JPH1114935A - 光空間伝送装置 - Google Patents

光空間伝送装置

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JPH1114935A
JPH1114935A JP9171799A JP17179997A JPH1114935A JP H1114935 A JPH1114935 A JP H1114935A JP 9171799 A JP9171799 A JP 9171799A JP 17179997 A JP17179997 A JP 17179997A JP H1114935 A JPH1114935 A JP H1114935A
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JP
Japan
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light
radiation pattern
shaping element
pattern shaping
angle
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Application number
JP9171799A
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English (en)
Inventor
Yasuhiko Shimomura
康彦 下村
Shigeru Oshima
茂 大島
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】発光素子の光パワーを安全性を保持しつつ通信
に有効利用させること。 【解決手段】光強度分布がほぼガウス分布状の光ビーム
を所定の光放射角内の広がりで放射するレーザ発光素子
(LD)21を用い、送信データ対応にこのLDを駆動して光ビ
ームを変調してデータを光送信する光空間伝送装置にお
いて、透明体で形成され、前記LDからの光ビーム光路中
に配置されて、その光ビームを透過させることにより光
強度分布について整形する放射パターン整形素子41であ
って、該放射パターン整形素子は自己に入射する光ビー
ムの放射パターン内での光強度が半値となる光放射角以
上の角度範囲の光を屈折あるいは反射を利用して前記半
値となる光放射角以下の立体角内に導く構造とし、前記
立体角内は光強度分布が前記ガウス分布よりも均一分布
に近づけた光ビームに整形することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば空間を介し
てデータ信号を送受信する光空間伝送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、煩雑な配線が不要であり、設置が
簡単との理由から、企業内や家庭内などの限られたエリ
ア内での通信システムのワイヤレス化が普及している。
光による空間伝送においても例外でなく、IrDA(In
fra-red Data Association)機器や拡散型光LAN等が
急速に普及している。
【0003】図10に従来技術による光空間伝送装置の
第1の構成を示す。図10において、11はLED(発
光ダイオード;Light Emitting Diode)、12はドライ
バ、13は受光素子、14は受信回路、15はカバーエ
リア、16は光送信器、17は光受信器、18はレンズ
を示す。LED11,ドライバ12,レンズ18は光送
信器6の構成要素であり、受光素子13,受信回路17
は光受信器17の構成要素である。
【0004】これらのうち、ドライバ12は入力される
データ対応の駆動信号を送り出すものであり、LED1
1はドライバ12から送られてきたデータ対応の駆動信
号にて変調駆動制御されて発光し、データ対応の光信号
を出力するものである。また、レンズ18はこのLED
11からの光信号を所定の範囲に広げるためのものであ
り、この所定の範囲に広げられた光信号の到達エリアが
図に示すカバーエリア15である。
【0005】また、受光素子13はカバーエリア等15
内において、受光した光信号を電気信号に変換して出力
するものであり、受信回路14はこの受光素子13の出
力信号を増幅して復調段へと出力するためのものであ
る。
【0006】このような構成の従来装置の作用を説明す
ると、まず、送信しようとするデータをドライバ12に
入力する。すると、このドライバ12では、このデータ
対応に駆動信号を発生し、この駆動信号はLED11に
変調信号として印加する。すると、LED11はこの駆
動信号対応に駆動されて発光して光信号として出力す
る。LED11から出力されたこの光信号は、レンズ1
8を通して空間に放出され、この光信号はカバーエリア
15内を伝搬する。
【0007】カバーエリア15内に配置された光受信器
17内の受光素子13は前記光信号を光電変換し、受信
回路14でデータとして取り出す。
【0008】このように、LED11から所定の光パワ
ーでの出射光を、所定のカバーエリア15に向けて照射
することで、光送信器16と光受信器17の間で、ワイ
ヤレスでのデータの送受信を可能としている。
【0009】LEDにはレンズを付加したもの(レンズ
付のLED)や、面発光型のものなどがあるが、これら
のうち、レンズ付LEDにおける光の放射パターン(光
の放射角度対放射強度)は概ね矩形である。また、面発
光型のLEDであれば放射パターンの水平・垂直のアス
ペクト比も“1”に近い。すなわち、カバーエリア15
の横断面の横と縦の方向を水平と垂直とした場合に、放
射パターンの水平・垂直のアスペクト比は、面発光型L
EDでは“1”に近い。
【0010】このため、面発光型LEDでは、カバーエ
リアは概ね真円で、カバーエリア内の光放射強度分布も
ほぼ平坦である。従って、LEDの光パワーを無駄にす
ること無く、有効に通信に利用できる。しかし、50
[Mbps]や100[Mbps]を超える高速のデータ伝送
を実施するためには、高速変調が不可欠であり、当該高
速変調が可能で高効率という点から考えると、発光素子
としてはその特性上、LEDよりもLD(レーザ・ダイ
オード;Laser Diode)を使用する方が有利である。
【0011】図11に、LDを用いた従来技術での光空
間伝送装置の構成例を示す。図11において、12はド
ライバ、21はLD、22はレンズ及び拡散板を示し、
これらは光送信器16を構成する。拡散板はこのLD2
1からのレーザ光を光散乱させるものである。また、1
3は受光素子、14は受信回路であり、これらは光受信
器17を構成する。また、15は光信号の受信可能なエ
リアであるレーザ光のカバーエリアである。
【0012】これらのうち、図10と同一の符号と名称
を付したものは同一のものを指している。動作は図10
と殆ど同じである。但し、LD21の放射ビームは空間
的コヒーレンシィが高いため、人体保護の観点からLD
光を拡散板22で一旦拡散させている。また、カバーエ
リア15内に有効に光パワを照射するためにレンズ22
で集光している。
【0013】このような構成のシステムは、送信しよう
とするデータをドライバ12に入力する。すると、この
ドライバ12では、このデータ対応に駆動信号を発生
し、この駆動信号はLD21に変調信号として印加す
る。すると、LD21はこの駆動信号対応に駆動されて
発光してレーザ光による光信号として出力する。LD2
1から出力されたこの光信号はレンズ及び拡散板22を
通して拡散されることにより、コヒーレンシィが弱めら
れて空間に放出され、カバーエリア15内に伝搬され
る。
【0014】カバーエリア15内に配置された光受信器
17では当該光受信器17内の受光素子13は前記光信
号を光電変換し、受信回路14でデータとして取り出
す。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このように、LDを用
いた従来の光空間伝送装置では、LDからの光信号を拡
散板で拡散させて空間に放射しているが、LDの光ビー
ムの横断面が楕円形状で、光強度分布の変化が大きいと
いう点で解決すべき問題を抱えている。
【0016】すなわち、光信号はその光強度が所定レベ
ル以上ないと、受信側での受信ができない。従って、光
受信器は光信号の強度が所定レベル以上あるエリア(こ
れがすなわちカバーエリアである)において受信に供す
るが、光強度が位置により大きく変化すると云うこと
は、使用できない光強度のエリアがあることを意味し、
これはLDの光ビームのうち、活用できない部分がある
ことを意味する。
【0017】このことについて、考察してみる。ここ
で、LDの放射パターンとカバーエリアの関係につい
て、図12を用いて説明する。LDの放射パターンは概
ねガウス分布で近似され、図12に示したような形とな
る。このLDの放射光がレンズを通過した後でのその光
束の放射パターンは、光束の横断面で見た場合、縦軸や
横軸を伸縮した形、例えば、楕円形状となる。この時、
カバーエリア15は光受信器17で所定のS/N(信号
/雑音比)を満たす光強度P以上の値を持つ±θcov
の領域で規定される。
【0018】すなわち、レーザ光束の分布領域のうち、
所定のS/Nを満たすPなる光強度レベルを持つ領域の
境界を|θcov|とすると、±θcnv内の領域がカバーエリ
アと定義される領域である。
【0019】例えば、図13に示すように、放射パター
ン(ガウスパターン)の半値半角±θ0で光強度Pを持
つとする。この時、通信に寄与するカバーエリア内の光
パワーは約50%であり、従って、通信に寄与しないカ
バーエリア外の光パワーはLDの全光パワーの約50%
にも達し、光パワーの無駄が多い。
【0020】つまり、LDの発光するレーザ光の50%
は利用されないことになる。そのため、50%分の光パ
ワーで光伝送を行うことになるから、LDに必要な発光
レーザビームのパワーも50%のロスを見込んだ十分に
大きなレベルが要求されることになる。
【0021】そして、必要とするLDの光パワーが大き
いと、高価なLDやドライバが必要となり、コストアッ
プや装置の大型化、さらにはエネルギ浪費の原因とな
る。
【0022】また、カバーエリア内光強度の平坦度が良
くないので、光受信器に要求されるダイナミック・レン
ジも大きくなり、これもコストアップに繋がる。
【0023】またLDやドライバの放熱対策も講じなけ
ればならない。また、安全面の見地から、放射パターン
のピーク・レベルは所定の光強度以下に抑えられる必要
があるが、この要求に逆行することになる。
【0024】一方、カバーエリアの端である±θ0付近
では安全面からの所定光強度よりもかなり小さい値をと
ることになる。
【0025】このため、安全性を確保した上で、所定の
カバーエリアを満たすことが困難となる。更にLDの放
射パターン(LDから放射されるレーザ光の光束の断面
形状)はその水平軸方向(x軸方向)と垂直軸方向(y
軸方向)とで、例えば半値全角で“10°”と“25
°”というように、楕円である。この楕円は、通常、よ
く使用される球面レンズを用いる限り、楕円のままであ
る。しかし、放射パターンが楕円であると、受光側にレ
ンズを設けてこのレンズで絞って結像させたとしても、
この絞られた像も楕円であり、受光素子の受光面との整
合性が良くない。
【0026】つまり、受光素子において有効に光信号が
照射される受光面積は受光面の一部となってしまう。こ
の場合、受光素子の浮遊容量が必要以上に大きくなるた
め、受信できるデータ速度が低くなってしまう。また、
受光面で楕円の一部しか受光面で受光できないと、受光
パワーが小さくなってしまう。
【0027】結局、放射パターンが楕円であると、光パ
ワーを無駄にしてしまい、高速化を阻む要因にもなる。
【0028】従って、発光素子の光パワーを有効に活用
できるようにする技術の確立が、嘱望されるところであ
る。
【0029】そこで、この発明の目的とするところは、
発光素子から出力される光パワーを無駄にすることな
く、その殆どを安全性を確保した上で、通信に有効に寄
与させることができるようにした空間伝送用の光伝送装
置を提供することにある。
【0030】そして、これにより、安価で小型の光伝送
装置を提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の光伝送装置は、光強度分布がほぼガウス分
布状の光ビームを所定の光放射角内の広がりで放射する
レーザ発光素子を用い、送信データ対応にこのレーザ発
光素子を駆動して光ビームを変調することにより、デー
タを光送信する光空間伝送装置において、前記レーザ・
ダイオードからの光ビーム光路中に配置されて、光を拡
散することにより光の空間的コヒーレンスを低減する拡
散板と、前記レーザ・ダイオードからの光ビーム光路中
に配置されて、その光ビームを透過させることにより光
強度分布について整形する放射パターン整形素子であっ
て、当該放射パターン整形素子は自己に入射する光ビー
ムの放射角度対光強度特性である放射パターン内での光
強度がピーク値の半値となる光放射角以上の角度範囲の
光を屈折あるいは反射を利用して前記半値となる光放射
角以下の立体角内に導く構造とし、前記立体角内は光強
度分布が前記ガウス分布よりも均一分布に近づけた光ビ
ームに整形することを特徴とするものである。
【0032】このような構成において、光源として例え
ば、レーザ・ダイオードのようなレーザ発振素子を用い
てデータを光信号として送信する場合、レーザ・ダイオ
ードの特性として、光強度分布がほぼガウス分布状とな
り、しかも、ビーム形状が楕円形状の光ビームとなる。
本発明では、レーザ発光素子からの光ビーム光路中に光
強度分布を整形する放射パターン整形素子を配置する。
【0033】放射パターン整形素子は、透明体であり、
当該放射パターン整形素子は自己に入射する光ビームに
おける放射パターン内での光強度が放射パターン内のピ
ーク値の半値となる光放射角以上の角度範囲の光を屈折
あるいは反射を利用して前記半値となる光放射角以下の
立体角内に導く構造とであり、この放射パターン整形素
子を透過した光ビームは前記立体角内において光強度分
布が前記ガウス分布よりも均一な分布になる。前記立体
角内は、受信側において、光信号として受信可能な領域
であり、この領域が従来と同じとすれば、送信側のレー
ザ・ダイオードは従来構成の装置より、出力の小さいも
のを使用できることになり、また、従来装置と同じ出力
のレーザ・ダイオードを使用したとすれば、上記立体角
の範囲は広くできることになる。
【0034】すなわち、本発明の空間伝送用光伝送装置
によれば、レーザ・ダイオードから出力される光パワー
の無駄を極力減らすことができる。つまり、本来はカバ
ーエリア外に照射されていた光を屈折や反射を利用して
カバーエリア内に入射させるので発光素子から出力され
る光パワーの殆ど全てを通信に寄与させることができ
る。そして、これにより、安価で小型の光送受信器を提
供することができる。また、カバ一エリア内光強度の平
坦度が良くなるので、人体に対する安全性も容易に確保
できる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について図
面を参照して説明する。
【0036】(第1の実施例)図1は本発明の第1の実
施例を示す構成図である。図1において、41は放射パ
ターン整形素子を示す。12はドライバ、21はLD、
41は放射パターン生計素子を示し、これらは光送信器
16を構成する。
【0037】また、13は受光素子、14は受信回路で
あり、これらは光受信器17を構成する。また、15は
光信号の受信可能なエリアであるレーザ光のカバーエリ
アである。
【0038】これらのうち、ドライバ12は入力される
データ対応の駆動信号を送り出すものであり、LD21
はドライバ12から送られてきたデータ対応の駆動信号
にて変調駆動制御されてレーザ発光し、データ対応の光
信号を出力するものである。また、放射パターン整形素
子41はLD21から出射された光信号を整形して空間
に放射するものであり、LD21からの光信号を所定の
範囲に広げる役割も持つと共に、この所定の範囲に広げ
られた光信号の到達エリアが図に示すカバーエリア15
である。放射パターン整形素子41は、カバーエリア1
5外に放出される光信号を、カバーエリア15内におけ
る光パワーの分布密度の低い領域に導くことによって、
光パワーの分布密度の平準化を図ると共に、カバーエリ
ア15外に放出される光信号量を少なくするように光放
射パターンを整形するものである。
【0039】また、受光素子13はカバーエリア等15
内において、受光した光信号を電気信号に変換して出力
するものであり、受信回路14はこの受光素子13の出
力信号を増幅して復調段へと出力するためのものであ
る。
【0040】このような構成のシステムは、送信しよう
とするデータをドライバ12に入力する。すると、この
ドライバ12では、このデータ対応に駆動信号を発生
し、この駆動信号はLD21に変調信号として印加す
る。すると、LD21はこの駆動信号対応に駆動されて
発光し、これはレーザ光による光信号として出力され
る。LD21から出力されたこの光信号は、光信号出射
口側に設けられた放射パターン整形素子41を透過する
ことによって放射パターンを整形された後に、空間に放
射される。空間に放射された光信号は、カバーエリア1
5内に配置された受光素子13にて光電変換され、受信
回路14でデータとして取り出される。
【0041】放射パターン整形素子41を介した時と介
さない時との光送信器16からの光信号の放射パターン
(光信号の光強度分布)を図2に示す。図2において、
Iは放射パターン整形素子41を介さない時の光送信器
16からの光信号の放射パターンを示し、IIは放射パタ
ーン整形素子41を介した時の光送信器16からの光信
号の放射パターンを示す。
【0042】放射パターン整形素子41は、放射パター
ン整形素子を介さない場合においてカバーエリア15外
に放射される光パワーを、屈折もしくは反射を利用して
カバーエリア15内に入射させる働きを有する光学素子
であり、本実施例の場合、カバーエリア15内にほぼ全
体の光信号が均等な光放射強度で分布する矩形状の放射
パターンIIを確保するような放射パターン整形機能を持
たせてある。
【0043】すなわち、放射パターン整形素子41は、
カバーエリア外からカバーエリア15内に入射する光パ
ワーの方向を制御して、カバーエリア15内での光強度
分布が平坦になるように光学的に設計された光学素子で
あり、このようにすれば、放射パターン整形素子41を
透過させた光信号の放射パターンは、図2に符号IIを付
して示す特性図の如き矩形のものが得られる。そして、
このような矩形の放射パターンが得られると、LD21
からの光ビームのうち、カバーエリア外に放射されるも
のは殆どなくなり、LD21の出力光は殆どすべてがカ
バーエリア15内にあることになって、LD21の出力
光の殆どすべてを通信に寄与させることが可能になり、
光パワーの無駄を無くすことができるようになる。
【0044】従って、従来に比べて、より小出力のLD
の使用が可能となり、その分、素子が安価で済み、しか
も、放熱装置が小型のものを適用できる。また、光受信
器も大きなダイナミック・レンジを必要としない安価な
装置が適用できるようになる。
【0045】また、レーザ光に対する安全面について
も、カバーエリア内光強度の平坦度が良いので、容易に
安全性を確保できる。更にカバーエリア外に放射される
信号光が殆ど無くなるので、他の光空間伝送装置との干
渉特性や秘話特性にも優れたものになる。
【0046】<放射パターン整形素子41の具体例(1)
>次に図3に、本発明を実現するに重要な素子である放
射パターン整形素子41の具体的な構成の第1の例を示
す。
【0047】図3において、21はLD、41は放射パ
ターン整形素子である。図3(b)に斜視図を示すよう
に、放射パターン整形素子41はガラスやプラスチック
等の光学的に透明な材料を用いて四角錐台形状に形成し
た構造の素子である。
【0048】図3(a)に光学的作用の関係を示す。図
において、xはx方向軸、yはy方向軸、zはz方向軸
であり、θはLD21のレーザ光出射方向(z方向)と
放射パターン整形素子41の斜めの面(四角錐台の側周
面)41aとが成す角度である。この放射パターン整形
素子41をLD21のレーザ光出射方向(z方向)に対
して図3(a)のように円錐台形の底部41bをLD2
1に光信号出射面側に向け、かつ、円錐台形の中心軸線
をz軸に合わせて配置する。
【0049】次に上記構成の本システムの動作について
説明する。LD21からの光信号の放射角を“θLD”、
放射パターン整形素子41通過後の光信号の放射角を
“θOUT”、カバーエリア15の最大放射角度を“θ0
とする。また、LD21自身の放射パターンの半値半角
も“θ0”とする。
【0050】いま、θLD=θ0の時に光が放射パターン
整形素子41の点Aに到達するとする。ここで、点A
は、放射パターン整形素子41の傾斜面41aと上面4
1cの境界におけるある点である。
【0051】θLDとθ0との関係は、Snell(スネル)の
法則を基本に、光線追跡を行うことで得られる。LD2
1からの光信号の放射角“θLD”が“0”〜“θ0”よ
り小さい範囲にある時は、光は放射パターン整形素子4
1中の平行平板の部分(平らな底部41bと上面41c
との織りなす部分)を通過するので、θLD = θ0
ある。
【0052】θLDがθ0より大きくなると、放射パター
ン整形素子41中に入射された信号光は放射パターン整
形素子41の斜めの面(傾斜した側周面)41aのエリ
アに到達する。
【0053】θLD = θ0 の時に、放射パターン整
形素子41中の光が、光軸との間とで成す角度θ1は、S
nellの法則により、 θ1 = sin-1(sinθ0 / n) となる。ここで、nは放射パターン整形素子41の屈折
率であり、放射パターン整形素子として光学材料の一種
である例えばBK−7を用いた場合は、この屈折率nは
“約1.5”である。次にレンズから出射された光が四
角錐台形の放射パターン整形素子41の斜面の法線(傾
斜した側周面の法線)と成す角度をθ2とすると、この
θ2は、 θ2 = sin-1[n×cos(θ+θ1)] となる。従って、θOUTは、 θOUT = (π/2)−θ2+θ となる。但し、πは円周率である。θOUTは、負の値を
とるようにθを設定する。つまり、 θOUT = −θ0 となる“θ”に設定すれば、放射パターン整形素子41
から出射される光は−x方向に進み、カバーエリア15
に有効に光パワーを集めることができる。
【0054】これらをまとめると、θとθ0の間には以
下のような関係が成り立つ。
【0055】θ0=θ−(π/2)+sin-1[n×cos
{θ+sin-1(sinθ0/n)}] そして、それぞれのパラメータの数値誤差は、±10%
以下程度であれば、良好な特性が得られる。
【0056】あるθの場合のθLDとθOUTの関係の一例
を、図4にグラフとして示す。カバーエリア15である
“−θ0”〜“+θ0”の範囲では、θLDがそのままθ
OUTとして出力される。θLDが+θ0を超えると、−θ0
に振れ込んで徐々に増加していく。
【0057】θLDが−θ0よりも小さくなった場合は逆
になる。
【0058】図5に、LD21からのレーザ光の放射パ
ターンが、放射パターン整形素子41を通すことによっ
て変化する様子を示す。
【0059】図5について説明する。課題で述べたよう
に、LD21からのレーザ光の放射パターンはガウス型
で近似される。図5に符号Pgを付して示したパターン
がLD21のレーザ光の光強度分布を示すガウス型パタ
ーンの放射パターンであり、符号Prを付して示したパ
ターンがガウス型パターンを整形して、最終的に得たい
分布形状である矩形パターンである。
【0060】矩形パターンPrはガウス型パターンPg
での放射角−θ0〜θ0の範囲をエリアとする矩形であ
り、ガウス型パターンPgと矩形パターンPrと比較し
てみると、両者の差の部分はガウス型パターンPgにお
ける放射角−θ0〜θ0外の領域部分とほぼ一致する。従
って、ガウス型パターンPgにおける放射角−θ0〜θ0
の外の領域の成分を、ガウス型パターンPgにおける放
射角−θ0〜θ0内の傾斜部分に埋め込めば、放射角−θ
0〜θ0の範囲において矩形の光強度分布を呈する放射パ
ターンにすることができる。
【0061】すなわち、カバーエリア15外で、かつ−
θ0に近い順に大きな光パワーΔP1,ΔP2、ΔP
3、…を、カバーエリア15内で最も放射強度の小さい
部分から順に対応させて導いて補充していくことで、カ
バーエリア15内での光パワーの分布の平準化ができ
る。また、+θ0よりも大きいカバーエリア15外の光
も同様に、カバーエリア15内に導いて埋めることで平
準化ができる。
【0062】このようにすれば、従来はカバーエリア1
5内で最も光強度の小さかった±θ0付近の領域での光
強度を、大きくすることができる。そして、場合によっ
ては放射パターンをほぼ矩形にすることができる。
【0063】従って、放射パターン整形素子41を用い
ることによって、出力する光信号の光パワーを効率よく
利用することができるようになり、光信号の出力源であ
るLD21自身の光出力を小さく抑えても十分なS/N
で光信号の伝送が可能になる。
【0064】以上は、四角錐台形の形状の放射パターン
整形素子41を用いて、カバーエリア外の光信号を、カ
バーエリア内に導くようにし、これによって、LD21
の出力する光信号の光パワーを、効率よく利用できるよ
うにしたものであった。
【0065】そして、以上においては、放射パターンの
振る舞いを2次元的に説明し、この2次元空間上での効
率の良い放射パターン整形素子41の形状と、その作用
を説明した。しかし、実際には放射パターンは3次元的
である。
【0066】そこで、3次元空間で見た場合での効率の
良い放射パターン整形素子41の形状と、その作用を次
に説明する。
【0067】<放射パターン整形素子41の具体例(2)
>四角錐台形の放射パターン整形素子41の場合、図3
におけるx及びy座標に沿った光の成分は、斜めの面
(傾斜した側周面41a)と一致するので、z軸を通る
子午面内の方向に向かう。しかし、x,y両方の成分を
持った光はz軸を通らず、子午面以外の方向に飛ぶ。
【0068】これを回避するためには、斜めカットする
面数を増やせば良い。
【0069】例えば、8面、16面カットを施した角錐
台形状のものを用いるようにすれば、より多くの成分の
光にも対応できるようになる。そして、カットする面数
を極限にすると、図6の(a)に示すような円錐台の形
になる。また、図3では放射パターン整形素子を横から
見た時、斜めの面を直線で構成したが、曲面であっても
良い。
【0070】このようにすれば、設計の自由度が広が
り、更に積極的な放射パターンの整形ができる。
【0071】図6の(c)に、θLDとθOUTの関係の一
例を示す。斜めの面(傾斜した側周面)を直線で構成し
た場合、θLDが+θ0を超えると、θOUTが減少して、θ
OUT=0を横切る。しかし、斜めの面(傾斜した側周
面)を曲面で構成することで、カバーエリア15中で最
も光強度の大きいθ(θOUT=0)を超えない様に設計
できる。
【0072】θLDが−θ0より小さくなった場合も同様
である。斜めの面(側周面)を曲面で構成する具体的な
例としては、半球面レンズの頂点付近をカットしたよう
な図6(b)の形が考えられる。
【0073】ところで、従来技術でも述べたように、L
D21の放射パターンは垂直と水平とで異なっており、
楕円である。すなわち、光ビームの形状の縦横方向の光
強度分布とその分布範囲が異なっており、楕円である。
垂直と水平とのアスペクト比A(光ビーム形状の縦横
比)を“1”に近づけるために、シリンドリカルレンズ
を使用しても良い。
【0074】ここで、便宜的にLD21の発光するレー
ザ光の光強度分布である放射パターンの垂直方向(光軸
方向(z軸方向)から見てy軸方向)の半値半角を“θ
0”、そして、LD21の発光するレーザ光の放射パ
ターンの水平方向(光軸から見てx軸方向)の半値半角
を“θ//0”と表すこととし、これらの関係が今、 θ 0 > θ//0 であったとする。すなわち、レーザ光の放射パターン
は、y軸方向が長く、x軸方向が短い楕円形状である。
そして、この楕円形状を円形状に修正するには、例え
ば、凸型のシリンドリカルレンズを用いて、θ 0位置
をレンズ効果で縮め、θ//0位置は縮めずにそのまま出
力するようにする。
【0075】このようにして、アスペクト比Aを改善
し、円形の放射パターンに近づけることができる。
【0076】凸型のシリンドリカルレンズの位置につい
て述べる。レンズの焦点距離を“f”(但し、f>
0)、アスペクト比を“A”(但し、A=(θ 0/θ
//0)>1)、そして、LD21とレンズの間の距離を
“L”とする。
【0077】この時、θ//0の方の光線行列は、光軸か
らの距離を“x”、光線の傾きを“x′”として、
【数1】
【0078】上の2式でそれぞれ光線の傾きを示すx′
と −(1/f)y+((−L/f)+1)y′ とについて、y=0として、アスペクト比Aでθ 0
向のビームが絞られるので、 1 : A = (−L/f)+1 : 1 ∴L=f*(1−(1/A) 凸型のシリンドリカルレンズはLD21に対して、上記
の距離Lで配置すればよい。また、シリンドリカルレン
ズは必ずしも、凸型レンズでなくても良く、凹型レンズ
であっても良い。
【0079】この場合、凹型のシリンドリカルレンズを
用いて、θ//0をレンズの効果で広げるようにし、θ 0
はそのまま出力して、アスペクト比Aを調整する。凹型
のシリンドリカルレンズの位置について上と同様に述べ
る。
【0080】レンズの焦点距離を“f”(但し、f<
0)、アスペクト比を“A”(但し、A=θ 0/θ//0
> 1)、LD21とレンズとの間の距離を“L”と
する。この時、θ 0の方の光線行列は、光軸からの距
離を“x”、光線の傾きを“x′”として、
【数2】
【0081】同様に、θ//0の方の光線行列は、光軸か
らの距離を“y”、光線の傾きを“y′”として、
【数3】
【0082】上記2つの式で、それぞれ光線の傾きを示
すx′と、−(1/f)y+((−L/f)+1)y′
とについて、y=0として、アスペクト比Aでθ//0
向のビームが広げられるので、 A : 1 = (−L/f)+1 : 1 ∴ L=f*(1−A) 従って、凹型のシリンドリカルレンズはLD21に対し
て、上式で求められる距離Lを以て配置すれば良い。
【0083】しかし、上述の方法では、アスペクト比A
は改善できるが、ガウスパターンのままとなる。従っ
て、更に、放射パターン整形を行うには、今までに述べ
た方法を組み合わせて使用することができる。それにつ
いて説明する。
【0084】<放射パターン整形素子41の具体例(3)
>アスペクト比Aを改善し、かつ、ガウスパターンを呈
している放射パターンを所望に整形できるようにする放
射パターン整形素子41の具体的構成例を図7(b)に
示す。図7(b)の構成は、四角錐台上に凸型のシリン
ドリカル面を形成した形状の構成である。そして、放射
パターン整形素子41は図7(a)に示すように、LD
21に対して、そのθ 0をレンズ効果が得られる方向
に沿うように配置する。
【0085】更に凸型のシリンドリカル面の位置は、上
述の凸型のシリンドリカルレンズ単体の場合と同様であ
る。尚、θ//0の方については、図3の場合と同様に考
えればよい。
【0086】次に、θ 0の方について、図3と同様な
動作の説明をする。LD21における光の放射角を
θLD、放射パターン整形素子41通過後の放射角をθ
OUT、カバーエリア15の最大放射角度をθcovとする。
【0087】θLD=θ 0の時に光が点Bに到達するも
のとする。但し、点Bは、放射パターン整形素子41の
傾斜した側周面41aと上面41cの境界におけるある
点である。
【0088】θ′は、光軸と放射パターン整形素子41
の斜めの面(側周面)41aとが成す角度である。
【0089】アスペクト比を“A”(A=θ 0/θ//0
> 1)とする。θLDが、“0”〜“θ 0より小”
なる範囲の時は、光ビームはシリンドリカルレンズ面を
通過するので、θOUTは元のθLDよりも絞られる。
【0090】これによって、アスペクト比Aが改善され
る。近似的にはθLD=θ 0の時、 θOUT=θcov である。
【0091】θLDがθ 0より大きくなると、光は斜め
の面(側周面)41aに到達し、図3の場合と同様な振
る舞いをする。
【0092】このような構成にすれば、放射パターンの
水平・垂直のアスペクト比を概ね“1”に近づけた上
に、ビームの強度分布形状を矩形に近づけることができ
る。
【0093】以上から分かるように、四角錐台の側面が
z軸と成す角度は、LD21の放射パターンが楕円であ
るため、垂直と水平では異なる値をとり、 θ′<θ なる関係となる。
【0094】尚、図7の場合においても、凸型の代わり
に凹型のシリンドリカル面を形成してもよい。この場
合、放射パターン整形素子41はLD21に対して、θ
//0をレンズ効果がある面に、合うように配置するよう
にすれば良く、また、シリンドリカル面の位置は、上述
の凹型のシリンドリカルレンズ単体の場合と同様であ
る。
【0095】別の例として、図6で述べたのと同様に、
カットする面数を増やした8面カットの例を図8に示
す。図8において、(I)、(II)はそれぞれ、凸型、
凹型のシリンドリカル面を配置した構造の放射パターン
整形素子41を示している。そして、図8の(I)にお
いて、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は側面
図である。81は凸型のシリンドリカル面を示してお
り、放射パターン整形素子41の上面部を、蒲鉾状に形
成して、シリンドリカル面に形成したものである。
【0096】また、図8の(II)において、(a)は上
面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。82は
凹型のシリンドリカル面を示しており、放射パターン整
形素子41の上面部を、断面U字状に形成して、シリン
ドリカル面に形成したものである。
【0097】このような放射パターン整形素子41を図
8の紙面に垂直な軸であるx軸について、LD21の光
ビーム出射方向と一致させて配置することで、所望の放
射パターンが得られる。放射パターン整形素子41は、
その側周面において、カットする面数を極限にすると、
楕円錐台状で、上部がシリンドリカルレンズであるよう
な形状の構造となる。
【0098】図9にそのような放射パターン整形素子4
1の例を図9の(I),(II)に示す。図9(I)、
(II)の(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は側
面図であり、図9(I)に示すように、楕円錐台形状の
放射パターン整形素子41は、その凸型のシリンドリカ
ル面は、上面部は楕円形状を成し、その長手方向に緩く
湾曲する凸面となっている。
【0099】また、図9(II)に示すように、楕円錐台
形状の放射パターン整形素子41は、その凹型のシリン
ドリカル面は上面部は楕円形状を成し、その短手方向断
面がU字状をなす凹面となっている。
【0100】そして、これら放射パターン整形素子41
はそのシリンドリカル面の楕円の形状、及び底部の楕円
形状はアスペクト比に依存する。また、側面の傾斜角度
についても、図7と同様に考えることができる。
【0101】また、従来技術で述べたように、LDの放
射ビームは空間的コヒーレンシィが高い。
【0102】このため、人体保護の観点からLD21か
らのレーザ光を拡散板で一旦拡散させて空間に放出する
必要がある。従って、放射パターン整形素子41に当該
拡散のための領域(拡散領域)を組み込むことが考えら
れる。
【0103】そして、拡散領域としては、ガラス表面を
研磨材を使ってスリガラス状にしたフロスト型や、ガラ
ス表面に微粒子の光拡散物質を分散させたオパール型等
が適用できる。
【0104】拡散領域は放射パターン整形素子41の前
面、すなわち、底面部側の表面に形成して、拡散領域通
過後の放射角θ′//0が、カバーエリアθ0と等しくなる
ようにすれば良い。あるいは、後に配置して放射パター
ン整形素子41通過後の放射角がカバーエリアよりも若
干、小さくなるようにし、拡散板通過後にカバーエリア
を満たすようにしても良い。
【0105】このように放射パターン整形素子41と拡
散領域を組み合わせることで、LD光の空間的コヒーレ
ンシィを小さくし、かつ、LDの光出力を低減すること
ができる。従って、人体に対する安全性を容易に確保で
きる。
【0106】<放射パターン整形素子41の具体例(4)
>今まではカバーエリア15の放射パターン形状を従来
の楕円から真円に近づけるようにし、かつ、カバーエリ
ア15内で光強度のレベルが最小であった領域に、カバ
ーエリア外の光を導いてレベルを増加させる、あるいは
カバーエリア15内での光強度分布を平坦にすることに
ついて主に述べた。
【0107】しかし、カバーエリア15に対する別の要
求も存在し得る。例えば、カバーエリア15の断面形状
を、長方形にしたり、あるいは、任意の形にする等であ
る。このような場合にも本発明では、要求されるカバー
エリアに適した放射パターンを、屈折や反射を利用して
作ることができる。例えば、反射を利用する場合は、凹
面状の反射鏡を使用できる。この凹面状の反射鏡の鏡面
に向け、LD21からの光を放出させる。
【0108】凹面反射鏡の凹面空間内にLD21等を配
置すると、送信器側の占有体積が小さくなるが、この場
合、LD21やドライバ等の送信器自身の“影”がカバ
ーエリアに映らないように設計する必要がある。尚、放
射パターン整形素子はプラスチックで構成すれば、大量
生産、低コスト化に適する。
【0109】以上、詳述したように、本発明は、光強度
分布がほぼガウス分布状の光ビームを所定の光放射角内
の広がりで放射するレーザ発光素子を用い、送信データ
対応にこのレーザ発光素子を駆動して光ビームを変調す
ることにより、データを光送信する光空間伝送装置にお
いて、透明体で形成され、前記レーザ発光素子からの光
ビーム光路中に配置されて、その光ビームを透過させる
ことにより光強度分布について整形する放射パターン整
形素子であって、当該放射パターン整形素子は自己に入
射する光ビームの放射角度対光強度特性である放射パタ
ーン内での光強度が全体での最大値の半値となる光放射
角以上の角度範囲の光を屈折あるいは反射を利用して前
記半値となる光放射角以下の立体角内に導く構造とし、
前記立体角内は光強度分布が前記ガウス分布よりも均一
分布に近づけた光ビームに整形することを特徴とするも
のであり、光源として例えば、レーザ・ダイオードのよ
うなレーザ発光素子を用いてデータを光信号として送信
する場合、レーザ・ダイオードの特性として、光強度分
布がほぼガウス分布状となり、しかも、ビーム形状が楕
円形状の光ビームとなるのを、本発明では、光ビームの
光路中に光強度分布を整形する放射パターン整形素子を
配置したて構成したものである。
【0110】放射パターン整形素子は、透明体であり、
当該放射パターン整形素子は自己に入射する光ビームに
おける放射パターン内での光強度が半値となる光放射角
以上の角度範囲の光を屈折あるいは反射を利用して前記
半値となる光放射角以下の立体角内に導く構造とであ
り、この放射パターン整形素子を透過した光ビームは前
記立体角内において光強度分布が前記ガウス分布よりも
均一な分布になる。前記立体角内は、受信側において、
光信号として受信可能な領域であり、この領域が従来と
同じとすれば、送信側のレーザ・ダイオードは従来構成
の装置より、出力の小さいものを使用できることにな
り、また、従来装置と同じ出力のレーザ・ダイオードを
使用したとすれば、上記立体角の範囲は広くするなるこ
とになる。
【0111】すなわち、本発明の空間伝送用光伝送装置
によれば、レーザ・ダイオードから出力される光パワー
の無駄を極力減らすことができる。つまり、本来はカバ
ーエリア外に照射されていた光を屈折や反射を利用して
カバーエリア内に入射させるので発光素子から出力され
る光パワーの殆ど全てを通信に寄与させることができ
る。そして、これにより、安価で小型の光送受信器を提
供することができるようになる他、カバ一エリア内光強
度の平坦度が良くなるので、人体に対する安全性も容易
に確保できる。
【0112】尚、本発明は上述した実施例に限定される
ものではなく、種々変形して実施可能である。
【0113】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の光空間
伝送装置によれば、LDから出力される光パワーの無駄
を極力減らし、光パワーの殆どを通信に寄与させること
ができる。つまり、LDの放射パターンがガウス分布で
あるため、本来はカバーエリア外に照射されていた光を
屈折や反射を利用してカバーエリア内に入射させる。従
って、無効な光パワーが無い分、LDの光出力を低減す
ることができ、人体に対する安全性を容易に確保でき
る。
【0114】以上により、より低光出力なため安価で安
全、かつ放熱装置が小型の光送受信器を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明するための図であって、本発明の
第1の実施例の概略的構成を説明するための図。
【図2】本発明を説明するための図であって、本発明の
重要な構成要素である放射パターン整形素子を介した場
合と、介さない場合の光送信器からの放射パターンを比
較して説明するための図。
【図3】本発明を説明するための図であって、本発明の
放射パターン整形素子の第1の具体的構成例を説明する
図。
【図4】本発明を説明するための図であって、θLDとθ
OUTの関係を説明するための図。
【図5】本発明を説明するための図であって、放射パタ
ーンが本発明の放射パターン整形素子によって変化する
様子を説明するための図。
【図6】本発明を説明するための図であって、本発明の
放射パターン整形素子の第2の具体的構成例を説明する
図。
【図7】本発明を説明するための図であって、本発明の
放射パターン整形素子の第3の具体的構成例を説明する
図。
【図8】本発明を説明するための図であって、本発明の
放射パターン整形素子の第4の具体的構成例を説明する
図。
【図9】本発明を説明するための図であって、本発明の
放射パターン整形素子の第4の具体的構成例を説明する
図。
【図10】従来技術を説明するための図。
【図11】従来技術を説明するための図。
【図12】LDの放射パターンとカバーエリアの関係を
説明するための図。
【図13】LDの放射パターンとカバーエリアの関係を
説明するための図。
【符号の説明】
11…LED 12…ドライバ 13…受光素子 14… 15…カバーエリア 16…光送信器 17…光受信器 18…レンズ 21…LD 22…レンズ及び拡散板 41…放射パターン整形素子 41a…傾斜した側周面 41b…底部 41c…上面。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光強度分布がほぼガウス分布状の光ビーム
    を所定の光放射角内の広がりで放射するレーザ・ダイオ
    ードを用い、送信データ対応にこのレーザ・ダイオード
    を駆動して光ビームを変調することにより、データを光
    送信する光空間伝送装置において、 前記レーザ・ダイオードからの光ビーム光路中に配置さ
    れて、光を拡散することにより光の空間的コヒーレンス
    を低減する拡散板と、 前記レーザ・ダイオードからの光ビーム光路中に配置さ
    れて、その光ビームを透過させることにより光強度分布
    について整形する放射パターン整形素子であって、当該
    放射パターン整形素子は自己に入射する光ビームの放射
    角度対光強度特性である放射パターン内での光強度が半
    値となる光放射角以上の角度範囲の光を屈折あるいは反
    射を利用して前記半値となる光放射角以下の立体角内に
    導く構造とし、前記立体角内は光強度分布が前記ガウス
    分布よりも均一分布に近づけた光ビームに整形すること
    を特徴とする光空間伝送装置。
  2. 【請求項2】前記放射パターン整形素子は軸対称もしく
    は面対称の形であり、前記放射パターン整形素子に入射
    する光ビームの中心が前記放射パターン整形素子の対称
    軸もしくは対称面を通るように、前記放射パターン整形
    素子を配置してなることを特徴とする請求項1記載の光
    空間伝送装置。
  3. 【請求項3】前記放射パターン整形素子は凸型のシリン
    ドリカルレンズであり、入射する光ビームの放射パター
    ンに対する当該放射パターン整形素子の配置は、前記半
    値となる光放射角の広い方が前記シリンドリカルレンズ
    におけるレンズ効果の得られる方向に沿うように配置
    し、前記シリンドリカルレンズの焦点距離f、前記シリ
    ンドリカルレンズに入射する光の形状の縦横比であるア
    スペクト比A(A>1)に対して、前記レーザ発光素子
    と前記シリンドリカルレンズとの距離Lは、ほぼ L=f×(1−(1/A)) を満たす配置構成とすることを特徴とする請求項1もし
    くは請求項2いずれか一項記載の光空間伝送装置。
  4. 【請求項4】前記放射パターン整形素子は凹型のシリン
    ドリカルレンズであり、入射する光ビームの放射パター
    ンに対する当該放射パターン整形素子の配置は、前記半
    値となる光放射角が狭い方を前記シリンドリカルレンズ
    のレンズ効果が得られる方向になるようにし、前記シリ
    ンドリカルレンズの焦点距離f、前記シリンドリカルレ
    ンズに入射する光の形状の縦横比であるアスペクト比A
    (A>1)に対して、前記レーザ・ダイオードと前記シ
    リンドリカルレンズとの距離Lは、ほぼ L=f×(1−A) を満たす配置構成とすることを特徴とする請求項1もし
    くは請求項2いずれか一項記載の光空間伝送装置。
  5. 【請求項5】前記放射パターン整形素子は、側面を持つ
    台状の立体であり、かつ、その立体に凸型のシリンドリ
    カルレンズ面を形成した構造であり、 当該放射パターン整形素子は、自己に入射する光ビーム
    のパターン形状の前記半値となる光放射角のうち、狭い
    方をθ//0、広い方をθ 0とし、当該広い方を前記シリ
    ンドリカル面のレンズ効果が得られる方向に沿うように
    配置すると共に、当該放射パターン整形素子の屈折率
    n、前記シリンドリカル面の焦点距離f(f>0)、当
    該放射パターン整形素子に入射する光の形状の縦横比で
    あるアスペクト比A(A>1)に対して、前記レーザ・
    ダイオードと前記シリンドリカルレンズ面との距離L
    は、ほぼ L=f×(1−(1/A)) を満たしており、当該放射パターン整形素子におけるシ
    リンドリカルレンズ面のレンズ効果が得られる方向に沿
    う側面が前記レーザ・ダイオードの光軸と成す角度θ′
    は、 θ//0=θ′−(π/2)+sin-1[n×cos{θ′+sin-1
    (sinθ 0/n)}] なる関係を概ね満たし、前記放射パターン整形素子のレ
    ンズ効果が無い方の側面が前記レーザ・ダイオードの光
    軸と成す角度θは、 θ//0=θ−(π/2)+sin-1[n×cos{θ+sin-1(si
    //0/n)}] なる関係を概ね満たしており、前記レーザ・ダイオード
    の光軸と前記θ′、θの角度を成す側面は、前記放射パ
    ターン整形素子に入射する光の、それぞれθ//0、θ 0
    以上の角度位置領域の光を取り込む構造であることを特
    徴とする請求項1もしくは請求項2いずれか一項記載の
    光空間伝送装置。
  6. 【請求項6】前記放射パターン整形素子は、側面を持つ
    台状の立体であって、当該立体には凹型のシリンドリカ
    ルレンズ面を形成した構造であり、 当該放射パターン整形素子は、自己に入射する光ビーム
    のパターン形状の前記半値となる光放射角のうち、狭い
    方をθ//0、広い方をθ 0とし、当該狭い方を前記シリ
    ンドリカル面のレンズ効果が得られる方向に沿うように
    配置すると共に、当該放射パターン整形素子の屈折率
    n、前記シリンドリカルレンズ面の焦点距離f(f<
    0)、前記放射パターン整形素子に入射する光の形状の
    縦横比であるアスペクト比A(A>1)に対して、前記
    レーザ・ダイオードと前記シリンドリカルレンズ面との
    距離Lは、ほぼ L=f×(1−A) を満たしており、放射パターン整形素子における前記レ
    ンズ効果が得られる方向に沿う側面が前記レーザ・ダイ
    オードの光軸と成す角度θ′は、 θ 0=θ′−(π/2)+sin-1[n×cos{θ′+sin-1
    (sinθ//0/n)}] なる関係を概ね満たし、放射パターン整形素子における
    前記レンズ効果の無い方向に沿う側面が前記レーザ・ダ
    イオードの光軸と成す角θは θ 0=θ−(π/2)+sin-1[n×cos{θ+sin-1(si
    0/n)}] なる関係を概ね満たしており、 前記レーザ発光素子の光軸と前記θ′、θの角度を成す
    側面は、前記放射パターン整形素子に入射する光の、そ
    れぞれθ//0、θ 0以上の角度位置領域の光を取り込む
    構成とすることを特徴とする請求項1もしくは請求項2
    いずれか一項記載の光空間伝送装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005142447A (ja) * 2003-11-07 2005-06-02 Sharp Corp 発光装置,受光装置,電子機器およびレンズの製造方法
JP2008092303A (ja) * 2006-10-02 2008-04-17 Sharp Corp 光送信装置、光送信システム、光受信装置、および光通信システム
US8226275B2 (en) 2009-10-30 2012-07-24 Panasonic Corporation Optical emitting module

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