る光は当初の約1/2となる。
【0018】このように複屈折フィルム46を貼った識
別マーク7の場合には、マーク識別装置8を通して見た
ときに光量が半減するので、複屈折フィルムを貼ってい
ない識別マークと比べると、黒く見え、これによって識
別マークの真偽を識別することができる。さらに、複屈
折フィルム46は、見た目には通常の透明フィルムと区
別がつかないので、偽造者は複屈折フィルム46が用い
られていると気づかず、偽造防止の効果が高い。また、
気付いても、その複屈折性を定量的に分析するのは困難
であるから、偽造は極めて困難である。
別マーク7の場合には、マーク識別装置8を通して見た
ときに光量が半減するので、複屈折フィルムを貼ってい
ない識別マークと比べると、黒く見え、これによって識
別マークの真偽を識別することができる。さらに、複屈
折フィルム46は、見た目には通常の透明フィルムと区
別がつかないので、偽造者は複屈折フィルム46が用い
られていると気づかず、偽造防止の効果が高い。また、
気付いても、その複屈折性を定量的に分析するのは困難
であるから、偽造は極めて困難である。
【0019】なお、この実施形態では、太陽光や室内光
等を用いているが、偏光フィルタ33の枠34内に、直
線偏光の光を照射するような照明部を設けてもよい。
等を用いているが、偏光フィルタ33の枠34内に、直
線偏光の光を照射するような照明部を設けてもよい。
【0020】(第2の実施形態)図5及び図6は本発明
の別な実施形態によるマーク識別装置14を示す斜視図
である。このマーク識別装置14は手に持って操作する
ハンディタイプとなっており、ケーシング15内部に納
められた回路基板16には半導体レーザー素子(LD)
42、コリメートレンズ18、2つのフォトダイオード
等の受光素子19,20、偏光板43,44が実装され
ている。ケーシング15の先端部下面は開口しており、
半導体発光素子42及び受光素子19,20は当該開口
21に対向するように配置されている。また、ケーシン
グ15の外面には、識別判定を行なった結果、正規の識
別マーク45と一致した(以下、これを識別OKとい
う)と判定した場合に点灯する表示部22と、正規の識
別マーク45と一致しない(以下、これを識別NGとい
う)と判定した場合に点灯する表示部23とを備えてい
る。しかして、ギフトカード24等に貼り付けられた識
別マーク45を判別する場合には、図5又は図6に示す
ように、下面の開口21を識別マーク45の上に被せる
ようにして使用する。
の別な実施形態によるマーク識別装置14を示す斜視図
である。このマーク識別装置14は手に持って操作する
ハンディタイプとなっており、ケーシング15内部に納
められた回路基板16には半導体レーザー素子(LD)
42、コリメートレンズ18、2つのフォトダイオード
等の受光素子19,20、偏光板43,44が実装され
ている。ケーシング15の先端部下面は開口しており、
半導体発光素子42及び受光素子19,20は当該開口
21に対向するように配置されている。また、ケーシン
グ15の外面には、識別判定を行なった結果、正規の識
別マーク45と一致した(以下、これを識別OKとい
う)と判定した場合に点灯する表示部22と、正規の識
別マーク45と一致しない(以下、これを識別NGとい
う)と判定した場合に点灯する表示部23とを備えてい
る。しかして、ギフトカード24等に貼り付けられた識
別マーク45を判別する場合には、図5又は図6に示す
ように、下面の開口21を識別マーク45の上に被せる
ようにして使用する。
【0021】図7は識別マーク45の構造とマーク識別
装置14の光学系の作用を説明する図である。識別マー
ク45は、回折格子の複数パターン(図1参照)を組み
合わせて構成されたホログラム12をアルミシート13
の表面に形成し、ホログラム12の表面を複屈折フィル
ム46で被覆したものである。なお、この複屈折フィル
ム46の膜厚は、回折格子のパターンが変化しない方向
(図7の紙面と垂直な方向)で均一となっている。この
ようなホログラム12は、微細加工技術で作製されたス
タンパを用いてアルミシート13の表面にプレス加工す
ることにより作成される。
装置14の光学系の作用を説明する図である。識別マー
ク45は、回折格子の複数パターン(図1参照)を組み
合わせて構成されたホログラム12をアルミシート13
の表面に形成し、ホログラム12の表面を複屈折フィル
ム46で被覆したものである。なお、この複屈折フィル
ム46の膜厚は、回折格子のパターンが変化しない方向
(図7の紙面と垂直な方向)で均一となっている。この
ようなホログラム12は、微細加工技術で作製されたス
タンパを用いてアルミシート13の表面にプレス加工す
ることにより作成される。
【0022】しかして、この識別マーク45の表面に形
成されている識別用図形や文字等のホログラム12は、
見る角度によって異なった図形や文字等が浮き上がった
り、スペクトル状に色づいて見えたりする。しかも、こ
の識別マーク45では、ホログラム12を構成する回折
格子が、非対称な断面形状の単位回折格子からなるブレ
ーズ形回折格子によって構成されている。従来より用い
られている左右対称なステップ形の回折格子では、−1
次回折光の光強度と+1次回折光の光強度とは等しい
(図8に破線で示す)が、非対称なブレーズ形回折格子
では、その非対称性のため−1次回折光よりも+1次回
折光の光強度が大きくなる(図8に実線で示す)。な
お、この明細書においては、+1次回折光と−1次回折
光は、ブレーズ形回折格子に対して図7に示すような方
向へ反射されるものをいう。
成されている識別用図形や文字等のホログラム12は、
見る角度によって異なった図形や文字等が浮き上がった
り、スペクトル状に色づいて見えたりする。しかも、こ
の識別マーク45では、ホログラム12を構成する回折
格子が、非対称な断面形状の単位回折格子からなるブレ
ーズ形回折格子によって構成されている。従来より用い
られている左右対称なステップ形の回折格子では、−1
次回折光の光強度と+1次回折光の光強度とは等しい
(図8に破線で示す)が、非対称なブレーズ形回折格子
では、その非対称性のため−1次回折光よりも+1次回
折光の光強度が大きくなる(図8に実線で示す)。な
お、この明細書においては、+1次回折光と−1次回折
光は、ブレーズ形回折格子に対して図7に示すような方
向へ反射されるものをいう。
【0023】半導体レーザー素子42から出射された直
線偏光(これをP偏光という)は、開口21を通して識
別マーク45に垂直投射するようになっており、識別マ
ーク45に垂直に投射された光ビームの±1次回折光の
回折角θ1の方向に2つの受光素子19,20が配置さ
れており、各受光素子19,20の前方にはP偏光と偏
光方向が90度異なる向きの偏光(これをS偏光とい
う)を透過させる向きに向けて偏光板43,44が配置
されている。しかして、このマーク識別装置14にあっ
ては、半導体レーザー素子42からP偏光の光ビームが
識別マーク45に投射されると、この光ビームは複屈折
フィルム46を通過してホログラム12に達し、ホログ
ラム12で反射されるとともに回折される。±1次回折
光は再び複屈折フィルム46を通過して偏光板43,4
4を通り、各受光素子19,20に受光される。
線偏光(これをP偏光という)は、開口21を通して識
別マーク45に垂直投射するようになっており、識別マ
ーク45に垂直に投射された光ビームの±1次回折光の
回折角θ1の方向に2つの受光素子19,20が配置さ
れており、各受光素子19,20の前方にはP偏光と偏
光方向が90度異なる向きの偏光(これをS偏光とい
う)を透過させる向きに向けて偏光板43,44が配置
されている。しかして、このマーク識別装置14にあっ
ては、半導体レーザー素子42からP偏光の光ビームが
識別マーク45に投射されると、この光ビームは複屈折
フィルム46を通過してホログラム12に達し、ホログ
ラム12で反射されるとともに回折される。±1次回折
光は再び複屈折フィルム46を通過して偏光板43,4
4を通り、各受光素子19,20に受光される。
【0024】図9はマーク識別装置14の信号処理回路
25を示すブロック図である。半導体レーザー素子42
は発光素子駆動回路26によって駆動され、識別マーク
45に向けて光ビームを投射する。2つの受光素子1
9,20から出力された受光信号は、増幅器27,28
で増幅された後、除算回路29へ入力される。除算回路
29は一方の受光素子19からの受光信号P1を他方の
受光素子20からの受光信号P-1で除算し、その結果P
1/P-1を比較器30へ出力する。比較器30は、受け
取った値P1/P-1を所定値α、βと比較し、 α≦P1/P-1≦β … であれば、識別OKと判定して識別OKの表示部22を
点灯させ、 P1/P-1≦α 又は β≦P1/P-1 … であれば、識別NGと判定して識別NGの表示部23を
点灯させる。なお、除算回路29及び比較器30は、マ
イコンによって構成してもよい。
25を示すブロック図である。半導体レーザー素子42
は発光素子駆動回路26によって駆動され、識別マーク
45に向けて光ビームを投射する。2つの受光素子1
9,20から出力された受光信号は、増幅器27,28
で増幅された後、除算回路29へ入力される。除算回路
29は一方の受光素子19からの受光信号P1を他方の
受光素子20からの受光信号P-1で除算し、その結果P
1/P-1を比較器30へ出力する。比較器30は、受け
取った値P1/P-1を所定値α、βと比較し、 α≦P1/P-1≦β … であれば、識別OKと判定して識別OKの表示部22を
点灯させ、 P1/P-1≦α 又は β≦P1/P-1 … であれば、識別NGと判定して識別NGの表示部23を
点灯させる。なお、除算回路29及び比較器30は、マ
イコンによって構成してもよい。
【0025】ここで、ブレーズ形回折格子を用いたホロ
グラム12の場合には、+1次回折光の光強度は−1次
回折光の光強度よりも大きく、図8に示したように同じ
識別マーク45では一定の比率となる。従って、上記
α、βで規定される範囲を、正規の識別マーク45にお
ける(+1次回折光の光強度)/(−1次回折光の光強
度)を中心として測定誤差を見込んだ範囲に設定してお
けば、正規の識別マーク45の場合には、上記式を満
たし、比較器30において識別OKと判断されることに
なる。これに対し、識別マークが異なれば、(+1次回
折光の光強度)/(−1次回折光の光強度)の値、ある
いは2つの受光素子19,20で検出される受光信号の
比P1/P-1は異なった値となるから、上記式を満た
さず、比較器30により識別NGと判定されることにな
る。例えば、対称なステップ形の回折格子からなるホロ
グラムの場合には、P1/P-1=1となるので、式の
場合となる(α>1である)。
グラム12の場合には、+1次回折光の光強度は−1次
回折光の光強度よりも大きく、図8に示したように同じ
識別マーク45では一定の比率となる。従って、上記
α、βで規定される範囲を、正規の識別マーク45にお
ける(+1次回折光の光強度)/(−1次回折光の光強
度)を中心として測定誤差を見込んだ範囲に設定してお
けば、正規の識別マーク45の場合には、上記式を満
たし、比較器30において識別OKと判断されることに
なる。これに対し、識別マークが異なれば、(+1次回
折光の光強度)/(−1次回折光の光強度)の値、ある
いは2つの受光素子19,20で検出される受光信号の
比P1/P-1は異なった値となるから、上記式を満た
さず、比較器30により識別NGと判定されることにな
る。例えば、対称なステップ形の回折格子からなるホロ
グラムの場合には、P1/P-1=1となるので、式の
場合となる(α>1である)。
【0026】よって、このマーク識別装置14によれ
ば、+1次回折光の光強度と−1次回折光の光強度を比
較することによって、正規の識別マーク45と類似の識
別マークや偽造の識別マークとを高精度で判別すること
ができる。特に、±1次回折光の比に基づいて判別して
いるので、一層高精度となるとともに、増幅器27,2
8の変動や外乱光の影響を小さくできる。
ば、+1次回折光の光強度と−1次回折光の光強度を比
較することによって、正規の識別マーク45と類似の識
別マークや偽造の識別マークとを高精度で判別すること
ができる。特に、±1次回折光の比に基づいて判別して
いるので、一層高精度となるとともに、増幅器27,2
8の変動や外乱光の影響を小さくできる。
【0027】図10はマーク識別装置14の信号処理回
路25における判別動作の手順を具体的に示すフロー図
である。このフロー図に従えば、信号処理回路25は、
スイッチ等の操作によって半導体レーザー素子42から
光ビームが出射され、識別マーク45で反射した±1次
回折光を受光素子19,20が受光するまで待機してお
り(S1)、受光素子19,20に±1次回折光が入力
されたと判断すると除算回路29によって受光信号の比
P1/P-1を演算し(S2)、比較器でα、βと比較す
ることによって識別マーク45の真偽を判別する(S
3)。そして、式により真正の識別マーク45である
と判断すると識別OKの表示部22を点灯させ(S
4)、式により異なる識別マーク45であると判断す
ると識別NGの表示部23を点灯させる(S5)。
路25における判別動作の手順を具体的に示すフロー図
である。このフロー図に従えば、信号処理回路25は、
スイッチ等の操作によって半導体レーザー素子42から
光ビームが出射され、識別マーク45で反射した±1次
回折光を受光素子19,20が受光するまで待機してお
り(S1)、受光素子19,20に±1次回折光が入力
されたと判断すると除算回路29によって受光信号の比
P1/P-1を演算し(S2)、比較器でα、βと比較す
ることによって識別マーク45の真偽を判別する(S
3)。そして、式により真正の識別マーク45である
と判断すると識別OKの表示部22を点灯させ(S
4)、式により異なる識別マーク45であると判断す
ると識別NGの表示部23を点灯させる(S5)。
【0028】しかして、識別マークが複屈折特性を有し
ないと、識別マークで反射した±1次回折光もP偏光と
なり、偏光板43,44を通過できないから受光素子1
9,20では受光されない。受光素子19,20で受光
されないと、図10のフロー図から分かるようにマーク
識別装置41は識別動作しない。なお、半導体レーザー
素子42を発光させても受光素子19,20が一定のし
きい値以上の強度の光を受光しなかった場合には、識別
NGの表示部23を点灯させるようにしてもよい。
ないと、識別マークで反射した±1次回折光もP偏光と
なり、偏光板43,44を通過できないから受光素子1
9,20では受光されない。受光素子19,20で受光
されないと、図10のフロー図から分かるようにマーク
識別装置41は識別動作しない。なお、半導体レーザー
素子42を発光させても受光素子19,20が一定のし
きい値以上の強度の光を受光しなかった場合には、識別
NGの表示部23を点灯させるようにしてもよい。
【0029】また、複屈折フィルム46で覆われた識別
マーク45の場合には、半導体レーザー素子42から出
射されたP偏光の光ビームは複屈折フィルム46を往復
することによって偏光面が回転するので、P偏光とS偏
光を含んだ光ビームとなり、そのうちS偏光だけが偏光
板43,44を透過して受光素子19,20で受光され
る。そして、前述のように、第1の実施形態と同様、+
1次回折光のS偏光成分と−1次回折光のS偏光成分と
の光強度の比に基づいて識別マーク45の真偽が判定さ
れ、表示部22,23に出力される。
マーク45の場合には、半導体レーザー素子42から出
射されたP偏光の光ビームは複屈折フィルム46を往復
することによって偏光面が回転するので、P偏光とS偏
光を含んだ光ビームとなり、そのうちS偏光だけが偏光
板43,44を透過して受光素子19,20で受光され
る。そして、前述のように、第1の実施形態と同様、+
1次回折光のS偏光成分と−1次回折光のS偏光成分と
の光強度の比に基づいて識別マーク45の真偽が判定さ
れ、表示部22,23に出力される。
【0030】この識別マーク45及びマーク識別装置4
1にあっては、ブレーズ形回折格子からなるホログラム
12の上に複屈折フィルム46を設け、±1次回折光の
光強度の比による判定に加え、複屈折フィルム46を有
するか否かによる判定も加えているので、識別マーク4
5の判定精度をより高めることができる。
1にあっては、ブレーズ形回折格子からなるホログラム
12の上に複屈折フィルム46を設け、±1次回折光の
光強度の比による判定に加え、複屈折フィルム46を有
するか否かによる判定も加えているので、識別マーク4
5の判定精度をより高めることができる。
【0031】なお、上記構成から分かるように、複屈折
フィルム46は直線偏光が往復することによって偏光面
が90度回転するような膜厚あるいは屈折率とするのが
好ましい。また、この実施形態では、識別マーク45に
直線偏光を投射するために直線偏光の光を発生する半導
体レーザー素子42を用いたが、発光ダイオード等の発
光素子と偏光板を用いても差し支えない。
フィルム46は直線偏光が往復することによって偏光面
が90度回転するような膜厚あるいは屈折率とするのが
好ましい。また、この実施形態では、識別マーク45に
直線偏光を投射するために直線偏光の光を発生する半導
体レーザー素子42を用いたが、発光ダイオード等の発
光素子と偏光板を用いても差し支えない。
【0032】(第3の実施形態)図11は本発明のさら
に別な実施形態によるマーク識別装置35の構成を示す
概略図である。このマーク識別装置35にあっては、発
光ダイオードのような発光素子17から出射された光ビ
ームを偏光板55に通過させることによって直線偏光
(S偏光)に変換し、このS偏光の光ビームを識別マー
ク7に斜め投射している。識別マーク7で反射する光ビ
ームは、複屈折フィルム46を2度通過しているので、
偏光面が回転してP偏光とS偏光を含んだ光ビームとな
る。そして、識別マーク7で反射した光ビームを偏光ビ
ームスプリッタ59に当ててP偏光とS偏光とに分離す
る。すなわち、偏光ビームスプリッタ59で反射したS
偏光成分はフォトダイオード等からなる一方の受光素子
57で受光され、偏光ビームスプリッタ59を透過した
P偏光成分はフォトダイオード等からなる他方の受光素
子58で受光される。ここで、受光素子57,58に入
射するS偏光成分とP偏光成分の光強度の比率は、複屈
折フィルム46の膜厚や屈折率で決まるから、正規の識
別マーク7で複屈折フィルム46の膜厚や屈折率を一定
に揃えてあれば、2つの受光素子57,58によるS偏
光成分の光強度とP偏光成分の光強度の比から正規の識
別マーク7であるか否かを高精度に判定することができ
る。
に別な実施形態によるマーク識別装置35の構成を示す
概略図である。このマーク識別装置35にあっては、発
光ダイオードのような発光素子17から出射された光ビ
ームを偏光板55に通過させることによって直線偏光
(S偏光)に変換し、このS偏光の光ビームを識別マー
ク7に斜め投射している。識別マーク7で反射する光ビ
ームは、複屈折フィルム46を2度通過しているので、
偏光面が回転してP偏光とS偏光を含んだ光ビームとな
る。そして、識別マーク7で反射した光ビームを偏光ビ
ームスプリッタ59に当ててP偏光とS偏光とに分離す
る。すなわち、偏光ビームスプリッタ59で反射したS
偏光成分はフォトダイオード等からなる一方の受光素子
57で受光され、偏光ビームスプリッタ59を透過した
P偏光成分はフォトダイオード等からなる他方の受光素
子58で受光される。ここで、受光素子57,58に入
射するS偏光成分とP偏光成分の光強度の比率は、複屈
折フィルム46の膜厚や屈折率で決まるから、正規の識
別マーク7で複屈折フィルム46の膜厚や屈折率を一定
に揃えてあれば、2つの受光素子57,58によるS偏
光成分の光強度とP偏光成分の光強度の比から正規の識
別マーク7であるか否かを高精度に判定することができ
る。
【0033】(第4の実施形態)図12は本発明のさら
に別な実施形態による識別マーク51と当該識別マーク
51の真偽を判別するためのマーク識別装置52の構成
を示す斜視図である。まず、識別マーク51について説
明すると、アルミシート13の表面に所定格子ピッチの
ブレーズ形回折格子53が形成されており、回折格子5
3の表面は複屈折フィルム46によって覆われている。
しかも、複屈折フィルム46は、回折格子53のパター
ンが変化しない方向(図12のX方向)に沿って厚みが
変化している。例えば、図15では、複屈折フィルム4
6の膜厚がX方向で次第に厚くなっている。
に別な実施形態による識別マーク51と当該識別マーク
51の真偽を判別するためのマーク識別装置52の構成
を示す斜視図である。まず、識別マーク51について説
明すると、アルミシート13の表面に所定格子ピッチの
ブレーズ形回折格子53が形成されており、回折格子5
3の表面は複屈折フィルム46によって覆われている。
しかも、複屈折フィルム46は、回折格子53のパター
ンが変化しない方向(図12のX方向)に沿って厚みが
変化している。例えば、図15では、複屈折フィルム4
6の膜厚がX方向で次第に厚くなっている。
【0034】マーク識別装置52の投光部は、識別マー
ク51に垂直に光ビームを投射するように配置された発
光素子17と、発光素子17から出射された光ビームを
ライン状に変化させるためのシリンドリカルレンズのよ
うなレンズ54と、ライン状の光ビームを直線偏光(S
偏光)にするための偏光板55から構成されている。ま
た、受光部は、−1次回折光の回折方向に配置された受
光素子(CCDラインセンサ)56と、+1次回折光の
回折方向に配置された偏光ビームスプリッタ59と、偏
光ビームスプリッタ59による光ビームの反射方向に配
置された受光素子(CCDラインセンサ)57と、偏光
ビームスプリッタ59による光ビームの透過方向に配置
された受光素子(CCDラインセンサ)58とから構成
されている。
ク51に垂直に光ビームを投射するように配置された発
光素子17と、発光素子17から出射された光ビームを
ライン状に変化させるためのシリンドリカルレンズのよ
うなレンズ54と、ライン状の光ビームを直線偏光(S
偏光)にするための偏光板55から構成されている。ま
た、受光部は、−1次回折光の回折方向に配置された受
光素子(CCDラインセンサ)56と、+1次回折光の
回折方向に配置された偏光ビームスプリッタ59と、偏
光ビームスプリッタ59による光ビームの反射方向に配
置された受光素子(CCDラインセンサ)57と、偏光
ビームスプリッタ59による光ビームの透過方向に配置
された受光素子(CCDラインセンサ)58とから構成
されている。
【0035】しかして、発光素子17から出射されレン
ズ54によってライン状に整形された光ビームは偏光板
55によってS偏光に変換され、識別マーク51に投射
される。この光ビームは識別マーク51で反射されると
同時に回折され、−1次回折光は受光素子56に受光さ
れる。受光素子56で受光される−1次回折光は複屈折
フィルム46を透過することによってP偏光とS偏光を
含んだ光ビームとなっている。また、+1次回折光も複
屈折フィルム46を透過することによってP偏光とS偏
光を含んだ光ビームとなっている。この+1次回折光は
偏光ビームスプリッタ59によってP偏光とS偏光に分
離され、S偏光は偏光ビームスプリッタ59で反射され
て受光素子57に入射し、P偏光は偏光ビームスプリッ
タ59を透過して受光素子58に入射する。
ズ54によってライン状に整形された光ビームは偏光板
55によってS偏光に変換され、識別マーク51に投射
される。この光ビームは識別マーク51で反射されると
同時に回折され、−1次回折光は受光素子56に受光さ
れる。受光素子56で受光される−1次回折光は複屈折
フィルム46を透過することによってP偏光とS偏光を
含んだ光ビームとなっている。また、+1次回折光も複
屈折フィルム46を透過することによってP偏光とS偏
光を含んだ光ビームとなっている。この+1次回折光は
偏光ビームスプリッタ59によってP偏光とS偏光に分
離され、S偏光は偏光ビームスプリッタ59で反射され
て受光素子57に入射し、P偏光は偏光ビームスプリッ
タ59を透過して受光素子58に入射する。
【0036】図13は上記マーク識別装置52の信号処
理回路60を示す回路図である。+1次回折光のうちS
偏光を受光した受光素子57からの受光信号とP偏光を
受光した受光素子58からの受光信号は増幅器62,6
3で増幅された後、加算器64で和を求められ、加算器
64から除算回路29へは+1次回折光の受光信号P 1
が出力される。また、−1次回折光を受光した受光素子
56からの受光信号P-1も増幅器61で増幅された後、
除算回路29へ出力されている。そして、除算回路29
では、+1次回折光の光強度と−1次回折光の光強度の
比を求め、それを所定値α、βと比較することにより、
正規の識別マーク51であるか否かを判定する。これは
ブレーズ形回折格子53で回折された±1次回折光の光
強度を比較することによって識別マーク51を判定する
ものであって、第2の実施形態と同じ原理である。
理回路60を示す回路図である。+1次回折光のうちS
偏光を受光した受光素子57からの受光信号とP偏光を
受光した受光素子58からの受光信号は増幅器62,6
3で増幅された後、加算器64で和を求められ、加算器
64から除算回路29へは+1次回折光の受光信号P 1
が出力される。また、−1次回折光を受光した受光素子
56からの受光信号P-1も増幅器61で増幅された後、
除算回路29へ出力されている。そして、除算回路29
では、+1次回折光の光強度と−1次回折光の光強度の
比を求め、それを所定値α、βと比較することにより、
正規の識別マーク51であるか否かを判定する。これは
ブレーズ形回折格子53で回折された±1次回折光の光
強度を比較することによって識別マーク51を判定する
ものであって、第2の実施形態と同じ原理である。
【0037】また、+1次回折光のうちのS偏光の強度
を示す受光素子57からの出力とP偏光の強度を示す受
光素子58からの出力とは、比較器65に送られる。比
較器65は、P偏光の光強度とS偏光の光強度を比較す
ることにより、所定の比となっているか否かによって正
規の識別マーク51であるか否かを判定する。複屈折フ
ィルム46の膜厚や屈折率が一定に管理された正規の識
別マーク51では、P偏光の強度とS偏光の強度の比は
一定になるが、複屈折フィルムの膜厚や屈折率が異なる
と、複屈折フィルムを透過するときの+1次回折光の偏
光面の回転具合が変わるので、膜厚や屈折率を管理され
ていない偽造の識別マークや異なる膜厚や屈折率に管理
されている類似の識別マークでは、この比は所定の値と
一致しない。従って、比較器65はP偏光の強度とS偏
光の強度を比較することによって複屈折フィルムが所定
の特性を有しているか否かを判断しており、それによっ
て識別マークの真偽を判別する。
を示す受光素子57からの出力とP偏光の強度を示す受
光素子58からの出力とは、比較器65に送られる。比
較器65は、P偏光の光強度とS偏光の光強度を比較す
ることにより、所定の比となっているか否かによって正
規の識別マーク51であるか否かを判定する。複屈折フ
ィルム46の膜厚や屈折率が一定に管理された正規の識
別マーク51では、P偏光の強度とS偏光の強度の比は
一定になるが、複屈折フィルムの膜厚や屈折率が異なる
と、複屈折フィルムを透過するときの+1次回折光の偏
光面の回転具合が変わるので、膜厚や屈折率を管理され
ていない偽造の識別マークや異なる膜厚や屈折率に管理
されている類似の識別マークでは、この比は所定の値と
一致しない。従って、比較器65はP偏光の強度とS偏
光の強度を比較することによって複屈折フィルムが所定
の特性を有しているか否かを判断しており、それによっ
て識別マークの真偽を判別する。
【0038】さらに、複屈折フィルム46はX方向に膜
厚が変化しており、受光素子57,58としてはX方向
に画素が配列したCCDラインセンサが用いられてい
る。複屈折フィルム46はX方向に膜厚が変化している
から、複屈折フィルム46を透過した+1次回折光の偏
光面の回転具合もX方向に沿って変化し、そのP偏光と
S偏光の光強度の比も変化する。例えば、複屈折フィル
ム46の膜厚が変化するX方向に沿ってP偏光の光強度
が増加していれば、S偏光の光強度は減少する。X方向
に沿って変化するP偏光とS偏光の光強度の比の変化は
CCDラインセンサSを用いた受光素子57,58によ
って検出することができるから、このP偏光とS偏光の
光強度の比の変化の様子が予め決められたように変化し
ているか否かによっても識別マークの真偽を判別するこ
とができる。
厚が変化しており、受光素子57,58としてはX方向
に画素が配列したCCDラインセンサが用いられてい
る。複屈折フィルム46はX方向に膜厚が変化している
から、複屈折フィルム46を透過した+1次回折光の偏
光面の回転具合もX方向に沿って変化し、そのP偏光と
S偏光の光強度の比も変化する。例えば、複屈折フィル
ム46の膜厚が変化するX方向に沿ってP偏光の光強度
が増加していれば、S偏光の光強度は減少する。X方向
に沿って変化するP偏光とS偏光の光強度の比の変化は
CCDラインセンサSを用いた受光素子57,58によ
って検出することができるから、このP偏光とS偏光の
光強度の比の変化の様子が予め決められたように変化し
ているか否かによっても識別マークの真偽を判別するこ
とができる。
【0039】判定部66は、比較器30における±1次
回折光の光強度の比較に基づく判定結果と、比較器65
における+1次回折光のP偏光とS偏光の光強度の比較
に基づく判定結果と、そのX方向での変化の様子に基づ
く判定結果とにより、総合的に識別マークの真偽を判定
し、真正の識別マークであると判断すると識別OKの表
示部22を点灯させ、異なる識別マークであると判断す
ると、識別NGの表示部23を点灯する。よって、この
マーク識別装置によれば、極めて高精度に識別マークの
真贋を判定することが可能になる。
回折光の光強度の比較に基づく判定結果と、比較器65
における+1次回折光のP偏光とS偏光の光強度の比較
に基づく判定結果と、そのX方向での変化の様子に基づ
く判定結果とにより、総合的に識別マークの真偽を判定
し、真正の識別マークであると判断すると識別OKの表
示部22を点灯させ、異なる識別マークであると判断す
ると、識別NGの表示部23を点灯する。よって、この
マーク識別装置によれば、極めて高精度に識別マークの
真贋を判定することが可能になる。
【0040】(第5の実施形態)図14に示すものは、
第4の実施形態のマーク識別装置52によって識別され
る別な識別マーク67である。この識別マーク67で
は、回折格子の表面を覆う複屈折フィルムの膜厚を変化
させる代わりに、屈折率の異なる複屈折フィルム46
a,46b,…を区分的に配列している。このような複
屈折フィルム46a,46b,…でも、受光素子57,
58には、P偏光の光強度の分布やS偏光の光強度の分
布が生じるので、高い識別精度で識別マークを識別する
ことができる。
第4の実施形態のマーク識別装置52によって識別され
る別な識別マーク67である。この識別マーク67で
は、回折格子の表面を覆う複屈折フィルムの膜厚を変化
させる代わりに、屈折率の異なる複屈折フィルム46
a,46b,…を区分的に配列している。このような複
屈折フィルム46a,46b,…でも、受光素子57,
58には、P偏光の光強度の分布やS偏光の光強度の分
布が生じるので、高い識別精度で識別マークを識別する
ことができる。
【図1】識別マークの概略図である。
【図2】従来例のマーク識別装置を示す一部破断した断
面図である。
面図である。
【図3】本発明の一実施形態によるマーク識別装置の斜
視図である。
視図である。
【図4】同上のマーク識別装置の作用説明図である。
【図5】本発明の別な実施形態によるマーク識別装置の
斜視図である。
斜視図である。
【図6】同上のマーク識別装置の断面図である。
【図7】同上のマーク識別装置の作用と識別マークの構
造を説明する図である。
造を説明する図である。
【図8】同上の識別マークにより回折された回折光の光
強度の分布を示す図である。
強度の分布を示す図である。
【図9】同上のマーク識別装置の信号処理回路である。
【図10】同上の信号処理回路の動作を示すフロー図で
ある。
ある。
【図11】本発明のさらに別な実施形態によるマーク識
別装置の概略構成図である。
別装置の概略構成図である。
【図12】本発明のさらに別な実施形態によるマーク識
別装置を示す概略斜視図である。
別装置を示す概略斜視図である。
【図13】同上のマーク識別回路の信号処理回路を示す
図である。
図である。
【図14】本発明のさらに別な実施形態による識別マー
クを示す概略斜視図である。
クを示す概略斜視図である。
7 識別マーク 12 ホログラム 13 アルミシート 17 発光素子 19,20 受光素子 42 半導体レーザー素子 43,44 偏光板 45 識別マーク 46,46a,46b,… 複屈折フィルム 57,58 受光素子 59 偏光ビームスプリッタ
Claims (4)
- 【請求項1】 反射面の表面側に、識別のための複屈折
特性を有する層が形成されていることを特徴とする識別
マーク。 - 【請求項2】 請求項1に記載の識別マークを判別する
ための方法であって、 前記複屈折特性を有する層の有無によって真正の識別マ
ークであるか否かを判定することを特徴とするマーク識
別方法。 - 【請求項3】 請求項1に記載の識別マークを判別する
ための方法であって、 前記複屈折特性を有する層の複屈折特性の違いによって
真正の識別マークであるか否かを判定することを特徴と
するマーク識別方法。 - 【請求項4】 請求項1に記載の識別マークを判別する
ための装置であって、 識別マークに直線偏光の光を照射する手段と、 識別マークで反射された光の偏光方向の変化に基づく物
理量の変化を検出する手段と、 前記物理量検出手段によって検出された物理量の変化か
ら前記複屈折特性を有する層の有無もしくは複屈折特性
の違いを判断して真性の識別マークであるか否かを判定
する手段と、を備えたマーク識別装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18033397A JPH1115379A (ja) | 1997-06-20 | 1997-06-20 | 識別マーク、マーク識別方法及びマーク識別装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18033397A JPH1115379A (ja) | 1997-06-20 | 1997-06-20 | 識別マーク、マーク識別方法及びマーク識別装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1115379A true JPH1115379A (ja) | 1999-01-22 |
Family
ID=16081397
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18033397A Pending JPH1115379A (ja) | 1997-06-20 | 1997-06-20 | 識別マーク、マーク識別方法及びマーク識別装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1115379A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6961177B2 (en) * | 2001-06-01 | 2005-11-01 | Sony Corporation | Stereoscopic image display apparatus, display apparatus, divided wave plate filter, plate-shared filter, and filter position adjusting mechanism attached to the display apparatus, aligning apparatus, filter position adjusting method, and filter aligning method |
CN111292537A (zh) * | 2018-12-06 | 2020-06-16 | 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 | 一种夜间车牌识别系统及方法 |
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1997
- 1997-06-20 JP JP18033397A patent/JPH1115379A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6961177B2 (en) * | 2001-06-01 | 2005-11-01 | Sony Corporation | Stereoscopic image display apparatus, display apparatus, divided wave plate filter, plate-shared filter, and filter position adjusting mechanism attached to the display apparatus, aligning apparatus, filter position adjusting method, and filter aligning method |
CN111292537A (zh) * | 2018-12-06 | 2020-06-16 | 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 | 一种夜间车牌识别系统及方法 |
CN111292537B (zh) * | 2018-12-06 | 2023-05-16 | 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 | 一种夜间车牌识别系统及方法 |
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