JPH11153395A

JPH11153395A - 自動車用一体型熱交換器

Info

Publication number: JPH11153395A
Application number: JP12189898A
Authority: JP
Inventors: Mikio Watanabe; 幹生渡辺; Takayuki Yasutake; 隆幸安武
Original assignee: Showa Aluminum Corp
Current assignee: Showa Aluminum Can Corp
Priority date: 1997-09-19
Filing date: 1998-05-01
Publication date: 1999-06-08

Abstract

(57)【要約】【課題】ラジエーターとコンデンサー、ＡＴＦクーラ
ーを備えた一体型熱交換器にして、構造簡素で、しか
も、各熱交換器部がそれぞれに効率良く熱交換を行うこ
とができる。【解決手段】帯板状チューブエレメント４…の内部
に、幅方向に２本の熱交換媒体流通路１１，１２が独立
して備えられている。チューブエレメント４の各熱交換
媒体流通路１１，１２は短筒状パイプ６，６，７，７に
て連通され、かつ、いずれかの隣り合うチューブエレメ
ント４，４間の両端対応ヘッダー部７，７内は仕切り２
１にて仕切られ、これによりチューブエレメント４…の
幅方向及び積層方向に、ラジエーター部１、コンデンサ
ー部２及びＡＴＦクーラー部３の３つの熱交換器部が備
えられた複式の積層型熱交換器に構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ラジエーター、コ
ンデンサー及びオイルクーラーを含む自動車用一体型熱
交換器に関する。

【０００２】

【従来の技術】自動車には、エンジン冷却用のラジエー
ターや、空調用のコンデンサーが備えられているほか、
オートマチック車用トランスミッションオイル冷却用の
オイルクーラー（ＡＴＦクーラー）やエンジンオイル冷
却用のオイルクーラーなど、多くの熱交換器が備えられ
ている。

【０００３】現在、ラジエーターとコンデンサーとは、
個別の熱交換器として個々に製作され、それぞれ車体の
前部に隣り合わせ状態に備えられるというのが主流であ
るが、近時、いわゆる積層型と称されるタイプの熱交換
器を用いることによってラジエーター及びコンデンサー
の２つの熱交換器部を一体的に備えさせた複式タイプの
一体型熱交換器や、マルチフロー型あるいはパラレルフ
ロー型と称されるタイプの熱交換器を前後に一体化し
て、２つの熱交換器部を一体的に備えさせた一体型熱交
換器の検討も進められている。

【０００４】また、ＡＴＦクーラーは、ラジエーターや
空調用コンデンサーに比べて高温となりやすいことか
ら、主として従来型の一般的な構造のラジエーターにお
いて、その樹脂製ロアタンク内に配備され、タンク内の
冷却水にて冷却される水冷式となされていた（特開平５
−１６３９４４号公報）。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、オイル
クーラーをラジエーターの樹脂製タンク内に備えさせる
構成では、種類の異なる多くの部品を用意しなければな
らず、取付け作業も厄介で、コスト上昇を招く。

【０００６】また、ラジエーターとコンデンサーを一体
にする構成を採ると、従来型ラジエーターにおけるよう
なロアタンクが排除されることになることから、ＡＴＦ
クーラーはラジエーター本体とは別途独立した形式の水
冷式熱交換器として車体に備えさせなければならなくな
り、構造が更に複雑化し、コスト上昇を招く。

【０００７】本発明は、上記のような技術背景に鑑み、
ラジエーター、コンデンサー、及びオイルクーラーの少
なくとも３つ熱交換器部を備え、構造簡素でコンパクト
化を図ることができるとともに、簡単かつ低コストで製
作することができ、しかも、各熱交換器部がそれぞれ確
実に熱交換を行うことができる構造の自動車用一体型熱
交換器を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、前後に並んで平行に配置される第１及び
第２の熱交換器を具備し、それらの各熱交換器が、両端
縁に沿って互いに平行に配置される一対のヘッダー部
と、両端部を上記両ヘッダー部に連通させて、所定の間
隔おきに並列状に配置される複数の熱交換管路とを有す
る自動車用一体型熱交換器において、前記第１及び第２
の熱交換器のうち少なくともいずれか一方の熱交換器
が、その一対のヘッダー部が対応位置で仕切られること
により、前後方向及び前記熱交換管路の並列方向に、少
なくともラジエーター部、コンデンサー部及びオイルク
ーラー部を含む、互いに独立した３つ以上の熱交換器部
が一体的に形成されてなるものを要旨としている。

【０００９】この発明における自動車用一体型熱交換器
は、オイルクーラー部としての熱交換器部を含む構成で
あり、オイルクーラー部は、水冷式によらずとも確実に
熱交換が行われ、オイルクーラーとしての機能がいかん
なく発揮される。

【００１０】また、ラジエーター部としての熱交換器
部、コンデンサー部としての熱交換器部、その他の熱交
換器部もそれぞれ、確実に熱交換が行われ、従って、す
べての熱交換器部がそれぞれ確実に熱交換を行うことが
できる。

【００１１】しかも、前後に配置した第１及び第２の熱
交換器の少なくともいずれか一方のヘッダー部を仕切る
ことによって、ラジエーター部、コンデンサー部及びオ
イルクーラー部を含む、互いに独立した３つ以上の熱交
換器部を形成しているものであるから、熱交換器構成部
品を共通化し得て、その製作を容易に行うことができ、
低コストを実現し得ると共に、全体をコンパクトに構成
することができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】＜第１の実施形態＞図１ないし図
５はこの発明の第１の実施形態である自動車用一体型熱
交換器を示す図である。これらの図に示すように、この
一体型熱交換器は、ラジエーター部（１）、空調用コン
デンサー部（２）、オイルクーラーとしてのＡＴＦクー
ラー部（３）との３つの熱交換器部を一体に備えた複式
の積層型熱交換器である。

【００１３】図１、図３に示す同一体型熱交換器におい
て、（４）…は帯板状チューブエレメント、（５）…は
アウターフィン、（６）…（７）…はヘッダー部となる
短筒状パイプであり、これら熱交換器構成部材は一括ろ
う付けにより接合一体化されて熱交換器に構成されてい
る。

【００１４】帯板状チューブエレメント（４）は、図３
に示すように、アルミニウムブレージングシート製のプ
レス成形品からなる一対の皿状成形プレート（９）
（９）を対向合致させて構成されたもので、内部に、熱
交換管路としての２本の扁平状熱交換媒体流通路（１
１）（１２）が形成されている。各熱交換媒体流通路
（１１）（１２）は、それぞれチューブエレメント
（４）の一端から他端に延び、互いに独立している。各
皿状成形プレート（９）（９）の長手方向の両端部側面
には、各熱交換媒体流通路（１１）（１２）に対応して
熱交換媒体通路孔（１３）（１３）、（１４）（１４）
が形成されている。

【００１５】また、図３〜図５に示すように、各帯板状
チューブエレメント（４）内の熱交換媒体通路（１１）
（１２）内にはそれぞれ、アルミニウム製のインナーフ
ィン（１５）（１６）が配置されている。なお、このイ
ンナーフィン（１５）（１６）の長手方向の両端部に
は、熱交換媒体通路孔（１７）（１７）、（１８）（１
８）が形成されており、この孔（１７）（１７）、（１
８）（１８）が皿状成形プレート（９）の熱交換媒体通
路孔（１３）（１３）、（１４）（１４）と同芯状に配
置されるようになされて、該熱交換媒体通路孔（１３）
（１３）、（１４）（１４）の周縁部にて後述の短筒状
パイプ（６）（６）、（７）（７）の端部を帯板状チュ
ーブエレメント（４）内から支えるようになされてい
る。また、各帯板状チューブエレメント（４）におい
て、両熱交換媒体流通路（１１）（１２）間にはスリッ
ト（１９）が形成され、これら熱交換媒体流通路（１
１）（１２）間での伝熱が遮断されるようになされてい
る。

【００１６】上記帯板状チューブエレメント（４）…
は、多数枚備えられ、それらが、両端部を除いてアルミ
ニウム製コルゲートフィンからなるアウターフィン
（５）…を介在させて厚さ方向に積層されている。そし
て、隣り合う帯板状チューブエレメント（４）…の両側
の端部間には、ヘッダー部となるアルミニウム製の短筒
状パイプ（６）（６）、（７）（７）が、その端部を皿
状成形プレート（９）の熱交換媒体通路孔（１３）（１
３）、（１４）（１４）に合致させるように介在配置さ
れ、これら短筒状パイプ（６）（６）、（７）（７）に
よって、帯板状チューブエレメント（４）…の幅方向に
互いに、独立した２つの熱交換器部が形成されている。
ラジエーター部（１）は、帯板状チューブエレメント
（４）…の幅方向における後側の熱交換器部を用いて構
成されている。上記の短筒状パイプ（６）（６）、
（７）（７）のうち、短筒状パイプ（６）（６）は、熱
交換媒体の流量を確保すべく楕円状ないし長円状の扁平
なパイプ材によって構成され、短筒状パイプ（７）
（７）は、耐圧性能確保のため真円状のパイプ材によっ
て構成されている。

【００１７】そして、図１及び図４に示すように、帯板
状チューブエレメント（４）…の幅方向における前側の
熱交換器部は、更に、積層方向の一方のがわに寄った位
置において、互いに隣り合う帯板状チューブエレメント
（４）（４）間の両端対応短筒状パイプ（７）（７）が
その内部を仕切り（２１）（２１）にて仕切られ、これ
により、帯板状チューブエレメント（４）…の積層方向
に互いに独立した２つの熱交換器部に分割されている。
コンデンサー部（２）はその一方の熱交換器部を用いて
構成され、ＡＴＦクーラー（３）はもう一方の熱交換器
部を用いて構成されている。

【００１８】（２３）はラジエーター部の冷却水入口
管、（２４）は同出口管、（２５）は空調コンデンサー
用の冷媒入口管、（２６）は同出口管、（２７）はＡＴ
Ｆオイルクーラー用のオイル入口管、（２８）は同出口
管である。ラジエーターの冷却水、コンデンサーの冷
媒、及び、ＡＴＦクーラーのオイルは、図３に示すよう
な態様で流通される。

【００１９】上記構成の自動車用一体型熱交換器は、Ａ
ＴＦクーラー用熱交換器部（３）を含む積層型の複式熱
交換器であることにより、ＡＴＦクーラー用熱交換器部
（３）は、積層型の高熱交換性能によって水冷式によら
ずとも効率良く熱交換が行われ、ＡＴＦクーラー用とし
ての機能をいかんなく発揮することができる。また、ラ
ジエーター部（１）、コンデンサー部（２）もそれぞ
れ、積層型の高熱交換性能により効率良く熱交換が行わ
れ、３つすべての熱交換器部（１）（２）（３）がそれ
ぞれ効率良く熱交換を行うことができる。

【００２０】とりわけ、上記実施形態では、帯板状チュ
ーブエレメント（４）…の幅方向後側にラジエーター部
（１）を、前側に、コンデンサー部（２）とＡＴＦクー
ラー部（３）を備えさせ、前後をスリット（１９）にて
熱伝達が遮断されるようになされているから、それぞれ
の熱交換器部（１）（２）（３）がいよいよ性能良く熱
交換を行うことができる。また、コンデンサー部（２）
とＡＴＦクーラー部（３）とはアウターフィン（５）を
介して互いに隔てられているから、両者間の熱伝達も遮
断される。

【００２１】更に、上記のようにコンデンサー部（２）
とＡＴＦクーラー部（３）とを、短筒状パイプ（７）
（７）内を仕切り（２１）（２１）にて仕切って独立さ
せた構造とし、それらの内部流通部構造を同じものとし
ていることにより、ＡＴＦクーラー部（３）にコンデン
サー部（２）相当の高い耐圧性能をもたせることができ
る。即ち、ＡＴＦクーラー部（３）を流通するオイルの
常用圧力は４〜６ｋｇｆ／ｃｍ²Ｇであるのに対し、コ
ンデンサー部（２）を流通する冷媒の常用圧力は１５〜
２０ｋｇｆ／ｃｍ²Ｇであり、ＡＴＦクーラー部（３）
にコンデンサー部（２）相当の高い耐圧性能をもたせる
ことができる。

【００２２】そして、３つの熱交換器部（１）（２）
（３）を１つの積層型熱交換器として構成しているもの
であるから、熱交換器構成部品を共通化し得て、その製
作を容易に行うことができ、低コストを実現し得ると共
に、全体をコンパクトに構成することができる。

【００２３】なお、上記実施形態では、ヘッダー部とし
て、帯板状チューブエレメント（４）（４）とは独立の
部品である短筒状パイプ（６）（７）を用いた場合を示
しているが、これに代え、帯板状チューブエレメント
（４）の皿状成形プレート（９）の両端部に外方膨出状
のヘッダー部を絞り加工にて形成されたものをヘッダー
部とした構成であってもよい。

【００２４】また、本発明においては、図６及び図７に
示すように、コンデンサー部（２）において、上側のパ
イプ（７）のＡＴＦクーラー部（３）側の位置に、仕切
り（２１ａ）を設けるとともに、下側のパイプ（７）の
冷媒出口管（２６）側の位置に仕切り（２１ｂ）を設
け、更に上側パイプ（７）の内部に冷媒入口管（２５）
に一端が冷媒入口管（２５）に連結し、他端が仕切り
（２１ａ）に貫通状態に配置されるインナーパイプ（２
５ａ）を設けることにより、冷媒入口管（２５）から流
入した冷媒を、蛇行状に流通させて、出口管（２６）か
ら流出させるように構成することも可能である。

【００２５】＜第２の実施形態＞図８ないし図１３にこ
の発明の第２の実施形態である自動車用一体型熱交換器
を示す。これらの図に示すように、この一体型熱交換器
は、前後に並んで平行に配置される第１及び第２の熱交
換器（５１）（５２）を有している。

【００２６】第１の熱交換器（５１）は、空調用コンデ
ンサー部（２）と、オイルクーラー部としてのＡＴＦク
ーラー部（３）とを構成するものであり、上下に配置さ
れた一対のヘッダー部（５６）（５６）間に、熱交換管
路としての多数本の扁平チューブ（６１）が長さ方向を
上下方向に向けて、左右方向に並列に配置された状態
で、各チューブ（６１）の端部がヘッダー部（５６）
（５６）に連通状態に接続されている。

【００２７】一方、第２の熱交換器（５２）は、ラジエ
ーター部（１）を構成するものであり、ヘッダー部とし
ての上下のタンク部（５７）（５７）間に、熱交換管路
としての多数本の扁平チューブ（６２）が、上記第１熱
交換器チューブ（６１）と同じ配列ピッチで配置された
状態で、各チューブ（６２）の端部がタンク部（５７）
（５７）に連通状態に接続されている。

【００２８】そして、上記第１及び第２の熱交換器（５
１）（５２）が、前後に隣接状態に組み合わされ、図１
４に示すようにコルゲートフィン（５５）が第１熱交換
器チューブ（６１）の各間と、第２熱交換器チューブ
（６２）の各間とにわたすようにフィン共有状態となる
ように配置されるとともに、最外側のチューブ（６１）
（６２）の外側にコルゲートフィン（５５）を介してサ
イドプレート（５８）が配置され、その状態で、一括ろ
う付けにより一体化されている。

【００２９】この自動車用一体型熱交換器におけるフィ
ン（５５）には、図１４ないし図１６に示すように厚さ
方向に延びるルーバー（５５１）が幅方向に並列して多
数切り込まれている。更にフィン（５５）おける第１及
び第２の熱交換器（５１）（５２）間の山部及び谷部
に、矩形状の熱伝達遮断孔（５５２）が形成され、山部
及び谷部の熱伝達遮断孔（５５２）間に形成された連結
部（５５３）の幅（Ｗ）が小さく形成されている。これ
により、第１及び第２の熱交換器（５１）（５２）間の
熱伝達を有効に遮断して、両者間相互の熱による干渉を
防止し、個々に効率良く熱交換を行えるように構成して
いる。

【００３０】ここで本実施形態においては、図１６に示
すように、フィン（５５）の連結部（５１３）周辺にお
いて、熱伝達遮断孔（５５２）のフィン高さ方向の先端
位置（５５２Ｐ）が、ルーバー（５５１）の端部位置
（５５１Ｐ）よりも内側に配置されるのが好ましく、更
に連結部（５５３）の幅（Ｗ）がルーバー（５５１）の
長さ（Ｌ）よりも短く、かつルーバー（５５１）の長さ
（Ｌ）の１／２よりも長く形成するのが好ましい。すな
わちこのように構成する場合には、第１及び第２の熱交
換器（５１）（５２）間の連結強度を十分に確保しつ
つ、両熱交換器（５１）（５２）間の熱伝達を有効に遮
断することができる。

【００３１】なお、本発明においては、フィン（５５）
の熱伝達遮断孔（５５２）を、バーリング加工により形
成しても良い。例えば図１７ないし図１９に示すよう
に、フィン（５５）における熱伝達遮断孔（５５２）の
周縁部（５５２ａ）を、フィン（５５）の山部において
は外側に、谷部においては内側に、切り起こすように形
成したり、あるいは図２０及び図２１に示すようにフィ
ン（５５）の孔周縁部（５５２ａ）を、フィン（５５）
の山部及び谷部において、共に外側に切り起こすように
形成しても良い。このように熱伝達遮断孔（５５２）を
バーリング加工により切り起こし形成することにより、
切カスが発生するのを防止することができる。

【００３２】図９ないし図１３に示すように、第１熱交
換器（５１）の上下一対のヘッダー部（５６）（５６）
における一側部の対応位置において、ヘッダー部（５
６）（５６）内が仕切り（７１）（７１）により仕切ら
れている。これにより、第１の熱交換器（５１）が、仕
切り（７１）（７１）を境にして、扁平チューブ（６
１）の並列方向に互いに独立した２つの熱交換器部に分
割され、その一方の熱交換器部がコンデンサー部（２）
として構成されるとともに、他方の熱交換器部がＡＴＦ
クーラー部（３）として構成される。

【００３３】更に第１の熱交換器（５１）のヘッダー部
（５６）（５６）におけるコンデンサー部（２）側の領
域に、複数の仕切り（７２）…が設けられ、コンデンサ
ー部（２）を冷媒が蛇行状に流れるように構成されてい
る。

【００３４】また第１の熱交換器（５１）のヘッダー部
（５６）（５６）におけるコンデンサー部（２）側の部
分、及びＡＴＦクーラー部（３）側の部分には、それぞ
れヘッダー部（５６）（５６）の内部に連通する出入口
管（２ａ）（２ｂ）（３ａ）（３ｂ）がそれぞれ連結さ
れている。

【００３５】一方、第２の熱交換器（５２）における一
側端の前方には、レシーバタンク（８０）がブラケット
（８１）を介して取り付けられており、このレシーバタ
ンク（８０）の上端の冷媒入口に、上記コンデンサー部
（２）の出口管（２ｂ）の端部が連結されている。

【００３６】また第２の熱交換器（５２）における上下
一対のタンク部（５７）（５７）には、タンク部（５
７）（５７）の内部に連通する出入口管（１ａ）（１
ｂ）がそれぞれ連結されている。

【００３７】以上の構成の自動車用一体型熱交換器で
は、図１３に示すように、コンデンサー部（２）におい
て、入口管（２ａ）から上側ヘッダー部（５６）に流入
した冷媒は、仕切り（７２）の作用により、チューブ
（６１）を蛇行状に流れて空気と熱交換した後、下側ヘ
ッダー部（５６）に導かれ、更に出口管（２ｂ）を介し
てレシーバタンク（８０）へと送り込まれる。

【００３８】更にＡＴＦクーラー部（３）において、入
口管（３ａ）から上側ヘッダー部（５６）に流入したオ
イルは、各チューブ（６１）を平行に通って、空気と熱
交換した後、下側ヘッダー部（５６）に導かれて、出口
管（３ｂ）を介して流出される。

【００３９】またラジエーター部（１）の上側タンク部
（５７）に、入口管（１ａ）から流入した冷却水は、各
チューブ（６２）を平行に通って、空気と熱交換した
後、下側タンク部（５７）に導かれて、出口管（１ｂ）
を介して流出される。

【００４０】この一体型熱交換器によれば、ＡＴＦクー
ラー部（３）が、空冷式のパラレルフロー型熱交換器と
して構成されるので、水冷式によらずとも効率良く熱交
換が行われ、ＡＴＦクーラー用としての機能をいかんな
く発揮することができる。また、ラジエーター部（１）
及びコンデンサー部（２）においても、パラレルフロー
ないしはマルチフロー型熱交換器として構成されるの
で、効率良く熱交換が行われ、３つすべての熱交換器部
（１）（２）（３）がそれぞれ効率良く熱交換を行うこ
とができる。

【００４１】とりわけ、上記実施形態では、フィン（５
５）における第１及び第２の熱交換器（５１）（５２）
間に熱伝達遮断孔（５５２）を形成するとともに、第１
の熱交換器（５１）におけるコンデンサー部（２）とＡ
ＴＦクーラー部（３）との間に、フィン（５５）が介在
されるため、熱交換器部（１）（２）（３）間における
熱の伝達が有効に遮断されて、互いに熱による干渉を回
避することができるので、一段と、性能良く熱交換を行
うことができる。

【００４２】また、３つの熱交換器部（１）（２）
（３）を１つの熱交換器として一体に構成しているもの
であるから、熱交換器構成部品を共通化し得て、その製
作を容易に行うことができ、低コストを実現し得ると共
に、全体をコンパクトに構成することができる。

【００４３】＜第３の実施形態＞図２２ないし図２６は
この発明の第３の実施形態である自動車用一体型熱交換
器を示す図である。これらの図に示すように、この一体
型熱交換器は、前方に配置される第２の熱交換器（５
２）において、その上下一対のヘッダー部としてのタン
ク部（５７）が、ＡＴＦクーラー用タンク部（５７３）
と、ラジエーター用タンク部（５７１）との２つのタン
ク部により構成されている。ＡＴＦクーラー用タンク部
（５７３）は、タンク部（５７）の一側端部を構成する
とともに、ラジエーター用タンク部（５７１）は、タン
ク部（５７）の一側端部を除く残りの部分を構成してい
る。これらの両タンク部（５７１）（５７３）は、互い
に独立しており、これにより第２の熱交換器（５２）
が、互いに独立した２つの熱交換器部に分割され、ラジ
エータークーラー用タンク部（５７１）に相当する部分
が、ラジエーター部（１）として構成されるとともに、
ＡＴＦクーラー用タンク部（５７３）に相当する部分が
ＡＴＦクーラー部（３）として構成される。また、後方
に配置される第１の熱交換器（５１）の全域が、コンデ
ンサー部（２）として構成される。

【００４４】その他の構成は、上記第２の実施形態の構
成と実質的に同様であるため、同一又は相当部分に、同
一又は相当符号を付して、重複説明は省略する。

【００４５】この自動車用一体型熱交換器では、図２６
に示すように、コンデンサー部（２）において、入口管
（２ａ）から上側ヘッダー部（５６）に流入した冷媒
が、仕切り（７２）の作用により、チューブ（６１）を
蛇行状に流れて、下側ヘッダー部（５６）に導かれて、
出口管（２ｂ）から流出される。

【００４６】また、ラジエーター用タンク部（５７１）
に流入した冷却水は、各チューブ（６２）を平行に通っ
て、下側のラジエーター用タンク部（５７１）に導かれ
るとともに、ＡＴＦクーラー用タンク部（５７３）に流
入したオイルは、各チューブ（６２）を平行に通って、
下側のラジエーター用タンク部（５７３）に導かれる。

【００４７】この第３の実施形態の一体型熱交換器にお
いても、上記第２の実施形態と同様で、３つすべての熱
交換器部（１）（２）（３）がそれぞれ効率良く熱交換
を行うことができ、更に熱交換器部（１）（２）（３）
間における熱の伝達が有効に遮断され、一段と、性能良
く熱交換を行うことができる。また、３つの熱交換器部
（１）（２）（３）を一体に形成しているので、容易に
製作でき、低コストを実現し得ると共に、全体をコンパ
クトに構成することができる。

【００４８】なお、上記各実施形態においては、オイル
クーラーとしてＡＴＦクーラーが備えられているが、本
発明は、それだけに限られず、エンジンオイル冷却用等
の他のオイルクーラーであっても良い。

【００４９】また、上記実施形態では３つの熱交換器部
を備えた構造となされているが、４つ以上の熱交換器部
が備えられた構造としても良い。

【００５０】

【発明の効果】上述の次第で、本発明の自動車用一体型
熱交換器は、オイルクーラー部としての熱交換器部を含
む構成であり、オイルクーラー部は、水冷式によらずと
も確実に熱交換が行われ、オイルクーラーとしての機能
をいかんなく発揮することができる。また、ラジエータ
ー部としての熱交換器部、コンデンサー部としての熱交
換器部、その他の熱交換器部もそれぞれ、確実に熱交換
が行われ、従って、すべての熱交換器部がそれぞれ確実
に熱交換を行うことができる。

【００５１】しかも、前後に配置した第１及び第２の熱
交換器の少なくともいずれか一方のヘッダー部を仕切る
ことによって、ラジエーター部、コンデンサー部及びオ
イルクーラー部を含む、互いに独立した３つ以上の熱交
換器部を形成しているものであるから、熱交換器構成部
品を共通化し得て、その製作を容易に行うことができ、
低コストを実現し得ると共に、全体をコンパクトに構成
することができる。また、従来のようなラジエーターの
樹脂製ロアタンクも排除し得て、リサイクル性にも優れ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施形態である自動車用一体型
熱交換器を示すもので、図（イ）は全体正面図、図
（ロ）は同側面図である。

【図２】第１実施形態の一体型熱交換器における熱交換
媒体の流通態様を模式的に示す斜視図である。

【図３】第１実施形態の熱交換器構成部材を分離状態に
して示す斜視図である。

【図４】第１実施形態の一体型熱交換器におけるチュー
ブエレメントの積層方向において隣り合う熱交換器部の
仕切り近傍を示す断面図である。

【図５】図１のＶ−Ｖ線断面図である。

【図６】この発明の第１の変形例である自動車用一体型
熱交換器を示す全体正面図である。

【図７】第１変形例である自動車用一体型熱交換器のコ
ンデンサー部における熱交換媒体流通態様を模式的に示
す斜視図である。

【図８】この発明の第２の実施形態である自動車用一体
型熱交換器を示す正面図である。

【図９】第２実施形態の一体型熱交換器を示す背面図で
ある。

【図１０】第２実施形態の一体型熱交換器を示す平面図
である。

【図１１】第２実施形態の一体型熱交換器を示す側面図
である。

【図１２】第２実施形態の一体型熱交換器を示す底面図
である。

【図１３】第２実施形態の一体型熱交換器における熱交
換媒体の流通態様を模式的に示す斜視図である。

【図１４】第２実施形態の熱交換器構成部材を分離状態
にして示す斜視図である。

【図１５】第２実施形態の一体型熱交換器におけるフィ
ンの主要部を拡大して示す斜視図である。

【図１６】第２実施形態の一体型熱交換器におけるフィ
ン連結部周辺を拡大して示す正面図である。

【図１７】この発明の第２の変形例であるフィンの主要
部を拡大して示す斜視図である。

【図１８】上記第２変形例におけるフィン連結部周辺を
拡大して示す正面図である。

【図１９】上記第２変形例のフィンにおける熱伝達遮断
孔周辺を更に拡大して示す断面図である。

【図２０】この発明の第３の形例であるフィンの主要部
を拡大して示す斜視図である。

【図２１】上記第３変形例におけるフィン連結部周辺を
拡大して示す正面図である。

【図２２】この発明の第３の実施形態である自動車用一
体型熱交換器を示す正面図である。

【図２３】第３実施形態の一体型熱交換器を示す背面図
である。

【図２４】第３実施形態の一体型熱交換器を示す平面図
である。

【図２５】第３実施形態の一体型熱交換器を示す側面図
である。

【図２６】第３実施形態の一体型熱交換器における熱交
換媒体の流通態様を模式的に示す斜視図である。

【符号の説明】

１…ラジエーター部２…コンデンサー部３…ＡＴＦクーラー部（オイルクーラー部）６，７…短筒状パイプ（ヘッダー部）１１，１２…熱交換媒体流通路（熱交換管路）２１，７１…仕切り５１…第１の熱交換器５２…第２の熱交換器５６…ヘッダー部５７，５７１，５７３…タンク部（ヘッダー部）７１，７２…扁平チューブ（熱交換管路）

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】前後に並んで平行に配置される第１及び
第２の熱交換器を具備し、それらの各熱交換器が、両端
縁に沿って互いに平行に配置される一対のヘッダー部
と、両端部を上記両ヘッダー部に連通させて、所定の間
隔おきに並列状に配置される複数の熱交換管路とを有す
る自動車用一体型熱交換器において、前記第１及び第２の熱交換器のうち少なくともいずれか
一方の熱交換器が、その一対のヘッダー部が対応位置で
仕切られることにより、前後方向及び前記熱交換管路の
並列方向に、少なくともラジエーター部、コンデンサー
部及びオイルクーラー部を含む、互いに独立した３つ以
上の熱交換器部が一体的に形成されてなることを特徴と
する自動車用一体型熱交換器。