JPH11147826A - 経皮吸収性の向上方法及び皮膚外用剤 - Google Patents

経皮吸収性の向上方法及び皮膚外用剤

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JPH11147826A
JPH11147826A JP32945597A JP32945597A JPH11147826A JP H11147826 A JPH11147826 A JP H11147826A JP 32945597 A JP32945597 A JP 32945597A JP 32945597 A JP32945597 A JP 32945597A JP H11147826 A JPH11147826 A JP H11147826A
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JP
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glycyrrhizic
skin
glycyrrhizinate
glycyrrhizic acids
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Hiroshi Horiuchi
拓 堀内
Akito Odaka
明人 小高
Misao Koide
操 小出
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Lion Corp
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 グリチルリチン酸、グリチルリチン酸二
カリウム、グリチルリチン酸三カリウム、グリチルリチ
ン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸三ナトリウム、グ
リチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルリチン酸二
アンモニウムから選ばれる1種又は2種以上のグリチル
リチン酸類を含有する皮膚外用剤において、上記グリチ
ルリチン酸類の濃度を該グリチルリチン酸類の臨界ミセ
ル濃度以上とすると共に、上記製剤のpHを4〜6に調
整することによって、上記グリチルリチン酸類の皮膚か
らの吸収性を向上させる。 【効果】 グリチルリチン酸類の皮膚からの吸収性が向
上される上、グリチルリチン酸類による共存薬物の経皮
吸収促進作用も向上される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グリチルリチン酸
類の経皮吸収性を向上させ、更にグリチルリチン酸類の
共存薬物に対する経皮吸収促進作用も向上させることが
できる経皮吸収性の向上方法及び該方法によってグリチ
ルリチン酸類及びその共存薬物の皮膚からの吸収性が向
上された皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】グリチ
ルリチン酸誘導体の前駆体である甘草の主成分グリチル
リチンは、グリチルレチンと2分子のグルクロン酸との
抱合体であり、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸二
カリウム、グリチルリチン酸三カリウム、グリチルリチ
ン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸三ナトリウム、グ
リチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルリチン酸二
アンモニウム等のグリチルリチン酸類は甘味料として使
用されていると共に、抗炎症作用を有することが知られ
ており、また皮膚に対する刺激性も比較的弱く、且つ皮
膚から吸収されることから、皮膚外用剤の有効成分とし
て繁用されている。
【0003】また、上記グリチルリチン酸類を使用して
皮膚外用剤を調製する場合、グリチルリチン酸類以外の
有効成分を共存薬物として配合することが行われている
が、近年、グリチルリチン酸類は、それ自身が経皮吸収
されるのみならず、共存薬物に対する経皮吸収促進作用
もあることが発見されるに至り、その皮膚外用剤として
の有用性が注目されている。
【0004】しかしながら、グリチルリチン酸類の経皮
吸収性及び共存薬物に対する経皮吸収促進作用について
は、未だ検討の余地があり、それらの作用をより向上す
る技術が要望されていた。
【0005】本発明は上記要望に応えるためになされた
ものであり、上記グリチルリチン酸類の経皮吸収性を向
上させて、その抗炎症作用を十分に発揮させることがで
き、更にグリチルリチン酸類の共存薬物に対する経皮吸
収促進作用も向上させることができる経皮吸収性の向上
方法及び該方法によって上記グリチルリチン酸類の経皮
吸収性が向上されるのみならず、その共存薬物の経皮吸
収性も促進され、優れた薬理効果を発揮することができ
る皮膚外用剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは上記目的を達成するため鋭意研究を行った結
果、特定のpH環境下において、上記グリチルリチン酸
類の経皮吸収性が高まり、その結果、これらグリチルリ
チン酸類の薬理効果が向上し、更に、このようなpH環
境下ではグリチルリチン酸類が有する経皮吸収促進作用
もより向上して上記グリチルリチン酸類との共存薬物の
薬効向上も図ることができることを見い出し、更に鋭意
検討を進めた結果、上記グリチルリチン酸類の製剤中で
の濃度をその臨界ミセル濃度以上となるようにすること
によって、上記グリチルリチン酸類自体の経皮吸収性及
び共存薬物に対する経皮吸収促進作用がより優れたもの
となることを知見し、本発明を完成するに至った。
【0007】ここで、上記グリチルリチン酸類による共
存薬物の経皮吸収促進作用の作用機序については、明確
ではないが、上記グリチルリチン酸類は、例えば下記構
造式(1)で示されるグリチルリチン酸二カリウムのよ
うに、下記構造式(2)で示される親水基と下記構造式
(3)で示される疎水基とを有し、薬理作用として抗炎
症作用を有するのみならず界面活性機能も合わせ持つも
のである。従って、製剤中でのグリチルリチン酸類濃度
がその臨界ミセル濃度(cmc、以下同様)以下であれ
ば、グリチルリチン酸類は製剤中で共存薬物の皮膚から
の吸収を促進させる作用を示す単分子モノマーとして存
在するが、その濃度がcmc以上となると共存薬物を取
り込んだ集合体ミセルを形成して、共存薬物のキャリア
ーとしての機能を発現するものと思われる。
【0008】
【化1】
【0009】よって、本発明は、グリチルリチン酸、グ
リチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸三カリウ
ム、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸
三ナトリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グ
リチルリチン酸二アンモニウムから選ばれる1種又は2
種以上のグリチルリチン酸類を含有する皮膚外用剤にお
いて、上記グリチルリチン酸類の濃度を該グリチルリチ
ン酸類のcmc以上とすると共に、上記製剤のpHを4
〜6に調整することによって、上記グリチルリチン酸類
の皮膚からの吸収性を向上させることを特徴とする経皮
吸収性の向上方法、更に、上記製剤にグリチルリチン酸
類以外の有効成分を配合することによって、上記グリチ
ルリチン酸類による上記有効成分の経皮吸収促進作用を
向上させる上記経皮吸収性の向上方法を提供する。更
に、上記グリチルリチン酸類と経皮吸収性の有効成分と
を配合すると共に、上記経皮吸収性の向上方法によって
上記グリチルリチン酸類及び上記有効成分の皮膚からの
吸収性が向上された皮膚外用剤を提供する。
【0010】以下、本発明について更に詳述すると、本
発明の経皮吸収性の向上方法は、グリチルリチン酸類を
含有する皮膚外用剤のグリチルリチン酸類の濃度をその
臨界ミセル濃度(cmc、以下同様)以上にすると共
に、上記皮膚外用剤のpHを4〜6に調製することによ
って、グリチルリチン酸類の皮膚からの吸収性を向上さ
せるものである。
【0011】ここで、本発明の皮膚外用剤は、その剤型
が特に制限されるものではなく、油性製剤、エマルショ
ン製剤、エアゾール製剤等として調製することもできる
が、水性製剤として調製することが望ましく、例えばゲ
ル剤,ローション剤,パップ剤等として調製すると効果
的である。
【0012】上記皮膚外用剤は、グリチルリチン酸、グ
リチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸三カリウ
ム、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸
三ナトリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グ
リチルリチン酸二アンモニウムを含有するものであり、
これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて配
合することができ、これらの中でもグリチルリチン酸二
カリウムは、水に対する溶解性に優れているのでより好
適に使用することができる。
【0013】本発明の方法は、製剤中の上記グリチルリ
チン酸類の配合量をそのcmc以上とするものであり、
具体的には上記グリチルリチン酸類の場合、いずれもグ
リチルリチン酸に換算した時の濃度が0.07%(重量
%、以下同様)以上、特に0.1%以上になるように配
合するものである。濃度が低すぎると本発明の目的を十
分に達成することができない。本発明の場合、上記グリ
チルリチン酸類の濃度が、グリチルリチン酸換算で0.
07%以上であれば、その上限は特に制限されるもので
はないが、いずれのグリチルリチン酸類であっても安全
性等を考慮すれば製剤全体に対して3%以下、特に0.
5%以下であることが望ましい。
【0014】本発明の方法は、上記グリチルリチン酸類
以外の有効成分を共存薬物として配合した場合、その共
存薬物の吸収性も向上させるものであり、このような有
効成分としては、皮膚から吸収されるものであれば、そ
の種類は特に制限されないが、本発明の場合、特に解熱
・消炎・鎮痛剤、鎮痒剤等が好適に使用され、具体的に
は解熱・消炎・鎮痛剤としてサリチル酸グリコール,サ
リチル酸メチル,アセチルサリチル酸,インドメタシ
ン,ケトプロフェン,スプロフェン,フルルビプロフェ
ン,ブフェキサマック,dl−カンフル,l−メントー
ル等、鎮痒剤としてカンフル,クロタミトン等が挙げら
れ、その他カプサイシン等の温感付与剤なども配合で
き、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせ
て配合することができる。
【0015】ここで、本発明の皮膚外用剤が水性製剤で
ある場合、共存薬物が水溶性に劣るものであると、その
可溶化のために界面活性剤を用いる必要が生じるが、こ
のような目的で配合される界面活性剤の中にはグリチル
リチン酸類との相性が悪いものがあることを考慮すれ
ば、上記成分の中でも水への溶解性がある程度あるもの
がよく、その程度は日本薬局方の記載方法で「極めて溶
けにくい」(溶解性0.1〜0.01%)もの以上であ
れば十分であり、具体的にはサリチル酸メチル,アセチ
ルサリチル酸,スプロフェン,dl−カンフル,メント
ール及びクロタミトン等がより好適である。
【0016】本発明の皮膚外用剤における上記有効成分
の配合量は特に制限されるものではなく、有効成分の種
類、剤型等によって適宜選定することができ、通常は、
製剤全体に対して0.01〜10%、特に0.1〜5%
が好適である。有効成分の配合量が少なすぎると有効成
分配合の効果を十分に得ることが困難となる場合があ
り、多すぎると製剤上の制約を受けるのみならず、グリ
チルリチン酸類による吸収促進作用が十分に得られない
場合がある。なお、上記配合量は、各有効成分を適宜剤
型に調製する場合の常用量、例えば各有効成分が医薬品
製造指針で許容されている配合量とすることがより好適
である。
【0017】上記有効成分の上記グリチルリチン酸類に
対する配合割合は、特に制限されるものではないが、通
常は、有効成分:グリチルリチン酸類(重量比)=1:
0.001〜1:500、好ましくは1:0.01〜
1:50、より好ましくは1:0.1〜1:10とする
と好適である。有効成分の配合割合が小さすぎると有効
成分配合の効果を十分に得ることが困難となる場合があ
り、大きすぎるとグリチルリチン酸類による吸収促進作
用が十分に得られない場合がある。
【0018】本発明の方法は、上記皮膚外用剤中の上記
グリチルリチン酸類の濃度をそのcmc以上とし、必要
に応じて上記有効成分を共存させて製剤化するに当た
り、その製剤pHを4〜6に調整することによって、グ
リチルリチン酸類の皮膚からの吸収性を向上させ、更に
グリチルリチン酸類の共存薬物に対する吸収促進作用を
向上させて、該共存薬物の皮膚からの吸収性も向上させ
るものであり、製剤pHを好ましくは4〜5.5、より
好ましくは4〜5.3、更に好ましくは4〜5.0に調
整するとより効果的である。pHが高すぎるとグリチル
リチン酸類の経皮吸収向上効果及び共存薬物に対する吸
収促進効果を十分に得ることができない。なお、製剤p
Hが4未満であっても本発明の効果を得ることはできる
が、製剤pHが低すぎると皮膚刺激性が生じるおそれが
あるので望ましくない。なお、本発明の皮膚外用剤のp
Hは日本薬局方の一般試験法.pH測定法に準じて測定
することができる。
【0019】ここで、本発明の皮膚外用剤を上記pH範
囲に調整するpH緩衝剤としては、薬学的に許容される
ものであれば、その種類は特に制限されず、このような
pH緩衝剤として具体的には、例えばホウ酸、リン酸水
素ナトリウム、氷酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、
トリエタノールアミン、アスコルビン酸、グリシン、L
−アルギニン、安息香酸、安息香酸ナトリウム、塩化ナ
トリウム、ブドウ糖等を挙げることができ、これらは上
記pH範囲に調整し得る常用量を使用することができ
る。
【0020】本発明の皮膚外用剤には、本発明の効果を
妨げない限り、上記成分に加えて通常製剤化において配
合される界面活性剤、糖類、溶解補助剤、キレート剤、
防腐剤、清涼化剤、増粘剤又はゲル化剤等の添加剤を配
合することができ、具体的には、界面活性剤としてポリ
オキシエチレン硬化ヒマシ油60,自己乳化型モノステ
アリン酸グリセリン等、糖類としてマンニトール等、溶
解補助剤としてβ−シクロデキストリン等のシクロデキ
ストリン類,プロピレングリコール等、キレート剤とし
てエデト酸ナトリウム等、防腐剤としてエタノール,塩
化ベンザルコニウム,ソルビン酸等、清涼化剤としてd
−カンフル,ケイヒ油,l−メントール等、増粘剤又は
ゲル化剤としてカルボキシビニルポリマー,グリセリン
モノオレエート等を常用量配合することができる。
【0021】本発明の皮膚外用剤は、上述したように、
ゲル剤,ローション剤,パップ剤等に調製することがで
き、その調製方法は、特に制限されず各製剤の常法によ
って調製することができ、具体的には、ゲル剤であれ
ば、例えば上記グリチルリチン酸類、共存薬物、ゲル化
剤以外のその他の任意成分及び上記pH緩衝剤を精製水
に順次添加、溶解し、得られた溶液に更に精製水を加え
て各成分を所望の濃度に調整すると共に、上記pH緩衝
剤によって製剤pH(ゲル化した後の製剤)が所望のp
Hとなるように最終調整した後、ゲル化剤を添加してゲ
ル化させることによってゲル剤を得る方法等を挙げるこ
とができ、ローション剤であれば、例えば上記グリチル
リチン酸類、共存薬物、その他の任意成分及び上記pH
緩衝剤を精製水に順次添加、溶解し、得られた溶液に更
に精製水を加えて各成分を所望の濃度に調整すると共
に、上記pH緩衝剤によって製剤pHが所望のpHとな
るように最終調整することによってローション剤を得る
方法等、パップ剤であれば、例えば上記グリチルリチン
酸類、共存薬物、その他の任意成分及び上記pH緩衝剤
を精製水に順次添加、溶解し、適宜時間混練し、必要に
応じてpHを最終調整した後、展延機等を用いて不織布
等の支持体に一定の厚さとなるように展延し、表面を必
要に応じてプラスチックフィルム等で覆った後、必要に
応じて適宜大きさに裁断してパップ剤を得る方法等を挙
げることができる。
【0022】本発明の皮膚外用剤は、その使用量、用法
が特に制限されるものではなく、各種皮膚外用剤に応じ
た通常量・用法で適用することにより、グリチルリチン
酸類及び共存有効成分の薬効を効果的に得ることができ
る。
【0023】本発明の経皮吸収性の向上方法によれば、
グリチルリチン酸類の皮膚からの吸収性を向上させるこ
とができるのみならず、グリチルリチン酸類による共存
薬物の経皮吸収促進作用も向上することができる。本発
明の皮膚外用剤は、上記向上方法によってグリチルリチ
ン酸類及び共存薬物の皮膚からの吸収性が向上されてい
るので、優れた薬理効果が発揮され、特にゲル剤,ロー
ション剤,パップ剤等の水性皮膚外用剤として好適であ
る。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、グリチルリチン酸類の
皮膚からの吸収性が向上される上、グリチルリチン酸類
による共存薬物の経皮吸収促進作用も向上されるので、
グリチルリチン酸類の抗炎症作用が十分に発揮され、更
にグリチルリチン酸類以外の薬物を共存させることによ
って、該共存薬物による薬効も十分に発揮される。従っ
て、本発明の皮膚外用剤は、皮膚の炎症等に対する治療
薬として有用であり、特にゲル剤,ローション剤,パッ
プ剤等の水性皮膚外用剤として有用である。
【0025】
【実施例】以下、実験例及び実施例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
【0026】[実験例]一般に薬物の脂溶性(疎水性)
が高まるにつれて、その細胞膜透過性(生体組織への浸
透性、吸収性)が高まるということは知られているが、
グリチルリチン酸類については脂溶性と細胞膜透過性と
の関係は確認されておらず、また、pHの変化によっ
て、その脂溶性がどのように影響を受けるかも確認され
ていないので、グリチルリチン酸類の脂溶性と細胞膜透
過性との関係、pHの変化による脂溶性の変化を明らか
にするために、グリチルリチン酸類としてグリチルリチ
ン酸二カリウムを含有する液剤のpHを変化させて各p
Hにおけるグリチルリチン酸二カリウムの水−1−オク
タノール間での分配率を下記方法によって求め、その分
配率をそのpHにおけるグリチルリチン酸二カリウムの
脂溶性の指標とした。結果を図1に示す。 <分配率の測定>0.05Mクエン酸−0.1Mリン酸
二ナトリウム緩衝液によりそれぞれpH4.0,pH
4.5,pH4.9,pH5.2,pH5.4,pH
5.7,pH5.9,pH6.5p,H7.4に調整さ
れた0.3mM(グリチルリチン酸換算:0.25%
(重量%、以下同様))のグリチルリチン酸二カリウム
溶液を調製した後、各液剤5mlを栓付試験管に分注し
て、1−オクタノール5mlを添加した後、インキュベ
ーターを用いて37℃で12時間振蘯し、次いで300
0rpmで10分間の遠心分離を行い、得られた下層液
(水層)中のグリチルリチン酸二カリウム量を高速液体
クロマトグラフ法の常法により測定し、下記の式を用い
ることによりグリチルリチン酸二カリウムの水層から1
−オクタノール層への移行率(分配率)を算出した。
【0027】
【数1】
【0028】[実施例1〜9]表1〜3に示す組成の皮
膚外用剤を調製し、各外用剤の浮腫抑制効果を下記方法
によって評価したところ、いずれの実施例においても良
好な浮腫抑制効果が認められた。
【0029】なお、上記実施例においてゲル剤及びロー
ション剤は常法により調製し、パップ剤については、表
3に示す組成となるように各成分を精製水に添加、溶解
させた後、30分間練合し、これを展延機で不織布に2
mm厚さとなるように展延し、表面をポリエチレンフィ
ルムで覆い、10×14cmに裁断してパップ剤を得
た。 <浮腫抑制効果の評価方法>ラット(ウィスター系、雄
5週齢)(1群10匹)の右後足に、検体(皮膚外用
剤)をそれぞれの常用量で3回塗布した。なお、対照群
には、検体塗布を行わなかった。次に1%カラゲニン
(λ Carrageenin,MinseiRika
gaku Co.)溶液0.1mlを右後足皮下に注射
して起炎した。
【0030】起炎後直ちに容積測定装置(Ugo Ba
sile社製)で足の容積を測定した。そして起炎後
1,2,4,6時間後にも測定を行い、下記式により浮
腫率及び抑制率を算出した。 浮腫率E(%)={(Vt−V0)/V0}×100 V t:カラゲニン注射t時間後の足の容積 V 0:カラゲニン注射直後の足の容積 抑制率I(%)={(Ec−Et)/Ec}×100 Et:検体塗布群t時間後の浮腫率 Ec:対照群t時間後の浮腫率
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】グリチルリチン酸二カリウムの水−1−オクタ
ノール間における1−オクタノール層への分配率とpH
との関係を示すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリチルリチン酸、グリチルリチン酸二
    カリウム、グリチルリチン酸三カリウム、グリチルリチ
    ン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸三ナトリウム、グ
    リチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルリチン酸二
    アンモニウムから選ばれる1種又は2種以上のグリチル
    リチン酸類を含有する皮膚外用剤において、上記グリチ
    ルリチン酸類の濃度を該グリチルリチン酸類の臨界ミセ
    ル濃度以上とすると共に、上記製剤のpHを4〜6に調
    整することによって、上記グリチルリチン酸類の皮膚か
    らの吸収性を向上させることを特徴とする経皮吸収性の
    向上方法。
  2. 【請求項2】 更に、上記製剤に上記グリチルリチン酸
    類以外の有効成分を配合することによって、上記グリチ
    ルリチン酸類による上記有効成分の経皮吸収促進作用を
    向上させる請求項1記載の経皮吸収性の向上方法。
  3. 【請求項3】 上記グリチルリチン酸類と経皮吸収性の
    有効成分とを配合すると共に、上記請求項2記載の経皮
    吸収性の向上方法によって上記グリチルリチン酸類及び
    上記有効成分の経皮吸収性が向上された皮膚外用剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004071516A1 (ja) * 2003-02-17 2004-08-26 Immuno Japan Inc. グリチルリチン含有経皮製剤
JP2008255017A (ja) * 2007-03-31 2008-10-23 Taisho Pharmaceutical Co Ltd アダパレン含有外用剤組成物
JP2014024768A (ja) * 2012-07-25 2014-02-06 Iwaki Seiyaku Co Ltd 皮膚外用剤組成物

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