JPH11148960A - 空間電荷測定方法 - Google Patents

空間電荷測定方法

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JPH11148960A
JPH11148960A JP31528797A JP31528797A JPH11148960A JP H11148960 A JPH11148960 A JP H11148960A JP 31528797 A JP31528797 A JP 31528797A JP 31528797 A JP31528797 A JP 31528797A JP H11148960 A JPH11148960 A JP H11148960A
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JP
Japan
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conductor
space charge
layer
power cable
shielding layer
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Withdrawn
Application number
JP31528797A
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English (en)
Inventor
Mikio Adachi
幹雄 足立
Takao Nakiri
卓男 名切
Takashi Nakagawa
隆 仲川
Yasumitsu Ebinuma
康光 海老沼
Osamu Tanda
修 丹田
Suguru Ri
英 李
Kazuhisa Adachi
和久 足立
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Electric Power Co Inc
SWCC Corp
Original Assignee
Kansai Electric Power Co Inc
Showa Electric Wire and Cable Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電力ケーブルのシースや遮蔽層を除去すること
なく、電力ケーブルの絶縁体層内の空間電荷を高精度で
測定する。 【解決手段】電力ケーブル50の導体51および遮蔽層
55間に直流電圧を印加して表面電荷を誘導させた後、
この導体および遮蔽層間にパルス電圧を印加して先の表
面電荷に基づく圧力パルスを導体および遮蔽層に発生さ
せる。この圧力パルスで急峻に動かされた絶縁体層内の
空間電荷に応答して流れる変位電流を測定して、空間電
荷を測定する。また、電力ケーブルの導体および遮蔽層
間にパルス電流を流して、この導体および遮蔽層に生じ
たピンチ効果による圧力パルスを導体および遮蔽層に発
生させてもよい。さらに、電力ケーブルに外部磁界を印
加し、導体および遮蔽層間にパルス電流を流して外部磁
界に基づく圧力パルスを導体および遮蔽層に発生させて
もよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は空間電荷測定方法
に係り、特に圧力波法(PWP法)を用いた空間電荷測
定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電力ケーブルに水トリー等の欠陥部があ
ると、その欠陥部に空間電荷の蓄積があることが確認さ
れている。従来、このような空間電荷を測定して、電力
ケーブルに発生した水トリー等の欠陥部を検出するため
に、特公平5−36750号公報には次の方法が提案さ
れている。この方法は所謂圧力波法(PWP法)で、電
力ケーブルの外部からケーブル導体に向かってパルス圧
力波を印加して、この圧力波を絶縁体層内に伝搬させ、
この圧力波により揺さぶられた空間電荷に応答して流れ
る変位電流を測定することにより、絶縁体層内の空間電
荷を測定するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな圧力波法では、電力ケーブルのシース上からパルス
圧力波を印加すると、シースと絶縁体層との間の空気ギ
ャップによりパルス圧力波の反射や減衰が大きくなるの
で、パルス圧力波が絶縁体層内に効率よく伝搬しなくな
る。したがって、空間電荷を高精度で測定するには、シ
ースや遮蔽層を除去して外部半導電層や絶縁体層を露出
させ、この外部半導電層や絶縁体層上にパルス圧力波発
生素子を接触させなければならず、この結果、シースや
遮蔽層の除去作業が必要になるので、実線路の電力ケー
ブルには適用させることができない難点があった。
【0004】本発明はこのような従来の難点を解決する
ためになされたもので、電力ケーブルのシースや遮蔽層
を除去することなく、電力ケーブルの絶縁体層内の空間
電荷を高精度で測定することができる空間電荷測定方法
を提供することを目的とする。
【0005】
【発明を解決するための手段】このような目的を達成す
る本発明の空間電荷測定方法は、導電性部材に挟まれた
絶縁体層内の空間電荷を測定する方法において、導電性
部材間に直流電圧を印加して導電性部材と絶縁体層に表
面電荷を誘導させた後、導電性部材間にパルス電圧を印
加して表面電荷に基づく圧力パルスを導電性部材に発生
させ、当該圧力パルスにより急峻に動かされた絶縁体層
内の空間電荷に応答して流れる変位電流を測定すること
により、絶縁体層内の空間電荷を測定するものである。
【0006】この空間電荷測定方法によれば、導電性部
材間に直流電圧を印加して、導電性部材に表面電荷を誘
導するだけで、絶縁体層内で静止している空間電荷を急
峻に動かすことができる圧力パルスを、導電性部材に発
生させることができる。また、本発明の空間電荷測定方
法は、導体と金属層との間に絶縁体層を有するケーブル
の導体および金属層間に直流電圧を印加して導体と金属
層に表面電荷を誘導させた後、導体および金属層間にパ
ルス電圧を印加して表面電荷に基づく圧力パルスを導体
および金属層に発生させ、当該圧力パルスにより急峻に
動かされた絶縁体層内の空間電荷に応答して流れる変位
電流を測定することにより、絶縁体層内の空間電荷を測
定するものである。
【0007】この空間電荷測定方法によれば、ケーブル
の導体および金属層間に直流電圧を印加して、この導体
と金属層に表面電荷を誘導するだけで、絶縁体層内で静
止している空間電荷を急峻に動かすことができる圧力パ
ルスを、導体および金属層に発生させることができる。
また、本発明の空間電荷測定方法は、導体と金属層との
間に絶縁体層を有するケーブルの導体および金属層間に
パルス電流を流して、導体および金属層に生じたピンチ
効果による圧力パルスを導体および金属層に発生させ、
当該圧力パルスにより急峻に動かされた絶縁体層内の空
間電荷に応答して流れる変位電流を測定することによ
り、絶縁体層内の前記空間電荷を測定するものである。
【0008】このような空間電荷測定方法によれば、ケ
ーブルの導体および金属層間にパルス電流を流して、こ
の導体と金属層にピンチ効果を生じさせるだけで、絶縁
体層内で静止している空間電荷を急峻に動かすことがで
きる圧力パルスを、導体および金属層に発生させること
ができる。また、本発明の空間電荷測定方法は、導体と
金属層との間に絶縁体層を有するケーブルに当該ケーブ
ルの長手方向と直交する外部磁界を印加し、この外部磁
界が印加されたケーブルの導体および金属層間にパルス
電流または直流電流を流して外部磁界に基づく圧力パル
スを導体および金属層に発生させ、当該圧力パルスによ
り急峻に動かされた絶縁体層内の空間電荷に応答して流
れる変位電流を測定することにより、絶縁体層内の空間
電荷を測定するものである。
【0009】このような空間電荷測定方法によれば、ケ
ーブルに当該ケーブルの長手方向と直交する外部磁界を
印加し、且つこの外部磁界が印加されたケーブルの導体
および金属層間にパルス電流または直流電流を流すだけ
で、絶縁体層内で静止している空間電荷を急峻に動かす
ことができる圧力パルスを、導体および金属層に発生さ
せることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の空間電荷測定方法
の実施の一形態について、図面を参照して説明する。な
お、空間電荷を測定する電力ケーブルは図8に示すよう
に、導体51に内部半導電層52を介して架橋ポリエチ
レンから成る絶縁体層53を被覆し、さらに、この絶縁
体層53に外部半導電層54や遮蔽層55を介してシー
ス56で被覆したものを測定用試料とする。
【0011】本発明の空間電荷測定方法が適用される空
間電荷測定装置は図1に示すように、主に直流発生器
2、パルス電圧発生器3、検出抵抗R1および信号検出
部4から構成されている。直流発生器2は+側が保護抵
抗R2の一端に、−側が検出抵抗R1の一端にそれぞれ接
続され、保護抵抗R2の他端は電力ケーブル50の一方
の終端部50aの導体51に接続するための測定端子5
に、検出抵抗R1の他端は電力ケーブル50の他方の終
端部50bの金属層である遮蔽層55に接続するための
測定端子6にそれぞれ接続されている。なお、直流発生
器2の−側はアースに接続されている。したがって、電
力ケーブル50の導体51および遮蔽層55間に直流電
圧Vdcを印加させることができるので、この導体51と
遮蔽層55に図2に示すような表面電荷を誘導すること
ができる。この導体51に誘導される表面電荷σaは、
【0012】
【数1】
【0013】となり、遮蔽層55に誘導される表面電荷
σbは、
【0014】
【数2】
【0015】となる。但し、aは導体半径、bは遮蔽層
半径、rは電力ケーブルの中心から導体および遮蔽層間
の任意点までの距離、ε0は真空誘電率、εrはポリエチ
レンの比誘電率である。パルス電圧発生器3は、一端が
コンデンサC1を介して検出抵抗R1と測定端子5との間
に接続され、他端が直流発生器2の−側と検出抵抗R1
との間に接続されている。したがって、直流電圧Vdcが
印加された電力ケーブル50の導体51および遮蔽層5
5間にパルス電圧Vpを印加させることができるので、
上述の直流発生器2で電力ケーブル50の導体51と遮
蔽層55に誘導された表面電荷に基づく圧力パルスを、
この導体51および遮蔽層55に発生させることができ
る。この圧力パルスにより絶縁体層53内の空間電荷は
急峻に動かされるので、この急峻に動かされた空間電荷
に応答して変位電流が発生して、電力ケーブル50の遮
蔽層55から流れることになる。この導体51に誘導さ
れた表面電荷σaに基づく圧力パルスfaは、
【0016】
【数3】
【0017】となり、遮蔽層55に誘導された表面電荷
σbに基づく圧力パルスfbは、
【0018】
【数4】
【0019】となる。検出抵抗R1は圧力パルスにより
急峻に動かされた絶縁体層53内の空間電荷に応答して
流れる変位電流を検出するもので、信号検出部4に接続
されている。この信号検出部4は、時間リレー7、高帯
域増幅器8およびオシロスコープ9から成り、時間リレ
ー7の一端は検出抵抗R1に、他端は高帯域増幅器8の
入力側にそれぞれ接続され、この高帯域増幅器8の出力
側はオシロスコープ9に接続されている。なお、時間リ
レー7は、印加される直流電圧Vdcと検出信号である変
位電流とを区別するために使用されている。
【0020】このように構成された空間電荷測定装置1
で、電力ケーブル50の空間電荷を測定する方法につい
て、以下説明する。まず、空間電荷測定装置1の測定端
子5を電力ケーブル50の一方の終端部50aの導体5
1に、測定端子6を電力ケーブル50の他方の終端部5
0bの遮蔽層55にそれぞれ接続させておく。この状態
で、直流発生器2で電力ケーブル50の導体51および
遮蔽層55間に直流電圧を印加すると、この導体51と
遮蔽層55に表面電荷が誘導される。そして、パルス電
圧発生器3で表面電荷が誘導された導体51および遮蔽
層55間にパルス電圧を印加すると、この表面電荷に基
づく圧力パルスが導体51および遮蔽層55に発生する
ので、この圧力パルスにより急峻に動かされた絶縁体層
53内の空間電荷に応答した変位電流が、遮蔽層55か
ら検出抵抗R1に流れる。検出抵抗R1で検出された変位
電流は、信号検出部4のオシロスコープ8で観測するこ
とができる。
【0021】このような空間電荷測定装置1による電力
ケーブルの空間電荷測定方法によれば、電力ケーブル5
0の導体51および遮蔽層55間に直流電圧およびパル
ス電圧を印加するだけで、導体51および遮蔽層55に
圧力パルスを発生させることができるので、シース56
と絶縁体層53との間の空気ギャップの影響を受けるこ
とがなくなる。したがって、電力ケーブル50のシース
56や遮蔽層55を除去することなく、電力ケーブル5
0の絶縁体層53内の空間電荷を高精度で測定すること
ができる。
【0022】また、本発明の空間電荷測定方法が適用さ
れる空間電荷測定装置はこれに限らず、図3に示すよう
なパルス電流発生器11、高速スイッチ12、検出抵抗
R11および信号検出部13から構成されている空間電荷
測定装置10でもよい。この空間電荷測定装置10のパ
ルス電流発生器11は、一端が電力ケーブル50の一方
の終端部50aの導体51に測定端子14を介して接続
され、他端が電力ケーブル50の一方の終端部50aの
金属層である遮蔽層55に測定端子15を介して接続さ
れている。したがって、電力ケーブル50の導体51お
よび遮蔽層55間にパルス電流を流すことができるの
で、この導体51および遮蔽層55に図4に示すような
ピンチ効果を生じさせることができる。なお、ピンチ効
果は、導体51に圧縮応力Fa、遮蔽層55に引張応力
Fbがそれぞれ働くものである。このピンチ効果により
導体51および遮蔽層55に圧力パルスが発生すること
になる。この導体51に発生する圧力パルスfaおよび
遮蔽層55に発生する圧力パルスfbは、電力ケーブル
50が完全な同軸円筒構造である場合、導体51にパル
ス電流Ipが流れると、
【0023】
【数5】
【0024】
【数6】
【0025】となる。但し、aは導体半径、bは遮蔽層
半径、μ0は真空透磁率である。このような圧力パルス
により絶縁体層53内の空間電荷は急峻に動かされるの
で、この急峻に動かされた空間電荷に応答して変位電流
が発生して、電力ケーブル50の遮蔽層55から流れる
ことになる。高速スイッチ12は高速動作の高電圧スイ
ッチで、切替接点12cが電力ケーブル50の他方の終
端部50bの導体51に測定端子16を介して接続さ
れ、常閉接点12bが電力ケーブル50の他方の終端部
50bの遮蔽層55に測定端子17を介して接続され、
常開接点12aが検出抵抗R11を介してアースに接続さ
れている。なお、高速スイッチ12の常閉接点12bは
検出抵抗R11とアースとの接続点に接続されている。ま
た、高速スイッチ12の常開接点12aと検出抵抗R11
との間には、信号検出部13が接続されている。
【0026】このような高速スイッチ12の役割につい
て、図5に示す波形図を用いて説明する。まず、圧力パ
ルスを発生させるために、切替接点12cを常閉接点1
2bに接続させて、例えば幅100nsecのパルス電流を
電力ケーブル50の導体51および遮蔽層55間に流
す。この幅100nsecの圧力パルスが内部半導電層52
に伝搬する際に、切替接点12cを常開接点12aに切
り替える。このように高速スイッチ12を切り替えるの
は、例えば、内部半導電層52の厚さが1mmと仮定する
と、幅100nsecの圧力パルスは導体51から絶縁体層
53まで伝搬する時間が500nsecとなるので、本来は
その時間差を利用して圧力パルスを発生するために、導
体51側を流れたパルス電流と、空間電荷分布による変
位電流とが分けられる。しかし、実際はパルス電流が空
間電荷による変位電流より何桁か高くなるので、検出側
である信号検出部14にその高いパルス電流が入力する
ことを避けるために、高速スイッチ12で、圧力パルス
が発生した時に切替接点12cを常閉接点12bに接続
させ、圧力パルスが発生した後に切替接点12cを常開
接点12aに接続させなければならない。
【0027】信号検出部13は、高帯域増幅器18およ
びオシロスコープ19から成り、高帯域増幅器18の入
力側が高速スイッチ12の常閉接点12bと検出抵抗R
11との間に接続され、この高帯域増幅器18の出力側が
オシロスコープ19に接続されている(図3)。このよ
うに構成された空間電荷測定装置10で、電力ケーブル
50の空間電荷を測定する方法について、以下説明す
る。
【0028】まず、空間電荷測定装置10の測定端子1
4を電力ケーブル50の一方の終端部50aの導体51
に、測定端子15を電力ケーブル50の一方の終端部5
0aの遮蔽層55に、測定端子16を電力ケーブル50
の他方の終端部50bの導体51に、測定端子17を電
力ケーブル50の他方の終端部50bの遮蔽層55にそ
れぞれ接続させておく。この状態で、パルス電流発生器
11で電力ケーブル50の導体51および遮蔽層55間
にパルス電流を流すと、この導体51および遮蔽層55
にピンチ効果が生じて、導体51および遮蔽層55に圧
力パルスが発生する。この際、高速スイッチ12を、圧
力パルスが発生した時に切替接点12cを常閉接点12
bに接続し、圧力パルスが発生した後に切替接点12c
を常開接点12aに接続するように、高速動作させる。
これにより、圧力パルスで急峻に動かされた絶縁体層5
3内の空間電荷に応答した変位電流のみが、遮蔽層55
から信号検出部13に流れるので、オシロスコープ19
で観測することができる。
【0029】このような空間電荷測定装置10による電
力ケーブルの空間電荷測定方法によれば、電力ケーブル
50の導体51および遮蔽層55間にパルス電流を流す
だけで、導体51および遮蔽層55に圧力パルスを発生
させることができるので、シース56と絶縁体層53と
の間の空気ギャップの影響を受けることがなくなる。し
たがって、電力ケーブル50のシース56や遮蔽層55
を除去することなく、電力ケーブル50の絶縁体層53
内の空間電荷を高精度で測定することができる。
【0030】さらに、本発明の空間電荷測定方法が適用
される空間電荷測定装置はこれに限らず、図6に示すよ
うな磁界印加手段21、パルス電流発生器11、高速ス
イッチ12、検出抵抗R11および信号検出部13から構
成されている空間電荷測定装置20でもよい。このよう
な空間電荷測定装置20は、磁界印加手段21以外は上
述の空間電荷測定装置10と同じ構成なので、この空間
電荷測定装置10と同一符号を用い、説明を省略する。
【0031】磁界印加手段21は、電力ケーブル50の
長手方向と直交する方向に磁界を加えることができれ
ば、どのような手段でもよく、例えば、永久磁石や電磁
石等が好適である。なお、何れの磁石も図7に示すよう
に、電力ケーブル50を中心にN極とS極とが相対する
ように配置させ、電力ケーブル50の長手方向と直交す
る方向に磁界が加わるようにする。
【0032】このような磁界印加手段21で電力ケーブ
ル50の長手方向と直交する方向に磁界Hを加え、パル
ス電流発生器22で電力ケーブル50の導体51および
遮蔽層55間にパルス電流Ipを流すと、単位長さ当り
電力ケーブル50に受ける圧力パルスFは、
【0033】
【数7】
【0034】となる。但し、Bは磁速密度である。ここ
で、導体50に流れるパルス電流Ipが均一と仮定する
と、電力ケーブル50の半径方向の導体51に発生する
圧力パルスfaおよび遮蔽層55に発生する圧力パルス
fbは、
【0035】
【数8】
【0036】
【数9】
【0037】となる。但し、θは磁界と直交する電磁力
Fと、ケーブル接線方向の電磁力との間の角度である。
したがって、θ=90゜の時に導体51が受ける圧力パ
ルスfaおよび遮蔽層55が受ける圧力パルスfbはそれ
ぞれ最大になる。この最大圧力パルスfamax、fbmax
は、
【0038】
【数10】
【0039】
【数11】
【0040】となる。このように構成された空間電荷測
定装置20で、電力ケーブル50の空間電荷を測定する
方法について、以下説明する。まず、空間電荷測定装置
20の測定端子14を電力ケーブル50の一方の終端部
50aの導体51に、測定端子15を電力ケーブル50
の一方の終端部50aの遮蔽層55に、測定端子16を
電力ケーブル50の他方の終端部50bの導体51に、
測定端子17を電力ケーブル50の他方の終端部50b
の遮蔽層55にそれぞれ接続させておく。さらに、電力
ケーブル50の空間電荷を測定した位置に、磁界印加手
段である永久磁石を電力ケーブル50を中心にN極とS
極とが相対するように配置させて、電力ケーブル50の
長手方向と直交する方向に磁界Hを加えておく。
【0041】この状態で、パルス電流発生器11で電力
ケーブル50の導体51および遮蔽層55間にパルス電
流を流すと、この導体51および遮蔽層55に磁界とパ
ルス電流に直交する圧力パルスが発生する。この際、高
速スイッチ12を、圧力パルスが発生した時に切替接点
12cを常閉接点12bに接続し、圧力パルスが発生し
た後に切替接点12cを常開接点12aに接続するよう
に、高速動作させる。これにより、圧力パルスで急峻に
動かされた絶縁体層53内の空間電荷に応答した変位電
流のみが、遮蔽層55から信号検出部13に流れるの
で、オシロスコープ19で観測することができる。
【0042】このような空間電荷測定装置20による電
力ケーブルの空間電荷測定方法によれば、電力ケーブル
50に電力ケーブル50の長手方向と直交する方向に磁
界を加え、この磁界が加えられた電力ケーブル50の導
体51および遮蔽層55間にパルス電流を印加するだけ
で、導体51および遮蔽層55に圧力パルスを発生させ
ることができるので、シース56と絶縁体層53との間
の空気ギャップの影響を受けることがなくなる。したが
って、電力ケーブル50のシース56や遮蔽層55を除
去することなく、電力ケーブル50の絶縁体層53内の
空間電荷を高精度で測定することができる。また、磁力
のある位置の空間電荷信号のみを検出することができる
ことから、電力ケーブル50の半径方向および長手方向
の空間電荷を測定できるので、劣化の位置標定に用いる
ことができる。
【0043】なお、この空間電荷測定装置20では、電
力ケーブル50の導体51および遮蔽層55間にパルス
電流を流していたが、これに限らず、直流電流でもよ
い。この場合、ケーブル外部からパルス磁界を瞬間的に
印加させて強力な電磁場を作ることにより、導体51お
よび遮蔽層55に圧力パルスを発生させることができ
る。
【0044】また、本実施の形態においては金属層とし
て遮蔽層を使用していたが、これに限らず、電流を流し
たり電圧を印加することができる金属シースなどでもよ
い。さらに、本実施の形態においては図8に示すような
電力ケーブルを測定していたが、これに限らず、導電性
部材に挟まれた絶縁体層を有するものならば、どのよう
なものでも、高精度で測定することができる。
【0045】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の空間電
荷測定方法によれば、ケーブルのシースや遮蔽層を除去
することなく、ケーブルの絶縁体層内の空間電荷を高精
度で測定することができるので、ケーブルを傷付けるこ
となく絶縁体層の厚さ方向の空間電荷分布を検出でき
る。これにより、空間電荷測定後に、電気試験を行うこ
とができ、また、ケーブルを復帰させることができる。
さらに、水トリー劣化したCVケーブルの劣化診断にも
応用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空間電荷測定方法の実施の一形態であ
る空間電荷測定装置を示す回路図。
【図2】図1の空間電荷測定装置による圧力パルスの発
生原理を示す説明図。
【図3】本発明の空間電荷測定方法の他の実施の一形態
である空間電荷測定装置を示す回路図。
【図4】図3の空間電荷測定装置による圧力パルスの発
生原理を示す説明図。
【図5】図3の空間電荷測定装置に使用される高速スイ
ッチの動作を示すグラフ。
【図6】本発明の空間電荷測定方法の他の実施の一形態
である空間電荷測定装置を示す回路図。
【図7】図6の空間電荷測定装置による圧力パルスの発
生原理を示す説明図。
【図8】本発明の空間電荷測定方法の測定用資料とする
電力ケーブルを示す断面図。
【符号の説明】 50・・・・・電力ケーブル 51・・・・・導体 53・・・・・絶縁体層 55・・・・・遮蔽層(金属層) Vdc・・・・・直流電圧 σa、σb・・・・・導体および遮蔽層に誘導される表面電荷 Vp・・・・・パルス電圧 fa、fb・・・・・導体および遮蔽層に発生する圧力パルス Ip・・・・・パルス電流 Fa、Fb・・・・・導体および遮蔽層に生じたピンチ効果 H・・・・・外部磁界
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 名切 卓男 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 (72)発明者 仲川 隆 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 (72)発明者 海老沼 康光 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内 (72)発明者 丹田 修 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内 (72)発明者 李 英 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内 (72)発明者 足立 和久 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性部材に挟まれた絶縁体層内の空間電
    荷を測定する方法において、前記導電性部材間に直流電
    圧を印加して前記導電性部材に表面電荷を誘導させた
    後、前記導電性部材間にパルス電圧を印加して前記表面
    電荷に基づく圧力パルスを前記導電性部材に発生させ、
    当該圧力パルスにより急峻に動かされた前記絶縁体層内
    の空間電荷に応答して流れる変位電流を測定することに
    より、前記絶縁体層内の前記空間電荷を測定することを
    特徴とする空間電荷測定方法。
  2. 【請求項2】導体と金属層との間に絶縁体層を有するケ
    ーブルの前記導体および前記金属層間に直流電圧を印加
    して前記導体と前記金属層に表面電荷を誘導させた後、
    前記導体および前記金属層間にパルス電圧を印加して前
    記表面電荷に基づく圧力パルスを前記導体および前記金
    属層に発生させ、当該圧力パルスにより急峻に動かされ
    た前記絶縁体層内の空間電荷に応答して流れる変位電流
    を測定することにより、前記絶縁体層内の前記空間電荷
    を測定することを特徴とする空間電荷測定方法。
  3. 【請求項3】導体と金属層との間に絶縁体層を有するケ
    ーブルの前記導体および前記金属層間にパルス電流を流
    して、前記導体および前記金属層に生じたピンチ効果に
    よる圧力パルスを前記導体および前記金属層に発生さ
    せ、当該圧力パルスにより急峻に動かされた前記絶縁体
    層内の空間電荷に応答して流れる変位電流を測定するこ
    とにより、前記絶縁体層内の前記空間電荷を測定するこ
    とを特徴とする空間電荷測定方法。
  4. 【請求項4】導体と金属層との間に絶縁体層を有するケ
    ーブルに当該ケーブルの長手方向と直交する外部磁界を
    印加し、この外部磁界が印加された前記ケーブルの前記
    導体および前記金属層間にパルス電流または直流電流を
    流して前記外部磁界に基づく圧力パルスを前記導体およ
    び前記金属層に発生させ、当該圧力パルスにより急峻に
    動かされた前記絶縁体層内の空間電荷に応答して流れる
    変位電流を測定することにより、前記絶縁体層内の前記
    空間電荷を測定することを特徴とする空間電荷測定方
    法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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CN117517902A (zh) * 2023-12-06 2024-02-06 西南交通大学 一种基于脉冲信号传递因子的xlpe电缆绝缘损伤状态评估方法

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