JPH111494A - 新規免疫制御分子及びその製造方法 - Google Patents
新規免疫制御分子及びその製造方法Info
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- JPH111494A JPH111494A JP9309688A JP30968897A JPH111494A JP H111494 A JPH111494 A JP H111494A JP 9309688 A JP9309688 A JP 9309688A JP 30968897 A JP30968897 A JP 30968897A JP H111494 A JPH111494 A JP H111494A
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Abstract
に関与した分子間の相互作用を制御する免疫制御分子及
びその製造方法を提供する。 【構成】 該免疫制御分子は、2個のシステイン(Cy
s)残基を有し、当該システイン残基はCys-Cys結合を形
成しており、かつ当該Cys-Cys結合間に少なくとも6個
のアミノ酸からなる配列を有するペプチドを含有する。
該免疫制御分子は、補助刺激シグナルの伝達に関与する
T細胞上のCTLA-4に対するモノクローナル抗体を用い
て、ファージランダムペプチドライブラリーをスクリー
ニングすることにより得られる。
Description
与した第一シグナルに続く補助刺激シグナルに関与した
分子間の相互作用を制御する免疫制御分子及びその製造
方法に関するものであり、当該分子を利用して免疫系を
制御することができる。さらに詳細には、本発明は、補
助刺激シグナルの伝達に関与した分子間の結合を阻止
し、かつ当該分子の立体構造を認識するモノクロナール
抗体を用いて、ファージランダムペプチドライブラリー
より得られる、目的蛋白分子の三次構造を模倣したペプ
チド配列をもつ免疫制御分子及びその製造方法に関す
る。
体内に入り込んだ抗原はマクロファージやB細胞のよう
な抗原提示細胞(以下、APCと称することもある)に
取り込まれる。次に、抗原断片を取り込んだ抗原提示細
胞は細胞膜面上に主要組織適合性抗原(MHC)のクラ
スIもしくはクラスIIと抗原(Ag)との複合体を提示
する。そしてこのMHC/Ag複合体は、T細胞上のT細胞抗
原レセプター(TCR)/CD3複合体により認識され第
一シグナルをT細胞内に送る。第二シグナルは補助刺激
シグナル(costimulatory signal)とも呼ばれ、T細
胞、APC双方の細胞膜上に発現する接着分子間の相互
作用によりT細胞内に送られる。T細胞の活性化には第
一と第二の両方のシグナルが必要であり、第二シグナル
である補助刺激シグナルを阻害するとTリンパ球が不活
性化され、免疫学的不応答(アナジー)に陥ることが分
かっている。この補助刺激シグナルは、APC上に発現
するCD80(別名B7-1、B7/BB1)及びCD86(別名B7-2、B7
0)、そのカウンターレセプターであるT細胞上に発現
するCD28及び細胞障害性Tリンパ球関連抗原(CTLA-4)
の相互作用により主に伝達されると考えられている(Le
nschow, D. J., et al., Annu. Rev. Immunol. 14, 233
-258, 1996)。
子であり、TCRからの刺激によるT細胞の増殖及びさ
まざまなサイトカイン産生を増強する補助刺激レセプタ
ーとして機能していることが明らかにされている。CTLA
-4分子はCD28と構造的、機能的に非常に類似している分
子として知られている。CTLA-4ノックアウトマウスで
は、脾臓やリンパ節のT細胞が増え、心筋、甲状腺、膵
臓などの多くの臓器にT細胞浸潤が起こり、自己免疫病
により死亡することより、CTLA-4がT細胞応答のネガテ
ィブレギュレーターであることが示唆されている。CD2
8、CTLA-4のリガンドとして、1990年にLinsleyら(Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA, 87, 5031-5035(1990))によ
りCD80分子が、続いて1993年にAzumaら(Nature, 366,
76-79)によりCD86分子が同定された。CD80は膜貫通型
糖タンパク質で細胞内領域は短く、シグナル伝達部を有
しており、Igスーパーファミリーに分類されている。C
D86はCD80同様、Igスーパーファミリーに分類される膜
貫通型タンパク質であるが、CD80と異なり、細胞内領域
に3つの潜在的なプロテインキナーゼC依存性のリン酸
化領域を持つことから、シグナル伝達機能を有すること
が示唆されている。CD80、CD86ともT細胞の増殖、細胞
障害活性、胸腺内におけるT細胞分化に関与している。
CD28分子あるいはCTLA-4分子はCD80分子あるいはCD86分
子にそれぞれ結合できる能力を有しており、これらの分
子の発現時期や相互作用によって、T細胞の活性化また
は抑制、ひいては免疫系全体が影響を受けると考えられ
ている。
子及びCD86分子はT細胞の抗原応答やB細胞の相互作用
など様々な免疫機能発現に極めて重要な役割を果たして
おり、MHC/Ag複合体とTCR/CD3複合体による第一のシグ
ナルに続く補助刺激シグナルの主たる部分を担ってい
る。従って、この補助刺激シグナルを制御することによ
って免疫系全体を制御することができると思われる。こ
のような試みとしてCD28分子やCTLA-4分子に対する抗体
を用いる試みがあり、抗CD3抗体で予め刺激しているT
細胞に抗CD28抗体の存在下で抗CTLA-4抗体あるいは抗B7
抗体を作用させることにより抗CD28抗体のT細胞活性化
効果をさらに3倍弱増強している(Matthew F., et a
l., J. Exp. Med. 182, 459-465, 1995)。
例で述べたように、細胞表面上に発現しているレセプタ
ー分子と、これに対応するリガンド分子との結合により
送られるシグナルによって行われる。レセプターとリガ
ンドはお互いに相補的な関係にあり、2つの分子の結合
はお互い形の合う者同士でおこる。しかし、リガンド分
子において結合に最も重要な部位は限られており、その
相互作用部位の構造を明らかにすることでレセプターと
リガンドの結合をブロックしたり促進したりすることが
できる。従来、あるレセプター−リガンド系でどちらか
一方の相互作用部位を明らかにしようとする場合、その
タンパク質の全アミノ酸配列にわたって適当な長さのペ
プチドを合成し、その結合活性もしくは結合阻害活性に
より相互作用部位を明らかにするペプチドスキャンニン
グ方法がとられていた。あるいは、部位特異的突然変異
誘発法(site-directed mutagenesis)による結合部位
への関与を1つ1つのアミノ酸置換により調べる方法
か、フォトアフィニティー法によりタンパク質同士の結
合アミノ酸を特定化する方法が使われてきた。最近で
は、ファージランダムペプチドライブラリーを用いたス
クリーニング法が行われるようになってきた。これはSc
ottら(Science, 249, 386-390, 1990)によって開発さ
れた方法で、ファージの構成タンパク質であるpIIIタン
パクをコードする遺伝子(geneIII)にランダムなペプ
チド分子をコードする遺伝子を挿入することにより、ラ
ンダムなペプチド分子を含んだ形のpIIIタンパクをfd-t
etファージ(繊維状一本鎖DNAのファージ)上に発現さ
せ、ファージランダムペプチドライブラリーを作り、パ
ンニングなどで結合ファージをスクリーニングし、その
pIII遺伝子のシークエンスを行って、相互作用部位を決
定する方法である。この方法を用いると、数億種類にも
及ぶペプチドの集合体を化学反応で合成するよりも容易
に得られ、さらに必要に応じてその増幅が可能である。
利用して、ターゲット分子上の相互作用部位を同定する
ことが試みられている。一般的には、レセプターあるい
はリガンドを直接プレート上に固相化してパンニング法
によりファージランダムペプチドライブラリーをスクリ
ーニングする方法がとられている。しかし、相当数の目
的分子に結合するファージクローンが得られ、その大多
数は機能のない単なる結合ファージクローンであり、そ
の中からレセプター−リガンドの相互作用を制御するよ
うなペプチド配列を持ったファージを得ることは非常に
効率が悪く、困難であった。また、抗原指向性がはっき
りしている抗体を用いてファージライブラリーをスクリ
ーニングする場合には、比較的効率よく結合ペプチドが
得られている。例えば、抗p53モノクローナル抗体を用
いてp53分子上のエピトープの決定を行っている例で
は、種々の長さのランダムペプチドライブラリーを用い
ているが、抗p53モノクローナル抗体によって得られた
ものは、全てp53上のアミノ酸配列にホモロジーの高い
ものであり、その結果からエピトープを同定している
(Stephen, C. W., et al., J. Mol. Biol., 248, 58-7
8, 1995)。また、抗bFGF抗体を用いて6個のアミノ酸
配列をもったファージランダムペプチドライブラリーを
スクリーニングしたところbFGFのアミノ酸配列に類似の
ペプチド配列が得られ、そのアミノ酸配列を8個に拡張
して合成したペプチドがbFGFとそのレセプターFGFR-1と
の結合を阻害したとの報告がある(Yayon, A., et al.,
Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90, 10643-10647, 199
3)。また、アセチルコリンレセプターに対してコンフ
ォメーショナルなエピトープを認識する抗体に結合する
モチーフを6個のアミノ酸をもつファージランダムペプ
チドライブラリーを用いてスクリーニングしたところ、
アセチルコリンレセプターとはホモロジーがないが、こ
の抗体と結合するペプチド配列が得られている。しかし
ながら、アセチルコリンと結合するかどうかは何ら言及
されていない(Balass, M., et al., Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA, 90, 10638-10642, 1993)。
ルに関係している分子をターゲットにして免疫反応を制
御しようとする試みとして、B7分子やCTLA-4分子に対す
る抗体が用いられているが、その抗体の効果はT細胞活
性化を3倍弱増強するにとどまっており、十分に高いと
は言いがたい。また、彼らの実験では、具体的な抗原を
用いておらず、invivoの免疫反応において効果があると
の確証は得られていない。抗体以外のものとして、特
に、医薬品として望ましいと考えられる小分子をこのよ
うな補助刺激シグナルに関与した分子をターゲットにし
てデザインする試みはまだ報告されていない。
して、ターゲット分子の相互作用部位解析を行い、その
相互作用部位のアミノ酸配列を元にペプチドを合成し、
小分子をデザインするという方法がとられてきた。しか
し、従来の蛋白分子同士の相互作用部位の解析法により
相互作用部位のアミノ酸配列を明らかにし、そのアミノ
酸一次配列をもとにオリゴペプチドを作製しても、ター
ゲット分子の機能を代替するような小分子の設計は困難
であった。すなわち、重要な機能を有する蛋白分子の相
互作用部位は三次構造によって規定されており、たとえ
三次構造上相互作用に関与する部位が集積されていたと
しても、一次配列上では相互作用部位が散在しているた
め、相互作用部位のアミノ酸一次配列をもとにオリゴペ
プチドを作製しても、相互作用部位の三次構造を再構成
することは技術的に困難であり、機能小分子の設計は困
難であった。
用いた検索でも、レセプターあるいはリガンドを直接固
相化してパンニング法によりスクリーニングすると、レ
セプター−リガンドの相互作用を制御するような特別の
ペプチド配列を持ったファージを得ることは非常に効率
が悪く、困難であった。さらに、抗体のような比較的、
抗原指向性がはっきりしているタンパク分子を使ったス
クリーニングでも、抗体が結合するターゲット分子のア
ミノ酸の一次配列あるいは、それとホモロジーの高いモ
チーフを同定することに使われてきており、ホモロジー
がない場合は単に抗体と結合するだけのペプチド配列を
示す場合がほとんどであった。すなわち、抗体の結合す
るターゲット分子の三次構造をアミノ酸の一時配列に依
存せずに模倣する分子が得られたとの報告は未だされて
いない。ましてやAPC上に発現するCD80及びCD86と、
そのカウンターレセプターであるT細胞上に発現するCD
28及びCTLA-4をターゲットにして、免疫系を制御するよ
うな小分子を得たとの報告もない。さらに、ターゲット
分子のアミノ酸の一次配列に依存せずにそのような小分
子を作製する試みがなされたという報告もない。
に関与したMHC/Ag複合体とTCR/CD3複合体による第一シ
グナルに続く補助刺激シグナルに関与した分子間の相互
作用を制御する免疫制御分子及びその製造方法を提供す
るものであり、当該分子を利用して免疫系を制御するこ
とができる。さらに詳細には、本発明は、補助刺激シグ
ナルに関与した分子間の結合を阻止し、かつ当該分子の
立体構造を認識するモノクロナール抗体を用いて、ファ
ージランダムペプチドライブラリーより得られる、目的
蛋白分子の三次構造を模倣したペプチド配列をもつ免疫
制御分子及びその製造方法を提供する。
の立体構造を認識する抗Aモノクローナル抗体を用い
て、ファージランダムペプチドライブラリーからこの抗
体に結合するファージクローンを単離する場合、用いた
抗A抗体は分子A上の結合部位の三次構造の「鋳型」、
すなわち分子B上の結合部位の役割を果たすため、分子
Aの結合部位の三次構造と類似している構造をファージ
表面に提示したクローンに結合する。従来の分子Bをそ
のままスクリーニングに使用する方法では、分子B上に
数多くのファージ結合可能部位があり、A−B分子間の
相互作用に関係ない部分に結合するファージクローンも
同時に得られることになってしまい、スクリーニング効
率を非常に悪くしていた。一方、A−B分子間の相互作
用に関係している部分の立体構造を認識する抗Aモノク
ローナル抗体を使うことにより、相互作用に関係してい
る分子B上の部分の立体構造のみを抽出することにな
り、ターゲット領域を単一化することができ、その点で
ファージスクリーニングの効率を飛躍的に上げることが
できる。この立体構造を保持するためにペプチド単独の
状態にせずに、ファージ上に表現されたままで、分子B
との結合活性によりスクリーニングすれば、最終的に分
子Aと非常に構造の良く似た立体構造を持つペプチド配
列を有するファージを選択することができる。このペプ
チド配列は分子Aと非常に構造がよく似ていることか
ら、さらに、バイオアッセイ等により選択すれば、その
分子Aのアゴニストやアンタゴニストとしての活性を明
らかにすることができる。また、このようにして選択さ
れたペプチド配列をもつファージクローンの中には、そ
の立体構造が非常に分子Aと似ている構造をしているこ
とから、分子Aのアゴニスト・アンタゴニスト的な活性
ではなく、分子Aとは異なるが分子Aファミリーに属
し、同様の立体構造を持った分子Cのアゴニスト・アン
タゴニストとしても働くものが得られる。
刺激シグナルに関与したCD80及びCD86とCD28及びCTLA-
4、さらにこれらの分子と立体構造が非常に類似してい
るが、未だ明らかになっていない分子をターゲットにし
た免疫系を制御するような小分子をアミノ酸一次配列に
依存せずに作製することが可能になり、本発明の一つで
あるT細胞の活性化を促進するペプチド配列を得るに至
った。
ルに続く補助刺激シグナルに関与した分子をターゲット
にした小分子である。ここでいう補助刺激シグナルに関
与した分子とは、APC上に発現するCD80及びCD86と、
そのカウンターレセプターであるT細胞上に発現するCD
28及びCTLA-4、あるいは、未だ知られていないが、これ
らの分子と非常に立体構造がよく似ている分子である。
本発明の免疫制御分子は、第一シグナルに続く補助刺激
シグナルに関与した分子間の結合を阻止し、かつその分
子の立体構造を認識するモノクロナール抗体を用いて、
108種類以上の少なくとも8個以上の長さを持ったラ
ンダムなペプチド配列を提示するファージランダムペプ
チドライブラリーを、そのペプチド配列がファージに表
現された状態でスクリーニングすることによって得るこ
とができる。
ルに関与し、かつT細胞上に発現するCTLA-4に対する抗
体と結合するものであり、さらに、そのアミノ酸配列と
しての特徴は、2つのCys残基を持ち、該Cys残基を介し
て分子内S−S結合をしており、これら2つのCys残基
の間に少なくとも6個のアミノ酸配列を含む全体では少
なくとも8個のペプチド配列からなる分子である。ま
た、当該分子はCTLA-4分子のアミノ酸配列とはホモロジ
ーがほとんど無いという特徴がある。そのような分子と
しては、配列表配列番号4に記載したF2または配列表
配列番号8に記載したF6が挙げられる。この小分子
は、ファージクローンより得たF2及びF6のペプチド
配列情報に基づきその立体構造を保持した状態であれ
ば、何らかのキャリヤー上か、あるいは蛋白質に組み込
まれた形態であるか、またはペプチド合成によりペプチ
ド単独の形態でも使用可能である。さらに、F2または
F6をリード化合物として、F2またはF6の立体構造
が保持された範囲で当該ペプチド配列を欠失、置換、付
加または修飾させてもよい。
助刺激シグナルに関与した分子間を阻害する能力のある
抗体であればどのような動物種の抗体でもよく、抗体の
サブクラスやアイソタイプには限定されないが、コンフ
ォメーショナルエピトープを認識する抗体が望ましい。
本発明ではT細胞上に発現するCTLA-4に対する抗CTLA-4
抗体として、UC10-4F10-11モノクローナル抗体(ファー
ミンジェン社製)を使用しているが、これだけに限定さ
れるものではない。例えば、抗CD28抗体など、CTLA-4及
びCD80またはCD86との結合、あるいはCD28及びCD80また
はCD86との結合を阻害することができ、かつコンフォメ
ーショナルエピトープを認識するモノクローナル抗体で
あれば使用することができる。コンフォメーショナルエ
ピトープを認識する抗体とは、エピトープの立体構造を
認識する抗体、すなわち、その抗体の抗原結合領域がカ
ウンターパートの立体構造を再現しているような抗体を
いう。具体的には免疫沈降反応など抗原がネイティブな
状態であれば結合できるが、抗原が変性状態にある場合
に結合できない抗体のことであり、還元下の状態でウエ
スタンブロッティング法により抗原と結合できない抗
体、またはエピトープの構成アミノ酸配列をもとに合成
されたリニアなペプチドに結合できないような抗体のこ
とを指す。
ライブラリーは、ファージ表面にランダム配列を持つペ
プチドが提示されているものならば、いかなる種類のフ
ァージベクターも使用可能である。挿入されるランダム
なペプチド配列の長さは、8個以上のアミノ酸のランダ
ム配列が挿入されたものを用いるのが望ましく、特に好
ましくは15個以上のアミノ酸のランダム配列が挿入され
たものである。さらに、ランダムなペプチド配列はファ
ージの表面に提示されていれば、いかなるファージの構
成タンパク質に挿入されていても良いが、pIIIタンパ
クに挿入されたものが望ましい。pIIIタンパクのN末
端から4番目のAlaと5番目のGlyとの間(配列表配列番
号1に記載のアミノ酸配列において、それぞれ22番目
と23番目に相当する)に15個以上のアミノ酸のランダ
ム配列が挿入されているものならばペプチドモチーフの
両端に延びるアミノ酸配列がモチーフの三次構造に及ぼ
す影響を最小限におさえることができる。
ファージランダムペプチドライブラリーをスクリーニン
グすることにより始まる。スクリーニング方法としては
抗体をプレート上に固定化して使用する一般的なパンニ
ング方法や、抗体を固定化したアフィニティーカラム法
などを使用することができる。また、パンニング→ファ
ージ回収→ファージ増殖→パンニングの工程を3回以上
繰り返すことによって、目的のファージクローンを濃縮
することができる。このようなスクリーニング法によっ
て、抗CTLA-4抗体に結合するペプチド配列を持ったファ
ージクローンを得ることができる。通常このようにして
得られたファージクローンは、抗体との結合力の差や保
持されているペプチド配列の種類によっていくつかのク
ローン集団に分類することができる。ファージクローン
のシークエンスはジデオキシ法などの常法により簡単に
行うことができる。
ら、T細胞制御活性があるペプチド配列を選択するため
に、in vitroあるいはin vivoのアッセイ系よって更な
るスクリーニングをする必要がある。例えば、抗CTLA-4
抗体によって選ばれたファージクローンは、CTLA-4分子
と同様の働きをすることが期待されているので、CTLA-4
分子のカウンターレセプターであるCD80あるいはCD86と
結合するかどうか調べることができるアッセイ系により
選別することができる。また、補助刺激シグナルが関与
する分子が相互作用した結果を実際の免疫反応によって
調べることが可能なバイオアッセイ系によりファージを
選択することもできる。この場合のバイオアッセイ系と
は、T細胞の活性化の程度がわかる方法であれば、どの
ような方法でも良く、T細胞活性化の結果、産生される
サイトカインの量を調べる方法なども適用可能である。
抗原により一回感作された動物のT細胞や抗原提示細胞
をin vitroでペプチド配列を持つファージクローン単独
であるいは、抗原及びペプチド配列を持つファージクロ
ーンと共に刺激し、T細胞の活性化の程度を3Hチミジ
ンの取り込み度合いで調べる方法が望ましい。分類され
たファージクローンを、このような実際の免疫反応を反
映したアッセイ系に供することにより、結果として現在
知られていないメカニズムにより、T細胞を制御するよ
うなペプチド配列を持ったファージクローンが得られる
可能性がある。そのような望ましい例として、F6のア
ミノ酸からなるペプチド配列(配列表配列番号8)が示
される。このF6配列を持ったファージは、未だ知られ
ていないが、おそらくCD80あるいはCD86と良く似た他の
免疫関連因子と相互作用していると思われる。このよう
なペプチド配列をスクリーニングするためには、ペプチ
ドがファージ上に表現されたままでアッセイに供するこ
とが望ましい。立体構造が重要であるようなペプチド配
列の場合、ファージ上からペプチド状態にすると、その
立体構造が保持できない場合が多い。しかし、ファージ
クローンより得たペプチド配列情報に基づきその立体構
造を保持した状態でペプチドを合成することができるな
らば、前述のスクリーニング系にペプチド単独で供する
ことも可能である。
分子に結合し、さらにT細胞を活性化するペプチド配列
を持ったファージクローンを得ることができる。その好
ましい配列はF2(配列表配列番号4)である。また、
CD80やCD86分子とは結合しないが、T細胞を活性化する
ペプチド配列を持ったファージクローンも得ることがで
きる。その望ましい配列はF6(配列表配列番号8)で
ある。
ルに関与した分子の発現状態により、T細胞に対して正
の制御または負の制御を行うことができる。例えばCD28
が主として作用している状態では、その免疫制御分子は
免疫反応抑制因子として働くことができ、一方、CTLA-4
が主として作用している状態では、免疫反応活性化因子
として働くことができる。例えば、本発明のF2または
F6に代表される免疫制御分子は、T細胞の抗原特異的
な活性化を著しく(5〜10倍)促進することが可能で
ある。また、その免疫制御分子による制御活性は、抗原
の種類に依存するものではなく、当該分子と同時に免疫
反応の場に存在する抗原に対する免疫反応を制御するこ
とができる抗原特異的なものである。さらに、その制御
活性を発揮するためには、抗原と同一分子上に存在して
もよいが、抗原と個別に使用されてもよい。
子間の相互作用を制御する免疫制御分子は、結果として
免疫反応を制御することができることから、免疫反応が
係わる疾病には全て応用可能である。最も望ましい使用
法としては、ワクチンあるいは、ガンの抗原特異的な免
疫療法における免疫反応増強剤やアレルギー反応におけ
る免疫抑制剤としての使用などが挙げられる。また本発
明は、補助刺激シグナルに関与した分子以外に、一般的
なレセプター分子とそれに相互作用するリガンド分子あ
るいは、酵素分子と基質蛋白質等の生体高分子間の相互
作用を制御する小分子を設計するための新しい方法とし
ても提供する。生体高分子間の結合を制御する小分子
を、アミノ酸一次配列に依存せずに直接分子設計する事
ができる本発明は、レセプターとリガンドのアゴニスト
やアンタゴニストを分子デザインする上で有用な方法と
なる。この方法はすべての生体高分子に適用できるの
で、この新技術で明らかにされるペプチドモチーフの数
々は、今後の新規医薬品の開発に絶大な波及効果をもつ
と考えられる。しかも、波及効果は単に医薬品開発に留
まらず、選択的接着技術を必要とする医療材料、DDS等
の機能性材料分野の開拓、さらに分子間の特異的結合を
利用する応用技術一般へ影響を及ぼすと考えられる。以
下に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する
が、本発明はこれに限られるものではない。
Smithら(G.P.Smith,Science,Vol.249, p386-390(199
0))により報告されたファージランダムペプチドライブ
ラリーは、産生されるファージの先端にあるpIIIタン
パク分子をコードする遺伝子(geneIII)内に目的に応
じた長さのペプチド配列に相当するランダムな遺伝子を
挿入したものであり、pIIIタンパクは感染能力を保持し
たままでそのペプチド分子を含んだ形で発現するように
設計されたものである。配列表配列番号1にpIIIタン
パクのアミノ酸の1次配列を示した。この1次配列の2
2番目のAlaと23番目のGlyの間にランダムなアミノ酸
配列に対応する遺伝子を挿入することで、このペプチド
はpIIIタンパクと融合した形で発現する。この方法を用
いると、数億種類にも及ぶペプチドの集合体を化学反応
で合成するよりも容易に得られ、さらに必要に応じてそ
の増幅が可能である。今回のスクリーニングに用いたフ
ァージランダムペプチドライブラリーはNishi,Sayaら
(T.Nishi 実験医学、Vol.11p95-100(1993))により作
製されたもので、これはSmithらによって報告された方
法により作製されたものである。このファージランダム
ペプチドライブラリーは、その先端にあるpIIIタンパク
分子をコードする遺伝子(geneIII)内の、配列表の配
列番号1の22番目のAlaと23番目のGlyの間に15残基
のランダムなアミノ酸配列に対応する遺伝子が挿入され
て、pIIIタンパクとこの15残基のアミノ酸が融合した形
で発現するように設計されたものである。この15残基の
ランダムなペプチド分子をファージのpIIIタンパク内に
発現するファージ(fd-tet)を今回のスクリーニングに
用いた。
の活性》本発明の目的は、CD80とCTLA-4あるいはこれら
の分子と関連する分子と相互作用して、免疫調節作用を
示すペプチド配列をもつファージクローンを得ることで
ある。そこで実施例1に示したファージランダムペプチ
ドライブラリーのスクリーニングを、抗マウスCTLA-4モ
ノクローナル抗体(ファーミンジェンより購入:UC10-4
F10-11)を用いて、この抗体に特異的に結合するファー
ジクローンの単離を行った。この抗体に特異的に結合す
るファージのpIIIに含まれる15残基のモチーフは、CTL
A-4分子の抗体に認識される部分と同様な構造を持って
いると考えられる。この部分はリガンドへの相互作用部
位であるのでファージより得られたモチーフもCD80分子
またはCD86分子を認識し、CTLA-4分子とCD80分子または
CD86分子との相互作用に影響を与えるか、あるいはCD80
分子またはCD86分子に何らかのシグナルを伝える可能性
がある。
特異性を見るために、以下の操作を行った。この操作で
用いたCTLA-4-Ig及びCD80-Igキメラ分子は、Linsleyら
(J.Exp.Med.Vol. 174, p561-569(1991))の方法に従っ
て作製したCTLA-4-Ig及びCD80-Igのキメラ遺伝子断片
をpCDM8に組み込んだ発現プラスミド(上出(北大免疫
研)より恵与)を、それぞれDEAE-dextran 法を用いてC
OS7細胞に遺伝子導入後、培養72時間後の上清よりプロ
テインAセファロース(ファルマシア社)を用いて精製
したものを使用した。
クライト)に0.02%NaN3を含む50mMTris-HCl,pH7.5,150
mMNaCl(TBS)で希釈したCTLA-4-Ig(200ng/ml)を1
ウエルあたり50μl分注し、37℃で1時間反応後、0.5%
Tween20を含む50mM Tris-HCl,pH7.5,150mM NaCl(TBS
T)で洗浄した。各ウエルに1%牛血清アルブミン(BS
A)を250μl分注し、37℃で1時間反応させマスキング
を行った。各ウエルをTBSTで洗浄後、TBSで種々の濃度
に希釈した抗マウスCTLA-4モノクローナル抗体を1ウエ
ルあたり100μl分注し、37℃で1時間反応後、TBSTで洗
浄した。その後TBSで200ng/mlに希釈したビオチン標識
したマウスCD80-Igを1ウエルあたり50μl分注し、37℃
で1時間反応後、TBSTで洗浄した。最後にTBSで100倍に
希釈したアルカリフォスタファーゼ標識ストレプトアビ
ジン(Leinco Technologies Ltd.)を室温で1時間反
応、TBSTで洗浄後、基質であるp-ニトロフェニルリン
酸ナトリウム六水和物(和光純薬)を加え405nmにおけ
る吸光度を測定した。陰性対照として抗マウスCTLA-4モ
ノクローナル抗体の代わりにこの抗体と同じアイソタイ
プであるハムスター抗体(ハムスター血清の硫酸アンモ
ニウム(33〜55%)飽和画分をPBSに対して透析し
たもの)を用いた。その結果、図1に示すように、ここ
で用いた抗マウスCTLA-4モノクローナル抗体はCTLA-4-
IgとCD80-Igの結合を完全に阻害することを確認し
た。
ージクローンのパンニング》実施例2に示したCTLA-4-
IgとCD80-Igの結合を阻害する抗CTLA-4抗体を用い
て、以下に示す方法に従って実施例1に述べたファージ
ランダムペプチドライブラリーのパンニングを行った。
直径35mmのプラスチックプレート(岩城ガラス)に
抗マウスCTLA-4モノクローナル抗体を1枚あたり10μg/m
lを1mlコートし、ファージランダムペプチドライブラリ
ー(1.2×1012TU)と4℃で16時間反応させた。このプ
レートをTBSTで洗浄後、結合しなかったファージを取り
除き、0.1NHCl-glycine pH 2.2 (1mg/ml BSA,0.1mg/m
l フェノールレッド(ギブコ))を加え、抗マウスCTLA-4
モノクローナル抗体に特異的に結合したファージを溶出
し、回収後、pH9.1のTris-HClで中和した。得られたフ
ァージを大腸菌K91 kanに感染させ増殖させた後、パン
ニングに用いる抗マウスCTLA-4モノクローナル抗体の量
を5μg、1μgと減らしながら同じ操作を計3回行い、
より強く特異的に抗マウスCTLA-4モノクローナル抗体と
結合するファージの選別を行った。
ELISA法を用いた1次スクリーニングを行った。Smith等
の方法(G.P.Smith, Method in enzymology, Vol.217, p
228-257(1993), Academic Press Inc.)に従い精製した
各ファージ(4×109 virions/ well /40μl)を96ウエ
ルELISAプレート(住友ベークライト)に4℃で1晩で
コートしTBSTで洗浄し、0.02%NaN3,1%BSAを含む50mM
Tris-HCl,pH7.5,150mMNaClを1ウエルあたり100μl加
え、室温で2時間ブロックした。このプレートをTBSTで
洗浄後、抗マウスCTLA-4モノクローナル抗体(200ng/ml
/well/100μl)を加え室温で1時間反応させた。TBSTで
洗浄後、TBSで250倍に希釈したアルカリフォスタファー
ゼ標識の抗ハムスターIgG抗体(ザイメット)を室温で
1時間反応、洗浄後、基質であるp-ニトロフェニルリ
ン酸ナトリウム六水和物(和光純薬)を加え405nmにお
ける吸光度を測定した。その結果、抗マウスCTLA-4モノ
クローナル抗体と反応するファージクローンが21個確認
できた(図2)。
ローンの挿入ペプチドのアミノ酸配列の決定》実施例3
で得られた21個のファージクローンの挿入ペプチドに対
応する核酸塩基配列について、それぞれのファージから
DNAをSmithらの方法(G.P.Smith, Method in Enzymolog
y, Vol.217, p228-257(1993); Academic Press Inc.)
に従って回収し、配列表の配列番号2に示す合成DNAを
プライマーとして、Applied Biosystems社の373A-36S D
NA Sequencer を用いて核酸塩基配列の解析を行った。
このプライマーは配列表の配列番号1に示したアミノ酸
配列の37番のProから41番のAsnの領域に対応するもので
ある。核酸塩基配列の解析の結果、これらのファージク
ローンの、配列表の配列番号1に示すpIIIタンパクの2
2番目のAlaと23番目のGlyの間に含まれるアミノ酸配列
モチーフは、配列番号3から8に示す6種類のアミノ酸
配列に分類されることが確認された。これらのアミノ酸
配列をCTLA-4のアミノ酸配列と比較したが、ホモロジー
は認められなかった。これらのアミノ酸配列のモチーフ
を表1に示す。これらのアミノ酸配列モチーフを、それ
ぞれF1(配列番号3)、F2(配列番号4)F3(配
列番号5)、F4(配列番号6)、F5(配列番号7)
及びF6(配列番号8)とし、以下の解析を行った。
モノクローナル抗体との結合特異性》実施例4に示した
それぞれのモチーフが、特異的に抗マウスCTLA-4モノク
ローナル抗体に結合するかどうかについての検討を行っ
た。特異性の検討は実施例3に示したELISA法により行
った。陰性コントロールとして抗マウスCTLA-4モノクロ
ーナル抗体と同じアイソタイプである抗マウスCD28抗体
(ファーミンジェン、San Diego)およびハムスターIg
Gを用いた。検出抗体には抗ハムスターIgG抗体を用い
た。その結果、F2配列を発現するファージとF6配列
を発現するファージがより強く抗マウスCTLA-4モノクロ
ーナル抗体と反応し、F1配列、F4配列及びF5配列
を発現する各ファージは弱く反応することがわかった。
また、F3配列を発現するファージはさらに弱く反応し
た(図3)。なお、このF2配列を発現するファージを
産生する大腸菌がEscherichia coli F2[FERM BP-600
9]として、また、F6配列を発現するファージを産生
する大腸菌がEscherichia coli F6[FERM BP-6010]
として、1997年4月14日(原寄託日;1997年7月4日に
それぞれ微工研菌寄第P-16192号及び第P-16193号よりブ
ダペスト条約に基づく寄託へ移管)に通商産業省工業技
術院生命工学工業技術研究所に出願人により寄託されて
いる。
刺激活性》実施例5に示したように、今回得られた6種
類の配列を発現するファージは、抗マウスCTLA-4モノク
ローナル抗体と結合活性を有することから、これらの配
列を発現するファージは、アミノ酸配列は類似していな
いが、CTLA-4分子のホモローグとして、CTLA-4分子と同
様の働きをすることが期待される。そこで、まずT細胞
増殖に及ぼすこれらのファージの影響をマウスを用いて
検討した。実験にはBalb/cマウス(6週令)を用い(1
群4匹)、ファージはSmithらの方法(G.P.Smith, Meth
od in Enzymology, Vol.217, p228-257(1993); Academi
cPress Inc.)に従って精製した。ファージの量は、プロ
テインアッセイキット(バイオラド)を用いて牛血清ア
ルブミンをスタンダードとして測定し、タンパク濃度で
表した。
て、pIIIタンパクを発現していないファージ本体(W.
T.)を10μg(200μl/PBS)腹腔内投与した。投与4週間後
各マウスより常法に従って脾臓細胞を摘出し、この脾臓
細胞を96ウエルカルチャープレートに1ウエルあたり1.
5×105cells分注し、精製したW.T.のファージおよびF
1〜F6の配列を発現するファージを最終濃度0.015か
ら5μg/mlになるように加え、計200μl(10%FCSを含
むRPMI 1640培地)とし、各サンプルについて3検体ず
つ用意した。これらの試料を30分間氷上でインキュベー
ト後、3日間37℃、5%CO2の条件で培養を行った。培
養終了18時間前に[3H]チミジン(0.5μCi/well)でパ
ルスラベルを行い、セルハーベスターで細胞を回収し、
[3H]チミジンの取り込み量を液体シンチレーションカウ
ンターで測定した。その結果、図4に示すようにT細胞
の増殖は、F1、F3、F4、F5配列を発現するファ
ージを加えた群は、W.T.ファージを加えた群と同程度の
活性しか認められなかったが、F2およびF6配列を発
現するファージを加えた群は、W.T.ファージを加えた群
と比べて5倍から10倍のT細胞の著明な増殖が認めら
れた。以上のことからF2及びF6配列を発現するファ
ージにはT細胞の抗原特異的な増殖刺激活性があること
が示された。
ァージのマウスCD80への結合活性》実施例6でT細胞増
殖刺激活性を示した、F2及びF6配列を発現するファ
ージのCTLA-4のレセプターであるマウスCD80に対する結
合活性を調べた。結合活性の評価はELISA法を用いた。
F2およびF6配列を発現するファージ(4×109 virio
ns/well/40μl)を96ウエルELISAプレート(住友ベーク
ライト)に4℃で1晩でコートし、1%BSAを含む50mMT
ris-HCl,pH7.5,150mMNaCl(TBS)で室温で2時間ブロッ
クした。このプレートをTBSTで洗浄後、PBSで希釈した
マウスCD80-Igを200ngから1000ng/35μl加え、室温で1
時間反応させた。TBSTで洗浄後、TBSで100倍に希釈した
アルカリフォスタファーゼ標識の抗ヒトIgG抗体(ザイ
メット)を室温で1時間反応、洗浄後、基質であるp-
ニトロフェニルリン酸ナトリウム六水和物を加え405nm
における吸光度を測定した。その結果、F2配列を発現
するファージのみがマウスCD80-Igに濃度依存的に結合
することが確認された(図5)。
の特異性をみるために、F2配列を発現するファージを
コートしたプレートに対してマウスCD80-Ig,マウスCTL
A-4-Ig,ヒトIgGとの反応を、本実施例に述べた方法
に従ってELISA法により検討を行った。その結果、F2
配列を発現するファージはマウスCD80-Igのみ特異的に
反応する事が確認できた(図6)。
のヒトCD80-Igとの結合性》実施例7ではF2ファージ
がマウスCD80-Igと特異的に結合する事を示したが、次
に、このF2配列を発現するファージがヒトCD80-Igと
特異的に結合するかどうかを、実施例7、図5に示した
方法に従って検討した。ヒトCD80-Igの調製にあたって
は、Linsleyらの方法(J.Exp.Med. Vol.173, p721-730
(1991))に従って、ヒトCD80の細胞外ドメインとヒトI
g Cγ1領域との融合遺伝子を構築した。この融合遺伝
子断片がpCDM8に組み込まれた発現プラスミドを、DEAE-
デキストラン法を用いてCOS7細胞に遺伝子導入後、培養
72時間後の上清よりプロテインAセファロース(ファル
マシア社)を用いてヒトCD80-Igを精製した。調製され
たヒトCD80-Igを用い、F2配列を発現するファージの
ヒトCD80-Igへの結合活性を、マウスCTLA-4-Ig及びヒ
トIgGを陰性対照として調べたところ、図7に示すよ
うに、F2配列を発現するファージはマウスCD80-Igと
同様にヒトCD80-Igと特異的に結合する事が確認され
た。この結果は、F2配列を発現するファージは、ヒト
の免疫系にも作用しうることを示している。
対するF2及びF6配列を発現するファージのT細胞増
殖刺激活性》実施例6でF2及びF6配列を発現する各
ファージがT細胞増殖刺激活性を有することを示した。
実施例6では、最初の抗原刺激としてファージタンパク
を用い、in vitroの2次刺激ではこのファージタンパク
にF2あるいはF6配列が発現したものを用いた。つま
り実施例6では、抗原としてファージタンパク質を用
い、2次刺激の際に、この抗原とF2あるいはF6配列
が同じ粒子上に存在する状態で行われた。そこで、今回
認められたF2あるいはF6配列を発現するファージの
T細胞増殖刺激活性を、最初の抗原刺激として、ファー
ジとは全く異なる抗原(鶏卵リゾチーム)を用い、2次
刺激として、鶏卵リゾチームとF2あるいはF6配列を
発現するファージ粒子を個別に加える系で実施例6と同
様の検討を行った。
を10μg(100μl/フロイント不完全アジュバント(FI
A))皮下注射した。投与4週間後各マウスより常法に従
って脾臓細胞と所属リンパ節を摘出した。本実施例では
この脾臓細胞を調製後96ウエルカルチャープレートに1
ウエルあたり1.5×105cellsに分注し、各サンプルに鶏
卵リゾチームを3μg/mlで添加し、F2及びF6配列を
発現するファージを添加する時期を(各ファージの添加
量は1μg/ml)、鶏卵リゾチーム添加と同時、1日後、
2日後の3通りに設定した。陰性対照として、W.T.ファ
ージを添加した。培養以降の測定は実施例6に従った。
その結果、図8に示すように、最初の抗原刺激はファー
ジ由来の抗原でなくても(この場合は鶏卵リゾチー
ム)、F2及びF6配列を発現するファージは、T細胞
の抗原特異的な増殖刺激活性を示した。しかもこの活性
は、抗原と同一分子上になくても作用し、抗原と同時に
添加する方が効果が高いことが示された。
るF2及びF6配列を発現する各ファージのレセプター
特異性》F2及びF6配列を発現する各ファージは、実
施例5に示すように、抗マウスCTLA-4モノクローナル抗
体と反応し、そのうちF2配列を発現するファージは、
実施例7に示すようにマウスCD80-Igと特異的に結合す
る。そこで実施例9に示されたF2及びF6配列を発現
する各ファージのT細胞増殖刺激活性が、これらのレセ
プター−リガンドを介した反応によるものかを確認する
ために、実施例9で述べたF2及びF6配列を発現する
各ファージのT細胞増殖刺激活性に対するCD80-Ig及び
CD86-Igの影響を測定した。
μg(100μl/PBS)腹腔内投与し、投与4週間後各マウス
より常法に従って脾臓細胞を摘出した。本実施例では、
この脾臓細胞を96ウエルカルチャープレートに1.5×105
cellsに分注し、各サンプルに鶏卵リゾチーム3μg/ml
とF2あるいはF6配列を発現しているファージ(1μ
g/ml)とCD80-IgまたはCD86-Ig、または陰性対照とし
てヒト-Igを0から1μg/mlで添加し、実施例6で述べ
た方法に従ってT細胞増殖刺激活性を調べた。その結
果、図9に示すようにF2配列を発現するファージは、
CD80-Ig存在下では著しくT細胞増殖刺激活性が阻害さ
れ、CD86-Ig存在下では、CD80-Igの場合の40%程度の
阻害が認められた。Makらの報告によると、CTLA-4遺伝
子をノックアウトしたマウスではT細胞の過剰な活性化
がおこり、生後3〜4週間で死亡することから(Scienc
e Vol.270, p985 (1995))、CTLA-4分子がT細胞の活性
化を抑制する機能を有していることが示唆されている。
Makらの報告に従えば、今回得られた結果は、F2配列
を発現するファージがCD80またはCD86とCTLA-4の相互作
用に影響した結果、T細胞増殖を誘導したことを示唆し
ている。このように、F2配列を発現するファージが、
CTLA-4分子のT細胞の活性化に対する負の作用を阻害し
た可能性や、CD80またはCD86と結合することでAPCを
介してT細胞の活性化に対して正のシグナルを与えた、
などの可能性が考えられる。
ァージで行ったところ、図10に示すようにCD80-Igあ
るいはCD86-Igを添加しても全くT細胞増殖刺激活性が
阻害されず、F6配列を発現するファージはこれらのレ
セプター−リガンドとは別の分子を介してT細胞増殖刺
激活性を示しているものと思われる。これは、今回のよ
うに抗リガンド抗体を用いてファージランダムペプチド
ライブラリーのスクリーニングを行うことで、目的のリ
ガンドと似た未知のリガンド或いはレセプター様の分子
と相互作用するファージが得られることを示しており、
未知のリガンド或いはレセプターのスクリーニングに有
効であることを示している。
g)免疫マウスに対するF2またはF6配列を発現する
ファージの抗HBsAg抗体産生増強活性》実施例9におい
て、F2またはF6配列を発現するファージが、鶏卵リ
ゾチーム免疫マウスに対してT細胞増強刺激活性を有す
ることが示され、F2またはF6配列を発現するファー
ジが外来抗原に対しても免疫系の細胞を活性化すること
が明らかになった。そこで、次にこの免疫系の細胞の活
性化がワクチン抗原を免疫した際にも認められるかどう
かをHBsAgを用いて検討を行った。まず、Balb/cマウス
(4匹/1群)に対して、酵母産生組換えHBsAg(yHBsA
g;(財)化学及血清療法研究所)を10μg(100μl/PBS)
のみ、またはyHBsAgとともにF2またはF6配列を発現
するファージ(10μg/100μl)を腹腔内投与した。さら
に初回免疫より15日後に、同じ組み合わせのサンプルを
腹腔内投与した。初回免疫より3週間後各マウスより採
血を行い、血清をPBSで50倍、200倍、800倍希釈した
後、抗HBsAg抗体価をオーサブEIAキット(アボット社)
を用いて測定した。抗体価の定量は、キットに添付され
た陽性コントロールをスタンダードとして用いて行っ
た。その結果、図11に示すように、HBsAgのみを免疫
した群が示した抗HBsAg抗体価を1とした場合、F2ま
たはF6配列を発現するファージと共にyHBsAgを免疫し
た群は、3週間後の血中の抗HBsAg抗体価はそれぞれ17.
9,11.9であり、有意に高かった。この結果より、F2
またはF6配列を発現するファージがアジュバント活性
を有することが明らかとなった。
るpIIIタンパクのマウスCD80への結合活性》実施例7で
はF2及びF6配列を有するファージのマウスCD80への
結合活性について述べた。ファージ本体の構成タンパク
は主に、pIIIタンパク及びpVIIIタンパクであり、コピ
ー数で言えばpVIIIタンパクがpIIIタンパクの数百倍で
あることが知られている(Kremser A.,et al., Biochem
istry, Vol.33,p13954-13958(1994))。本発明において
は、ランダムなペプチド配列をpIIIタンパク上に発現さ
せていることから、pVIIIタンパクの本活性に対する影
響を見るために、ファージ本体よりF2及びF6配列を
発現するpIIIタンパクを単離し、マウスCD80への結合活
性を調べた。まず、F2及びF6配列を有するファージ
より、pIIIタンパク及びpVIIIタンパクをMortonらの方
法(J.Immunol.,Vol.156,p1047-1054(1996))及びWalun
asらの方法(J.Exp.Med., Vol.183, p.2541-2550(199
6))に従って、高速液体クロマトグラフィーカラムを用
いて精製した。次にF2配列を発現するpIIIタンパク
(F2-g3p),F6配列を発現するpIIIタンパク(F6-g3
p)を30ng/40μlで96ウエルELISAプレート(住友ベーク
ライト)に4℃で1晩でコートし、結合活性の評価は実
施例7に記載の方法に従って行った。その結果、図12
に示すようにF2-g3pはマウスCD80へ特異的に結合した
が、F6-g3pはマウスCD80に結合しなかった。このこと
は、実施例7に記載のファージ本体を用いた結果と一致
し、さらに、F2配列のマウスCD80への結合活性は、pV
IIIタンパクに全く依存しないことが明らかとなった。
るpIIIタンパクのT細胞増殖刺激活性》実施例6におい
て、F2及びF6配列を有するファージがT細胞増殖刺
激活性をもつことを示した。そこで、本実施例において
は、実施例12で述べた方法に従って調製したF2-g3p及
びF6-g3pのT細胞増殖刺激活性について検討した。実験
は、実施例6に記載の方法に従い、摘出した脾臓に対し
て、精製したF2-g3p及びF6-g3pを1μg/mlで添加し、以
降の操作も実施例6に記載の方法に従った。陰性対象と
して、F2及びF6配列とは異なる配列を発現している
pIIIタンパク(K7-g3p)、及びF2及びF6配列を有す
るファージより得られた、pVIIIタンパク(F2-g8p,F6-g
8p)を用いた。その結果、図13に示すように、F2-g3p
及びF6-g3pは共に強いT細胞増殖刺激活性を示した。こ
の結果は実施例6で示した結果とも一致し、さらに、T
細胞増殖刺激活性の発現は、pVIIIタンパクには依存し
ないことが明らかとなった。
チドのT細胞増殖刺激活性》実施例13で、F6-g3pがT
細胞増殖刺激活性を持つことを示した。pIIIタンパクは
配列表の配列番号1に記載のように432アミノ酸残基か
らなる大きなタンパク質であり、しかもファージ由来の
タンパク質である。これまで述べてきたF2及びF6配
列を有する分子の医薬品としての臨床応用を考えた場
合、生物活性を示す領域はできるだけ短いことが望まし
く、これらの配列を発現させる場合は安全性に優れたも
のが望ましい。そこで、F6配列のC末端に7個のアミ
ノ酸を付加した22残基からなる合成ペプチド(s-F6:
配列表の配列番号9)を合成し、このペプチドのT細胞
増殖刺激活性を調べた。ペプチドの合成はパーセプティ
ブ バイオシステムズ社のペプチド合成機(モデル90
50)を使用し、システイン残基の酸化は以下に示す方
法で行った。ペプチド合成機により合成されたペプチド
を定法により樹脂から切り出し減圧乾燥を行った。得ら
れた乾燥物2mgを1mlの4M尿素を含む0.5MTris-HCl
(pH8.6)に溶解させ、時々攪拌しながら室温で2時間放
置する。この反応物を逆相HPLCにより、酸化物を精製し
た。このようにして得られたs-F6のT細胞増殖刺激活性
を実施例6に記載の方法に従い測定した。摘出した脾臓
に対して、s-F6を2μM、20μMで添加し、陽性対象
としてF6配列を有するファージ添加群(5μg/ml)
を、陰性対象としてPBS添加群を用いた。以降の操作は
実施例6に記載の方法に従った。その結果、図14に示
すように、s-F6は用量依存的にT細胞増殖刺激活性を示
し、しかもF6配列を有するファージよりも強いT細胞
増殖刺激活性を示した。これらのことから、F6配列が
T細胞増殖刺激活性を担っていることがより明らかとな
り、小分子であるs-F6の医薬品としての応用の可能性が
示唆された。
クリーニングに用いた抗マウスCTLA-4モノクローナル抗
体の特異性を示したものである。
パンニングの結果得られた58個のファージクローンの抗
マウスCTLA-4モノクローナル抗体との反応性を示したも
のである。
モノクローナル抗体との結合性を示したものである。
殖に及ぼす影響を示したものである。
への結合能を示したものである。
スCD80-Ig,マウスCTLA-4-Ig,ヒトIgGへの結合活性
を示したものである。
CD80-Igへの結合活性を示したものである。
6配列を発現するファージクローンのT細胞増殖刺激活
性を示したものである。
胞増殖刺激活性に対するCD80-Ig,CD86-Igの影響を示
したものである。
細胞増殖刺激活性に対するCD80-Ig,CD86-Igの影響を
示したものである。
HBsAg抗体産生増強活性を示したものである。
したものである。
示したものである。
ある。
Claims (24)
- 【請求項1】 抗原提示細胞によるT細胞活性化におい
て、抗原提示細胞上及び/またはT細胞上の補助刺激シ
グナルの伝達に関与する分子に相互作用することにより
補助刺激シグナルの伝達を制御する免疫制御分子。 - 【請求項2】 当該補助刺激シグナルの伝達に関与する
分子に対するモノクローナル抗体により認識される、請
求項1記載の免疫制御分子。 - 【請求項3】 当該補助刺激シグナルの伝達に関与する
分子が細胞障害性Tリンパ球関連抗原4(CTLA-4)であ
り、当該モノクローナル抗体が抗CTLA-4モノクローナル
抗体である、請求項1または2に記載の免疫制御分子。 - 【請求項4】 当該補助刺激シグナルの伝達に関与する
分子がCD28であり、当該モノクローナル抗体が抗C
D28モノクローナル抗体である、請求項1または2に
記載の免疫制御分子。 - 【請求項5】 当該補助刺激シグナルの伝達に関与する
分子がCD80であり、当該モノクローナル抗体が抗C
D80モノクローナル抗体である、請求項1または2に
記載の免疫制御分子。 - 【請求項6】 当該補助刺激シグナルの伝達に関与する
分子がCD86であり、当該モノクローナル抗体が抗C
D86モノクローナル抗体である、請求項1または2に
記載の免疫制御分子。 - 【請求項7】 2個のシステイン(Cys)残基を有し、
当該システイン残基はCys−Cys結合を形成しており、か
つ当該Cys−Cys結合間に少なくとも6個のアミノ酸から
な配列を有するペプチドを含有する、請求項1または2
に記載の免疫制御分子。 - 【請求項8】 当該ペプチドが配列表配列番号4に記載
のペプチドで、少なくともアミノ酸番号4番目から15
番目の配列を有する、請求項7に記載の免疫制御分子。 - 【請求項9】 当該ペプチドが配列表の配列番号4に記
載のペプチドを有する、請求項7または8に記載の免疫
制御分子。 - 【請求項10】 当該ペプチドが配列表の配列番号8に
記載のペプチドで、少なくともアミノ酸番号8番目から
15番目の配列を有する、請求項7に記載の免疫制御分
子。 - 【請求項11】 当該ペプチドが配列表の配列番号8に
記載のペプチドを有する、請求項7または10に記載の
免疫制御分子。 - 【請求項12】 配列表の配列番号8に記載のペプチド
を有する免疫制御分子により認識される免疫関連因子。 - 【請求項13】 請求項1から11のいずれかに記載の
免疫制御分子を含有することを特徴とする免疫制御剤。 - 【請求項14】 請求項1から11のいずれかに記載の
免疫制御分子を組み込んだ、キャリヤーまたは蛋白質を
含有することを特徴とする免疫制御剤。 - 【請求項15】 請求項13または14に記載の免疫制
御剤を含有することを特徴とする免疫増強剤。 - 【請求項16】 請求項13または14に記載の免疫制
御剤を含有することを特徴とする免疫抑制剤。 - 【請求項17】 特異的な相互作用をする2分子のうち
のいずれか一方の分子の相互作用部位と類似した立体構
造を有するペプチド配列の製造方法であって、該分子の
相互作用部位の立体構造を認識する抗体を用いて8個以
上のアミノ酸配列を提示するファージランダムペプチド
ライブラリーをスクリーニングすることによって、該分
子の相互作用部位と類似した立体構造を有するペプチド
配列を単離することを特徴とする方法。 - 【請求項18】 当該分子の一つがCTLA-4である請求項
17に記載の方法。 - 【請求項19】 当該立体構造を認識する抗体が、抗CT
LA-4モノクローナル抗体である請求項17または18に
記載の方法。 - 【請求項20】 当該ペプチドが、2個のシステイン
(Cys)残基を有し、当該システイン残基はCys−Cys結
合を形成しており、かつ当該Cys−Cys結合間に少なくと
も6個のアミノ酸からなる配列を有するペプチドである
請求項17から19のいずれかに記載の方法。 - 【請求項21】 当該ペプチドが配列表の配列番号4に
記載のペプチドであり、少なくともアミノ酸番号4番目
から15番目の配列を有する、請求項20に記載の方
法。 - 【請求項22】 当該ペプチドが配列表の配列番号4に
記載のペプチドを有する、請求項20または21に記載
の方法。 - 【請求項23】 当該ペプチドが配列表の配列番号8に
記載のペプチドであり、少なくともアミノ酸番号8番目
から15番目の配列を有する、請求項20に記載の方
法。 - 【請求項24】 当該ペプチドが配列表の配列番号8に
記載のペプチドを有する、請求項20または21に記載
の方法。
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JP30968897A JP4025400B2 (ja) | 1997-04-16 | 1997-10-24 | 新規免疫制御分子及びその製造方法 |
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JP11530397 | 1997-04-16 | ||
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002513571A (ja) * | 1998-05-01 | 2002-05-14 | ザ・テキサス・エー・アンド・エム・ユニバーシテイ・システム | ネコcd80、ネコcd86、ネコcd28およびネコctla−4核酸およびポリペプチド |
JP5137015B2 (ja) * | 2005-11-11 | 2013-02-06 | 国立大学法人 東京大学 | Ptx3高感度測定法 |
JP2016014074A (ja) * | 2014-06-19 | 2016-01-28 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 | プログラム可能なナノロボットに添付されたセンサ、分子機械及びコントローラ |
JP2016525347A (ja) * | 2013-07-12 | 2016-08-25 | ザ・チルドレンズ・ホスピタル・オブ・フィラデルフィアThe Children’S Hospital Of Philadelphia | Aavベクター、及び抗aav(アデノ関連ウイルス)中和抗体についてのアッセイ |
-
1997
- 1997-10-24 JP JP30968897A patent/JP4025400B2/ja not_active Expired - Fee Related
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