JPH11144862A - マイクロ波キャビティ - Google Patents

マイクロ波キャビティ

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JPH11144862A
JPH11144862A JP31175397A JP31175397A JPH11144862A JP H11144862 A JPH11144862 A JP H11144862A JP 31175397 A JP31175397 A JP 31175397A JP 31175397 A JP31175397 A JP 31175397A JP H11144862 A JPH11144862 A JP H11144862A
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JP
Japan
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microwave
conversion layer
impedance conversion
space
primary
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Application number
JP31175397A
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English (en)
Inventor
Tomotaka Nobue
等隆 信江
Takashi Kashimoto
隆 柏本
Koji Yoshino
浩二 吉野
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はインピーダンス変換層を備えたマイ
クロ波キャビティに関するものであり、マイクロ波キャ
ビティ内でのマイクロ波の伝搬に工夫を施し、被加熱物
の加熱の均一化を促進するものである。 【解決手段】 マイクロ波を実質的に閉じ込める一次マ
イクロ波空間17と、その内部にインピーダンス変換層
18を備え、マイクロ波を多重伝搬させて被加熱物の加
熱の均一化を促進させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波エネル
ギを用いて被加熱物を誘電加熱する高周波加熱装置に適
用されるマイクロ波キャビティに関するものであり、特
に被加熱物の加熱の均一化を促進するマイクロ波キャビ
ティに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のマイクロ波キャビティに
おいて、キャビティ内に収納された被加熱物の加熱の均
一化を図る手段としては、電波攪拌方式、被加熱物回転
方式、複数給電方式あるいは凹凸形状壁面キャビティな
どがある。
【0003】電波攪拌方式は、マイクロ波キャビティ内
に設けた金属性の板状羽根を回転駆動させる構成からな
る。この方式は、キャビティを形成する金属境界面や被
加熱物の表面で反射を繰り返しながら伝搬しているマイ
クロ波が金属性の板状羽根によっても反射する。この金
属性の板状羽根からのマイクロ波の反射は、板状羽根が
無い場合と比べて、キャビティ内でのマイクロ波の伝搬
経路を増加させるものであり、被加熱物全体にマイクロ
波を乱反射させて被加熱物の加熱の均一化を促進させる
ものである。
【0004】被加熱物回転方式は、被加熱物を載置する
載置皿を回転駆動させる構成からなる。この方式では、
キャビティ構造および被加熱物の種類や形状等により決
定されたマイクロ波キャビティ内に生じるマイクロ波の
伝搬分布に対して、被加熱物の方を移動させ被加熱物全
体にマイクロ波を伝搬させ被加熱物の加熱の均一化を促
進させるものである。
【0005】複数給電方式は、マイクロ波キャビティを
形成する金属境界面の複数の個所からキャビティ内にマ
イクロ波を給電する構成からなる。この方式は、単一の
給電と比べて最も大きな特徴は、位相の異なった複数の
マイクロ波がキャビティ内に給電されることである。キ
ャビティ内に位相の異なるマイクロ波を伝搬させること
により、上記電波攪拌方式と同様にキャビティ内にマイ
クロ波の乱反射状態を生じさせるものである。
【0006】凹凸形状壁面キャビティ構造方式は、マイ
クロ波キャビティを形成する金属境界面に凹凸を設けた
構成からなる。この方式は、凹凸を有する金属境界面に
よってマイクロ波を乱反射させるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電波攪拌方式のマイクロ波キャビティは、金属性板状羽
根によって反射されるマイクロ波をキャビティ内に均一
に乱反射させることに物理的限界がある。これは、マイ
クロ波の伝搬速度に対して、金属性板状羽根の回転速度
があまりに遅いことによるものであり、金属性板状羽根
の回転速度を制御したとしても被加熱物全体に均一にマ
イクロ波を伝搬させることは非常に難しい。従って、被
加熱物の種類や量によっては、不測の不均一な加熱分布
が生じることを抑制することが難しい課題を有してい
た。
【0008】また、被加熱物回転方式は、被加熱物の種
類や量によってマイクロ波キャビティ内に生じる電磁場
分布は自ずと決まってしまうため、一つの被加熱物に対
応して生じた電磁場分布がその被加熱物を均一に加熱す
ることに対して不適であってもその電磁波分布を変更す
ることができない課題を有していた。
【0009】複数給電方式は、理想的な挙動としては前
述したとおりであるが、一つの給電部から放射されるマ
イクロ波の挙動が他の給電部から放射されたマイクロ波
からの影響を受ける。このため、給電部が複数個あって
も、その複数の給電構成によって決定される特定のマイ
クロ波伝搬がマイクロ波キャビティ内に生じるので、被
加熱物の種類や量によっては、不測の不均一な加熱分布
が生じることを抑制することが難しい課題を有してい
た。
【0010】さらに、凹凸形状壁面のキャビティ構造は
被加熱物の加熱の均一化を促進できうる乱反射をキャビ
ティ内に生じさせるには、壁面全体にいわゆるゴルフボ
ールのディンプルのような凹凸を配するとともにそのデ
ィンプルの深さ寸法あるいは突出寸法を使用するマイク
ロ波の波長に対して無視できない寸法、例えば1/10
波長寸法以上、にすることが必要である。この結果、マ
イクロ波キャビティの構成が複雑となり実用性に難しい
構成を強いられる課題を有していた。
【0011】本発明は高周波加熱装置に適用されるマイ
クロ波キャビティにおいて、マイクロ波キャビティ内で
のマイクロ波の伝搬に工夫を施し、被加熱物の加熱の均
一化を促進するマイクロ波キャビティを提供するもので
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のマイクロ波キャ
ビティは上記課題を解決するために、給電されたマイク
ロ波を実質的に閉じ込める一次マイクロ波空間内に非金
属材料からなるインピーダンス変換層を配設している。
【0013】本発明によれば、マイクロ波キャビティ内
の被加熱物が収納される空間を伝搬しているマイクロ波
が非金属材料からなるインピーダンス変換層に入射する
と、インピーダンス変換層の表面で反射波と透過波に別
れる。この時の反射波(以下、一次反射波と称する)は
被加熱物が収納された空間内を伝搬し、被加熱物に入射
した時、被加熱物を誘電加熱する。また、この時の透過
波はインピーダンス変換層を伝搬して一次マイクロ波空
間の境界面に入射する。この境界面に入射したマイクロ
波は、ほぼすべてが反射し、再びインピーダンス変換層
を伝搬および透過し透過波(以下、透過後反射波と称す
る)として被加熱物が収納された空間内を伝搬する。そ
して、被加熱物に入射した時、被加熱物を誘電加熱す
る。
【0014】マイクロ波キャビティ内の被加熱物が収納
された空間を伝搬する一次反射波と透過後反射波とは、
異なる経路を伝搬するとともにそれぞれの波が所定の位
相差をもって伝搬する。この一次反射波と透過後反射波
の伝搬経路の間隔および位相差は、インピーダンス変換
層の実効比誘電率および層形状に基づいて決定すること
ができる。
【0015】一次反射波と透過後反射波との伝搬形態を
最適にすることでマイクロ波キャビティ内の被加熱物が
収納された空間には保有するマイクロ波エネルギがそれ
ぞれに分配されたマイクロ波を多重伝搬させることがで
き、被加熱物全体の加熱の均一化を促進させることがで
きる。
【0016】なお、インピーダンス変換層でのマイクロ
波伝搬において、インピーダンス変換層から自由空間側
にマイクロ波が伝搬する時にも反射と透過が発生する。
被加熱物が収納された空間からインピーダンス変換層の
内部に透過し、インピーダンス変換層の他方の境界層面
で反射した波は、インピーダンス変換層内部を伝搬し、
インピーダンス変換層の一方の境界層面を透過して透過
波(以下、二次反射波と称する)として再び被加熱物が
収納された空間を伝搬する。また、このような反射と透
過は、マイクロ波エネルギがなくなるまで無限に繰り返
されるが、説明の便宜上、上述の説明方法を以下の説明
文にも使用する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1のマイクロ波キ
ャビティは、マイクロ波を実質的に閉じ込める一次マイ
クロ波空間内に非金属材料からなるインピーダンス変換
層を併設した構成としている。
【0018】そして、インピーダンス変換層は、入射し
たマイクロ波を反射波と透過波に分ける。一方、一次マ
イクロ波空間の境界は、マイクロ波を実質的に閉じ込め
るために金属材料から構成されているので、入射したマ
イクロ波をほぼすべて反射する。
【0019】これにより、マイクロ波キャビティ内を伝
搬するマイクロ波が非金属材料のインピーダンス変換層
に入射した時、一部が反射して一次反射波となる。残り
の一部はインピーダンス変換層の内部に透過した後、金
属材料の境界で反射して再びインピーダンス変換層を伝
搬した後、透過後反射波となる。一次反射波と透過後反
射波とは、異なる伝搬経路とし、さらにお互いの波に位
相差を生じさせることができる。このような一次反射波
と透過後反射波とを伝搬させることにより、被加熱物が
収納された空間に保有エネルギがそれぞれに分配された
マイクロ波を多重伝搬させることができ、被加熱物の加
熱の均一化を促進することができる。
【0020】また、請求項2のマイクロ波キャビティ
は、給電されたマイクロ波を実質的に閉じ込める一次マ
イクロ波空間内に配設した非金属材料からなるインピー
ダンス変換層を境界面の一つとして形成され被加熱物を
収納する二次マイクロ波空間とを備えた構成としてい
る。
【0021】そして、金属材料を境界面とする一次マイ
クロ波空間内に閉じ込められたマイクロ波は、この一次
マイクロ波空間内を伝搬する過程において、ほぼ100
%の確率にてインピーダンス変換層を伝搬させることが
できる。従って、二次マイクロ波空間内にはインピーダ
ンス変換層の介在によって生じた一次反射波と透過後反
射波とによって保有エネルギがそれぞれに分配されたマ
イクロ波の多重伝搬を定常的に生じさせることができ、
被加熱物の加熱の均一化を確実に促進させることができ
る。
【0022】また、請求項3のマイクロ波キャビティ
は、インピーダンス変換層は一次マイクロ波空間の境界
面に対向配設した構成としている。
【0023】そして、一次反射波と透過後反射波との伝
搬経路を明確に区分させることにより、被加熱物の加熱
の均一化を促進するマイクロ波キャビティの設計を容易
に行なうことができる。
【0024】また、請求項4のマイクロ波キャビティ
は、一次マイクロ波空間および二次マイクロ波空間は、
それぞれの空間内に多重の共振モードを生じうるように
形成するとともに、前記二次マイクロ波空間内には前記
一次マイクロ波空間に生じうる共振モードとは異なる共
振モードを生じさせるようにインピーダンス変換層を配
設した構成としている。
【0025】そして、それぞれのマイクロ波空間はその
空間の構成寸法を選択設計により規定した共振モードを
生じさせて、それぞれのマイクロ波空間に所望の電磁場
分布を発生させることができる。
【0026】これにより、二次マイクロ波空間内に複数
の電磁波分布を発生させることを可能にし、さまざまな
被加熱物に適合する電磁場分布を生じさせることで被加
熱物の加熱の均一化をさらに効果的に促進させることが
できる。
【0027】また、請求項5のマイクロ波キャビティ
は、インピーダンス変換層は、給電されるマイクロ波の
周波数帯における実効比誘電率が3以上で10以下の非
金属材料から構成したものである。
【0028】そして、インピーダンス変換層の実効比誘
電率を上記の範囲に選択することで、一次反射波と透過
後反射波とにマイクロ波エネルギを分配させることがで
きる。これにより、二次マイクロ波空間内に発生させる
複数の電磁場分布のエネルギ分配を最適設計できるの
で、さまざまな被加熱物の加熱の均一化を実現すること
ができる。
【0029】また、請求項6のマイクロ波キャビティ
は、インピーダンス変換層は、低誘電損失でかつ耐熱性
の材料から構成している。
【0030】そして、インピーダンス変換層を伝搬する
ときのマイクロ波エネルギの損失を低減し被加熱物への
マイクロ波エネルギの供給効率を高く維持することがで
きる。さらには、耐熱性の材料でインピーダンス変換層
を構成することにより、たとえばオーブンレンジのよう
にマイクロ波空間を高温状態にして被加熱物を加熱調理
する場合の用途にも本発明のインピーダンス変換層の適
用範囲を拡大することができる。
【0031】また、請求項7のマイクロ波キャビティ
は、インピーダンス変換層は、非金属無機材料で構成し
ている。
【0032】そして、インピーダンス変換層の機械的強
度を大きくすることで、インピーダンス変換層への重量
物の直接載置を可能にしたり、あるいはオーブン調理に
使用するオーブン皿を支持する支持ガイドをインピーダ
ンス変換層に形成することができる。
【0033】また、請求項8のマイクロ波キャビティ
は、インピーダンス変換層は、多孔質セラミックス材料
からなる格子状構造体としている。
【0034】そして、多孔質セラミックス材料からなる
基材の比誘電率が10より大きい場合でも、その基材を
用いて格子状構造体にすることで、空気層と基材との混
成構造によりインピーダンス変換層の実効比誘電率を所
望範囲の値に設定することができ、非金属材料の選択の
範囲を拡大し設計自由度を高めることができる。
【0035】また、請求項9のマイクロ波キャビティ
は、一次マイクロ波空間の境界面とインピーダンス変換
層とが形成する間隙寸法にインピーダンス変換層の厚み
寸法を加えた寸法は、給電されるマイクロ波の実効波長
に対して1/4波長未満とした構成としている。
【0036】そして、一次反射波と透過後反射波との伝
搬経路の間隔を1/4波長未満とすることにより、一次
反射波と透過後反射波との被加熱物への入射位置の分布
を相互に補完して被加熱物の加熱の均一化を促進するこ
とができる。
【0037】また、請求項10のマイクロ波キャビティ
は、インピーダンス変換層の層面を一次マイクロ波空間
の境界面に併設した構成としている。
【0038】そして、インピーダンス変換層の層面を金
属材料で形成された一次マイクロ波空間の境界面で支持
させることで、配設位置のバラツキを抑制できるととも
にインピーダンス変換層のマイクロ波伝搬に対する所望
作用を確実に行わせることができる。
【0039】また、請求項11のマイクロ波キャビティ
は、一次マイクロ波空間の境界面に併設するインピーダ
ンス変換層の層厚さは、インピーダンス変換層内を伝搬
するマイクロ波の実効波長に対して1/4波長未満とし
た構成としている。
【0040】そして、一次反射波と透過後反射波との被
加熱物への入射位置の分布を相互に補完して被加熱物の
加熱の均一化を促進することができる。
【0041】また、請求項12のマイクロ波キャビティ
は、一次マイクロ波空間の境界面は一次マイクロ波空間
を励振するためのマイクロ波の給電部を有し、インピー
ダンス変換層は前記給電部を有する一次マイクロ波空間
の境界面に略平行に配設した構成としている。
【0042】そして、給電部からのマイクロ波の伝搬経
路に基づき、インピーダンス変換層への入射角度を設計
因子とすることにより、インピーダンス変換層の比誘電
率の選定あるいは配設構成を設計段階において最適化す
ることを可能にしている。従って、被加熱物の加熱の均
一化を促進するマイクロ波キャビティを容易に実現させ
ることができる。
【0043】また、請求項13のマイクロ波キャビティ
は、二次マイクロ波空間は、被加熱物を収納するための
開閉可能な境界面を備え、インピーダンス変換層を前記
境界面に略平行に配設した構成している。
【0044】そして、開閉可能な境界面に垂直な境界面
は一次マイクロ波空間の境界で形成できるので、たとえ
ばオーブンレンジのようなオーブン皿を二次マイクロ波
空間に収納する際のオーブン皿を支持する支持レールを
金属材料にて形成する従来の構成を利用できる。
【0045】これにより、インピーダンス変換層は、オ
ーブン皿用の支持レールの形成が不要であり、二次マイ
クロ波空間内でのマイクロ波の多重伝搬挙動を有効に実
現する所望の構造体に自由設計することができる。
【0046】また、請求項14のマイクロ波キャビティ
は、インピーダンス変換層の実効比誘電率は、マイクロ
波発生手段が発生するマイクロ波を一次マイクロ波空間
に伝送する導波管の長軸寸法に基づいて決定している。
【0047】そして、導波管の長軸寸法に基づいて、一
次マイクロ波空間を伝搬してインピーダンス変換層へ入
射するマイクロ波の入射角度を決定し、インピーダンス
変換層の実効比誘電率を決定している。これにより、一
次マイクロ波空間のみを反射してインピーダンス変換層
に入射するマイクロ波がインピーダンス変換層および一
次マイクロ波空間によって反射した後に二次マイクロ波
空間に伝搬するそれぞれの反射波の保有するマイクロ波
エネルギをより等分配させることができる。
【0048】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。
【0049】(実施例1)本発明の実施例1を図1〜図
7を用いて説明する。
【0050】図1は本発明の実施例1のマイクロ波キャ
ビティを備えた高周波加熱装置の構成図である。
【0051】図1において、マイクロ波キャビティ10
は金属材料から構成された金属境界部である右側壁面1
1、左側壁面12、奥壁面13、上部壁面14、底部壁
面15及び前面壁面16とにより略直方体形状に構成さ
れ、給電されたマイクロ波をその内部に実質的に閉じ込
める一次マイクロ波空間17を形成している。18はイ
ンピーダンス変換層であり、200℃以上の耐熱温度を
有し給電されるマイクロ波帯で低誘電損失の特性を有す
る樹脂材料あるいは無機材料の非金属材料を基材とし、
その基材を所定の板厚さにそれぞれ成形あるいは焼成成
形加工して構成されている。そして、このインピーダン
ス変換層18は、金属材料からなる左側壁面12と所定
の間隙Gをもって対向配設されている。このインピ―ダ
ンス変換層18はその周縁に突起させて設けた支持部を
奥壁面13、上部壁面14および底部壁面15にそれぞ
れ設けたはめあい孔に挿入組立てする方法あるいは支持
ガイド(図示していない)を用いてインピーダンス変換
層18の周縁を支持固定する方法により所定位置に支持
固定されている。右側壁面11は、一次マイクロ波空間
17にマイクロ波を給電する給電部19が設けられ、こ
の給電部19は右側壁面11の開口とその開口を閉塞す
る低誘電損失材料からなる薄板にて構成されている。右
側壁面11、インピーダンス変換層18、奥壁面13、
上部壁面14、底部壁面15及び前面壁面16とにより
略直方体形状に閉塞構成された空間が二次マイクロ波空
間20である。二次マイクロ波空間20を形成する底部
壁面15の略中央には被加熱物を載置するとともに回転
駆動される載置皿21が設けられている。
【0052】22は被加熱物を二次マイクロ波空間20
に出し入れするための開閉扉である。開閉扉22の中央
には二次マイクロ波空間20の内部を透視できるように
メッシュ状の金属板からなる前面壁面16が設けられ、
この前面壁面16の二次マイクロ波空間20側から耐熱
性ガラス板23が前面壁面16に併設されている。
【0053】24は開閉扉22の開閉を支持するヒンジ
部、25は開閉扉20が閉成状態であることを検知する
ための扉ラッチスイッチ部である。また、26は被加熱
物のマイクロ波加熱条件を入力する操作部である。
【0054】次に本発明のインピーダンス変換層のマイ
クロ波に係る挙動について図2および図3を用いて説明
する。
【0055】図2はインピーダンス変換層の存在下での
マイクロ波の伝搬状態を示す図、図3はインピーダンス
変換層へのマイクロ波の入射角度に対する一次反射波と
透過後反射波のエネルギ分配を示す特性図である。
【0056】図2において、27は層厚さがt(mm)のイ
ンピーダンス変換層である。28は一次マイクロ波空間
の金属境界部に対応する金属面であり、インピーダンス
変換層27との間隙をG(mm)として示している。また、
29はインピーダンス変換層27に入射角度θ1でもっ
て入射するマイクロ波である。このマイクロ波は、イン
ピーダンス変換層27の一方の層面30にて反射波31
と透過波32に分かれる。この時の反射波31を以下で
は一次反射と称することにする。また、インピーダンス
変換層27内に透過した透過波32は、インピーダンス
変換層27の他方の層面33にて再び反射波34と透過
波35に分かれる。この時の反射波34は、インピーダ
ンス変換層27内を伝搬して一方の層面30にてさらに
反射波36と透過波37に分かれる。この時の透過波3
7を以下では二次反射と称することにする。
【0057】一方、インピーダンス変換層27の他方の
層面33にて透過波35となったマイクロ波は、間隙G
の空間を伝搬して金属面28に入射する。この金属面2
8では、伝搬してきたマイクロ波はほぼすべて反射し、
反射波38となってインピーダンス変換層27の他方の
層面33に入射し、反射波39と透過波40に分かれ
る。この時の透過波40はインピーダンス変換層27内
を伝搬して一方の層面30にてさらに反射波41と透過
波42に分かれる。この時の透過波42を以下では透過
後反射と称することにする。
【0058】層面30にて反射した反射波36や反射波
41は、それが保有するマイクロ波エネルギを消滅する
まで上述した伝搬特性の挙動を繰り返す。
【0059】そしてインピーダンス変換層27の他方の
層面33で反射し、層面30にて透過する波43、44
を二次反射に含めることにする。また、インピーダンス
変換層27の他方の層面33で透過し、間隙Gの空間を
伝搬した後、再びインピーダンス変換層27内を伝搬し
て層面30にて透過した波45、46を透過後反射に含
めることにする。
【0060】次に反射波と透過波とが保有するマイクロ
波エネルギについて説明する。簡単化のために、インピ
ーダンス変換層27の誘電損失特性に基づくマイクロ波
損失を無視することにし、自由空間の比誘電率を1、イ
ンピーダンス変換層27の使用するマイクロ波の周波数
帯における実効比誘電率をε2とする。インピーダンス
変換層27の層面における電圧反射係数Γは(数1)で
示される。
【0061】なお、角度θ2は透過波の透過角度であ
る。
【0062】
【数1】
【0063】また、入射波のエネルギをP(Watts)と
し、一次反射波のエネルギをP1、二次反射波のエネル
ギをP2および透過後反射波のエネルギをP3とする
と、それぞれの波が保有するマイクロ波エネルギは(数
2)にて表すことができる。
【0064】
【数2】
【0065】上記の(数2)を用いて、各反射波のエネ
ルギ量を計算した結果を図3に示す。図3は入射角度θ
1が0度と45度の場合を示している。実効比誘電率が
1の場合はインピーダンス変換層がない場合に相当し、
透過後反射しか生じない。インピーダンス変換層を設け
ることで一次反射を生じ、またインピーダンス変換層の
実効比誘電率を大きくすると一次反射が有するマイクロ
波エネルギが増加し、透過後反射のマイクロ波エネルギ
が減少する。さらに、入射角度が45度の場合、実効比
誘電率を約7に選択することで、一次反射と透過後反射
とがそれぞれに保有するマイクロ波エネルギ量を等しく
することができることが理解される。
【0066】次にマイクロ波キャビティ内でのインピー
ダンス変換層の作用について図4から図7を用いて説明
する。
【0067】図4は本発明のインピーダンス変換層のマ
イクロ波的な作用を説明するマイクロ波キャビティの構
成図である。
【0068】図4において、47はマイクロ波キャビテ
ィであり、48はマイクロ波キャビティ47に給電する
マイクロ波を伝送する導波管、49はインピーダンス変
換層である。導波管48には、マイクロ波発生手段であ
るマグネトロンを装着する結合孔50を備える。また、
マイクロ波キャビティ47の金属壁面51には、図示し
たように3行3列の配列にてマイクロ波センサを9個配
設した。このマイクロ波センサはマイクロ波キャビティ
47内に生じる電磁場分布と結合してマイクロ波センサ
を配設した近傍の電磁場分布の強さに比例した物理量を
検出するものである。
【0069】マイクロ波キャビティ47は、幅寸法W、
奥行き寸法Dおよび高さ寸法をそれぞれ190mm、1
58mmおよび100mmとしている。インピーダンス
変換層49を取り外した状態で、このマイクロ波キャビ
ティ47内に生じる電磁場分布は幅方向、奥行き方向お
よび高さ方向にそれぞれ生じる定在波の山の数が2、
2、0(この定在波の表記を<220>とし、このよう
な表記方法を以下に適用する)であることを確認した。
【0070】このマイクロ波キャビティ47内に以下に
示す各実効比誘電率と層厚さを有する材料をインピーダ
ンス変換層49の部材として配設し、マイクロ波キャビ
ティ47内に生じるマイクロ波の挙動を9個のマイクロ
波センサの検出信号を基にして分析した。なお、マイク
ロ波センサのセンサ出力信号はマイクロ波電力である
が、以下の説明では検波ダイオードを介して信号変換処
理をした直流電圧値を用いることにする。また、マイク
ロ波センサ信号を区別するためにその配設位置に図示し
たような番号を付与している。寸法Sは、インピーダン
ス変換層49とマイクロ波キャビティ47を形成する金
属壁面52との間隙寸法Gとインピーダンス変換層49
の層厚さtを加算した寸法値である。
【0071】インピーダンス変換層49として供試した
部材のそれぞれの実効比誘電率と層厚さは、試料1(実
効比誘電率68.2、層厚4.5mm)、試料2(2
0.6、6.2mm)、試料3(12.3、6.2m
m)、試料4(12.3、1.27mm)および試料5
(3.46、3.2mm)である。
【0072】図5から図7に上記試料を用いたマイクロ
波キャビティ内のマイクロ波挙動の分析試験結果を示
す。
【0073】図5は、インピーダンス変換層に使用した
各試料に対して寸法Sの中央位置2Cで検出されたマイ
クロ波センサ信号値に与える影響を示す特性図である。
【0074】なお、マイクロ波キャビティ47内へ給電
するマイクロ波エネルギは、導波管48内に設けた負荷
整合手段にてほぼ一定量に調整した。
【0075】図5において、横軸は、いわゆるインピー
ダンス変換層表面の金属壁面(図4の52)からの位置
S(mm)を示している。また、図5の縦軸は3行3列
配列の中央位置2C(図4を参照のこと)に配設したマ
イクロ波センサの検出信号を示している。
【0076】図5に示す特性から、マイクロ波キャビテ
ィ47の中央位置2Cの電磁場強度はインピーダンス変
換層49の存在により変化することが認められた。ま
た、マイクロ波キャビティ47の中央位置2Cにおける
電磁場強度のピーク値がインピーダンス変換層表面位置
Sの25〜35mmの範囲において生じることが認めら
れた。なお、図5において53で示す特性は、インピー
ダンス変換層49を配設していない時の中央位置2Cで
のマイクロ波センサ信号値を示す。
【0077】次にインピーダンス変換層49のマイクロ
波挙動を電磁場分布の観点から見た時の特性を図6に示
す。
【0078】図6は、横軸が実効比誘電率を示し、縦軸
が中央位置2Cで検出された信号値の9個のマイクロ波
センサにて検出された信号の最大値に対する相対比率を
示している。
【0079】図6に示した特性から、実効比誘電率の値
が大きくなるにつれて、中央位置2Cでの検出信号相対
値が増大し、今回供試した試料においては、試料2(比
誘電率12.3、層厚さ6.2mm)以上の比誘電率で
は、中央位置2Cの検出信号が9個の検出位置の最大値
になることが認められた。
【0080】インピーダンス変換層49に試料2を用い
た時の各信号検出位置に対するマイクロ波センサの検出
信号の一例を図7に示す。
【0081】図7は、横軸がインピーダンス変換層49
とマイクロ波キャビティの金属境界面52との間隙G
(mm)を示し、縦軸がマイクロ波センサの検出信号値
(mV)を示している。
【0082】図7に示す特性から、間隙G(mm)が0
mmの場合には、インピーダンス変換層49を未装着し
た時に生じる電磁場分布とほぼ同等の分布であることが
認められる。しかし、間隙Gが、15〜30mmの場合
には、マイクロ波キャビティ47内の電磁場分布が当初
の電磁場分布と比べて明らかに異なることが認められ
た。
【0083】図3に示した理論的解析結果に基づけば、
この現象は一次反射波が有するマイクロ波エネルギ量の
割合が多いことに起因すると考えられる。一次反射波が
支配的であることは、換言すると、インピーダンス変換
層が概ね金属壁面に近い作用をしていると考えられ、本
発明の出願人はインピーダンス変換層を境界面の一つと
した二次的なマイクロ波キャビティが生じていると推測
した。
【0084】これの検証として、奥行き寸法を補正した
二次マイクロ波空間を想定し、その二次マイクロ波空間
の電磁場分布を解析した。この解析にあたって、マイク
ロ波キャビティ47の底部壁面上に糊負荷を配設し、糊
負荷の温度分布を測定した。この糊負荷の厚さは、約5
mmを用いた。その結果、インピーダンス変換層49を
境界面に含んで形成された二次マイクロ波空間(図4に
おいて54で示す)には定在波の山の数が<211>、
あるいは<120>が生じており、当初のマイクロ波キ
ャビティ47に生じさせた電磁波分布<220>とは異
なる電磁場分布が生じていることが認められた。
【0085】本発明の基本的思想は、上述したインピー
ダンス変換層のマイクロ波に係わる挙動とマイクロ波キ
ャビティ内での作用に基づくものである。
【0086】本発明の主目的である被加熱物の加熱の均
一化を促進することに対応させたマイクロ波の多重伝搬
の実現には、インピーダンス変換層の実効比誘電率の選
択が重要な因子であることが上述した内容から理解され
るであろう。以下にこの実効比誘電率の選択について本
発明が提供する内容を説明する。
【0087】多重伝搬を発生させるには、マイクロ波キ
ャビティを形成する金属境界面で反射する透過後反射波
とインピーダンス変換層の層面で反射する一次反射波と
にそれぞれ適当なマイクロ波エネルギ量を分配させるこ
とである。
【0088】そして、多重伝搬効用を最大限に作用させ
る一つの目安は、一次反射波と透過後反射波とがそれぞ
れに保有するマイクロ波エネルギ量を等量にすることで
ある。
【0089】このエネルギ量等配分に関しては、図3よ
りインピーダンス変換層へのマイクロ波入射角度によっ
て、エネルギ量を等配分する実効比誘電率の値が変わる
ことが示唆されている。
【0090】しかし、千差万別の表面形状を有する被加
熱物を加熱の対象と考えた場合、被加熱物の表面で反射
した反射波もいずれはインピーダンス変換層に入射する
ことになるため、インピーダンス変換層へのマイクロ波
の入射角度は最小値の0度を含めて実効比誘電率を選択
し、またインピーダンス変換層は少なからずのマイクロ
波損失を生じることを考慮して、実効比誘電率の値とし
て10以下を選定している。
【0091】さらに、インピーダンス変換層へのマイク
ロ波の入射角度を選択することに対してマイクロ波発生
手段が発生したマイクロ波をマイクロ波キャビティに伝
送する導波管の構造に着目する。
【0092】導波管は周知のように長軸と短軸を有しそ
の断面が矩形の中空構造体であり、導波管内に生じる電
磁場分布から決定されるマイクロ波伝搬の実効波長は自
由空間の波長より長くなることが知られている。これ
は、導波管内でのマイクロ波が導波管の短軸側の管壁間
を蛇行しながら伝搬しているに起因する。この蛇行伝搬
する前方には、マイクロ波キャビティが存在することか
ら、導波管の短軸へのマイクロ波の入射角度でもってマ
イクロ波キャビティ内にマイクロ波が給電されると考え
られる。
【0093】従って、マイクロ波のインピーダンス変換
層への入射角度の選択において、導波管の長軸寸法を規
定することにより、インピーダンス変換層での一次反射
波と透過後反射波とがそれぞれに有するマイクロ波エネ
ルギ量を等量に配分する実効比誘電率の値を決定する。
【0094】マイクロ波キャビティに給電されるマイク
ロ波の波長をλ(mm)、使用される導波管の長軸寸法
をammとするとマイクロ波の短軸管壁への入射角度θ
は、(数3)で表される。
【0095】
【数3】
【0096】本発明のマイクロ波キャビティが適用でき
る高周波加熱装置では、使用されるマイクロ波の周波数
帯は2.45GHz帯であることに基づき、導波管の長
軸寸法に対する導波管の短軸へのマイクロ波の入射角度
を求める。
【0097】高周波加熱装置への実装および導波管の伝
送損失量を考慮すると実用上の導波管の長軸寸法の範囲
は、80〜100mmが選択される。この長軸寸法に対
する短軸へのマイクロ波の入射角度θは、(数3)を用
いて約40〜52度であり、(数1)と(数2)に基づ
けば一次反射波と透過後反射波とのマイクロ波エネルギ
が等量になる場合の実効比誘電率は約8.3〜約5.7
となる。
【0098】上記の算出値はインピーダンス変換層の誘
電損失を無視した場合であり、現実には少なからずの誘
電損失を生じて透過後反射波のエネルギは現実には減少
することと被加熱物から反射波としてより大きな入射角
度の存在を考慮して、実効比誘電率の最小値として3以
上を選択している。また、被加熱物表面での反射を考慮
し、入射角度の最小値が0度、またインピーダンス変換
層の誘電損失発生を考慮すると、実効比誘電率の最大値
として前述した10以下の範囲は、好ましくは6以下を
選択する。
【0099】以上にインピーダンス変換層のマイクロ波
挙動とそのマイクロ波的作用の詳細を記述した。ここで
説明したマイクロ波キャビティの容積は、高周波加熱装
置の代表例であるで電子レンジに用いられるマイクロ波
キャビティの容積と比べてその容積が小さいものであっ
たが、前述した内容から電子レンジやオーブンレンジと
して実用されているマイクロ波キャビティが有する容積
のマイクロ波キャビティに応用することは容易である。
【0100】図1に示した本発明の実施例1のマイクロ
波キャビティが適用される高周波加熱装置のマイクロ波
キャビティの実施例として、マイクロ波キャビティの一
次マイクロ波空間17の形状は、幅方向寸法が348m
m、奥行き寸法が355mm、高さ寸法が185mm、
使用するインピーダンス変換層は比誘電率とその層厚さ
がそれぞれ3.46と3.2mm、そして二次マイクロ
波空間20の幅方向は328mmとしている。
【0101】このような形状のマイクロ波キャビティに
おいては、一次マイクロ波空間17には<530>ある
いは<350>の共振モードからなる電磁波分布を生
じ、二次マイクロ波空間20には<332>あるいは<
412>の共振モードからなる電磁場分布を生じる。
【0102】各共振モードの組合せは、被加熱物を強く
加熱する領域を相互に補完することになり、被加熱物の
加熱の均一化を促進できる。
【0103】なお、電子レンジのような高周波加熱装置
にあっては、二次マイクロ波空間に収納する被加熱物の
種類、形状あるいは量が千差万別であること、さらには
このような被加熱物を前提として二次マイクロ波空間の
容積をできる限り大きくすることが使い勝手上有益であ
る。従って、インピーダンス変換層と一次マイクロ波空
間との間隙寸法Gはできる限り小さくすることが実用上
有益であり、上記したような構成寸法としている。
【0104】また、インピーダンス変換層18は給電部
19を有する一次マイクロ波空間の金属境界部である右
側壁面11に略平行に配設した構成としている。
【0105】そして、給電部19からのマイクロ波の伝
搬経路に基づき、インピーダンス変換層18への入射角
度を設計因子とすることにより、インピーダンス変換層
18の実効比誘電率、層厚さおよび間隙寸法Gを設計段
階において最適化することを可能にしている。従って、
被加熱物の加熱の均一化を促進させるための一次マイク
ロ波空間および二次マイクロ波空間との間に異なる共振
モードを生じさせるマイクロ波キャビティを容易に実現
させることができる。
【0106】なお、被加熱物が特定できたり、特殊な被
加熱物にあっては、二次マイクロ波空間での多重伝搬の
効果を最大限に発揮させるために、一次マイクロ波空間
と二次マイクロ波空間に生じさせる電磁場分布の選定に
当たって、被加熱物の加熱の均一化を前提として、間隙
寸法Gをより大きな寸法範囲から選択することで被加熱
物を強く加熱する領域を相互に完全補完するように電磁
場分布の組合せを選択することができることは自明であ
る。
【0107】(実施例2)本発明の実施例1では、イン
ピーダンス変換層を含む二次マイクロ波空間を共振させ
る構成について説明したが、インピーダンス変換層は部
分的に配設するだけでも、多重伝搬を生じさせることが
でき、被加熱物の加熱の均一化を促進させることができ
る。
【0108】図8は、本発明の実施例2を示すマイクロ
波キャビティの部分構成図を示す。図8において、左側
壁面55、底部壁面56および上部壁面57は一次マイ
クロ波空間58を形成する金属壁面、59はインピーダ
ンス変換層であり、前述の試料5(比誘電率3.46、
層厚さ3.2mm)を用い、左側壁面55と略平行に1
0mmの間隙Gを隔てて左側壁面55の上下方向の下半
分に部分配設している。60は、底部壁面56上に載置
された被加熱物である。
【0109】このような構成からなるマイクロ波キャビ
ティにおいて、インピーダンス変換層59に入射したマ
イクロ波61は、インピーダンス変換層59の層表面で
反射および透過する。反射したマイクロ波は一次反射波
62となり被加熱物60側に伝搬する。一方、透過した
マイクロ波はインピーダンス変換層59内を伝搬し、他
方の層面を透過し左側壁面55に入射する。この左側壁
面55に入射したマイクロ波は、ほぼすべてが反射さ
れ、再びインピーダンス変換層59に入射し、層内を伝
搬して一方の層面を透過したマイクロ波は透過後反射波
63となり被加熱物60側に伝搬する。
【0110】一方、左側壁面55の上下方向の上半分に
はインピーダンス変換層59を配設していないので、イ
ンピーダンス変換層59を伝搬することなく左側壁面5
5に直接入射するマイクロ波64が存在する。しかしな
がら、このようなマイクロ波64が被加熱物60に入射
する場合には、そのほとんどがインピーダンス変換層5
9の左側壁面55に対向する側からインピーダンス変換
層59に入射し、層内を伝搬して、一方の層面を透過す
ることになり、透過後反射波65として多重伝搬の効用
を発揮する。
【0111】ところで、一次反射波62と透過後反射波
63とは、被加熱物60への入射位置が異なることおよ
び入射時刻については透過後反射波63の方が遅くなる
ことは図から明らかである。このような反射波による多
重伝搬の効用を確実に実現するための手段を以下に説明
する。
【0112】入射時刻それ自体を比較することは、イン
ピーダンス変換層から被加熱物までの距離を考える必要
があり単純ではないため、これにかわってインピーダン
ス変換層表面での一次反射波62と透過後反射波63の
位相差に着目し、一次反射波62と透過後反射波63の
位相差を規定する。
【0113】インピーダンス変換層59を存在させたこ
とによってインピーダンス変換層59から被加熱物60
側に伝搬するマイクロ波の挙動をもっとも端的に変化さ
せるには一次反射波62と透過後反射波63の位相差を
180度とすることである。このことは、インピーダン
ス変換層にマイクロ波を垂直入射(入射角度が0度)さ
せた場合を考えれば容易に理解される。すなわち垂直入
射の場合、透過後反射波とインピーダンス変換層に18
0度遅れて入射した波とが同位相となり、二つの波は重
畳されることになる。このような一次反射波と透過後反
射波との重畳は本発明のエネルギ量分配の趣旨に反す
る。従って、被加熱物の加熱を均一化させる観点からの
多重伝搬による最大の変化を与えうる基本的条件は、一
次反射波62と透過後反射波63とに90度の位相差を
生じさせることである。
【0114】被加熱物を収納した空間を共振させること
なく多重伝搬を生じさせるには、一次反射波と透過後反
射波との位相差を確実に形成させることが必要である。
このために、本発明は一次マイクロ波空間の境界面であ
る壁面53とインピーダンス変換層54とが形成する間
隙寸法Gにインピーダンス変換層54の層厚さtを加算
した寸法を、一次マイクロ波空間内に給電されインピー
ダンス変換層および自由空間を伝搬するマイクロ波の実
効波長に対して1/4波長未満としている。
【0115】なお、本発明では、上述の位相差を1/4
波長未満の寸法に構成すればよいが、本発明の多重伝搬
効用を最大限に実現するためにより好ましくは、略1/
8波長の寸法がよい。
【0116】(実施例3)図9は本発明の実施例3を示
すマイクロ波キャビティの構成図である。図9におい
て、右側壁面66、左側壁面67、底部壁面68および
上部壁面69が一次マイクロ波空間70を形成する金属
壁面、71はインピーダンス変換層であり、非金属無機
材料の多孔質セラミックス基材を格子状の構造体に焼成
加工した構成からなり、インピーダンス変換層71の一
つの層面を左側壁面67に併設して配設されている。イ
ンピーダンス変換層71の層面72を境界面として二次
マイクロ波空間73が形成されている。
【0117】74は一次マイクロ波空間70内に給電す
るマイクロ波を伝送する導波管、75は導波管74の一
端に設けた結合孔でありこの結合孔75にマイクロ波発
生手段(図示していない)の出力アンテナが挿入装着さ
れる。76は給電部、77は被加熱物が載置される載置
皿を回転駆動する駆動軸である。
【0118】インピーダンス変換層71の層厚さは、イ
ンピーダンス変換層内を伝搬するマイクロ波の実効伝搬
波長に対して1/4波長未満で構成している。
【0119】このような格子状構成により、層厚さの大
きなインピーダンス変換層71を利用することができ
る。層厚さを大きくし機械的強度を大きくすることで、
重量物の直接載置を可能にインピーダンス変換層を底部
壁面に併設することもできる。また、オーブン調理に使
用するオーブン皿を支持する支持ガイドをインピーダン
ス変換層に形成することができる。
【0120】また、多孔質セラミックス材料からなる基
材の比誘電率が10より大きい場合でも、その基材を用
いて格子状構造体にすることで、空気層と基材との混成
構造によりインピーダンス変換層の実効比誘電率を所望
範囲の値に設定することができ、非金属材料の選択の範
囲を拡大し設計自由度を高めることができる。
【0121】(実施例4)図10は、本発明の実施例4
を示すマイクロ波キャビティを用いた高周波加熱装置の
構成図である。
【0122】図10において、一次マイクロ波空間78
はそれぞれ金属材料からなる右側壁面79、奥側壁面8
0、左側壁面81および被加熱物をマイクロ波空間内に
収納するための開閉扉82内のパンチング板からなる壁
面83にて形成されている。開閉扉82と略平行に対向
している奥側壁面80に対して所定の間隙寸法Gでもっ
てインピーダンス変換層84が一次マイクロ波空間78
内に配設され、被加熱物を収納する二次マイクロ波空間
85が形成されている。右側壁面79の一次マイクロ波
空間78の外側には、二次マイクロ波空間85を含む一
次マイクロ波空間78内に給電されるマイクロ波を伝送
する導波管86が配設されている。また右側壁面79お
よび左側壁面81の二次マイクロ波空間85の内側面に
は、輻射熱を利用して被加熱物を加熱する時に被加熱物
が載置されるオーブン皿(図示していない)を二次マイ
クロ波空間85内の所定空間位置に配設支持するための
オーブン皿支持レール87、88、89がそれぞれ形成
されている。90は、二次マイクロ波空間85内に給電
され多重伝搬するマイクロ波によって加熱される被加熱
物を載置する載置皿、91は操作部、92は開閉扉82
の取っ手、93は高周波加熱装置の本体である。
【0123】このような構成としたことにより、輻射加
熱体を備えた高周波加熱装置において、オーブン皿支持
レールを金属壁面に形成する従来の構成を利用できる。
【0124】これにより、インピーダンス変換層は、オ
ーブン皿用の支持レールの形成が不要であり、二次マイ
クロ波空間内でのマイクロ波の多重伝搬挙動を有効に実
現する所望の構造体に自由設計することができる。
【0125】なお、インピーダンス変換層は開閉扉に設
ける構成とすることも可能である。また、上述の各実施
例に示した構成部材およびその構造はそれぞれを組み合
わせて実施させることができる。
【0126】
【発明の効果】以上のように本発明によれば以下の効果
を有する。
【0127】請求項1のマイクロ波キャビティによれば
マイクロ波を実質的に閉じ込める一次マイクロ波空間内
に非金属材料からなるインピーダンス変換層を併設した
構成により、インピーダンス変換層に入射したマイクロ
波は保有エネルギが分配された反射波と透過波になると
ともに伝搬経路を異ならしめさらにはお互いの波に位相
差を生じさせることができる。被加熱物が収納された空
間にこのような保有エネルギがそれぞれに分配されたマ
イクロ波を多重伝搬させることにより、被加熱物の加熱
の均一化を促進することができる。
【0128】請求項2のマイクロ波キャビティによれば
非金属材料からなるインピーダンス変換層を境界面の一
つとして形成され被加熱物を収納する二次マイクロ波空
間とを備えた構成により、給電されたマイクロ波をほぼ
100%の確率にてインピーダンス変換層に伝搬させる
ことができる。これにより、マイクロ波の多重伝搬を定
常的に生じさせることができ、被加熱物の加熱の均一化
を確実に促進させることができる。
【0129】請求項3のマイクロ波キャビティによれば
インピーダンス変換層を一次マイクロ波空間の境界面に
対向配設した構成としたことにより、各反射波の伝搬経
路を明確に区分させることができ、被加熱物の加熱の均
一化を促進するマイクロ波キャビティの設計を容易に行
なうことができる。
【0130】請求項4のマイクロ波キャビティによれば
二次マイクロ波空間内には一次マイクロ波空間に生じう
る共振モードとは異なる共振モードを生じさせるように
インピーダンス変換層を配設した構成により、二次マイ
クロ波空間内に複数の電磁波分布を発生させることがで
き、被加熱物の加熱の均一化をさらに効果的に促進させ
ることができる。
【0131】請求項5のマイクロ波キャビティによれば
インピーダンス変換層の実効比誘電率が3以上で10以
下の非金属材料から構成したことにより、多重伝搬する
それぞれのマイクロ波へのマイクロ波エネルギの分配を
確実に実現できるとともに二次マイクロ波空間内に発生
させる複数の電磁場分布のエネルギ分配を最適にするこ
とによる被加熱物に応じた加熱の均一化を実現すること
ができる。
【0132】請求項6のマイクロ波キャビティによれば
インピーダンス変換層は、低誘電損失でかつ耐熱性の材
料から構成したことにより、インピーダンス変換層を伝
搬するときのマイクロ波エネルギの損失を低減し被加熱
物へのマイクロ波エネルギの供給効率を高く維持するこ
とができる。さらには、耐熱性の材料でインピーダンス
変換層を構成することにより、たとえばオーブンレンジ
のようにマイクロ波空間を高温状態にして被加熱物を加
熱調理する場合の用途にも本発明のインピーダンス変換
層の適用範囲を拡大することができる。
【0133】請求項7のマイクロ波キャビティによれば
インピーダンス変換層は、非金属無機材料で構成したこ
とにより、インピーダンス変換層の機械的強度を大きく
することで、インピーダンス変換層への重量物の直接載
置を可能にしたり、あるいはオーブン調理に使用するオ
ーブン皿を支持する支持ガイドをインピーダンス変換層
に形成することができる。
【0134】請求項8のマイクロ波キャビティによれば
インピーダンス変換層は、多孔質セラミックス材料から
なる格子状構造体としたことにより、格子状構造体によ
る空気層と基材との混成構造によりインピーダンス変換
層の実効比誘電率を所望範囲の値に設定することがで
き、非金属材料の選択の範囲を拡大し設計自由度を高め
ることができる。
【0135】請求項9のマイクロ波キャビティによれば
一次マイクロ波空間の境界面とインピーダンス変換層と
が形成する間隙寸法にインピーダンス変換層の厚み寸法
を加えた寸法は、給電されるマイクロ波の実効波長に対
して1/4波長未満とした構成により、それぞれの反射
波の被加熱物への入射位置の分布を相互に補完して被加
熱物の加熱の均一化を促進することができる。
【0136】請求項10のマイクロ波キャビティによれ
ばインピーダンス変換層の層面を一次マイクロ波空間の
境界面に併設した構成により、インピーダンス変換層の
層面を金属材料で形成された一次マイクロ波空間の境界
面で支持させることで、配設位置のバラツキを抑制でき
るとともにインピーダンス変換層のマイクロ波伝搬に対
する所望作用を確実に行わせることができる。
【0137】請求項11のマイクロ波キャビティによれ
ば一次マイクロ波空間の境界面に併設するインピーダン
ス変換層の層厚さは、インピーダンス変換層内を伝搬す
るマイクロ波の実効波長に対して1/4波長未満とした
構成により、それぞれの反射波の被加熱物への入射位置
の分布を相互に補完して被加熱物の加熱の均一化を促進
することができる。
【0138】請求項12のマイクロ波キャビティによれ
ば一次マイクロ波空間の境界面は一次マイクロ波空間を
励振するためのマイクロ波の給電部を有し、インピーダ
ンス変換層は前記給電部を有する一次マイクロ波空間の
境界面に略平行に配設した構成により、給電部からのマ
イクロ波の伝搬経路に基づき、インピーダンス変換層へ
の入射角度を設計因子とすることができ、インピーダン
ス変換層の比誘電率あるいは配設構成を設計段階におい
て最適化できる。従って、被加熱物の加熱の均一化の促
進に対応するマイクロ波キャビティを容易に実現させる
ことができる。
【0139】請求項13のマイクロ波キャビティによれ
ば二次マイクロ波空間は、被加熱物を収納するための開
閉可能な境界面を備え、インピーダンス変換層を前記境
界面に略平行に配設した構成により、たとえばオーブン
レンジのようなオーブン皿を二次マイクロ波空間に収納
する際のオーブン皿を支持する支持レールを金属材料に
て形成する従来の構成を利用できる。これにより、イン
ピーダンス変換層は、オーブン皿用の支持レールの形成
が不要であり、二次マイクロ波空間内でのマイクロ波の
多重伝搬挙動を有効に実現する所望の構造体に自由設計
することができる。
【0140】請求項14のマイクロ波キャビティによれ
ばインピーダンス変換層の実効比誘電率は、マイクロ波
発生手段が発生するマイクロ波を一次マイクロ波空間に
伝送する導波管の長軸寸法に基づいて決定したことによ
り、導波管の長軸寸法に基づいて、一次マイクロ波空間
を伝搬してインピーダンス変換層へ入射するマイクロ波
の入射角度さらにはインピーダンス変換層の実効比誘電
率を決定し、一次マイクロ波空間のみを反射してインピ
ーダンス変換層に入射するマイクロ波がインピーダンス
変換層および一次マイクロ波空間によって反射した後に
二次マイクロ波空間に伝搬するそれぞれの反射波の保有
するマイクロ波エネルギをより等分配させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を示すマイクロ波キャビティ
を適用した高周波加熱装置の構成図
【図2】同マイクロ波キャビティのインピーダンス変換
層の存在下でのマイクロ波伝搬状態を示す図
【図3】同マイクロ波キャビティのインピーダンス変換
層へのマイクロ波入射角度が反射波のエネルギ分配に与
える影響を示す特性図
【図4】同マイクロ波キャビティのインピーダンス変換
層のマイクロ波的作用を説明するマイクロ波キャビティ
の構成図
【図5】同マイクロ波キャビティのインピーダンス変換
層がマイクロ波キャビティ内のマイクロ波挙動に与える
影響を示す特性図
【図6】同マイクロ波キャビティのインピーダンス変換
層の材料特性がマイクロ波キャビティ内の電磁場分布に
与える影響を示す特性図
【図7】同マイクロ波キャビティの特定材料を用いたイ
ンピーダンス変換層において間隙寸法をパラメータとす
るマイクロ波キャビティ内の電磁場分布特性図
【図8】本発明の実施例2を示すマイクロ波キャビティ
の部分構成図
【図9】本発明の実施例3を示すマイクロ波キャビティ
の構成図
【図10】本発明の実施例4を示すマイクロ波キャビテ
ィを適用した高周波加熱装置の構成図
【符号の説明】
10、47 マイクロ波キャビティ 16、83 開閉可能な境界面 17、58、70、78 一次マイクロ波空間 18、27、49、59、84 インピーダンス変換層 19、76 給電部 20、54、73、85 二次マイクロ波空間 60 被加熱物 71 格子状インピーダンス変換層 74、86 導波管 G 間隙 t インピーダンス変換層の層厚さ S G+tの加算値

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 給電されたマイクロ波を実質的に閉じ込
    める一次マイクロ波空間内に非金属材料からなるインピ
    ーダンス変換層を配設したマイクロ波キャビティ。
  2. 【請求項2】 給電されたマイクロ波を実質的に閉じ込
    める一次マイクロ波空間と、前記一次マイクロ波空間内
    に配設した非金属材料からなるインピーダンス変換層を
    境界面の一つとして形成され被加熱物を収納する二次マ
    イクロ波空間とを備えたマイクロ波キャビティ。
  3. 【請求項3】 インピーダンス変換層は、一次マイクロ
    波空間の境界面に対向配設した構成からなる請求項1ま
    たは2記載のマイクロ波キャビティ。
  4. 【請求項4】 一次マイクロ波空間および二次マイクロ
    波空間は、それぞれの空間内に多重の共振モードを生じ
    うるように形成するとともに、前記二次マイクロ波空間
    内には前記一次マイクロ波空間に生じうる共振モードと
    は異なる共振モードを生じさせるようにインピーダンス
    変換層を配設した構成からなる請求項2記載のマイクロ
    波キャビティ。
  5. 【請求項5】 インピーダンス変換層は、給電されるマ
    イクロ波の周波数帯における実効比誘電率が3以上で1
    0以下の非金属材料で構成した請求項1または2記載の
    マイクロ波キャビティ。
  6. 【請求項6】 インピーダンス変換層は、低誘電損失で
    かつ耐熱性の材料から構成した請求項1または2記載の
    マイクロ波キャビティ。
  7. 【請求項7】 インピーダンス変換層は、非金属無機材
    料で構成した請求項1または2記載のマイクロ波キャビ
    ティ。
  8. 【請求項8】 インピーダンス変換層は、多孔質セラミ
    ックス材料からなる格子状構造体とした請求項1または
    2記載のマイクロ波キャビティ。
  9. 【請求項9】 一次マイクロ波空間の境界面とインピー
    ダンス変換層とが形成する間隙寸法にインピーダンス変
    換層の厚み寸法を加えた寸法は、給電されるマイクロ波
    の実効波長に対して1/4波長未満とした請求項1また
    は2記載のマイクロ波キャビティ。
  10. 【請求項10】 インピーダンス変換層の層面を一次マ
    イクロ波空間の境界面に併設した構成からなる請求項
    6、7、8のいずれか1項に記載のマイクロ波キャビテ
    ィ。
  11. 【請求項11】 インピーダンス変換層の層厚さは、前
    記インピーダンス変換層内を伝搬するマイクロ波の実効
    波長に対して1/4波長未満とした請求項10記載のマ
    イクロ波キャビティ。
  12. 【請求項12】 一次マイクロ波空間の境界面は前記一
    次マイクロ波空間を励振するためのマイクロ波の給電部
    を有し、インピーダンス変換層は前記給電部を有する一
    次マイクロ波空間の境界面に略平行に配設した構成から
    なる請求項2記載のマイクロ波キャビティ。
  13. 【請求項13】 二次マイクロ波空間は、被加熱物を収
    納するための開閉可能な境界面を備え、インピーダンス
    変換層を前記境界面に略平行に配設した構成からなる請
    求項2記載のマイクロ波キャビティ。
  14. 【請求項14】 インピーダンス変換層の実効比誘電率
    は、マイクロ波発生手段が発生するマイクロ波を一次マ
    イクロ波空間に伝送する導波管の長軸寸法に基づいて決
    定したことを特徴とする請求項1、2、4、12、14
    のいずれか一項に記載のマイクロ波キャビティ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002327983A (ja) * 2001-05-01 2002-11-15 Anzai Setsu マイクロ波乾燥装置
KR20170032229A (ko) * 2014-05-13 2017-03-22 상뜨르 나시오날 드 라 리쉐르쉐 샹띠피끄 전자레인지

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