JPH11152900A - 構造物の位置決め装置 - Google Patents

構造物の位置決め装置

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JPH11152900A
JPH11152900A JP33792897A JP33792897A JPH11152900A JP H11152900 A JPH11152900 A JP H11152900A JP 33792897 A JP33792897 A JP 33792897A JP 33792897 A JP33792897 A JP 33792897A JP H11152900 A JPH11152900 A JP H11152900A
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JP
Japan
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length
pipe
chain
amount
displacement
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JP33792897A
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English (en)
Inventor
Shizuo Imaoka
静男 今岡
Masaki Hayatsu
昌樹 早津
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Hitachi Plant Technologies Ltd
Original Assignee
Hitachi Plant Technologies Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】配管等の構造物を複数方向から吊り上げている
各チェーンの長さを自動で調整し、配管の位置決めを容
易に短時間で且つ高精度に行う構造物の位置決め装置を
提供する。 【解決手段】ベクトルとして表される配管10の変位量
{Δq}と各チェーンW1〜W6の長さの変化量{Δ
L}の関係をヤコビアン行列[A]を用いて{ΔL}=
[A]・{Δq}により表し、このヤコビアン行列
[A]の各成分を予め決定しておく。そして据付位置ま
での配管10の変位量{Δq}から据付位置に配管10
を移動させるための各チェーンの長さの変化量{ΔL}
を上式により算出する。これにより求めた変化量{Δ
L}だけ各チェーンの長さを変化させれば、無駄な動作
をさせることなく配管10を据付位置に位置決めするこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は構造物の位置決め装
置に係り、特に大口径配管等の大型構造物をチェーン等
によって吊り上げ所定の据付位置に位置決めする構造物
の位置決め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】発電所等の大型プラントでは大径の配管
が建屋内の天井付近等に設置される場合がある。通常こ
のような大径の配管は製作工場で十数メートル程度の運
搬可能な大きさに分けて製作され、据付現場において繋
ぎ合わせられる。据付現場では、天井付近に架設された
固定部材に複数のチェーンブロックを固定し、各チェン
ーブロックからチェーンを繰り出して配管を複数本のチ
ェーンで吊り上げる。そして、各チェーンブロックによ
り各チェーンの繰り出し長さを調整して配管の上下左右
位置と姿勢を調整し、配管を所定の据付位置に位置決め
する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、据付現場に
おいて配管の位置決めには数mm単位の精度が要求され
る。従来は、配管を据付位置の近くまで大まかに移動さ
せた後、最後の位置決めは開先合わせ治具等を用いて高
精度に行うようにしているが、その際、各チェーンの繰
り出し長さの調整は作業者が手動により行っている。
【0004】配管の位置決めにおいては配管を現在位置
から据付位置までどれくらい変位させればよいかを把握
して各チェーンの繰り出し長さをそれぞれ調整する必要
があるが、据付位置までの配管の変位については実測等
によって容易に把握できるとしても、その変位を配管に
与えるために各チェーンの繰り出し長さをどの程度変化
させればよいかについては、熟練者であっても予測する
ことは困難である。
【0005】そのため、従来は各チェーンの繰り出し長
さを少しずつ変化させることによって最終的に配管を据
付位置に位置決めするようにしてたが、この方法では時
間を要するとともに熟練者が行ってもやり直しになる場
合が多かった。また、1mm以下のオーダーで位置決め
が要求される場合もあり、このような場合には従来の方
法では精度上の問題もあった。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、配管等の構造物を吊り上げている各チェーンの
繰り出し長さを自動で調整し、構造物の位置決めを容易
に短時間で且つ高精度に行うことができる構造物の位置
決め装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、構造物を複数本の異なる方向の線状部材に
よって吊り上げるとともに、モータ駆動手段によってモ
ータを駆動し前記線状部材を巻き上げ又は繰り出して前
記各線状部材の繰り出し長さを調整し、前記構造物を所
定の据付位置に位置決めする構造物の位置決め装置にお
いて、前記構造物の位置を測定する構造物位置測定手段
と、前記モータ駆動手段によって前記各線状部材の繰り
出し長さを変化させるとともに、該繰り出し長さの変化
によって生じる前記構造物の変位量を前記構造物位置測
定手段によって測定し、該測定結果に基づいて前記構造
物の変化量から前記各線状部材の繰り出し長さの変化量
を求める変換パラメータを算出する変換パラメータ算出
手段と、前記構造物位置測定手段によって構造物の現在
位置を検出して該構造物の現在位置から前記構造物の据
付位置までの変位量を求め、前記変換パラメータに基づ
いて前記変位量から前記各線状部材の繰り出し長さの変
化量を算出する繰り出し長さ変化量算出手段と、前記繰
り出し長さ変化量算出手段によって算出した変化量だけ
前記各線状部材の繰り出し長さを前記モータ駆動手段に
よって変化させる制御手段と、からなることを特徴とし
ている。
【0008】本発明によれば、配管等の構造物を吊り上
げている各線状部材の繰り出し長さを試験的に変化させ
てその時の構造物の変化量を測定し、この測定結果に基
づいて、構造物の変化量から各線状部材の繰り出し長さ
の変化量への変換パラメータ(ヤコビアン行列)を算出
する。そしてこの変換パラメータを用いて構造物を据付
位置に位置決めするための各線状部材の繰り出し長さの
変化量を算出し、その変化量だけ各線状部材の繰り出し
長さを調整し、配管を据付位置に位置決めする。これに
より、熟練者等の経験によらず構造物を所望の位置に即
座に精度良く位置決めすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
る構造物の位置決め装置の好ましい実施の形態について
詳説する。図1は、本発明が適用される配管の位決め装
置の一実施の形態を示す構成図である。図1に示すよう
に配管10を据え付ける建屋の天井部等に支柱12、1
2、12、12が設置され、これらの支柱12に電動チ
ェーンブロック1〜6が取り付けられる。電動チェーン
ブロック1〜6はステッピングモータM1〜M6とプー
リP1〜P6を有し、ステッピングモータM1〜M6に
よってプーリP1〜P6を回動させることにより、プー
リP1〜P6から繰り出す各チェーンW1〜W6の長さ
を調整する。
【0010】位置決めの対象となる配管10には、上記
各電動チェーンブロック1〜6から繰り出されたチェー
ンW1〜W6の先端が各方向から取り付けられる。従っ
て、各電動チェーンブロック1〜6によってチェーンW
1〜W6の繰り出し長さ(以下、単にチェーンの長さと
いう。)を調整することにより配管10を吊り上げるこ
とができるとともに配管10の位置(即ち、配管10の
上下左右位置及び姿勢)を調整して配管10の位置決め
を行うことができる。尚、配管10は、その開先部10
Aの中心位置Oと軸心方向Pとが、既に建屋内に設置さ
れている配管11の開先部11Aの中心位置O′と軸心
方向P′と一致するように位置決めされる。
【0011】配管10の一点(計測点S)には、3方向
からワイヤ式変位計16、18、20のワイヤ16A、
18B、20Bが取り付けられる。このワイヤ式変位セ
ンサ16、18、20はワイヤ16A、18B、20B
の長さの変化により計測点Sの変位量を検出するもので
3方向から取り付けることにより作業空間に想定された
X,Y,Z軸に対する配管10の3次元座標(x,y,
z)(配管10の計測点Sの座標)、或いは、所定位置
からの変位量(Δx,Δy,Δz)を検出することがで
きるようになっている。
【0012】また、配管14の上面にジャイロセンサ等
の角度センサ22が取り付けられる。この角度センサ2
2は、配管10の姿勢、即ち、X、Y、Z軸の各軸に対
する配管10の回転角度θx 、θy 、θz を検出する。
これらのワイヤ式変位計16、18、20及び角度セン
サ22によって得られた測定結果は制御部30に送信さ
れる。
【0013】制御部30は、各電動チェーンブロック1
〜6のステッピングモータS1〜S6に駆動信号を出力
して各チェーンW1〜W6の長さを調整し、配管10を
目標位置(据付位置)に位置決めする。配管10の目標
位置は、例えば、配管10の開先部10Aの中心位置O
を設置する座標(即ち、配管10を連結する配管11の
開先部11Aの中心位置O′の座標)と、配管10の軸
心方向P(即ち、配管11の軸心方向P′)によって決
定され、これらの値は制御部30の入力手段から作業者
が入力するようになっている。
【0014】上記配管10の目標位置として配管10の
開先部10Aの中心位置Oの座標と軸心方向Pが決定さ
れると、配管10が目標位置に位置決めされたときに上
記ワイヤ式変位計16、18、20によって計測される
計測点Sの座標と角度センサ22によって計測される姿
勢(回転角度)(尚、これらの計測される値を目標値と
いう。)が配管10の形状から決定される。即ち、上記
目標位置として決定された中心位置Oの座標と軸心方向
Pに所定の座標変換を施すことによってこれらの目標値
を求めることができる。
【0015】制御部30は、上記目標値を算出し、ワイ
ヤ式変位計16、18、20及び角度センサ22の現在
の計測値と上記目標値との差、即ち、配管10を目標位
置に位置決めするための計測点Sの変位量(Δx,Δ
y,Δz)と、姿勢(回転角度)の変位量(Δθx 、Δ
θy 、Δθz )を算出し(以下、計測点Sの変位量と姿
勢(回転角度)の変位量を合わせて配管10の変位量と
いう。)、これらの変位量に基づいて配管10を目標位
置に位置決めするために必要な各チェーンW1〜W6の
長さの変化量を算出する。尚、配管10の変位量から各
チェーンW1〜W6の長さの変化量を算出する方法につ
いては後述する。
【0016】このようにして、制御部30は配管10を
現在位置から目標位置に位置決めするために必要な各チ
ェーンW1〜W6の長さの変化量を算出すると、各電動
チェーンブロックに制御信号を出力してこの変化量分だ
けチェーンW1〜W6の長さを変化させる。これによ
り、配管10は現在位置から目標位置に無駄な動作をす
ることなく直接的に移動し、従来のように、作業者が試
行錯誤してチェーンW1〜W6の長さを調整しなくても
容易に短時間で且つ高精度に配管10を目標位置に位置
決めすることができるようになる。
【0017】次に、上記配管10の変位量とチェーンW
1〜W6の長さの変化量との関係について説明する。一
般に、N本のチェーンで配管を吊り上げている場合に各
チェーンの長さをL1 、L2 、…、LN とし、配管の所
定点(計測点S)の座標をq1 、q2 、…、qM とする
と、チェーンが弛みなどがないように張られている場合
には、チェーンの長さは配管の位置に対して一意に決定
される。そこで、各チェーンの長さをL1 、L2 、…、
N は、f1 、f2 、…、fN を所定の関数として次式
(1) で表される。
【0018】
【数1】 この式(1)を各変数の変化量Δqn についてテイラー展
開し、各変数の変化量Δqn の2次以上の項を削除する
と各チェーンの長さの変化量ΔL1 、ΔL2 、…、ΔL
N は次式(2) で表される。
【0019】
【数2】 ΔL1 =∂f1 /∂q1 ・Δq1 +∂f1 /∂q2 ・Δq2 +… +∂f1 /∂qM ・ΔqM ΔL2 =∂f2 /∂q1 ・Δq1 +∂f2 /∂q2 ・Δq2 +… +∂f2 /∂qM ・ΔqM … ΔLN =∂fN /∂q1 ・Δq1 +∂fN /∂q2 ・Δq2 +… +∂fN /∂qM ・ΔqM …(2) 上式(2)を行列を用いて表すと次のようになる。
【0020】
【数3】
【0021】更に上式(3)を簡略化して次式(4)のよう
に表すことにする。
【0022】
【数4】 {ΔL}=[A]・{Δq} …(4) ここで、 {ΔL}={ΔL1 ΔL2 … ΔLN T :チェーンの
長さの変化量 {Δq}={Δq1 Δq2 … ΔqM T :配管の変位
【0023】
【数5】
【0024】従って、ヤコビアン行列[A]の各成分の
値を求めれば、配管を目標位置に位置決めするための変
位量{Δq}から各チェーンの長さの変化量{ΔL}を
求めることができる。ヤコビアン行列[A]の各成分の
求め方について以下の具体例において説明する。まず、
簡単のために配管を2次元で移動させて位置決めする場
合について図2を用いて説明する。同図に示すように、
配管50は3個の電動チェーンブロック1、2、3の3
本のチェーンW1、W2、W3によって吊り上げられて
おり紙面内のX、Y軸方向に移動するとともに紙面に垂
直なZ軸に対して回転するようになっている。そして、
配管50の所定点(計測点S)の座標(x,y)を検出
する2つのワイヤ式変位計52、54と配管50上面に
配管50の回転角度θを検出する角度センサ56が取り
付けられている。尚、この配管50の開先部50Aは、
既に設置されている配管51の開先部51Aと接続され
る位置に位置決めされる。
【0025】まず、配管50の変位量{Δq}={Δq
1 Δq2 Δq3 T ={Δx ΔyΔθ}T と各チェー
ンの長さの変化量{ΔL}={ΔL1 ΔL2 ΔL3 T
の関係は、上記式(1)〜(4)より3×3のヤコビアン行
列[A]を用いて次式(5)で表される。
【0026】
【数6】{ΔL}=[A]・{Δq} …(5) ヤコビアン行列[A]の各成分は次のように表される。
【0027】
【数7】
【0028】上述したようにヤコビアン行列[A]の各
成分を求めることにより配管50の変位量に対するチェ
ーンの長さの変化量を算出することが可能となるが、こ
こではヤコビアン行列[A]が3×3の正則行列であ
り、ヤコビアン行列[A]の成分を直接求めるより逆行
列[A]-1の成分を求める方が容易であることからまず
逆行列[A]-1の成分を求める。ここで上式(5)を逆行
列[A]-1を用いた関係式に変形すると次式(6)のよう
になる。
【0029】
【数8】{Δq}=[A]-1・{ΔL} …(6) 尚、[A]-1の成分を以下の変数で表すことにする。
【0030】
【数9】
【0031】上式(6)から分かるように逆行列[A]-1
の各列の成分は各チェーンの長さを単独で変化させて配
管50の変位量{Δq}を検出することにより得られ
る。即ち、チェーンW1のみの長さを微小量ΔL1 だけ
変化させた場合に、ワイヤ式変位計52、54と角度セ
ンサ56によって配管50の変位量が{Δq}={Δx
1 Δy1 Δθ1 T だけ検出されたとすると、[A]-1
の1列目の成分{β11β21 β31T は{Δx1/ΔL1
Δy1/ΔL1 Δθ1/ΔL1 T で与えられる。次いでチ
ェーンW1を元の長さに戻し、同様にチェーンW2、チ
ェーンW3についても順に長さをΔL2 、ΔL3 だけ変
化させ、そのときに配管50の変位量{Δq}={Δx
2 Δy2 Δθ2 T 、{Δx3 Δy3 Δθ3 T を検出
したとすると、[A]-1の2列目、3列目の成分{β12
β22 β32T 、{β13 β23β33T はそれぞれ
{Δx2/ΔL2 Δy2/ΔL2 Δθ2/ΔL2 T 、{Δx
3/ΔL3 Δy3 / ΔL3 Δθ3/ΔL3 T によって与え
られる。
【0032】このようにして[A]-1の各成分を求める
ことができ、この[A]-1の各成分を求めたのち[A]
-1の逆行列を求めヤコビアン行列[A]の各成分を算出
する。これにより、配管50の目標位置までの変位量
{Δq}を与えれば、上式(5)を用いて目標位置までに
必要なチェーンの長さの変化量{ΔL}を算出すること
ができる。そして、この算出した変化量{ΔL}だけ各
チェーンの長さを変化させれば配管50を目標位置に位
置決めすることができる。
【0033】同様にして3次元で配管10を位置決めす
る場合について上記図1を用いて説明する。3次元の場
合、配管10の変位量を{Δq}={Δq1 Δq2 Δq
3 Δq4 Δq5 Δq6 T ={Δx Δy ΔZ Δθ
x Δθy Δθz T とし、各チェーンの長さの変化量を
{ΔL}={ΔL1 ΔL2 ΔL3 ΔL4 ΔL5 ΔL6
T とすると、配管10の変位量{Δq}と各チェーンの
長さの変化量{ΔL}の関係は、上記式(1)〜(4)より
6×6のヤコビアン行列[A]を用いて次式(7)で表さ
れる。
【0034】
【数10】{ΔL}=[A]・{Δq} …(7) 上記2次元の場合と同様に[A]は6×6の正則行列で
あるから[A]の逆行列を[A]-1として上式を変換す
ると、次式(8)を得る。
【0035】
【数11】 {Δq}=[A]-1・{ΔL} …(8) 尚、[A]-1の成分を以下の変数で表すことにする。
【0036】
【数12】
【0037】そして、2次元の場合と同様にして各チェ
ーンの長さを順に変化させそのときの配管10の変位量
{Δq}を検出することにより、[A]-1の成分を求め
ることができる。具体的にはチェーンn(nは1〜6)
のみをΔLn だけ変化させたときに配管10が{Δxn
Δyn Δzn Δθxn Δθyn ΔθznT だけ変位した
とすると、[A]-1のn列目の成分{β1n β2n β3n
β4n β5n β6nT は{Δxn / ΔLn Δyn /
ΔLn Δzn / ΔLn Δθxn/ ΔLn Δθyn/ Δ
n Δθzn/ ΔLn T で与えられる。各チェーンに
ついて長さを変化させることにより[A]-1の各列の成
分を求めることができる。
【0038】このようにして[A]-1の成分を求めたの
ち[A]-1の逆行列を求めヤコビアン行列[A]の各成
分を算出する。これにより、2次元の場合と同様に配管
10の目標位置までの変位量{Δq}を与えれば、上式
(7)を用いてそれに必要なチェーンの長さの変化量{Δ
L}を算出することができる。そして、この算出した変
化量{ΔL}だけチェーンの長さを変化させれば配管1
0を目標位置に位置決めすることができる。
【0039】尚、以上説明した例では、配管10の位置
を特定する座標パラメータの数(配管10の自由度)と
チェーンの数が一致している場合について説明したが、
これらの数が一致しない場合には、ヤコビアン行列
[A]は、正方行列ではなく逆行列[A]-1を求めるこ
とができない。しかし、このような場合には、ダミーの
パラメータ(ダミーの座標又はチェーン)を導入して、
座標パラメータの数とチェーンの数を一致させ、ダミー
のパラメータは常に一定という条件を課してヤコビアン
行列[A]を正則行列にする。これにより逆行列[A]
-1を求めることができる。また、上述のようにヤコビア
ン行列[A]を逆行列[A]-1から求めるのではなく、
上式(4)からヤコビアン行列[A]の各成分を直接求め
ることも可能である。例えば、各チェーンの長さを任意
に変化させて、複数点において各チェーンの長さの変化
量{ΔL}と配管の変位量{Δq}を検出し、これによ
って得られた複数組の変化量{ΔL}と変位量{Δq}
の値から最小2乗法等によってヤコビアン行列[A]の
各成分の最適値を算出することが可能である。
【0040】また、上記説明では、配管の据付位置を作
業者が入力するようにしたが、図3の2次元の場合の例
で示すように既に設置されている配管51にX、Y方向
の計測目標板70を設置するとともに、図2で示したワ
イヤ式変位計52、54の代わりに配管50に計測目標
板70とのX、Y方向の距離を測定する水平距離センサ
72、垂直距離センサ74(例えば、渦電流センサ)を
設置することにより、配管70の据付位置を作業者が入
力しなくても、この水平距離センサ72、垂直距離セン
サ74によって配管50の据付位置までの変位量{Δ
q}を自動で検出することができる。
【0041】また、ヤコビアン行列は配管の位置によっ
て変化するため、配管を広域範囲で移動させる場合に
は、配管の移動中に適宜ヤコビアン行列を更新するよう
にしてもよい。次に、ヤコビアン行列を用いて各チェー
ンの張力を検出する場合について説明する。チェーンの
張力は、所定の許容範囲を越えるとチェーンが切断され
る等の危険があるため、その範囲内で使用しなければな
らない。しかし、各チェーンの張力を直接測定するよう
にした場合には、チェーンの数だけロードセル等の測定
器が必要となり作業現場において作業の邪魔になる等の
不具合が生じる。そこで、ヤコビアン行列を用いて間接
的にチェーンの張力を検出し、チェーンの張力が所定の
許容範囲を越えた場合には、作業を強制的に停止等させ
るようにする。
【0042】以下チェーンの張力の検出方法について説
明する。尚、チェーンの張力を検出する装置の構成は上
記図1と同様であり、以下、図1を用いて説明する。ま
ず、作業空間における運動方程式は次式(9)で表され
る。
【0043】
【数13】[M(q)]・{q''}={F} …(9) ここで[M(q)]は質量マトリックス、{q''}は重
心位置{q}={xy z θx θy θz }T の時
間に対する2階微分、{F}は重心に加わる等価力であ
り{F}={Fx Fy Fz τx τy τz }T である。
【0044】一方、各チェーンW1〜W6の長さをL
1 、L2 、L3 、L4 、L5 、L6 とすると、重心位置
{q}は、チェーンの長さをパラメータとする関数{g
(L1,L2,L3,L4,L5,L6 )}={g1 2 3 4
5 6 }を用いて次式(10)で表される。尚、各チェー
ンの長さをL1 、L2 、L3 、L4 、L5 、L6 を以下
‘L’一文字で表す。
【0045】
【数14】 {q}={g(L1,L2,L3,L4,L5,L6 )}={g(L)} …(10) 上式(10)を時間で微分すると次式(11)と(12)の関係が導
かれる。
【0046】
【数15】{q' }=[J(L)]・{L′} …
(11)
【0047】
【数16】 {q''}=[J'(L)]・{L}+[J(L)]・{L''} …(12) ここで{L}={L12 3 4 5
6 T 、{L' }は{L}の時間微分であり{L' }
={L1' L2' L3' L4' L5' L6'}T である。
また、[J(L)]はヤコビアン行列であり、次式(13)
で表される。ヤコビアン行列[J(L)]は、各チェー
ンの微小変化量に対する重心位置の変動値の関係を示し
ている。[J'(L)]はヤコビアン行列[J(L)]の
時間変化を示す。
【0048】
【数17】
【0049】また、各チェーンの張力{T}={T1
2 3 4 5 6 T が配管10の重心に加わるとし
たときの等価力{F}との関係は次式(14)で示される。
【0050】
【数18】{F}=[J(L)]-T・{T} …(14) そして、上式(12)、(14)を上式(9) に代入することによ
り次式(15) が得られる。
【0051】
【数19】 [J(L)]T ・[M(q)]・[J'(L)]・{L' }+ [J(L)]T ・[M(q)]・[J( L)]・{L''} ={T} …(15) 以上、上式(15)からヤコビアン行列[J( L)]及びチ
ェーンの長さの変化速度{L' }を配管10の吊り上げ
作業中に逐次検出することにより、各チェーンの張力
{T}を検出することができる。これによってロードセ
ル等の計測器を用いないでチェーンの張力を確認しなが
ら電動チェーンブロックを作動させることが可能とな
り、検出した張力が許容応力に近づいた場合は、そのチ
ェーンの巻き上げ速度を落とすか、複数のチェーンの吊
り角度に対する配管10の適切な姿勢を決定することも
可能である。
【0052】尚、上記実施の形態では、配管の位置決め
装置について説明したが、本発明は配管に限らず他の構
造物を位置決めする装置についても同様に適用すること
ができる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る構造物
の位置決め装置によれば、配管等の構造物を吊り上げて
いる各線状部材の繰り出し長さを試験的に変化させてそ
の時の構造物の変化量を測定し、この測定結果に基づい
て、構造物の変化量から各線状部材の繰り出し長さの変
化量への変換パラメータ(ヤコビアン行列)を算出す
る。そしてこの変換パラメータを用いて構造物を据付位
置に位置決めするための各線状部材の繰り出し長さの変
化量を算出し、その変化量だけ各線状部材の繰り出し長
さを調整し、配管を据付位置に位置決めする。これによ
り、熟練者等の経験によらず構造物を所望の位置に容易
に短時間で精度良く位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る配管の位置決め装置の構
成を示した図である。
【図2】図2は、配管の位置決めを2次元で行う場合を
示した説明図である。
【図3】図3は、配管の位置決めを2次元で行う場合の
他の実施の形態を示した説明図である。
【符号の説明】
1〜6…電動チェーンブロック 10、11…配管 16〜20…ワイヤ式変位計 22…角度センサ 30…制御部 W1〜W6…チェーン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】構造物を複数本の異なる方向の線状部材に
    よって吊り上げるとともに、モータ駆動手段によってモ
    ータを駆動し前記線状部材を巻き上げ又は繰り出して前
    記各線状部材の繰り出し長さを調整し、前記構造物を所
    定の据付位置に位置決めする構造物の位置決め装置にお
    いて、 前記構造物の位置を測定する構造物位置測定手段と、 前記モータ駆動手段によって前記各線状部材の繰り出し
    長さを変化させるとともに、該繰り出し長さの変化によ
    って生じる前記構造物の変位量を前記構造物位置測定手
    段によって測定し、該測定結果に基づいて前記構造物の
    変化量から前記各線状部材の繰り出し長さの変化量を求
    める変換パラメータを算出する変換パラメータ算出手段
    と、 前記構造物位置測定手段によって構造物の現在位置を検
    出して該構造物の現在位置から前記構造物の据付位置ま
    での変位量を求め、前記変換パラメータに基づいて前記
    変位量から前記各線状部材の繰り出し長さの変化量を算
    出する繰り出し長さ変化量算出手段と、 前記繰り出し長さ変化量算出手段によって算出した変化
    量だけ前記各線状部材の繰り出し長さを前記モータ駆動
    手段によって変化させる制御手段と、 からなることを特徴とする構造物の位置決め装置。
  2. 【請求項2】前記変換パラメータ算出手段は、前記構造
    物の変位量と前記各線状部材の繰り出し長さの変化量と
    の関係を決めるヤコビアン行列を算出することを特徴と
    する請求項1の構造物の位置決め装置。
  3. 【請求項3】前記構造物位置測定手段は、前記構造物の
    特定点の3次元座標と前記構造物の姿勢を測定すること
    を特徴とする請求項1の構造物の位置決め装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006344466A (ja) * 2005-06-08 2006-12-21 Hitachi Plant Technologies Ltd 電磁石の位置調整装置
JP2010144368A (ja) * 2008-12-17 2010-07-01 Tokyo Univ Of Agriculture & Technology 長尺重量物のアライメント支援方法、長尺重量物のアライメント支援システム

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