JPH11151673A - 弾性砥石 - Google Patents

弾性砥石

Info

Publication number
JPH11151673A
JPH11151673A JP33498397A JP33498397A JPH11151673A JP H11151673 A JPH11151673 A JP H11151673A JP 33498397 A JP33498397 A JP 33498397A JP 33498397 A JP33498397 A JP 33498397A JP H11151673 A JPH11151673 A JP H11151673A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastic
grindstone
grinding wheel
short fibers
abrasive grains
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33498397A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyuki Mitsuoka
一行 光岡
Kan Sato
敢 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanebo Ltd filed Critical Kanebo Ltd
Priority to JP33498397A priority Critical patent/JPH11151673A/ja
Publication of JPH11151673A publication Critical patent/JPH11151673A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来よりも大きな圧力、大きな動力の条件下で
用いる砥石において、研磨むらが少なく高能率にかつ安
全に使用が可能な弾性砥石を提供することを目的とす
る。 【解決手段】ポリビニルアセタール系樹脂を結合材とし
て砥粒を固定した弾性砥石であって、その弾性砥石中に
短繊維を含有することにより、大きな弾性を有するとと
もに強度に優れた砥石とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属研磨用弾性砥
石に関する。
【従来の技術】従来、金属の表面を高精度な粗さや形状
に研磨するものとして、弾性砥石がよく知られている。
これらは、ポリビニルアセタール等の弾性の高い樹脂を
結合材として砥粒を固定してなる砥石であり、その他の
硬質な砥石と比較し以下の利点を持つ。
【0002】すなわち組織が弾性を持つため、砥石表面
に存在する多数の砥粒の内、過度に表面に突き出た砥粒
が砥石内部に押し込まれ、その結果砥粒の被研磨物への
切り込み量が一定に保たれるため、研磨後の表面粗さが
非常に良い。また、同様な理由で被研磨物に著しく深い
傷をつけにくいため、研磨後の品位が高い。さらに被研
磨面が曲面や凹凸を持つ場合もよく研磨面になじむた
め、研磨のむらが少ない。その上、砥粒を砥石に保持す
る接着力が適度に低いため、研磨によって砥粒の先端が
鈍化し切れなくなった砥粒が砥石表面から脱落し、続い
て砥石内部の新たな砥粒が研磨に用いられる作用、いわ
ゆる自生作用が活発なため、長期の研磨においても砥石
の目つぶれ現象が生じず、研磨力が持続するのである。
【0003】上記の利点を活かして、ポリビニルアセタ
ール系樹脂を結合材として用いた弾性砥石は主に金属の
表面を高精度に研磨する用途に用いられ、例えば記憶媒
体である磁気ディスク用アルミニウム基盤の表面研磨や
グラビア印刷用銅ローラーの表面研磨、ビデオテープレ
コーダー用フェライト磁気ヘッドの表面研磨に用いられ
る。
【0004】これらの用途において、弾性砥石は各用途
に応じて物性を変更することができる。その方法は、強
度を付与する場合は剛性の高い熱硬化性樹脂を付与す
る、耐摩耗性を付与する場合は耐摩耗性に優れるフェノ
ール系樹脂やウレタン系樹脂を付与する、脆性を付与す
る場合は脆性の高いメラミン系樹脂を付与する、研磨力
を増大させる場合は砥粒の含有率を増大させる、等が挙
げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで、弾性砥石の使
用方法が、円盤状の形状の弾性砥石の外周面を、円筒形
状の被研磨物の外周面に押し当てて両者を回転させるこ
とによって研磨を行う、いわゆる円筒研削の用途で行う
場合は、以下に述べる理由から、より弾性に富み、なお
かつ強度の高い弾性砥石が必要とされる。
【0006】すなわち、円筒研削においては、弾性砥石
と被研磨物の接触部において、両者が外周面となってい
るため、接触部分は面ではなく、線になる。このように
接触部が線となると、加工中の振動、あるいは弾性砥石
や被研磨物の運動の狂いによって、ごく短時間ではある
が弾性砥石と被研磨物の接触が無くなる、あるいは接触
時の状態が変化する現象が生じる可能性がある。この場
合、部分的に被研磨面の状態が変化するため、加工終了
後の被研磨面は状態の異なる表面が存在するいわゆる研
磨むらを生じる可能性がある。そして、これを避けるた
めには、弾性砥石と被研磨物の接触部において、弾性砥
石を押し当てる力によって弾性砥石を変形せしめ、この
変形によって、接触部を線では無く、面とする必要があ
り、なおかつ接触部の面積が大きい程研磨むらが生じに
くいため極めて弾性に富む物性を弾性砥石に付与する必
要がある。
【0007】一方、弾性砥石の使用時の条件は、回転数
が高く、さらに弾性砥石を押し付ける圧力が大きい方が
高い加工速度が得られるため、高い回転数によって生じ
る大きな遠心力や、大きい圧力によって砥石に加えられ
る力によっても砥石が破壊しないように高い強度が求め
られる。
【0008】しかし、弾性砥石に多くの弾性と、高い強
度を付与する方法はそれぞれが、もう一方の物性値を悪
化させる影響を与えるため、多くの弾性と高い強度を持
つ弾性砥石を得ることは従来できなかった。すなわち、
弾性砥石に多くの弾性を付与する方法は、砥石を構成す
る成分を減量する方法、あるいは砥石に含まれる結合材
を軟質なものに変更する方法、砥粒と結合材の接着力を
低下させる方法が用いられる。しかしこれらの方法はい
ずれも弾性砥石の弾性を増すと共に、弾性砥石の強度が
低下する影響がある。また、弾性砥石に強度を付与する
方法は、上記手順と逆の手順となるため、同時に弾性砥
石の弾性が失われるのである。
【0009】このように、弾性に影響を与えずに強度を
付与する方法あるいは、強度に影響を与えずに弾性を付
与する方法は存在せず、多くの弾性と高い強度を持つ弾
性砥石はいまだ満足するものが得られていなかったので
ある。
【0010】本発明者らは、鋭意研究を行った結果、ポ
リビニルアセタール系多孔体からなる弾性砥石に短繊維
を含有させることによって上記の課題を解決できること
を見出したもので、本発明の目的は、弾性砥石に弾性に
影響を与えること無く強度のみを付与することによっ
て、多くの弾性を持ち被研磨面に対するなじみに優れ研
磨むらの発生しない利点を持ち、なおかつ強度が高く破
壊しにくい弾性砥石を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る第1の発明は、ポリビニルアセタール系
樹脂を結合材として砥粒を固定した弾性砥石であって、
短繊維を含有したことを特徴とする弾性砥石である。
【0012】また、第2の発明は、請求項1記載の弾性
砥石において短繊維の含有量が弾性砥石の見かけ体積あ
たり0.5〜5%であることを特徴とするものであり、
第3の発明は、請求項1または2記載の弾性砥石におい
て曲げ弾性率が5〜25kg/cm2であることを特徴
とするものであり、また、第4の発明においては、請求
項1、2または3記載の弾性砥石において砥粒の含有量
が弾性砥石の見かけ体積あたり5〜30%であることを
特徴とするものである。
【0013】本発明の要旨は、ポリビニルアセタール系
樹脂を結合材として用いた弾性砥石であって、短繊維を
含有したことを特徴とする弾性砥石である。すなわち、
従来よりポリビニルアセタール系樹脂を結合材とした弾
性砥石が知られている。このような弾性砥石は、弾性を
有する樹脂であるポリビニルアセタール系樹脂を結合材
として砥粒を固定したものであって、この弾性によって
得られる優れた表面粗さおよび深い傷の発生の防止、被
研磨面に対するなじみ、活発な自生作用による研磨力の
長期にわたる持続性を活かして、主に金属の表面を高精
度に研磨する用途に用いられている。本発明ではこのよ
うな弾性砥石を利用し、さらに砥石の弾性を変化させず
に強度のみを向上させるために短繊維を含有させるので
ある。
【0014】本発明は従来用いられてきた弾性砥石に代
えて用いることができる大きな弾性を持ちなおかつ高い
強度を持つ弾性砥石であり、砥石を構成する結合材自体
の弾性に影響を与えず、かつ砥粒と砥石との接着力に寄
与しない短繊維を含有することにより砥石の強度を高め
たため、弾性砥石の有していた弾性を損なうこと無く強
度を高めることができたのである。本発明の弾性砥石
は、円筒研削用途の様に大きな弾性を要する用途に用い
た場合も研磨むらを生じることが無く、さらに高い強度
を有するため従来の砥石に比べ被研磨面に押しつける圧
力や砥石の回転数を初めとした加工中に加えられる動力
を増大させることができるので、結果として砥石の研磨
力が増加するのである。さらに使用中の砥石の破壊が発
生しにくくなるため作業者の安全が守られると共に自動
化も容易である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の弾性砥石には、短繊維が
含有されている。短繊維の種類は被研磨物である金属表
面に傷をつけたり弾性砥石の製造時に溶解する等して変
形あるいは変質しない物であれば特に限定されないが、
通常ポリビニルアルコール系繊維、ナイロン系繊維、ポ
リエステル系繊維、アクリル系繊維、羊毛等が用いられ
る。また、短繊維の長さおよび径も特に限定されない
が、通常長さ1〜5mm、径1〜10デニール程度の物
が好ましい。さらに、短繊維の含有量も特に限定されな
いが、過度に含有量が少ない場合は、弾性砥石に与える
強度も少ないものとなる。このため多くの短繊維を含有
させることが望ましいが、過剰の量を含有させようとす
ると、後述する弾性砥石の製造工程において、短繊維を
添加した原料混合液の粘度が非常に高くなり、取り扱い
にくい物となる。このため短繊維の含有量としては弾性
砥石の見かけ体積の0.5〜5%が好ましい。
【0016】短繊維は弾性砥石内部に均一に分散した状
態で含有させる必要がある。短繊維を弾性砥石に含有さ
せる方法は特に限定されないが、短繊維が砥石内部に均
一に分散していないと、得られた弾性砥石の強度も不均
一となり結果として強度の高い弾性砥石を得ることがで
きない。このため、短繊維を含有させる方法は、後述す
る弾性砥石の製造方法において、原料混合液に短繊維を
添加する方法が望ましい。
【0017】本発明の弾性砥石は、結合材としてポリビ
ニルアセタール系樹脂を用いた弾性砥石である。ポリビ
ニルセタール系樹脂を結合材として用いた弾性砥石は公
知であり、例えば特開昭61−182774号が挙げら
れるが、概略を記述すると、ポリビニルアルコールの粉
末を水に溶解して水溶液を作り、砥粒およびアセタール
化反応の原料であるホルマリン等を加え、反応触媒であ
る酸類を加え、気孔形成材を添加するかあるいは発泡さ
せることによって気孔を形成し、加温して反応させるこ
とによってポリビニルアルコールがアセタール化反応を
経て硬化しポリビニルアセタール系樹脂からなる弾性砥
石となる。
【0018】ポリビニルアセタール系弾性砥石は上記方
法によって製造されるため、原料混合液に短繊維を混合
し、反応硬化させることで容易に短繊維を含有させるこ
とができる。さらに、原料混合液に短繊維を混合した本
発明の弾性砥石は、添加された短繊維が流動性の高い未
反応の原料混合液の流動を抑えるため、反応時の変形お
よび収縮が少ない。その結果、反応後得られる弾性砥石
の組織の均質性も優れたものとなる。
【0019】また、短繊維はそれ自体が弾性砥石に含ま
れる砥粒と結合することがないため、弾性砥石の持つ砥
粒の自生作用には何ら影響を与えることがない。さら
に、短繊維は弾性砥石の結合材によって保持され、弾性
砥石に強度を与えるが、直接結合材と反応することがな
いため弾性砥石の結合材としては作用しない。よって短
繊維は砥石の硬度および弾性にも影響を与えることがな
い。これにより、本発明の弾性砥石は、従来の弾性砥石
の特性である自生作用や弾性が変化すること無く、高い
強度を持つことができるのである。
【0020】本発明の弾性砥石は特に、円盤形状あるい
は円筒形状の砥石を用いて回転する砥石の外周面を、回
転する円筒あるいは円盤形状の被研磨物の外周面に押し
当てて研磨する円筒研削用途に適している。この用途に
おいては、砥石と被研磨物とが互いの外周において線接
触し、接触面積が極めて小さい。このため、接触部分で
若干変形することで接触面積を増大させることができる
弾性に富む弾性砥石が好ましく用いられる。しかし、こ
の用途においては通常、砥石の回転数が比較的大きい
上、接触部分の面積が小さいため局部的に高い圧力が砥
石に加えられる。よって、弾性に富み、なおかつ高い圧
力および大きな回転数に耐える高い強度を持つ本発明の
弾性砥石を用いることで従来よりも研磨むらが少なく効
率的であり、かつ高い圧力がかかっても破壊しないため
安全に研磨が行えるのである。
【0021】このような弾性砥石の物性は特に限定され
るものではないが、過度に弾性に富むものは例え短繊維
を含有させたとしても強度が低いため不適であり、一方
過度に強度の高いものは弾性が不足するため、曲げ弾性
率5kg/cm2〜25kg/cm2のものが好まし
い。なお、曲げ弾性率とは、JIS K7203に記載
される曲げ試験によって得られる物性値であり、概略す
ると素材を曲げる方向に力を加えた場合に生じる応力と
素材のたわみの比であり、素材の弾性の度合いを示す物
性値である。なお、この数値が小さいほど弾性に富む素
材である。但し、本発明の弾性砥石は弾性が高いため、
JIS K7203に記載される試験片の大きさおよび
支点間距離では測定が困難であった。そこで試験片の大
きさおよび支点間距離をそれぞれ、試験片高さ5mm、
支点間距離50mmに変更して測定した。
【0022】本発明の弾性砥石は、ポリビニルアセター
ル系樹脂と砥粒、さらに短繊維のみで構成することもで
きるが、耐摩耗性等が必要である場合、熱硬化性樹脂を
添加することで改質することができる。熱硬化性樹脂と
しては、例えばフェノール系樹脂、メラミン系樹脂、ユ
リア系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、尿素系
樹脂等が挙げられ、これらの熱硬化性樹脂を添加すると
添加した樹脂の特性に応じた性質を弾性砥石に付与する
ことができ、例えばフェノール系樹脂を添加した場合は
耐摩耗性を付与し、メラミン系樹脂を添加した場合は脆
性を付与することができる。添加する熱硬化性樹脂の種
類や組み合わせ、量は特に限定されるものではないが、
上記熱硬化性樹脂は、弾性砥石において結合材の一部を
構成するため、添加前の弾性砥石が持っていた自生作
用、弾性などの特性に悪影響を与える。このため上記熱
硬化性樹脂は通常少量添加され、例えば添加する熱硬化
性樹脂の体積が弾性砥石の見かけ体積あたり0.2〜1
0%程度の量が好ましく選択される。
【0023】本発明の弾性砥石においては、用いられる
砥粒の種類は特に限定されるものではないが、従来の弾
性砥石に好ましく用いられた砥粒が通常用いられ、例え
ば、炭化珪素、酸化アルミニウム、酸化珪素等が挙げら
れる。また、砥粒の含有量についても特に限定されるも
のではない。砥粒の含有量が少ない場合、研磨に作用す
る砥石表面の砥粒数が少なくなるため研磨力が低くなり
好ましくない。しかし、砥粒は弾性砥石の組織の一部を
構成するため、砥粒の含有量が多い弾性砥石は硬度が高
く弾性砥石の利点である弾性が少ないものとなる。この
ため過度に砥粒の含有量が多い場合も好ましくない。こ
のため砥粒の含有量としては通常弾性砥石の見かけ体積
あたり5〜30%が選択される。
【0024】本発明に係る弾性砥石は例えば次のような
方法により製造される。まず、ポリビニルアルコール水
溶液に砥粒を加え強く攪拌することにより砥粒を分散さ
せる。続いて短繊維を添加し再度強く攪拌混合すること
で短繊維を分散させる。さらに架橋剤としてのホルムア
ルデヒド水溶液、触媒としての酸類、さらに必要であれ
ば熱硬化性樹脂を加え、澱粉などの気孔形成材を加え攪
拌して均一な溶液を調整する。その溶液を反応固化した
後余剰成分を除去し、乾燥する。ここで弾性砥石の製造
時に、反応固化前の原料溶液を一定方向に攪拌すること
によって分散した短繊維の方向をそろえ、その後に反応
固化させることによって、弾性砥石に含有させる短繊維
に方向性を持たせることができる。このような弾性砥石
は、砥石自身の強度にも方向性を持ち、短繊維の方向に
対して垂直方向に破壊しようとする場合の強度に比較
し、短繊維の方向と同じ方向に破壊しようとする場合の
強度は極めて高いものとなる。このため、弾性砥石使用
時に砥石にかかる力の方向が判明している場合は短繊維
に方向性を持たせることが弾性砥石に強度を与えるため
の有効な手段となる。
【0025】(実施例1)6体積%のポリビニルアルコ
ール、3体積%のフェノール系樹脂、15体積%の炭化
珪素系砥粒および適量の架橋剤、反応触媒および気孔形
成材からなる水溶液に、1.5体積%の短繊維を添加
し、強く攪拌し均一な溶液とした。この溶液を型枠に流
し込み静置し反応させた。反応終了後、反応生成物を型
枠から取り出し、水洗により余剰の反応触媒、架橋剤お
よび未反応物を除去し、乾燥して弾性砥石を得た。得ら
れた弾性砥石の弾性および強度を、曲げ試験によって測
定した結果、曲げ弾性率11kgf/mm2、曲げ強さ
0.26kgf/mm2であった。この結果を含む主要
な物性値を表1に示す。
【0026】(比較例1)実施例1の弾性砥石の製造方
法において、短繊維を添加しない代わりに同体積の水を
添加した以外は同一の方法で短繊維を含有しない弾性砥
石を得た。得られた弾性砥石の弾性および強度を、実施
例と同様な方法で曲げ試験によって測定した結果、曲げ
弾性率11kgf/mm2、曲げ強さ0.18kgf/
mm2であった。この結果を含む主要な物性値を表1に
示す。
【0027】(実施例2)5体積%のポリビニルアルコ
ール、7体積%のフェノール系樹脂、8体積%の炭化珪
素系砥粒および適量の架橋剤、反応触媒および気孔形成
材からなる水溶液に、1.5体積%の短繊維を添加し、
強く攪拌し均一な溶液とした。この溶液を型枠に流し込
み静置し反応させた。反応終了後、反応生成物を型枠か
ら取り出し、水洗により余剰の反応触媒、架橋剤および
未反応物を除去し、乾燥して弾性砥石を得た。得られた
弾性砥石の弾性および強度を、曲げ試験によって測定し
た結果、曲げ弾性率18kgf/mm2、曲げ強さ0.
27kgf/mm2であった。この結果を含む主要な物
性値を表1に示す。
【0028】(比較例2)実施例の弾性砥石の製造方法
において、短繊維を添加しない代わりに同体積の水を添
加した以外は同一の方法で短繊維を含有しない弾性砥石
を得た。得られた弾性砥石の弾性および強度を、実施例
と同様な方法で曲げ試験によって測定した結果、曲げ弾
性率18kgf/mm2、曲げ強さ0.21kgf/m
m2であった。この結果を含む主要な物性値を表1に示
す。
【0029】
【表1】 曲げ試験は、JIS K7203に記載された方法で行
った。但し、本発明の弾性砥石は弾性が高いため、JI
S K7203に記載される試験片の大きさおよび支点
間距離では測定が困難であった。そこで、試験片の大き
さおよび支点間距離をそれぞれ、試験片高さ5mm、支
点間距離50mmに変更して測定した。表1において、
曲げ強さとは概略すると素材を曲げようとする力に対す
る応力の最大値であり、素材の強度を表わす。曲げ弾性
率とは概略すると素材を一定量変形させた場合の応力で
あり、素材の弾性を表わす。表1から明らかなように、
短繊維を含有した弾性砥石は含有しない物に比較し、弾
性が変化すること無く、強度が大きく向上する。
【0030】
【発明の効果】本発明の弾性砥石は、従来用いられてき
た弾性砥石に比較し、大きな弾性を有しつつ高い強度を
持つ。その結果、研磨むらが生じにくく、なおかつ大き
い圧力および高い回転数をはじめとした大きな動力の条
件でも使用することができるため、高い加工速度を得る
ことができる。さらには高い強度を持つことから砥石が
破壊することを防止できるため自動化が容易になるとい
った利点があるのである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアセタール系樹脂を結合材と
    して砥粒を固定した弾性砥石であって、短繊維を含有し
    たことを特徴とする弾性砥石
  2. 【請求項2】 短繊維の含有量が弾性砥石の見かけ体積
    あたり0.5〜5%である請求項1記載の弾性砥石
  3. 【請求項3】 曲げ弾性率が5〜25kg/cm2であ
    る請求項1または2記載の弾性砥石
  4. 【請求項4】 砥粒の含有量が弾性砥石の見かけ体積あ
    たり5〜30%である請求項1,2または3記載の弾性
    砥石
JP33498397A 1997-11-18 1997-11-18 弾性砥石 Pending JPH11151673A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33498397A JPH11151673A (ja) 1997-11-18 1997-11-18 弾性砥石

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33498397A JPH11151673A (ja) 1997-11-18 1997-11-18 弾性砥石

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11151673A true JPH11151673A (ja) 1999-06-08

Family

ID=18283418

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33498397A Pending JPH11151673A (ja) 1997-11-18 1997-11-18 弾性砥石

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11151673A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003048168A (ja) * 2001-08-07 2003-02-18 Noritake Co Ltd 樹脂結合材薄刃砥粒工具
JP2013530062A (ja) * 2010-06-28 2013-07-25 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 不織布砥石車

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003048168A (ja) * 2001-08-07 2003-02-18 Noritake Co Ltd 樹脂結合材薄刃砥粒工具
JP2013530062A (ja) * 2010-06-28 2013-07-25 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 不織布砥石車

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9409279B2 (en) Bonded abrasive tool and method of forming
US8734205B2 (en) Rigid or flexible, macro-porous abrasive article
JPS61192480A (ja) 軟質金属用合成砥石
JP2694705B2 (ja) 高純材アルミ基盤研磨用合成砥石
JPH11151673A (ja) 弾性砥石
JP2004142085A (ja) ビトリファイド研削砥石及びその製造方法
JP2593829B2 (ja) 合成砥石
JP2004181575A (ja) レジノイド超砥粒ホイールの製造方法
JP2696776B2 (ja) 合成砥石およびその製造方法
JPS61209880A (ja) 硬質金属平面の精密研磨方法
JPH10109273A (ja) バフ材
JPH05186B2 (ja)
JP6465335B2 (ja) 研磨工具
JPS59169764A (ja) 固型砥石
JPH05188B2 (ja)
JP2684607B2 (ja) 合成砥石
JPH0583343B2 (ja)
JP2004174641A (ja) 超仕上げ用砥石および加工方法
JPS62246474A (ja) 鏡面仕上げ用超砥粒砥石の製造法
JPH0763936B2 (ja) 研磨用砥石およびその製造方法
JPH07241775A (ja) 合成砥石及びバフ材並びにその製造方法
JPH07106546B2 (ja) 合成砥石の製造方法
WO2004050306A1 (ja) グラビア製版ロール研磨用砥石及び該砥石を用いた研磨方法
JP2520474B2 (ja) 磁気ディスク基盤用多孔質砥石
JPH10128669A (ja) 無機繊維含有ゴムよりなる研磨材