JPH11144704A - 全固体電池 - Google Patents

全固体電池

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JPH11144704A
JPH11144704A JP9305424A JP30542497A JPH11144704A JP H11144704 A JPH11144704 A JP H11144704A JP 9305424 A JP9305424 A JP 9305424A JP 30542497 A JP30542497 A JP 30542497A JP H11144704 A JPH11144704 A JP H11144704A
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JP
Japan
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battery
terminal
ptc element
solid
current
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Application number
JP9305424A
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English (en)
Inventor
Kazuya Iwamoto
和也 岩本
Makoto Fujino
信 藤野
Kazunori Takada
和典 高田
Shigeo Kondo
繁雄 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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  • Secondary Cells (AREA)
  • Connection Of Batteries Or Terminals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】電池内の発電要素が占める体積の減少を最小限
に止めてエネルギー密度を確保すると共に、過大電流充
放電、短絡等による電池および外部負荷回路の過熱を防
止でき、安全機構作動後も再使用できる電池を提供する
こと。 【解決手段】この課題を解決するために、電池内で電解
質が固定され、蒸発することもない固体電解質の特質に
注目し、固体電解質を用いる全固体電池の電槽内部にお
いて、電解質とPTC素子或いはヒューズとの格別の隔
離手段を設けることなく、正極端子あるいは負極端子の
少なくとも一方の端部と当該端子と接続される電極との
間にPTC素子、あるいはPTC素子とヒューズを併用
して接続して高エネルギー密度で安全性と実用性に優れ
た電池を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は全固体電池の安全性
と信頼性の向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータ・携帯電
話等のポータブル機器の開発にともない、その電源とし
て電池の需要は非常に大きなものとなっている。特に、
これら機器に用いられる電池の高エネルギー密度化・高
容量化に対する市場要望は非常に高いものとなってきて
おり、小型二次電池としては、ニカド電池に次いで、新
電池としてリチウムイオン電池やニッケル水素電池が実
用化され普及しつつあり、更に高エネルギー密度化を目
指した各種のリチウム二次電池が研究されている。ま
た、一次電池では、フッ化黒鉛リチウム電池や二酸化マ
ンガンリチウム電池など各種のリチウム一次電池が高エ
ネルギー密度の電池として実用化されている。
【0003】しかし、強アルカリ性溶液などの水溶液系
電解液や有機溶媒に溶質を溶解した有機電解液などのこ
れら液体電解液を用いた各種電池を実用化するために
は、多くの場合、電池が誤使用された場合でも安全性を
確保できる安全機構を電池に設置する必要がある。
【0004】そのために、電池が短絡もしくは過大電流
で充放電された場合の電池や外部負荷回路の温度上昇、
或いは過充電、逆充電などをされた場合の電池の温度上
昇や急激な内圧上昇、変形などの安全性に関する信頼性
を高めるための対策として下記のような種々の方法が採
られ、或いは提案されている。
【0005】たとえば、構成電池内の素電池と出力端子
の間に、PTC(Positive Temperature Coefficient)
素子を接続し、短絡・過充電・逆充電等の誤使用によ
り、電池温度が上昇した際にPTC素子の抵抗の増大に
より電流を制限・遮断する機構を持たせる方法(特開平
5−325942号公報)、あるいは構成電池内に上記
PTC素子とともに低融点合金からなるヒューズを設け
て電流遮断する方法(特開平6−349480号公
報)、短絡・過充電・逆充電等により内圧が上昇した際
に機械的な方法で電気回路を遮断するとともに密封状態
を解除して内圧を減少させ、電池の温度上昇や急激な内
圧上昇を防止し、封口板から内圧を逃がすような構造
(特開平6−338305号公報)等が提案されてい
る。
【0006】上記のように、主として液体電解液を用い
た電池の安全性を確保するための種々の方策が検討され
てきたが、一方では電池の発電要素自体の安全性を高め
るため固体状の電解質を用いた電池の研究開発が進めら
れている。特に、不燃性物質である無機系固体電解質を
用いた全固体電池は短絡、過大電流充放電、過放電、逆
充電等の誤使用時において過熱されても温度上昇や急激
な内圧上昇の可能性が殆どなく、更にこうした誤使用の
場合や長期の保存、長期使用の期間においてもガス発生
がないので内圧上昇に起因する電池の変形などの心配が
なく、安全性と信頼性を高めるために最適の特性を備え
た電池系として提案されている(特開平6−27525
4号公報等)。
【0007】このように、上記の固体状電解質を用いた
電池は前記の液体状電解液に比較して安全性を確保する
ために有利な条件を備えている。しかし、上記の誤使用
時や、電池に接続された負荷回路の異常により短絡もし
くはこれに近い状態になって過大電流が負荷回路に流れ
た場合に、電池或いは外部負荷の温度が異常に上昇する
場合が想定され、より高度な安全性を確保するためには
更なる改良が必要とされる。
【0008】このために、全固体電池内部のリード部に
低融点合金からなるヒューズを挿入し、異常な大電流が
流れた際に電流を遮断する機構を設け、電池或いは外部
負荷回路の発熱を防止することが提案されている(特開
平8−203482号公報)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
液体状電解液を用いる電池では、PTC素子やヒューズ
が電解液との直接接触やその蒸気に触れることによって
腐食が生じやすいために、電解液またはその蒸気とPT
C素子やヒューズとを隔離して電池内に設置する必要が
ある。そのため、電槽内部に直接に設置することはでき
ず、素電池の封口板内や構成電池内に設けた素電池内の
空隙に前記のPTC素子やヒューズを設ける必要があ
り、安全機構が複雑な構造となる上に、電池の発電要素
を収納するスペースが減少するため、電池の製造コスト
低減とエネルギー密度の向上の妨げになっていた。
【0010】また、固体状電解質を用いた全固体電池に
低融点合金をヒューズとして用いた上記の従来技術の場
合には、電池そのものは異常な温度上昇などは防止でき
るが、外部負荷回路の異常や、誤って電池を短絡させた
際の過大電流により、外部負荷回路や電池の過熱を防止
する信頼性を高めるためにはヒューズの溶断温度を低く
設計する必要があった。
【0011】しかしながら、溶断温度を低くすると、通
常使用される電流や温度をわずかに越えた場合にでもヒ
ューズが溶断して電気回路が遮断されたままとなり、そ
の後、電池として再び使用できなくなるといった実用面
での問題があった。
【0012】本発明は、電池の体積効率を減少させるこ
と無く、簡便な安全機構によって、上記のような誤使用
による過熱、急激な内圧上昇、変形などを高い信頼性で
防止し、より高い信頼性と安全性を確保するとともに、
安全機構が作動後も継続して使用できる実用性の高い、
高エネルギー密度電池を得ることを課題とするものであ
る。今一つの課題は上記の安全機構が万が一に作動しな
い場合でも過大電流を遮断してより高度な安全性を確保
することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するために、全固体電池の素電池の電槽内部において
正極端子あるいは負極端子の少なくとも一方と当該端子
と接続される電極との間に正温度係数抵抗装置(PTC
素子)を接続したものである。また、更に安全の信頼性
を高めるために、PTC素子とヒューズを併用して接続
したものである。
【0014】本発明は、固体状の電解質を用いた全固体
電池、とりわけ無機系固体電解質を用いた全固体電池が
発火および燃焼し難く、電池内でガス発生しないという
前記の特性と、さらに、電解質が極板間或いは極板内に
固定され、かつ蒸発することもない特質に着目してなさ
れたもので、これにより、PTC素子やヒューズと電解
液との隔離手段を設けること無く、PTC素子やヒュー
ズを腐食させることのない簡便な安全機構を設置するこ
とを可能にし、高エネルギー密度で安全性が高く、実用
性の優れた電池が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明は
固体電解質を用いる全固体電池の素電池の電槽内の、正
極端子または負極端子の少なくとも一方と該端子と接続
される電極との間にPTC素子を設けたものである。
【0016】これらの固体電解質は素電池内に収納され
た場合に極板群内(電極間もしくは電極内)に固定され
た状態が維持される。即ち、液体状の電解液のように極
板群に含浸される以外に素電池内の空隙に腐食性の電解
液が流動したり、温度上昇によって腐食性のガスが蒸発
することはなく、PTC素子を腐食性させることがな
い。
【0017】従って、安全機構を素電池内の空隙に設置
する場合に電解液との接触を防ぐための格別の隔離手段
を講ずることなく、PTC素子を直接的に電槽内部で端
子と電極の間に接続することができ、安全機構を簡略化
できる。これにより、液体状電解液を用いた電池の場合
に比較して、電池内の発電要素が占める体積比率を高め
ることができ、電池の高エネルギー密度化に寄与するこ
とができる。
【0018】また、外部短絡等により通常の作動電流よ
り大きな過大電流が流れる場合には素電池内部の温度上
昇によりPTC素子の抵抗が増大し、電流を制限する。
これにより、過大電流による外部負荷回路および電池自
体の過熱を防止できる。また、再び通常の電流値に戻っ
た際にはPTC素子の抵抗が減少して電池は再び使用す
ることができ、高い信頼性の安全性と実用性を備えた電
池が得られる。
【0019】本発明の請求項2記載の発明は固体電解質
を用いる全固体電池の正極端子または負極端子の少なく
とも一方と該端子と接続される電極との間にPTC素子
と低融点合金からなるヒューズを直列に接続して設けた
ものである。これにより、上記と同様の理由で安全機構
が簡略化され体積効率が高まるので、液体電解液を用い
た電池より高エネルギー密度化に有利となる。
【0020】また、過大電流が流れた際にPTC素子の
抵抗の増大により電流制限をかけ、外部負荷での発熱を
抑制することができ、このPTC素子の作動領域内の電
流では溶断しないヒューズを接続することにより、PT
C素子の作動領域内の過大電流が流れても安全性が確保
され、再使用も可能であるばかりでなく、万一、PTC
素子の許容限度を超える大電流が流れたり、PTC素子
に不都合があって不作動の場合には、ヒューズが溶断し
て電流を遮断され、より高度な安全性を確保することが
できる。
【0021】本発明の請求項3の発明は固体電解質を用
いる全固体電池の正極端子または負極端子の一方と該端
子と接続される電極との間にPTC素子を接続し、他方
の端子とこれに接続される電極との間に低融点合金から
なるヒューズを接続して設けたものである。これによ
り、請求項2の発明と同様の作用効果が得られる。
【0022】本発明の請求項4記載の発明は請求項1〜
3のいずれかに記載の電池に無機固体電解質をもちいた
ものである。
【0023】固体電解質には大別してLi2S−SiS2
系ガラスや、Li3.6Si0.60.44などの無機材料を
用いた無機固体電解質と、たとえばポリエチレンオキサ
イド(PEO)等の高分子に支持塩として過塩素酸リチ
ウム(LiClO4)等の溶質を加えた高分子固体電解
質があり、一般的に前者は不燃性であり、後者は有機電
解液ほどの燃焼性はないが可燃性もしくは難燃性の物質
である。従って、本発明を適用して、より一層高い信頼
性と安全性を確保するためには、固体電解質の内でも不
燃性物質である無機系の固体電解質を用いるのが効果的
である。
【0024】
【実施例】本発明の比較例と実施例として作成した電池
の構成について説明する。
【0025】(比較例1)図1はPTC素子を内蔵しな
い比較例の全固体電池であり、電槽1の内部で正極端子
2の下端部と正極板3に接続された正極リード片4がス
ポット溶接により直接に接続されている。一方、負極端
子5の下端部も正極端子と同様に負極板6に接続された
負極リード片7が電槽1の内部でスポット溶接により直
接に接続されている。これらの正極板3と負極板6は固
体電解質シート8を挟んで対峙するように極板群を構成
している。この極板群をABS樹脂製の電糟1に収容
し、電糟1の開口部をエポキシ樹脂接着剤により電池蓋
9を接着して密封し、電池を構成した。
【0026】(比較例2)図1の正極リード片4をスポ
ット溶接により低融点合金からなるヒューズの一方の端
子に接続し、他方の端子を正極端子2の下端部に接続さ
せることにより、電槽1にヒューズを納めた以外は比較
例1の電池と同様の方法で構成した。
【0027】(実施例1)図2は本発明の実施例1の全
固体電池の構造を示したものであり、電糟内にPTC素
子を接続した場合の実施例である。電槽10の内部で正
極端子11の下端部と正極板12に接続された正極リー
ド片13の間にPTC素子14をスポット溶接により接
続する構成をとっている。これ以外は図1に示した比較
例1の電池と同様の方法で構成した。
【0028】(実施例2)図2に示した実施例1で用い
た電池において正極端子11の下端部と正極リード片1
3の間にPTC素子14を接続した代わりに、ヒューズ
およびPTC素子を直列に接続したものを正極端子11
の下端部と正極リード片13の間に接続した。
【0029】この正極板3,12あるいは負極板6,1
7の一端には、活物質層を剥離して露出させた集電体の
表面にステンレススチール製の正極リード片4,13あ
るいは負極リード片7,16をスポット溶接により接続
した。これらの正負極板で固体電解質シート8,15を
挟んで極板群を構成した。
【0030】電糟蓋9,19はABS樹脂製の基体に設
けた穴に貫通して固定されたニッケルめっきされた鉄製
の正極端子2,11と負極端子5,18からなってい
る。
【0031】実施例1,2で用いたPTC素子14は熱
可塑性樹脂に導電剤としてのカーボンを含有した薄膜状
(厚さ0.5mm,長さ10mm,幅5mm)の素子の
両面にニッケルリード片が取り付けられた構造をしてい
る。
【0032】PTC素子は、素子を流れる電流によるジ
ュール熱のために素子を構成する熱可塑性樹脂が体積膨
張し、含有した導電剤の接触が減少するにつれてその抵
抗が増大する特性を有する。したがって、素子を流れる
電流が増加するほどその抵抗が高くなるものである。
【0033】実施例1,2に用いたPTC素子の定格
は、比較例1のPTC素子やヒューズを接続していない
電池の短絡電流が1.9Aであることを基準に下記の特
性を備えたものを選択した。
【0034】即ち、0.5A以下の電流でPTC素子の
抵抗は15mΩ〜2Ω程度であり、0.5A以上では急
激に抵抗が増大し、1Aを超えると10MΩにまで抵抗
が増大し、2Aを超えると通常は静電破壊して絶縁状態
になる。そしてこのPTC素子は2A以下の電流では復
帰可能で可逆性を有するが、2Aを越える電流が一旦流
れると可逆性が無くなり再使用できない。上記の特性は
周囲温度によって若干変化するが、通常の電池の使用温
度範囲内では大きな変化はない。
【0035】これにより、実施例1では0.5A以下の
正常な使用電流範囲ではPTC素子の低抵抗レベルが維
持され電池の内部抵抗を上昇させることはなく、これを
越えた過大電流領域(最大は電池の短絡電流)では抵抗
値が急激に上昇して過大電流が流れず、電池の安全性が
確保され、しかも過大電流(約0.5〜約2A)が流れ
て一旦PTC素子の抵抗が増大した後も電池の再使用が
可能となるように設計した。また、この電池では万が
一、外部電源によって短絡電流以上の約2A以上の電流
が電池に流された場合にはPTC素子は靜電破壊して絶
縁状態となり電流が完全に遮断される。この場合、PT
C素子の復帰性はなくなるので電池の再使用はできない
が、万一、著しく過大な電流が誤って流された場合でも
安全性が得られる。
【0036】また、およびPTC素子の2つを直列に接
続する実施例2の場合には、実施例1と同様のPTC素
子を用い、これに直列に接続したヒューズは、電池の短
絡電流を越えた電流(約2A)で溶断する低融点合金か
ら成るヒューズを選択した。その狙いは、短絡電流を越
えた電流が流れたときの電流遮断をより確実にし、実施
例1を上回る高度の信頼性をもって安全性を確保するこ
とにある。
【0037】前記のように、PTC素子が所定電流以上
で通常は絶縁状態となり電流は遮断されるが、場合によ
っては、素子を構成する樹脂が軟化し、樹脂を挟んでい
るリード片が短絡する等により、短絡状態になる場合も
ある。実施例2ではこの様な場合でもPTC素子と直列
に接続したヒューズを溶断させることによって、電流を
確実に遮断できるようにしたものである。
【0038】これにより、実施例1と同様な正常電流で
の正常な作動と短絡電流以下の過大電流での復帰可能な
安全性の確保はもとより、これに加えて、短絡電流を越
えるような過大電流が外部から強制的に電池に流されて
PTC素子が短絡状態となったような異常事態が発生し
た場合にも電流が遮断されて安全性を確保できるように
した。
【0039】この様にして作製した実施例1,2の電池
と比較例1,2の電池とについて、過大電流を通じた場
合の安全性と過大電流解除後の特性を下記に示す実施例
3,4および比較例3,4のように評価した。
【0040】(比較例3)電池の正極端子と負極端子を
ポリプロピレン製チューブで被覆した2Ω・定格4Wの
ニクロム線で短絡させたところ、ポリプロピレン製チュ
ーブが溶融し、ニクロム線が赤光した。この時、ニクロ
ム線の温度を熱電対で測定すると、250℃にまで上昇
していた。
【0041】(比較例4)電池の正極端子と負極端子の
間を比較例1で用いたものと同様のニクロム線で短絡さ
せたところ、ポリプロピレン製の被覆チューブが溶融す
ることはなかった。試験後、電池の再充電を試みたとこ
ろ、充電不能であったため、分解して解析したところ、
ヒューズが溶断しているのが確認された。
【0042】尚、この比較例4の電池では短絡電流の約
1/2に相当する1.0A以上の電流で溶断するヒュー
ズを選んで用いた。
【0043】(実施例3)電池の正極端子と負極端子を
比較例3で用いたものと同じニクロム線で短絡させたと
ころ、ポリプロピレン製チューブが溶融することも、ニ
クロム線が赤光することもなかった。この時、ニクロム
線の温度を熱電対で測定すると、80℃であった。
【0044】さらにこの試験後のこの電池を再充電する
と短絡前と同様の充放電特性を示した。
【0045】(実施例4)電池の正極端子と負極端子を
比較例3で用いたものと同じニクロム線で短絡させたと
ころ、ポリプロピレン製チューブが溶融することも、ニ
クロム線が赤光することもなかった。この時、ニクロム
線の温度を熱電対で測定すると、80℃であった。
【0046】さらに試験後のこの電池を再充電すると短
絡前と同様の充放電特性を示した。ついで、この電池を
0.1Ωのポリプロピレン製チューブで被覆したアルミ
ニウム線(線径0.5mm,長さ10cm)で短絡させ
たところ、ポリプロピレン製チューブが溶融することも
アルミニウム線が赤光することもなかった。また、この
時のアルミニウム線の温度を熱電対で測定したところ、
73℃まで上昇したが、その後、温度は下降した。
【0047】さらに試験後のこの電池を再充電すると短
絡前と同様の充放電特性を示した。また、上記の試験と
は別に、5個の電池について、外部から短絡電流の約
1.5倍に相当する電流(3A)を強制印加して放電さ
せたところ、3秒間以内で何れの電池も電流が遮断さ
れ、電池の発熱もほとんど認められなかった。試験後、
再充電しようとしたが、充電不能であった。これら5個
の電池を分解した結果、PTC素子が絶縁状態でヒュー
ズが溶断していないものが4個、PTC素子が短絡状態
でヒューズが溶断しているものが1個であることが確認
された。
【0048】このことから、実施例3,4の電池がPT
C素子、あるいはPTC素子とヒューズとの併用の作用
により、過大電流が継続的に流れることが防止されて安
全性が確保され、しかも、その後の電池特性にも全く支
障なく再使用できること、及び短絡電流を越えた過大電
流が、万が一、流れた場合でも安全性が確保できること
が確認された。
【0049】なお、本発明の実施例における全固体電池
として、正極材料にコバルト酸リチウム、負極材料に金
属インジウム箔、固体電解質に硫化リチウムと二硫化珪
素を主体とするリチウムイオン導電性固体電解質を用い
た全固体リチウム二次電池で説明を行ったが、本発明は
上記の電池材料を用いた場合に限定するものではなく、
液体状の電解液を含まず、固体状の電解質と固体状の電
極材料を用いた全固体電池に広く適用することができ
る。
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、全固体電
池の電槽内部において正極端子あるいは負極端子の少な
くとも一方と当該端子と接続される電極との間にPTC
素子を接続することにより、外部短絡等により通常使用
する電流より大きい過大電流が流れる場合にはPTC素
子の作用により電流を制限して安全性を確保できる。ま
た、再び通常の電流値に戻った際には電池を再び使用す
ることができる。さらに、PTC素子とヒューズを併用
して接続することにより、上記の安全性と実用性が確保
できる上に、万一の場合、外部から強制的に過大電流が
通じられた場合にも安全性がより高い信頼性をもって得
られる。
【0051】また、全固体電池は電解液や腐食性ガスの
発生がないので、PTC素子やヒューズを電解液やガス
から隔離する手段を高じることなく簡便に電槽内部に設
けることができ、体積効率の減少を最小限に抑制した高
エネルギー密度の安全性の高い電池を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の全固体電池を示す図
【図2】本発明の実施の一つの形態である電槽内部にP
TC素子を設けた全固体電池を示す図
【符号の説明】
1 電槽 2 正極端子 3 正極板 4 正極リード片 5 負極端子 6 負極版 7 負極リード片 8 固体電解質シート 9 電槽蓋 10 電槽 11 正極端子 12 正極板 13 正極リード片 14 正温度係数抵抗装置(PTC素子) 15 固体電解質シート 16 負極リード片 17 負極板 18 負極端子 19 電槽蓋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 繁雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正極、負極が固体電解質を介して電槽に内
    蔵された全固体電池において、該電池の正極端子あるい
    は負極端子の少なくとも一方と当該端子と接続される電
    極との間にPTC素子を電槽内で接続したことを特徴と
    する全固体電池。
  2. 【請求項2】正極、負極が固体電解質を介して電槽に内
    蔵された全固体電池において、該電池の正極端子あるい
    は負極端子の少なくとも一方と当該端子と接続される電
    極との間にPTC素子および低融点合金からなるヒュー
    ズを電槽内で直列に接続したことを特徴とする全固体電
    池。
  3. 【請求項3】正極、負極が固体電解質を介して電槽に内
    蔵された全固体電池において、該電池の正極端子あるい
    は負極端子の少なくとも一方と当該端子と接続される電
    極との間にPTC素子を電槽内で接続し、さらに他方の
    端子と当該他方の端子に接続される電極との間に低融点
    合金からなるヒューズを電槽内で接続したことを特徴と
    する全固体電池。
  4. 【請求項4】固体電解質が無機材料からなるイオン導電
    性固体電解質であることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の全固体電池。
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