JPH11153028A

JPH11153028A - エンジン用マフラ装置

Info

Publication number: JPH11153028A
Application number: JP32148397A
Authority: JP
Inventors: Shigeki Yomo; 茂樹四方
Original assignee: Suzuki Motor Corp
Current assignee: Suzuki Motor Corp
Priority date: 1997-11-21
Filing date: 1997-11-21
Publication date: 1999-06-08

Abstract

(57)【要約】【課題】マフラを構成するのに不可欠の部品に触媒を
コーティングし、しかも、触媒のコーティングコストも
安価にできて、排気ガスを触媒で浄化することができ
て、生産コストが安いエンジン用マフラを得ることを目
的とする。【解決手段】マフラ本体１ａの内側を横断するように
取付ける複数のスペーサーパイプ５の外周全面に触媒２
１をコーティングする。又、マフラ本体１ａ内に差込ま
せるように取付けるテールパイプ７の内周全面と外周の
マフラ１内に差込まれる部分に触媒をコーティングす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えば小型の汎
用エンジンや芝刈機などの動力として用いる小型のエン
ジンにおいて、排気ガスを浄化する触媒を取付けたエン
ジン用マフラ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】エンジンの排気ガスを、マフラ内に取付
けた触媒に反応させて、排気ガスを浄化することが知ら
れている。そして、小型の汎用エンジンや、芝刈機など
の動力として用いる小型のエンジンでは、マフラも小さ
いものが用いられ、安価に製造できるものが要求され
る。

【０００３】そこで、従来のエンジンのマフラは、図８
に示すように、マフラＡ内を複数の消音室Ｂ１、Ｂ２
に、仕切板Ｃを用いて仕切り、この仕切板Ｃに連通パイ
プＤを溶着して、消音室Ｂ１、Ｂ２同士を連絡管Ｄで連
通させたもので、連絡管Ｄの内周面全体に触媒をコーテ
ィングしたり、また、仕切板Ｃに触媒をコーティングし
たりして、マフラ内を通る排気ガスを触媒に触れさせて
反応を起させ、未燃成分を浄化するようにしている。こ
の種の技術は、例えば、実開平４−１０３２２６号公報
や特開平６−１９３４４０号公報に開示される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】板状の仕切板Ｃに触媒
をコーティングするのは、パイプ状のものに触媒をコー
ティングするのに較べて、作業性が悪くコスト高がつ
く。又、連絡管Ｄに触媒をコーティングするのは、連絡
管Ｄを用いる構造のマフラにしなければならず、連絡管
Ｄを用いないマフラも多く、別途に連絡管Ｄを設置する
だけコストが高くなるという問題点が生じる。

【０００５】かかる点に鑑み、この発明は、マフラを構
成するのに不可欠の部品に触媒をコーティングし、しか
も、触媒のコーティングコストも安価にできて、排気ガ
スを触媒で浄化することができて、生産コストが安いエ
ンジン用マフラを得ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、次の構成を有する。請求項１の発明は、
エンジンの排気ポートからの排気ガスを消音して排出パ
イプから放出するマフラ装置において、容器状を呈した
マフラ本体の内側部に横断して設けられたスペーサーパ
イプの外周全面に排気ガス浄化用の触媒を担持すること
を特徴とするエンジン用マフラ装置である。請求項２の
発明では、排出パイプは、マフラ本体内に差込んで取付
けており、該排出パイプの内周全面と外周のマフラ本体
内に差込まれた部分に排気ガス浄化用の触媒を担持した
ことを特徴とする請求項１に記載のエンジン用マフラ装
置である。請求項３の発明では、マフラ本体の内側部に
設けられた排気ガス撹拌用板体に排気ガス浄化用の触媒
を担持したことを特徴とする請求項１または２に記載の
エンジン用マフラ装置である。

【０００７】スペーサーパイプは、マフラ本体をエンジ
ンに取付けるボルトを通すもので、ボルトを強く締付け
たとき、マフラ本体の変形を防ぐマフラ装置に不可欠の
部品である。又、テールパイプなどの排出パイプは、マ
フラ本体内の排気ガスを大気中に放出するもので、これ
もマフラ装置に不可欠の部品である。

【０００８】また、スペーサーパイプ及び排出パイプ
は、パイプ体からなり円筒型であるので、排気ガス浄化
用の触媒をコーティング等により担持するときの作業性
がよい。又、排出パイプの外周は、マフラ本体内に挿入
されて、排気ガスが触れる部分だけ、触媒をコーティン
グすれば足りる。そして、スペーサーパイプもテールパ
イプも円筒形であるので、触媒のコーティング面積を広
くとれ、排気ガスが触媒に触れて浄化できる浄化効率も
高くできる。また、撹拌用の板体に触媒を担持させれば
より一層、排気ガスを効率よく浄化することができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図１乃
至図７によって説明する。この実施形態にかかるエンジ
ンは芝刈機用の小型エンジンであって、図６に全体側面
図、図７に全体平面図を示す。

【００１０】図６および図７に示すように、前記エンジ
ンは、クランク軸方向の一端にリコイルスタータ１０
（スタートハンドル１０ａ）が配設され、他端にシリン
ダー１１とエンジン出力軸１２が配設された概略円筒形
状のエンジンケース１３を有している。なお、エンジン
ケース１３には、芝刈機などの被駆動側の取り付けプレ
ート１３ａが出力軸側に固定される。前記シリンダー１
１に螺着された点火プラグ１４には、ハイテンションコ
ード１４ａを介して図示しないイグニッションコイルが
接続されている。また、図７に示すように、エンジンケ
ース１３を挟んでシリンダー１１の反対側には、内周面
部がエンジンケース１３外周面に沿った平面視、概略台
形の燃料タンク１５（燃料キャップ１５ａ）が設けられ
ており、図７において右側に、吸気系（エアークリーナ
ーボックス１６、キャブレター１７）が設けられ、左側
に排気系（マフラ装置１）が配設される。

【００１１】マフラ装置１は、マフラ本体１ａが適宜に
複数の孔の開いた概略矩形のマフラカバー８により覆わ
れて外部への熱影響が防止されるようになっている。

【００１２】図１〜図５は、マフラ本体１ａの説明図で
あって、図１はマフラ本体１ａを図６においてエンジン
ケース１３側から見た外観の正面図、図２は、図１のＸ
−Ｘ矢視横断面図、図３は図１のＹ−Ｙ矢視縦断面図、
図４はマフラ本体１ａを図６において外側から見た外観
の背面図、図５は図１のＺ方向から見た外観図（右側面
図図）である。

【００１３】図１〜図５に示すように、マフラ本体１ａ
は、鋼板を椀型にプレス成形したエンジンシリンダー側
（内側）・反シリンダー側（外側）の各ケース体２ｉ・
２ｏを最中状に合せて、互いの周囲端部を折曲げ加工や
溶着などして全体として結合して容器形状に呈するよう
にする。また、内・外のケース体２ｉ・２ｏの合せ面部
１８には、撹拌板３を挟むようにしてある。

【００１４】この撹拌板３は、多数の小孔を穿設してあ
ってパンチングプレートとも称されるもので、マフラ本
体１ａの高さ方向ほぼ中央に位置して、マフラー本体１
ａを２つ部屋に仕切るものである。そして、マフラ本体
１ａでは、導入口６から導入される排気ガスが一方の部
屋に入った後この撹拌板３の小孔３ａを通って他の部屋
に入るようし、これにより、マフラ１内での排気ガスの
撹拌を助ける。それと共に、マフラ１の主に横方向の剛
性も高めることができる。なお、図２の（ｂ）に示すよ
うに、撹拌坂３には後述するスペーサーパイプ５を挿通
する孔が小孔３ａよりも大きく形成されるている。

【００１５】内・外の各ケース体２ｉ・２ｏには、それ
ぞれマフラ本体１ａ内側に向けて縁部４ａをバーリング
加工などにより突設したボルト孔４、４を三個所づつ
（４₁〜４₃）設けている。そして、内・外のケース体２
ｉ・２ｏにおいて対向する位置のボルト孔４、４の縁部
４ａ、４ａには、スペーサーパイプ（マフラーカラー）
５（５₁〜５₃）の両端を固定する。また、マフラー本体
１の外側のケース体２ｏには、内側に壁体１９を有する
２重構造になっていて、そのケース体２ｏと壁体１９と
の間の空間の存在で外部に漏れる排気音の低減をしてい
る。

【００１６】マフラー本体１の内側のケース体２ｉに
は、エンジンの排気孔端２０に連結する導入口６をマフ
ラー高さ方向に設けており、そして二つのスペーサーパ
イプ５は、導入口６を挟んでその両側に位置させてあ
る。また、マフラ本体１ａの一端には、一部がマフラ本
体１ａ内に差込まれ、かつ、一部がマフラ本体１ａか
ら、前記導入口６がマフラー横方向（導入口がマフラー
高さ方向）に突出するテールパイプ７を取付ける。

【００１７】前記スペーサーパイプ５は、外側からボル
トを挿入し、ボルトをエンジンに締着して、マフラ装置
１をエンジンに取付けるためのもので、スペーサーパイ
プ５によって、ボルトの強い締付けによって、マフラ本
体１ａが変形するのを防止する。また、テールパイプ７
は、マフラ本体１ａ内の排気ガスを大気中に放出する放
出口である。マフラ装置１では、排気ガスで高温にな
り、マフラ本体１ａに他のものが触れないように、外側
に間隙を設けてマフラカバー８を取付けて保護するよう
にしている。

【００１８】而して、図２に示すように、複数のスペー
サーパイプ５の外周面全面に排気ガス浄化用の触媒２１
をコーティングする。又、テールパイプ７の内周全面
と、テールパイプ７外周のマフラ本体１ａ内に差込まれ
る部分に前記触媒２１をコーティングする。

【００１９】マフラ本体１ａ内で撹拌する排気ガスは、
複数のスペーサーパイプ５の外周の触媒２１に触れて反
応し、浄化される。排気ガスは、マフラ本体１ａ内でテ
ールパイプ７外周の触媒２１に触れ、テールパイプ７を
通るとき、テールパイプ７内周の触媒２１に触れて反応
を起して浄化される。テールパイプ７は、マフラ本体１
ａの中央部まで挿入されていて長さがあり、排気ガスの
全量が通るので、触媒２１に触れる率が多くなり、浄化
が効率良くできる。さらに、撹拌板３に前記触媒２１を
担持させれば、撹拌板３の小孔３ａが形成され表面積は
大きく、その小孔３ａにまで触媒を担持できる。それと
共に、撹拌板３の小孔３ａに排気ガスが流通するので排
気ガスとの接触の度合いが頻繁である。したがって、排
気ガスの浄化がより一層効率良く行える。

【００２０】なお、本発明は、前記実施形態のように芝
刈機用などの小型エンジンに用いるのに好適である。し
かし、本発明のマフラ装置の適用範囲は、この種の小型
エンジンに用いることに限定されず、その他各種エンジ
ンにも好適に使用できることは明白である。また、触媒
を担持すべきマフラ装置内の構成部品は、その他の部品
にあわせて行うこともできる。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したように、この発明は上述の
ように構成したので、マフラを構成するのに不可欠のス
ペーサーパイプとテールパイプに触媒をコーティングす
ることによって、排気ガスを触媒に触れさせて反応さ
せ、排気ガス中の未燃成分を浄化できる。しかも、スペ
ーサーパイプ、テールパイプ共に円筒状であるので、表
面積が大きく触媒のコーティング作業が、板状のものに
コーティングするのに較べて容易で、マスキングの必要
もないので、安価に生産することができる。こうして、
触媒のコーティングのために、特別に部品を付加する必
要もなく、安価に生産することができる。また、撹拌板
にまで触媒を担持させれば排気ガス浄化の効率がより一
層向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態を示すマフラ装置本体の左側
面図である。

【図２】（ａ）は図１のＸ−Ｘ矢視横断面図、（ｂ）は
スペーサーパイプ挿通部分の拡大説明図である。

【図３】図１のＹ−Ｙ矢視縦断面図である。

【図４】本発明の実施形態を示すマフラ本体の背面図で
ある。

【図５】本発明の実施形態を示すマフラ本体の右側面図
である。

【図６】本発明の実施形態を示すマフラ装置をエンジン
に取付けた状態のエンジン全体の正面図である。

【図７】本発明の実施形態を示すマフラ装置をエンジン
に取付けた状態のエンジン全体の平面図である。

【図８】従来例を示すマフラの部分縦断面図である。

【符号の説明】

１マフラ装置１ａマフラ本体３撹拌板３ａ小孔４、４₁〜４₃ ボルト孔５、５₁〜５₃ スペーサーパイプ７テールパイプ２１触媒

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】エンジンの排気ポートからの排気ガスを
消音して排出パイプから放出するマフラ装置において、容器状を呈したマフラ本体の内側部に横断して設けられ
たスペーサーパイプの外周全面に排気ガス浄化用の触媒
を担持することを特徴とするエンジン用マフラ装置。
【請求項２】排出パイプは、マフラ本体内に差込んで
取付けており、該排出パイプの内周全面と外周のマフラ
本体内に差込まれた部分に排気ガス浄化用の触媒を担持
したことを特徴とする請求項１に記載のエンジン用マフ
ラ装置。
【請求項３】マフラ本体の内側部に設けられた排気ガ
ス撹拌用板体に排気ガス浄化用の触媒を担持したことを
特徴とする請求項１または２に記載のエンジン用マフラ
装置。