JPH11152989A - 泥土圧シールド掘進の自動制御方法 - Google Patents

泥土圧シールド掘進の自動制御方法

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JPH11152989A
JPH11152989A JP32145697A JP32145697A JPH11152989A JP H11152989 A JPH11152989 A JP H11152989A JP 32145697 A JP32145697 A JP 32145697A JP 32145697 A JP32145697 A JP 32145697A JP H11152989 A JPH11152989 A JP H11152989A
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優 斎藤
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隆久 井田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切羽の安定と機械負荷の低減を図ると共に、
地盤の安定度に対応して掘進速度を積極的に上げて自動
掘進することが可能である。 【解決手段】 切羽に添加材を添加して掘進し、切羽か
ら掘削された土砂と添加材とが混合された掘削土砂を、
切羽の後に溜めて土圧を保ちながらこの掘削土砂を坑外
に排出する泥土圧シールド掘進の自動制御方法におい
て、添加材として珪酸質ペーストを用いると共に、地盤
が安定している場合には、土圧を予め定められた圧力範
囲に収めて掘進速度を積極的に上げ、地盤が不安定の場
合には、土圧を予め定められた圧力範囲に収めるように
掘進速度を調節する。更に、前記添加材の添加は、前記
掘削された土砂に対する該添加材の割合(添加率)が予
め設定された値になるように行なうか、前記掘削された
土砂に対する該添加材の割合(添加率)を調節して前記
掘進速度を向上させるかを選定出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地盤をシールド掘
進する際の切羽に添加材を添加して掘進し、この切羽か
ら掘削された土砂と該添加材が混合された掘削土砂を坑
外に排出する泥土圧シールド掘進の自動制御方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、地盤をシールド掘進する自動制御
方法としては、例えば泥水加圧シールド掘進の自動制御
方法が知られている。この自動制御方法は、掘削された
土砂をスラリーで流体輸送するのが基本となり、掘進と
排土とを自動化の対象として設定値に対する自動掘進が
主体となっている。更に、この掘進工法の自動方向制御
は、シールド掘進機の位置を自動測量し、ファジー推論
等によってジャッキパターンを選定し、自動でジャッキ
を推進させる。又、この掘進工法の自動掘進管理は、自
動測量結果や掘進状態の各データを変換して中央に電送
し、掘進状態を集中管理するものである。
【0003】又、他のシールド掘進の自動制御方法とし
て、例えば土圧系シールド機械の自動運転制御方法(特
開平6−73978号公報)が知られている。この自動
運転制御方法は、土圧、シールドジャッキのスピード及
びストローク、排土スクリューの回転数及び回転負荷、
カッター回転数及び回転負荷等のシールド掘進に必要な
各種計測データをコンピューターに入力し、入力された
計測データを多変量解析してシールド機械の所要制御項
目の管理数値を算出し、この数値を管理値信号として前
記シールド機械の運転機器に出力し、自動的にシールド
機械の運転を開始させると共に、前記解析結果から各制
御項目の標準偏差値を算出して各制御項目の制御幅を設
定し、その制御幅内に運転されるように制御信号を発信
して自動的にシールド機械を運転制御するようにしたも
のである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記泥
水加圧シールド掘進の自動制御方法は、掘進と排土とを
自動化の対象とし、設定値に対する自動掘進が主体とな
り、多様な地盤に対応して設定値を変更し掘進すること
は出来なかった。
【0005】一方、土圧系シールド機械の自動運転制御
方法は、カッターやスクリューの回転、排土ゲートの開
閉等において圧力(荷重)管理を主体に自動化が行なわ
れているが、地盤の安定度に対応して掘進速度を積極的
に上げて自動掘進する自動制御は実施されていない。こ
れは、地盤的に難条件下での施工が多いことや、掘進作
業の複雑化に起因する。
【0006】本発明の課題は、泥土圧シールド掘進の自
動制御方法において、切羽の安定と機械負荷の低減を図
ると共に、地盤の安定度に対応して掘進速度を積極的に
上げて自動掘進することが可能なことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、地盤をシールド掘進する際の切羽に添加材を
添加して掘進し、前記切羽から掘削された土砂と前記添
加材とが混合した掘削土砂を、前記切羽の後に溜めて土
圧を保ちながら該掘削土砂を坑外に排出する泥土圧シー
ルド掘進の自動制御方法において、前記地盤が安定して
いる場合には、前記土圧を予め定められた圧力範囲に収
めて掘進速度を積極的に上げ、前記地盤が不安定の場合
には、前記土圧を予め定められた圧力範囲に収めるよう
に掘進速度を調節することである。
【0008】切羽に添加材を添加することにより、地盤
の崩壊を防止し、且つ止水効果をもたらす。更に、添加
材は、その流動性により玉石等の存在の有無によらず切
羽の土粒子間や礫間に浸透し、カッターが作用するとき
に地盤の内部摩擦を低減し掘進抵抗を減少させる。地盤
が安定している場合には、土圧を予め定められた圧力範
囲に収めて掘進速度を積極的に上げることが出来る。地
盤が不安定の場合には、土圧を予め定められた圧力範囲
に収めるので安全に安定してこの時の最適な掘進速度で
掘進することが出来る。
【0009】更に、上記泥土圧シールド掘進の自動制御
方法において、前記添加材は、二酸化珪素含有率が1〜
60重量%の珪酸質水性ゼリーを破砕することによって
生成した微細粒子と、これらの微細粒子間に介在し全体
に流動性を持たせる液体とを主成分とする珪酸質ペース
トである。
【0010】添加材として上記珪酸質ペーストを用いる
ことにより、上記泥土圧シールド掘進の自動制御方法の
作用に加え、更に切羽の止水性及び掘削土砂の保水性が
向上し、しかも、地盤の礫率や含水比が変動してもほと
んど変わらず安定する。このように、切羽の止水性が向
上することにより切羽から水が噴出する怖れを確実に防
ぐ。掘削土砂の保水性が向上することにより、該掘削土
砂は非常にまとまりの良い性状となる。従って、本泥土
圧シールド掘進の自動制御方法は、種々の土質の地盤に
対応出来、且つ掘進効率が向上すると共にコストの低減
も図れる。又、排土の公害上の問題もなくなる。更に、
掘削土砂の安定した流動性が得られ、切羽への添加ライ
ン内を通過する通過抵抗を小さくし、且つ掘削土砂を坑
外に圧送する圧送管内の通過抵抗を小さくして掘削土砂
の排出を容易にする。
【0011】更に、上記いずれかの泥土圧シールド掘進
の自動制御方法において、前記添加材の添加は、前記掘
削された土砂に対する該添加材の割合(添加率)が予め
設定された値になるように行なわれる。添加率を掘削さ
れた土砂に対して最適な値に決めて、その比率で添加す
ることは、上記いずれかの泥土圧シールド掘進の自動制
御方法の作用に加え、添加材の量の制御が容易であり、
掘進速度も高い値に維持出来る。
【0012】そして、先のいずれかの泥土圧シールド掘
進の自動制御方法において、前記添加材の添加は、前記
掘削された土砂に対する該添加材の割合(添加率)を調
節して前記掘進速度を向上させることである。地盤の質
が変化した場合には、その地盤の質に合った添加率に調
節することにより、先のいずれかの泥土圧シールド掘進
の自動制御方法の作用に加え、多様の地盤に対応して掘
進速度を大きくすることが出来る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る泥土圧シール
ド掘進の自動制御方法の実施の形態を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0014】図3は、本発明に係る泥土圧シールド掘進
の自動制御方法を適用するに最適なシールド掘進機を地
盤と共に示した要部断面図である。泥土圧シールド掘進
は、地下の地盤63をシールド掘進するシールド掘進機
51の切羽62に、地盤63の崩壊を防止し、且つ止水
効果をもたらす添加材を添加して掘進し、切羽62から
掘削された掘削土砂60を坑外に排出する。添加材は、
切羽62に添加するが、この時、切羽62から掘削され
た土砂と混合し、土砂と添加材の混合した掘削土砂60
は、そのまま坑外に圧送されることによって排出され
る。
【0015】添加材は、図示していない地上の添加材供
給プラントから圧送ポンプによって切羽62に図示して
いない長い添加ラインを介して供給される。添加ライン
には必要に応じて中継ポンプが設けられる。
【0016】シールド掘進機51の切羽カッター52が
設けられている面版53には添加材の添加口が複数設け
られている。面版53の後側(切羽の地盤と反対側)に
は土圧室55が設けられ、土圧室55には土圧計57が
設置されている。この土圧室55に連なってリボンスク
リュー56が設けられ、リボンスクリュー56の後部は
サンドプラグゾーン58となっている。59は排土ゲー
トを示す。土圧室55内には切羽62から掘削され添加
材と混合した掘削土砂60が充満している。この掘削土
砂60は、玉石61が多く含まれているものを示してい
るが、排土ゲート59に接続された図示していないベル
トコンベアと、この下側に設けられた図示していない地
下ホッパー及び圧送ポンプとにより圧送管を経由して坑
外の地上ホッパーに排出される。
【0017】上記泥土圧シールド掘進において、添加材
としては珪酸質ペーストを使用する。珪酸質ペースト
は、例えば本出願人等が先に開示した特開平9−884
75号公報に示されているものを好適に使用することが
出来る。この珪酸質ペーストは、二酸化珪素(SiO2
の含有率が約1〜60重量%の珪酸質水性ゼリーを用い
るが、そのまま用いるのではなく、破砕することによっ
て生成した微細粒子と、これらの微細粒子間に介在し全
体に流動性を持たせる液体とを主成分とするものであ
る。
【0018】前記珪酸質水性ゼリーを破砕して形成する
微細粒子の粒径は、掘進する地盤の土質に対応して変更
するが、300μmを目安とし、それ以下となるように
すれば、種々の土質の地盤に対応出来る。300μmを
超えるものを主とするときは、上記流動性が低下してく
ることから微細粒子の粒径は約300μm以下のものを
主とするようにする方が好ましい。又、SiO2の含有率
が約1〜60重量%の範囲外になると、上記珪酸質水性
ゼリーを破砕しても上記性質の珪酸質ペーストにはなり
にくいので、SiO2の含有率は約1〜60重量%の範囲
内、好ましくは3〜30重量%とする。
【0019】又、珪酸質ペーストを微細粒子の粒径から
規定せずに粘度の値から規定することも出来る。粘度が
約50cps 〜100万cps であり、このペースト
を用いることにより前記と同様の作用が得られる。この
粘度範囲の珪酸質ペーストはチクソトロピックな性質を
示す。ここで粘度の測定方法は、温度20℃、B型粘度
計でローター回転数12rpm である。
【0020】本実施の形態で用いられる珪酸質水性ゼリ
ーは、水ガラス等水溶性珪酸塩の水溶液に、各種酸や塩
類、例えば、硫酸、塩酸、酢酸、くえん酸、食塩、硫酸
マグネシウム等を加えることにより得られる。
【0021】珪酸質ペーストを構成する液体としては、
水又は本発明の目的が達成される限りにおいて無機成分
や有機成分が適宜添加された水溶液或いは水分散液が用
いられる。珪酸質水性ゼリーはそれ自体が水を内包して
おり、該ゼリーをそのまま破砕すればゼリー内部に取り
込まれていた水の一部が外部に解放される。珪酸質水性
ゼリーの種類によっては、その解放された水だけで、即
ち更に液体を加えなくても、当該ペーストに必要な流動
性を持たせることが出来るものもある。破砕によって外
部に開放された水の量だけでは足りない場合に前記液体
を加える。この水等の液体は、微細粒子間にその再結合
を妨げる如く介在し、これによりペーストの安定した流
動性が得られるものである。
【0022】更に、珪酸質ペーストは、上記破砕された
微細粒子の他に、任意の成分、たとえば泥漿、高分子吸
水剤や水溶性高分子等を含有してもよい。
【0023】又、珪酸質ペーストとして、更に本出願人
等が提出したものを使用しても良い(特願平8−268
159号、平成8年10月9日提出)。この珪酸質ペー
ストは、上記珪酸質ペーストと同じく、二酸化珪素含有
率が1〜60重量%の珪酸質水性ゼリーを破砕すること
によって生成した微細粒子と、これらの微細粒子間に介
在し全体に流動性を持たせる液体とを主成分とし、更に
分子量が200万〜3000万のポリアクリル酸塩を
0.01〜10kg/m3添加したものである。
【0024】ポリアクリル酸塩の種類は、ポリアクリル
酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリアクリル
酸アンモニウムが適している。特にポリアクリル酸ナト
リウムが好ましい。尚、ポリアクリル酸塩は、アクリル
酸ナトリウム等とアクリルアミド等との共重合体であっ
ても良い。又、ポリアクリル酸塩の分子量は、通常20
0万〜3000万のものであればほとんどの地盤に対応
できる。特に500万〜2000万の範囲が効果の点で
安定している。ポリアクリル酸塩の珪酸質ペーストへの
添加量は、0.01〜10kg/m3が上記目的達成の
上でよい。更に0.3〜2kg/m3の範囲が目的達成
上良く、特に0.5〜1kg/m3の範囲が安定してい
る。
【0025】珪酸質ペーストにその1000リットル当
り、分子量が200万〜3000万のポリアクリル酸塩
を0.01〜10kg添加することにより、該珪酸質ペ
ーストの性能が改善される。即ち、切羽の止水性及び掘
削土砂の保水性が、ポリアクリル酸塩を添加しない場合
に比して向上する。しかも、それは地盤の礫率や含水比
が変動してもほとんど変わらず安定している。このよう
に掘削土砂の保水性が向上するため、該掘削土砂は非常
にまとまりの良い性状となる。このような性状改善によ
り切羽から水が噴出する恐れを確実に防げる。その結
果、例えば、砂層や礫率が70%以下の砂礫層に用いら
れていた珪酸質ペーストを該ポリアクリル酸塩の添加に
よりそのまま礫率が70%以上の玉石混じり砂礫層の掘
削に用いることが可能となる。特にポリアクリル酸塩の
添加量を増減しても保水性はほとんど変わらず安定して
いる。
【0026】従って、このポリアクリル酸塩添加の珪酸
質ペーストを添加材として用いることにより、シールド
掘進の対象地盤、即ち地下水が豊富な砂、砂礫、玉石層
等の地盤に対して、その含水比や礫率等の大きな変動が
あっても他の性能の珪酸質ペーストに取り換える必要な
く、そのまま掘進を続行することが出来、掘進効率が向
上すると共にコストの低減も図れる。
【0027】ところで、本実施の形態の泥土圧シールド
掘進の自動制御方法は、図3で説明した泥土圧シールド
掘進において、添加材として先の珪酸質ペーストを用い
ると共に、掘削すべき地盤63が安定している場合に
は、土圧室55の土圧を予め定められた圧力範囲に収め
て掘進速度を積極的に上げ、地盤63が不安定の場合に
は、前記土圧を予め定められた圧力範囲に収めるように
掘進速度を調節する。更に、添加材は、掘削された土砂
に対する該添加材の割合(添加率)が予め設定された値
になるように添加されるか、又は、前記掘削された土砂
に対する該添加材の割合(添加率)を調節して前記掘進
速度を向上させるように行なわれる。
【0028】添加材として珪酸質ペーストを用いること
により、その流動性により玉石等の存在の有無によらず
切羽の土粒子間や礫間に浸透し、カッターが作用すると
きに地盤の内部摩擦を低減し掘進抵抗を減少させる。地
盤が安定している場合には、土圧を予め定められた圧力
範囲に収めて掘進速度を積極的に上げ、地盤が不安定の
場合には、土圧を予め定められた圧力範囲に収めるので
安全に安定してこの時の最適な掘進速度で掘進すること
が出来る。
【0029】更に、珪酸質ペーストの添加材は、切羽6
2の止水性及び掘削土砂60の保水性を向上させ、地盤
63の崩壊を防止し止水効果をもたらす。しかも、地盤
63の礫率や含水比が変動してもほとんど変わらず安定
する。このように、切羽62の止水性が向上することに
より切羽62から水が噴出する怖れを確実に防ぐ。掘削
土砂60の保水性が向上することにより、該掘削土砂は
非常にまとまりの良い性状となる。従って、本泥土圧シ
ールド掘進の自動制御方法は、種々の土質の地盤に対応
出来、且つ掘進効率が向上すると共にコストの低減も図
れる。又、排土の公害上の問題もなくなる。更に、掘削
土砂の安定した流動性が得られ、切羽への添加ライン内
を通過する通過抵抗を小さくし、且つ掘削土砂を坑外に
圧送する圧送管内の通過抵抗を小さくして掘削土砂の排
出を容易にする。
【0030】添加率を掘削された土砂に対して最適な値
に決めて、その比率で添加することは、添加材の量の制
御が容易であり、掘進速度も高い値に維持出来る。そし
て、地盤の質が変化した場合には、その地盤の質に合っ
た添加率に調節することにより、多様の地盤に対応して
掘進速度を大きくすることが出来る。
【0031】ここで、地盤の種類としてはシルト層から
砂層、礫層まであるが、その安定度の目安としては均等
係数Ucでおおよそ判断することが出来る。一般にUc
が4〜5以下の土は粒度分布が悪く安定度が低い地盤と
云え、10以上の土は粒度分布が良く、安定度が高い地
盤と云える。均等係数Ucは、粒径加積曲線の通過質量
百分率60%、10%にそれぞれ相当する粒径D60、D
10(有効径)をとり、Uc=D60/D10で定義される値
である(土質試験法−第2回改訂版−土質工学会編)。
【0032】又、切羽の安定が難しい(崩壊性が大き
い)とされる地盤は、概ね次の特性のものである。
【0033】 細粒分(粒径0.074mm程度)が
10%以下 透水係数k=(1/102)cm/秒以上 水圧0.5〜0.7kgf/cm2以上 本泥土圧シールド掘進の自動制御方法は、従来上記のよ
うな切羽の安定が難しいとされた地盤や礫率60%程度
までの幅広い地盤を対象とすることが出来、特に砂層
は、均等係数Ucが10未満の均等粒度のものも対象と
することが出来、多種の地盤の土質状況の変化に対応可
能となり、その変化因子を最小にする。
【0034】更に、本泥土圧シールド掘進の自動制御方
法において、切羽62への珪酸質ペーストの添加は、土
圧を予め定められた圧力範囲に収めるように添加ライン
から添加され、その添加量は地盤の有効間隙率又は間隙
率を目安に行なわれ、掘削土砂60が均一に混合された
状態の塑性化土に改良されるように調節される。土圧の
予め定められた圧力範囲、即ち管理土圧の範囲は、例え
ば1.5kgf/cm2〜2.0kgf/cm2とする。
管理土圧が1.5kgf/cm2未満の場合は、圧力が
低過ぎて止水性が劣り、且つ地盤の崩壊を招く怖れがあ
る。土圧が2.0kgf/cm2を超える場合は、圧力
が高過ぎて装置の無用な故障、設備費の増大等不経済で
ある。
【0035】珪酸質ペーストの添加率は、予め設定され
た値にするが、掘進しようとする土砂に対して5〜40
体積%の範囲で設定され、特に10〜30体積%の範囲
が好ましい。添加率が5体積%未満の場合は、切羽の止
水性及び掘削土砂の保水性が劣り、且つ切羽への添加ラ
イン内の通過抵抗と、掘削土砂の坑外への圧送抵抗とが
大きく掘削土砂の添加と排出を困難にする。添加率が3
0体積%を超えてくると、切羽の止水性が劣り始め、且
つ掘削土砂の流動性が高くなる傾向があるが、更に添加
率が40体積%を超える場合は、添加材の量が多過ぎ
て、かえって切羽の止水性が劣り、且つ掘削土砂の流動
性が高過ぎて、漏洩その他によって取り扱いが困難とな
り、添加材が多く不経済である。
【0036】図1は、本発明に係る泥土圧シールド掘進
の自動制御方法の一実施の形態を説明する概略線図であ
る。泥土圧シールド掘進の自動制御は、スタート1から
開始し、カッター圧2でシールド掘進機のカッター圧を
測定する。カッター圧判定3でカッター圧が高ければ添
加材添加4で添加材を添加して再度カッター圧を測定す
る。カッター圧判定3でカッター圧が適正であれば、添
加材添加5で予め設定された添加率、例えば15体積%
になるように添加される。
【0037】次に添加材の添加圧判定6に移る。添加材
の添加圧が規定の圧力範囲にない場合は、添加圧増減7
で添加圧を調整し、再度添加圧を判定する。添加圧が規
定の圧力範囲にある場合は次の土圧判定8に移る。土圧
判定8において、予め定められた圧力範囲にない場合
は、スクリュー回転数制御、添加材調整等を行なって再
度土圧判定を行なう。土圧が予め定められた圧力範囲に
ある場合は次のスクリュー回転判定10に移行する。ス
クリュー回転数が規定の範囲にない場合は添加材調整1
1によって添加材の量を調整し再度スクリュー回転判定
10を行なう。以上のカッター圧測定2からスクリュー
回転判定10の範囲は運転準備動作に相当する。
【0038】次に、スクリュー回転数が規定の範囲にあ
る場合は、ゲート開12に移り、排土ゲート59の開度
を調節する。次にジャッキ推進13でジャッキ速度を調
節する。ジャッキ速度を調節した後、ジャッキ圧判定1
4でジャッキ圧が規定の範囲になるようにジャッキ速度
調整15でジャッキ速度を調整する。ジャッキ速度の調
整後に、土圧調整16で添加材の量とスクリュー回転数
の調整を行なって土圧室55の土圧を調整する。以上の
ゲート開12からジャッキ圧判定14の範囲は運転直前
動作に相当する。
【0039】ジャッキ圧が規定の範囲にあれば、掘進ス
トローク17で終了判定を行なう。掘進ストロークが規
定の値に達していなければ運転を継続し、土圧制御方式
18に移行する。土圧制御方式18は、地盤の安定度に
応じて速度向上型か切羽安定型かの選定を自動或いはオ
ペレータが行ない、それぞれの型で自動制御する。
【0040】速度向上型制御は、地盤が安定している場
合に選定され、土圧を予め定められた圧力範囲に収めて
掘進速度を積極的に上げる。この時、土圧が小さい時は
掘進速度をあげ、土圧が大きい時は掘進速度を維持して
排土量を大きくするようにする。このためにスクリュー
回転数、排土ゲート開度等を調整する。スクリュー回転
数、排土ゲート開度等が限界のときは掘進速度を減ず
る。
【0041】切羽安定型制御は、地盤が不安定の場合に
選定され、土圧を予め定められた圧力範囲に収めるよう
に掘進速度を調節する。この時、土圧が小さい時は掘進
速度を維持し、土圧が大きい時は掘進速度を減ずる。こ
の時、スクリュー回転数、排土ゲート開度等を調整す
る。
【0042】上記土圧制御方式18で制御する一方、動
作符号19でスクリューの回転数を調整しつつスクリュ
ー圧のチェックと、ジャッキ速度を調整しつつジャッキ
圧のチェックと、添加率の調整をしつつカッター圧のチ
ェックとを行ない再度推進ストロークの終了判定17を
行なう。
【0043】推進ストロークの終了判定17で推進スト
ロークが所定の値に達したものと判定された場合には、
運転終了動作20に移行し、ジャッキoff、土圧チェ
ック(添加材調整、推進調整)、ゲートoff、スクリ
ュoff、カッターoff、添加材offの各動作を行
ない、推進終了21とする。次に、セグメント組立22
で次の掘進のためのセグメントを組み立て再びスタート
1に戻る。以上の推進ストローク終了判定17から運転
終了動作20の範囲は運転中動作に相当する。
【0044】又、本実施の形態の泥土圧シールド掘進の
自動制御方法は、機器保護に伴う常時監視機能がある。
通常掘進オペレーターは掘進中、シールド掘進機の各機
器に過負荷がかからないよう常時監視を行なう。機械的
過負荷に関してはシールド掘進機の各機器単独で過負荷
異常を検知出来るようにしている。本システムでは、各
機器の過負荷発生を事前に定められた管理値により管理
し、その過負荷発生の要因消去の処置をとる。具体的に
は以下の監視を行なう。
【0045】1)スクリュー圧監視:スクリュー圧が管
理値を越える時は、スクリューパワーユニット保護のた
めスクリュー回転数を減ずる。
【0046】2)ジャッキ圧監視:ジャッキ圧(推力)
が管理値を越える時は、ジャッキ圧パワーユニット保護
のためジャッキ速度を減ずる。
【0047】3)カッター圧監視:カッター圧(トル
ク)が管理値を越える時は、カッター圧パワーユニッ
ト、カッター面版保護のため添加材量を増す、もしくは
ジャッキ速度を減ずる。
【0048】更に、本実施の形態の泥土圧シールド掘進
の自動制御方法は、掘進中の土圧安定制御だけにとどま
らず、完全自動化に向けた1リング掘進作業そのものを
自動化する。1リング掘進作業は、各種ユニットの起動
に始まり、初動状態>安定掘進まで各種機器調節>掘進
中制御(監視)>1リング掘進による掘進停止動作まで
を云い、この全てを自動化する(ワンボタン運転(シー
ケンシャル制御))。制御する対象としては、 1)アナログ:ジャッキ速度、添加材添加と量、スクリ
ュー回転数、ゲート開度 2)ディジタル:各種パワーユニット起動・停止、ジャ
ッキ押し・引き・選択(除 方向制御)、カッター回転
数・方向、スクリュー回転数・方向、ゲート開度図2
は、図1における切羽安定型制御を説明する概略線図で
ある。泥土圧シールド掘進30の際、次の各要因〜
に対してどのような問題点、現象31があり、対策、検
討事項32は何かを示す線図である。これら問題点、現
象が対策、検討事項によって解決されることによって適
用可能となる。
【0049】 土砂の取込み:玉石・礫の処理 土砂の流動性:掘削〜排土 土砂の止水性 切羽の安定 掘進管理:土圧、カッター圧、速度、推進力、掘削
土量他
【0050】
【発明の効果】本発明の泥土圧シールド掘進の自動制御
方法によれば、泥土圧シールド掘進の自動制御方法にお
いて、切羽の安定と機械負荷の低減が図れ、地盤の安定
度に対応して掘進速度を積極的に上げて自動掘進するこ
とが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る泥土圧シールド掘進の自動制御方
法の一実施の形態を説明する概略線図である。
【図2】図1における切羽安定型制御を説明する概略線
図である。
【図3】本発明に係る泥土圧シールド掘進の自動制御方
法を適用するに最適なシールド掘進機を地盤と共に示し
た要部断面図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤をシールド掘進する際の切羽に添加
    材を添加して掘進し、前記切羽から掘削された土砂と前
    記添加材とが混合した掘削土砂を、前記切羽の後に溜め
    て土圧を保ちながら該掘削土砂を坑外に排出する泥土圧
    シールド掘進の自動制御方法において、前記地盤が安定
    している場合には、前記土圧を予め定められた圧力範囲
    に収めて掘進速度を積極的に上げ、前記地盤が不安定の
    場合には、前記土圧を予め定められた圧力範囲に収める
    ように掘進速度を調節することを特徴とする泥土圧シー
    ルド掘進の自動制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記添加材は、二酸
    化珪素含有率が1〜60重量%の珪酸質水性ゼリーを破
    砕することによって生成した微細粒子と、これらの微細
    粒子間に介在し全体に流動性を持たせる液体とを主成分
    とする珪酸質ペーストであることを特徴とする泥土圧シ
    ールド掘進の自動制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記添加材の
    添加は、前記掘削された土砂に対する該添加材の割合
    (添加率)が予め設定された値になるように行なわれる
    ことを特徴とする泥土圧シールド掘進の自動制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2において、前記添加材の
    添加は、前記掘削された土砂に対する該添加材の割合
    (添加率)を調節して前記掘進速度を向上させることを
    特徴とする泥土圧シールド掘進の自動制御方法。
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