JPH11148876A - ボルト締付力検査装置 - Google Patents

ボルト締付力検査装置

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JPH11148876A
JPH11148876A JP31516497A JP31516497A JPH11148876A JP H11148876 A JPH11148876 A JP H11148876A JP 31516497 A JP31516497 A JP 31516497A JP 31516497 A JP31516497 A JP 31516497A JP H11148876 A JPH11148876 A JP H11148876A
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HANSHIN KOSOKU DORO KANRI GIJUTSU CENTER
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ボルトの縦振動のみを振動検出装
置へ正確に伝達するとともに、高感度の検出信号を取り
出して、ボルトの締付力などを高精度に検査できるボル
ト締付力検査装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明に係るボルト締付力検査装置1
は、軸対称空間部9の外周に励振コイル10を配設し、
該励振コイル10の外周に、磁化方向を半径方向にして
複数の永久磁石を互いに環状配列した環状永久磁石11
を配設してなる振動生成体3と、該振動生成体3と振動
緩和材4を介して連結し、前記軸対称空間部9に突出す
る振動伝達棒14と接続した振動検出器12を中心軸に
配設してなる検出体5と、前記励振コイル10に励振電
流を供給する励振回路、ボルト6の縦振動を検出する振
動検出回路、およびボルト6の共振振動数を検出する共
振検出回路を備えた制御装置とから構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボルトの締付力の
検査装置に関し、特に締付状態のボルトの頭部または他
端部に当接して前記ボルトの締付力およびクラックの有
無を検査するためのボルト締付力検査装置の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、ボルトとナットとによって複
数の部材を締付け固定した後、その締付力を測定する方
法には種々のものがある。ボルトは、複数の部材を貫通
形成した取付孔に挿通され、その他端にナットが螺合さ
れることにより、それら部材を締付け固定するものであ
る。この締付力が不十分だったり、ボルトやナットに折
損が存在すると、ボルトとナットとを用いた構造物が分
解するなどの重大事故が発生する。
【0003】この締付力を判断する一番簡単な方法は、
ボルトの頭部または他端部をハンマーなどで打撃し、そ
の打撃力により生ずる振動・音を作業員の耳または手の
触覚で感知して締付けの緩みを診断し、また目視により
折損を見つけるというものである。しかし、この方法
は、作業員の熟練を要し、しかも個人差が生じ易いとい
う問題を有する。また、より進んだ方法として、トルク
計により前記締付力を測定する方法も広く用いられてい
る。しかし、この測定は、一般に歪みゲージを用いて行
われるため、ボルトの締付け状態と弛めた状態との両状
態を測定しないとその測定値が得られない。さらに、こ
の測定値は、ナットやボルトと座金との間の摩擦力によ
り変わるものであり、ナットなどの表面の錆具合によっ
てばらつくものでもある。その上、この方法ではボルト
の折損は発見できるが、ボルトのクラックを発見するの
が難しい。
【0004】そこで、特開平7−333085号公報に
開示されるようなボルト締付力検査装置が提案されてい
る。図7に示すように、このボルト締付力検査装置50
は、プローブ51と制御装置とからなる。プローブ51
は、ボルト53の頭部54または他端部55を受け入れ
る空間部56の周囲に配設した励振コイル57と、励振
コイル57の外周に配設し半径方向に磁化したリング状
の第1永久磁石58と、空間部56の奥部にボルトの頭
部54または他端部55と対面させて同軸状に配設しボ
ルトと対面する側の磁極と逆磁極となるように軸方向に
磁化したリング状の第2永久磁石59と、第2永久磁石
59の中心孔61を貫通させ且つ先端をボルトに接触さ
せた振動伝達棒60を介してボルトの縦振動を検出する
振動検出器62とを備えたものである。一方、制御装置
は、前記励振コイルに励振電流を供給してボルトに縦振
動を与える励振回路と、振動検出器の振動信号に基づき
ボルトの共振状態を検出する共振検出回路とを備えたも
のである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報記載
のボルト締付力検査装置には、以下に示す幾つかの問題
点がある。先ず、リング状の第1永久磁石は、磁力が弱
いためボルトに十分な共振を起こすことが出来ないの
で、振動検出器の検出信号からボルトの締付状態を明確
に判別するのが難しいという問題がある。この検出感度
を向上させるには、第1永久磁石の磁力をより強力にし
なければならない。しかし、一般に、リング状に成形し
て、例えばリングの内周側をN極、外周側をS極に磁化
した永久磁石では、その内周面と外周面とで表面積が異
なるなどの理由により、強力な磁力をもつものの作製が
技術的に困難なのである。
【0006】また、上記ボルト締付力検査装置では、ボ
ルトの縦振動の際に、ボルトの振動およびコイルの振動
がプローブを通して直接振動検出部に伝達する。また、
この際、その振動伝達棒は針状で横振動が生じやすい形
状なので、振動伝達棒先端がボルトに押圧する程度によ
って、振動伝達棒の横振動による共振が生じる。これら
振動や共振がノイズとなって検出信号に現れるという問
題が生じた。ここで、振動伝達棒が当接するボルト頭部
などに塗料が塗られていると、この塗料が振動の一部を
吸収したり、塗布状態によってはその当接位置が振れて
振動伝達棒の横振動の原因となるという問題もある。さ
らに、金属製の振動伝達棒は、これに流れる電流と磁界
との相互作用により、振動伝達棒の固有振動数で振動
し、これもノイズとなって検出信号に現れるという問題
があった。
【0007】その上、これらノイズのため、ボルトの全
長が長い程ボルトの固有振動数が小さくなるので、その
共振振動数を検出するのは一層困難となる。上記公報記
載のボルト締付力検査装置では、例えば全長が76mm
のボルトの共振振動数を測定する場合、検出信号に現れ
るノイズのため、その共振振動数を検出するのが非常に
難しい。
【0008】本発明は、このような問題点に鑑み、ボル
トの縦振動のみを振動検出装置へ正確に伝達するととも
に、高感度の検出信号を取り出して、ボルト軸部に加わ
る張力に対応する共振振動数の精確な測定を可能とし、
もってボルトの締付力や折損、クラックを正確に検査で
きるボルト締付力検査装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のボルト締付力検査装置においては、ボルト
の頭部または他端部を納める軸対称空間部を備え、この
軸対称空間部の半径方向外周に励振コイルを配設すると
ともに、この励振コイルの外周に、磁化方向を半径方向
にして複数の永久磁石を互いに環状配列した環状永久磁
石を配設して構成される振動生成体と、この振動生成体
に振動緩和材を介して連結し、前記軸対称空間部に突出
する振動伝達棒を備えた振動検出器を中心軸に配設して
構成される検出体と、前記励振コイルに周波数が連続的
に繰り返し変わる励振電流を供給する励振回路、前記振
動伝達棒からの縦振動を検出する振動検出回路、および
この振動検出回路の出力信号に基づきボルトの共振振動
数を検出する共振検出回路を備えた制御装置とから構成
されるものである。
【0010】上記振動伝達棒を振動検出器と固着した
り、前記振動伝達棒としてセラミックスなどの無機質固
体を用いると、後述する理由により、検出信号へのノイ
ズの混入防止に効果的である。
【0011】そして、前記制御装置として、前記励振回
路が電圧によって周波数が変化する電圧制御発振器を備
え、この制御電圧を変化させて前記励振コイルに励振電
流を供給し、前記共振検出回路がボルトが共振振動を生
じたことを検出するピーク検出器と、共振周波数に対応
した電圧を検出するサンプリングホールド器と、前記共
振周波数に対応した電圧を入力されてボルト締付力を演
算し表示する演算表示器とを備えたものを用いることが
できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明に係る代表的な種々の実施例を説明する。図1は、本
発明に係るボルト締付力検査装置1の断面説明図であ
り、図2は、図1のA−A断面図である。ボルト締付力
検査装置1は、軸部が中空の振動生成体3と、この振動
生成体3と振動緩和材4を介して連結する検出体5と、
制御装置2とから構成される。振動生成体3は、非磁性
体であり、ボルト6の頭部7または他端部8を納めるた
めの軸対称な空間部9を有し、この空間部9の半径方向
外周であって振動生成体内部に励振コイル10が同軸状
に配設され、この励振コイル10の外周であって振動生
成体内部に環状永久磁石11が同軸状に配設されて構成
される。
【0013】また、非磁性体である検出体5には、その
中心軸に沿って圧電素子などからなる振動検出器12が
設けられ、圧縮コイルばねなどからなるばね体13によ
って軸方向かつ振動生成体側へ弾性付勢されるととも
に、振動伝達棒14の端部と固着している。この振動伝
達棒14は、前記空間部9へ突出しており、ボルトの頭
部または他端部がこの空間部内に納められたときにはボ
ルト頭部または他端部と当接し、ボルトの縦振動を振動
検出器へ伝達する。
【0014】また、図2に示すように、上記環状永久磁
石11は、12個の角柱磁石15,…を、磁化方向が半
径方向として外周側がS極、内周側がN極となるように
環状に配列したものであり、この配列を確実ならしめる
ためその外周を鉄輪16で固定されている。これによ
り、従来、リング状に成形された永久磁石では実現が困
難な高磁力が可能となり、検出感度を大幅に向上させる
ことが可能となった。例えば、上記公報記載のボルト締
付力検査装置で用いたリング状第1永久磁石では、リン
グの内側での磁界が約600ガウスであったが、本実施
例の環状永久磁石では、個別に磁化した磁石を環状に配
列することにより、その内側での磁界が約3000ガウ
スにもなる。なお、本発明では、本実施例での環状永久
磁石の形成方法に限らず、磁化方向を半径方向にして外
周側の磁極と内周側の磁極とが逆極性となるように、複
数の永久磁石を互いに環状配列したものであれば何れで
も良い。
【0015】ボルトの締付力を検査するときには、図1
に示すように、ボルト6の頭部7の中央位置に振動伝達
棒14の先端が当接するようにして、ボルト6の頭部7
を環状永久磁石11と励振コイル10とで囲まれる空間
部9に挿入し、環状永久磁石11がつくる磁界による吸
引力によって、振動生成体の端部17が板材18の表面
に当接した状態で吸引保持される。このとき、環状永久
磁石11による磁界がボルトの頭部7に作用する。さら
に、制御装置によって、励振コイル10に周波数が連続
的に繰り返し変化する励振電流を供給すると、ボルトの
頭部7に、電磁誘導起電力による渦電流が流れる。この
渦電流と磁界との相互作用によって、ボルトが励振電流
の周波数に対応して縦振動する。この振動周波数が、ボ
ルトの軸部19の張力に対応した固有振動数と一致する
ときにボルトは共振し、この共振振動数を制御装置によ
り検出することによって、ボルトの締付力を検査するこ
とが可能となるのである。なお、図示しないが、振動生
成体3には、制御装置から励振コイル10に励振電流を
供給するケーブルが引かれており、検出体5には、振動
検出器12により検出された振動信号を制御装置へ送る
ケーブルが引かれている。
【0016】本実施例では、振動生成体3と検出体5と
の間に振動緩和材4を介在させている。これは、ボルト
の締付力の測定時、このボルトの振動や励振コイル10
自身の振動が振動生成体3をを通して検出体5に伝播し
て、伝播した振動がノイズとなって検出信号に混入する
ことを防止するためである。本実施例では、上記環状永
久磁石11を採用し、従来よりも強力な磁界を用いるた
め、ボルトの縦振動や励振コイル10自身の振動も従来
よりも大きくなるが、振動緩和材4の採用により、これ
ら振動の検出体5へ伝播を防止できるのである。
【0017】前記振動伝達棒14として、非磁性かつ電
気絶縁性の無機質固体を用いる。この無機質固体の中で
も、電磁場に対する絶縁性および硬質性の観点から、非
磁性かつ電気絶縁性のセラミックスが好ましく、特に高
純度のアルミナを用いたファインセラミックスがより好
ましい。これは、振動伝達棒14が導電性を有すると、
振動伝達棒14に流れる電流と磁界との相互作用によ
り、振動伝達棒14が固有振動数で振動し、この振動が
ノイズとなって検出信号に現れるので、これを防ぐため
である。また、セラミックスなどの無機質固体からなる
振動伝達棒を用いると、その弾性率が大きく、共振点が
測定域よりも遥かに高くなるため、振動伝達棒の共振か
らくるノイズが測定結果に影響を与えないという利点が
ある。
【0018】さらに、振動伝達棒14の直径は、従来の
ものよりも大きい。本実施例では、振動伝達棒14の断
面は円形であり、この直径は約6mmである。従来より
も振動伝達棒の直径を大きくすることで、振動伝達棒の
横振動による共振からくるノイズの発生を防止すること
が可能となる。なお、本実施例では、ボルト6の頭部7
に振動伝達棒14の端部を当接するとしているが、本発
明では、これに限らず、ボルトのナット側他端部8を前
記空間部9に納めて、その他端部8に振動伝達棒14を
当接することで、ボルト軸部19の共振振動数を測定し
ても良い。
【0019】次に、図3〜図5を参照しながら、励振コ
イルに励振電流を供給するとともに、ボルトの共振振動
数を検出する制御装置について説明する。図3は、この
制御装置の構成を示す説明図であり、図4は、演算表示
器35の構成を示す説明図であり、図5は、制御装置の
各部の信号波形を示したタイムチャートである。なお、
図5の(a) は制御電圧V1 、(b) は正弦波電圧V2
(c) は振動増幅信号V5、(d) は検波電圧信号V8 、(e)
は振幅信号V9 、(f) はサンプリングパルスV 10をそ
れぞれ示している。
【0020】制御装置2は、前記励振コイル10に周波
数が連続的に繰り返し変わる励振電流I0 を供給して、
ボルトに縦振動を与える励振回路と、振動検出器の振動
信号V0 からボルトの共振状態を検出する共振検出回路
とを備えたものである。
【0021】先ず、前記励振回路について説明する。励
振回路は、1秒程度の繰り返し周期(T)のランプ状
(鋸歯状)制御電圧V1 を発生する超低周波発振器と、
その連続的に変化する制御電圧V1 で制御され、周波数
が連続的に変化する電流を発生する電圧制御発振器(V
CO)23とから主として構成されている。すなわち、
電圧制御発振器23によって発生された周波数が連続的
に変化する正弦波電圧V 2 を本実施例ではバイアス補正
増幅器26で前段増幅した後、電流増幅器27で増幅し
て前述の励振電流I0 を発生するのである。ここで、前
記バイアス補正増幅器26では、バイアス電圧も制御し
ている。このバイアス電圧は、後述するバイアス電流を
与えるもので、非鉄金属への適用をも可能にするもので
ある。
【0022】前記励振回路の動作を簡単に説明すれば、
超低周波発振器22の制御電圧によって周波数の変えら
れる電圧制御発振器23により、10kHz〜100k
Hz可変の正弦波電圧V2 を生じる。そして、直流電流
を適当に付与するためのバイアス補正増幅器26を通
し、次いで電流増幅器27で0.5A〜2.0A(ピー
ク値)の励振電流I0 を前記励振コイルに供給するので
ある。この励振電流I0は、励振コイルによりボルトに
電磁振動を付与するものである。
【0023】次に、前述の共振検出回路について説明す
る。共振検出回路は、ボルトが共振点に達したときの前
記制御電圧V1 の瞬時値または共振振動数を検出するも
のである。具体的には、振動検出器で検出した振動信号
0 は、増幅器28で増幅して検波器29に与えられ
る。この検波器29から出力される検波電圧信号V8
平滑器32に与え、該平滑器32で検波電圧信号V8
平滑化して、ボルトの振動の振幅に略比例した振幅信号
9 を得る。検波、平滑後の振幅信号V9 は、共振点で
振幅が大きくなるので、そのピーク値(最大値)をピー
ク検出器33で検出して、ピーク値に達した時点でサン
プリングパルスV10を発生させる。そして、前記超低周
波発振器22の制御電圧とサンプリングパルスV10が発
生した瞬間の制御電圧V1 をサンプリングし、これを保
持して出力信号Vrとして演算表示器35に入力する。
演算表示器35では、その共振周波数に対応したボルト
締付力が求められる。
【0024】図4に示すように、演算表示器35は、ボ
ルト締付力を演算する演算部71と、この演算部71に
連結された表示部72、検量線テーブル記憶部73およ
び設定操作部74からなる。検量線テーブル記憶部73
には、ボルトの質量や長さ、板材の密度や厚さなどのボ
ルト締付力の測定に必要なデータが記憶されている。こ
のデータは、設定操作部74を通じて、たとえばキー操
作などでもって入力される。演算部71では、検量線テ
ーブル記憶部73に記憶されたデータを基にして、サン
プリングホールド34の出力信号Vrからボルト締付力
が演算され、この演算結果が表示部72およびデータ出
力器70へ出力される。表示部72では、入力されたこ
の演算結果がディスプレイや表示ランプに表示され、デ
ータ出力器70では、この演算結果などの測定データ
が、紙やコンピュータのハードディスクなどの記憶媒体
へ記録される。
【0025】表示部72のディスプレイや表示ランプ
は、出力信号Vrをそのまま共振点の周波数(共振周波
数)に対応する制御電圧V1 の電圧値と、この電圧値に
対応する共振周波数と、演算部71で求められたボルト
締付力とを表示することができる。また、演算部71
は、このボルト締付力が基準値を超えているか否かの判
別を行うこともできて、この判別の結果を表示部72へ
出力してディスプレイや表示ランプに表示することもで
きる。なお、この基準値は、設定操作部74から設定可
能である。ここで、演算表示器35に、演算部71で求
められたボルト締付力の大きさに応じたトーンの音を出
力する機能を備えることも好ましい。
【0026】前記演算表示器35に表示された値は、ボ
ルトの共振振動数に対応しているので、ボルトの締付状
態に対応した値が表示されることとなる。前述の如く、
共振振動数は、ボルトの軸部の張力に応じて変化するも
のであるから、例えば多数の正常な締付状態にあるボル
トの中から緩んだボルトを見出す場合に最適である。ボ
ルトが緩んでいる場合には、共振振動数が低下するよう
にずれるから締付具合を判別でき、またボルトが折損し
ている場合には、共振振動数(出力信号Vr)が増加す
るように大きくずれるので容易に判別できる。
【0027】次に、図6を参照して、前記ピーク検出器
33の具体例を説明する。本実施例のピーク検出器33
は、計測開始の信号(リモートスイッチ)を与えて振幅
信号V9 のピーク値をアナログ的に記憶し、次の周期で
再度同じピーク値に達したときに、これを共振点と判別
するものであり、具体的には、平滑器32の振幅信号V
9 を二方向に切り替える切替えスイッチ36と、切替え
スイッチ36のa接点に接続されたアナログメモリー回
路37と、アナログメモリー回路37の出力V A とb接
点に切り替える際の該b接点の出力VB (振幅信号V9
そのものである。)とを比較してパルス(サンプリング
パルスV10)を発生する比較器38から構成されてい
る。前記切替えスイッチ36は、制御装置のリセットス
イッチに連動し、通常はa端子が閉じていて、振幅信号
9 はアナログメモリー回路37にアナログ的に記憶さ
れ、比較器38の負端子に出力VA が常時入力されてい
る。そして、リセットスイッチを作動させている数秒間
だけ、切替えスイッチ36のb接点が閉じて、比較器3
8の正端子に出力VB が入力される。アナログメモリー
回路37に記憶された振幅信号V9 のピーク値は、次の
周期までに僅かに減少(1〜2%)しているので、次回
のピーク値の一つはこれを超える。従って、この点を比
較器38で検出してサンプリングパルスV10を生じさせ
る。
【0028】更に詳しくは、前記アナログメモリー回路
37は、応答性を高めるために二つの演算増幅器39,
40を直列に配し、その中間にダイオード41を配し、
ダイオード41の順方向側に配したコンデンサ42に振
幅信号V9 のピーク値に対応する電圧が蓄えられるので
ある。
【0029】そして、前記ピーク検出器33からのサン
プリングパルスV10は、サンプリングホールド34に入
力される。このサンプリングホールド34は、図6に示
すように、前記サンプリングパルスV10によってスイッ
チングされるトランジスタ43と、該トランジスタ43
によって制御される双方向アナログFET出力形のフォ
トカプラ44と、該フォトカプラ44の一方の出力端子
に並列接続されたコンデンサ45とから構成されてい
る。前記サンプリングパルスV10は、抵抗46を介して
トランジスタ43のベースに入力され、該トランジスタ
43のコレクタは、フォトカプラ44のカソードに接続
され、フォトカプラ44のアノードには所望の電流を供
給できるように電源に接続されている。フォトカプラ4
4のドレインには、前記超低周波発振器22から制御電
圧V1 が供給され、ソースには、前記コンデンサ45が
接続されるとともに、演算表示器35に接続されてい
る。そして、前記サンプリングパルスV10が入力されて
いる間だけ、トランジスタ43が導通して、発光ダイオ
ードに電流が流れて発光し、それに伴ってFETが導通
し、超低周波発振器22の制御電圧V1 の瞬間値でコン
デンサ45が充電され、それが保持される。つまり、演
算表示器35は、入力インピーダンスが高ければ、コン
デンサ45に蓄えられた電圧の低下は無視でき、その電
圧が出力信号Vrとして演算表示器35に供給されるの
である。もちろん、次の測定の前にはリセットスイッチ
を操作して、このコンデンサ45を放電させて初期状態
にする。
【0030】さて、上記した本発明に係るボルト締付力
検査装置と、上記した特開平7−333085号公報記
載のボルト締付力検査装置とを用いて、締付状態にある
ボルトの頭部を各装置内に設置して、ボルトの締付状態
を検査した。その結果によれば、本発明に係るボルト締
付力検査装置は、前記公報記載のものに比べて、出力信
号の感度が40倍〜50倍となったため、共振ピークと
他のノイズとを明確に識別できて、締付状態を明確に判
別することができた。また、前記公報記載のものでは困
難であった76mm供試体の締付状態の判別も可能であ
った。一方、締付状態にあるボルトのナット側他端部を
各装置内に設置してボルトの共振振動数を検出し、両者
の検出結果を比較したところ、上記と同様の検出結果を
得ることもできた。
【0031】
【発明の効果】上述の如く、本発明のボルト締付力検査
装置によれば、ボルトの頭部または他端部を納める軸対
称空間部の半径方向外周に励振コイルを配設するととも
に、この励振コイルの外周に、磁化方向を半径方向にし
て複数の永久磁石を互いに環状配列した環状永久磁石を
配設しているので、ボルトの縦振動の振幅を大きくする
ことができる。なおかつ、振動生成体と検出体との間に
振動緩和材を介在させていることにより、検出体への振
動の伝播を防ぐことができて、検出信号へのノイズ混入
を防止でき、もってボルトの共振振動数の検出精度を高
めることが可能となる。
【0032】また、前記振動伝達棒を前記振動検出器に
固着すると、ボルト頭部の塗布状態による振動伝達棒の
当接位置の振れを抑制でき、また振動伝達棒の横振動を
も抑制できるので、これらがノイズとなるのを防ぐこと
ができる。また、前記振動伝達棒として、セラミックス
などの非磁性かつ電気絶縁性の無機質固体を用いると、
振動伝達棒の共振を防ぐことができ、ノイズの発生を防
止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るボルト締付力検査装置の断面説明
図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】制御装置の簡略ブロック図である。
【図4】演算表示器の簡略ブロック図である。
【図5】制御装置の各部の信号波形を示すタイムチャー
トである。
【図6】ピーク検出器とその周辺を示す簡略ブロック図
である。
【図7】従来のボルト締付力検査装置の断面説明図であ
る。
【符号の説明】
1 ボルト締付力検査装置 2 制御装置 3 振動生成体 4 振動緩和材 5 検出体 6 ボルト 7 ボルトの頭部 8 ボルトの他端部 9 空間部 10 励振コイル 11 環状永久磁石 12 振動検出器 13 ばね体 14 振動伝達棒 15 角柱磁石 16 鉄輪 17 振動生成体の端部 18 板材 19 ボルト軸部 22 超低周波発振器 23 電圧制御発振器 26 バイアス補正増幅器 27 電流増幅器 28 増幅器 29 検波器 32 平滑器 33 ピーク検出器 34 サンプリングホールド 35 演算表示器 36 切替えスイッチ 37 アナログメモリー回路 38 比較器 39,40 演算増幅器 41 ダイオード 42 コンデンサ 43 トランジスタ 44 フォトカプラ 45 コンデンサ 46 抵抗 50 ボルト締付力検査装置 51 プローブ 52 制御装置 53 ボルト 54 ボルトの頭部 55 ボルトの他端部 56 空間部 57 励振コイル 58 第1永久磁石 59 第2永久磁石 60 振動伝達棒 61 中心孔 62 振動検出器 63 板材 64,65 座金 66 ナット 70 データ出力器 71 演算部 72 表示部 73 検量線テーブル記憶部 74 設定操作部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 594094124 財団法人阪神高速道路管理技術センター 大阪市中央区南本町4丁目5番7号 (72)発明者 矢野 博明 神戸市垂水区本多聞3丁目5番18号 セン サ・システム株式会社内 (72)発明者 北川 茂 岡山県倉敷市黒崎203番地の3 株式会社 日本非破壊計測研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボルトの頭部または他端部を納める軸対
    称空間部を備え、該軸対称空間部の半径方向外周に励振
    コイルを配設するとともに、該励振コイルの外周に、磁
    化方向を半径方向にして複数の永久磁石を互いに環状配
    列した環状永久磁石を配設して構成される振動生成体
    と、 該振動生成体に振動緩和材を介して連結し、前記軸対称
    空間部に突出する振動伝達棒と接続した振動検出器を中
    心軸に配設して構成される検出体と、 前記励振コイルに周波数が連続的に繰り返し変わる励振
    電流を供給する励振回路、前記振動伝達棒からの縦振動
    を検出する振動検出回路、および該振動検出回路の出力
    信号に基づきボルトの共振振動数を検出する共振検出回
    路を備えた制御装置と、から構成されるボルト締付力検
    査装置。
  2. 【請求項2】 前記振動伝達棒を前記振動検出器に固着
    して構成される請求項1記載のボルト締付力検査装置。
  3. 【請求項3】 前記振動伝達棒として非磁性かつ電気絶
    縁性の無機質固体を用いる請求項1または請求項2記載
    のボルト締付力検査装置。
  4. 【請求項4】 前記無機質固体としてセラミックスを用
    いる請求項3記載のボルト締付力検査装置。
  5. 【請求項5】 前記制御装置が、前記励振回路が電圧に
    よって周波数が変化する電圧制御発振器を備え、この制
    御電圧を変化させて前記励振コイルに励振電流を供給
    し、前記共振検出回路がボルトが共振振動を生じたこと
    を検出するピーク検出器と、共振周波数に対応した電圧
    を検出するサンプリングホールド器と、前記共振周波数
    に対応した電圧を入力されてボルト締付力を演算し表示
    する演算表示器とを備えて構成される請求項1〜3の何
    れか1項に記載のボルト締付力検査装置。
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