JPH11153012A - ディーゼルエンジン及びその運転方法 - Google Patents

ディーゼルエンジン及びその運転方法

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JPH11153012A
JPH11153012A JP10224948A JP22494898A JPH11153012A JP H11153012 A JPH11153012 A JP H11153012A JP 10224948 A JP10224948 A JP 10224948A JP 22494898 A JP22494898 A JP 22494898A JP H11153012 A JPH11153012 A JP H11153012A
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JP
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transfer device
piston
crosshead
cylinder
diesel engine
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JP10224948A
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Hans Scherrer
シェーラー ハンス
Walter Keller
ケラー ワルター
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Wartsila NSD Schweiz AG
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01MLUBRICATING OF MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; LUBRICATING INTERNAL COMBUSTION ENGINES; CRANKCASE VENTILATING
    • F01M1/00Pressure lubrication
    • F01M1/06Lubricating systems characterised by the provision therein of crankshafts or connecting rods with lubricant passageways, e.g. bores
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01MLUBRICATING OF MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; LUBRICATING INTERNAL COMBUSTION ENGINES; CRANKCASE VENTILATING
    • F01M1/00Pressure lubrication
    • F01M1/02Pressure lubrication using lubricating pumps
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C5/00Crossheads; Constructions of connecting-rod heads or piston-rod connections rigid with crossheads
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F7/00Casings, e.g. crankcases or frames
    • F02F2007/0097Casings, e.g. crankcases or frames for large diesel engines

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 著しい欠点のないクロスヘッドを有するディ
ーゼルエンジンを提供することと、同エンジンのシリン
ダを出来る限り効率的にかつ経済的に潤滑を行う。 【解決手段】 少なくとも1つのシリンダと、ピストン
が同シリンダの中で前後に移動可能で、かつピストンロ
ッド4によりクロスヘッド5に連結されていることと、
同クロスヘッドがスラストロッドによりクランクシャフ
トに連結されていることとを備えるディーゼルエンジン
は、潤滑剤をシリンダに導入するための移送装置20を
有する。駆動手段30が移送装置20のために提供され
ており、移送装置20がクロスヘッド5の移動により駆
動されるように設計され、かつ配設されている。ディー
ゼルエンジンを運転する方法において、移送装置20は
クロスヘッド5の移動により駆動される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は少なくとも1つのシ
リンダと、ピストンが同シリンダの中で前後に移動可能
で、かつピストンロッドによりクロスヘッドに連結され
ていることと、同クロスヘッドがスラストロッドにより
クランクシャフトに連結されていることとを備えるディ
ーゼルエンジンにおいて、更に潤滑剤をシリンダに導入
するための移送装置と、同移送装置が同移送装置に潤滑
剤を供給するための供給ライン及び潤滑剤が同移送装置
によりシリンダに導入され得る供給ラインとに連結され
ていることとを更に備えるディーゼルエンジンに関す
る。
【0002】本発明は更に少なくとも1つのシリンダ
と、ピストンが同シリンダの中で前後に移動可能で、か
つピストンロッドによりクロスヘッドに連結されている
ことと、同クロスヘッドがスラストロッドによりクラン
クシャフトに連結されていることと、潤滑剤が移送装置
によりシリンダ内に導入されるディーゼルエンジンの運
転方法とに関する。
【0003】
【従来の技術】この種のディーゼルエンジンはしばしば
造船における推進集合体として使用されるような大型の
エンジンである。シリンダ内で前後運動をするピストン
の直線運動はピストンロッドを経由してクロスヘッドに
伝えられ、クロスヘッド自体はスラストロッドによりク
ランクシャフトに連結されている。運転状態において、
ピストンはシリンダの内壁に沿って摺動し、シリンダは
多くの場合シリンダスリーブの形状をしている。ピスト
ンとシリンダの内壁との間の潤滑はディーゼルエンジン
が機能を果たすために本質的に重要である。一方、ピス
トンはシリンダ内で損傷を受けずに出来る限り容易に摺
動しなければならず、他方、ピストンは燃焼工程で解放
されたエネルギーを効率的に機械仕事へ変換することを
保証するために、シリンダ内の燃焼室を出来る限り良好
に密封しなければならない。
【0004】この理由により、通常潤滑油は、ディーゼ
ルエンジンの運転中ピストンが良好な運転性能を達成す
るためと、シリンダ壁、ピストン及びピストンリングの
摩耗を出来る限り低く保つために、シリンダ内に導入さ
れる。更に、潤滑油は攻撃的な燃焼生成物を中和して腐
食を防止する働きをする。これら数多くの要求点の結果
として、しばしば非常に高品質で高価な物質が潤滑油と
して使用される。
【0005】クロスヘッドを備えるディーゼルエンジン
においては、潤滑油は通常1つ以上の入口を通ってシリ
ンダ壁を貫通してシリンダ内部に導入される。ラインは
同入口から潤滑油をシリンダに移送する外部ポンプにつ
ながっている。シリンダの数に依存して、通常複数のこ
のようなポンプが提供され、同ポンプは電気的もしくは
空気圧的方法等で運転される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】通常外部ポンプはエン
ジンハウジングの外側に配設されているので、潤滑油ラ
インは非常に長い。このことにより、供給される潤滑油
の量は調節され得るにしても、非常な困難さと、複雑性
と、費用とを伴い、更に、変動に晒されるという欠点が
ある。潤滑油不足に起因するエンジンの損傷を防止する
ために、実際に必要とされる以上の潤滑油をシリンダス
リーブに供給する傾向が一般にある。過剰の潤滑油はピ
ストンリングによって拭い取られて、シリンダの底に集
められ、そこに集められた潤滑油は出口の開口部を介し
て外に流出し得る。過剰供給による高品質で高価な潤滑
油の損失は経済的に不利である。更に、潤滑油がシリン
ダの底に蓄積されることによる発火の危険性が存在し、
望ましくない発火がシリンダ内で発生する可能性があ
る。
【0007】この従来技術に基づき、本発明の目的は著
しい欠点を有せず、クロスヘッドを備えるディーゼルエ
ンジンを提供することである。ピストンの潤滑は出来る
限り効率的に行われねばならず、かつ過剰供給等による
潤滑剤の損失は出来る限り低く押さえられねばならな
い。更に、クロスヘッドを備えるディーゼルエンジンの
運転方法にあって、シリンダ内のピストンの潤滑を可能
にし、出来る限り効率的で損失のない方法を提供するこ
とが本発明の目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】装置及び方法の観点から
これらの目的を満足する本発明の主題は各独立の請求項
によって特徴付けられる。本発明によるディーゼルエン
ジンにおいては、潤滑剤をシリンダ内に導入する移送装
置のために駆動手段が提供され、同駆動手段は同移送装
置がクロスヘッドの運動により駆動されるように設計さ
れて、設置されている。この方法による潤滑油のシリン
ダへの導入は、クロスヘッドの動力学と連結しており、
結果的にピストンの作動サイクルもしくは運動サイクル
と同調又は時間合わせされている。この方法において
は、ピストンの各運動サイクルの間ほぼ同量の潤滑剤が
シリンダ内に導入されることが保証され得る。
【0009】結果的に、各運動サイクル毎に導入される
潤滑剤の量は現実的に変動に晒されず、同潤滑剤の量は
実際に必要とされる量と非常に精密に合致する。従っ
て、導入される潤滑油の過剰な量による損失は最小限に
なり、過剰な量に関連するシリンダの底での発火の危険
性も大幅に減少される。これにより、ピストンの効率的
で経済的な潤滑が特に可能となる。 潤滑油は供給ライ
ンを介して移送装置によってシリンダ内に導入される
が、同供給ラインはピストンロッドの内部を、同ピスト
ンロッドのほぼ軸方向おいて延伸することが好ましい。
潤滑剤がシリンダの壁を貫通すれば、シリンダの外部か
らシリンダを冷却している冷却水と接触して汚染され得
るが、この方法をとることにより、この汚染の可能性を
防止している。
【0010】好ましい実施例において、移送装置はクロ
スヘッド上又は、同移送装置の一端がクロスヘッドに連
結された状態で、ピストンロッド上に装着される。移送
装置はクロスヘッドの移動により、当接部を介するよう
な非常に簡単な方法で駆動されることができ、同当接部
はクロスヘッドの移動中移送装置が当接部に対向する方
向に移動するように、かつ移送装置の作動ピストンのス
トローク運動をもたらすように、配設される。移送装置
をクロスヘッド又はピストンロッドに配設することによ
り、移送装置から潤滑剤が移送圧力下において存在する
シリンダに至る供給ラインは特に短く、従って、現実的
に漏洩等を介しての損失がない利点がある。
【0011】クロスヘッドを備えるディーゼルエンジン
のための本発明による方法は、移送装置がクロスヘッド
の移動により駆動されることを特徴とする。このことに
より、ピストンを特に効率的でかつ低コストで潤滑する
ことを可能にする。
【0012】本発明によるディーゼルエンジン及び本発
明による方法の更なる有利な手段と好ましい実施例は従
属の請求項に起因する。請求項1に記載の発明は、少な
くとも1つのシリンダと、ピストンが同シリンダの中で
前後に移動可能で、かつピストンロッドによりクロスヘ
ッドに連結されていることと、同クロスヘッドがスラス
トロッドによりクランクシャフトに連結されていること
とを備えるディーゼルエンジンにおいて、更に潤滑剤を
シリンダに導入するための移送装置と、同移送装置が同
移送装置に潤滑剤を供給するための供給ライン及び潤滑
剤が同移送装置によりシリンダに導入され得る供給ライ
ンとに連結されていることとを更に備えるディーゼルエ
ンジンにおいて、駆動手段が移送装置のために提供され
て、移送装置がクロスヘッドの移動により駆動されるよ
うに設計されて、配設されていることとをその要旨とす
る。
【0013】請求項2に記載の発明は、ピストンロッド
の内部に延伸する潤滑剤のための供給ラインを備えてな
ることを特徴とする。請求項3に記載の発明は、移送装
置がクロスヘッド上に又は特に同移送装置の一端がクロ
スヘッドに連結された状態でピストンロッド上に装着さ
れていることを特徴とする。
【0014】請求項4に記載の発明は、移送装置が作動
ピストンを有する潤滑剤ポンプを備えることと、移送装
置のための駆動手段が潤滑剤ポンプをクロスヘッドの移
動に合わされていて、潤滑剤ポンプの作動ピストンがシ
リンダ内のピストンの各運動サイクルの間に少なくとも
1回のストローク運動を実行することを特徴とする。
【0015】請求項5に記載の発明は、クロスヘッドが
移動する間、潤滑剤ポンプが当接部に対向して案内され
るように、かつ同当接部が潤滑剤ポンプの作動ピストン
のストローク運動をもたらすように配設される当接部よ
りなる移送装置のための駆動手段を有することを特徴と
する。
【0016】請求項6に記載の発明は、移送装置のため
の駆動手段が連接レバーと、同レバーの一端がエンジン
ハウジングに固定されていることと、同レバーの他端が
移送装置に回動可能に連結されていることと、カムが連
接レバーの端部に連結されていることと、連接レバーが
移送装置に連結されていて、同連接レバーがクロスヘッ
ドが移動する間に移送装置を駆動することとからなるこ
とを特徴とする。
【0017】請求項7に記載の発明は、ローラと、同ロ
ーラが潤滑剤ポンプの作動ピストンに連結されており、
かつ傾斜状の表面を有するランナップ装置とともに作動
ピストンの縦軸方向に変位可能であることと、同ランナ
ップ装置がエンジンハウジングに固定されていて、ロー
ラが、クロスヘッドが移動する間、傾斜状の表面に沿っ
て移動し、かつ縦軸の方向に変位可能であるように配設
されていることとからなることを特徴とする。
【0018】請求項8に記載の発明は、少なくとも2つ
の傾斜状の表面を備えるランナップ装置を有することを
特徴とする。請求項9に記載の発明は、エンジンハウジ
ングに固定されるように配設される移送装置と、駆動手
段が、クロスヘッドが移動する間に、移送装置を駆動
し、かつ同移送装置を潤滑油のための供給ラインに連結
するように、ピストンロッド又はクロスヘッド上に設計
され、かつ配設される駆動手段と、とを備えてなること
を特徴とする。
【0019】請求項10に記載の発明は、少なくとも1
つのシリンダと、ピストンが同シリンダの中で前後に移
動可能で、かつピストンロッドによりクロスヘッドに連
結されていることと、同クロスヘッドがスラストロッド
によりクランクシャフトに連結されていることと、潤滑
剤が移送装置によりシリンダ内に導入されることとの運
転方法において、移送装置がクロスヘッドの移動により
駆動される運転方法であることを要旨とする。
【0020】請求項12に記載の発明は、ピストンの運
動サイクルに同調されるようにパルス的にシリンダに導
入される潤滑剤を備える運転方法であることを特徴とす
る。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明を以下に詳細に記載する。
図面には、機能が同一か同等である部材には同一参照符
号が与えられる。図面は正確な縮尺に基づいてはいな
い。
【0022】本発明の以下の記載において、本発明に必
須な態様と部分とが詳細に説明されている。残りの構成
部材及び方法論的手段は、公知のディーゼルエンジンに
おけると同じように、現状方法及び以下に詳細には記載
されていない方法により実行される。
【0023】図1は、クロスヘッド5を有するディーゼ
ルエンジン1の必須部分を示す概略図である。特に、図
1は2ストローク原理に従って運転する長さ方向に伸び
る掃気部を有する大型のディーゼルエンジンの部品を示
す。この種のディーゼルエンジン1は造船の推進集合体
等に使用される。図1においては、シリンダ2はエンジ
ンハウジング10内に通常複数個配置されるが、そのう
ちの1つを示す。ピストン3はシリンダ2内で前後方向
において移動可能であり、ピストンロッド4を介してク
ロスヘッド5に連結されている。クロスヘッド5は、ス
ラストロッド6を介してクランクシャフト7に連結され
ている。クロスヘッド5はスラストロッド6の必須構成
部材であり、スラストロッド6の一端を形成するベアリ
ングベース56と、ピストンロッド4の一端が固定され
ており、ベアリングベース56、次いでスラストロッド
6が回動可能に連結されているピン52と、ベアリング
ベース56と共にピン52を包囲するベアリング蓋53
と、ディーゼルエンジン1の運転中クロスヘッド5が、
図示されない摺動通路に沿って図1において上下に摺動
する、横方向に配置された複数のスライディングシュー
51(図に1つのみ示す)を備える。
【0024】更に、2つの連接レバー8,9が供給され
ており、それぞれがエンジンハウジング10とクロスヘ
ッド5との間で連接連結を形成している。連接レバー
8,9はそれぞれ3つの連結部を有する。連接レバー
8,9はいずれの場合も、一端がエンジンハウジング1
0に固定されるように配設されており、他端がクロスヘ
ッド5に固定されるように配設されている。連接レバー
8,9はいずれの場合も、クロスヘッド5の上下運動に
追随するように設計されている。同レバーは運転状態に
おいて潤滑剤及び/又は冷却液を供給するために使用さ
れる。潤滑油のような潤滑剤は連接レバー9の内部を介
してクロスヘッド5の内部に導入されて、主としてピン
52とベアリングベース56との間の潤滑のために使用
される。冷却油のような冷却液は連接レバー8の内部を
介して供給されて、ピストンロッド4の内部を介してピ
ストン3の内部空間に導入される。次いで、運転中、ピ
ストン3は内部から冷却される。更に、冷却油はピスト
ンロッド4の内部とピン52とを介して公知の方法で放
出される。
【0025】クロスヘッド5を備えるこの種の公知のデ
ィーゼルエンジン1においては、通常クロスヘッド5を
潤滑する潤滑油とは異なるピストンを潤滑する潤滑油
は、上述したように、外部からシリンダ2の壁を介し
て、シリンダスリーブのような形状をしたシリンダ2の
内壁に供給される。このために、ポンプ(図1に図示せ
ず)のような、エンジンハウジング10の外側に配設さ
れた移送装置が1つ又はそれ以上の通路を介して潤滑油
をシリンダ2の壁に配設された入口に移送し、潤滑油は
この入口を通ってシリンダの内壁に到達する。
【0026】本発明により、移送装置を駆動する手段
が、潤滑油のような潤滑剤をシリンダ2内に導入するの
に提供されることが提案され、同駆動手段は移送装置が
クロスヘド5の移動によって駆動されるように設計され
かつ実行される。
【0027】図2は本発明によるディーゼルエンジンの
第1の実施例の一部分を概略部分表示で示したものであ
る。この実施例においては、移送装置は作動室22と作
動ピストン21とを有する潤滑剤ポンプ20を備えてい
る。同作動ピストン21はスプリング23の押圧力に抗
して作動室22の容量を減ずるためのストローク運動を
実行することができて、ポンプ動作が生じる。
【0028】潤滑剤ポンプ20はクロスヘッド5に連結
されているピストンロッド4の端部に固定される。更
に、供給ライン40は潤滑剤ポンプ20に潤滑油のよう
な潤滑剤を供給するために提供される。潤滑油は、ギヤ
ポンプのような図示していないポンプによって、供給ラ
イン40を介して潤滑剤ポンプ20の低圧力端に移送さ
れる。
【0029】供給ライン50(図7も参照)は、初めは
ピストンロッド4の端部を貫通する通路の形状をし、次
いでピストンロッド4の縦軸Aとほぼ並行にしかも同ピ
ストンロッドの内部を延伸する管状ラインの形状をし
て、潤滑剤ポンプ20の高圧力端からピストン3の内部
空間にまで延伸する。次いで、複数の孔(図示せず)が
ピストン3の内部空間から外側に通じており、潤滑油は
供給ライン50及びこれらの孔を介して、シリンダ2の
内壁に位置するピストン3内に進入し得る。同孔はピス
トンスカートに位置する複数のピストンリングの間、ピ
ストンリングの下方又はピストンリングの上方のいずれ
の位置にも配設され得る。更に、孔がピストンリングを
収容する溝に似た設計になっている環状の分配溝につな
がる実施例も可能である。
【0030】更に、戻り止め弁70が供給ライン50に
配設されて、圧力が潤滑剤ポンプ20の低圧力端におけ
る潤滑油圧力より大きい圧力に達した時にのみ、通路方
向において開く。 更に、図2はピストン3を冷却する
ための冷却油用の、ピストンロッド内を延伸する戻りラ
イン60を示す。
【0031】潤滑ポンプ20の駆動手段はエンジンハウ
ジング10に固定するように配設された当接部30を備
えており、クロスヘッド5が移転されると、潤滑剤ポン
プ20が当接部30方向に進められて、同当接部は潤滑
剤ポンプ20の作動ピストン21にストローク運動をも
たらす。
【0032】運転状態にある時に、潤滑剤ポンプが、回
動運動をするベアリング蓋53と衝突しないために、図
2にハッチングで示すように、ベアリング蓋53に切り
欠き部53aを提供することが必要となり得る。
【0033】供給ライン40は、ピストンロッド4に固
定されている潤滑剤ポンプ20の移動に追随できるよう
に移動可能であるか又は柔軟性があるように設計され
る。第1の実施例において、供給ライン40は図1に示
す連接レバー8,9と類似した設計を有する連接レバー
を備える。
【0034】図3は潤滑剤ポンプ20の低圧力側と供給
ライン40の連接レバーの端部44との間の連結をはっ
きりと示す詳細図である。図3は図2のIII −III 線に
おける断面図である。供給ラインの連接レバーの端部4
4はボルト41を包囲し、このボルト41を中心にして
回動する部分45を備えている。ボルト41は潤滑剤ポ
ンプ20に螺合のような方法で固定されており、潤滑剤
ポンプ20の作動室22において開口する通路42を内
部に有する。図示しないギヤポンプによって移送される
潤滑油は、矢印S1で示すように、供給ライン40の連
接レバーの内部を貫通し、次いでボルト41の中の孔4
6を貫通してボルト41の内部の通路42に進入し、更
に同通路から作動室22へと進む。通路42において、
戻り止めバルブ43が、潤滑油が供給ライン40に逆流
するのを防止するために提供される。 別例として、例
えば、供給ライン40がフレキシブルホース用連結部、
伸縮連結部又は供給ライン40が機能的にクロスヘッド
5やピストンロッド4のそれぞれの移動に追随できる手
段を有するように設計することが可能である。
【0035】ディーゼルエンジン1の運転中に、クロス
ヘッド5が上方向(図2より見て)に移動すると、潤滑
剤ポンプ20もまた全体が上方向に移動する。このこと
によって、潤滑剤ポンプ20の作動ピストン21は当接
部30の方向に移動して、潤滑油を作動室22から供給
ライン50を介してピストン3に、更に同ピストン3か
らシリンダ2の内壁へと移送させるストローク運動を実
行する。クロスヘッド5の1回の完全な上下運動(図
1,2より見て)に相当するシリンダ2内のピストン3
の各運動サイクル中、潤滑剤ポンプ20の作動ピストン
21はストローク運動を実行する。従って、潤滑油は
「潤滑油パルス」(“Schmierolimpuls
en”)の形状にて、かつピストン3又はクロスヘッド
5のサイクル運動に同調して、シリンダ2に間欠的に供
給される。これにより、各運動サイクル毎にシリンダ2
の内壁に与えられる潤滑油の量は潤滑剤ポンプ20の作
動室22の有効ストローク及び径によって決定され、各
運動サイクル間で同一である。
【0036】図4は本発明によるディーゼルエンジンの
第2の実施例の移送装置と駆動手段を示す断面図であ
る。これにおいても移送装置は作動ピストン21と作動
室22とを有する潤滑剤ポンプ20を備える。潤滑剤ポ
ンプ20はクロスヘッド5のピン52(図2参照)に装
着されたピストンロッド4の端部に固定されている。第
1の実施例とは対照的に、潤滑剤ポンプ20は第2実施
例におけるカム駆動により駆動される。
【0037】潤滑剤ポンプ20の低圧力端にある供給ラ
イン40は連接レバー48を備えており、同連接レバー
の全長を通して、潤滑油はギヤポンプのような図示され
ないポンプにより潤滑剤ポンプ20の低圧力側に移送さ
れる。同時に、連接レバー48は潤滑剤ポンプ20の駆
動手段の一部を形成している。同連接レバーの一端はエ
ンジンハウジング10に固定するように配置され、他端
は、図3と同様の方法等で、潤滑剤ポンプ20に回動可
能に連結される。連接レバー48のこの端は潤滑剤ポン
プ20に固定されている軸80を中心にして回動する。
高さHのカム82を備える円板81も軸80に配設され
て、連接レバー48の回動する方の端に回転可能に連結
されている。カム82は公知の方法でカムフォロアロー
ラに連結されている作動ピストン21のストローク運動
を、カムフォロアローラ83を介して、かつスプリング
23の押圧に抗してもたらすことができる。
【0038】潤滑油は供給ライン40から軸80と図4
に図示しない通路及び入口開口部を介して、破線の矢印
S2で示すように、作動室22に進入する。戻り止めバ
ルブ70を備える供給ライン50は潤滑剤ポンプ20の
高圧力端から、第1の実施例におけるように、ピストン
ロッド4の内部を貫通してピストン3に延伸している。
【0039】運転状態においては、クロスヘッド5と同
クロスヘッド5を含む全潤滑剤ポンプ20は図4に二重
矢印Bで示すように上下に移動する。この移動により、
連接レバー48は軸80を中心にして回動し、同連接レ
バーを介してカム82は軸80を中心にして回転して、
カムフォロア83を介して作動ピストン21を変位させ
る。従って、カム82はクロスヘッド5の移動中潤滑剤
ポンプ20を駆動する。
【0040】この第2の実施例においては、潤滑剤ポン
プ20の作動ピストン21はシリンダ2内のピストン3
の各運動サイクル毎に1ストローク運動を実行する。1
潤滑油パルス毎にシリンダの内壁に供給される潤滑油の
量は作動ピストン21の径とカム83の高さHによりほ
ぼ決まる。第2の実施例においては、潤滑手段パルスの
シリンダスリーブへの供給はピストン3の運動サイクル
の特定部分毎に行われるが、このピストン3の運動サイ
クルの部分が容易に選定されることが特に有利である。
すなわち、カム82が円板81上に配設される位置によ
ってピストンの潤滑は、ピストン3が上死点の領域又は
下死点の領域又は両領域の間に位置されている時などに
生じる。更に、連接レバー48が、一方では供給ライン
40の一部として機能し及び他方では潤滑剤ポンプ20
の駆動手段として機能する2つの機能を有することは、
装置が出来る限り安価でかつ複雑性が少ない点で有利で
ある。 図5は本発明によるディーゼルエンジンの第3
の実施例の潤滑剤ポンプ20と駆動手段の断面図であ
る。ここでもまた、潤滑剤ポンプ20はピン52に装着
されたピストンロッド4の端部に固定される。低圧力端
での潤滑油のための供給ライン40は、前述したよう
に、連接レバー又はその他の連接しているか可動の連結
部を備える。第3の実施例においては、潤滑剤ポンプ2
0の駆動手段は作動ピストン21の縦軸の方向に変位可
能で、ガイドピストン24を介して作動ピストン21に
連結されているローラ83aを備える。ローラ83aは
機能的には図4のカムフォロア83に相当する。
【0041】駆動手段は更に傾斜状表面38を有するラ
ンナップ装置35を備える。同ランナップ装置35はエ
ンジンハウジング10にネジ37等で固定されており、
クロスヘッド5、したがって、同クロスヘッドを含む潤
滑剤ポンプ20全体が移動する間、ローラ83aは傾斜
状表面38に沿って移動し、かつ工程中作動ピストン2
1の軸方向に変位し、作動ピストン21を介して同ロー
ラはストローク運動を行う。従って、ランナップ装置3
5は一種の「線形カム」(カムトラック)(“Line
are Nocke”(Kamme))の役目を果た
し、同線形カムに沿ってローラ83aは移動する。
【0042】ローラ83aを作動ピストン21に連結す
るガイドピストン24は案内溝25を有しており、同案
内溝に潤滑剤ポンプ20のハウジングに固定されている
ピン26が係合する。ピン26は溝25とともに当接部
を形成し、同当接部は、ローラ83aがランナップ装置
35の低い方の端部(図5より見て)を越える場合に、
スプリング23の押圧力により、作動ピストン21が潤
滑剤ポンプ20から離れすぎるのを防止する。
【0043】クロスヘッド5が上下に移動する間、ロー
ラ83aは傾斜状表面38に沿って回転して、前記実施
例におけると同じ方法で、シリンダ2内のピストン3が
1回の運動サイクルを行う毎に作動ピストン21は1回
のストローク運動をすることができる。
【0044】第3の実施例においてもまた、シリンダス
リーブへの潤滑油パルスの供給はピストン3の運動サイ
クルの特定部分毎に行われるが、このピストン3の運動
サイクルの部分が非常に容易な方法で、すなわち、ラン
ナップ装置の位置を介して決められるという利点があ
る。ランナップ装置35をエンジンハウジング10に固
定するネジ37はランナップ装置35の長手方向の割れ
目36内等に案内されるので、ランナップ装置35は、
全体として、ピストンロッド4の縦軸方向に変位可能で
ありかつ/又は調節可能である。
【0045】ランナップ装置35の高さの差HDは作動
ピストン21の径とともに各運動サイクル毎に移送され
る潤滑油の量を決定する。図8はランナップ装置35の
他の変形を示す。この変形においては、ランナップ装置
35は2つの傾斜状表面38a,38bを備える。クロ
スヘッド5が上下移動する間、ローラ83a(図5)は
両傾斜状表面38a,38bに沿って回転し、シリンダ
2内のピストン3が1回の運動サイクルを行う毎に作動
ピストン21は2回のストローク運動を行う。 このよ
うにして、2つの潤滑油パルスは各運動サイクル毎に導
入され、同パルスは潤滑に積極的な効果を有する。当
然、2つ以上の傾斜状路表面38a,38bは、ピスト
ン3が1回の運動サイクルを行う毎に2つ以上の油パル
スが所望される場合に、提供され得る。2つの傾斜状表
面38a,38bの異なる高さの差HDを介して2つの
潤滑油パルスにより2つの異なる潤滑油量を導入するこ
と等も可能である。
【0046】本発明によるディーゼルエンジンと、ピス
トン潤滑及び/又は移送装置の駆動がクロスヘッド5の
移動と連結及び同調する本発明による方法とは、ほぼ同
じ量の潤滑油が潤滑油のパルスの形状でシリンダ2内の
ピストン3の各サイクル中にシリンダ2の内壁に加えら
れるという利点を有する。従って、各サイクル毎に導入
される潤滑剤の量は不安の無い運転に必要とされる現実
の量に非常に精密に合致されたものになり得る。前述し
た理由により、不利となる過剰なピストンの潤滑は回避
され、更に、ピストン潤滑のための高品質で高価な油の
消費が大幅に減少されることは有利である。
【0047】各運動サイクル毎に導入される潤滑油の量
は潤滑剤ポンプ20の作動ピストン21の径及び有効ス
トロークとによるような、非常に簡単な方法により設定
され得る。典型的な2ストローク型の大型ディーゼルエ
ンジンはピストンの潤滑のために1シリンダ当たりかつ
1サイクル(回転)当たり約0.36cm3 の量の潤滑
油を必要とする。約10mmの径を有する作動ピストン
21が使用される場合は、有効ストロークは、当接部3
0(図2)の位置を調節するか、カム82の高さHを調
節するか又はランナップ装置35(図5)の高さの差H
Dを調節するかして、約0.46mmに設定される。
【0048】当然、ディーゼルエンジンの運転中に潤滑
油の量を変更することも可能である。潤滑油のパルスを
シリンダ2の内壁に供給するためのピストン3の運動サ
イクルの特定部分が非常に簡単な方法で決定できること
も有利である。図2による実施例においては、潤滑油パ
ルスは、ピストン3が上死点に達する直前の度毎に起き
る。当然、当接部が図2より見て作動ピストン21の下
方に配設されるように第1の実施例を実行することも可
能であり、その時は潤滑油パルス又は噴射は下死点に到
達される直前の度毎に発生する。潤滑油パルスが生じる
ピストン3のサイクルの部分は、第2の実施例(図4)
ではカム82の円板81上での位置及び第3の実施例
(図5)では、クロスヘッド5に対向するランナップ装
置35の位置を調節することにより、非常に簡単に設定
され得る。
【0049】供給ライン50をピストンロッド4の内部
を貫通して導く好ましい方法により、潤滑剤ポンプ20
の高圧力端とシリンダ2の内壁との間の非常に短い連結
が可能となる。この方法は、潤滑油がシリンダ2の壁を
貫通して通る必要がないという利点があり、壁を貫通し
ないことで、冷却水等による潤滑油の汚染がほぼ排除さ
れる。
【0050】基本的に、記載した実施例において、潤滑
剤ポンプをベアリングベース56上で、すなわち、スラ
ストロッド6上で横方向において装着することも可能で
ある。しかしながら、潤滑剤ポンプ20は同様に回動運
動を行うので、供給ライン50はスラストロッドの回動
運動とピストンロッドの直線運動を補正するように設計
されなければならない。 図6は本発明によるディーゼ
ルエンジンの第4の実施例の移送装置20a及び駆動手
段30a,30bを示す断面図である。他の実施例とは
対照的に、移送装置20aはエンジンハウジング10に
固定されており、一種の「タップポイント」(“Zap
fstelle”)として設計される。移送装置20a
は、供給ライン40が開口する供給室22aを備える。
戻り止め弁43aは供給ライン40に提供される。更
に、供給室22aは円錐部21aが配設される部分的に
円錐状に延伸する出口28aを備える。円錐部21aは
スプリング23aによって出口28aの円錐状の部分に
押圧されており、同円錐部は図6に示す閉鎖状態におい
て出口28aを閉鎖する。円錐部21aは孔291aを
介して円錐部21aの外側空間に連結する内部通路29
aを備える。
【0051】潤滑油は図示しないポンプによって供給ラ
イン40を介して供給室22aに圧送される。第4の実
施例においては、このポンプは、第1乃至3の実施例の
潤滑剤ポンプ20の高圧力側における圧力にほぼ匹敵す
る圧力の下で、潤滑油を供給室22aにすでに引き入れ
ている。
【0052】第4の実施例において、駆動手段は延出片
30aを備えており、同延出片30aはピストンロッド
4に固定されており、同ピストンロッドはピン52,3
0bに装着されており、同ピン30bは延出片30aに
装着されていて、移送装置20aの出口28aに貫入可
能に設計されている。供給ライン50はピン30bと延
出片30aとを貫通して、前述したように、縦軸A(図
2参照)とピストン3とに並行しているピストンロッド
4内にまで延伸している。戻り止め弁(図6に図示せ
ず)も第6の実施例の供給ライン50に追加し得る。
【0053】クロスヘッド5はディーゼルエンジンの運
転状態においては上方向に(図6より見て)移動する
と、ピン30bは、図6の矢印Cに示すように、移送装
置20aの方向に移動して出口28aに進入し、次いで
スプリング23aの押圧力に抗して円錐部21aを供給
室22a内に押し込む。円錐部21aは開放状態にな
り、潤滑油は孔291aを介して通路29a内に進入で
き、次いで同通路29aから供給ライン50に進入し、
次いで同ライン50を通ってシリンダ2の内壁に到達す
る。クロスヘッド5が引き続いて下方向に移動すると、
円錐部21aはスプリング23aに押圧されて、もとの
場所に着座し、出口28aは閉鎖される。
【0054】このようにして、移送装置20aはクロス
ヘッド5が移動している間駆動され、かつ潤滑油のため
の供給ライン50に連結されている。第4の実施例にお
いて、シリンダ2の内壁への潤滑油の供給はピストン3
の移動のサイクルに同調して起きる。
【0055】当然、変形は第4の実施例においても可能
であり、エンジンハウジング10に固定されている移送
装置は作動ピストンを備える潤滑ポンプとして実行され
る。次いで、ピン30bは第1乃至3の実施例で記載し
たと同じ方法で作動ピストンのストローク運動をもたら
す働きをする。
【0056】図7は全ての実施例に使用可能なピストン
ロッド4の可能性のある実施例の断面図である。この実
施例においては、冷却油のための戻りライン60(図2
参照)はピストンロッド4の縦軸Aに偏心的に配設され
ている。1つの管は、軸が縦軸Aに並行して、戻りライ
ン60に沿って延伸し、ピストンを潤滑するための潤滑
油用の供給ライン50に属している。冷却油はピストン
ロッド4の内壁と戻りライン60との間にある2つの開
口部61を介して進入し、ピストン3の内部室に案内さ
れ得る。別例として、供給ライン50の管を戻りライン
60の内部に配設することも可能である。更に、供給ラ
イン50の管の代わりに、断面がほぼU字型をし、一方
が開口する導管を、同導管の開口部が戻りライン60の
壁により覆われるか閉鎖されるかするように、戻りライ
ン60に装着することは可能である。更に、いわゆる組
み合わせ管と呼ばれる、2つの室を有する部材を使用し
て、2つの室の1つを潤滑油の供給ライン50のために
使用することも可能である。更に、ピストンロッド4の
壁に供給ライン50の一部としての機能を果たせる孔を
設けることが可能で、ピストンを潤滑するための潤滑油
は同孔を介して移送装置からピストンに到達する。 異
なるシリンダに属する移送装置は1つの共通のポンプ又
はそれぞれのシリンダに相当する複数ポンプのいずれに
よっても潤滑油を供給ライン40を介して供給され得
る。このポンプはギヤポンプ等によって設計される。
【0057】尚、追加のブースタポンプを、特にディー
ゼルエンジンを始動するために、設置することができ、
このブースタポンプは空気圧等の方法で運転される。同
ブースタポンプの機能は、ディーゼルエンジンの始動前
又は始動時に、移送装置及び供給ライン50を潤滑油で
充満することである。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように、各請求項に記載の
ディーゼルエンジンとその運転方法によれば、言及する
ほどの欠点を有しないクロスヘッドを有するディーゼル
エンジンを提供し、ピストンの潤滑も出来る限り効率的
にかつ安価に行われる方法を可能にしている。
【図面の簡単な説明】
【図1】クロスヘッドを備えるディーゼルエンジンの必
須部分を示す概略図。
【図2】本発明によるディーゼルエンジンの第1の実施
例の部材(クロスヘッド、ピストンロッド、移送装置、
駆動手段)を示す断面図。
【図3】図2のIII −III 線における詳細断面図。
【図4】本発明によるディーゼルエンジンの第2の実施
例の移送装置と駆動手段を示す断面図。
【図5】本発明によるディーゼルエンジンの第3の実施
例の移送装置と駆動手段を示す断面図。
【図6】本発明によるディーゼルエンジンの第4の実施
例の移送装置と駆動手段を示す断面図。
【図7】本発明によるディーゼルエンジンの実施例のピ
ストンロッドを示す断面図。
【図8】 第3の実施例のランナップ装置の変形を示す
概略図。
【符号の説明】
1…ディーゼルエンジン、2…シリンダ、3…ピスト
ン、4…ピストンロッド、5…クロスヘッド、6…スラ
ストロッド、7…クランクシャフト、8,9…連接レバ
ー、10…エンジンハウジング、20…潤滑剤(油)ポ
ンプ、移送装置、21…作動ピストン、22…作動室、
23…スプリング、30…当接部、30a…延出片、駆
動手段、30b…ピン、駆動手段、35…ランナップ装
置、40,50…供給ライン、51…摺動シュー、52
…ピン、53…ベアリング蓋、56…ベアリングベー
ス、60…戻りライン、70…戻り止め弁、80…軸、
81…円板、82…カム、83…カムフォロア

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つのシリンダ(2)と、ピ
    ストン(3)が同シリンダの中で前後に移動可能で、か
    つピストンロッド(4)によりクロスヘッド(5)に連
    結されていることと、同クロスヘッドがスラストロッド
    (6)によりクランクシャフト(7)に連結されている
    こととを備えるディーゼルエンジンにおいて、更に潤滑
    剤をシリンダ(2)に導入するための移送装置(20;
    20a)と、同移送装置が同移送装置(20;20a)
    に潤滑剤を供給するための供給ライン(40)及び潤滑
    剤が同移送装置(20;20a)によりシリンダ(2)
    に導入され得る供給ライン(50)とに連結されている
    こととを更に備えるディーゼルエンジンにおいて、駆動
    手段(30;82,83;83a,35;30a,30
    b)が移送装置(20;20a)のために提供されて、
    移送装置(20;20a)がクロスヘッド(5)の移動
    により駆動されるように設計されていることを特徴とす
    るディーゼルエンジン。
  2. 【請求項2】 ピストンロッド(4)の内部に延伸する
    潤滑剤供給のための供給ライン(50)を備える請求項
    1に記載のディーゼルエンジン。
  3. 【請求項3】 移送装置(20)がクロスヘッド(5)
    上に又は特に同移送装置の一端がクロスヘッド(5)に
    連結された状態でピストンロッド(4)上に装着されて
    いる請求項1又は2に記載のディーゼルエンジン。
  4. 【請求項4】 移送装置が作動ピストンを有する潤滑剤
    ポンプを備えることと、移送装置のための駆動手段(3
    0;82,83;83a,35)が潤滑剤ポンプをクロ
    スヘッド(5)の移動に合わされていて、潤滑剤ポンプ
    (20)の作動ピストン(21)がシリンダ(2)内の
    ピストン(3)の各運動サイクルの間に少なくとも1回
    のストローク運動を実行する請求項1乃至3のいずれか
    1項に記載のディーゼルエンジン。
  5. 【請求項5】 クロスヘッド(5)が移動する間、潤滑
    剤ポンプ(20)が当接部(30)に対向して案内され
    るように、かつ同当接部が潤滑剤ポンプ(20)の作動
    ピストン(21)のストローク運動をもたらすように配
    設される当接部(30)よりなる移送装置のための駆動
    手段を有する請求項4に記載のディーゼルエンジン。
  6. 【請求項6】 移送装置(20)のための駆動手段が連
    接レバー(48)と、同レバーの一端がエンジンハウジ
    ング(10)に固定されていることと、同レバーの他端
    が移送装置(20)に回動可能に連結されていること
    と、カム(82)が連接レバー(48)の端部に連結さ
    れていることと、連接レバーが移送装置(20)に連結
    されていて、同連接レバーがクロスヘッド(5)が移動
    する間に移送装置(20)を駆動することとからなる請
    求項1乃至4のいずれか1項に記載のディーゼルエンジ
    ン。
  7. 【請求項7】 ローラ(83a)と、同ローラが潤滑剤
    ポンプ(20)の作動ピストン(21)に連結されてお
    り、かつ傾斜状の表面(38)を有するランナップ装置
    (35)とともに作動ピストン(21)の縦軸方向に変
    位可能であることと、同ランナップ装置がエンジンハウ
    ジング(10)に固定されていて、ローラ(83a)
    が、クロスヘッド(5)が移動する間、傾斜状の表面
    (38)に沿って移動し、かつ縦軸(21)の方向に変
    位可能であるように配設されていることとからなる駆動
    手段を備える請求項4に記載のディーゼルエンジン。
  8. 【請求項8】 少なくとも2つの傾斜状の表面(38
    a,38b)を備えるランナップ装置を有する請求項7
    に記載のディーゼルエンジン。
  9. 【請求項9】 エンジンハウジング(10)に固定され
    るように配設される移送装置(20a)と、駆動手段
    (30a,30b)がクロスヘッド(5)の移動中に移
    送装置(20a)を駆動し、かつ同移送装置を潤滑油の
    ための供給ライン(50)に連結するように、ピストン
    ロッド(4)又はクロスヘッド(5)上に設計され、か
    つ配設される駆動手段(30a,30b)と、とを備え
    てなる請求項1又は2に記載のディーゼルエンジン。
  10. 【請求項10】 少なくとも1つのシリンダ(2)と、
    ピストン(3)が同シリンダの中で前後に移動可能で、
    かつピストンロッド(4)によりクロスヘッド(5)に
    連結されていることと、同クロスヘッドがスラストロッ
    ド(6)によりクランクシャフト(7)に連結されてい
    ることと、潤滑剤が移送装置(20;20a)によりシ
    リンダ内に導入される運転方法において、移送装置(2
    0;20a)がクロスヘッド(5)の移動により駆動さ
    れることを特徴とするディーゼルエンジンの運転方法。
  11. 【請求項11】 ピストンロッド(4)の内部を介して
    シリンダ内に導入される潤滑剤を備えてなる請求項10
    に記載の方法。
  12. 【請求項12】 ピストン(3)の運動サイクルに同調
    されるようにパルス的にシリンダ(2)に導入される潤
    滑剤を備えてなる請求項10又は11に記載の方法。
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