JPH11153518A - 路面状態判定装置 - Google Patents

路面状態判定装置

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JPH11153518A
JPH11153518A JP9321600A JP32160097A JPH11153518A JP H11153518 A JPH11153518 A JP H11153518A JP 9321600 A JP9321600 A JP 9321600A JP 32160097 A JP32160097 A JP 32160097A JP H11153518 A JPH11153518 A JP H11153518A
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road
gain
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Katsuhiko Iwasaki
克彦 岩▲崎▼
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、車輪速信号の周波数解析の結果か
ら路面状態を判定することにより、騒音等の外乱の影響
を受けにくく、正確な判定を行うことができ、既存の車
輪速センサを利用でき、コストを低く抑えることのでき
る路面状態判定装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 車輪速を検出する車輪速検出手段と、記
検出された車輪速信号の周波数解析を行う解析手段と、
解析の結果から路面状態を判定する判定手段とを有す
る。ここでは、路面状態に応じて車輪速信号の周波数解
析結果が異なることに着目し、車輪速信号の周波数解析
結果を用いて路面状態を判別する。このため、車輪の直
接的な動きから判定を行っているので、騒音等の外乱の
影響を受けにくく、正確な判定を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、路面状態判定装置
に関し、車両の走行している路面の摩擦係数μ等の路面
状態を判定する路面状態判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ロードノイズに基づいて車両
が走行している路面の状態を判定する路面状態判定装置
が開発されている。例えば、特開平7−156782号
公報には、車輪から発生されるロードノイズを検出し、
この検出されたロードノイズの各周波数成分のパターン
からニューラルネットワークを利用して路面状態を判定
することが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来装置は、ロードノ
イズを検出するためにマイクロホンを用いており、周辺
環境によっては他の騒音等の外乱の影響を受けやすい。
このため、マイクロホンの設置位置が制限されるため、
設置位置を決定するのが難しい。また、マイクロホンを
新たにセンサとして付加する必要があることから、構成
部品点数が多くなるという問題があった。
【0004】本発明は、上記の点に鑑みなされたもの
で、車輪速信号の周波数解析の結果から路面状態を判定
することにより、騒音等の外乱の影響を受けにくく、正
確な判定を行うことができ、既存の車輪速センサを利用
でき、コストを低く抑えることのできる路面状態判定装
置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、車輪速を検出する車輪速検出手段と、前記検出され
た車輪速信号の周波数解析を行う解析手段と、前記解析
の結果から路面状態を判定する判定手段とを有する。こ
こでは、路面状態に応じて車輪速信号の周波数解析結果
が異なることに着目し、車輪速信号の周波数解析結果を
用いて路面状態を判別する。このため、車輪の直接的な
動きから判定を行っているので、騒音等の外乱の影響を
受けにくく、正確な判定を行うことができる。
【0006】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
路面状態判定装置において、前記判定手段は、所定周波
数領域の信号強度に基づいて路面状態を判定する。この
ため、路面状態によって顕著な違いが現れる周波数帯域
で判定を行うことができ、正確な判定を行うことがで
き、精度が向上する。請求項3に記載の発明は、請求項
2記載の路面状態判定装置において、前記判定手段は、
所定周波数以下の信号強度に基づいて路面状態を判定す
る。
【0007】このため、路面状態によって顕著な違いが
現れる周波数帯域で判定を行うことができ、正確な判定
を行うことができ、精度が向上する。請求項4に記載の
発明は、請求項2記載の路面状態判定装置において、前
記判定手段は、車輪速によって決まる所定周波数の信号
強度に基づいて路面状態を判定する。
【0008】タイヤでは車輪速によって定まる所定の周
波数で外乱が現れ信号強度が変化し、路面状態によって
この変化度合いが異なるため、これを利用して路面状態
を判定することが可能となる。請求項5に記載の発明
は、請求項2記載の路面状態判定装置において、前記判
定手段は、車輪の固有振動周波数と略等しい周波数の信
号強度に基づいて路面状態を判定する。
【0009】車輪の固有振動周波数と略等しい周波数で
は路面状態によって信号強度が変化するため、これを利
用して路面状態を判定することが可能となる。請求項6
に記載の発明は、請求項5記載の路面状態判定装置にお
いて、前記判定手段は、路面外乱の影響だけを受ける周
波数の信号強度に基づき前記車輪の固有振動周波数と略
等しい周波数の信号強度を正規化し、正規化した信号強
度に基づき路面状態を判定する。
【0010】路面の凸凹による路面外乱で信号強度が変
化するため、路面外乱の影響だけを受ける周波数の信号
強度に基づき信号強度を正規化することにより、路面外
乱の影響を排除して正確に路面状態を判定することがで
きる。請求項7に記載の発明は、請求項5記載の路面状
態判定装置において、路面の振動情報を走行位置に応じ
て記憶する記憶手段を有し、前記判定手段は、前記記憶
手段に記憶されている走行位置に応じた振動情報と車輪
の固有振動周波数と略等しい周波数の信号強度に基づい
て路面状態を判定する。
【0011】路面の凸凹による路面の振動情報を予め記
憶し、走行位置に応じた振動情報と車輪の固有振動周波
数と略等しい周波数の信号強度に基づいて路面状態を判
定するため、路面外乱の影響を排除して正確に路面状態
を判定することができる。請求項8に記載の発明は、請
求項5記載の路面状態判定装置において、車輪速に基づ
き前記判定手段の判定基準を変更する判定基準変更手段
を有する。
【0012】車輪速によって車輪の固有振動周波数と略
等しい周波数の信号強度が変化するため、車輪速に基づ
き判定基準を変更することで正確に路面状態を判定する
ことができる。請求項9に記載の発明は、請求項5記載
の路面状態判定装置において、タイヤ空気圧に基づき前
記判定手段で判定に用いる周波数を変更する周波数変更
手段を有する。
【0013】タイヤ空気圧によって車輪の固有振動周波
数が変化するため、タイヤ空気圧に基づき判定に用いる
周波数を変更することで正確に路面状態を判定すること
ができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明の路面状態判定装置
の第1実施例のブロック図を示す。同図中、車輪速セン
サ10で検出された車輪速信号はECU(電子制御装
置)12に供給される。ここでは車両の4輪のうち1輪
の車輪速信号を車輪速センサ10で検出しているが、4
輪の車輪速信号が所定時間毎に順次切換えられてECU
12に供給される構成としても良い。ECU12にはF
FT(高速フーリエ変換器)14が接続されている。
【0015】図2はECU12が実行する路面状態判定
処理の第1実施例のフローチャートを示す。この処理は
所定時間毎に繰り返される。同図中、まず、ステップS
12で車輪速信号を読み込む。次に、ステップS14で
カウンタnの値が所定値Tn未満か否かを判別する。n
<Tnの場合は、ステップS16で計測した車輪速をメ
モリ(内蔵のRAM)に保存し、かつ、カウンタnを1
だけインクリメントしてステップS12へ進む。カウン
タnの値がTn以上のときはステップS18に進み、所
定値Tnに対応する期間に計測された車輪速データをF
FT14に供給してフーリエ変換を実行させ、各周波数
におけるゲインを計算して車輪速の周波数スペクトラム
を求める。
【0016】ところで、車輪速信号の周波数スペクトラ
ムをとると、路面が濡れたウエット路においては図3の
破線I に示すように所定周波数(例えば30Hz)以下
でのゲインが全体的に大きいのに対して、路面が乾いた
ドライ路においては図3の実線IIに示すように所定周波
数以下でのゲインが全体的に小さくなる。このため、ス
テップS20では所定周波数(例えば30Hz)以下の
離散的な周波数それぞれにおけるゲインの総和(積分
値)SG1を求める。そして、ステップS22で上記ゲ
インの総和SG1を閾値TG1と比較する。この閾値T
G1は図3の周波数30Hz以下における破線I 上のポ
イントのゲインの総和と、実線II上のポイントのゲイン
の総和との平均値を用いる。これにより、ステップS2
2の比較でSG1>TG1の場合は、ステップS24に
進んでウエット路と判定し、SG1≦TG1の場合は、
ステップS26に進んでドライ路と判定する。この後、
ステップS28でカウンタnを0にリセットして処理サ
イクルを終了する。
【0017】このようにして、車輪速の周波数スペクト
ラムの所定周波数以下のゲインの総和から、車両が走行
している路面がウエット路かドライ路かの路面状態を判
定できる。ECU12は路面状態を判定結果を例えばア
ンチロックブレーキシステムに通知し、アンチロックブ
レーキシステムでは路面状態に応じたブレーキ制御を行
う。アンチロックブレーキシステムでは車輪速センサを
必要としているため、本発明装置ではアンチロックブレ
ーキシステムの車輪速センサ信号を流用すれば良く、マ
イクロホン等の新たなセンサを必要としない。
【0018】図4は本発明の路面状態判定装置の第2実
施例のブロック図を示す。同図中、車輪速センサ10で
検出された車輪速信号はバンドパスフィルタ群16に供
給される。ここでは車両の4輪のうち1輪の車輪速信号
を車輪速センサ10で検出しているが、4輪の車輪速信
号が所定時間毎に順次切換えられてバンドパスフィルタ
群16に供給される構成としても良い。
【0019】バンドパスフィルタ群16は複数個のバン
ドパスフィルタより構成されている。各バンドパスフィ
ルタは所定周波数(例えば30Hz)以下で互いに異な
る周波数(例えば5Hz,10Hz,15Hz,20H
z,25Hz)を中心とする狭い周波数帯域(例えば±
数Hz)の信号を通過させる通過周波数帯域特性を有し
ている。このバンドパスフィルタ群16の複数個のバン
ドパスフィルタそれぞれを通過した信号がECU(電子
制御装置)12に供給される。
【0020】図5はECU12が実行する路面状態判定
処理の第2実施例のフローチャートを示す。この処理は
所定時間毎に繰り返される。同図中、まず、ステップS
30でバンドパスフィルタ群16の複数個のバンドパス
フィルタそれぞれを通過した車輪速信号を順次読み込
む。次に、ステップS32で読み込んだ車輪速信号の振
幅の絶対値つまりゲインを求める。そして、ステップS
34で各バンドパスフィルタ出力のゲインの総和SG2
を求める。そして、ステップS36で上記ゲインの総和
SG2を閾値TG2と比較する。
【0021】この閾値TG2は、各バンドパスフィルタ
の通過中心周波数5Hz,10Hz,15Hz,20H
z,25Hzにおける図3の周波数スペクトラムの破線
I 上のポイントのゲインの総和と、実線II上のポイント
のゲインの総和との平均値を用いる。これにより、ステ
ップS36の比較でSG2>TG2の場合はステップS
38に進んでウエット路と判定し、SG2≦TG2の場
合はステップS40に進んでドライ路と判定して、処理
サイクルを終了する。
【0022】この実施例ではバンドパスフィルタ群16
を用いることにより、簡易的に車輪速の周波数スペクト
ラムを求めており、大きなメモリ容量を持つFFTを用
いる必要がなく、低コストで、車両が走行している路面
がウエット路かドライ路かの路面状態を判定できる。E
CU12は路面状態を判定結果を例えばアンチロックブ
レーキシステムに通知し、アンチロックブレーキシステ
ムでは路面状態に応じたブレーキ制御を行う。アンチロ
ックブレーキシステムでは車輪速センサを必要としてい
るため、本発明装置ではアンチロックブレーキシステム
の車輪速センサ信号を流用すれば良く、マイクロホン等
の新たなセンサを必要としない。
【0023】図6は本発明の路面状態判定装置の第3実
施例のブロック図を示す。同図中、車輪速センサ10で
検出された車輪速信号は可変バンドパスフィルタ群18
に供給される。ここでは車両の4輪のうち1輪の車輪速
信号を車輪速センサ10で検出しているが、4輪の車輪
速信号が所定時間毎に順次切換えられて可変バンドパス
フィルタ群18に供給される構成としても良い。
【0024】ここで、車輪のタイヤは接地面が扁平にた
わみ変形し、このタイヤのたわみによって車輪速信号に
アンユニフォーミティ外乱が発生する。タイヤは路面摩
擦係数μが大きい路面ではスリップロスが小さいため、
タイヤの回転周波数と等しい周波数にアンユニフォーミ
ティ外乱の基本波のピークが現れ、また、その高調波も
現れる。図3の実線II(ドライ路)では周波数8Hzに
アンユニフォーミティ外乱の基本波のピークが現れ、そ
の2次、3次、4次高調波も現れている。しかし、路面
摩擦係数μが小さい路面ではスリップロスが大きいた
め、アンユニフォーミティ外乱の基本波のピークはブロ
ードとなってゲインが小さくなる。その高調波もブロー
ドとなってゲインが小さくなる。図3の破線I (ウエッ
ト路)では周波数8Hzのアンユニフォーミティ外乱の
基本波のピークがブロードとなり、その2次、3次、4
次高調波もブロードとなっている。
【0025】可変バンドパスフィルタ群18は複数個の
可変バンドパスフィルタより構成されている。この複数
個の可変バンドパスフィルタそれぞれで、タイヤの回転
周波数と等しい周波数のアンユニフォーミティ外乱の基
本波のピーク及びその2次、3次、4次の高調波それぞ
れを帯域分離する。可変バンドパスフィルタ群18はE
CU12から供給される制御信号に応じて各バンドパス
フィルタの通過周波数帯域特性を可変して、アンユニフ
ォーミティ外乱の基本波及びその2次、3次、4次の高
調波それぞれを取り出し、帯域制限をしていない車輪速
信号と共にECU12に供給する。
【0026】図7はECU12が実行する路面状態判定
処理の第3実施例のフローチャートを示す。この処理は
所定時間毎に繰り返される。同図中、まず、ステップS
42で4輪の帯域制限をしていない車輪速信号を読み込
んで車速を求め、この車速に基づいた制御信号を生成し
て可変バンドパスフィルタ群18に供給する。なお、車
速とアンユニフォーミティ外乱の基本波との関係を図8
に示す。これによって、可変バンドパスフィルタ群18
は各バンドパスフィルタの通過周波数帯域特性を可変し
て、アンユニフォーミティ外乱の基本波及びその2次、
3次、4次の高調波それぞれを取り出す。
【0027】ステップS44では可変バンドパスフィル
タ群18からの複数個の可変バンドパスフィルタそれぞ
れを通過した車輪速信号を順次読み込む。次に、ステッ
プS46で読み込んだ車輪速信号の振幅の絶対値つまり
ゲインを求める。そして、ステップS48で各可変バン
ドパスフィルタ出力のゲインの総和SG3を求める。そ
して、ステップS50で上記ゲインの総和SG3を閾値
TG3と比較する。
【0028】この閾値TG3は、アンユニフォーミティ
外乱の基本波及びその2次、3次、4次の高調波それぞ
れの周波数における図3の周波数スペクトラムの破線I
上のポイントのゲインの総和と、実線II上のポイントの
ゲインの総和との平均値を用いる。これにより、ステッ
プS50の比較でSG3≦TG3の場合はステップS5
2に進んでウエット路と判定し、SG3>TG3の場合
はステップS52に進んでドライ路と判定して、処理サ
イクルを終了する。
【0029】この実施例では可変バンドパスフィルタ群
16を用いることにより、アンユニフォーミティ外乱の
基本波及びその2次、3次、4次の高調波を求め、車両
が走行している路面がウエット路かドライ路かの路面状
態を判定しており、大きなメモリ容量を持つFFTを用
いる必要がなく、低コストとなる。ところで、タイヤは
図9のタイヤモデルに示すように、ホイール20とベル
ト22が回転方向にバネ24で接続されていると考えら
れる。タイヤが回転しているとき、ベルト22が路面2
6に接地するとホイール20の回転速度ωw に対してベ
ルト22の回転速度ωt が遅れてバネ24が引っ張ら
れ、ベルト22が路面26から離れるとバネ24が縮む
ために、タイヤの前後方向のバネ振動による固有振動が
発生し、この固有振動が車輪速信号に含まれる。この固
有振動の周波数は40Hz近傍である。
【0030】また、タイヤは、乾燥アスファルト等の路
面摩擦係数μが大きい路面ではスリップロスが小さいた
め、上記固有振動のピークのゲインは図10の実線III
に示すように大きくなり、濡れたアスファルト等の路面
摩擦係数μが小さい路面ではスリップロスが大きいた
め、固有振動のピークのゲインは一点鎖線IVに示すよう
に小さくなり、更に、圧雪路等の路面摩擦係数μが更に
小さい路面ではスリップロスが非常に大きいため、固有
振動のピークのゲインは破線V に示すように非常に小さ
くなる。
【0031】この固有信号を利用して、図1に示すEC
U12が実行する路面状態判定処理の第4実施例のフロ
ーチャートを図11に示す。この処理は所定時間毎に繰
り返される。同図中、まず、ステップS112で車輪速
信号を読み込む。次に、ステップS114でカウンタn
の値が所定値Tn未満か否かを判別する。n<Tnの場
合は、ステップS116で計測した車輪速をメモリ(内
蔵のRAM)に保存し、かつ、カウンタnを1だけイン
クリメントしてステップS112へ進む。カウンタnの
値がTn以上のときはステップS118に進み、所定値
Tnに対応する期間に計測された車輪速データをFFT
14に供給してフーリエ変換を実行させ、各周波数にお
けるゲインを計算して車輪速の周波数スペクトラムを求
める。
【0032】ステップS120では固有振動の周波数
(40Hz近傍)におけるゲインを上記車輪速の周波数
スペクトラムから読み取る。そして、ステップS122
で上記ゲインでマップを参照して路面摩擦係数μを推定
する。このマップは、図10に基づいて、固有振動の周
波数(40Hz近傍)におけるゲインと路面摩擦係数μ
とを関係付けたものである。この後、ステップS128
でカウンタnを0にリセットして処理サイクルを終了す
る。
【0033】このようにして、車輪速の周波数スペクト
ラムの固有振動の周波数(40Hz近傍)におけるゲイ
ンから車両が走行している路面の路面摩擦係数μを推定
することができる。図4に示すECU12が実行する路
面状態判定処理の第5実施例のフローチャートを図12
に示す。この処理は所定時間毎に繰り返される。同図
中、まず、ステップS130でバンドパスフィルタ群1
6のうちで固有振動の周波数(40Hz近傍)を通過す
るバンドパスフィルタから供給される車輪速信号を読み
込む。次に、ステップS132で読み込んだ車輪速信号
の振幅の絶対値つまりゲインを求める。そして、ステッ
プS134で上記ゲインでマップを参照して路面摩擦係
数μを推定する。このマップは、図10に基づいて、固
有振動の周波数(40Hz近傍)におけるゲインと路面
摩擦係数μとを関係付けたものである。この後、処理サ
イクルを終了する。
【0034】この実施例ではバンドパスフィルタ群16
を用いることにより、簡易的に車輪速の固有振動成分を
取り出しており、低コストで、車両が走行している路面
の路面摩擦係数μを推定することができる。ところで、
乾燥アスファルト等の滑らかな路面では路面外乱が小さ
いため、車輪速信号の周波数スペクトラムは図13の実
線に示すように全体のゲインが小さくなり、圧雪路等の
凸凹の路面では路面外乱が大きいため、この路面外乱が
オフセットとなり車輪速信号の周波数スペクトラムは図
13の破線に示すように全体のゲインが大きくなる。こ
の場合は固有振動の周波数のゲインをそのまま用いる
と、路面摩擦係数μを誤って推定することになる。
【0035】これを解決するのが次の実施例である。図
1に示すECU12が実行する路面状態判定処理の第6
実施例のフローチャートを図14に示す。図14におい
て、図11と同一ステップには同一番号を付す。この処
理は所定時間毎に繰り返される。図14中、まず、ステ
ップS112で車輪速信号を読み込む。次に、ステップ
S114でカウンタnの値が所定値Tn未満か否かを判
別する。n<Tnの場合は、ステップS116で計測し
た車輪速をメモリ(内蔵のRAM)に保存し、かつ、カ
ウンタnを1だけインクリメントしてステップS112
へ進む。カウンタnの値がTn以上のときはステップS
118に進み、所定値Tnに対応する期間に計測された
車輪速データをFFT14に供給してフーリエ変換を実
行させ、各周波数におけるゲインを計算して車輪速の周
波数スペクトラムを求める。 ステップS120では固
有振動の周波数(40Hz近傍)におけるゲインを上記
車輪速の周波数スペクトラムから読み取る。
【0036】次に、ステップS125で路面外乱だけが
存在する特定周波数(例えば20Hz)のゲインの平均
値HAVE を計算する。これは過去一定時間の特定周波数
のゲインを保持することで計算を行う。次に、ステップ
S126で予め設定された基準値HREF と平均値HAVE
との差D(=HAVE −HREF )を求め、ステップS12
7で今回得られた周波数スペクトラムのうちの固有振動
の周波数(40Hz近傍)のゲインに差Dを乗算して固
有振動の周波数のゲインの正規化を行う。
【0037】そして、ステップS122で上記正規化さ
れたゲインでマップを参照して路面摩擦係数μを推定す
る。この後、ステップS124でカウンタnを0にリセ
ットして処理サイクルを終了する。このように、固有振
動の周波数のゲインの正規化を行って、正規化されたゲ
インでマップを参照して路面摩擦係数μを推定するた
め、路面外乱の影響により誤ることなく正確な路面摩擦
係数μを推定することができる。
【0038】図4に示すECU12が実行する路面状態
判定処理の第7実施例のフローチャートを図15に示
す。この処理は所定時間毎に繰り返を示す。この処理は
所定時間毎に繰り返される。同図中、まず、ステップS
140でバンドパスフィルタ群16のうちで固有振動の
周波数(40Hz近傍)及び路面外乱だけが存在する特
定周波数(例えば20Hz)を通過するバンドパスフィ
ルタから供給される車輪速信号を読み込む。次に、ステ
ップS142で読み込んだ2つの周波数の車輪速信号の
振幅の絶対値つまりゲインを求める。
【0039】次に、ステップS144で路面外乱だけが
存在する特定周波数(例えば20Hz)のゲインの平均
値HAVE を計算する。これは過去一定時間の特定周波数
のゲインを保持することで計算を行う。次に、ステップ
S146で予め設定された基準値HREF と平均値HAVE
との差D(=HAVE −HREF )を求め、ステップS14
8で今回得られた固有振動の周波数(40Hz近傍)の
ゲインに差Dを乗算して固有振動の周波数のゲインの正
規化を行う。
【0040】そして、ステップS150で上記ゲインで
マップを参照して路面摩擦係数μを推定する。このマッ
プは、図10に基づいて、固有振動の周波数(40Hz
近傍)におけるゲインと路面摩擦係数μとを関係付けた
ものである。この後、処理サイクルを終了する。このよ
うに、固有振動の周波数のゲインの正規化を行って、正
規化されたゲインでマップを参照して路面摩擦係数μを
推定するため、路面外乱の影響により誤ることなく正確
な路面摩擦係数μを推定することができる。
【0041】また、車速によって固有振動の周波数のゲ
インが変化することが実験的に知られている。圧雪路等
の路面では、図16(A)に示すように、低速での固有
振動の周波数のゲインaに対して中速でのゲインb、高
速でのゲインcの順にゲインが低下する。同様に乾燥ア
スファルト等の路面では、図16(B)に示すように、
低速での固有振動の周波数のゲインaに対して中速での
ゲインb、高速でのゲインcの順にゲインが低下する。
この場合は固有振動の周波数のゲインをそのまま用いる
と、路面摩擦係数μを誤って推定することになる。
【0042】これを解決するのが次の実施例である。図
1に示すECU12が実行する路面状態判定処理の第8
実施例のフローチャートを図17に示す。図17におい
て、図11と同一ステップには同一番号を付す。この処
理は所定時間毎に繰り返される。図17中、まず、ステ
ップS112で車輪速信号を読み込む。次に、ステップ
S114でカウンタnの値が所定値Tn未満か否かを判
別する。n<Tnの場合は、ステップS116で計測し
た車輪速をメモリ(内蔵のRAM)に保存し、かつ、カ
ウンタnを1だけインクリメントしてステップS112
へ進む。カウンタnの値がTn以上のときはステップS
118に進み、所定値Tnに対応する期間に計測された
車輪速データをFFT14に供給してフーリエ変換を実
行させ、各周波数におけるゲインを計算して車輪速の周
波数スペクトラムを求める。ステップS120では固有
振動の周波数(40Hz近傍)におけるゲインを上記車
輪速の周波数スペクトラムから読み取る。
【0043】次に、ステップS128で例えば4輪の車
輪速の平均から車速を求め、この車輪速に基づいてマッ
プを選択する。このマップは、図16に基づいて、各車
速毎に固有振動の周波数(40Hz近傍)におけるゲイ
ンと路面摩擦係数μとを関係付けたものである。そし
て、ステップS122でゲインで選択したマップを参照
して路面摩擦係数μを推定する。この後、ステップS1
24でカウンタnを0にリセットして処理サイクマップ
ルを終了する。
【0044】このように、車速に基づいてマップを選択
し、固有振動の周波数のゲインで選択したマップを参照
して路面摩擦係数μを推定するため、車速の影響により
誤ることなく正確な路面摩擦係数μを推定することがで
きる。図4に示すECU12が実行する路面状態判定処
理の第9実施例のフローチャートを図18に示す。図1
8において、図12と同一ステップには同一番号を付
す。この処理は所定時間毎に繰り返を示す。この処理は
所定時間毎に繰り返される。図18中、まず、ステップ
S130でバンドパスフィルタ群16のうちで固有振動
の周波数(40Hz近傍)を通過するバンドパスフィル
タから供給される車輪速信号を読み込む。次に、ステッ
プS132で読み込んだ車輪速信号の振幅の絶対値つま
りゲインを求める。
【0045】次に、ステップS136で例えば4輪の車
輪速の平均から車速を求め、この車輪速に基づいてマッ
プを選択する。このマップは、図16に基づいて、各車
速毎に固有振動の周波数(40Hz近傍)におけるゲイ
ンと路面摩擦係数μとを関係付けたものである。そし
て、ステップS134で上記ゲインで選択したマップを
参照して路面摩擦係数μを推定する。この後、処理サイ
クルを終了する。
【0046】このように、車速に基づいてマップを選択
し、固有振動の周波数のゲインで選択したマップを参照
して路面摩擦係数μを推定するため、車速の影響により
誤ることなく正確な路面摩擦係数μを推定することがで
きる。また、タイヤの空気圧によって、図9に示すモデ
ルのバネ24の定数が変化して固有振動の周波数が変化
する。圧雪路等の路面では、図19(A)に示すよう
に、タイヤ空気圧が高いときの固有振動の周波数faに
対してタイヤ空気圧が中程度のときの固有振動の周波数
fb、タイヤ空気圧が低いときの固有振動の周波数fc
の順に周波数が低下する。同様に乾燥アスファルト等の
路面では、図19(B)に示すように、タイヤ空気圧が
高いときの固有振動の周波数faに対してタイヤ空気圧
が中程度のときの固有振動の周波数fb、タイヤ空気圧
が低いときの固有振動の周波数fcの順に周波数が低下
する。つまりタイヤ空気圧が変動した場合は固有振動の
周波数を固定していると、その周波数のゲインをそのま
ま用いると、路面摩擦係数μを誤って推定することにな
る。
【0047】これを解決するのが次の実施例である。図
1に示すECU12が実行する路面状態判定処理の第1
0実施例のフローチャートを図20に示す。但し、図1
のECU12にはタイヤ空気圧センサで検出したタイヤ
空気圧が供給される。図20において、図11と同一ス
テップには同一番号を付す。この処理は所定時間毎に繰
り返される。図20中、まず、ステップS112で車輪
速信号を読み込む。次に、ステップS114でカウンタ
nの値が所定値Tn未満か否かを判別する。n<Tnの
場合は、ステップS116で計測した車輪速をメモリ
(内蔵のRAM)に保存し、かつ、カウンタnを1だけ
インクリメントしてステップS112へ進む。カウンタ
nの値がTn以上のときはステップS118に進み、所
定値Tnに対応する期間に計測された車輪速データをF
FT14に供給してフーリエ変換を実行させ、各周波数
におけるゲインを計算して車輪速の周波数スペクトラム
を求める。
【0048】次に、ステップS129でタイヤ空気圧を
検出し、このタイヤ空気圧から固有振動の周波数を決定
する。次の、ステップS120では決定された固有振動
の周波数におけるゲインを上記車輪速の周波数スペクト
ラムから読み取る。そして、ステップS122で上記ゲ
インでマップを参照して路面摩擦係数μを推定する。こ
のマップは、固有振動の周波数におけるゲインと路面摩
擦係数μとを関係付けたものである。この後、ステップ
S124でカウンタnを0にリセットして処理サイクマ
ップルを終了する。
【0049】このように、タイヤ空気圧に基づいて固有
振動の周波数を決定し、決定した固有振動の周波数のゲ
インでマップを参照して路面摩擦係数μを推定するた
め、タイヤ空気圧の影響により誤ることなく正確な路面
摩擦係数μを推定することができる。図4に示すECU
12が実行する路面状態判定処理の第11実施例のフロ
ーチャートを図21に示す。但し、図4のECU12に
はタイヤ空気圧センサで検出したタイヤ空気圧が供給さ
れる。図21において、図12と同一ステップには同一
番号を付す。この処理は所定時間毎に繰り返を示す。こ
の処理は所定時間毎に繰り返される。図21中、まず、
ステップS138でタイヤ空気圧を検出し、このタイヤ
空気圧から固有振動の周波数を決定する。次のステップ
S130でバンドパスフィルタ群16のうちで決定され
た固有振動の周波数を通過するバンドパスフィルタから
供給される車輪速信号を読み込む。次に、ステップS1
32で読み込んだ車輪速信号の振幅の絶対値つまりゲイ
ンを求める。
【0050】次に、ステップS136で例えば4輪の車
輪速の平均から車速を求め、この車輪速に基づいてマッ
プを選択する。このマップは、図16に基づいて、各車
速毎に固有振動の周波数(40Hz近傍)におけるゲイ
ンと路面摩擦係数μとを関係付けたものである。そし
て、ステップS134で上記ゲインで選択したマップを
参照して路面摩擦係数μを推定する。この後、処理サイ
クルを終了する。
【0051】このように、タイヤ空気圧に基づいて固有
振動の周波数を決定し、決定した固有振動の周波数のゲ
インでマップを参照して路面摩擦係数μを推定するた
め、タイヤ空気圧の影響により誤ることなく正確な路面
摩擦係数μを推定することができる。更に、環境温度に
よって、図9に示すモデルのバネ24の定数が変化して
固有振動の周波数が変化する。圧雪路等の路面では、図
22(A)に示すように、温度が高いときの固有振動の
周波数faに対して温度が中程度のときの固有振動の周
波数fb、温度が低いときの固有振動の周波数fcの順
に周波数が上昇する。同様に乾燥アスファルト等の路面
では、図19(B)に示すように、温度が高いときの固
有振動の周波数faに対して温度が中程度のときの固有
振動の周波数fb、温度が低いときの固有振動の周波数
fcの順に周波数が上昇する。つまり温度が変動した場
合は固有振動の周波数を固定していると、その周波数の
ゲインをそのまま用いると、路面摩擦係数μを誤って推
定することになる。
【0052】この場合も、図20の実施例においてはス
テップS129で温度を検出し、この検出温度から固有
振動の周波数を決定し、また、図21の実施例において
はステップS138で温度を検出し、この検出温度から
固有振動の周波数を決定することによって対応すること
ができ、正確な路面摩擦係数μを推定することができ
る。
【0053】先に述べたように、乾燥アスファルト等の
滑らかな路面では路面外乱が小さいため、車輪速信号の
周波数スペクトラムは図10の実線に示すように全体の
ゲインが小さくなり、圧雪路等の凸凹の路面では路面外
乱が大きいため、この路面外乱がオフセットとなり車輪
速信号の周波数スペクトラムは図10の破線に示すよう
に全体のゲインが大きくなる。この場合は固有振動の周
波数のゲインをそのまま用いると、路面摩擦係数μを誤
って推定することになる。
【0054】これを解決するための他の実施例について
説明する。図23は本発明の路面状態判定装置の第3実
施例のブロック図を示す。同図中、車輪速センサ10で
検出された車輪速信号はECU(電子制御装置)12に
供給される。ここでは車両の4輪のうち1輪の車輪速信
号を車輪速センサ10で検出しているが、4輪の車輪速
信号が所定時間毎に順次切換えられてECU12に供給
される構成としても良い。ECU12にはFFT(高速
フーリエ変換器)14が接続されると共に、ナビゲーシ
ョンシステム30及びメモリ32が接続されている。ナ
ビゲーションシステム30は車両の走行位置を検出して
ECU12に供給する。メモリ32には走行位置に対応
して、固有振動の周波数(40Hz近傍)におけるゲイ
ンと路面摩擦係数μとを関係付けたマップが予め格納さ
れている。
【0055】図23に示すECU12が実行する路面状
態判定処理の第4実施例のフローチャートを図24に示
す。図24で図11と同一ステップには同一番号を付
す。この処理は所定時間毎に繰り返される。図24中、
まず、ステップS112で車輪速信号を読み込む。次
に、ステップS114でカウンタnの値が所定値Tn未
満か否かを判別する。n<Tnの場合は、ステップS1
16で計測した車輪速をメモリ(内蔵のRAM)に保存
し、かつ、カウンタnを1だけインクリメントしてステ
ップS112へ進む。カウンタnの値がTn以上のとき
はステップS118に進み、所定値Tnに対応する期間
に計測された車輪速データをFFT14に供給してフー
リエ変換を実行させ、各周波数におけるゲインを計算し
て車輪速の周波数スペクトラムを求める。ステップS1
20では固有振動の周波数(40Hz近傍)におけるゲ
インを上記車輪速の周波数スペクトラムから読み取る。
【0056】そして、ステップS160でナビゲーショ
ンシステム30から車両の走行位置を読み取り、メモリ
32から走行位置に対応した固有振動の周波数(40H
z近傍)におけるゲインと路面摩擦係数μとを関係付け
たマップを読み取る。次のステップS122で上記ゲイ
ンでマップを参照して路面摩擦係数μを推定する。この
後、ステップS128でカウンタnを0にリセットして
処理サイクルを終了する。
【0057】上記の実施例では、あらゆる道路の位置に
対応した固有振動の周波数(40Hz近傍)におけるゲ
インと路面摩擦係数μとを関係付けたマップを用意しな
ければならない。このため、コストが高くなる。これを
避けるためには、図25に示すように、ECU12に操
作スイッチ34を設け、運転者が乾燥アスファルト、濡
れたアスファルト、圧雪路等の状況を操作スイッチ34
から入力して、ナビゲーションシステム30からの車両
の走行位置に対応してメモリ32に道路状態(路面摩擦
係数μ)を記憶させ、学習を行っても良い。
【0058】更に、図26に示すように、路車間通信シ
ステム36から走行位置における固有振動の周波数(4
0Hz近傍)におけるゲインと路面摩擦係数μとを関係
付けたマップを受け取り、車両の走行位置に対応してメ
モリ32に道路状態(路面摩擦係数μ)を記憶させる構
成としても良い。上記の図25,図26におけるECU
12が実行する路面状態判定処理は図24に示すフロー
チャートを用いればよい。
【0059】
【発明の効果】上述の如く、請求項1に記載の発明は、
路面状態に応じて車輪速信号の周波数解析結果が異なる
ことに着目し、車輪速信号の周波数解析結果を用いて路
面状態を判別する。このため、車輪の直接的な動きから
判定を行っているので、騒音等の外乱の影響を受けにく
く、正確な判定を行うことができる。また、既存の車輪
速センサを利用でき、コストを低く抑えることができ
る。
【0060】請求項2に記載の発明では、判定手段は、
所定周波数領域の信号強度に基づいて路面状態を判定す
る。このため、路面状態によって顕著な違いが現れる周
波数帯域で判定を行うことができ、正確な判定を行うこ
とができ、精度が向上する。請求項3に記載の発明で
は、判定手段は、所定周波数以下の信号強度に基づいて
路面状態を判定する。このため、路面状態によって顕著
な違いが現れる周波数帯域で判定を行うことができ、正
確な判定を行うことができ、精度が向上する。
【0061】請求項4に記載の発明は、判定手段は、車
輪速によって決まる所定周波数の信号強度に基づいて路
面状態を判定する。タイヤでは車輪速によって定まる所
定の周波数で外乱が現れ信号強度が変化し、路面状態に
よってこの変化度合いが異なるため、これを利用して路
面状態を判定することが可能となる。請求項5に記載の
発明は、判定手段は、車輪の固有振動周波数と略等しい
周波数の信号強度に基づいて路面状態を判定する。車輪
の固有振動周波数と略等しい周波数では路面状態によっ
て信号強度が変化するため、これを利用して路面状態を
判定することが可能となる。
【0062】請求項6に記載の発明は、判定手段は、路
面外乱の影響だけを受ける周波数の信号強度に基づき前
記車輪の固有振動周波数と略等しい周波数の信号強度を
正規化し、正規化した信号強度に基づき路面状態を判定
する。路面の凸凹による路面外乱で信号強度が変化する
ため、路面外乱の影響だけを受ける周波数の信号強度に
基づき信号強度を正規化することにより、路面外乱の影
響を排除して正確に路面状態を判定することができる。
【0063】請求項7に記載の発明は、路面の振動情報
を走行位置に応じて記憶する記憶手段を有し、判定手段
は、前記記憶手段に記憶されている走行位置に応じた振
動情報と車輪の固有振動周波数と略等しい周波数の信号
強度に基づいて路面状態を判定する。路面の凸凹による
路面の振動情報を予め記憶し、走行位置に応じた振動情
報と車輪の固有振動周波数と略等しい周波数の信号強度
に基づいて路面状態を判定するため、路面外乱の影響を
排除して正確に路面状態を判定することができる。
【0064】請求項8に記載の発明は、車輪速に基づき
前記判定手段の判定基準を変更する判定基準変更手段を
有する。車輪速によって車輪の固有振動周波数と略等し
い周波数の信号強度が変化するため、車輪速に基づき判
定基準を変更することで正確に路面状態を判定すること
ができる。請求項9に記載の発明は、タイヤ空気圧に基
づき前記判定手段で判定に用いる周波数を変更する周波
数変更手段を有する。タイヤ空気圧によって車輪の固有
振動周波数が変化するため、タイヤ空気圧に基づき判定
に用いる周波数を変更することで正確に路面状態を判定
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の路面状態判定装置の第1実施例のブロ
ック図である。
【図2】路面状態判定処理の第1実施例のフローチャー
トである。
【図3】車輪速信号の周波数スペクトラムを示す図であ
る。
【図4】本発明の路面状態判定装置の第2実施例のブロ
ック図である。
【図5】路面状態判定処理の第2実施例のフローチャー
トである。
【図6】本発明の路面状態判定装置の第3実施例のブロ
ック図である。
【図7】路面状態判定処理の第3実施例のフローチャー
トである。
【図8】車速とアンユニフォーミティ外乱の基本波との
関係を示す図である。
【図9】タイヤモデルを示す図である。
【図10】固有振動のゲインと路面状態との関係を示す
図である。
【図11】路面状態判定処理の第4実施例のフローチャ
ートである。
【図12】路面状態判定処理の第5実施例のフローチャ
ートである。
【図13】路面外乱に応じた固有振動のゲインと路面状
態との関係を示す図である。
【図14】路面状態判定処理の第6実施例のフローチャ
ートである。
【図15】路面状態判定処理の第7実施例のフローチャ
ートである。
【図16】車速に応じた固有振動のゲインと路面状態と
の関係を示す図である。
【図17】路面状態判定処理の第8実施例のフローチャ
ートである。
【図18】路面状態判定処理の第9実施例のフローチャ
ートである。
【図19】タイヤ空気圧に応じた固有振動のゲインと路
面状態との関係を示す図である。
【図20】路面状態判定処理の第10実施例のフローチ
ャートである。
【図21】路面状態判定処理の第11実施例のフローチ
ャートである。
【図22】温度に応じた固有振動のゲインと路面状態と
の関係を示す図である。
【図23】本発明の路面状態判定装置の第3実施例のブ
ロック図である。
【図24】路面状態判定処理の第12実施例のフローチ
ャートである。
【図25】本発明の路面状態判定装置の第4実施例のブ
ロック図である。
【図26】本発明の路面状態判定装置の第5実施例のブ
ロック図である。
【符号の説明】
10 車輪速センサ 12 ECU(電子制御装置) 14 FFT(高速フーリエ変換器) 16 バンドパスフィルタ群 18 可変バンドパスフィルタ群 20 ホイール 22 ベルト 24 バネ 26 路面 30 ナビゲーションシステム 32 メモリ 34 操作スイッチ 36 路車間通信システム

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪速を検出する車輪速検出手段と、 前記検出された車輪速信号の周波数解析を行う解析手段
    と、 前記解析の結果から路面状態を判定する判定手段とを有
    することを特徴とする路面状態判定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の路面状態判定装置におい
    て、 前記判定手段は、所定周波数領域の信号強度に基づいて
    路面状態を判定することを特徴とする路面状態判定装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の路面状態判定装置におい
    て、 前記判定手段は、所定周波数以下の信号強度に基づいて
    路面状態を判定することを特徴とする路面状態判定装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の路面状態判定装置におい
    て、 前記判定手段は、車輪速によって決まる所定周波数の信
    号強度に基づいて路面状態を判定することを特徴とする
    路面状態判定装置。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の路面状態判定装置におい
    て、 前記判定手段は、車輪の固有振動周波数と略等しい周波
    数の信号強度に基づいて路面状態を判定することを特徴
    とする路面状態判定装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の路面状態判定装置におい
    て、 前記判定手段は、路面外乱の影響だけを受ける周波数の
    信号強度に基づき前記車輪の固有振動周波数と略等しい
    周波数の信号強度を正規化し、正規化した信号強度に基
    づき路面状態を判定することを特徴とする路面状態判定
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の路面状態判定装置におい
    て、 路面の振動情報を走行位置に応じて記憶する記憶手段を
    有し、 前記判定手段は、前記記憶手段に記憶されている走行位
    置に応じた振動情報と車輪の固有振動周波数と略等しい
    周波数の信号強度に基づいて路面状態を判定することを
    特徴とする路面状態判定装置。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の路面状態判定装置におい
    て、 車輪速に基づき前記判定手段の判定基準を変更する判定
    基準変更手段を有することを特徴とする路面状態判定装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項5記載の路面状態判定装置におい
    て、 タイヤ空気圧に基づき前記判定手段で判定に用いる周波
    数を変更する周波数変更手段を有することを特徴とする
    路面状態判定装置。
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