JPH11148035A - インクジェット記録用水性インク、インクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録用水性インク、インクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置

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JPH11148035A
JPH11148035A JP25177198A JP25177198A JPH11148035A JP H11148035 A JPH11148035 A JP H11148035A JP 25177198 A JP25177198 A JP 25177198A JP 25177198 A JP25177198 A JP 25177198A JP H11148035 A JPH11148035 A JP H11148035A
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JP
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ink
recording
reaction product
group
reactive dye
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Application number
JP25177198A
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English (en)
Inventor
Masako Shimomura
まさ子 下村
Hiromichi Noguchi
弘道 野口
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷物の変色(ブロンズ)の防止と吸収性の
異なる種々の記録媒体に対して良好な発色が得られるイ
ンクジェット記録用水性インクを提供する。 【解決手段】 一級アミノ基、二級アミノ基または四級
アンモニウム基を1分子中に1〜3個有する単糖類、二
糖類、若しくは重量平均分子量4000以下の多糖類と
反応性染料との反応生成物を含むインクジェット記録用
水性インク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用水性インク、インクジェット記録方法、記録ユニッ
ト、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方法は、種々の方法
により微細なインク滴を形成し、これを直接紙等の被記
録材に付着させる記録方法である。インクジェット記録
用インクは、安全性、臭気などの面から水性インクが主
流であり、水溶性染料または顔料、噴射ノズル内での乾
燥による目詰まりを防止するための水溶性有機溶剤(固
着防止剤)、水、必要に応じて浸透剤、染料溶解助剤、
防かび剤などから構成されている。
【0003】インクジェット用インクに求められる性能
としては、パソコンの高性能化、GUI環境の標準化に
より、高速印字化と画像品位の両立であり、特に色材に
求められる性能としては信頼性、色彩性、堅牢性などで
ある。これらのことから直接染料、酸性染料が用いられ
てきたが、特に堅牢性の面でいずれも満足すべき性能は
得られなかった。最近、ブラックにおいては顔料インク
が製品化され、画像品位、色彩性ともに向上したが、信
頼性においては染料インクに比べて劣っている。さらに
イエロー、シアン、マゼンタなどのカラー顔料において
は堅牢性には優れるものの透光性が悪く、信頼性はもち
ろんのこと色彩性において染料のレベルに達することは
難しい。
【0004】反応性基を分子内にもつ種々の染料(反応
性染料)は、信頼性、色彩性、耐光性、耐オゾン性など
に優れた色材である。近年、これらの反応性染料と高分
子を反応させて耐水性を向上させ、インクジェット用色
材として用いることが試まれている。例えば、特公昭6
2−16232号公報では、クロルトリアジン基、ビニ
ルスルフォン基をもつ染料を多価アルコール又はホルム
アミド類と反応させインクの色材としている。しかしな
がら、多価アルコールやホルムアミド類などは水溶性が
きわめて高いため、これらの高分子との反応よりも反応
性染料の加水分解の方がはるかに生じやすく、合成その
ものが難しいほか、合成後の精製も困難である。また、
反応性染料はアルカリ条件下において反応が生じるた
め、試料を水酸化ナトリウムなどによりpHll〜12
に調整しなければならない。ところがこのような強アル
カリ性のインクにおいては、インクジェット記録に限ら
ずインク接液部材が著しく限定されるほか、安全性に問
題が生じる。そのため酸で中和を行わなければならな
い。さらに、インクジェット方式など微細なノズルや管
にインクを通す方式においては、それらのなかで塩が析
出し詰まらせることがあるので、脱塩等の処理も必要と
なる。
【0005】また、特開昭62−119279号公報で
は、分子量10000から70000のポリエチレンイ
ミンに特定の反応性染料を反応させ、耐水性の良好な色
材を得ている。しかしながら、このように分子量の大き
なポリエチレンイミンにおいては、染料反応物が巨大分
子となるため粘度が高く、インクの追随性を悪化させる
等インクジェット適性に劣る他、分子中にしめる発色基
の割合が小さくなり、インク組成が限定される。また、
イミノ基が強いアルカリ性を示すため、未反応イミノ基
により合成物のpHは強アルカリ性となり、これら合成
物を色材としたインクも強いアルカリ性を示す。そのた
めこれらの染料を用いた場合、インク接液部材が著しく
限定されるほか、安全性に問題が生じる。そのため酸で
中和をおこなったり、イミノ基に対して過剰に反応性染
料を反応させるなどpHの中性化が必須であるが、イミ
ノ基を中和させると染料化合物の水溶性がなくなり、凝
集、沈澱を生じてしまう問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上記した様
な従来技術に鑑みなされたものであり、その目的は、従
来の反応性染料の優れた点(例えば色彩性、耐光性、透
光性等)を活かしつつ、その欠点である耐水性の向上を
図り、またインクジェット吐出特性の改善、保存性の向
上、印刷物の変色(所謂ブロンズ)の抑制、更には画像
品位の記録媒体依存性を抑えたインクジェット記録用水
性インクを提供することにある。
【0007】また本発明は、色彩性、耐光性、透光性に
優れ、且つ耐水性が向上し、また変色が少ない印刷物を
与え、更には種々の記録媒体に印刷した場合にも優れた
画像品位の印刷物が得られるインクジェット記録方法を
提供することを目的とする。
【0008】また本発明は、色彩性、耐光性、透光性に
優れ、且つ耐水性が向上し、また変色が少ない印刷物を
印刷でき、更には種々の記録媒体に印刷した場合にも優
れた画像品位の印刷を行なうことができるインクジェッ
ト記録装置、及びそれに用いる記録ユニット及びインク
カートリッジを提供することを更なる目的とするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】そして上記目的を達成す
ることのできるインクジェット記録用水性インクの一実
施態様は、一級アミノ基、二級アミノ基または四級アン
モニウム基を1分子中に1〜3個有する単糖類、二糖類
若しくは重量平均分子量4000以下の多糖類と反応性
染料との反応生成物、及び水性媒体を含むことを特徴と
する。
【0010】また上記目的を達成することのできるイン
クジェット記録用水性インクの他の一実施態様は、一級
アミノ基又は四級アンモニウム基を1分子中に1〜2個
有する重量平均分子量200〜3000のグリコール類
と反応性染料との反応生成物、及び水性媒体を含むこと
を特徴とする。
【0011】また上記目的を達成することのできるイン
クジェット記録用水性インクの他の一実施態様は、一級
アミノ基または四級アンモニウム基を1分子中に1〜3
個有するグリセリンのエチレンオキサイド付加物(但
し、全エチレンオキサイド基の数が15〜90)と反応
性染料との反応生成物を含むことを特徴とする。
【0012】また上記目的を違成することのできるイン
クジェット記録用水性インクの更に他の一実施態様は、
重量平均分子量1000以下のエチレンイミン誘導体1
モルに対して反応性染料を1〜3モル反応させた反応生
成物を含むことを特徴とする。
【0013】また上記目的を達成することのできるイン
クジェット記録方法は、例えば一級アミノ基、二級アミ
ノ基または四級アンモニウム基を1分子中に1〜3個有
する単糖類、二糖類若しくは重量平均分子量4000以
下の多糖類と反応性染料との反応生成物、及び水性媒体
を含むインクジェット記録用水性インク、一級アミノ基
又は四級アンモニウム基を1分子中に1〜2個有する重
量平均分子量200〜3000のグリコール類と反応性
染料との反応生成物、及び水性媒体を含むインクジェッ
ト記録用水性インク、一級アミノ基または四級アンモニ
ウム基を1分子中に1〜3個有するグリセリンのエチレ
ンオキサイド付加物(但し、全エチレンオキサイド基の
数が15〜90)と反応性染料との反応生成物を含むイ
ンクジェット記録用水性インク、または重量平均分子量
1000以下のエチレンイミン誘導体1モルに対して反
応性染料1〜3モルを反応させた反応生成物を含むイン
クジェット記録用水性インクの何れかに記載のインクに
エネルギーを印加して記録ヘッドのオリフィスから記録
媒体に向けて吐出させ、該記録媒体に付着させて記録を
行なう工程を有することを特徴とする。
【0014】また上記目的を達成することのできる記録
ユニットは、例えば一級アミノ基、二級アミノ基または
四級アンモニウム基を1分子中に1〜3個有する単糖
類、二糖類若しくは重量平均分子量4000以下の多糖
類と反応性染料との反応生成物、及び水性媒体を含むイ
ンクジェット記録用水性インク、一級アミノ基又は四級
アンモニウム基を1分子中に1〜2個有する重量平均分
子量200〜3000のグリコール類と反応性染料との
反応生成物、及び水性媒体を含むインクジェット記録用
水性インク、一級アミノ基または四級アンモニウム基を
1分子中に1〜3個有するグリセリンのエチレンオキサ
イド付加物(但し、全エチレンオキサイド基の数が15
〜90)と反応性染料との反応生成物を含むインクジェ
ット記録用水性インク、または重量平均分子量1000
以下のエチレンイミン誘導体1モルに対して反応性染料
1〜3モルを反応させた反応生成物を含むインクジェッ
ト記録用水性インクの何れかに記載のインクジェット記
録用水性インクを収容したインク収容部、及び該インク
にエネルギーを付与しオリフィスから吐出させる手段を
備えた記録ヘッドを具備していることを特徴とする。
【0015】また上記目的を達成することのできるイン
クカートリッジは、例えば一級アミノ基、二級アミノ基
または四級アンモニウム基を1分子中に1〜3個有する
単糖類、二糖類若しくは重量平均分子量4000以下の
多糖類と反応性染料との反応生成物、及び水性媒体を含
むインクジェット記録用水性インク、一級アミノ基又は
四級アンモニウム基を1分子中に1〜2個有する重量平
均分子量200〜3000のグリコール類と反応性染料
との反応生成物、及び水性媒体を含むインクジェット記
録用水性インク、一級アミノ基または四級アンモニウム
基を1分子中に1〜3個有するグリセリンのエチレンオ
キサイド付加物(但し、全エチレンオキサイド基の数が
15〜90)と反応性染料との反応生成物を含むインク
ジェット記録用水性インク、または重量平均分子量10
00以下のエチレンイミン誘導体と反応性染料1モルに
対して反応性染料1〜3モルを反応させた反応生成物を
含むインクジェット記録用水性インクの何れかに記載の
インクを収容したインク収容部を備えていることを特徴
とする。
【0016】また上記目的を達成することのできるイン
クジェット記録装置は、例えば一級アミノ基、二級アミ
ノ基または四級アンモニウム基を1分子中に1〜3個有
する単糖類、二糖類若しくは重量平均分子量4000以
下の多糖類と反応性染料との反応生成物、及び水性媒体
を含むインクジェット記録用水性インク、一級アミノ基
又は四級アンモニウム基を1分子中に1〜2個有する重
量平均分予量200〜3000のグリコール類と反応性
染料との反応生成物、及び水性媒体を含むインクジェッ
ト記録用水性インク、一級アミノ基または四級アンモニ
ウム基を1分子中に1〜3個有するグリセリンのエチレ
ンオキサイド付加物(但し、全エチレンオキサイド基の
数が15〜90)と反応性染料との反応生成物を含むイ
ンクジェット記録用水性インク、または重量平均分子量
1000以下のエチレンイミン誘導体1モルに対して反
応性染料1〜3モルを反応させた反応生成物を含むイン
クジェット記録用水性インクの何れかに記載のインクジ
ェット記録用水性インクを収容したインク収容部、及び
該インクにエネルギーを付与しオリフィスから吐出させ
る手段を備えた記録ヘッドを具備している記録ユニッ
ト、及び信号に応じて該記録ユニットを駆動せしめてイ
ンクを吐出させる為の手段を備えていることを特徴とす
る。
【0017】更に上記目的を違成することのできるイン
クジェット記録装置は、例えば一級アミノ基、二級アミ
ノ基または四級アンモニウム基を1分子中に1〜3個有
する単糖類、二糖類若しくは重量平均分子量4000以
下の多糖類と反応性染料との反応生成物.及び水性媒体
を含むインクジェット記録用水性インク、一級アミノ基
又は四級アンモニウム基を1分子中に1〜2個有する重
量平均分子量200〜3000のグリコール類と反応性
染料との反応生成物、及び水性媒体を含むインクジェッ
ト記録用水性インク、一級アミノ基または四級アンモニ
ウム基を1分子中に1〜3個有するグリセリンのエチレ
ンオキサイド付加物(但し、全エチレンオキサイド基の
数が15〜90)と反応性染料との反応生成物を含むイ
ンクジェット記録用水性インク、または重量平均分子量
1000以下のエチレンイミン誘導体1モルに対して反
応性染料1〜3モルを反応させた反応生成物を含むイン
クジェット記録用水性インクを収容したインク収容部を
備えているインクカートリッジ、該インクカートリッジ
に収納されたインクにエネルギーを印加してオリフィス
から吐出させる手段を備えた記録ヘッド、及び信号に応
じて該記録ヘッドを駆動せしめてインクを吐出させる為
の手段を備えていることを特徴とする。
【0018】そして本発明にかかる各実施態様によれ
ば、従来のインクと比較して印刷後の記録媒体上での変
色(所謂、ブロンズ)を抑えることができる。また種々
の記録媒体に印刷を行なったときの画像品位のばらつき
が少なく、画像品位の記録媒体への依存性が少なく、多
種の記録媒体に高品位の画像を記録することができる。
またインクジェット吐出特性やインクの保存安定性にも
優れている。
【0019】なお本発明によって係る効果が得られる理
由は明らかでないが、例えばブロンズの抑制に関して
は、反応性染料と結合させたアミノ化合物が染料分子を
取込み、染料分子同志の会合や結晶化を妨げている為と
考えられる。また記録媒体を選ばず高品位の印字が可能
な点に関しては、従来の反応性染料に比して色材が記録
媒体の表面に留まりやすく、記録媒体のインク吸収性の
差異に画像品位が左右され難いためと考えられる。
【0020】またインクジェット吐出特性の向上や保存
安定性に関しては,反応性染料とそれに結合させるアミ
ノ化合物の種類やその分子量の適切な選択による成果で
あると考えられる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の一実施態様にかかるインクジェット記録
用水性インクは、一級アミノ基、二級アミノ基または四
級アンモニウム基を1分子中に1〜3個有する単糖類、
二糖類、多糖類と反応性染料との反応生成物を含んでい
ることが好ましい。
【0022】また本発明の他の実施態様にかかるインク
ジェット記録用水性インクは、一級アミノ基又は四級ア
ンモニウム基を1分子中に1〜2個有する重量平均分子
量200〜3000のグリコール類と反応性染料との反
応生成物を含んでいることが好ましい。
【0023】また本発明の他の実施態様にかかるインク
ジェット記録用水性インクは、一級アミノ基または四級
アンモニウム基を1分子中に1〜3個有するグリセリン
のエチレンオキサイド付加物(但し、全エチレンオキサ
イド基の数が15〜90)と反応性染料との反応生成物
を含んでいることが好ましい。
【0024】更に本発明の他の実施態様に係るインクジ
ェット記録用インクは、重量平均分子量1000以下の
エチレンイミン誘導体1モルに対して反応性染料1〜3
モルを反応させた反応生成物を含んでいることが好まし
い。
【0025】反応性染料との反応に強アルカリ性のアミ
ノ化合物を用いているため、化合物自身のアルカリで反
応が可能となり、反応を生じさせるためのアルカリ化合
物の添加が必要ない。さらに、アミノ化合物の分子内の
一級アミノ基、二級アミノ基、四級アンモニウム基等の
カチオン基の種類と数を限定し、それらと反応させる反
応性染料の反応性基を選択するすることにより、アミノ
化合物内のカチオン基を反応性染料の反応性基と完全に
反応させることが可能となる。そのため反応の制御がし
やすく、副生成物の数も少ない他、反応後のpHが中性
付近となる。
【0026】又、特に一級アミノ基、二級アミノ基、も
しくは四級アンモニウム基をもつアミノ化合物は、反応
性染料分子内の反応性基、例えばビニルスルフォン基、
クロルトリアジン基、ニコチン酸基等と反応しやすいた
め、比較的穏やかな条件、例えば低温、低圧条件での反
応が可能となる。さらに反応性染料の加水分解よりも合
成反応の方が生じやすいことから生成率が高く、反応後
の未反応物の分取、精製を行ないやすい。
【0027】又、アミノ化合物として単糖類、二糖類、
若しくは重量平均分子量4000以下の多糖類、重量平
均分子量200〜3000のグリコール類、グリセリン
のエチレンオキサイド付加物(但し、エチレンオキサイ
ド基の数が15〜90である)、重量平均分子量100
0以下のエチレンイミン誘導体等と反応性染料との反応
生成物を含むインクは、粘度が低く、かつモル吸光係数
が高くなる他、水への溶解性、吐出安定性、保存性に優
れたものとなる。
【0028】本発明の反応性染料誘導体を用いたインク
は、従来のインクに比べ印刷後の変色(ブロンズ)の防
止に効果的なほか、記録媒体の適性範囲が広い。その理
由として次のようなことが考えられる。
【0029】ブロンズに対しては、反応性染料と共有結
合したアミノ化合物が染料分子を取り囲み、染料分子の
会合や結晶化を妨げており、そのためブロンズが起きな
いと推定される。
【0030】また記録媒体の選択肢が広いことに関して
は、従来のインクに比べ、色材が記録媒体の表面に留ま
りやすいため、記録媒体の吸収性の違いに左右されづら
いからである。記録媒体の表面にとどまる理由として、
記録媒体上で、インク中の水分や溶媒が蒸発することに
より、粘度が上昇しやすく浸透が抑制されることが考え
られる。
【0031】本発明に用いられるアミノ化合物について
詳述すると,たとえば分子内に一級アミノ基、二級アミ
ノ基若しくは四級アンモニウム基を1〜3個有する単糖
類、二糖類もしくは多糖類が挙げられる。ここで多糖類
には例えば水溶性キトサン(例えばスクシニル化したキ
トサン等)や水溶性セルロース等が包含され、また多糖
類を本発明のアミノ化合物として用いる場合には、重量
平均分子量が4000以下とすることが、インクのイン
クジェット吐出特性等を改善する上で好ましい。また単
糖類、二糖類若しくは多糖類を用いる場合、一級アミノ
基、二級アミノ基または四級アンモニウム基が、結合し
ている以外の部位に、例え水性媒体への溶解性を向上さ
せる為の修飾基(例えば水酸基、アセチル基等)を導入
してもよい。更には活性効果や消泡効果を持つブチルエ
ーテル基等の炭素数4以上のアルキルエーテル基等を反
応生成物の水溶性等に大きな影響を与えない範囲で結合
させ、インクの物性を制御することも可能である。以下
に本発明に用い得る単糖類、二糖類及び多糖類の具体例
を示す。
【0032】
【化7】
【0033】
【化8】
【0034】
【化9】
【0035】一級アミノ基又は四級アンモニウム基を1
分子中に1〜2個有するグリコール類は、反応性染料と
比較的良好に反応させることができるものである。そし
て係るグリコール類としては、重量平均分子量200〜
3000のものを用いることが好ましい。この様な分子
量の範囲を選択することによって染料の会合や結晶化に
よるブロンズの発生が抑制され、また記録媒体へのイン
クの表面への定着性が向上する。また反応性染料との反
応生成物が巨大分子となることが無く、インクのインク
ジェット吐出特性や保存安定性に影響を与えることが殆
ど、あるいは全くない。
【0036】以下に本発明に用い得るグリコール類の具
体例を示す。
【0037】
【化10】
【0038】一級アミノ基または四級アンモニウム基を
1分子中に1〜3個有するグリセリンのエチレンオキサ
イド付加物もまた反応性染料との良好な反応性を備えて
いる為好ましいものである。係るグリセリンのエチレン
オキサイド付加物としては、1分子内の全エチレンオキ
サイド基の数を15〜90とすることが好ましい。即ち
15個未満では染料分子同志の立体障害により未端の3
個のカチオン基全てに染料を共有結合することができな
くなる。また、90個よりも大きくなると、巨大な反応
性染料誘導体となりモル吸光係数の低下や吐出特性に問
題が生じる。
【0039】以下に本発明に用い得るグリセリンのオキ
サイド付加物の具体例を示す。
【0040】
【化11】
【0041】最後に本発明に用い得るエチレンイミン誘
導体は重量平均分子量が1000以下のものを用いるこ
とが好ましい。重量平均分子量を1000以下とするこ
とで反応性染料との反応生成物の巨大分子化が抑制さ
れ、モル吸光係数の低下やインクジェット吐出特性の低
下を抑えることができる。またインクのpHが高くなる
ことを防ぐこともできる。更に反応生成物の巨大化によ
るインクのインクジェット吐出特性の低下を防ぐため、
エチレンイミン誘導体1モルに対して反応させる反応性
染料は1〜3モルとすることが好ましい。
【0042】以下の本発明に用い得るエチレンイミン誘
導体の具体例を示す。
【0043】
【化12】
【0044】本発明の水性インクに用いられる反応性染
料は、カラーインデックス(COLOR INDEX)
に記載されている反応性染料が挙げられるが、それはだ
けでなく、下記に示す反応性染料の基本構造をもつもの
であれば良い。 D−T−X (D:色素母体、T:連結基、X:反応基を示す。)
【0045】色素母体Dとしては、スルフォン酸基を含
む低分子量の発色共鳴系が用いられ、好ましくはピラゾ
ロンアゾ系、ナフタレンアゾ系、アントラキノン系、ホ
ルマリン系、フタロシアニン系などであるが、トリフェ
ニルメタン系、キサンテン系などでも可能である。
【0046】反応基(X)の具体例としては、例えば連
結基としてアミノ基を有するハロゲン化トリアジン基
(モノクロロトリアジン基、ジクロロトリアジン基、ト
リクロロトリアジン基等)、連結基としてスルホン基や
アミノ基を有するビニルスルホン基、連結基としてアミ
ノ基を有するニコチン酸基等が挙げられる。
【0047】そして、上記モノクロロトリアジン基の具
体例としては、例えば下記式(I)及び(II)で示さ
れる構造が挙げられる。
【0048】
【化13】
【0049】又、ジクロロトリアジン基の具体例として
は下記式(III)で示される構造が挙げられる。
【0050】
【化14】
【0051】又、上記ビニルスルホン酸基の具体例とし
ては、例えば下記式(IV)〜(VI)で示される構造
が挙げられる。
【0052】
【化15】
【0053】さらに上記ニコチン酸基の例としては、下
記式(VII)で示される構造が挙げられる。
【0054】
【化16】
【0055】そして本発明に用いる反応性染料として
は、前記したアミノ化合物との反応生成物がpH5〜1
0、好ましくはpH6〜9の範囲で、少なくとも10w
t%、好ましくは30〜90wt%の水溶性を有する様
な染料を用いることが好ましい。溶解安定性がpHl0
を越えたり5未満であると、インク供給部材が著しく限
定され、安全性にも問題が生じる。
【0056】以下に反応性染料の一例を挙げる。主なク
ロルトリアジン系としては、Kayacion P Y
ellow P−S8G,Yellow P−5G,Y
ellow P−4G,YellowP−N3R,Re
d P−3BN,Turquoise P−3GF,B
lack P−NBR,Black P−N,Blac
k P−GS,Kayacion P−7G,Yell
ow P−5G,Yellow P−N3R,RedP
−BN,Turq.P−3GF,Black P−N,
Black P−NBR,Black P−GS,Re
d A−3B,Yellow E−MS,Red E−
MS,Lemon Yellow E−CM Clea
n,Yellow E−CM Clean,Red E
−CM,Red E−SN7B,Yellow E−S
N4G,Yellow E−SNA,Red E−S3
B,Red E−8BN,Turquoise E−N
A(日本化薬)、YELLOWE−3G,YELLOW
E−G,YELLOW E3R,GOLD YELL
OW E−R,Orange E−2G,Orange
E−2R,RED E−B,RED E−7B,Tu
rquise E−G,Green E−6B,Bri
lliant Yellow P3GN,Yellow
P−3R,Brilliant Red P−B,B
rilliant Red P−3B,Brillia
nt Blue P−3R,Brilliant Bl
ue P−BR,Brilliant Blue P−
BR,Turquoise Blue P−GR(BA
SF),Yellow 5G,Red B,Red 3
B,Turquoise Blue GF,Turqu
oise Blue B,Black BG−A,Bl
ack 2G(三菱化学),Procion Yell
ow SP−8G,Procion Yellow P
−4G,Procion Yellow P−3R,P
rocion Red P−4BN,Turquois
e SP−2G,Black P−2R,Black
SP−L(ICI),Cibacron Yellow
6GS,Cibacron Yellow 3G,G
olden Yellow 2R,Cibacron
Blue4GN,Cibacron Turquois
e GR,Cibacron Black GR,Ci
bacron Black 2PD,Cibacron
Yellow 6G,Cibacron Yellow
3G,Cibacron Yellow 2G,Ci
bacron Golden Yellow 2R,C
ibacron Red B,Cibacron Re
d 3B,Cibacron Red 6B,Ciba
cron Blue 4G,Cibacron Tur
quoise GF,Cibacron Turquo
ise GR,Cibacron Black 2PD
(CIBA−GEIGY)、などである。
【0057】ビニルスルフォン系としては,Duasy
n−Brilliant Yellow GL−SF
VP 220,Red 3B−SF VP 346,Y
ellow R−GL liquid,Red R−F
3B liquid,Blue R−KG liqui
d,Green R−K6B liquid,Blac
k R−KRL liquid(Hoechst),D
uasyn−Brill.Yellow 7GL,Br
ill.Yellow 4GL,Brill.Yell
ow GL,Yellow FG,Yellow GN
L,Yellow GR,Golden Yellow
G,Brill.Red BB,Brill.Red
5b,Red FG−SN,Red 2B−SN,T
urquoise Blue B,Turquoise
Blue G,Black AN,Black K
N,Black R−KN,Black DEN Hi
−Gran(三菱化成ヘキスト)、Sumifix S
upra Brilliant Yellow 3G
F,Yellow 3RF,Brilliant Re
d BSF,Brilliant Red 3BF,T
urquoise Blue B GF,Sumifi
x Yellow 2GL,Yellow FG,Ye
llow GN,Yellow GRS,Yellow
R,Golden Yellow GG,Brill
iant Red 5BS,Turquoise Bl
ue G,Black B,Black ENS,Bl
ack EX,BLACK EDS,BLACK PB
S(住友化学)などである。
【0058】ニコチン酸系としては、Kayacelo
n React ColoursYellow CN−
4G,Yellow CN−SL,Yellow CN
−ML,Yellow CN−RL,Red CN−3
B,Red CN−7B,Turquoise CN−
2G(日本化薬)などである。
【0059】本発明の水性インクに含有される反応生成
物の含有量は、インク全量に対して0.5〜90重量
%、好ましくは5〜50重量%の範囲である。
【0060】本発明の水性インクは、反応生成物の他
に、水溶性媒体として例えば水可溶性保湿剤、浸透剤等
の水溶性溶剤および水を含有する。
【0061】水可溶性保湿剤としては、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、トリプロピレングリコール、グリセリン、1,2,
4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオー
ル、1,2,5−ペンタントリオール、1,2−ブタン
ジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジ
オール、ジメチルスルオキシド、アセトンアルコール、
グリセリンモノアリルエーテル、プロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール30
0、チオジグリコール、N−メチル−2−ピロリドン、
2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチ
ル−2−イミダゾリジノン、スルフォラン、トリメチロ
ールプロパン、トリメチロールエタン、ネオペンチルグ
リコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ
ールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモ
ノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレン
グリコールモノメチルエーテル、ビス−β−ヒドロキシ
エチルスルフォン、ビス−β−ヒドロキシエチルスルフ
ォン、ビス−β−ヒドロキシエチルウレア、ウレア、ア
セトニルアセトン、ペンタエリスリトール、1,4−シ
クロヘキサンジオール、等があげられる。
【0062】浸透剤としては、ヘキシレングリコール、
エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレング
リコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノ
イソブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニル
エーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、
ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエ
チレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレング
リコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジ
エチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエ
ーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、
プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレ
ングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコ
ールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモ
ノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、グリセリンモノアセテート、エチレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノ
ール、1,2−シクロヘキサンジオール、1−ブタノー
ル、3−メチル−1,5ペンタンジオール、3−ヘキセ
ン−2,5−ジオール、2,3−ブタンジオール、1,
5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、
2,5−ヘキサンジオール、エタノール、n−プロパノ
ール、2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノ
ール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリル
アルコール等があげられる。
【0063】以上のような水性インクに含有される水溶
性溶剤の総量は、インク全量に対して5〜50重量%、
好ましくは5〜40重量%の範囲である。5重量%より
少ないと耐固着防止効果が劣り、50重量%より多いと
インクの初期粘度が上がる他、インクの浸透性が高まり
熱による状態変化の効果が低減したり、印字物がベタ付
く等の弊害が生じる。
【0064】また、水には純水またはイオン交換水が用
いられ、この水のインク中の含有量としては、一般には
インクの全重量に対して10〜90重量%が好ましく、
より好ましくは30〜80重量%の範囲である。
【0065】さらに、本発明の水性インクには、必要に
応じて、界面活性剤、防さび剤、防かび剤、酸化防止
剤、pH調整剤などの添加剤を含有することも可能であ
る。
【0066】本発明の記録方法に使用される記録媒体と
しては、特に限定されるものではなく、コピー用紙、ボ
ンド紙、レター紙等の普通紙やインクジェット記録用に
特別に調製されたコート紙、光沢紙やOHPフィルム等
が好適に使用される。
【0067】次に、本発明で用いられる記録装置につい
て説明する。本発明のインクを用いて記録を行なうのに
好適な方法及び装置としては、記録ヘッドの室内のイン
クに記録信号に対応した熱エネルギーを与え、該熱エネ
ルギーによりインクを吐出させるインクジェット記録方
法及びインクジェット記録装置が挙げられる。
【0068】その装置の主要部である記録ヘッドの構成
例を図1、図2及び図3に示す。ヘッド13はインクを
通す溝14を有するガラス、セラミック、シリコン又は
プラスチック板等と、感熱記録に用いられる発熱抵抗体
を有する発熱ヘッド15(図ではヘッドが示されている
が、これに限定されるものではない)とを接着して得ら
れる。発熱ヘッド15は酸化シリコン、窒化シリコン、
炭化シリコン等で形成される保護膜16、アルミニウム
電極17−1及び17−2、ニクロム等で形成される発
熱抵抗体層18、蓄熱層19、アルミナ等の放熱性の良
い基板20より成っている。
【0069】インク21は吐出オリフィス(微細孔)2
2迄来ており、不図示の圧力によりメニスカス23を形
成している。
【0070】今、電極17−1、17−2に電気信号が
加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に
発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、
その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が吐出
し、オリフィス22より記録小滴24となり、被記録材
25に向かって飛翔する。
【0071】図3には図1に示したノズルを多数並べた
マルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘッドはマルチ
溝26を有するガラス板27と、図1に説明したものと
同様な発熱ヘッド28を密着して製作される。
【0072】尚、図1は、インク流路に沿ったヘッド1
3の断面図であり、図2は図1のA−B線での切断面で
ある。図4に、かかるヘッドを組み込んだインクジェッ
ト記録装置の1例を示す。図4において、61はワイピ
ング部材としてのブレードであり、その一端はブレード
保持部材によって保持されて固定端となり、カンチレバ
ーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッドによる記録
領域に隣接した位置に配設される。
【0073】又、本例の場合、記録ヘッドの移動経路中
に突出した形態で保持される。62はキャップであり、
ブレード61に隣接するホームポジションに配設され、
記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して吐出口面
と当接し、キャッピングを行う構成を具備する。更に6
3はブレード61に隣接して配設されるインク吸収体で
あり、ブレード61と同様、記録ヘッドの移動経路中に
突出した形態で保持される。上記ブレード61、キャッ
プ62、インク吸収体63によって吐出回復部64が構
成され、ブレード61及びインク吸収体63によってイ
ンク吐出口面の水分、塵埃等の除去が行われる。
【0074】65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐
出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを吐
出して記録を行う記録ヘッドであり、66はこの記録ヘ
ッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行う為のキ
ャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動
可能に係合し、キャリッジ66の一部はモータ68によ
って駆動されるベルト69と接続(不図示)している。
これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿って移動
が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその
隣接した領域の移動が可能となる。
【0075】51は被記録材を挿入する為の給入部であ
り、52は不図示のモータにより駆動される送りローラ
である。これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と
対向する位置へ被記録材が給送され、記録が進行するに
つれて排出ローラ53を配した排出部へ排出される。
【0076】上記の構成において、記録ヘッド65が記
録終了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部6
4のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避
しているが、ブレード61は移動経路中に突出してい
る。この結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピング
される。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に
当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録
ヘッドの移動経路中に突出する様に移動する。
【0077】記録ヘッド65がホームポジションから記
録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード
61は、上記したワイピング時の位置と同一の位置にあ
る。この結果、この移動においても、記録ヘッド65の
吐出口面はワイピングされる。
【0078】上記の記録ヘッドのホームポジションへの
移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘ
ッドが記録の為に記録領域を移動する間に所定の間隔で
記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移
動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0079】図5は、ヘッドにインク供給部材、例え
ば、チューブを介して供給されるインクを収容したイン
クカートリッジの一例を示す図である。ここで40は供
給用インクを収容したインク収容部、例えば、インク袋
であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられてい
る。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、
インク袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめ
る。44は廃インクを受容するインク吸収体である。イ
ンク収容部としては、インクとの接液面がポリオレフフ
ィン、特にポリエチレンで形成されているのが本発明に
とって好ましい。
【0080】本発明で使用されるインクジェット記録装
置としては、上記の如きヘッドとインクカートリッジと
が別体となったものに限らず、図6に示す如きそれらが
一体となったものにも好適に用いられる。
【0081】図6において、70は記録ユニットであっ
て、この中にはインクを収容したインク収容部、例え
ば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収
体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71
からインク滴として吐出される構成になっている。イン
ク吸収体の材料としては、ポリウレタン、セルロース又
はポリビニルアセテートを用いることが本発明にとって
好ましい。
【0082】72は、記録ユニット内部を大気に連通さ
せる為の大気連通口である。この記録ユニット70は、
図4で示す記録ヘッドに代えて用いられるものであっ
て、キャリッジ66に対し着脱自在になっている。
【0083】次に、第2の力学的エネルギーを利用した
インクジェット記録装置の形態として、複数のノズルを
有するノズル形成基板と、ノズルに対向して配置される
圧電材料と、導電材料からなる圧力発生素子と、前記圧
力発生素子の周囲を満たすインクを備え、印加電圧によ
り圧力発生素子を変位させインクの小液滴をノズルから
吐出させるオンデマンドインクジェット記録ヘッドを挙
げることができる。その記録装置の主要部分である記録
ヘッドの構成例を図7に示す。
【0084】ヘッドは、インク室(不図示)に連通した
インク流路80と、所望の体積のインク滴を吐出するた
めのオリフィスプレート81と、インクに直接圧力を作
用させる振動板82と、その振動板82に接合され電気
信号により変位する圧電素子83と、圧電素子83、オ
リフィスプレート81、振動板82等を支持固定するた
めの基体84とから構成されている。
【0085】図7において、インク流路80は、感光性
樹脂等で形成され、オリフィスプレート81は、ステン
レス、ニッケル等の金属を電鋳、プレス加工による穴あ
け等により吐出口85が形成され、振動板82は、ステ
ンレス、ニッケル、チタン等の金属フィルムおよび高弾
性樹脂フィルム等で形成され、圧電素子83は、チタン
酸バリウム、PZT等の誘電体材料で形成される。
【0086】以上のような構成の記録ヘッドは、圧電素
子83にパルス状の電圧を与え、ひずみ応力を発生さ
せ、そのエネルギーが圧電素子83に接合された振動板
を変形させ、インク流路80内のインクを垂直に加圧し
インク滴を(不図示)をオリフィスプレート81の吐出
口85より吐出、記録を行うように動作する。
【0087】かかる記録ヘッドは図4に示したものと同
様な記録装置に組み込んで使用される。記録装置の細部
の動作は先述と同様に行うものでさしつかえない。
【0088】
【実施例】以下、実施例、比較例を挙げて本発明を更に
詳細に説明する。なお、特に断りのない限り「部」は
「重量部」を示す。まず、反応生成物の合成例を以下に
示す。
【0089】実施例1 (反応性染料及びアミノ化合物の反応生成物の合成)反
応性染料として、モノクロルトリアジン系のKayac
ion BlackP−NBR(黒)(日本化薬社製)
12部(固形分換算)と、アミノ化合物として、アミノ
ポリエチレンオキサイド(重量平均分子量2000、ア
ミノ基2個)14部に純水を加え100部とし、80℃
の恒温槽において5時間加熱撹拌を行い、反応性染料と
アミノ化合物を反応させた。
【0090】反応初期はpHll.8であったが、反応
後はpH8.6であった。反応前後の染料について、薄
層クロマトグラフを行ったところ、反応前は染料のスポ
ットが1ポイントであったが、反応後は2ポイントとな
っており、アミノポリエチレンオキサイドとの反応が確
認された。その後、反応生成物を単離、精製した。
【0091】(記録インクの調製)下記成分を混合し、
ポアサイズ0.22μmのメンブランフィルター(商品
名:フロロポアフィルター、住友電工(株)社製)にて
加圧濾過し、ブラックインクを得た。
【0092】(ブラックインク) 上記反応生成物 30部 ジエチレングリコール 15部 エタノール 3部 アセチレングリコール(EO10モル) 1部 純水 51部 (注)EO10モルはエチレンオキサイド10モルを示
す。
【0093】実施例2 (反応生成物の合成)反応性染料とアミノ化合物の組合
せを下記の組合せに変えた以外は実施例1と同様にして
反応生成物を得た。
【0094】
【外1】
【0095】合成の確認として上記の合成例に対し、合
成の前後の溶液について薄層クロマトグラフを行ったと
ころ、合成前は染料のポイントがlポイントであった。
合成後は合成前と同じRf値のポイントが薄くなり、合
成前のRf値より小さいところ(分子量が大きくなりR
f値が小さくなったと推定)にポイントが動いた。こう
して得た反応生成物を単離、精製した。
【0096】(記録インクの調整)下記成分を混合し、
ポアサイズ0.22μmのメンブランフィルタ(商品
名:フロロポアフィルタ;住友電工(株)社製)を用い
て加圧濾過し、イエローインクを調整した。
【0097】(イエローインク) 上記反応生成物 30部 ジエチレングリコール 15部 エタノール 3部 アセチレングリコール(EO10モル) 1部 純水 51部
【0098】実施例3 (反応生成物の合成)クロルトリアジン系反応性染料と
アミノ化合物との組合せを下記の組合せに変え、又アミ
ノ化合物の量を1.4gに変えた以外は実施例1と同様
にして反応生成物を合成した。
【0099】
【外2】
【0100】(記録インクの調製)下記成分を混合し、
ポアサイズ0.22μmのメンブランフィルター(商品
名:フロロポアフィルター、住友電工(株)社製)を用
いて加圧濾過し、マゼンタインクを得た。
【0101】(マゼンタインク) 上記反応生成物 30部 ジエチレングリコール 15部 エタノール 3部 アセチレングリコール(EO10モル) 1部 純水 51部
【0102】実施例4 (反応生成物の合成)クロルトリアジン系反応性染料と
アミノ化合物との組合せを下記の組合せに変え、またア
ミノ化合物の量を21.4gに変えた以外は実施例1と
同様にして反応生成物を合成した。
【0103】
【外3】
【0104】(記録インクの調製)下記成分を混合し、
ポアサイズ0.22μmのメンブランフィルター(商品
名:フロロポアフィルター、住友電工(株)社製)を用
いて加圧濾過し、シアンインクを得た。
【0105】(シアンインク) 上記反応生成物 30部 ジエチレングリコール 15部 エタノール 3部 アセチレングリコール(EOl0モル) 1部 純水 51部
【0106】実施例5 (反応生成物の合成)クロルトリアジン系反応性染料と
アミノ化合物との組合せを下記の組合せに変え、またア
ミノ化合物の量を2.6gに変えた以外は実施例1と同
様にして反応生成物を合成した。
【0107】
【外4】
【0108】(記録インクの調製)下記成分を混合し、
ポアサイズ0.22μmのメンブランフィルター(商品
名:フロロポアフィルター、住友電工(株)社製)を用
いて加圧濾過し、ブラックインクを得た。
【0109】 (ブラックインク) 上記反応生成物 30部 ジエチレングリコール 7.5部 トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.5部 純水 55部
【0110】実施例6 (反応生成物の合成)反応性染料として下記のニコチン
系反応性染料とアミノ化合物の組合せを用い、またアミ
ノ化合物の量を3.2gとした以外は、実施例1と同様
にして反応生成物を合成した。
【0111】
【外5】
【0112】(記録インクの調製)下記成分を混合し、
ポアサイズ0.22μmのメンブランフィルター(商品
名:フロロポアフィルター、住友電工(株)社製)を用
いて加圧濾過し、イエローインクを得た。
【0113】 (イエローインク) 上記反応生成物 30部 ジエチレングリコール 7.5部 卜リエチレングリコールモノブチルエーテル 7.5部 純水 55部
【0114】実施例7 (反応生成物の合成)ニコチン系反応性染料とアミノ化
合物の組合せを下記の組合せに変え、またアミノ化合物
の量を5.5gに変えた以外は、実施例6と同様にして
反応生成物を合成した。
【0115】
【外6】
【0116】(記録インクの調製)下記成分を混合し、
ポアサイズ0.22μmのメンブランフィルター(商品
名:フロロポアフィルター、住友電工(株)社製)を用
いて加圧濾過し、マゼンタインクを得た。
【0117】 (マゼンタインク) 上記反応生成物 30部 ジエチレングリコール 7.5部 トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.5部 純水 55部
【0118】実施例8 (反応生成物の合成)ニコチン系反応性染料とアミノ化
合物の組合せを下記の組合せに変えた以外は、実施例7
と同様にして反応生成物を得た。
【0119】
【外7】
【0120】(記録インクの調製)下記成分を混合し、
ポアサイズ0.22μmのメンブランフィルター(商品
名:フロロポアフィルター、住友電工(株)社製)を用
いて加圧濾過し、シアンインクを得た。
【0121】 (シアンインク) 上記反応生成物 30部 ジエチレングリコール 7.5部 トリエチレングリコールモノブチルエーテル 7.5部 純水 55部
【0122】実施例9 (反応生成物の合成)クロルトリアジン系反応性染料と
アミノ化合物の組合せを下記の組合せに変え、またアミ
ノ化合物の量を3.6gに変えた以外は、実施例1と同
様にして反応生成物を合成した。
【0123】
【外8】
【0124】(記録インクの調製)下記成分を混合し、
ポアサイズ0.22μmのメンブランフィルター(商品
名:フロロポアフィルター、住友電工(株)社製)を用
いて加圧濾過し、ブラックインクを得た。
【0125】 (ブラックインク) 上記反応生成物 30部 ジエチレングリコール 7.5部 エチレングリコール 7.5部 イソプロパノール 3部 サーフロン113(旭ガラス社製) 0.5部 純水 51.5部
【0126】実施例10 (反応生成物の合成)クロルトリアジン系反応性染料と
アミノ化合物の組合せを下記の組合せに変え、またアミ
ノ化合物の量を6.7gに変えた以外は、実施例1と同
様にして反応生成物を得た。
【0127】
【外9】
【0128】(記録インクの調製)下記成分を混合し、
ポアサイズ0.22μmのメンブランフィルター(商品
名:フロロポアフィルター、住友電工(株)社製)を用
いて加圧濾過し、イエローインクを得た。
【0129】 (イエローインク) 上記反応生成物 30部 ジエチレングリコール 7.5部 エチレングリコール 7.5部 イソプロパノール 3部 サーフロン113(旭ガラス社製) 0.5部 純水 51.5部
【0130】実施例11 (反応生成物の合成)反応性染料として下記のビニルス
ルフォン系反応性染料とアミノ化合物の組合せを用い、
またアミノ化合物の量を7.14gとした以外は、実施
例1と同様にして反応生成物を得た。
【0131】
【外10】
【0132】(記録インクの調製)下記成分を混合し、
ポアサイズ0.22μmのメンブランフィルター(商品
名:フロロポアフィルター、住友電工(株)社製)を用
いて加圧濾過し、マゼンタインクを得た。
【0133】 (マゼンタインク) 上記反応生成物 30部 ジエチレングリコール 7.5部 エチレングリコール 7.5部 イソプロパノール 3部 サーフロン113(旭ガラス社製) 0.5部 純水 51.5部
【0134】実施例12 (反応生成物の合成)ビニルスルフォン系反応性染料と
アミノ化合物の組合せを下記の組合せに変え、またアミ
ノ化合物の量を3.57gとした以外は、実施例11と
同様にして反応生成物を得た。
【0135】
【外11】
【0136】(記録インクの調製)下記成分を混合し、
ポアサイズ0.22μmのメンブランフィルター(商品
名:フロロポアフィルター、住友電工(株)社製)を用
いて加圧濾過し、シアンインクを調製した。
【0137】(シアンインク) 上記反応生成物 30部 ジエチレングリコール 15部 エタノール 3部 アセチレングリコール(EO:10モル) 1部 純水 51部
【0138】比較例1 下記成分を混合し、ポアサイズ0.22μmのメンブラ
ンフィルター(商品名:フロロポアフィルター、住友電
工(株)社製)を用いて加圧濾過し、ブラックインクを
得た。
【0139】(ブラックインク) 反応性染料(Kayacion Black) 30部 ジエチレングリコール 15部 エタノール 3部 アセチレングリコール(EOl0モル) 1部 純水 51部
【0140】比較例2 下記成分を混合し、ポアサイズ0.22μmのメンブラ
ンフィルター(商品名:フロロポアフィルター、住友電
工(株)社製)を用いて加圧濾過し、ブラックインクを
調製した。
【0141】(ブラックインク) C.I Drect BKl54 30部 ジエチレングリコール 15部 エタノール 3部 アセチレングリコール(EO10モル) 1部 純水 51部
【0142】比較例3 (反応生成物の合成)ビニルスルフォン系反応性染料と
アミノ化合物の組合せを下記の組合せに変え、またアミ
ノ化合物の量を71.4gとした以外は、実施例11と
同様にして反応生成物を得た。
【0143】
【外12】
【0144】(記録インクの調製)下記成分を混合し、
ポアサイズ0.22μmのメンブランフィルター(商品
名:フロロポアフィルター、住友電工(株)社製)を用
いて加圧濾過し、シアンインクを得た。 (シアンインク) 上記反応生成物 30部 ジエチレングリコール 15部 エタノール 3部 アセチレングリコール(EO10モル) 1部 純水 51部
【0145】(評価) (1)評価用紙として、ステキヒトサイズ度の異なる下
記表1に示す8種の紙を用意した。
【0146】
【表1】
【0147】(2)実施例1〜4で調製したブラック、
イエロー、マゼンタ及びシアンのインクをインクジエッ
トプリンタ(商品名:BJC600(360dpi);
キヤノン(株)社製)のインクタンクに収納し、普通紙
モードにて図8に示す印字パターンを上記8種類の記録
媒体の各々に印字した。 (3)実施例5〜8で調製したブラック、イエロー;マ
ゼンタ及びシアンのインクの組合わせに変えた以外は上
記(2)と同様にして印字を行なった。 (4)実施例9〜12で調製したブラック、イエロー、
マゼンタ及びシアンのインクの組合わせに変えた以外は
上記(2)と同様にして印字を行なった。 (5)比較例1のブラックインク及び実施例2〜4のイ
エロー、マゼンタ及びシアンのインクの組合わせに変え
た以外は上記(2)と同様にして印字を行なった。 (6)比較例2のブラックインク及び実施例2〜4のイ
エロー、マゼンタ及びシアンのインクの組合わせに変え
た以外は上記(2)と同様にして印字を行なった。 (7)実施例1〜3のブラック、イエロー、マゼンタの
インク、及び比較例3のシアンインクの組合わせを用い
た以外は上記(2)と同様にして印字を行なった。
【0148】下記の評価を行なった。 ブロンズの発生(B) 所定のプリンタの印字物を印字後一昼夜放置し(25℃
前後、湿度60〜70%)、光の反射による光沢の有無
を、男女20人が目視により判定し、ブロンズの発生が
無いと答えた人数により評価した。
【0149】表面定着性(S.T) 印字物を安全カミソリ等で表面をつぶさないように切断
し、金属顕微鏡で印字物の断面から染料の浸透の度合を
観察した。浸透の状態を下記の3段階に評価した。 ◎:上部1/3まで浸透していない。 〇:上部1/2まで浸透していない。 ×:1/2以上浸透し、ところどころ裏抜けしている。
【0150】印字濃度(OD) 印字物の反射濃度(マクベス反射濃度計RD914)の
測定を行った。5ポイント測定し、平均値とした。 ◎:OD1.25以上 ○:OD1.2以上 ×:OD1.2未満
【0151】インク粘度 25℃におけるインクの粘度の測定をE型粘度計を用い
ておこなった。 ○:3.0cps未満 ×:3.0cps以上
【0152】保存性 インク60gを100ml用のショット瓶にいれ60℃
で7日保存後、瓶の底の付着物の有無を調べた。 ○:付着物なし。 ×:付着物あり。
【0153】印字持続性 モノカラーインクジェットプリンタ、キヤノン製BJl
0Vプリンターを用いて、所定のインクカートリッジに
インクをつめ、インクがなくなるまでA4ベタパターン
を印字した。 ○:カートリッジのインクがなくなるまで印字ができ
た。 ×:印字途中でかすれ等が生じた。
【0154】(評価結果)下記の表2〜4に評価結果を
示す。
【0155】
【表2】
【0156】
【表3】
【0157】
【表4】 (注)B:ブロンズの発生、S.T:表面定着性、O
D:印字濃度を示す。
【0158】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明による反応性
染料誘導体を用いたインクは、反応性染料に結合したポ
リマーが障害となり反応性染料の結晶化が疎外されるた
め、印字物の反応性染料の結晶化に伴う変色(ブロン
ズ)を防止することができる。
【0159】また、反応性染料に結合したポリマーのた
めに記録媒体の表面に色材がとどまるため、記録媒体の
吸収性の差にかかわらず発色性の良好な印字物がえられ
る。さらに、反応性染料を用いるため、耐光性、透光性
にも優れる。また、このような反応性染料の誘導体を使
用することで、インクの追随性や耐こげ性、回復性、長
期保存性などに代表される信頼性に支障をきたすことは
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面図
である。
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面図
である。
【図3】インクジェット記録装置のヘッド部の外観斜視
図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図で
ある。
【図5】インクカートリッジの縦断面図である。
【図6】記録ユニットの一例を示す斜視図である。
【図7】圧電素子を用いたインクジェット記録ヘッドの
構成例を示す概略図である。
【図8】発色性の評価の印字パターンを示す説明図であ
る。
【符号の説明】
13 ヘッド 14 インク溝 15、28 発熱ヘッド 16 保護膜 17−1、17−2 アルミニウム電極 18 発熱抵抗体層 19 蓄熱層 20 基板 21 インク 22 吐出オリフィス(微細孔) 23 メニスカス 24 記録小滴 25 被記録材 26 マルチ溝 27 ガラス板 28 発熱ヘッド 40 インク収容部 42 栓 44 インク吸収体 45 インクカートリッジ 51 給入部 52 送りローラ 53 排出ローラ 61 ブレード 62 キャップ 63 インク吸収体 64 吐出回復部 65 記録ヘッド 66 キャリッジ 70 記録ユニット 71 ヘッド部 72 大気連通口

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一級アミノ基、二級アミノ基または四級
    アンモニウム基を1分子中に1〜3個有する単糖類、二
    糖類、若しくは重量平均分子量4000以下の多糖類と
    反応性染料との反応生成物を含むことを特徴とするイン
    クジェット記録用水性インク。
  2. 【請求項2】 該単糖類が、下記構造式(1)及び
    (2)で示される化合物の少なくとも一方である請求項
    1記載のインクジェット記録用水性インク。 【化1】
  3. 【請求項3】 該二糖類が、下記構造式(3)〜(6)
    で示される化合物の少なくとも1つである請求項1記載
    のインクジェット記録用水性インク。 【化2】
  4. 【請求項4】該多糖類が、下記構造式(7)及び(8)
    で示される化合物の少なくとも一方である請求項1記載
    のインクジェット記録用水性インク。 【化3】
  5. 【請求項5】 一級アミノ基又は四級アンモニウム基を
    1分子中に1〜2個有する重量平均分子量200〜30
    00のグリコール類と反応性染料との反応生成物を含む
    ことを特徴とするインクジエット記録用水性インク。
  6. 【請求項6】 該グリコール類が、下記構造式(9)〜
    (12)で示される化合物の少なくとも1つである請求
    項5記載のインクジェット記録用水性インク。 【化4】
  7. 【請求項7】 一級アミノ基または四級アンモニウム基
    を1分子中に1〜3個有するグリセリンのエチレンオキ
    サイド付加物(但し、全エチレンオキサイド基の数が1
    5〜90)と反応性染料との反応生成物を含むことを特
    徴とするインクジェット記録用水性インク。
  8. 【請求項8】 該グリセリンのエチレンオキサイド付加
    物が、下記構造式(13)〜(15)で示される少なく
    とも1つである請求項7記載のインクジェット記録用水
    性インク。 【化5】
  9. 【請求項9】 重量平均分子量1000以下のエチレン
    イミン誘導体1モルに対して反応性染料を1〜3モル反
    応した反応生成物を含むことを特徴とするインクジェッ
    ト記録用水性インク。
  10. 【請求項10】 該エチレンイミン誘導体が下記構造式
    (16)または(17)で示される化合物の少なくとも
    一方である請求項9記載のインクジェット記録用水性イ
    ンク。 【化6】
  11. 【請求項11】 該反応性染料が、反応基としてモノク
    ロロトリアジン基、ジクロロトリアジン基、若しくはト
    リクロロトリアジン基を有する染料である請求項1〜l
    0の何れかに記載のインクジェット記録用水性インク。
  12. 【請求項12】 該反応性染料が、反応基としてビニル
    スルフォン基を有する染料である請求項1〜l0の何れ
    かに記載のインクジェット記録用水性インク。
  13. 【請求項13】 該反応性染料が、反応基としてニコチ
    ン酸基を有する染料である請求項1〜l0の何れかに記
    載のインクジェット記録用水性インク。
  14. 【請求項14】 該反応生成物がpH5〜10の範囲で
    少なくとも10wt%の水溶性を有する請求項1〜13
    の何れかに記載のインクジェット記録用水性インク。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14の何れかに記載のイン
    クにエネルギーを印加して記録ヘッドのオリフィスから
    記録媒体に向けて吐出させ、該記録媒体に付着させて記
    録を行なう工程を有することを特徴とするインクジェッ
    ト記録方法。
  16. 【請求項16】 該エネルギーが熱エネルギーである請
    求項15記載のインクジェット記録方法。
  17. 【請求項17】 該エネルギーが力学的エネルギーであ
    る請求項15記載のインクジェット記録方法。
  18. 【請求項18】 請求項1〜14の何れかに記載のイン
    クジェット記録用水性インクを収容したインク収容部、
    及び該インクにエネルギーを付与しオリフィスから吐出
    させる手段を備えた記録ヘッドを具備していることを特
    徴とする記録ユニット。
  19. 【請求項19】 該エネルギーが熱エネルギーである請
    求項18記載の記録ユニット。
  20. 【請求項20】 該エネルギーが力学的エネルギーであ
    る請求項18記載の記録ユニット。
  21. 【請求項21】 該インク収容部が、ポリウレタン、セ
    ルロース、ポリビニルアセテート及びポリオレフィン系
    樹脂の少なくとも1つを含む請求項18〜20の何れか
    に記載の記録ユニット。
  22. 【請求項22】 該インク収容部がポリオレフィン系樹
    脂からなる請求項21記載の記録ユニット。
  23. 【請求項23】 請求項1〜14の何れかに記載のイン
    クを収容したインク収容部を備えたインクカートリッ
    ジ。
  24. 【請求項24】 該インク収容部が、ポリウレタン、セ
    ルロース、ポリビニルアセテート及びポリオレフィン系
    樹脂の少なくとも1つを含む請求項23記載のインクカ
    ートリッジ。
  25. 【請求項25】 該インク収容部がポリオレフィン系樹
    脂からなる請求項24記載のインクカートリッジ。
  26. 【請求項26】 請求項18〜22のいずれかに記載の
    記録ユニット、及び信号に応じて該記録ユニットを駆動
    せしめてインクを吐出させる為の手段を備えていること
    を特徴とするインクジェット記録装置。
  27. 【請求項27】 請求項23〜25の何れかに記載のイ
    ンクカートリッジ、該インクカートリッジに収納された
    インクにエネルギーを印加してオリフィスから吐出させ
    る手段を備えた記録ヘッド、及び信号に応じて該記録ヘ
    ッドを駆動せしめてインクを吐出させる為の手段を備え
    ていることを特徴とするインクジェット記録装置。
JP25177198A 1997-08-25 1998-08-24 インクジェット記録用水性インク、インクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置 Pending JPH11148035A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006526062A (ja) * 2003-04-30 2006-11-16 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. インクジェット印刷用のグレーインク
KR100717021B1 (ko) 2005-08-19 2007-05-10 삼성전자주식회사 당 화합물을 포함하는 잉크 조성물, 이를 포함한 잉크카트리지 및 잉크젯 기록 장치
WO2010013649A1 (ja) * 2008-07-31 2010-02-04 日本化薬株式会社 インクジェット捺染用インクセット及びそれを用いた繊維の捺染方法

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