JPH11153435A - 移動体の位置検出方法及び装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】高精度の検出が可能な移動体の位置検出方法及
び装置を提供すること。 【解決手段】移動体に搭載された読み取りアンテナヘッ
ド６により地中に埋設配置されたデータキャリア１２に
格納された識別情報ＩＤを検出することにより、移動体
の位置を検出する方法において、移動体の移動範囲ＡＲ
Ａ内の地中に、複数のデータキャリア１２を、読み取り
アンテナヘッド６によるデータキャリア１２の識別情報
の検出可能範囲が互いに隣接するデータキャリア１２間
で重複する形で配置すると共に、移動体側に検出可能範
囲の重複態様に応じて設定された領域及びその位置に関
する領域位置情報ＡＬＩを所持しておき、移動体１の読
み取りアンテナヘッド６により地中のデータキャリア１
２を検出して、検出されたデータキャリア１２の識別情
報と領域位置情報を参照して移動体の位置を、前記領域
を特定することにより検出する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ゴルフカートなど
の移動体の位置を非接触形データキャリアなどの識別情
報格納手段を用いて検出するために適用するに好適な移
動体の位置検出方法及び装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の位置検出方法としては、
地中に埋設された非接触形データキャリアを移動体に設
けられた読み取り検出装置などの識別情報検知手段を用
いて択一的に検出することにより、該データキャリアに
格納された位置情報を解析して、当該移動体の現在位置
を検出する方法が知られていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法で
は、識別情報検知手段が検出するのは単一のデータキャ
リアであることから、移動体の位置は検出されたデータ
キャリアを中心とした識別情報検知手段の検出可能範囲
内にあることしかわからず、位置の特定精度が悪い不都
合があった。

【０００４】本発明は、上記事情に鑑み、移動体の位置
検出精度を識別情報検知手段の検出可能範囲よりも細分
化した形で高精度の検出が可能な移動体の位置検出方法
及び装置を提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、地上
（５）を移動することの出来る移動体（１）において、
該移動体に搭載された識別情報検知手段（６）により地
中に埋設配置された識別情報格納手段（１２）に格納さ
れた識別情報（ＩＤ）を検出することにより、該移動体
の位置を検出する方法において、該移動体の移動エリア
（ＡＲＡ）内の地中に、複数の前記識別情報格納手段
を、前記識別情報検知手段による前記識別情報格納手段
の識別情報の検出可能範囲が互いに隣接する前記識別情
報格納手段間で重複する形で配置すると共に、移動体側
に前記検出可能範囲の重複態様に応じて設定された領域
及びその位置に関する領域位置情報（ＡＬＩ）を所持し
ておき、移動体（１）の識別情報検知手段により地中の
識別情報格納手段を検出して、該検出された識別情報格
納手段の識別情報と前記領域位置情報を参照して移動体
の位置を、前記領域を特定することにより検出するよう
にして構成される。また、本発明は、所定の移動範囲
（ＡＲＡ）内を移動する移動体（１）の位置を検出する
移動体の位置検出装置において、前記移動体に複数の識
別情報格納手段（１２）を検知し得る識別情報検知手段
（６）を設け、前記移動範囲内の地中に前記識別情報格
納手段を複数個、前記識別情報検知手段による前記識別
情報格納手段の識別情報の検出可能範囲が、互いに隣接
する前記識別情報格納手段間で重複する形で配設し、前
記検出可能範囲の重複態様に応じて設定された領域及び
その位置に関する領域位置情報（ＡＬＩ）を格納したメ
モリを設け、前記識別情報検知手段により検出された前
記識別情報格納手段の識別情報と前記メモリ内の領域位
置情報から前記移動体の位置を演算し出力する位置演算
手段（１０）を設けて構成される。なお、括弧内の番号
等は、図面における対応する要素を示す便宜的なもので
あり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束される
ものではない。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づき説明する。図１は本発明が適用された車両及びデー
タキャリアの設置状態一例を示す図、図２はデータキャ
リアの配置図、図３は読み取り可能範囲の詳細を示す平
面図である。

【０００７】本発明が適用されるゴルフカートなどの移
動体１は、図１に示すように、車輪２により地面５上を
移動駆動自在に支持された車体３を有しており、車体３
には位置検出装置９が搭載されている。位置検出装置９
は車体３の底面に装着された読み取りアンテナヘッド６
を有しており、読み取りアンテナヘッド６には、読み取
り情報解析部７が接続している。読み取り情報解析部７
には車両位置演算部１０が接続しており、車両位置演算
部１０には移動エリアメモリ８及びディスプレイなどの
表示部１１が接続している。

【０００８】一方、地面５より所定距離だけ図中下方の
地中にはキャリア設置面ＰＬが設定されており、キャリ
ア設置面ＰＬには多数のデータキャリア１２が埋設され
ている。データキャリア１２は、図２に示すように、移
動体１が移動する移動範囲ＡＲＡをカバーする形で埋設
されている。移動範囲ＡＲＡには一辺の長さが長さｌを
なす形の多数の正三角形からなる格子ＧＲＴが仮想的に
設定されており、当該格子ＧＲＴの各交点、従って、各
正三角形の頂点に当たる位置に、前記したデータキャリ
ア１２が埋設されている。各データキャリア１２には、
当該データキャリア１２を識別するために、２６個の識
別記号「Ａ」〜「Ｚ」からなる識別情報ＩＤが格納され
ており、それら識別情報ＩＤは図１に示すように、所定
の読み取り可能範囲に接近した移動体１に搭載された位
置検出装置９のアンテナヘッド６を介して読み取ること
が出来る。なお、データキャリア１２の配置間隔、即
ち、格子ＧＲＴの各辺の長さｌは、図１に示すように、
アンテナヘッド６に対するキャリア設置面ＰＬ、従っ
て、データキャリア１２までの深さをｄとし、アンテナ
ヘッド６の情報読み取り可能半径をｒとすると、数１に
示すように設定されている。

【数１】

【０００９】移動体１などは以上のような構成を有する
ので、移動範囲ＡＲＡ内を移動する移動体１の位置を検
出するには、各移動体１に搭載された位置検出装置９の
アンテナヘッド６を介して地中に埋設されたデータキャ
リア１２を検出しながら行なう。データキャリア１２
は、図１に示すように、アンテナヘッド６を中心にして
半径ｒの読み取り範囲ＲＰを有しており、当該読み取り
範囲ＲＰ内に存在するデータキャリア１２については、
各データキャリア１２から識別情報ＩＤを読み込むこと
が出来る。このアンテナヘッド６とデータキャリア１２
間のデータの授受方法は、非接触でデータを受け渡すこ
との可能な各種の公知の方法を採用することが可能であ
り、データキャリア１２におけるデータの格納方法、送
信または発信方法なども適宜な方法を採用することが可
能である。

【００１０】こうして、移動体１に搭載されたアンテナ
ヘッド９が、当該アンテナヘッド９の読み取り範囲ＲＰ
内に存在する全てのデータキャリア１２から識別情報Ｉ
Ｄを読み込んだところで、読み取り情報解析部７はそれ
ら情報を整理して、現在アンテナヘッド９が読み込んで
いる情報は、どのデータキャリア１２からの情報である
かを解析判定し、その結果を車両位置演算部１０に出力
する。車両位置演算部１０は、読み取り情報解析部７か
らの出力に基づいて、移動体１の現在位置を演算する。

【００１１】即ち、移動体１が移動する移動範囲ＡＲＡ
内においては、アンテナヘッド９が補足するデータキャ
リア１２の数は、１個以上３個以内となるように、格子
ＧＲＴの各辺の長さがｌが数１により設定されている。
従って、車両位置演算部１０は、読み取り情報解析部７
から出力される１個から３個のデータキャリア１２の識
別情報ＩＤ及び移動エリアメモリ８内に格納された領域
位置情報ＡＬＩを構成する移動範囲ＡＲＡ内のデータキ
ャリア１２の配置図ＬＭＰから、移動体１の移動範囲Ａ
ＲＡ内での位置を演算する。移動エリアメモリ８には、
図２に示すように、移動範囲ＡＲＡ内における各データ
キャリア１２の配置態様が格子ＧＲＴと共に配置図ＬＭ
Ｐとして格納されており、アンテナヘッド９から読み取
られた各データキャリア１２の識別情報ＩＤを、配置図
ＬＭＰとを比較対照することにより移動体１の位置を判
定する。

【００１２】今、仮に、移動範囲ＡＲＡ内に配置された
データキャリア１２を、図２に示すように、データキャ
リア１２に格納された識別情報ＩＤの内容である識別記
号の「Ａ」から「Ｚ」の２６個で示すと共に、各データ
キャリア１２を中心としてアンテナヘッド９の読み取り
可能範囲ＲＰをキャリア設置面ＰＬにおいて範囲ＲＡと
して平面的に表示すると、各読み取り可能範囲ＲＡは互
いに一部重複した領域を生じる。この領域は、図３に示
すように、隣接する３つの読み取り可能領域が重複する
領域ＲＡ３と隣接する２つの読み取り可能領域のみが重
複する領域ＲＡ２と読み取り領域の重複の無い領域ＲＡ
１とに分類される。読み取り領域の重複の無い領域ＲＡ
１では、移動体１のアンテナヘッド９が単一のデータキ
ャリア１２のみを検出することが出来る領域であり、隣
接する２つの読み取り可能領域のみが重複する領域ＲＡ
２は、移動体１のアンテナヘッド９が隣接する二つのデ
ータキャリア１２、１２を検出することが出来る領域で
あり、隣接する３つの読み取り可能領域が重複する領域
ＲＡ３は、移動体１のアンテナヘッド９が隣接する三つ
のデータキャリア１２、１２、１２を検出することが出
来る領域である。

【００１３】図３に、データキャリア１２の識別記号が
「Ｋ」を中心とした読み取り可能範囲ＲＡの状態を示す
と、データキャリア「Ｋ」の周囲に、データキャリア
「Ｋ」のみを検出することの出来る、読み取り領域の重
複の無い領域ＲＡ１／Ｋが設定され、その周囲に、隣接
するデータキャリア「Ｄ」及び「Ｋ」を検出することの
出来る領域ＲＡ２／ＤＫが、その図中左方に、隣接する
データキャリア「Ｄ」、「Ｋ」及び「Ｊ」を検出するこ
との出来る領域ＲＡ３／ＤＫＪが、同様にその上方に、
隣接するデータキャリア「Ｊ」及び「Ｋ」を検出するこ
との出来る領域ＲＡ２／ＪＫが、更に隣接するデータキ
ャリア「Ｊ」、「Ｋ」及び「Ｑ」を検出することの出来
る領域ＲＡ３／ＪＫＱが設定される。以後、時計回り
で、隣接するデータキャリア「Ｋ」及び「Ｑ」を検出す
ることの出来る領域ＲＡ２／ＫＱが、隣接するデータキ
ャリア「Ｋ」、「Ｑ」及び「Ｒ」を検出することの出来
る領域ＲＡ３／ＫＱＲが、隣接するデータキャリア
「Ｋ」及び「Ｒ」を検出することの出来る領域ＲＡ２／
ＫＲが、隣接するデータキャリア「Ｋ」、「Ｌ」及び
「Ｒ」を検出することの出来る領域ＲＡ３／ＫＬＲが、
隣接するデータキャリア「Ｋ」及び「Ｌ」を検出するこ
との出来る領域ＲＡ２／ＫＬが、隣接するデータキャリ
ア「Ｅ」、「Ｋ」及び「Ｌ」を検出することの出来る領
域ＲＡ３／ＥＫＬが、隣接するデータキャリア「Ｅ」及
び「Ｋ」を検出することの出来る領域ＲＡ２／ＥＫが、
隣接するデータキャリア「Ｄ」、「Ｅ」及び「Ｋ」を検
出することの出来る領域ＲＡ３／ＤＥＫが設定される。
こうした各読み取り可能範囲ＲＡにおける検出可能なデ
ータキャリア１２を示す領域「ＲＡ１／＊（「＊」は、
各データキャリア１２の図２における識別記号Ａ〜Ｚを
示す）」、「ＲＡ２／＊＊（「＊」は、各データキャリ
ア１２の図２における識別記号Ａ〜Ｚを示す）」、「Ｒ
Ａ３／＊＊＊（「＊」は、各データキャリア１２の図２
における識別記号Ａ〜Ｚを示す）」に関する領域情報
は、移動エリアメモリ８に格納された配置図ＬＭＰ上
に、移動範囲ＡＲＡ内における対応する位置情報（即
ち、移動範囲ＡＲＡ内で各領域ＡＲ１、ＡＲ２、ＡＲ３
の存在する具体的な位置）と共に領域位置情報ＡＬＩと
して格納されているので、車両位置演算部１０は、読み
取り情報解析部７から出力される１個から３個のデータ
キャリア１２の識別情報ＩＤと移動エリアメモリ８内に
格納された領域位置情報ＡＬＩを参照することにより、
移動体１の移動範囲ＡＲＡ内での位置を、領域ＲＡ１／
＊、ＲＡ２／＊＊または、ＲＡ３／＊＊＊として直ちに
特定することが出来る。

【００１４】例えば、アンテナヘッド９が、データキャ
リア１２のうち図２の「Ｓ」、「Ｙ」、「Ｚ」を検出し
た場合には、車両位置演算部１０は移動体１の現在位置
は領域ＲＡ３／ＳＹＺであると判定し、領域位置情報Ａ
ＬＩから配置図ＬＭＰを参照し、図２の位置Ｐ１（図中
黒く塗り潰された領域）を移動体１の現在位置と演算判
定して、その結果を表示部１１上に表示する。また、ア
ンテナヘッド９が、データキャリア１２のうち図２の
「Ｍ」、「Ｇ」を検出した場合には、車両位置演算部１
０は移動体１の現在位置は領域ＲＡ２／ＭＧであると判
定し、領域位置情報ＡＬＩから配置図ＬＭＰを参照し、
図２の位置Ｐ２（図中ハッチングされた領域）を移動体
１の現在位置と演算判定して、その結果を表示部１１上
に表示する。さらに、アンテナヘッド９が、データキャ
リア１２のうち図２の「Ｄ」のみを検出した場合には、
車両位置演算部１０は移動体１の現在位置は領域ＲＡ１
／Ｄであると判定し、領域位置情報ＡＬＩから配置図Ｌ
ＭＰを参照し、図２の位置Ｐ３（図中白い領域）を移動
体１の現在位置と演算判定して、その結果を表示部１１
上に表示する。

【００１５】上述の実施例は、各データキャリア１２を
一辺の長さがｌなる複数の正三角形からなる格子ＧＲＴ
の各交点上に配置した場合について述べたが、データキ
ャリアの配置態様は、読み取りアンテナヘッド６などの
識別情報検知手段の、読み取り可能範囲ＲＡなどのデー
タキャリアの識別情報の検出可能範囲が互いに隣接する
データキャリア間で重複する形で設定され、当該重複状
態が領域位置情報ＡＬＩとして移動エリアメモリ８など
のメモリ内に格納されている限り、どのような配置の態
様でもよい。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
地面５などの地上を移動することの出来る移動体１にお
いて、該移動体に搭載された読み取りアンテナヘッド６
などの識別情報検知手段により地中に埋設配置されたデ
ータキャリア１２などの識別情報格納手段に格納された
識別情報ＩＤを検出することにより、該移動体の位置を
検出する方法において、該移動体の移動範囲ＡＲＡ内の
地中に、複数の前記識別情報格納手段を、前記識別情報
検知手段による前記識別情報格納手段の識別情報の検出
可能範囲が互いに隣接する前記識別情報格納手段間で重
複する形で配置すると共に、移動体側に前記検出可能範
囲の重複態様に応じて設定された領域及びその位置に関
する領域位置情報ＡＬＩを所持しておき、移動体１の識
別情報検知手段により地中の識別情報格納手段を検出し
て、該検出された識別情報格納手段の識別情報と前記領
域位置情報を参照して移動体の位置を、前記領域を特定
することにより検出するようにして構成したので、識別
情報検知手段を介して得られる各識別情報格納手段から
の識別情報に基づいて領域位置情報を参照することによ
り、移動体の位置を、識別情報検知手段の読み取り検知
可能範囲よりも細分化した形で高精度で特定することが
可能となり、従来の単一のデータキャリアなどの識別情
報格納手段から移動体の位置を特定する場合に比してそ
の精度を大幅に向上させることが出来る。

【００１７】また、所定の移動範囲ＡＲＡ内を移動する
移動体１の位置を検出する移動体の位置検出装置におい
て、前記移動体に複数のデータキャリア１２などの識別
情報格納手段を検知し得る、読み取りアンテナヘッド６
などの識別情報検知手段を設け、前記移動範囲内の地中
に前記識別情報格納手段を複数個、前記識別情報検知手
段による前記識別情報格納手段の識別情報の検出可能範
囲が、互いに隣接する前記識別情報格納手段間で重複す
る形で配設し、前記検出可能範囲の重複態様に応じて設
定された領域及びその位置に関する領域位置情報ＡＬＩ
を格納したメモリを設け、前記識別情報検知手段により
検出された前記識別情報格納手段の識別情報と前記メモ
リ内の領域位置情報から前記移動体の位置を演算し出力
する車両位置演算部１０などの位置演算手段を設けて構
成したので、識別情報検知手段を介して得られる各識別
情報格納手段からの識別情報に基づいて領域位置情報を
参照することにより、移動体の位置を、識別情報検知手
段の読み取り検知可能範囲よりも細分化した形で高精度
で特定することが可能となり、従来の単一の識別情報格
納手段から移動体の位置を特定する場合に比してその精
度を大幅に向上させることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明が適用された車両及びデータキャリアの
設置状態一例を示す図。

【図２】データキャリアの配置図。

【図３】読み取り可能範囲の詳細を示す平面図である。

【符号の説明】

１……移動体 ５……地上（地面） ６……識別情報検知手段（読み取りアンテナヘッド） １０……位置演算手段（車両位置演算部） １２……識別情報格納手段（データキャリア） ＩＤ……識別情報 ＡＲＡ……移動範囲 ＡＬＩ……領域位置情報

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】地上を移動することの出来る移動体におい
   て、該移動体に搭載された識別情報検知手段により地中
   に埋設配置された識別情報格納手段に格納された識別情
   報を検出することにより、該移動体の位置を検出する方
   法において、 該移動体の移動エリア内の地中に、複数の前記識別情報
   格納手段を、前記識別情報検知手段による前記識別情報
   格納手段の識別情報の検出可能範囲が互いに隣接する前
   記識別情報格納手段間で重複する形で配置すると共に、
   移動体側に前記検出可能範囲の重複態様に応じて設定さ
   れた領域及びその位置に関する領域位置情報を所持して
   おき、 移動体の識別情報検知手段により地中の識別情報格納手
   段を検出して、該検出された識別情報格納手段の識別情
   報と前記領域位置情報を参照して移動体の位置を、前記
   領域を特定することにより検出するようにして構成した
   移動体の位置検出方法。
2. 【請求項２】所定の移動範囲内を移動する移動体の位置
   を検出する移動体の位置検出装置において、 前記移動体に複数の識別情報格納手段を検知し得る識別
   情報検知手段を設け、 前記移動範囲内の地中に前記識別情報格納手段を複数
   個、前記識別情報検知手段による前記識別情報格納手段
   の識別情報の検出可能範囲が、互いに隣接する前記識別
   情報格納手段間で重複する形で配設し、 前記検出可能範囲の重複態様に応じて設定された領域及
   びその位置に関する領域位置情報を格納したメモリを設
   け、 前記識別情報検知手段により検出された前記識別情報格
   納手段の識別情報と前記メモリ内の領域位置情報から前
   記移動体の位置を演算し出力する位置演算手段を設けて
   構成した移動体の位置検出装置。