JPH11153706A - カラーフィルター用ペースト、それを使用したカラーフィルター、および液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルター用ペースト、それを使用したカラーフィルター、および液晶表示装置

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JPH11153706A
JPH11153706A JP31932797A JP31932797A JPH11153706A JP H11153706 A JPH11153706 A JP H11153706A JP 31932797 A JP31932797 A JP 31932797A JP 31932797 A JP31932797 A JP 31932797A JP H11153706 A JPH11153706 A JP H11153706A
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JP
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paste
color filter
pigment
viscosity
acid
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JP31932797A
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English (en)
Inventor
Akiko Nomura
章子 野村
Masahiro Yoshioka
正裕 吉岡
Masaharu Taniguchi
雅治 谷口
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ペーストの塗布性・保存安定性などの良否の判
断が容易に行える顔料の微分散安定性に優れたカラーフ
ィルター用ペーストを提供する。 【解決手段】顔料とポリマーと溶剤とを主成分とするカ
ラーフィルター用ペーストにおいて、該ペーストに一定
のせん断速度を与え続けたときに、粘度の変化率が5%
以内であることを特徴とするカラーフィルター用ペース
ト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーフィルター
用ペースト、および、それを使用したカラーフィルタ
ー、および、液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、液晶表示装置などに使用されるカ
ラーフィルターの製法は、顔料分散法が主流となってい
る。顔料分散法には、感光アクリル法、非感光ポリイミ
ド法などがある。
【0003】ポリアミック酸の溶液に顔料を分散したカ
ラーぺーストを使用したカラーフィルターの製造は、た
とえば特開昭60−247603号公報や特開昭61−
77804号公報に示されているように次のような工程
により行なわれる。まず、カラーぺースト(たとえば赤
色)を基板上に塗布した後、乾燥してポリイミド前駆体
着色被膜を形成する。ポリイミド前駆体着色被膜上にポ
ジ型フォトレジストを塗布し、フォトレジスト被膜を形
成する。該フォトレジスト被膜上にマスクを置き、露光
装置を用いて紫外線を照射する。露光後、ポジ型フォト
レジスト用アルカリ現像液により、フォトレジスト被膜
とポリイミド前駆体着色被膜のエッチングを同時に行
う。エッチング後、不要となったフォトレジスト被膜を
剥離する。その後、加熱処理することによって、ポリイ
ミド前駆体をポリイミドに変換する。このようにして、
1色のポリイミド着色被膜のパターンを基板上に形成し
た後、その上に別な色(たとえば緑色)のカラーぺース
トを塗布し、同様の工程を経て、2色のポリイミド着色
被膜のパターンを基板上に形成する。これをもう一度繰
り返すと、赤、緑、青の3色のポリイミド着色被膜のパ
ターンが得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
カラーフィルター用ペーストにおいては、塗布欠陥が発
生しやすく、その結果、良好なカラーフィルターおよび
液晶表示装置が得られにくいといった問題があった。
【0005】本発明はかかる従来技術の欠点を改良し、
塗布欠陥が発生しにくいカラーフィルター用ペーストを
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するた
め、本発明は次のような構成をとる。
【0007】本発明のカラーフィルター用ペーストは、
顔料とポリマーと溶剤とを主成分とするカラーフィルタ
ー用ペーストにおいて、該ペーストに5rpmのせん断
速度を与え続けたときに、粘度の変化率が5%以内であ
ることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明者は、せん断速度を与え続
けたときのペーストの粘度変化に着目し、鋭意検討を続
けた結果、5rpmのせん断速度を与え続けたときのペ
ーストの粘度の変化率が5%以内、より好ましくは3%
以内であれば、塗布性・保存安定性などに問題が生じな
いことを見出した。
【0009】せん断速度を与え続けたときに、粘度が5
%よりも多く上昇するペーストは、せん断により顔料凝
集などが促進されて粘度が上昇していると考えられ、塗
布性や保存安定性に問題が生じる。また、粘度が5%よ
りも多く低下するペーストは、せん断により顔料の凝集
等の構造が破壊されていると考えられ、塗布性・ペース
ト塗膜の性能に問題がある。
【0010】本発明における粘度変化率は下記の式
(1)から算出される。
【0011】100|ηn−ηm|/ηm (1) (ただし、ηm、ηnは、せん断速度を各々、m、n秒与
え続けた後の粘度) m、nの値、すなわちせん断速度を与え続ける時間に
は、特に制限はないが、mは小さすぎると、せん断速度
を与え始めたばかりなので、粘度の測定値が不安定とな
り好ましくない。したがって、mの好適な範囲は、20
〜80秒、好ましくは40〜60秒、より好ましくは6
0秒である。また、nは大きいほど、より正確な粘度変
化率が得られるが、測定の簡便性から、nは、200〜
800秒、好ましくは300〜600秒、より好ましく
は300秒がよい。
【0012】また、粘度変化率測定時におけるペースト
の温度には、特に制限はないが、一般に、温度が高いほ
どペーストの粘度は減少する傾向にあるため、測定の限
界等から、粘度が低いほど、粘度変化率の誤差は大きく
なる。したがって、温度は、測定の簡便性の観点も併せ
て、10〜40℃、好ましくは20〜30℃、より好ま
しくは25℃で測定するのがよい。粘度変化率測定時に
ペーストの温度が一定に保たれるように、恒温装置を有
する粘度計を使用する必要がある。
【0013】本発明のカラーフィルター用ペーストの粘
度測定に使用する粘度計には特に制限はなく、毛管粘度
計、回転円筒粘度計、円錐円板粘度計等を用いることが
できるが、一定のせん断速度を与え続けながら粘度測定
を行うことができるといった測定の簡便性等の点から、
円錐円板粘度計を使用することが好ましい。
【0014】本発明のカラーフィルター用ペーストに用
いられるポリマーには特に制限はなく、アクリル系、エ
ポキシ系、ウレタン系、ポリエステル系などを使用でき
るが、パターン加工性、モノマーの選択の幅が広いこと
からアクリル樹脂を用いることが好ましい。また、カラ
ーフィルターの耐熱性などの点からポリアミック酸を使
用することが好ましい。
【0015】ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無
水物とジアミンを反応させることにより得ることができ
る。
【0016】本発明におけるポリアミック酸の合成に
は、テトラカルボン酸二無水物として、たとえば、脂肪
族系または脂環式系のものを用いることができ、その具
体的な例として、1,2,3,4−シクロブタンテトラ
カルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタン
テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,5−シクロペ
ンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ビ
シクロヘキセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,
4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、
1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テ
トラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフ
ト[1,2−C]フラン−1,3−ジオンなどが挙げら
れる。また、芳香族系のものを用いると、耐熱性の良好
な膜に変換しうるポリアミック酸を得ることができ、そ
の具体的な例として、3,3´,4,4´−ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水
物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無
水物、3,3´,4,4´−ジフェニルスルホンテトラ
カルボン酸二無水物、4,4´−オキシジフタル酸無水
物、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物、3,3”,4,4”−パラターフェニルテ
トラカルボン酸二無水物、3,3”,4,4”−メタタ
ーフェニルテトラカルボン酸二無水物などが挙げられ
る。また、フッ素系のものを用いると、短波長領域での
透明性が良好な膜に変換しうるポリアミック酸を得るこ
とができ、その具体的な例として、4,4´−(ヘキサ
フルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物などが挙
げられる。なお、本発明は、これらに限定されずにテト
ラカルボン酸二無水物が1種または2種以上用いられ
る。
【0017】また、本発明におけるポリアミック酸の合
成には、ジアミンとして、たとえば、脂肪族系または脂
環式系のものを用いることができ、その具体的な例とし
て、エチレンジアミン、1,3−ジアミノシクロヘキサ
ン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4´−ジア
ミノ−3,3´−ジメチルジシクロヘキシルメタン、
4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジシクロヘキ
シルなどが挙げられる。また、芳香族系のものを用いる
と、耐熱性の良好な膜に変換しうるポリアミック酸を得
ることができ、その具体的な例として、4,4´−ジア
ミノジフェニルエーテル、3,4´−ジアミノジフェニ
ルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、
3,3´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジア
ミノジフェニルスルホン、3,3´−ジアミノジフェニ
ルスルホン、4,4´−ジアミノジフェニルサルファイ
ド、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミ
ン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトル
エン、2,6−ジアミノトルエン、ベンジジン、3,3
´−ジメチルベンジジン、3,3´−ジメトキシベンジ
ジン、o−トルイジン、4,4”−ジアミノターフェニ
ル、1,5−ジアミノナフタレン、3,3´−ジメチル
−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ビ
ス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、
ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エ−テ
ル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ス
ルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル]スルホンなどが挙げられる。また、フッ素系のもの
を用いると、短波長領域での透明性が良好な膜に変換し
うるポリアミック酸を得ることができ、その具体的な例
として、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル]ヘキサフルオロプロパンなどが挙げられる。
【0018】また、ジアミンの一部として、シロキサン
ジアミンを用いると、無機基板との接着性を良好にする
ことができる。シロキサンジアミンは、通常、全ジアミ
ン中の1〜20モル%量用いる。シロキサンジアミンの
量が少なすぎれば接着性向上効果が発揮されず、多すぎ
れば耐熱性が低下する。シロキサンジアミンの具体例と
しては、ビス−3−(アミノプロピル)テトラメチルシ
ロキサンなどが挙げられる。本発明は、これに限定され
ずにジアミンが1種または2種以上用いられる。
【0019】ポリアミック酸の合成は、極性有機溶媒中
でテトラカルボン酸二無水物とジアミンを混合して反応
させることにより行うのが一般的である。この時、ジア
ミンとテトラカルボン酸二無水物の混合比により、得ら
れるポリアミック酸の重合度を調節することができる。
【0020】このほか、テトラカルボン酸ジクロライド
とジアミンを極性有機溶媒中で反応させて、その後、塩
酸と溶媒を除去することによってポリアミック酸を得る
など、ポリアミック酸を得るには種々の方法がある。し
かし、本発明はその合成法によらずにポリアミック酸に
対して適用が可能である。
【0021】次に、本発明のカラーフィルター用ペース
トに使用するポリアミック酸の構造単位の繰り返し数に
ついて述べる。ポリイミド膜の力学的特性は、分子量が
大きいほど良好であるため、ポリイミド前駆体であるポ
リアミック酸の分子量も大きいことが望まれる。一方、
ポリイミド前駆体膜を湿式エッチングによりパターン加
工を行う場合、ポリアミック酸の分子量が大きすぎる
と、現像に要する時間が長くなりすぎるという問題があ
る。したがって、構造単位の繰り返し数の好ましい範囲
は15〜1000、より好ましくは18〜400、さら
に好ましくは20〜100である。なお、ポリアミック
酸の分子量には一般にばらつきがあるため、ここでいう
構造単位の繰り返し数の好ましい範囲とは、この範囲の
中に全ポリアミック酸の50モル%以上、好ましくは7
0モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上が入っ
ていることを意味する。
【0022】本発明のカラーフィルター用ぺーストに
は、顔料の分散性を改善する目的で、オリゴアミック酸
および/またはポリアミック酸が含まれていてもよい。
【0023】さらに、顔料分散液の分散剤として、イミ
ノ基および/またはイミノカルボニル基を有するオリゴ
アミック酸および/またはポリアミック酸を使用しても
よい。ここで、イミノ基とはN置換体も含み、その際の
置換基は炭素数20以下の有機基とすることが好まし
く、イミノカルボニル基はN置換体も含み、その際の置
換基は炭素数20以下の有機基とすることが好ましい。
【0024】イミノ基および/またはイミノカルボニル
基を有するポリマーおよび/またはオリゴマーとは、ポ
リマーまたはオリゴマーの主鎖および/または側鎖にイ
ミノ基および/またはイミノカルボニル基を有するもの
をいう。ここでポリマーとは重量平均分子量が5000
以上の重合体、オリゴマーとは重量平均分子量が500
〜5000の重合体をいう。
【0025】イミノ基および/またはイミノカルボニル
基を有するポリマーおよび/またはオリゴマーの例とし
て、ポリエチレンイミンやポリフェニレンイミンなどの
ポリイミン類、芳香族および脂肪族ポリアミド類、ポリ
イミドの前駆体であるポリアミド酸、無水マレイン酸と
ジアミンを反応させ得られるポリアミド酸アミン、ポリ
アミドイミドの前駆体であるポリアミドアミド酸および
ポリアミドイミドなどポリイミドの前駆体類があげられ
るが、これらに限定されない。分子量調節はポリアミド
類、ポリイミドの前駆体類の場合を例に挙げると、酸成
分またはアミン成分のいずれかを過剰にするか、単官能
性の酸またはアミン成分を添加することにより実施され
る。単官能性の酸またはアミン成分の例として、モノカ
ルボン酸、カルボン酸二無水物、モノアミンが使用され
る。具体例として、安息香酸、無水フタル酸、テトラク
ロロ無水フタル酸、無水マレイン酸、アニリンなどがあ
げられるが、これらに限定されない。分散剤として使用
されるイミノ基および/またはイミノカルボニル基を有
するポリマーおよび/またはオリゴマーは、顔料を分散
保持する樹脂との相溶性などの観点から選択するのが好
ましい。顔料を分散保持する樹脂がポリアミド類、ポリ
イミド類の場合、ジアミン成分にイミノ基および/また
はイミノカルボニル基を有するモノマーを用いた、ポリ
マーおよび/またはオリゴマーを使用すると分散効果を
より一層高くすることができる。イミノ基および/また
はイミノカルボニル基を有するジアミンの例として、
4,4´(または3,4´または3,3´または2,
4)−ジアミノジフェニルアミン、4,4´(または
2,2´または3,4´または3,3´)−ジアミノジ
ベンジルアミン、N,N´−ビス−(4−アミノ−3−
メチルフェニル)エチレンジアミン、3,3´−ジアミ
ノジプロピルアミン、4,4´(または3,4´または
3,3´または4,3´または2,4)−ジアミノベン
ズアニリド、N,N´−m(またはp)−フェニレンビ
ス(m(またはp)−アミノベンズアミド)、N,N´
−ジメチル(またはジフェニル)−N,N´−p−フェ
ニレンビス(m(またはp)−アミノベンズアミド)な
どがあげられるが、これらに限定されない。
【0026】イミノ基および/またはイミノカルボニル
基を有するジアミンと有しないジアミンを共に用い、共
重合ポリマーおよび/またはオリゴマー分散剤を合成す
ることもできる。この場合、イミノ基および/またはイ
ミノカルボニル基を有するジアミンは全ジアミンの1モ
ル%以上、好ましくは5モル%以上が望ましい。
【0027】イミノ基および/またはイミノカルボニル
基を有するジアミンと反応させるカルボン酸成分とし
て、とくにテトラカルボン酸二無水物が耐熱性の点で好
ましい。テトラカルボン酸二無水物としては、4,4´
−オキシジフタル酸二無水物、3,3´,4,4´−ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物が分散剤としての効
果が大きい。
【0028】さらに黄色顔料ピグメントイエロー17単
独またはピグメントイエロー17と緑色顔料の混合物を
分散する場合、イミノ基および/またはイミノカルボニ
ル基を有するポリマーおよび/またはオリゴマーを使用
すると、顔料が凝集せず、安定な顔料分散液およびカラ
ーフィルター用ペーストが得られる。したがって上記分
散液およびペーストは、イミノ基および/またはイミノ
カルボニル基を有するオリゴアミック酸および/または
ポリアミック酸を含有することがより好ましい。
【0029】また、顔料分散剤として、少なくとも一方
の末端にアントラキノン骨格を有するオリゴアミック酸
を使用してもよい。オリゴアミック酸末端へのアントラ
キノン骨格の導入は以下のように行う。
【0030】テトラカルボン酸二無水物とジアミンを反
応させることにより得られるオリゴアミック酸において
は、一方のモノマーを過剰にすることで末端基の構造を
選択することができる。すなわち、ジアミンを過剰にし
て反応を行えば、アミノ基末端のオリゴアミック酸が得
られる。また、テトラカルボン酸二無水物を過剰にすれ
ば、酸無水物末端、あるいは、酸無水物が空気中などの
微量の水で加水分解されることによりカルボキシル基末
端のオリゴアミック酸が得られる。カルボキシル基末端
のオリゴアミック酸については、アミノ基末端のオリゴ
アミック酸を酸無水物と反応させることにより得ること
も可能である。ここで、酸無水物の例としては、無水マ
レイン酸、無水コハク酸などが挙げられる。
【0031】したがって、アミノ基、酸無水物、あるい
はカルボキシル基と反応することが可能な官能基をアン
トラキノン骨格中に有する化合物を、適切な末端基を有
するオリゴアミック酸と反応させることにより、末端に
アントラキノン骨格を有するオリゴアミック酸を得るこ
とができる。
【0032】例えば、酸無水物末端のオリゴアミック酸
にアミノアントラキノンや、ジアミノアントラキノンを
反応させることにより末端にアントラキノン骨格を有す
るオリゴアミック酸が得られる。アミノアントラキノン
の例としては、1−アミノアントラキノン、2−アミノ
アントラキノンなどが挙げられ、また、ジアミノアント
ラキノンの例としては、1、2−ジアミノアントラキノ
ン、1、4−ジアミノアントラキノン、1、5−ジアミ
ノアントラキノンなどが挙げられる。これらの中では、
反応性や、汎用性の点からみて、2−アミノアントラキ
ノンや1、2−ジアミノアントラキノンを用いることが
好ましい。
【0033】また、アミン末端のオリゴアミック酸にア
ントラキノンスルホン酸を反応させることによっても、
末端にアントラキノン骨格を有するオリゴアミック酸が
得られる。アントラキノンスルホン酸の例としては、ア
ントラキノンスルホン酸以外に、1−アミノアントラキ
ノン−2−スルホン酸が挙げられる。
【0034】本発明の顔料分散液におけるオリゴアミッ
ク酸は、上記のように顔料の分散安定化に大きく寄与す
る。そのことに加えて、該オリゴアミック酸は、後述す
るようにカラーペースト中に含有した場合に、最終的に
はポリイミドと同様の構造をとることになるため、耐熱
性、耐光性、耐溶剤性に優れるという利点をもつ。
【0035】本発明の顔料分散液におけるオリゴアミッ
ク酸においては、その構造単位の繰り返し数、すなわち
該オリゴアミック酸の分子量も顔料の分散性およびその
他の因子に影響を与える。
【0036】オリゴアミック酸の分子量が小さい場合に
は、溶媒に対する溶解性や、膜を形成した場合の力学的
特性に問題がある。また、オリゴアミック酸の分子量が
大きい場合には、吸着層間でのオリゴアミック酸の絡み
合いや、顔料粒子間にオリゴアミック酸が入り込めない
領域が生じるために起こる一種の浸透圧効果に起因する
枯渇作用などにより、顔料粒子の凝集が起こり得る。経
験的には、オリゴアミック酸の分子量、すなわち構造単
位の繰り返し数は、3〜15の範囲であることが好まし
い。
【0037】なお、オリゴアミック酸の分子量には一般
にばらつきがあるため、ここでいう構造単位の繰り返し
数の好ましい範囲とは、この範囲の中に全オリゴアミッ
ク酸の50モル%以上、好ましくは70モル%以上、さ
らに好ましくは90モル%以上が入っていることを意味
する。
【0038】本発明の顔料分散液において、オリゴアミ
ック酸は、顔料に対して0.01〜200重量%、好ま
しくは0.1〜100重量%、より好ましくは1〜50
重量%、さらに好ましくは2〜25重量%の範囲で添加
して使用する。オリゴアミック酸の量が少なすぎると、
分散安定化の効果が不十分となる。また、該顔料分散液
をポリアミック酸と混合後、カラーペーストとして使用
する場合に、オリゴアミック酸の量が過大であると、カ
ラーペーストを膜としたときの膜物性強度が低下する。
【0039】本発明のカラーフィルター用ペーストの顔
料分散剤においては、オリゴアミック酸がアントラキノ
ン骨格を末端に有しているため、赤色顔料、とくに、ア
ントラキノン系赤色顔料を主成分として使用した場合に
顔料の分散性の良好な顔料分散液が得られる。顔料の具
体的な例としては、ピグメントレッド177なる赤色顔
料が挙げられる。
【0040】本発明のカラーフィルター用ペーストに用
いられる顔料には特に制限はないが、耐光性、耐熱性、
耐薬品性に優れたものが好ましい。なお、好適に使用で
きる顔料には、ロジン処理、酸性処理、塩基性処理など
の表面処理が施されているものが含まれる。代表的な顔
料の具体的な例をピグメントナンバーで示す。
【0041】黄色顔料の例としては、ピグメントイエロ
ー13、17、20、24、83、86、93、95、
109、110、117、125、137、138、1
39、147、148、153、154、166、16
8、185などが挙げられる。橙色顔料の例としてはピ
グメントオレンジ13、31、36、38、40、4
2、43、51、55、59、61、64、65などが
挙げられる。赤色顔料の例としては、ピグメントレッド
9、48、97、122、123、144、149、1
66、168、177、180、192、215、21
6、217、220、223、224、226、22
7、228、240などが挙げられる。紫色顔料の例と
してはピグメントバイオレット19、23、29、3
2、33、36、37、38などが挙げられる。青色顔
料の例としてはピグメントブルー15(15:3、1
5:4、15:6など)、21、22、60、64など
が挙げられる。緑色顔料の例としては、ピグメントグリ
ーン7、10、36、47などが挙げられる。黒色顔料
の例としてはピグメントブラック7などが挙げられる。
本発明ではこれらに限定されずに種々の顔料を使用する
ことができる。
【0042】本発明のカラーフィルター用ぺーストにお
いて、ポリアミック酸と顔料は、通常、重量比で1:9
〜9:1、好ましくは2:8〜8:2、より好ましくは
3:7〜7:3の範囲で混合して用いられる。ポリアミ
ック酸の量が少なすぎると、着色被膜の基板との接着性
が不良となり、逆に顔料の量が少なすぎると着色度が問
題となる。また、該ペーストにおいては、塗工性、乾燥
性などの観点から、ポリアミック酸、顔料をあわせた固
形分濃度は、2〜30%、好ましくは3〜25%、さら
に好ましくは5〜20%の範囲で使用する。
【0043】本発明のカラーフィルター用ペーストにお
ける溶媒としては、ポリアミック酸を溶解するものを使
用することができる。具体的な例としては、N―メチル
―2―ピロリドン、N,N―ジメチルアセトアミド、
N,N―ジメチルホルムアミドなどのアミド系極性溶
媒、β―プロピオラクトン、γ―ブチロラクトン、γ―
バレロラクトン、δ―バレロラクトン、γ―カプロラク
トン、ε―カプロラクトンなどのラクトン類などが挙げ
られる。また、これらの溶媒とともに、メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカ
ルビトール、プロピレングリコールモノエチルエーテル
などのエチレングリコールあるいはプロピレングリコー
ル誘導体、あるいは、プロピレングリコールモノエチル
エーテルアセテート、アセト酢酸エチル、メチル―3―
メトキシプロピオネート、3―メチル―3―メトキシブ
チルアセテートなどの脂肪族エステル類、あるいは、エ
タノール、3―メチル―3―メトキシブタノールなどの
脂肪族アルコール類などを副溶媒として添加することも
可能である。
【0044】本発明のカラーフィルター用ぺーストに
は、塗布性、着色被膜の乾燥性の改良、あるいは、顔料
の分散性を良好にする目的で、本発明のカラーぺースト
に界面活性剤を添加することもできる。界面活性剤の添
加量は通常、顔料の0.001〜10重量%、好ましく
は0.01〜1重量%である。添加量が少なすぎると塗
布性、着色被膜の乾燥性の改良、あるいは顔料の分散性
の改良の効果がなく、多すぎると逆に塗膜物性が不良と
なったり、顔料の凝集が起こる。界面活性剤の具体例と
しては、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミンなどの陰
イオン界面活性剤、ステアリルアミンアセテート、ラウ
リルトリメチルアンモニウムクロライドなどの陽イオン
界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウ
リルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウム
ベタインなどの両性界面活性剤、ポリオキシエチレンラ
ウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテ
ル、ソルビタンモノステアレートなどの非イオン界面活
性剤、ポリジメチルシロキサンなどを主骨格とするシリ
コーン系界面活性剤などが挙げられる。本発明では、こ
れらに限定されずに、界面活性剤が1種または2種以上
用いることができる。界面活性剤の添加は、顔料の分散
工程中またはその工程の前後のどの時点でも行うことが
できる。しかし、添加の時点により顔料の分散性が変わ
る場合があるので、注意を要する。
【0045】本発明のカラーフィルター用ぺーストの製
造には、顔料分散液とポリアミック酸溶液とを混合する
方法を用いることができるが、顔料分散液にポリアミッ
ク酸溶液を加えたときのショックを避けるため、顔料分
散液中にポリアミック酸が含まれていてもよい。
【0046】本発明のカラーフィルターは、本発明のカ
ラーフィルター用ペーストを使用したことを特徴とする
ものである。
【0047】本発明のカラーフィルター用ぺーストを基
板上に塗布する方法としては、スピンコーター、バーコ
ーター、ブレードコーター、ロールコーター、ダイコー
ター、スクリーン印刷法などで基板に塗布する方法、基
板を溶液中に浸漬する方法、溶液を基板に噴霧するなど
の種々の方法を用いることができる。基板としては通
常、ソーダガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラ
ス、石英ガラスなどの透明基板や、シリコン、ガリウム
−ひ素などの半導体基板などが用いられるが、特にこれ
らに限定されない。なお、基板上に該ペーストを塗布す
る場合、シランカップリング剤、アルミニウムキレート
剤、チタニウムキレート剤などの接着助剤で基板表面を
処理しておくと、着色被膜と基板の接着力を向上させる
ことができ、必要に応じて行われる。
【0048】本発明のカラーフィルター用ぺーストは、
液晶表示装置や撮像素子のカラーフィルターのほか、光
学素子の遮光膜、光ファイバーのカラー被覆膜などに用
いられる。たとえば、光ファイバーを該ぺーストを用い
て着色被膜で被覆したものは、高温下での光学センサー
として利用することができる。
【0049】本発明のカラーフィルター用ぺーストを使
用した、カラーフィルターの作製方法の一例を説明す
る。
【0050】該ぺーストを、前記のような方法で透明基
板上に塗布した後、風乾、加熱乾燥、真空乾燥などによ
り、ポリイミド前駆体着色被膜を形成する。加熱乾燥の
場合、オーブン、ホットプレートなどを使用し、50〜
180℃の範囲で1分〜3時間行うのが好ましい。次
に、このようにして得られたポリイミド前駆体着色被膜
に、通常の湿式エッチングによりパターンを形成する。
まず、ポリイミド前駆体着色被膜上にポジ型フォトレジ
ストを塗布し、フォトレジスト被膜を形成する。続いて
該フォトレジスト被膜上にマスクを置き、露光装置を用
いて紫外線を照射する。露光後、ポジ型フォトレジスト
用アルカリ現像液により、フォトレジスト被膜とポリイ
ミド前駆体着色被膜のエッチングを同時に行う。エッチ
ング後、不要となったフォトレジスト被膜を剥離する。
【0051】イミド前駆体着色被膜は、その後、加熱処
理することによって、ポリイミド着色被膜に変換され
る。加熱処理は通常、空気中、窒素雰囲気中、あるい
は、真空中などで、150〜450℃、好ましくは18
0〜350℃の温度のもとで、0.5〜5時間、連続的
または段階的に行われる。
【0052】以上の工程を赤、緑、青などの3色のカラ
ーぺーストおよび必要に応じてブラックのカラーぺース
トについて行うと、液晶表示装置用カラーフィルターが
作製できる。
【0053】
【実施例】以下に、カラーフィルター用ペーストの実施
例により、本発明をさらに詳しく説明する。
【0054】実施例1 (赤ペーストの作成)赤色顔料(ピグメントレッド17
7)5.4g、γ−ブチロラクトン84.6gをガラス
ビーズ90gとともにホモジナイザーを用い、分散処理
(7000rpm、2時間)後、ガラスビーズを濾過に
より除去し、顔料分散液(A−1)を得た。
【0055】温度計および乾燥窒素導入口と攪拌装置を
付した2000mlの4つ口フラスコに、3,3´,
4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物7
9.75g(0.2475mol)、ピロメリット酸二
無水物53.98g(0.2475mol)、4,4´
−ジアミノジフェニルエーテル95.11g(0.47
5mol)、ビス−3−(アミノプロピル)テトラメチ
ルシロキサン6.21g(0.025mol)、および
γ−ブチロラクトン1070.78gを投入し、乾燥窒
素流入下、60℃で3時間攪拌して、ポリアミック酸の
γ−ブチロラクトン溶液(P−1)を得た。
【0056】得られた分散液(A−1)45.3gに、
ポリアミック酸(P−1)17.7g、γ-ブチロラク
トン37.0gを添加して、カラーフィルター用赤ペー
ストを作製した。
【0057】(カラーフィルター用ペーストの粘度測
定)粘度の測定は、東機産業製VISCOMETER
RE100を使用し、25℃で、300秒測定し、せん
断速度を与え始めてから60秒後と300秒後の粘度か
ら、式(1)にしたがって、粘度変化率を算出する。
【0058】得られた赤ペーストの粘度変化率を、5r
pmのせん断速度で測定したところ、60〜300秒の
粘度変化率は2.4%であった(図1)。さらに、該赤
ペーストは保存安定性が良好であった(図2)。該赤ペ
ーストを用いて、以下のようにカラーフィルターを作成
した。
【0059】(樹脂ブラックマトリクス層の作成)温度
計、乾燥窒素導入口、温水・冷却水による加熱・冷却装
置、および、攪拌装置を付した20Lの反応釜に、γ−
ブチロラクトン 16644.1g、4,4’−ジアミ
ノジフェニルエーテル 600.7g(3.0mo
l)、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン 67
0.2g(2.7mol)、ビス−3−(アミノプロピ
ル)テトラメチルシロキサン 74.6g(0.3mo
l)を投入し、釜を30℃に加熱した。30分後、3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物 644.4g(2.0mol)、ピロメリット酸
二無水物 641.3g(2.94mol)、3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
294.2g(1.0mol)を投入し、釜を58℃
に加熱した。3時間後、無水マレイン酸 11.8g
(0.12mol)を添加し、58℃でさらに1時間加
熱することにより、ポリアミック酸のNMP溶液(P−
2)を得た。
【0060】カーボンブラック 4.6g、ポリアミッ
ク酸溶液(P−2) 24.0g、N−メチルピロリド
ン 61.4gをガラスビーズ 90gとともにホモジ
ナイザーを用い、7000rpmで30分間分散処理
後、ガラスビーズを濾過により除去し、カーボンブラッ
クミルベースを得た。
【0061】また、ピグメントブルー15:6 2.2
g、ポリアミック酸溶液(P−2)24.0g、N−メ
チルピロリドン 63.8gをガラスビーズ 90gと
ともにホモジナイザーを用い、7000rpmで30分
間分散処理後、ガラスビーズを濾過により除去し、青顔
料ミルベースを得た。
【0062】得られた両ミルベースを全量混合すること
により、樹脂ブラックマトリクス用ペーストを得た。
【0063】樹脂ブラックマトリクス用ぺーストを無ア
ルカリガラス基板(厚さ0.7mm)上にスピンコート
し、50℃で10分間、90℃で10分間、110℃で
20分間オーブンを用いて空気中で加熱乾燥して、膜厚
1.1μmのポリイミド前駆体着色膜を得た。この膜上
にポジ型フォトレジスト(東京応化社製OFPR−80
0)を塗布し、80℃で20分間加熱乾燥して膜厚1μ
mのレジスト膜を得た。キャノン社製紫外線露光機PL
A−501Fを用い、クロム製のフォトマスクを介し
て、波長365nmでの強度が50mJ/cm2の紫外
線を照射した。露光後、テトラメチルアンモニウムハイ
ドロオキサイドの2.38wt%の水溶液からなる現像
液に浸漬し、フォトレジストおよびポリイミド前駆体着
色被膜の現像を同時に行った。エッチング後、不要とな
ったフォトレジスト層をメチルセロソルブアセテートで
剥離した。さらにこのようにして得られたポリイミド前
駆体着色被膜を窒素雰囲気中で300℃で30分間熱処
理し、膜厚0.9μmのポリイミド着色パターン被膜を
得た。
【0064】(着色層の作成)次に、緑、青の顔料とし
て、それぞれ、ピグメントグリーン36、ピグメントブ
ルー15:6を用意し、ポリアミック酸溶液(P−2)
と混合分散し、青、緑の2種類の着色ペーストを得た。
【0065】赤ペーストを樹脂ブラックマトリクス基板
上にスピンコートし、50℃で10分間、90℃で10
分間、110℃で20分間オーブンを用いて空気中で加
熱乾燥して、膜厚1.1μmのポリイミド前駆体着色膜
を得た。この膜上にポジ型フォトレジスト(東京応化社
製OFPR−800)を塗布し、80℃で20分間加熱
乾燥して膜厚1μmのレジスト膜を得た。キャノン社製
紫外線露光機PLA−501Fを用い、クロム製のフォ
トマスクを介して、波長365nmでの強度が50mJ
/cm2の紫外線を照射した。露光後、テトラメチルア
ンモニウムハイドロオキサイドの2.38wt%の水溶
液からなる現像液に浸漬し、フォトレジストおよびポリ
イミド前駆体着色被膜の現像を同時に行った。エッチン
グ後、不要となったフォトレジスト層をメチルセロソル
ブアセテートで剥離した。さらに、このようにして得ら
れたポリイミド前駆体着色被膜を窒素雰囲気中で300
℃で30分間熱処理し、膜厚0.9μmのポリイミド赤
色パターン被膜を得た。
【0066】その後、同様にして、緑ペースト、青ペー
ストのパターンを形成し、赤、緑、青の3原色を有する
カラーフィルターを得た。
【0067】(カラーフィルターの欠点検査)カラーフ
ィルターの欠点検査は、カラーフィルターを目視で観察
することにより行う。
【0068】得られたカラーフィルターの目視検査の結
果、赤ペーストの塗布欠陥発生率は、0.5%であっ
た。
【0069】比較例1 実施例1の分散時間を2.5時間に変更した以外は全て
実施例と同様にして得られた赤ペーストの60〜300
秒の粘度変化率は、5rpmで17.5%であった(図
1)。該赤ペーストは実施例1のカラーフィルター用赤
ペーストに比べて、冷凍保存中の粘度変化が著しく不安
定であった(図2)。
【0070】該赤ペーストを使用したこと以外は、実施
例1と同様にカラーフィルターを作成した。
【0071】得られたカラーフィルターを、実施例1と
同様に目視検査した結果、赤ペーストの塗布欠点が8.
0%みとめられた。
【0072】実施例2 温度計および乾燥窒素導入口と攪拌装置を付した500
0mlの4つ口フラスコに、4,4´−ジアミノベンズ
アニリド161.93g(0.71mol)、3,3´
−ジアミノジフェニルスルホン176.70g(0.7
1mol)、およびビス(3−アミノプロピル)テトラ
メチルジシロキサン18.64g(75mmol)をγ
−ブチロラクトン2667g、N−メチル−2−ピロリ
ドン 527gを投入し、3,3´,4,4´−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物439.09g(1.4
9mol)を添加、乾燥窒素流入下、70℃で3時間攪
拌した後、無水フタル酸2.22g(15mmol)を
添加し、さらに70℃で1時間攪拌することにより、イ
ミノカルボニル基を有するポリマー分散剤(P−3)を
得た。
【0073】得られたポリマー分散剤(P−3)27.
00gと緑色顔料(ピグメントグリーン36)3.78
gと黄色顔料(ピグメントイエロー17)1.62gお
よびγ−ブチロラクトン46.08g、3−メトキシ−
3−メチル−1−ブタノール11.52gをガラスビ−
ズ90gとともにホモジナイザ−を用い、分散処理(7
000rpm、1時間)後、ガラスビーズを濾過により
除去し、顔料分散液(A−2)を得た。
【0074】得られた顔料分散液(A−2)29.2g
に、実施例1のポリアミック酸(P−1)13.0gを
γ−ブチロラクトン57.8gで希釈した溶液を添加混
合し、カラーフィルター用緑ペーストを作製した。得ら
れた緑ペーストの粘度変化率を、2.5rpmのせん断
速度で測定したところ、60〜300秒の粘度変化率は
1.6%であった。
【0075】該緑ペーストを使用したこと以外は、実施
例1と同様にカラーフィルターを作成した。
【0076】該カラーフィルターを、実施例1と同様に
目視検査した結果、緑ペーストの塗布欠点は、0.3%
であった。
【0077】比較例2 緑色顔料(ピグメントグリーン36)3.78gと黄色
顔料(ピグメントイエロー17)1.62g、N−デシ
ルアセトアミド0.54gおよびγ−ブチロラクトン7
2.54g、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノー
ル11.52gをガラスビ−ズ90gとともにホモジナ
イザ−を用い、分散処理(7000rpm、1時間)
後、ガラスビーズを濾過により除去し、顔料分散液(A
−3)を得た。得られた分散液(A−3)に、実施例2
と同様にポリアミック酸(P−1)を添加して、カラー
フィルター用緑ペーストを作製した。得られた緑ペース
トの粘度変化率を、2.5rpmのせん断速度で測定し
たところ、60〜300秒の粘度変化率は34.1%で
あった。
【0078】該緑ペーストを使用したこと以外は、実施
例2と同様にカラーフィルターを作成した。
【0079】該カラーフィルターを、実施例1と同様に
目視検査した結果、塗布欠点が13%みとめられた。
【0080】実施例3 温度計および乾燥窒素導入口と攪拌装置を付した100
0mlの4つ口フラスコに、3,3´,4,4´−ジフ
ェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.83g
(0.1mol)、3,3´−ジアミノジフェニルスル
ホン18.62g(0.075mol)、ビス−3−
(アミノプロピル)テトラメチルシロキサン1.24g
(0.005mol)、およびγ−ブチロラクトン36
6.18gを投入し、乾燥窒素流入下、60℃で1時間
攪拌した後、2−アミノアントラキノン8.93g
(0.04mol)を添加し、さらに60℃で3時間攪
拌することにより、末端にアントラキノン基をもつオリ
ゴアミック酸のγ−ブチロラクトン溶液(O−1)を得
た。なお、得られたオリゴアミック酸の構造単位の繰り
返し数の平均値は、5となる。
【0081】赤色顔料(ピグメントレッド177)5.
4g、オリゴアミック酸のγ−ブチロラクトン溶液(O
−1)3.6g、γ−ブチロラクトン81.0gをガラ
スビーズ90gとともにホモジナイザーを用い、700
0rpmで30分間分散処理後、ガラスビーズを濾過に
より除去し、顔料分散液(A−4)を得た。
【0082】得られた顔料分散液(A−4)に、実施例
1と同様にポリアミック酸(P−1)を添加して、カラ
ーフィルター用赤ペーストを作製した。得られた赤ペー
ストの粘度変化率を、5rpmのせん断速度で測定した
ところ、60〜300秒の粘度変化率は0.4%であっ
た。
【0083】該赤ペーストを使用したこと以外は、実施
例1と同様にカラーフィルターを作成した。
【0084】得られたカラーフィルターを、実施例1と
同様に目視検査した結果、赤ペーストの塗布欠点はみと
められなかった。
【0085】比較例3 赤色顔料(ピグメントレッド177)5.4g、γ−ブ
チロラクトン84.6gをガラスビーズ90gとともに
ホモジナイザーを用い、7000rpmで30分間分散
処理後、ガラスビーズを濾過により除去し、顔料分散液
(A−5)を得た。
【0086】得られた顔料分散液(A−5)に、実施例
1と同様にポリアミック酸(P−1)を添加して、カラ
ーフィルター用赤ペーストを作製した。得られた赤ペー
ストの粘度変化率を、5rpmのせん断速度で測定した
ところ、60〜300秒の粘度変化率は9.4%であっ
た。
【0087】該赤ペーストを使用したこと以外は、実施
例3と同様にカラーフィルターを作成した。
【0088】得られたカラーフィルターを、実施例1と
同様に目視検査した結果、赤ペーストの塗布欠点が6.
2%みとめられた。
【0089】
【発明の効果】本発明は上述のごとく構成したので、本
発明による粘度変化率の測定によって、ペーストの塗布
性・保存安定性などの良否の判断が容易に行える顔料の
微分散安定性に優れたカラーフィルター用ペーストを提
供することができる。したがって、該ペーストをカラー
フィルター生産に適用した場合、塗布欠陥の発生が少な
いなど、生産効率の向上・コスト削減などに大きく貢献
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1および比較例1で得られたカラーフィ
ルター用赤ペーストにおける粘度の時間依存性。
【図2】実施例1および比較例1で得られたカラーフィ
ルター用赤ペーストにおける、冷凍保存中の粘度変化。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 133/00 C09D 133/00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】顔料、ポリマー、および溶剤を含有するカ
    ラーフィルター用ペーストにおいて、該ペーストに5r
    pmのせん断速度を与えたときの粘度の変化率が5%以
    内であることを特徴とするカラーフィルター用ペース
    ト。
  2. 【請求項2】ポリマーがアクリル樹脂であることを特徴
    とする請求項1に記載のカラーフィルター用ペースト。
  3. 【請求項3】ポリマーがポリアミック酸であることを特
    徴とする請求項1に記載のカラーフィルター用ペース
    ト。
  4. 【請求項4】顔料分散剤をさらに含有することを特徴と
    する請求項1記載のカラーフィルター用ペースト。
  5. 【請求項5】顔料分散剤が、オリゴアミック酸および/
    またはポリアミック酸であることを特徴とする請求項4
    記載のカラーフィルター用ペースト。
  6. 【請求項6】オリゴアミック酸および/またはポリアミ
    ック酸がイミノ基および/またはイミノカルボニル基を
    有することを特徴とする請求項5記載のカラーフィルタ
    ー用ペースト。
  7. 【請求項7】オリゴアミック酸および/またはポリアミ
    ック酸が末端にアントラキノン骨格を有することを特徴
    とする請求項5記載のカラーフィルター用ペースト。
  8. 【請求項8】顔料がピグメントグリーン7および/また
    はピグメントグリーン36であることを特徴とする請求
    項1〜7のいずれかに記載のカラーフィルター用ペース
    ト。
  9. 【請求項9】顔料がピグメントイエロー17であること
    を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のカラーフ
    ィルター用ペースト。
  10. 【請求項10】顔料がピグメントレッド177であるこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のカラー
    フィルター用ペースト。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれかに記載のカラ
    ーフィルター用ペーストを使用したことを特徴とするカ
    ラーフィルター。
  12. 【請求項12】請求項11記載のカラーフィルターを使
    用したことを特徴とする液晶表示装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011068804A (ja) * 2009-09-28 2011-04-07 Canon Inc 液体組成物、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置

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