JPH11144627A - 放電表示装置 - Google Patents
放電表示装置Info
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- JPH11144627A JPH11144627A JP9307423A JP30742397A JPH11144627A JP H11144627 A JPH11144627 A JP H11144627A JP 9307423 A JP9307423 A JP 9307423A JP 30742397 A JP30742397 A JP 30742397A JP H11144627 A JPH11144627 A JP H11144627A
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- display discharge
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Abstract
(57)【要約】
【課題】輝度が高く且つ高精細化が容易な3電極構造の
AC型放電表示装置を提供する。 【解決手段】一方の表示放電電極58aが前面板42の
面方向に平行な第1平面P1 上に配列され、他方の表示
放電電極58bがその第1平面P1 と平行且つ異なる第
2平面P2 上に配列されて、相互の間で表示放電させら
れる一対の表示放電電極58a、58bは、前面板42
から背面板44に向かう厚み方向において異なる高さ位
置に実質的に対向して配置される。そのため、表示放電
電極58aが光の射出側になる前面板42の内面近傍か
ら離隔して位置して、その内面近傍には各発光区画64
毎に表示放電電極58bが一本だけ位置することから、
表示放電電極58a、58bによる遮光が少なくなるた
め、発光区画64毎の実質的な開口率が向上させられて
高輝度が得られる。
AC型放電表示装置を提供する。 【解決手段】一方の表示放電電極58aが前面板42の
面方向に平行な第1平面P1 上に配列され、他方の表示
放電電極58bがその第1平面P1 と平行且つ異なる第
2平面P2 上に配列されて、相互の間で表示放電させら
れる一対の表示放電電極58a、58bは、前面板42
から背面板44に向かう厚み方向において異なる高さ位
置に実質的に対向して配置される。そのため、表示放電
電極58aが光の射出側になる前面板42の内面近傍か
ら離隔して位置して、その内面近傍には各発光区画64
毎に表示放電電極58bが一本だけ位置することから、
表示放電電極58a、58bによる遮光が少なくなるた
め、発光区画64毎の実質的な開口率が向上させられて
高輝度が得られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数対の表示放電
電極および書込電極を備えた放電表示装置に関し、特
に、表示放電電極構造の改良に関する。
電極および書込電極を備えた放電表示装置に関し、特
に、表示放電電極構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一対の平行平板間に形成された気密空間
内に一方向およびそれと直交する他方向に沿ってマトリ
クス状に設けられた複数の発光区画(発光単位すなわち
セル)と、それら複数の発光区画内で選択的に放電を発
生させるためにその発光区画毎に一対が位置するように
設けられた複数対の放電電極とを備え、その放電を利用
して発光させることにより、文字、記号、図形等の所望
の画像を表示する形式の放電表示装置が知られている。
例えば、ガス放電によって生じたプラズマの生成に伴う
ネオン・オレンジ等の発光を直接利用し、或いは、発光
区画内に蛍光体が備えられてプラズマによって生じた紫
外線により励起させられた蛍光体の発光を利用するプラ
ズマ・ディスプレイ・パネル(以下、PDPという)等
がそれである。このようなPDPは、薄型且つ大表示面
とすることが比較的容易であると共に、ブラウン管並の
広い視野角および早い応答速度が得られるため、ブラウ
ン管に代わる画像表示装置として考えられており、特
に、例えば赤(RED) 、緑(GREEN) 、青(BULE)の三色の蛍
光体を設けた3乃至4つの発光区画から一画素を構成し
て多色表示を可能とすることにより、壁掛けテレビ等の
薄型フル・カラー表示装置を実現し得るものとして期待
されている。
内に一方向およびそれと直交する他方向に沿ってマトリ
クス状に設けられた複数の発光区画(発光単位すなわち
セル)と、それら複数の発光区画内で選択的に放電を発
生させるためにその発光区画毎に一対が位置するように
設けられた複数対の放電電極とを備え、その放電を利用
して発光させることにより、文字、記号、図形等の所望
の画像を表示する形式の放電表示装置が知られている。
例えば、ガス放電によって生じたプラズマの生成に伴う
ネオン・オレンジ等の発光を直接利用し、或いは、発光
区画内に蛍光体が備えられてプラズマによって生じた紫
外線により励起させられた蛍光体の発光を利用するプラ
ズマ・ディスプレイ・パネル(以下、PDPという)等
がそれである。このようなPDPは、薄型且つ大表示面
とすることが比較的容易であると共に、ブラウン管並の
広い視野角および早い応答速度が得られるため、ブラウ
ン管に代わる画像表示装置として考えられており、特
に、例えば赤(RED) 、緑(GREEN) 、青(BULE)の三色の蛍
光体を設けた3乃至4つの発光区画から一画素を構成し
て多色表示を可能とすることにより、壁掛けテレビ等の
薄型フル・カラー表示装置を実現し得るものとして期待
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図1(a) 、(b) は、上
記のPDPの一例であって、例えば特開平3−7893
6号公報等に記載された3電極構造のAC型面放電PD
P8の構成を示す図である。図において、互いに平行に
位置させられた前面板10および背面板12の間に形成
された気密空間内に、一方向に沿って長手状の隔壁14
によって区画形成されて長手方向にそれぞれ複数の発光
区画36(図に一点鎖線で境界を示す)を含む複数の放
電空間16が設けられると共に、背面板12上にその一
方向に沿ってその隔壁14の間を通る複数本の書込電極
18がオーバ・コート32に覆われて設けられる一方、
前面板10上にその一方向と直交する他方向に沿って、
硼珪酸ガラス等の低軟化点ガラスから成る誘電体層20
および酸化マグネシウム(MgO )等から成る保護膜22
で覆われた複数対の表示放電電極24a、24bが設け
られ、上記背面板12の内面および隔壁14の表面に
は、各放電空間16毎に塗り分けられた蛍光体層26が
設けられている。なお、表示放電電極24は、面放電を
広範囲で発生させ且つ前面板10を通して射出される表
示光の遮光を可及的に少なくするため、薄膜プロセス等
で形成されたITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウ
ム錫)やATO(Antimon Tin Oxide :酸化アンチモン
錫)等から成る透明電極28と、その導電性を補うため
に各対毎に幅方向の外側端部位置においてその透明電極
28上に設けられたCr-Cu-Cr、Al等の薄膜や、厚膜Ag等
から成るバス電極(金属電極)30とから構成されてい
る。なお、図において34は、書込電極18が厚膜銀
で、背面板12がソーダ・ライム・ガラスで構成される
場合に両者の反応を抑制するためのアンダ・コートであ
り、上記のオーバ・コート32も同様に書込電極18と
蛍光体層26との反応を抑制するものである。したがっ
て、これらは書込電極18が反応性の低い材料から構成
される場合には必ずしも設けられない。
記のPDPの一例であって、例えば特開平3−7893
6号公報等に記載された3電極構造のAC型面放電PD
P8の構成を示す図である。図において、互いに平行に
位置させられた前面板10および背面板12の間に形成
された気密空間内に、一方向に沿って長手状の隔壁14
によって区画形成されて長手方向にそれぞれ複数の発光
区画36(図に一点鎖線で境界を示す)を含む複数の放
電空間16が設けられると共に、背面板12上にその一
方向に沿ってその隔壁14の間を通る複数本の書込電極
18がオーバ・コート32に覆われて設けられる一方、
前面板10上にその一方向と直交する他方向に沿って、
硼珪酸ガラス等の低軟化点ガラスから成る誘電体層20
および酸化マグネシウム(MgO )等から成る保護膜22
で覆われた複数対の表示放電電極24a、24bが設け
られ、上記背面板12の内面および隔壁14の表面に
は、各放電空間16毎に塗り分けられた蛍光体層26が
設けられている。なお、表示放電電極24は、面放電を
広範囲で発生させ且つ前面板10を通して射出される表
示光の遮光を可及的に少なくするため、薄膜プロセス等
で形成されたITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウ
ム錫)やATO(Antimon Tin Oxide :酸化アンチモン
錫)等から成る透明電極28と、その導電性を補うため
に各対毎に幅方向の外側端部位置においてその透明電極
28上に設けられたCr-Cu-Cr、Al等の薄膜や、厚膜Ag等
から成るバス電極(金属電極)30とから構成されてい
る。なお、図において34は、書込電極18が厚膜銀
で、背面板12がソーダ・ライム・ガラスで構成される
場合に両者の反応を抑制するためのアンダ・コートであ
り、上記のオーバ・コート32も同様に書込電極18と
蛍光体層26との反応を抑制するものである。したがっ
て、これらは書込電極18が反応性の低い材料から構成
される場合には必ずしも設けられない。
【0004】上記のようなAC型面放電PDP8によれ
ば、表示放電が上記一対の表示放電電極24a、24b
間で為される一方、発光区画36を選択するための書込
放電はそれら表示放電電極24の一方と書込電極18と
の間で為される。そのため、表示放電させられる表示放
電電極24が誘電体層20によって覆われていることか
ら、それが放電空間に露出するDC型に比較してスパッ
タリングに起因する表示放電電極24の劣化が生じ難
く、また、背面板12の内面上に設けられた蛍光体層2
6から離隔した位置で表示放電が発生させられることか
ら、その近傍に放電電極が備えられる対向放電PDPに
比較して放電ガス・イオンの衝突によるその蛍光体層2
6の劣化が抑制されるという利点がある。しかも、3電
極構造であることから、予め書込放電によって線順次に
発光区画36を選択した後、全ての表示放電電極24に
一斉に放電維持電圧を印加してその選択された発光区画
36内で表示放電させるため、発光区画36に形成され
た壁電荷によって表示放電電圧を低減し得ると共に、所
謂単純マトリクス駆動に比較して画素数の増大に伴う輝
度低下が抑制される。
ば、表示放電が上記一対の表示放電電極24a、24b
間で為される一方、発光区画36を選択するための書込
放電はそれら表示放電電極24の一方と書込電極18と
の間で為される。そのため、表示放電させられる表示放
電電極24が誘電体層20によって覆われていることか
ら、それが放電空間に露出するDC型に比較してスパッ
タリングに起因する表示放電電極24の劣化が生じ難
く、また、背面板12の内面上に設けられた蛍光体層2
6から離隔した位置で表示放電が発生させられることか
ら、その近傍に放電電極が備えられる対向放電PDPに
比較して放電ガス・イオンの衝突によるその蛍光体層2
6の劣化が抑制されるという利点がある。しかも、3電
極構造であることから、予め書込放電によって線順次に
発光区画36を選択した後、全ての表示放電電極24に
一斉に放電維持電圧を印加してその選択された発光区画
36内で表示放電させるため、発光区画36に形成され
た壁電荷によって表示放電電圧を低減し得ると共に、所
謂単純マトリクス駆動に比較して画素数の増大に伴う輝
度低下が抑制される。
【0005】しかしながら、上記のようなPDP8で
は、断面構造を表す図1(b) に示されるように、光の射
出側である前面板10の内面上において一平面に沿っ
て、発光区画36毎に一対の表示放電電極24a、24
bが並んで配置される。そのため、表示放電電極24
a、24bによる遮光面積が大きいことから、実質的な
セルの開口率が小さくなって輝度が低下させられてい
た。なお、不透明なバス電極30は勿論のこと、透明電
極28もその存在によって光透過率を低下させて実質的
に射出される光の一部を遮るのである。しかも、このよ
うな面放電構造においては、各発光区画36毎に備えら
れた一対の表示放電電極24a、24bの相互間隔(放
電距離に略等しい)gd を放電空間16の長手方向にお
いて適切な大きさに保つ必要がある一方、その長手方向
において相互に隣接する発光区画36にそれぞれ備えら
れる表示放電電極24の相互間隔pdeを、誤放電が確実
に防止できるように相互間隔gd (およびそれにより定
められる実質的な放電距離)よりも十分に大きくする必
要がある。そのため、放電空間16の長手方向における
発光区画36の中心間隔(セル・ピッチ)pcc(その長
手方向における発光区画36の長さLccに等しい)をそ
れほど小さくできないことから、高精細化も困難であっ
た。
は、断面構造を表す図1(b) に示されるように、光の射
出側である前面板10の内面上において一平面に沿っ
て、発光区画36毎に一対の表示放電電極24a、24
bが並んで配置される。そのため、表示放電電極24
a、24bによる遮光面積が大きいことから、実質的な
セルの開口率が小さくなって輝度が低下させられてい
た。なお、不透明なバス電極30は勿論のこと、透明電
極28もその存在によって光透過率を低下させて実質的
に射出される光の一部を遮るのである。しかも、このよ
うな面放電構造においては、各発光区画36毎に備えら
れた一対の表示放電電極24a、24bの相互間隔(放
電距離に略等しい)gd を放電空間16の長手方向にお
いて適切な大きさに保つ必要がある一方、その長手方向
において相互に隣接する発光区画36にそれぞれ備えら
れる表示放電電極24の相互間隔pdeを、誤放電が確実
に防止できるように相互間隔gd (およびそれにより定
められる実質的な放電距離)よりも十分に大きくする必
要がある。そのため、放電空間16の長手方向における
発光区画36の中心間隔(セル・ピッチ)pcc(その長
手方向における発光区画36の長さLccに等しい)をそ
れほど小さくできないことから、高精細化も困難であっ
た。
【0006】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであって、その目的は、輝度が高く且つ高精細化
が容易な3電極構造のAC型放電表示装置を提供するこ
とにある。
たものであって、その目的は、輝度が高く且つ高精細化
が容易な3電極構造のAC型放電表示装置を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、本発明の要旨とするところは、一対の平行平板間に
形成された気密空間内に第1の方向およびその第1の方
向と直交する第2の方向に沿って設けられた複数の発光
区画と、それら複数の発光区画を少なくともその第2の
方向において相互に区分する隔壁と、その第1の方向に
沿ってその隔壁の間の位置にそれぞれ設けられ、発光さ
せる所定の発光区画を選択するための複数本の書込電極
と、誘電体層に覆われて前記第2の方向に沿い且つ前記
発光区画毎に一対が位置するように設けられてその所定
の発光区画を発光させるための表示放電を発生および維
持させる複数対の表示放電電極とを備えた放電表示装置
であって、それら複数対の表示放電電極は、(a) 前記一
対の平行平板の面方向に平行な第1平面上に配列された
複数本の第1表示放電電極と、(b) その第1平面と平行
且つ異なる第2平面上に配列されてそれら複数本の第1
表示放電電極との間で前記表示放電をさせられる複数本
の第2表示放電電極とを、含むことにある。
め、本発明の要旨とするところは、一対の平行平板間に
形成された気密空間内に第1の方向およびその第1の方
向と直交する第2の方向に沿って設けられた複数の発光
区画と、それら複数の発光区画を少なくともその第2の
方向において相互に区分する隔壁と、その第1の方向に
沿ってその隔壁の間の位置にそれぞれ設けられ、発光さ
せる所定の発光区画を選択するための複数本の書込電極
と、誘電体層に覆われて前記第2の方向に沿い且つ前記
発光区画毎に一対が位置するように設けられてその所定
の発光区画を発光させるための表示放電を発生および維
持させる複数対の表示放電電極とを備えた放電表示装置
であって、それら複数対の表示放電電極は、(a) 前記一
対の平行平板の面方向に平行な第1平面上に配列された
複数本の第1表示放電電極と、(b) その第1平面と平行
且つ異なる第2平面上に配列されてそれら複数本の第1
表示放電電極との間で前記表示放電をさせられる複数本
の第2表示放電電極とを、含むことにある。
【0008】
【発明の効果】このようにすれば、平行電極対間で表示
放電させる3電極構造のAC型放電表示装置において、
複数対の表示放電電極は、一対の平行平板の面方向に平
行な第1平面上に配列された複数本の第1表示放電電極
と、その第1平面と平行且つ異なる第2平面上に配列さ
れてそれら複数本の第1表示放電電極との間で表示放電
をさせられる複数本の第2表示放電電極とを、含んで構
成される。すなわち、相互の間で表示放電させられる第
1表示放電電極および第2表示放電電極は、一対の平行
平板の一方から他方に向かう厚み方向において異なる高
さ位置に実質的に対向して配置される。そのため、第1
表示放電電極および第2表示放電電極のうちの少なくと
も一方は一対の平行平板のうちの光の射出側になる一方
の内面近傍から離隔して位置し、換言すればその内面近
傍には各発光区画毎にそれらのうちの他方しか位置し得
ないことから表示放電電極による遮光が少なくなると共
に、それら第1表示放電電極および第2表示放電電極の
相互間隔により定められる放電距離は第1平面と第2平
面との間隔すなわち上記厚み方向における相互間隔に応
じて変化させ得ることから、発光区画の中心間隔を放電
距離とは独立に設定できる。したがって、発光区画毎の
実質的な開口率が向上させられることから高輝度が得ら
れ、しかも、発光区画の中心間隔が放電距離の制約を受
けないことからそれを小さくして精細度を高めることが
容易になる。上記により、輝度が高く且つ高精細化が容
易な放電表示装置が得られる。
放電させる3電極構造のAC型放電表示装置において、
複数対の表示放電電極は、一対の平行平板の面方向に平
行な第1平面上に配列された複数本の第1表示放電電極
と、その第1平面と平行且つ異なる第2平面上に配列さ
れてそれら複数本の第1表示放電電極との間で表示放電
をさせられる複数本の第2表示放電電極とを、含んで構
成される。すなわち、相互の間で表示放電させられる第
1表示放電電極および第2表示放電電極は、一対の平行
平板の一方から他方に向かう厚み方向において異なる高
さ位置に実質的に対向して配置される。そのため、第1
表示放電電極および第2表示放電電極のうちの少なくと
も一方は一対の平行平板のうちの光の射出側になる一方
の内面近傍から離隔して位置し、換言すればその内面近
傍には各発光区画毎にそれらのうちの他方しか位置し得
ないことから表示放電電極による遮光が少なくなると共
に、それら第1表示放電電極および第2表示放電電極の
相互間隔により定められる放電距離は第1平面と第2平
面との間隔すなわち上記厚み方向における相互間隔に応
じて変化させ得ることから、発光区画の中心間隔を放電
距離とは独立に設定できる。したがって、発光区画毎の
実質的な開口率が向上させられることから高輝度が得ら
れ、しかも、発光区画の中心間隔が放電距離の制約を受
けないことからそれを小さくして精細度を高めることが
容易になる。上記により、輝度が高く且つ高精細化が容
易な放電表示装置が得られる。
【0009】
【発明の他の態様】ここで、好適には、(c) 前記複数本
の第1表示放電電極および前記複数本の第2表示放電電
極は、前記表示放電させられる各対が前記第1平面に垂
直な方向に沿って並んで配置されるものである。このよ
うにすれば、第1表示放電電極および第2表示放電電極
は、表示放電させられる各対すなわち発光区画毎に備え
られる各対が、第1平面に垂直な方向すなわち一対の平
行平板の一方から他方に向かう厚み方向に沿って並ん
で、すなわち対向して配置される。そのため、一対の平
行平板の面方向(表示面)に垂直な方向すなわち放電表
示装置の主たる観視方向においては、第1表示放電電極
および第2表示放電電極の一方が他方の陰に隠れて遮光
に影響するのは実質的に各発光区画毎にそれらのうちの
一方だけとなる。しかも、相互に隣接する発光区画間に
おける表示放電電極の最小間隔は第1表示放電電極およ
び第2表示放電電極のそれぞれの配列間隔に一致するた
め、それらが上記厚み方向において斜め方向に配置され
る場合に比較して、十分に誤放電を防止し得る大きさで
上記最小間隔を確保するために必要な上記配列間隔延い
ては発光区画の中心間隔を一層小さくできる。したがっ
て、実質的な開口率が一層高められれることから一層高
い輝度が得られると共に、発光区画の中心間隔を一層小
さくし得て一層高精細化が容易になる。
の第1表示放電電極および前記複数本の第2表示放電電
極は、前記表示放電させられる各対が前記第1平面に垂
直な方向に沿って並んで配置されるものである。このよ
うにすれば、第1表示放電電極および第2表示放電電極
は、表示放電させられる各対すなわち発光区画毎に備え
られる各対が、第1平面に垂直な方向すなわち一対の平
行平板の一方から他方に向かう厚み方向に沿って並ん
で、すなわち対向して配置される。そのため、一対の平
行平板の面方向(表示面)に垂直な方向すなわち放電表
示装置の主たる観視方向においては、第1表示放電電極
および第2表示放電電極の一方が他方の陰に隠れて遮光
に影響するのは実質的に各発光区画毎にそれらのうちの
一方だけとなる。しかも、相互に隣接する発光区画間に
おける表示放電電極の最小間隔は第1表示放電電極およ
び第2表示放電電極のそれぞれの配列間隔に一致するた
め、それらが上記厚み方向において斜め方向に配置され
る場合に比較して、十分に誤放電を防止し得る大きさで
上記最小間隔を確保するために必要な上記配列間隔延い
ては発光区画の中心間隔を一層小さくできる。したがっ
て、実質的な開口率が一層高められれることから一層高
い輝度が得られると共に、発光区画の中心間隔を一層小
さくし得て一層高精細化が容易になる。
【0010】また、好適には、(d) 前記放電表示装置
は、前記複数の発光区画内において少なくとも前記隔壁
の側面に備えられた蛍光体層を含み、(e) 前記複数本の
第1表示放電電極および前記複数本の第2表示放電電極
の少なくとも一方は、外周面が前記誘電体層によって個
々に覆われた金属線から成るものである。このようにす
れば、各発光区画内において少なくとも隔壁の側面には
蛍光体層が備えられると共に、第1表示放電電極および
第2表示放電電極の少なくとも一方は外周面が誘電体層
で個々に覆われた金属線から構成される。すなわち、表
示放電電極の少なくとも一方は誘電体層で覆われてその
まま交流放電電極として機能し、且つ配設位置が一対の
平行平板の内面上に限定されない金属線で構成される。
そのため、放電表示装置の表示は、放電によって励起さ
せられた蛍光体層の発光で行われるが、その放電を発生
させる表示放電電極のうちの金属線から構成されるもの
はその配設高さを自由に設定できる。したがって、その
配設高さで決定される表示放電電極対間および表示放電
電極と書込電極との間の放電距離とは独立して隔壁高さ
を設定できる。上記により、専ら視野角との関係を考慮
して隔壁の高さを設定できるため、その高さを十分に高
くして側面に備えられた蛍光体層の面積を大きくするこ
とによって、放電表示装置の輝度を一層高めることがで
きる。
は、前記複数の発光区画内において少なくとも前記隔壁
の側面に備えられた蛍光体層を含み、(e) 前記複数本の
第1表示放電電極および前記複数本の第2表示放電電極
の少なくとも一方は、外周面が前記誘電体層によって個
々に覆われた金属線から成るものである。このようにす
れば、各発光区画内において少なくとも隔壁の側面には
蛍光体層が備えられると共に、第1表示放電電極および
第2表示放電電極の少なくとも一方は外周面が誘電体層
で個々に覆われた金属線から構成される。すなわち、表
示放電電極の少なくとも一方は誘電体層で覆われてその
まま交流放電電極として機能し、且つ配設位置が一対の
平行平板の内面上に限定されない金属線で構成される。
そのため、放電表示装置の表示は、放電によって励起さ
せられた蛍光体層の発光で行われるが、その放電を発生
させる表示放電電極のうちの金属線から構成されるもの
はその配設高さを自由に設定できる。したがって、その
配設高さで決定される表示放電電極対間および表示放電
電極と書込電極との間の放電距離とは独立して隔壁高さ
を設定できる。上記により、専ら視野角との関係を考慮
して隔壁の高さを設定できるため、その高さを十分に高
くして側面に備えられた蛍光体層の面積を大きくするこ
とによって、放電表示装置の輝度を一層高めることがで
きる。
【0011】また、好適には、(f) 前記複数本の第1表
示放電電極および前記複数本の第2表示放電電極は、外
周面が前記誘電体層によって個々に覆われた金属線でそ
れぞれ構成されるものである。このようにすれば、複数
本の第1表示放電電極および複数本の第2表示放電電極
は、何れも外周面が誘電体層で個々に覆われた金属線で
構成される。そのため、表示放電電極は金属線から構成
されてその外周面が誘電体層によって個々に覆われるこ
とから、誘電体層に覆われた状態で実質的に対向して配
設される第1表示放電電極および第2表示放電電極には
それぞれ対向面が備えられて、その対向面間で専ら表示
放電が発生する。したがって、放電に寄与する電極表面
間の距離が略一様となって、一平面上に設けられた表示
放電電極間で面放電させる場合のような電界強度の分布
が誘電体層表面に生じないことから、放電集中に起因す
る局所的なスパッタリングが抑制される。
示放電電極および前記複数本の第2表示放電電極は、外
周面が前記誘電体層によって個々に覆われた金属線でそ
れぞれ構成されるものである。このようにすれば、複数
本の第1表示放電電極および複数本の第2表示放電電極
は、何れも外周面が誘電体層で個々に覆われた金属線で
構成される。そのため、表示放電電極は金属線から構成
されてその外周面が誘電体層によって個々に覆われるこ
とから、誘電体層に覆われた状態で実質的に対向して配
設される第1表示放電電極および第2表示放電電極には
それぞれ対向面が備えられて、その対向面間で専ら表示
放電が発生する。したがって、放電に寄与する電極表面
間の距離が略一様となって、一平面上に設けられた表示
放電電極間で面放電させる場合のような電界強度の分布
が誘電体層表面に生じないことから、放電集中に起因す
る局所的なスパッタリングが抑制される。
【0012】因みに、前記図1に示されるような面放電
構造では、一対の放電電極24a、24bにおいて誘電
体層20に覆われて放電に寄与する電極表面間の距離
(実際の放電距離)は一様ではない。そのため、誘電体
層20表面における電界強度は、放電距離が最も小さく
なる一対の表示放電電極24a、24bの内側位置ほど
大きくなることから、その内側端部部分に放電が集中す
る。したがって、図において中央に位置する一対につい
て示されるように、その放電集中部分で保護膜22およ
び誘電体層20が放電ガス・イオンによって局所的にス
パッタされて、表示放電電極24の長手方向に沿って溝
38が形成されると共に、実質的に電極として機能する
保護膜22の一部がスパッタリングによって飛散した誘
電体層20を構成する低軟化点ガラスに覆われることか
ら、放電特性が経時変化させられるという問題があっ
た。なお、このようなスパッタリングは、放電ガス・イ
オンの拡散が抑制されるように封入ガスのガス圧を高
め、或いは封入ガス中のXe濃度を高めることや、誘電体
層20の厚さを適切な電界強度が得られるように設定す
ることで抑制でき、また、保護膜22を厚くすることに
よってスパッタリングによる放電特性の変化を抑制し得
ることが知られている[例えば第8回プラズマディスプ
レイ技術討論会資料(1994年 7月19日発行)の第16頁〜
第19頁等参照]。しかしながら、何れの方法でも誘電体
層20表面での電界強度分布は改善されず、表示放電電
極24端部への放電集中は抑制されないことから、進行
速度は低下させられてもスパッタリングが確実に進むた
め、長期的には放電特性の変化が避けられなかった。
構造では、一対の放電電極24a、24bにおいて誘電
体層20に覆われて放電に寄与する電極表面間の距離
(実際の放電距離)は一様ではない。そのため、誘電体
層20表面における電界強度は、放電距離が最も小さく
なる一対の表示放電電極24a、24bの内側位置ほど
大きくなることから、その内側端部部分に放電が集中す
る。したがって、図において中央に位置する一対につい
て示されるように、その放電集中部分で保護膜22およ
び誘電体層20が放電ガス・イオンによって局所的にス
パッタされて、表示放電電極24の長手方向に沿って溝
38が形成されると共に、実質的に電極として機能する
保護膜22の一部がスパッタリングによって飛散した誘
電体層20を構成する低軟化点ガラスに覆われることか
ら、放電特性が経時変化させられるという問題があっ
た。なお、このようなスパッタリングは、放電ガス・イ
オンの拡散が抑制されるように封入ガスのガス圧を高
め、或いは封入ガス中のXe濃度を高めることや、誘電体
層20の厚さを適切な電界強度が得られるように設定す
ることで抑制でき、また、保護膜22を厚くすることに
よってスパッタリングによる放電特性の変化を抑制し得
ることが知られている[例えば第8回プラズマディスプ
レイ技術討論会資料(1994年 7月19日発行)の第16頁〜
第19頁等参照]。しかしながら、何れの方法でも誘電体
層20表面での電界強度分布は改善されず、表示放電電
極24端部への放電集中は抑制されないことから、進行
速度は低下させられてもスパッタリングが確実に進むた
め、長期的には放電特性の変化が避けられなかった。
【0013】また、好適には、(d) 前記放電表示装置
は、前記複数の発光区画内において少なくとも前記隔壁
の側面に備えられた蛍光体層を含み、(f) 前記複数本の
第1表示放電電極および前記複数本の第2表示放電電極
は、外周面が前記誘電体層によって個々に覆われた金属
線でそれぞれ構成される。このようにすれば、各発光区
画内において少なくとも隔壁の側面には蛍光体層が備え
られると共に、第1表示放電電極および第2表示放電電
極は何れも外周面が誘電体層で個々に覆われた金属線か
ら構成される。すなわち、表示放電電極は誘電体層で覆
われてそのまま交流放電電極として機能し、且つ配設位
置が一対の平行平板の内面上に限定されない金属線で構
成される。そのため、放電表示装置の表示は、放電によ
って励起させられた蛍光体層の発光で行われるが、その
放電を発生させる表示放電電極はその配設高さを自由に
設定できる。したがって、前記のように第1表示放電電
極および第2表示放電電極を何れも誘電体層で被覆され
た金属線で構成する場合のスパッタリング抑制効果が同
様に得られると共に、それらの配設高さで決定される表
示放電電極対の放電距離とは独立して隔壁高さを設定で
きる。上記により、スパッタリングによる寿命低下が抑
制されると共に、専ら視野角との関係を考慮して隔壁の
高さを十分に高く設定して側面に備えられた蛍光体層の
面積を大きくすることにより輝度を向上できるため、一
層高い輝度が長期間に亘って維持される放電表示装置が
得られる。
は、前記複数の発光区画内において少なくとも前記隔壁
の側面に備えられた蛍光体層を含み、(f) 前記複数本の
第1表示放電電極および前記複数本の第2表示放電電極
は、外周面が前記誘電体層によって個々に覆われた金属
線でそれぞれ構成される。このようにすれば、各発光区
画内において少なくとも隔壁の側面には蛍光体層が備え
られると共に、第1表示放電電極および第2表示放電電
極は何れも外周面が誘電体層で個々に覆われた金属線か
ら構成される。すなわち、表示放電電極は誘電体層で覆
われてそのまま交流放電電極として機能し、且つ配設位
置が一対の平行平板の内面上に限定されない金属線で構
成される。そのため、放電表示装置の表示は、放電によ
って励起させられた蛍光体層の発光で行われるが、その
放電を発生させる表示放電電極はその配設高さを自由に
設定できる。したがって、前記のように第1表示放電電
極および第2表示放電電極を何れも誘電体層で被覆され
た金属線で構成する場合のスパッタリング抑制効果が同
様に得られると共に、それらの配設高さで決定される表
示放電電極対の放電距離とは独立して隔壁高さを設定で
きる。上記により、スパッタリングによる寿命低下が抑
制されると共に、専ら視野角との関係を考慮して隔壁の
高さを十分に高く設定して側面に備えられた蛍光体層の
面積を大きくすることにより輝度を向上できるため、一
層高い輝度が長期間に亘って維持される放電表示装置が
得られる。
【0014】また、好適には、前記の複数本の第1表示
放電電極および複数本の第2表示放電電極の一方或いは
両方が誘電体層で被覆された金属線で構成される場合に
おいて、(g) 前記の放電表示装置は、前記一対の平行平
板のうちの一方の内面上に備えられた蛍光体層を含み、
(h) 前記複数対の表示放電電極は、その蛍光体層の表面
からそれら一対の平行平板の他方側に離隔した位置に設
けられるものである。このようにすれば、一対の平行平
板のうちの一方の内面上に蛍光体層が備えられると共
に、複数対の表示放電電極はその蛍光体層の表面から他
方の平板側に離隔した位置に設けられる。そのため、放
電表示装置は一対の平行平板の一方の内面上に備えられ
る蛍光体層(更に隔壁の側面に蛍光体層が備えられる場
合にはその蛍光体層を含む)の励起発光によって表示を
行うが、表示放電電極がその内面上の蛍光体層の表面か
ら離隔するように設けられることから、その蛍光体層の
近傍で表示放電させられないため、その表示放電に伴っ
て発生する放電ガス・イオンによる蛍光体の劣化が抑制
されて、一層長期間に亘って高輝度が維持される。
放電電極および複数本の第2表示放電電極の一方或いは
両方が誘電体層で被覆された金属線で構成される場合に
おいて、(g) 前記の放電表示装置は、前記一対の平行平
板のうちの一方の内面上に備えられた蛍光体層を含み、
(h) 前記複数対の表示放電電極は、その蛍光体層の表面
からそれら一対の平行平板の他方側に離隔した位置に設
けられるものである。このようにすれば、一対の平行平
板のうちの一方の内面上に蛍光体層が備えられると共
に、複数対の表示放電電極はその蛍光体層の表面から他
方の平板側に離隔した位置に設けられる。そのため、放
電表示装置は一対の平行平板の一方の内面上に備えられ
る蛍光体層(更に隔壁の側面に蛍光体層が備えられる場
合にはその蛍光体層を含む)の励起発光によって表示を
行うが、表示放電電極がその内面上の蛍光体層の表面か
ら離隔するように設けられることから、その蛍光体層の
近傍で表示放電させられないため、その表示放電に伴っ
て発生する放電ガス・イオンによる蛍光体の劣化が抑制
されて、一層長期間に亘って高輝度が維持される。
【0015】また、好適には、(i) 前記複数対の表示放
電電極のうち前記誘電体層によって個々に覆われた金属
線から構成されるものは、前記外周面のうち放電に寄与
する部分が周方向に滑らかに連続させられた凸面で構成
される。このようにすれば、表示放電電極の長手方向に
垂直な断面において放電に寄与する部分の表面に不連続
面を形成する角部が存在しないため、その角部における
放電集中が抑制されて、局所的なスパッタリングが一層
抑制される。しかも、光の射出側から見て表示放電電極
の陰に位置する部分で発生する光が表示放電電極を回り
込んで射出されることから、表示放電電極による遮光が
抑制されるため、一層高い輝度が得られる。また、遮光
性が低いことから、表示放電電極を従来の面放電電極に
見られるように透明電極およびその導電性を補うための
金属電極から構成する必要がないため、放電表示装置の
製造工程が簡単になり、製造コストが低減される。な
お、一層好適には、上記の表示放電電極は、前記断面形
状が円形とされる。このようにすれば、断面形状が円形
であることから、放電集中や電極による遮光が一層抑制
され、更に、断面形状に方向性がないことから製造工程
も一層簡単になる。
電電極のうち前記誘電体層によって個々に覆われた金属
線から構成されるものは、前記外周面のうち放電に寄与
する部分が周方向に滑らかに連続させられた凸面で構成
される。このようにすれば、表示放電電極の長手方向に
垂直な断面において放電に寄与する部分の表面に不連続
面を形成する角部が存在しないため、その角部における
放電集中が抑制されて、局所的なスパッタリングが一層
抑制される。しかも、光の射出側から見て表示放電電極
の陰に位置する部分で発生する光が表示放電電極を回り
込んで射出されることから、表示放電電極による遮光が
抑制されるため、一層高い輝度が得られる。また、遮光
性が低いことから、表示放電電極を従来の面放電電極に
見られるように透明電極およびその導電性を補うための
金属電極から構成する必要がないため、放電表示装置の
製造工程が簡単になり、製造コストが低減される。な
お、一層好適には、上記の表示放電電極は、前記断面形
状が円形とされる。このようにすれば、断面形状が円形
であることから、放電集中や電極による遮光が一層抑制
され、更に、断面形状に方向性がないことから製造工程
も一層簡単になる。
【0016】因みに、従来の3電極構造のAC型PDP
では、前記図1に示されるように、前面板10の内面に
一方向に沿って配列された表示放電電極24およびそれ
を覆う誘電体層20を設ける形式の面放電構造であった
ことから、十分な大きさの放電領域を確保する目的で表
示放電電極24の幅寸法が大きくされるため、透明電極
28を用いることによってそれによる遮光が抑制されて
いた。しかしながら、たとえ高透過率といえども、前面
板10上に膜形成することは厚みの増大や界面の存在等
によって前述のように必然的に輝度低下をもたらす。ま
た、透明電極28は高価な薄膜プロセスによって形成さ
れ、更に導電性を補うために金属電極をバス電極30と
して重ねて形成する必要がある。そのため、前面板10
の製造工程が複雑となって、製造コストが増大してい
た。しかも、上記のバス電極30は、前述のようにCr-C
u-Cr、Al等の薄膜や、厚膜Ag等から構成されるが、薄膜
の場合には透明電極28との密着強度や抵抗値、誘電体
層20との適合性等を確保するために工程管理が困難と
なり、厚膜の場合には、多孔質となることからその上に
形成される誘電体層20の耐電圧が低下すると共に、焼
付け後に黄色を呈するため表示面のコントラストを低下
させ、或いは前面板10上に付着している錫と反応して
褐色を呈することにより外観不良を引き起こすという問
題がある。なお、PDP等に用いられるガラス基板は、
通常、低コストを実現するためにフロート法等で製造さ
れることからフロート面(ボトム面)には錫が拡散して
いる。
では、前記図1に示されるように、前面板10の内面に
一方向に沿って配列された表示放電電極24およびそれ
を覆う誘電体層20を設ける形式の面放電構造であった
ことから、十分な大きさの放電領域を確保する目的で表
示放電電極24の幅寸法が大きくされるため、透明電極
28を用いることによってそれによる遮光が抑制されて
いた。しかしながら、たとえ高透過率といえども、前面
板10上に膜形成することは厚みの増大や界面の存在等
によって前述のように必然的に輝度低下をもたらす。ま
た、透明電極28は高価な薄膜プロセスによって形成さ
れ、更に導電性を補うために金属電極をバス電極30と
して重ねて形成する必要がある。そのため、前面板10
の製造工程が複雑となって、製造コストが増大してい
た。しかも、上記のバス電極30は、前述のようにCr-C
u-Cr、Al等の薄膜や、厚膜Ag等から構成されるが、薄膜
の場合には透明電極28との密着強度や抵抗値、誘電体
層20との適合性等を確保するために工程管理が困難と
なり、厚膜の場合には、多孔質となることからその上に
形成される誘電体層20の耐電圧が低下すると共に、焼
付け後に黄色を呈するため表示面のコントラストを低下
させ、或いは前面板10上に付着している錫と反応して
褐色を呈することにより外観不良を引き起こすという問
題がある。なお、PDP等に用いられるガラス基板は、
通常、低コストを実現するためにフロート法等で製造さ
れることからフロート面(ボトム面)には錫が拡散して
いる。
【0017】また、好適には、前記表示放電電極は、前
記一対の平行平板のそれぞれの内面から所定距離以上離
隔した位置に設けられているものである。このようにす
れば、表示放電電極が平行平板の内面から離隔した位置
に設けられることから、平行平板が誘電体として機能す
ることに起因する効率低下や発熱が抑制される。因み
に、平行平板上に表示放電電極が形成されていた面放電
構造のAC型PDPでは、電荷が平行平板内にも形成さ
れることから、発光に寄与しない平行平板の静電容量に
基づく発熱や効率低下が生じていた。
記一対の平行平板のそれぞれの内面から所定距離以上離
隔した位置に設けられているものである。このようにす
れば、表示放電電極が平行平板の内面から離隔した位置
に設けられることから、平行平板が誘電体として機能す
ることに起因する効率低下や発熱が抑制される。因み
に、平行平板上に表示放電電極が形成されていた面放電
構造のAC型PDPでは、電荷が平行平板内にも形成さ
れることから、発光に寄与しない平行平板の静電容量に
基づく発熱や効率低下が生じていた。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を
参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において各
部の寸法比等は必ずしも正確に描かれていない。
参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において各
部の寸法比等は必ずしも正確に描かれていない。
【0019】図2(a) は、本発明の一実施例である3電
極構造のAC型カラーPDP(以下、単にPDPとい
う)40の構成を一部を切り欠いて示す図であり、図2
(b) は、(a) における後述の書込電極52の長手方向に
沿った断面を示す図である。図において、PDP40
は、例えばソーダ・ライム・ガラス製の平板から成り、
透光性を有する前面板42と、同様にソーダ・ライム・
ガラス製の平板から成る背面板44と、それら前面板4
2および背面板44との間に形成された気密空間内にお
いて一方向に沿って配列された複数の放電空間46を形
成する長手状の隔壁48とを備えて構成され、放電空間
46内には、例えばHe+2%Xe等の放電ガスが400(Torr)
程度のガス圧で封入されている。本実施例においては、
上記前面板42および背面板44が一対の平行平板の一
方および他方の何れかに相当する。
極構造のAC型カラーPDP(以下、単にPDPとい
う)40の構成を一部を切り欠いて示す図であり、図2
(b) は、(a) における後述の書込電極52の長手方向に
沿った断面を示す図である。図において、PDP40
は、例えばソーダ・ライム・ガラス製の平板から成り、
透光性を有する前面板42と、同様にソーダ・ライム・
ガラス製の平板から成る背面板44と、それら前面板4
2および背面板44との間に形成された気密空間内にお
いて一方向に沿って配列された複数の放電空間46を形
成する長手状の隔壁48とを備えて構成され、放電空間
46内には、例えばHe+2%Xe等の放電ガスが400(Torr)
程度のガス圧で封入されている。本実施例においては、
上記前面板42および背面板44が一対の平行平板の一
方および他方の何れかに相当する。
【0020】上記の隔壁48は、例えばアルミナ等の充
填材を含む低軟化点ガラスから成るものであって、例え
ば幅wr = 90(μm)程度、高さ350(μm)程度の寸法を備
え、pr =250(μm)程度の中心間隔を以て互いに平行且
つ等間隔に配設されている。したがって、前面板42と
背面板44との間に形成される複数の放電空間46の大
きさは、隔壁48の長手方向に垂直な断面寸法で、何れ
も幅160(μm)程度、高さ350(μm)程度である。
填材を含む低軟化点ガラスから成るものであって、例え
ば幅wr = 90(μm)程度、高さ350(μm)程度の寸法を備
え、pr =250(μm)程度の中心間隔を以て互いに平行且
つ等間隔に配設されている。したがって、前面板42と
背面板44との間に形成される複数の放電空間46の大
きさは、隔壁48の長手方向に垂直な断面寸法で、何れ
も幅160(μm)程度、高さ350(μm)程度である。
【0021】また、上記の背面板44上には、その全面
を覆うアンダ・コート50が設けられ、その上に後述の
表示放電電極58aとの間で書込放電させられる複数本
の書込電極52が、前記複数の隔壁18に沿ってそれら
の間の位置にオーバ・コート54に覆われて設けられて
いる。この書込電極52は、例えば各々の幅寸法が100
(μm)程度で厚膜銀等の導電性の高い金属から成るもの
であり、隔壁48と同様な250(μm)程度の中心間隔pae
を以てその間を通る位置に備えられる。なお、上記隔壁
48は、オーバ・コート54上に形成されている。
を覆うアンダ・コート50が設けられ、その上に後述の
表示放電電極58aとの間で書込放電させられる複数本
の書込電極52が、前記複数の隔壁18に沿ってそれら
の間の位置にオーバ・コート54に覆われて設けられて
いる。この書込電極52は、例えば各々の幅寸法が100
(μm)程度で厚膜銀等の導電性の高い金属から成るもの
であり、隔壁48と同様な250(μm)程度の中心間隔pae
を以てその間を通る位置に備えられる。なお、上記隔壁
48は、オーバ・コート54上に形成されている。
【0022】また、上記のアンダ・コート50は例えば
低アルカリ・ガラス或いは無アルカリ・ガラス等から成
るものであり、一方、オーバ・コート54は例えば隔壁
48と同様な低軟化点ガラスおよび無機フィラーから成
る。それぞれの厚さは例えば何れも 5〜 50(μm)程度で
ある。これらは、書込電極52が厚膜銀から成ることか
ら加熱処理によって拡散し易く且つ不純ガスを吸着し易
いため、その書込電極52と背面板44との反応および
後述の蛍光体層56の汚染を防止する目的で設けられて
いる。したがって、書込電極52がニッケル(Ni)厚膜
や、アルミニウム(Al)、クロム−銅(Cr−Cu−Cr)、
金(Au)等の薄膜から構成される場合にはアンダ・コー
ト50やオーバ・コート54は設けられなくともよい。
また、オーバ・コート54に含まれる無機フィラーは、
例えば酸化チタン等から成る白色フィラーであり、オー
バ・コート54を白色化することで蛍光体の発光を表示
側へ反射させて輝度を高める目的で添加されている。し
たがって、書込電極52が反応性の低い材料から構成さ
れている場合にも、高輝度を得る目的でオーバ・コート
54を設けることが好ましい。本実施例においては、上
記の書込電極52の長手方向が第1の方向に対応する。
低アルカリ・ガラス或いは無アルカリ・ガラス等から成
るものであり、一方、オーバ・コート54は例えば隔壁
48と同様な低軟化点ガラスおよび無機フィラーから成
る。それぞれの厚さは例えば何れも 5〜 50(μm)程度で
ある。これらは、書込電極52が厚膜銀から成ることか
ら加熱処理によって拡散し易く且つ不純ガスを吸着し易
いため、その書込電極52と背面板44との反応および
後述の蛍光体層56の汚染を防止する目的で設けられて
いる。したがって、書込電極52がニッケル(Ni)厚膜
や、アルミニウム(Al)、クロム−銅(Cr−Cu−Cr)、
金(Au)等の薄膜から構成される場合にはアンダ・コー
ト50やオーバ・コート54は設けられなくともよい。
また、オーバ・コート54に含まれる無機フィラーは、
例えば酸化チタン等から成る白色フィラーであり、オー
バ・コート54を白色化することで蛍光体の発光を表示
側へ反射させて輝度を高める目的で添加されている。し
たがって、書込電極52が反応性の低い材料から構成さ
れている場合にも、高輝度を得る目的でオーバ・コート
54を設けることが好ましい。本実施例においては、上
記の書込電極52の長手方向が第1の方向に対応する。
【0023】また、オーバ・コート54の表面および隔
壁48の側面には、例えば紫外線励起により発光させら
れるR(赤),G(緑),B(青)等の発光色に対応す
る蛍光体粉末が固着されて成る蛍光体層56が、隣接す
る放電空間46相互に異なる発光色となるように設けら
れている。この蛍光体層56の厚さは色毎に制御されて
いるが、何れも例えば10〜 50(μm)程度の範囲内であ
る。なお、隔壁48の側面においては、蛍光体層56
は、図に二点鎖線で示される高さ方向の中間位置よりも
下側の範囲だけに設けられている。すなわち、隔壁48
のうち表示放電電極58bよりも下側の背面板44側に
位置する部分を構成する下部隔壁体48aの側面には蛍
光体層56が設けられているが、それよりも上側の前面
板42側に位置する部分を構成する上部隔壁体48bの
側面には設けられていない。本実施例においては、上記
のオーバ・コート54上に設けられた蛍光体層56が一
対の平行平板の一方の内面上に設けられた蛍光体層に相
当する。
壁48の側面には、例えば紫外線励起により発光させら
れるR(赤),G(緑),B(青)等の発光色に対応す
る蛍光体粉末が固着されて成る蛍光体層56が、隣接す
る放電空間46相互に異なる発光色となるように設けら
れている。この蛍光体層56の厚さは色毎に制御されて
いるが、何れも例えば10〜 50(μm)程度の範囲内であ
る。なお、隔壁48の側面においては、蛍光体層56
は、図に二点鎖線で示される高さ方向の中間位置よりも
下側の範囲だけに設けられている。すなわち、隔壁48
のうち表示放電電極58bよりも下側の背面板44側に
位置する部分を構成する下部隔壁体48aの側面には蛍
光体層56が設けられているが、それよりも上側の前面
板42側に位置する部分を構成する上部隔壁体48bの
側面には設けられていない。本実施例においては、上記
のオーバ・コート54上に設けられた蛍光体層56が一
対の平行平板の一方の内面上に設けられた蛍光体層に相
当する。
【0024】また、前記の前面板42と背面板44との
間には、それら前面板42および背面板44に平行で異
なる2平面(第1平面P1 および第2平面P2 )の各々
の上において、前記隔壁48および書込電極52の長手
方向である第1の方向とは直交する第2の方向に沿って
それぞれ互いに平行に配列された線状の複数対の表示放
電電極(維持放電電極或いは維持電極)58a、58b
が設けられている。これら表示放電電極58a、58b
は、互いに独立に駆動されてそれらの間で維持放電(す
なわち表示放電が発生および維持)させられるものであ
り、それぞれpde=750(μm)程度の一様な中心間隔を以
て、維持放電させられる各対が隔壁48の高さ方向(す
なわち第1平面P1 に垂直な方向に沿った方向或いはP
DP40の厚さ方向)において上下に並ぶように設けら
れている。各対の表示放電電極58a、58bのうち、
下側すなわち背面板44側に位置する表示放電電極58
aは、その下端(すなわち上記第1平面P1 )がオーバ
・コート54の上面から例えば100(μm)程度の距離h1
だけ[すなわち蛍光体層56の表面からその厚さに応じ
て決定される50〜 90(μm)程度の距離だけ]上方に離隔
した放電空間46の高さ方向の中間位置、すなわち書込
電極52上面から例えば 105〜150(μm)程度の距離ga
だけ離隔する位置に備えられる。一方、上側すなわち前
面板42側に位置する表示放電電極58bは、その下端
(すなわち、上記第2平面P2 )が表示放電電極58a
の下端である第1平面P1 から例えば170(μm)程度の距
離h2だけ上方に離隔し、且つ、その上端が前面板42
の内面から例えば 10(μm)程度の僅かな距離だけ離隔す
る位置[すなわちオーバ・コート54の上面から270(μ
m)程度上方の位置]に備えられる。したがって、表示放
電電極58a、58bは、何れも隔壁48をその厚み方
向に貫通して設けられている。本実施例においては、表
示放電電極58aが第1表示放電電極および第2表示放
電電極の一方に、表示放電電極58bがそれらの他方に
それぞれ相当する。
間には、それら前面板42および背面板44に平行で異
なる2平面(第1平面P1 および第2平面P2 )の各々
の上において、前記隔壁48および書込電極52の長手
方向である第1の方向とは直交する第2の方向に沿って
それぞれ互いに平行に配列された線状の複数対の表示放
電電極(維持放電電極或いは維持電極)58a、58b
が設けられている。これら表示放電電極58a、58b
は、互いに独立に駆動されてそれらの間で維持放電(す
なわち表示放電が発生および維持)させられるものであ
り、それぞれpde=750(μm)程度の一様な中心間隔を以
て、維持放電させられる各対が隔壁48の高さ方向(す
なわち第1平面P1 に垂直な方向に沿った方向或いはP
DP40の厚さ方向)において上下に並ぶように設けら
れている。各対の表示放電電極58a、58bのうち、
下側すなわち背面板44側に位置する表示放電電極58
aは、その下端(すなわち上記第1平面P1 )がオーバ
・コート54の上面から例えば100(μm)程度の距離h1
だけ[すなわち蛍光体層56の表面からその厚さに応じ
て決定される50〜 90(μm)程度の距離だけ]上方に離隔
した放電空間46の高さ方向の中間位置、すなわち書込
電極52上面から例えば 105〜150(μm)程度の距離ga
だけ離隔する位置に備えられる。一方、上側すなわち前
面板42側に位置する表示放電電極58bは、その下端
(すなわち、上記第2平面P2 )が表示放電電極58a
の下端である第1平面P1 から例えば170(μm)程度の距
離h2だけ上方に離隔し、且つ、その上端が前面板42
の内面から例えば 10(μm)程度の僅かな距離だけ離隔す
る位置[すなわちオーバ・コート54の上面から270(μ
m)程度上方の位置]に備えられる。したがって、表示放
電電極58a、58bは、何れも隔壁48をその厚み方
向に貫通して設けられている。本実施例においては、表
示放電電極58aが第1表示放電電極および第2表示放
電電極の一方に、表示放電電極58bがそれらの他方に
それぞれ相当する。
【0025】上記の表示放電電極58a、58bは、何
れも例えばタングステン(W )等の金属材料から成り、
直径De = 30(μm)程度の断面が円形で線状を成す金属
線であって、粉末をガラスで固着させたスクリーン印刷
法等によって形成される厚膜電極よりもはるかに低い抵
抗値を有している。図3に拡大して示すように、表示放
電電極58a、58bすなわち金属線58の表面は、例
えば厚みt1 = 20(μm)程度の誘電体被覆60および厚
みt2 =0.1(μm)程度の保護膜62によって覆われてお
り、この表示放電電極58a、58bを個々に覆う誘電
体被覆60がそれらの間で交流放電させるための誘電体
層として機能する。すなわち、本実施例においては、複
数対の表示放電電極58a、58bは、全体の直径Dが
70(μm)程度とされた被覆金属線63の形態で放電空間
46内に備えられている。この誘電体被覆60は、例え
ばB2O3−ZnO −PbO 等から成るガラス膜であり、上記の
保護膜62は、スパッタリングに強く且つ二次電子放出
係数の高い例えばMgO 等の誘電体膜である。なお、誘電
体被覆60は、図1に示されるような従来の面放電構造
において例えば30〜 40(μm)程度の厚さで形成されてい
た誘電体層20よりも薄くされている。しかしながら、
本実施例の表示放電電極58a、58bは金属線58が
単にガラス被覆された構造であることから、基板上に順
次膜形成することに起因する電極層との界面での気泡の
生成や厚膜導体層に見られるような金属粒子の拡散が抑
制されているため、十分な耐電圧を有している。
れも例えばタングステン(W )等の金属材料から成り、
直径De = 30(μm)程度の断面が円形で線状を成す金属
線であって、粉末をガラスで固着させたスクリーン印刷
法等によって形成される厚膜電極よりもはるかに低い抵
抗値を有している。図3に拡大して示すように、表示放
電電極58a、58bすなわち金属線58の表面は、例
えば厚みt1 = 20(μm)程度の誘電体被覆60および厚
みt2 =0.1(μm)程度の保護膜62によって覆われてお
り、この表示放電電極58a、58bを個々に覆う誘電
体被覆60がそれらの間で交流放電させるための誘電体
層として機能する。すなわち、本実施例においては、複
数対の表示放電電極58a、58bは、全体の直径Dが
70(μm)程度とされた被覆金属線63の形態で放電空間
46内に備えられている。この誘電体被覆60は、例え
ばB2O3−ZnO −PbO 等から成るガラス膜であり、上記の
保護膜62は、スパッタリングに強く且つ二次電子放出
係数の高い例えばMgO 等の誘電体膜である。なお、誘電
体被覆60は、図1に示されるような従来の面放電構造
において例えば30〜 40(μm)程度の厚さで形成されてい
た誘電体層20よりも薄くされている。しかしながら、
本実施例の表示放電電極58a、58bは金属線58が
単にガラス被覆された構造であることから、基板上に順
次膜形成することに起因する電極層との界面での気泡の
生成や厚膜導体層に見られるような金属粒子の拡散が抑
制されているため、十分な耐電圧を有している。
【0026】この保護膜62は、誘電体被覆60がスパ
ッタリングによって劣化させられることを防止すると共
に、実質的に放電電極として機能させる目的で設けられ
ている。なお、保護膜62は上記のように薄いことか
ら、図2等においては誘電体被覆60との境界が省略し
て示されている。また、上記の各寸法の関係から明らか
なように、表示放電電極58a、58b相互の間隔すな
わち放電距離(図2(b)に示されるgd )は、100(μm)
程度であり、第1平面P1 或いは第2平面P2 に沿った
それぞれの中心間隔pde=750(μm)およびその方向にお
ける680(μm)程度の相互間隔よりも十分に小さくされて
いる。
ッタリングによって劣化させられることを防止すると共
に、実質的に放電電極として機能させる目的で設けられ
ている。なお、保護膜62は上記のように薄いことか
ら、図2等においては誘電体被覆60との境界が省略し
て示されている。また、上記の各寸法の関係から明らか
なように、表示放電電極58a、58b相互の間隔すな
わち放電距離(図2(b)に示されるgd )は、100(μm)
程度であり、第1平面P1 或いは第2平面P2 に沿った
それぞれの中心間隔pde=750(μm)およびその方向にお
ける680(μm)程度の相互間隔よりも十分に小さくされて
いる。
【0027】図2に戻って、前面板42と背面板44と
の間に形成される気密空間(放電空間46)内には、一
点鎖線で境界を示されるように、一対の表示放電電極5
8a、58bと書込電極52との交点毎に形成されてマ
トリクス状(縦横)に配列され、発光の最小単位を成す
複数の発光区画(セル)64が備えられている。これら
複数の発光区画64相互の境界は、後述する駆動時にお
いて表示放電電極58a、58b間の維持放電(延いて
はそれにより発生する紫外線)の及ぶ範囲である。な
お、図2から明らかなように、放電空間46は書込電極
52に沿った方向においてのみ隔壁48によって相互に
区分されている。そのため、各発光区画64は、相互に
異なる発光色が並ぶ表示放電電極58a、58bに沿っ
た方向においては隔壁48によって物理的に区分されて
いるが、書込電極52に沿った方向においては、第1平
面P1 或いは第2平面P2 に沿ってそれぞれ並ぶ表示放
電電極58a或いは58b相互間の中央位置近傍に形成
される維持放電の効果が及ぶ範囲の境界によって実質的
に(電気的に)区分されている。
の間に形成される気密空間(放電空間46)内には、一
点鎖線で境界を示されるように、一対の表示放電電極5
8a、58bと書込電極52との交点毎に形成されてマ
トリクス状(縦横)に配列され、発光の最小単位を成す
複数の発光区画(セル)64が備えられている。これら
複数の発光区画64相互の境界は、後述する駆動時にお
いて表示放電電極58a、58b間の維持放電(延いて
はそれにより発生する紫外線)の及ぶ範囲である。な
お、図2から明らかなように、放電空間46は書込電極
52に沿った方向においてのみ隔壁48によって相互に
区分されている。そのため、各発光区画64は、相互に
異なる発光色が並ぶ表示放電電極58a、58bに沿っ
た方向においては隔壁48によって物理的に区分されて
いるが、書込電極52に沿った方向においては、第1平
面P1 或いは第2平面P2 に沿ってそれぞれ並ぶ表示放
電電極58a或いは58b相互間の中央位置近傍に形成
される維持放電の効果が及ぶ範囲の境界によって実質的
に(電気的に)区分されている。
【0028】図4は、隔壁48および電極52、58の
位置関係を表す平面図である。図において、左下がりの
斜線を施した範囲で一区画が構成される複数の発光区画
64相互の境界は、図に一点鎖線で示すように表示放電
電極58a、58bの長手方向(第2の方向)において
は隔壁48の厚さ方向の中央位置であり、書込電極52
および隔壁48の長手方向(第1の方向)においてはそ
の長手方向に並ぶ複数対の表示放電電極58a或いは5
8b相互間の中央位置である。すなわち、発光区画64
は、第1の方向の長さが表示放電電極58a、58bの
中心間隔pdeに等しいLcc=750(μm)程度、第2の方向
の長さが隔壁48の中心間隔pr に等しいLcr=250(μ
m)程度になっている。したがって、発光区画64の中心
間隔は上記交点の間隔に等しく、第1の方向においては
表示放電電極58a、58bの中心間隔pdeに等しいp
cc=750(μm)程度、第2の方向においてはその1/3 の大
きさであって書込電極52の中心間隔paeおよび隔壁4
8の中心間隔pr に等しいpcr=250(μm)程度になって
いる。隔壁48および表示放電電極58a、58bそれ
ぞれの中心間隔pr 、pdeは、このように発光区画64
の平面寸法がアスペクト比3程度で隔壁48の長手方向
に沿った方向に長い長方形となるように定められている
のである。
位置関係を表す平面図である。図において、左下がりの
斜線を施した範囲で一区画が構成される複数の発光区画
64相互の境界は、図に一点鎖線で示すように表示放電
電極58a、58bの長手方向(第2の方向)において
は隔壁48の厚さ方向の中央位置であり、書込電極52
および隔壁48の長手方向(第1の方向)においてはそ
の長手方向に並ぶ複数対の表示放電電極58a或いは5
8b相互間の中央位置である。すなわち、発光区画64
は、第1の方向の長さが表示放電電極58a、58bの
中心間隔pdeに等しいLcc=750(μm)程度、第2の方向
の長さが隔壁48の中心間隔pr に等しいLcr=250(μ
m)程度になっている。したがって、発光区画64の中心
間隔は上記交点の間隔に等しく、第1の方向においては
表示放電電極58a、58bの中心間隔pdeに等しいp
cc=750(μm)程度、第2の方向においてはその1/3 の大
きさであって書込電極52の中心間隔paeおよび隔壁4
8の中心間隔pr に等しいpcr=250(μm)程度になって
いる。隔壁48および表示放電電極58a、58bそれ
ぞれの中心間隔pr 、pdeは、このように発光区画64
の平面寸法がアスペクト比3程度で隔壁48の長手方向
に沿った方向に長い長方形となるように定められている
のである。
【0029】そして、フル・カラー表示を行うPDP4
0においてRGB3色で構成される画素66の一単位
は、図4に右下がりの斜線で図示するように、書込電極
52に沿った方向に一列および表示放電電極58a、5
8bに沿った方向に3列、すなわちストライプ配列され
た3つの発光区画64から構成されている。すなわち、
画素66は、その平面寸法が書込電極52に沿った第1
方向においては発光区画64と同寸法である一方、表示
放電電極58a、58bに沿った第2方向においては発
光区画64の3倍の寸法であって、それら第1方向およ
び第2方向の何れにおいても長さLpc=Lpr=750(μm)
程度の長さを備え、ppc=ppr=750(μm)程度の中心間
隔を以て格子状に配列されている。なお、図において上
端位置に示される「R,G,B」は、放電空間46毎に
設けられる蛍光体層56の発光色を表したものである。
0においてRGB3色で構成される画素66の一単位
は、図4に右下がりの斜線で図示するように、書込電極
52に沿った方向に一列および表示放電電極58a、5
8bに沿った方向に3列、すなわちストライプ配列され
た3つの発光区画64から構成されている。すなわち、
画素66は、その平面寸法が書込電極52に沿った第1
方向においては発光区画64と同寸法である一方、表示
放電電極58a、58bに沿った第2方向においては発
光区画64の3倍の寸法であって、それら第1方向およ
び第2方向の何れにおいても長さLpc=Lpr=750(μm)
程度の長さを備え、ppc=ppr=750(μm)程度の中心間
隔を以て格子状に配列されている。なお、図において上
端位置に示される「R,G,B」は、放電空間46毎に
設けられる蛍光体層56の発光色を表したものである。
【0030】以上のように構成されるPDP40は、例
えば、以下のように駆動される。すなわち、先ず、下側
に位置してスキャン電極(走査電極)として機能する表
示放電電極58aを順次走査して所定の負電圧を印加す
ると同時に、その走査に同期してそれと直交する所定の
書込電極52に所定の正電圧を印加することにより、正
電圧が印加された書込電極52と表示放電電極58aと
の間で順次放電(アドレス放電すなわち書込放電)させ
て、表示放電電極58aを覆う誘電体被覆60上(厳密
にはそれを更に覆う保護膜62上)に電荷を蓄積して発
光区画64を選択する。その後、全ての表示放電電極5
8a、58bに所定の放電維持パルスをそれぞれ印加し
て維持放電を発生させ且つ所定時間維持して、選択され
た発光区画64内の蛍光体層56を励起して発光させ、
その光を前面板42を通して射出することにより、一画
像が表示される。すなわち、表示放電電極58bは維持
電極として機能する。そして、上記の発光区画64の選
択および維持放電(発光)が一定周期で繰り返されるこ
とにより所望の画像が連続的に表示される。このとき、
図2(b) に一対について示すように、上記の維持放電は
表示放電電極58a、58bの外周面のうちの実質的に
対向させられる部分の間で、上下方向すなわち前面板4
2等の面方向に垂直なPDP40の厚み方向に発生す
る。したがって、表示放電電極58a、58bは、PD
P40の厚み方向において実質的に対向配置されてい
る。なお、詳細な駆動方法については本実施例の理解に
必要ではないので説明を省略する。
えば、以下のように駆動される。すなわち、先ず、下側
に位置してスキャン電極(走査電極)として機能する表
示放電電極58aを順次走査して所定の負電圧を印加す
ると同時に、その走査に同期してそれと直交する所定の
書込電極52に所定の正電圧を印加することにより、正
電圧が印加された書込電極52と表示放電電極58aと
の間で順次放電(アドレス放電すなわち書込放電)させ
て、表示放電電極58aを覆う誘電体被覆60上(厳密
にはそれを更に覆う保護膜62上)に電荷を蓄積して発
光区画64を選択する。その後、全ての表示放電電極5
8a、58bに所定の放電維持パルスをそれぞれ印加し
て維持放電を発生させ且つ所定時間維持して、選択され
た発光区画64内の蛍光体層56を励起して発光させ、
その光を前面板42を通して射出することにより、一画
像が表示される。すなわち、表示放電電極58bは維持
電極として機能する。そして、上記の発光区画64の選
択および維持放電(発光)が一定周期で繰り返されるこ
とにより所望の画像が連続的に表示される。このとき、
図2(b) に一対について示すように、上記の維持放電は
表示放電電極58a、58bの外周面のうちの実質的に
対向させられる部分の間で、上下方向すなわち前面板4
2等の面方向に垂直なPDP40の厚み方向に発生す
る。したがって、表示放電電極58a、58bは、PD
P40の厚み方向において実質的に対向配置されてい
る。なお、詳細な駆動方法については本実施例の理解に
必要ではないので説明を省略する。
【0031】上記の駆動過程において、表示放電電極5
8a、58bは誘電体被覆60および保護膜62で被覆
された全直径がD= 70(μm)程度と細く、且つそれらが
前面板42の面方向に垂直な方向において上下に並んで
いるため、各発光区画64内でそれらの陰になる部分の
幅寸法はその直径に等しい 70(μm)程度に過ぎない。そ
のため、それら表示放電電極58a、58bによる遮光
幅が書込電極52に沿った方向における発光区画64の
長さLcc=750(μm)に対して十分に小さいことから、開
口率(発光区画64の面積Sc に対する実際に発光に寄
与する面積の割合)が高いため、図1に示されるような
従来の面放電構造のPDP8に比較して高い輝度が得ら
れる。例えば、暗室内において30(kHz) 程度のサステイ
ン周波数(表示放電時に表示放電電極58a、58bに
印加される駆動パルス周波数すなわち表示発光周波数)
で駆動して試験したところ、本実施例のPDP40で
は、340 〜350(cd/m2)程度の高い面輝度が得られるのに
対し、同様な寸法の発光区画36を備えたPDP8で
は、同様な駆動および測定条件(すなわち、表示放電電
極58a、58bに印加されるサステイン電圧や測定時
の周囲輝度等の全ての試験条件が同様)において面輝度
が290 〜300(cd/m2)程度に過ぎず、PDP40の輝度が
従来よりも 16(%) 程度高くなることが確かめられた。
なお、面輝度は、輝度計の測定視野を表示ドットのRG
B(すなわちRGBのそれぞれに対応する発光区画64
或いは36)が同数程度存在するように設定してパネル
内の数箇所で測定した値の平均値である。
8a、58bは誘電体被覆60および保護膜62で被覆
された全直径がD= 70(μm)程度と細く、且つそれらが
前面板42の面方向に垂直な方向において上下に並んで
いるため、各発光区画64内でそれらの陰になる部分の
幅寸法はその直径に等しい 70(μm)程度に過ぎない。そ
のため、それら表示放電電極58a、58bによる遮光
幅が書込電極52に沿った方向における発光区画64の
長さLcc=750(μm)に対して十分に小さいことから、開
口率(発光区画64の面積Sc に対する実際に発光に寄
与する面積の割合)が高いため、図1に示されるような
従来の面放電構造のPDP8に比較して高い輝度が得ら
れる。例えば、暗室内において30(kHz) 程度のサステイ
ン周波数(表示放電時に表示放電電極58a、58bに
印加される駆動パルス周波数すなわち表示発光周波数)
で駆動して試験したところ、本実施例のPDP40で
は、340 〜350(cd/m2)程度の高い面輝度が得られるのに
対し、同様な寸法の発光区画36を備えたPDP8で
は、同様な駆動および測定条件(すなわち、表示放電電
極58a、58bに印加されるサステイン電圧や測定時
の周囲輝度等の全ての試験条件が同様)において面輝度
が290 〜300(cd/m2)程度に過ぎず、PDP40の輝度が
従来よりも 16(%) 程度高くなることが確かめられた。
なお、面輝度は、輝度計の測定視野を表示ドットのRG
B(すなわちRGBのそれぞれに対応する発光区画64
或いは36)が同数程度存在するように設定してパネル
内の数箇所で測定した値の平均値である。
【0032】すなわち、本実施例のPDP40によれ
ば、互いに平行に配設された一対の表示放電電極58
a、58b間で維持放電させる3電極構造でありなが
ら、一方の表示放電電極58aが前面板42の面方向に
平行な第1平面P1 上に配列され、他方の表示放電電極
58bがその第1平面P1 と平行且つ異なる第2平面P
2 上に配列されて、相互の間で表示放電させられる一対
の表示放電電極58a、58bは、前面板42から背面
板44に向かう厚み方向において異なる高さ位置に実質
的に対向して配置される。そのため、表示放電電極58
aが光の射出側になる前面板42の内面近傍から離隔し
て位置して、その内面近傍には各発光区画64毎に表示
放電電極58bが一本だけ位置することから、表示放電
電極58a、58bによる遮光が少なくなるため、発光
区画64毎の実質的な開口率が向上させられて高輝度が
得られるのである。
ば、互いに平行に配設された一対の表示放電電極58
a、58b間で維持放電させる3電極構造でありなが
ら、一方の表示放電電極58aが前面板42の面方向に
平行な第1平面P1 上に配列され、他方の表示放電電極
58bがその第1平面P1 と平行且つ異なる第2平面P
2 上に配列されて、相互の間で表示放電させられる一対
の表示放電電極58a、58bは、前面板42から背面
板44に向かう厚み方向において異なる高さ位置に実質
的に対向して配置される。そのため、表示放電電極58
aが光の射出側になる前面板42の内面近傍から離隔し
て位置して、その内面近傍には各発光区画64毎に表示
放電電極58bが一本だけ位置することから、表示放電
電極58a、58bによる遮光が少なくなるため、発光
区画64毎の実質的な開口率が向上させられて高輝度が
得られるのである。
【0033】しかも、PDP40においては、それら表
示放電電極58a、58b間の放電距離gd は、PDP
40の厚み方向における第1平面P1 と第2平面P2 と
の間隔に応じて変化させ得ることから、書込電極52に
沿った方向における発光区画64の中心間隔pccは、放
電距離gd の制約を受けず、それとは独立に設定でき
る。したがって、発光区画64の中心間隔pccを小さく
して精細度を高めることが容易である。すなわち、実施
例においては、発光区画64の中心間隔pccを750(μm)
程度としていたが、この値は放電距離gd に比較して極
めて大きいため、これをgd よりも十分に大きい範囲で
更に小さくして、例えば、HDTVに要求されるpcc=
200 〜300(μm)とすることも可能である。
示放電電極58a、58b間の放電距離gd は、PDP
40の厚み方向における第1平面P1 と第2平面P2 と
の間隔に応じて変化させ得ることから、書込電極52に
沿った方向における発光区画64の中心間隔pccは、放
電距離gd の制約を受けず、それとは独立に設定でき
る。したがって、発光区画64の中心間隔pccを小さく
して精細度を高めることが容易である。すなわち、実施
例においては、発光区画64の中心間隔pccを750(μm)
程度としていたが、この値は放電距離gd に比較して極
めて大きいため、これをgd よりも十分に大きい範囲で
更に小さくして、例えば、HDTVに要求されるpcc=
200 〜300(μm)とすることも可能である。
【0034】また、本実施例においては、表示放電電極
58a、58bは、発光区画64毎に備えられて維持放
電させられる各対が、PDP40の厚み方向に沿って並
んで対向して配置される。そのため、前面板42の面方
向に垂直なPDP40の主たる観視方向においては、表
示放電電極58aが表示放電電極58bの陰に隠れて遮
光に影響するものが実質的に各発光区画64毎に一本だ
けとなる。しかも、相互に隣接する発光区画64間にお
ける表示放電電極58a、58bの最小間隔はそれぞれ
の配列間隔pdeに一致するため、それらが上記厚み方向
において斜め方向に配置される場合に比較して、誤放電
を防止しながら発光区画64の中心間隔pccを一層小さ
くできる。したがって、主観視方向における実質的な開
口率が一層高められれることから一層高い輝度が得られ
ると共に、発光区画64の中心間隔pccを一層小さくし
得るため、上記のようにHDTVにも対応し得る程度ま
で高精細化が容易になるのである。
58a、58bは、発光区画64毎に備えられて維持放
電させられる各対が、PDP40の厚み方向に沿って並
んで対向して配置される。そのため、前面板42の面方
向に垂直なPDP40の主たる観視方向においては、表
示放電電極58aが表示放電電極58bの陰に隠れて遮
光に影響するものが実質的に各発光区画64毎に一本だ
けとなる。しかも、相互に隣接する発光区画64間にお
ける表示放電電極58a、58bの最小間隔はそれぞれ
の配列間隔pdeに一致するため、それらが上記厚み方向
において斜め方向に配置される場合に比較して、誤放電
を防止しながら発光区画64の中心間隔pccを一層小さ
くできる。したがって、主観視方向における実質的な開
口率が一層高められれることから一層高い輝度が得られ
ると共に、発光区画64の中心間隔pccを一層小さくし
得るため、上記のようにHDTVにも対応し得る程度ま
で高精細化が容易になるのである。
【0035】ところで、各発光区画64のうち実際に発
光に寄与する面積は、表示放電電極58a、58bによ
る遮光幅に加えて表示に寄与しない隔壁48の幅寸法w
r に応じた面積を減じたものであり、試算結果を以下に
説明する。先ず、本実施例においては、発光区画64の
面積がSc =Lcr×Lcc=0.250 ×0.750 =0.1875(m
m2) 程度、各発光区画64内で隔壁48が占める面積が
Sr =wr ×Lcc=0.090 ×0.750 =0.0675(mm2) 程度
であるが、表示放電電極58a、58bは上記のように
垂直方向に並ぶことからその遮光面積は一本分に等しく
Sh =D×(Lcr−wr )=0.070 ×(0.250−0.090)=
0.0112(mm2) 程度であり、開口率は(Sc−Sr −Sh
)/Sc ×100 =58.03(%) 程度となる。これに対し
て、図1のPDP8では、発光区画36の寸法を本実施
例と同様とした場合には、発光区画36毎に2本ずつ面
方向に並んで備えられるバス電極30各々の幅寸法が例
えばwb = 80(μm)程度であるため、それによる遮光面
積がSh =wb ×(Lcr−wr)×2 =0.080 ×(0.250
−0.090)×2 =0.0256(mm2) 程度と大きくなり、開口率
は50.35(%) 程度である。したがって、開口率は本実施
例の方が 13(%) 程度も高いことが判る。
光に寄与する面積は、表示放電電極58a、58bによ
る遮光幅に加えて表示に寄与しない隔壁48の幅寸法w
r に応じた面積を減じたものであり、試算結果を以下に
説明する。先ず、本実施例においては、発光区画64の
面積がSc =Lcr×Lcc=0.250 ×0.750 =0.1875(m
m2) 程度、各発光区画64内で隔壁48が占める面積が
Sr =wr ×Lcc=0.090 ×0.750 =0.0675(mm2) 程度
であるが、表示放電電極58a、58bは上記のように
垂直方向に並ぶことからその遮光面積は一本分に等しく
Sh =D×(Lcr−wr )=0.070 ×(0.250−0.090)=
0.0112(mm2) 程度であり、開口率は(Sc−Sr −Sh
)/Sc ×100 =58.03(%) 程度となる。これに対し
て、図1のPDP8では、発光区画36の寸法を本実施
例と同様とした場合には、発光区画36毎に2本ずつ面
方向に並んで備えられるバス電極30各々の幅寸法が例
えばwb = 80(μm)程度であるため、それによる遮光面
積がSh =wb ×(Lcr−wr)×2 =0.080 ×(0.250
−0.090)×2 =0.0256(mm2) 程度と大きくなり、開口率
は50.35(%) 程度である。したがって、開口率は本実施
例の方が 13(%) 程度も高いことが判る。
【0036】また、本実施例においては、表示放電電極
58a、58bは、それぞれ金属線の外周面が誘電体被
覆60によって個々に覆われた被覆金属線63の形態で
構成される。そのため、誘電体被覆60に覆われた状態
で実質的に対向して配設される表示放電電極58a、5
8bにはそれぞれ対向面として機能する外周面が備えら
れて、その対向面間で専ら維持放電が発生する。したが
って、放電に寄与する電極表面間の距離gd が略一様と
なって、一平面上に設けられた表示放電電極24a、2
4b間で面放電させる場合の誘電体層20表面における
電界強度の分布が生じないことから、放電集中に起因す
る表示放電電極58a、58bの局所的なスパッタリン
グが抑制されて、高輝度が長期間に亘って維持される。
58a、58bは、それぞれ金属線の外周面が誘電体被
覆60によって個々に覆われた被覆金属線63の形態で
構成される。そのため、誘電体被覆60に覆われた状態
で実質的に対向して配設される表示放電電極58a、5
8bにはそれぞれ対向面として機能する外周面が備えら
れて、その対向面間で専ら維持放電が発生する。したが
って、放電に寄与する電極表面間の距離gd が略一様と
なって、一平面上に設けられた表示放電電極24a、2
4b間で面放電させる場合の誘電体層20表面における
電界強度の分布が生じないことから、放電集中に起因す
る表示放電電極58a、58bの局所的なスパッタリン
グが抑制されて、高輝度が長期間に亘って維持される。
【0037】また、本実施例においては、更に、各発光
区画64内において隔壁48の側面に蛍光体層56が備
えられる。そのため、PDP40の表示は、放電によっ
て励起させられた蛍光体層56の発光で行われるが、そ
の放電を発生させる表示放電電極58a、58bは誘電
体被覆60で覆われてそのまま交流放電電極として機能
し且つ配設位置が前面板42の内面上に限定されないこ
とから、その配設高さを自由に設定できる。したがっ
て、それらの配設高さで決定される一対の表示放電電極
58a、58bの放電距離gd とは独立して隔壁高さを
設定できることから、専ら視野角との関係を考慮して隔
壁48の高さを十分に高く設定してその側面に備えられ
た蛍光体層56の面積を大きくできるため、一層高い輝
度を得ることができる。すなわち、表示放電電極58
a、58bが隔壁48の高さ方向の中間位置に並ぶよう
にそれを貫通して設けられた結果、その隔壁48の高さ
はアドレス放電距離ga に表示放電電極58aの直径D
および維持放電距離gd を加えた値以上の大きさを要求
されることから、その隔壁高さが350(μm)程度と高くな
るため、その側面積の増大に応じて蛍光体層56の塗布
面積が増大するのである。これに対して、従来のPDP
8においては、隔壁14の高さが図1に示されるアドレ
ス放電距離ga が適切な大きさとなるように定められ
る。したがって、本実施例と同様にga =105 〜150(μ
m)程度とする場合には、隔壁14の高さがそれからオー
バ・コート32の厚さを減じたものであって100(μm)程
度に過ぎないため、その側面積が小さいのである。
区画64内において隔壁48の側面に蛍光体層56が備
えられる。そのため、PDP40の表示は、放電によっ
て励起させられた蛍光体層56の発光で行われるが、そ
の放電を発生させる表示放電電極58a、58bは誘電
体被覆60で覆われてそのまま交流放電電極として機能
し且つ配設位置が前面板42の内面上に限定されないこ
とから、その配設高さを自由に設定できる。したがっ
て、それらの配設高さで決定される一対の表示放電電極
58a、58bの放電距離gd とは独立して隔壁高さを
設定できることから、専ら視野角との関係を考慮して隔
壁48の高さを十分に高く設定してその側面に備えられ
た蛍光体層56の面積を大きくできるため、一層高い輝
度を得ることができる。すなわち、表示放電電極58
a、58bが隔壁48の高さ方向の中間位置に並ぶよう
にそれを貫通して設けられた結果、その隔壁48の高さ
はアドレス放電距離ga に表示放電電極58aの直径D
および維持放電距離gd を加えた値以上の大きさを要求
されることから、その隔壁高さが350(μm)程度と高くな
るため、その側面積の増大に応じて蛍光体層56の塗布
面積が増大するのである。これに対して、従来のPDP
8においては、隔壁14の高さが図1に示されるアドレ
ス放電距離ga が適切な大きさとなるように定められ
る。したがって、本実施例と同様にga =105 〜150(μ
m)程度とする場合には、隔壁14の高さがそれからオー
バ・コート32の厚さを減じたものであって100(μm)程
度に過ぎないため、その側面積が小さいのである。
【0038】しかも、本実施例においては、蛍光体層5
6は、放電空間46の底面を構成するオーバ・コート5
4上にも備えられ、表示放電電極58a、58bは、そ
のオーバ・コート54上の蛍光体層56の表面から前面
板42側に、下側に位置する表示放電電極58aの下端
位置において50〜 90(μm)程度のの距離だけ離隔した位
置に設けられる。そのため、PDP40の表示は、隔壁
48の側面およびオーバ・コート54の内面上に備えら
れる蛍光体層の励起発光によって行われるが、表示放電
電極58a、58bがそのオーバ・コート54上の蛍光
体層56の表面から離隔して設けられていることから、
その蛍光体層56の近傍で維持放電させられないため、
その維持放電に伴って発生する放電ガス・イオンによる
蛍光体の劣化が抑制されて、一層長期間に亘って高輝度
が維持される。
6は、放電空間46の底面を構成するオーバ・コート5
4上にも備えられ、表示放電電極58a、58bは、そ
のオーバ・コート54上の蛍光体層56の表面から前面
板42側に、下側に位置する表示放電電極58aの下端
位置において50〜 90(μm)程度のの距離だけ離隔した位
置に設けられる。そのため、PDP40の表示は、隔壁
48の側面およびオーバ・コート54の内面上に備えら
れる蛍光体層の励起発光によって行われるが、表示放電
電極58a、58bがそのオーバ・コート54上の蛍光
体層56の表面から離隔して設けられていることから、
その蛍光体層56の近傍で維持放電させられないため、
その維持放電に伴って発生する放電ガス・イオンによる
蛍光体の劣化が抑制されて、一層長期間に亘って高輝度
が維持される。
【0039】すなわち、本実施例においては、表示放電
電極58aと書込電極52との間にアドレス放電距離g
a を設ける目的で、その表示放電電極58aは蛍光体層
56のうちのオーバ・コート54上に固着された部分か
ら、従来の面放電構造(図1参照)と同様に十分に離隔
させられている。そのため、上記のように前面板42の
面方向と垂直な方向に対向して配置された表示放電電極
58a、58b間でその垂直方向(図の上下方向)に維
持放電させる電極構造を採りながら、従来の面放電構造
と同様に放電ガス・イオンによるオーバ・コート54上
の蛍光体層56の劣化が生じ難いのである。なお、蛍光
体層56は隔壁48の側面にも設けられていることか
ら、そのうちの表示放電電極58a、58bの間に位置
する部分では放電ガス・イオンによる劣化が底面のもの
よりも生じ易いと考えられるが、このような事情は従来
の面放電構造でも同様である。しかも、その放電は、従
来の前面板および背面板にそれぞれ備えられた電極間で
対向放電させられる場合のような蛍光体を通しての放電
ではないため上記劣化は殆ど問題とならず、却って、従
来の面放電に比較して蛍光体層56の一部が維持放電
(主放電)が発生する部分に近づくことから、その側面
の蛍光体の発光が高められる利点があると推定される。
電極58aと書込電極52との間にアドレス放電距離g
a を設ける目的で、その表示放電電極58aは蛍光体層
56のうちのオーバ・コート54上に固着された部分か
ら、従来の面放電構造(図1参照)と同様に十分に離隔
させられている。そのため、上記のように前面板42の
面方向と垂直な方向に対向して配置された表示放電電極
58a、58b間でその垂直方向(図の上下方向)に維
持放電させる電極構造を採りながら、従来の面放電構造
と同様に放電ガス・イオンによるオーバ・コート54上
の蛍光体層56の劣化が生じ難いのである。なお、蛍光
体層56は隔壁48の側面にも設けられていることか
ら、そのうちの表示放電電極58a、58bの間に位置
する部分では放電ガス・イオンによる劣化が底面のもの
よりも生じ易いと考えられるが、このような事情は従来
の面放電構造でも同様である。しかも、その放電は、従
来の前面板および背面板にそれぞれ備えられた電極間で
対向放電させられる場合のような蛍光体を通しての放電
ではないため上記劣化は殆ど問題とならず、却って、従
来の面放電に比較して蛍光体層56の一部が維持放電
(主放電)が発生する部分に近づくことから、その側面
の蛍光体の発光が高められる利点があると推定される。
【0040】また、本実施例においては、一対の表示放
電電極58a、58bは、円形の断面形状を備えて構成
される。そのため、放電に寄与する部分を含むその外周
面全体が周方向に滑らかに連続させられた凸面で構成さ
れることから、その部分に不連続面を形成して放電集中
し易い角部が存在しないため、局所的なスパッタリング
が一層抑制される。しかも、光の射出側から見て表示放
電電極58a、58bの陰に位置する部分で発生する光
が表示放電電極58a、58bを回り込んで射出される
ことから、表示放電電極58a、58bによる遮光が抑
制されるため、実質的な遮光面積が前記の面積Sh より
も小さくなって一層高い輝度が得られる。なお、前記の
面輝度の試験結果において、その比が前記の開口率の比
よりも大きくなっているのは、上述した種々の構成に起
因するところが大きいと推定されるが、更に、従来のP
DP8においては透明電極28による光透過率の低下
(実質的な遮光)があることも一因となっていると考え
られる。
電電極58a、58bは、円形の断面形状を備えて構成
される。そのため、放電に寄与する部分を含むその外周
面全体が周方向に滑らかに連続させられた凸面で構成さ
れることから、その部分に不連続面を形成して放電集中
し易い角部が存在しないため、局所的なスパッタリング
が一層抑制される。しかも、光の射出側から見て表示放
電電極58a、58bの陰に位置する部分で発生する光
が表示放電電極58a、58bを回り込んで射出される
ことから、表示放電電極58a、58bによる遮光が抑
制されるため、実質的な遮光面積が前記の面積Sh より
も小さくなって一層高い輝度が得られる。なお、前記の
面輝度の試験結果において、その比が前記の開口率の比
よりも大きくなっているのは、上述した種々の構成に起
因するところが大きいと推定されるが、更に、従来のP
DP8においては透明電極28による光透過率の低下
(実質的な遮光)があることも一因となっていると考え
られる。
【0041】また、本実施例においては、前面板42側
に位置する表示放電電極58bもその前面板42の内面
から 10(μm)程度隔てて位置させられて、表示放電電極
58a、58bの何れもが、前面板42および背面板4
4(厳密にはオーバ・コート54)の内面から離隔した
位置に設けられている。そのため、放電方向が前面板4
2および背面板44の面方向に垂直な方向であることと
相俟って、前面板42および背面板44(およびその上
に膜形成されているアンダ・コート50およびオーバ・
コート54)が誘電体として機能することに起因する効
率低下や発熱が抑制される。
に位置する表示放電電極58bもその前面板42の内面
から 10(μm)程度隔てて位置させられて、表示放電電極
58a、58bの何れもが、前面板42および背面板4
4(厳密にはオーバ・コート54)の内面から離隔した
位置に設けられている。そのため、放電方向が前面板4
2および背面板44の面方向に垂直な方向であることと
相俟って、前面板42および背面板44(およびその上
に膜形成されているアンダ・コート50およびオーバ・
コート54)が誘電体として機能することに起因する効
率低下や発熱が抑制される。
【0042】また、図2(a) 、(b) に示されるように、
表示放電電極58a、58bは隔壁48を貫通して設け
られている結果、それによってその周囲が覆われている
ため、前面板42から十分離隔した位置においてその長
手方向において隔壁48によって分離されている。その
ため、誘電体被覆60上に蓄積された電荷が異なる発光
色の蛍光体層56が備えられた隣接する放電空間46内
に入り込むことに起因する誤放電が好適に抑制される。
表示放電電極58a、58bは隔壁48を貫通して設け
られている結果、それによってその周囲が覆われている
ため、前面板42から十分離隔した位置においてその長
手方向において隔壁48によって分離されている。その
ため、誘電体被覆60上に蓄積された電荷が異なる発光
色の蛍光体層56が備えられた隣接する放電空間46内
に入り込むことに起因する誤放電が好適に抑制される。
【0043】因みに、前記図1に示されるような従来の
AC型PDP8においては、表示放電電極24とこれに
対応する誘電体層20で形成される電荷は隔壁14頂部
との接触によって仕切られる。しかしながら、このよう
な構造では、誘電体層20表面や隔壁14頂部の凹凸、
前面板10の反り、封着時の密着不良等によって放電空
間16相互の分離が不十分になると、電荷量に差が生じ
て表示品質が低下させられる。そのため、これらの不具
合を抑制するために、隔壁14頂部を研磨すること等に
よって接触面積が確保され、或いは、前記第8回プラズ
マディスプレイ技術討論会資料の第16頁〜第19頁に記載
されているように、前面側透明誘電体層上に背面板上に
形成された隔壁に対応する仕切りが設けられていた。こ
れに対して、本実施例によれば、隔壁48によって電荷
が確実に仕切られることから、上記のような種々の不具
合の問題が大幅に軽減されるため、後述の製造工程で粗
化になるように前面板42に何ら膜形成を必要としない
ばかりか、接触面積を確保するための工程増加や構造複
雑化を必要としない。
AC型PDP8においては、表示放電電極24とこれに
対応する誘電体層20で形成される電荷は隔壁14頂部
との接触によって仕切られる。しかしながら、このよう
な構造では、誘電体層20表面や隔壁14頂部の凹凸、
前面板10の反り、封着時の密着不良等によって放電空
間16相互の分離が不十分になると、電荷量に差が生じ
て表示品質が低下させられる。そのため、これらの不具
合を抑制するために、隔壁14頂部を研磨すること等に
よって接触面積が確保され、或いは、前記第8回プラズ
マディスプレイ技術討論会資料の第16頁〜第19頁に記載
されているように、前面側透明誘電体層上に背面板上に
形成された隔壁に対応する仕切りが設けられていた。こ
れに対して、本実施例によれば、隔壁48によって電荷
が確実に仕切られることから、上記のような種々の不具
合の問題が大幅に軽減されるため、後述の製造工程で粗
化になるように前面板42に何ら膜形成を必要としない
ばかりか、接触面積を確保するための工程増加や構造複
雑化を必要としない。
【0044】また、本実施例においては、上記のように
前面板42には特に膜形成する必要がなくなるため、そ
の内面に外光の反射を抑制して高いコントラストを得る
ためのカラー・フィルタを設けることも容易である。因
みに、カラー・フィルタを設ける場合には、視野角の影
響を可及的に小さくするために光を射出する前面板42
の内面に設ける必要がある。そのため、従来のように前
面板42の内面に膜形成されるPDP8では、図5に要
部断面を示すように、表示放電電極24や誘電体層20
を設けるために、カラー・フィルタ23上に誘電体層2
5を設けて表示放電電極24等の形成面を平坦にする必
要があると共に、前面板10および背面板12を接合し
て気密空間を形成するに際してカラー・フィルタ23を
書込電極18に沿って隔壁14の間に位置させる必要が
あって、工程が複雑になり且つ寸法やピッチの制御が困
難であるという問題もあった。
前面板42には特に膜形成する必要がなくなるため、そ
の内面に外光の反射を抑制して高いコントラストを得る
ためのカラー・フィルタを設けることも容易である。因
みに、カラー・フィルタを設ける場合には、視野角の影
響を可及的に小さくするために光を射出する前面板42
の内面に設ける必要がある。そのため、従来のように前
面板42の内面に膜形成されるPDP8では、図5に要
部断面を示すように、表示放電電極24や誘電体層20
を設けるために、カラー・フィルタ23上に誘電体層2
5を設けて表示放電電極24等の形成面を平坦にする必
要があると共に、前面板10および背面板12を接合し
て気密空間を形成するに際してカラー・フィルタ23を
書込電極18に沿って隔壁14の間に位置させる必要が
あって、工程が複雑になり且つ寸法やピッチの制御が困
難であるという問題もあった。
【0045】ところで、PDP40は、例えば図6に工
程図を、図7(a) 〜(j) に工程の各段階における断面構
造をそれぞれ示される製造工程に従って製造される。な
お、以下の各工程において、各ペーストの塗布は例えば
厚膜スクリーン印刷法を用いて行われる。先ず、工程1
のアンダ・コート工程において、低アルカリ・ガラスか
ら成る厚膜絶縁ペーストを背面板44上の全面に塗布
し、乾燥した後に所定温度で焼成することにより、前記
アンダ・コート50を形成する。なお、厚膜絶縁ペース
トは、所望の塗布厚みが得られるまで繰り返し塗布され
積層される。以下の各工程においても同様である。次い
で、工程2の書込電極形成工程において、そのアンダ・
コート50上に所定パターンでAgペースト等の厚膜導電
体ペーストを塗布し、乾燥した後に所定温度で焼成する
ことにより、前記書込電極52を形成する。そして、工
程3のオーバ・コート工程においては、低軟化点ガラス
とアルミナ等の充填材を含む厚膜絶縁ペーストをその書
込電極52を覆うようにアンダ・コート50上の全面に
塗布し、乾燥した後に所定温度で焼成することにより、
前記オーバ・コート54を形成する。
程図を、図7(a) 〜(j) に工程の各段階における断面構
造をそれぞれ示される製造工程に従って製造される。な
お、以下の各工程において、各ペーストの塗布は例えば
厚膜スクリーン印刷法を用いて行われる。先ず、工程1
のアンダ・コート工程において、低アルカリ・ガラスか
ら成る厚膜絶縁ペーストを背面板44上の全面に塗布
し、乾燥した後に所定温度で焼成することにより、前記
アンダ・コート50を形成する。なお、厚膜絶縁ペース
トは、所望の塗布厚みが得られるまで繰り返し塗布され
積層される。以下の各工程においても同様である。次い
で、工程2の書込電極形成工程において、そのアンダ・
コート50上に所定パターンでAgペースト等の厚膜導電
体ペーストを塗布し、乾燥した後に所定温度で焼成する
ことにより、前記書込電極52を形成する。そして、工
程3のオーバ・コート工程においては、低軟化点ガラス
とアルミナ等の充填材を含む厚膜絶縁ペーストをその書
込電極52を覆うようにアンダ・コート50上の全面に
塗布し、乾燥した後に所定温度で焼成することにより、
前記オーバ・コート54を形成する。
【0046】続く工程4の下部隔壁形成工程において
は、例えばオーバ・コート54を形成するための厚膜絶
縁ペーストと同様なペーストを、複数本の書込電極52
の長手方向に沿い且つそれらの相互間に位置するように
所定パターンで繰り返し印刷・乾燥して積層する。これ
により、後の焼成(加熱処理)工程において前記隔壁4
8の下部(表示放電電極58aよりも下側に位置する部
分)を構成することとなる高さ100 〜110(μm)程度の下
部隔壁乾燥体68aが形成される。次いで、工程5の第
一固着用ペースト塗布工程においては、下部隔壁乾燥体
68aの形成に用いたものと同様な厚膜絶縁ペーストを
その下部隔壁乾燥体68aの頂部に 50(μm)程度の厚さ
に塗布して第一ペースト層70を形成する。厚膜スクリ
ーン印刷の通常の塗布厚みは 20(μm)程度であるが、こ
の第一ペースト層70は例えばスクリーンからのペース
トの吐出量を多くし、或いは印刷を繰り返すことによっ
て厚く形成できる。図7(a) はこの状態を示している。
なお、図7(a) 〜(j) においては、背面板44上に形成
された膜のうちオーバ・コート54だけが示されてお
り、これよりも背面板44側に位置する部分は省略され
ている。そして、工程6の第一金属線配置工程におい
て、表示放電電極58aに対応する前記図3に示される
複数本の被覆金属線63を、その長手方向が書込電極5
2および下部隔壁乾燥体68aの長手方向と直交する向
きで、第一ペースト層70が乾燥する前(すなわち十分
にウェットな状態のうち)にその上に載置して下部隔壁
乾燥体68aの頂部に向かって押し込み、乾燥処理を施
す。これにより、被覆金属線63は、既に乾燥済の下部
隔壁乾燥体68aの頂部に略接触する位置に埋め込ま
れ、第一ペースト層70が乾燥させられた第一固着層7
2に略全体を覆われた状態で固定される。図7(b-1) 、
(b-2) は被覆金属線63を載置した状態を、図7(c-1)
、(c-2) は埋め込まれた後或いは乾燥後の状態を示し
ている。
は、例えばオーバ・コート54を形成するための厚膜絶
縁ペーストと同様なペーストを、複数本の書込電極52
の長手方向に沿い且つそれらの相互間に位置するように
所定パターンで繰り返し印刷・乾燥して積層する。これ
により、後の焼成(加熱処理)工程において前記隔壁4
8の下部(表示放電電極58aよりも下側に位置する部
分)を構成することとなる高さ100 〜110(μm)程度の下
部隔壁乾燥体68aが形成される。次いで、工程5の第
一固着用ペースト塗布工程においては、下部隔壁乾燥体
68aの形成に用いたものと同様な厚膜絶縁ペーストを
その下部隔壁乾燥体68aの頂部に 50(μm)程度の厚さ
に塗布して第一ペースト層70を形成する。厚膜スクリ
ーン印刷の通常の塗布厚みは 20(μm)程度であるが、こ
の第一ペースト層70は例えばスクリーンからのペース
トの吐出量を多くし、或いは印刷を繰り返すことによっ
て厚く形成できる。図7(a) はこの状態を示している。
なお、図7(a) 〜(j) においては、背面板44上に形成
された膜のうちオーバ・コート54だけが示されてお
り、これよりも背面板44側に位置する部分は省略され
ている。そして、工程6の第一金属線配置工程におい
て、表示放電電極58aに対応する前記図3に示される
複数本の被覆金属線63を、その長手方向が書込電極5
2および下部隔壁乾燥体68aの長手方向と直交する向
きで、第一ペースト層70が乾燥する前(すなわち十分
にウェットな状態のうち)にその上に載置して下部隔壁
乾燥体68aの頂部に向かって押し込み、乾燥処理を施
す。これにより、被覆金属線63は、既に乾燥済の下部
隔壁乾燥体68aの頂部に略接触する位置に埋め込ま
れ、第一ペースト層70が乾燥させられた第一固着層7
2に略全体を覆われた状態で固定される。図7(b-1) 、
(b-2) は被覆金属線63を載置した状態を、図7(c-1)
、(c-2) は埋め込まれた後或いは乾燥後の状態を示し
ている。
【0047】なお、上記被覆金属線63の被覆は、例え
ば、図8に示される工程に従って施される。すなわち、
先ず、工程61の金属線溶接工程において、図9に示さ
れるように、例えば厚さ0.2(mm) 程度の426合金等か
ら成る矩形のフレーム74に、線径 30(μm)程度のタン
グステン等から成る複数本の金属線58を互いに平行且
つ750(μm)程度の一様な中心間隔でその両端部側の位置
においてスポット溶接等によって固着する。次いで、工
程62の表面処理工程において、フレーム74と一体と
なった金属線58の表面を例えばアセトンやアルコール
等の溶剤等によって洗浄することにより、その表面の油
成分等の汚れを除去して清浄にする。続く工程63のガ
ラス粉末固着工程においては、例えばB2O3−ZnO −PbO
等から成る平均粒径3(μm)程度のガラス粉末を電着法等
によって固着する。そして、工程64の焼付工程におい
て、ガラス粉末の種類毎に定められている例えば600
(℃)程度の所定の作業温度で熱処理することにより、厚
さ 20(μm)程度の前記誘電体被覆60が形成される。そ
の後、工程65の保護膜形成工程において、スパッタ法
等によってMgO から成る保護膜62をその誘電体被覆6
0上に形成することにより、前記図3に示されるような
被覆金属線63が得られる。このとき、上記工程64の
焼付工程は前面板42および背面板44の処理とは独立
して施されることから、当然に上記焼付工程に起因する
それらの変形や歪みは何ら生じない。前記の工程6は、
上記のように被覆金属線63がフレーム74に固着され
た状態で為されるため、下部隔壁乾燥体68上に平行且
つ一様な中心間隔で固着されることとなる。なお、この
フレーム74は、乾燥処理によって第一固着層72に被
覆金属線63が固定された後に、その被覆金属線63の
両端部を切断することで除去される。
ば、図8に示される工程に従って施される。すなわち、
先ず、工程61の金属線溶接工程において、図9に示さ
れるように、例えば厚さ0.2(mm) 程度の426合金等か
ら成る矩形のフレーム74に、線径 30(μm)程度のタン
グステン等から成る複数本の金属線58を互いに平行且
つ750(μm)程度の一様な中心間隔でその両端部側の位置
においてスポット溶接等によって固着する。次いで、工
程62の表面処理工程において、フレーム74と一体と
なった金属線58の表面を例えばアセトンやアルコール
等の溶剤等によって洗浄することにより、その表面の油
成分等の汚れを除去して清浄にする。続く工程63のガ
ラス粉末固着工程においては、例えばB2O3−ZnO −PbO
等から成る平均粒径3(μm)程度のガラス粉末を電着法等
によって固着する。そして、工程64の焼付工程におい
て、ガラス粉末の種類毎に定められている例えば600
(℃)程度の所定の作業温度で熱処理することにより、厚
さ 20(μm)程度の前記誘電体被覆60が形成される。そ
の後、工程65の保護膜形成工程において、スパッタ法
等によってMgO から成る保護膜62をその誘電体被覆6
0上に形成することにより、前記図3に示されるような
被覆金属線63が得られる。このとき、上記工程64の
焼付工程は前面板42および背面板44の処理とは独立
して施されることから、当然に上記焼付工程に起因する
それらの変形や歪みは何ら生じない。前記の工程6は、
上記のように被覆金属線63がフレーム74に固着され
た状態で為されるため、下部隔壁乾燥体68上に平行且
つ一様な中心間隔で固着されることとなる。なお、この
フレーム74は、乾燥処理によって第一固着層72に被
覆金属線63が固定された後に、その被覆金属線63の
両端部を切断することで除去される。
【0048】図6に戻って、工程7の中間隔壁形成工程
においては、第一ペースト層70の形成に用いたものと
同様な厚膜絶縁ペーストを、第一固着層72上に繰り返
し印刷および乾燥することにより、例えばオーバ・コー
ト54上からの高さが280 〜290(μm)程度となるように
中間隔壁乾燥体76を形成する。図7(d-1) 、(d-2)は
この状態を示している。なお、第一固着層72の上面に
は、前記図7(c-2) に示されるように被覆金属線63の
埋め込みに起因する凹凸が生じているが、第一ペースト
層70が十分に厚く形成されると共に、その第一ペース
ト層70が十分な流動性を有する間に被覆金属線63が
押し込まれることから、その凹凸は中間隔壁乾燥体76
を形成するための厚膜絶縁ペーストの均一な塗布に支障
のない程度の小ささに留まっている。そして、工程8の
焼成工程において、このように塗膜が形成された背面板
44を前記の工程64(焼付工程)の処理温度よりも低
い580(℃) 程度の所定温度で焼成することにより、下部
隔壁乾燥体68、第一固着層72、および中間隔壁乾燥
体76が溶融および一体化させられて、高さ方向の中間
部において厚み方向に被覆金属線63すなわち表示放電
電極58aが貫通させられた下部隔壁体48aが生成さ
れる。図7(e-1) 、(e-2) はこの状態を示している。こ
のとき、焼成収縮は90〜 96(%) 程度であるため、下部
隔壁体48aの高さは270(μm)程度、表示放電電極58
aの下端位置はオーバ・コート54上から100(μm)程度
となる。
においては、第一ペースト層70の形成に用いたものと
同様な厚膜絶縁ペーストを、第一固着層72上に繰り返
し印刷および乾燥することにより、例えばオーバ・コー
ト54上からの高さが280 〜290(μm)程度となるように
中間隔壁乾燥体76を形成する。図7(d-1) 、(d-2)は
この状態を示している。なお、第一固着層72の上面に
は、前記図7(c-2) に示されるように被覆金属線63の
埋め込みに起因する凹凸が生じているが、第一ペースト
層70が十分に厚く形成されると共に、その第一ペース
ト層70が十分な流動性を有する間に被覆金属線63が
押し込まれることから、その凹凸は中間隔壁乾燥体76
を形成するための厚膜絶縁ペーストの均一な塗布に支障
のない程度の小ささに留まっている。そして、工程8の
焼成工程において、このように塗膜が形成された背面板
44を前記の工程64(焼付工程)の処理温度よりも低
い580(℃) 程度の所定温度で焼成することにより、下部
隔壁乾燥体68、第一固着層72、および中間隔壁乾燥
体76が溶融および一体化させられて、高さ方向の中間
部において厚み方向に被覆金属線63すなわち表示放電
電極58aが貫通させられた下部隔壁体48aが生成さ
れる。図7(e-1) 、(e-2) はこの状態を示している。こ
のとき、焼成収縮は90〜 96(%) 程度であるため、下部
隔壁体48aの高さは270(μm)程度、表示放電電極58
aの下端位置はオーバ・コート54上から100(μm)程度
となる。
【0049】上記の焼成処理の後、工程9の蛍光体層形
成工程においては、樹脂成分が有機溶剤中に溶解させら
れたビヒクル中に所定の蛍光体が分散させられた蛍光体
ペーストを、下部隔壁体48a上から塗布して乾燥する
ことにより、オーバ・コート54の上面および下部隔壁
体48aの側面上に前記の蛍光体層56を形成する。こ
のとき、図7(f) に示されるように、オーバ・コート5
4上に配列された下部隔壁体48a相互の間は蛍光体ペ
ースト78によって埋め尽くされるが、塗布後の乾燥処
理によって有機溶剤が揮発して除去されるとペースト7
8が収縮する。そのため、図7(g) に示されるように、
蛍光体層56は、オーバ・コート54上面および下部隔
壁体48a側面に適度な厚さで固着されるのである。し
かも、被覆金属線63の外周面には保護膜62が備えら
れてその表面が十分に滑らかになっていることから、蛍
光体ペースト78との濡れ性が悪いため、その乾燥収縮
の後には表面に蛍光体ペースト78が残っておらず、保
護膜62が露出させられている。なお、上記の乾燥処理
段階では、蛍光体層56中には樹脂成分が残存してい
る。
成工程においては、樹脂成分が有機溶剤中に溶解させら
れたビヒクル中に所定の蛍光体が分散させられた蛍光体
ペーストを、下部隔壁体48a上から塗布して乾燥する
ことにより、オーバ・コート54の上面および下部隔壁
体48aの側面上に前記の蛍光体層56を形成する。こ
のとき、図7(f) に示されるように、オーバ・コート5
4上に配列された下部隔壁体48a相互の間は蛍光体ペ
ースト78によって埋め尽くされるが、塗布後の乾燥処
理によって有機溶剤が揮発して除去されるとペースト7
8が収縮する。そのため、図7(g) に示されるように、
蛍光体層56は、オーバ・コート54上面および下部隔
壁体48a側面に適度な厚さで固着されるのである。し
かも、被覆金属線63の外周面には保護膜62が備えら
れてその表面が十分に滑らかになっていることから、蛍
光体ペースト78との濡れ性が悪いため、その乾燥収縮
の後には表面に蛍光体ペースト78が残っておらず、保
護膜62が露出させられている。なお、上記の乾燥処理
段階では、蛍光体層56中には樹脂成分が残存してい
る。
【0050】続く工程10の第二固着用ペースト塗布工
程においては、第一ペースト層70と同様な厚膜絶縁ペ
ーストを下部隔壁体48a上に例えば 50(μm)程度の厚
さで塗布して、第二ペースト層80を形成する。図7
(h) はこの状態を示している。そして、工程11の第二
金属線配置工程において、前記第一金属線配置工程と同
様にして、第二ペースト80が乾燥する前に図7(i) 、
(j) に示されるようにその第二ペースト層80上に被覆
金属線63を載置して押し込み、乾燥処理を施す。この
とき、被覆金属線63は、各々が工程6において配設さ
れた表示放電電極58aの真上に位置するように配置さ
れる。これにより、被覆金属線63が、既に焼成済の下
部隔壁体48aの頂部に略接触する位置に埋め込まれ、
第二ペースト層80が乾燥させられた第2固着層82に
略全体を覆われた状態で固定される。なお、乾燥後にお
いて被覆金属線63の埋没状態が不十分となり或いは第
二固着層82の表面の凹凸が大きくなってこれが問題と
なる場合には、その上に更に厚膜絶縁ペーストを適当な
厚さで塗布すればよい。
程においては、第一ペースト層70と同様な厚膜絶縁ペ
ーストを下部隔壁体48a上に例えば 50(μm)程度の厚
さで塗布して、第二ペースト層80を形成する。図7
(h) はこの状態を示している。そして、工程11の第二
金属線配置工程において、前記第一金属線配置工程と同
様にして、第二ペースト80が乾燥する前に図7(i) 、
(j) に示されるようにその第二ペースト層80上に被覆
金属線63を載置して押し込み、乾燥処理を施す。この
とき、被覆金属線63は、各々が工程6において配設さ
れた表示放電電極58aの真上に位置するように配置さ
れる。これにより、被覆金属線63が、既に焼成済の下
部隔壁体48aの頂部に略接触する位置に埋め込まれ、
第二ペースト層80が乾燥させられた第2固着層82に
略全体を覆われた状態で固定される。なお、乾燥後にお
いて被覆金属線63の埋没状態が不十分となり或いは第
二固着層82の表面の凹凸が大きくなってこれが問題と
なる場合には、その上に更に厚膜絶縁ペーストを適当な
厚さで塗布すればよい。
【0051】上記のように被覆金属線63が下部隔壁体
48aの頂部に固定された後、工程12の加熱処理工程
において、前記工程8の焼成工程と同様な温度で焼成処
理を施すことにより、第二固着層80が溶融および硬化
させられて、下部隔壁体48aと一体となって隔壁48
を構成する上部隔壁体48bが生成されると同時に、被
覆金属線63すなわち表示放電電極58bが固着され
る。このため、前記図2に示されるように、表示放電電
極58bも隔壁48の高さ方向の中間位置においてそれ
を厚み方向に貫通した状態で固定されるのである。この
ように表示放電電極58a、58bが何れも隔壁48を
貫通するように設けられる結果、前面板42から離隔し
た位置において表示放電電極58a、58bがその長手
方向において隔壁48によって放電空間46毎に分離さ
れるため、前述のように、誘電体被覆60上に蓄積され
た電荷が隣接する放電空間46内に入り込むことが抑制
されるのである。この作用は隔壁48の頂部の平坦度と
は無関係であるため、前記の第二金属線配置工程におい
て第二固着層82の頂部に凹凸が存在してもPDP40
の機能上は殆ど問題とならない。なお、上記の加熱処理
において、前記蛍光体層56中の樹脂成分も同時に分解
されて除去される。
48aの頂部に固定された後、工程12の加熱処理工程
において、前記工程8の焼成工程と同様な温度で焼成処
理を施すことにより、第二固着層80が溶融および硬化
させられて、下部隔壁体48aと一体となって隔壁48
を構成する上部隔壁体48bが生成されると同時に、被
覆金属線63すなわち表示放電電極58bが固着され
る。このため、前記図2に示されるように、表示放電電
極58bも隔壁48の高さ方向の中間位置においてそれ
を厚み方向に貫通した状態で固定されるのである。この
ように表示放電電極58a、58bが何れも隔壁48を
貫通するように設けられる結果、前面板42から離隔し
た位置において表示放電電極58a、58bがその長手
方向において隔壁48によって放電空間46毎に分離さ
れるため、前述のように、誘電体被覆60上に蓄積され
た電荷が隣接する放電空間46内に入り込むことが抑制
されるのである。この作用は隔壁48の頂部の平坦度と
は無関係であるため、前記の第二金属線配置工程におい
て第二固着層82の頂部に凹凸が存在してもPDP40
の機能上は殆ど問題とならない。なお、上記の加熱処理
において、前記蛍光体層56中の樹脂成分も同時に分解
されて除去される。
【0052】そして、工程13の前面板接合工程におい
て、上記のように処理された背面板44上に別途用意さ
れた前面板42を隔壁48の上部側から載置し、図示し
ない周縁部においてフリットガラス等によって内部が気
密となるように相互に接合する。その後、工程14の放
電ガス封入工程において、例えば、放電空間46内を一
旦真空状態にし、更に、前記の放電ガスを 400(Torr)程
度の圧力で封入することによって、前記PDP40が製
造される。したがって、前面板42上には何ら膜形成す
ることなく、PDP40が構成される。なお、前面板4
2と隔壁48とは突き合わされているだけで互いに接合
されてはいない。
て、上記のように処理された背面板44上に別途用意さ
れた前面板42を隔壁48の上部側から載置し、図示し
ない周縁部においてフリットガラス等によって内部が気
密となるように相互に接合する。その後、工程14の放
電ガス封入工程において、例えば、放電空間46内を一
旦真空状態にし、更に、前記の放電ガスを 400(Torr)程
度の圧力で封入することによって、前記PDP40が製
造される。したがって、前面板42上には何ら膜形成す
ることなく、PDP40が構成される。なお、前面板4
2と隔壁48とは突き合わされているだけで互いに接合
されてはいない。
【0053】したがって、本実施例によれば、PDP4
0を製造するに際しては、工程63のガラス粉末固着工
程および工程64の焼付工程において、複数本の金属線
58の外周面がそれぞれ誘電体被覆60で被覆されて被
覆金属線63が形成される一方、工程4の下部隔壁形成
工程において、オーバ・コート54の表面に下部隔壁乾
燥体68aが一様な高さに形成され、その後、工程5の
第一固着用ペースト塗布工程および工程6の第一金属線
配置工程において、被覆金属線63が書込電極52およ
び下部隔壁乾燥体68aと直交する向きでその頂部に相
互に所定の間隔を以て固定されることにより表示放電電
極58aが設けられ、更に、工程7および8においてそ
の上側に厚膜絶縁ペーストの塗布および焼成によって下
部隔壁体48aを所定高さに形成した後に、工程11の
第二金属線配置工程および工程12の加熱処理工程にお
いて、第一金属線配置工程と同様にしてその下部隔壁体
48aの上側に固定して加熱処理することによって表示
放電電極58bが設けられる。
0を製造するに際しては、工程63のガラス粉末固着工
程および工程64の焼付工程において、複数本の金属線
58の外周面がそれぞれ誘電体被覆60で被覆されて被
覆金属線63が形成される一方、工程4の下部隔壁形成
工程において、オーバ・コート54の表面に下部隔壁乾
燥体68aが一様な高さに形成され、その後、工程5の
第一固着用ペースト塗布工程および工程6の第一金属線
配置工程において、被覆金属線63が書込電極52およ
び下部隔壁乾燥体68aと直交する向きでその頂部に相
互に所定の間隔を以て固定されることにより表示放電電
極58aが設けられ、更に、工程7および8においてそ
の上側に厚膜絶縁ペーストの塗布および焼成によって下
部隔壁体48aを所定高さに形成した後に、工程11の
第二金属線配置工程および工程12の加熱処理工程にお
いて、第一金属線配置工程と同様にしてその下部隔壁体
48aの上側に固定して加熱処理することによって表示
放電電極58bが設けられる。
【0054】そのため、表示放電電極58a、58bが
金属線から構成されると共に、それを誘電体被覆60で
覆う工程63、64が前面板42および背面板44の処
理工程とは別工程とされて、それらの上に表示放電電極
58や誘電体被覆60が形成されないことから、これら
を形成するための設備の大きさが前面板42および背面
板44の寸法の影響を受けないため、PDP40の表示
面積が大型化する場合にも製造設備の規模拡大が抑制さ
れる。しかも、印刷形成された電極層上にガラス膜を形
成する場合のような、それらの界面におけるガラス中の
気泡の発生や金属粒子の拡散が生じ難いことから、印刷
形成される場合よりも薄い膜厚で十分に高い耐電圧を有
するため、表示放電電極58a、58bによる遮光が好
適に抑制される。
金属線から構成されると共に、それを誘電体被覆60で
覆う工程63、64が前面板42および背面板44の処
理工程とは別工程とされて、それらの上に表示放電電極
58や誘電体被覆60が形成されないことから、これら
を形成するための設備の大きさが前面板42および背面
板44の寸法の影響を受けないため、PDP40の表示
面積が大型化する場合にも製造設備の規模拡大が抑制さ
れる。しかも、印刷形成された電極層上にガラス膜を形
成する場合のような、それらの界面におけるガラス中の
気泡の発生や金属粒子の拡散が生じ難いことから、印刷
形成される場合よりも薄い膜厚で十分に高い耐電圧を有
するため、表示放電電極58a、58bによる遮光が好
適に抑制される。
【0055】また、表示放電電極58a、58bは、下
部隔壁乾燥体68aの高さ或いは下部隔壁体48aの高
さを適宜変更することによって、隔壁48の高さ方向に
おける配置位置を自由に設定し得るため、前面板42上
等に膜形成される場合に比較して効率的な電極配置構造
を採ることができる。すなわち、アドレス放電距離ga
は、表示放電電極58aの高さすなわち下部隔壁乾燥体
68aの高さで決定され、維持放電距離gd は、下部隔
壁体48aとその下部隔壁体68aの高さの差(すなわ
ち表示放電電極58a上に積み上げられる絶縁ペースト
の厚さ)によってそれぞれ独立に設定でき、しかも、発
光区画64の平面寸法の影響を特に受けないことから、
それぞれ駆動上最適な値となるように定めることができ
る。しかも、この結果、前述のように隔壁高さが従来に
比較して高くなって、蛍光体塗布面積の増大延いてはそ
れによる輝度向上効果もある。更に、表示放電電極58
a、58bを何れも前面板42および背面板44から離
隔して配置できるため、各発光区画64毎の放電空間4
6を好適に電界が形成されるように効率よく利用でき
る。
部隔壁乾燥体68aの高さ或いは下部隔壁体48aの高
さを適宜変更することによって、隔壁48の高さ方向に
おける配置位置を自由に設定し得るため、前面板42上
等に膜形成される場合に比較して効率的な電極配置構造
を採ることができる。すなわち、アドレス放電距離ga
は、表示放電電極58aの高さすなわち下部隔壁乾燥体
68aの高さで決定され、維持放電距離gd は、下部隔
壁体48aとその下部隔壁体68aの高さの差(すなわ
ち表示放電電極58a上に積み上げられる絶縁ペースト
の厚さ)によってそれぞれ独立に設定でき、しかも、発
光区画64の平面寸法の影響を特に受けないことから、
それぞれ駆動上最適な値となるように定めることができ
る。しかも、この結果、前述のように隔壁高さが従来に
比較して高くなって、蛍光体塗布面積の増大延いてはそ
れによる輝度向上効果もある。更に、表示放電電極58
a、58bを何れも前面板42および背面板44から離
隔して配置できるため、各発光区画64毎の放電空間4
6を好適に電界が形成されるように効率よく利用でき
る。
【0056】因みに、図1に示されるような表示放電電
極24a、24bが前面板10の内面に形成されていた
従来の面放電構造PDP8では、それらの間で形成され
る電界の一部だけが放電空間16内に位置することか
ら、放電空間16を効率よく利用することができなかっ
た。また、前面板10上に透明電極28、バス電極3
0、誘電体層20を順次形成する従来の電極形成方法で
は、前面板10上に形成される膜の種類が多いため表示
面積の大型化に伴って製造設備の規模が著しく拡大され
るという問題もあった。
極24a、24bが前面板10の内面に形成されていた
従来の面放電構造PDP8では、それらの間で形成され
る電界の一部だけが放電空間16内に位置することか
ら、放電空間16を効率よく利用することができなかっ
た。また、前面板10上に透明電極28、バス電極3
0、誘電体層20を順次形成する従来の電極形成方法で
は、前面板10上に形成される膜の種類が多いため表示
面積の大型化に伴って製造設備の規模が著しく拡大され
るという問題もあった。
【0057】また、本実施例においては、前述のように
表示放電電極58a、58bの遮光性が低いことから、
上記PDP8のように透明電極28およびその導電性を
補うためのバス電極30から構成する必要がないため、
前記工程から明らかなようにPDP40の製造工程が簡
単になり、製造コストが低減される。しかも、表示放電
電極58a、58bを構成する被覆金属線63は、その
断面形状が円形であることから、前記工程61の金属線
溶接工程においてその方向性を考慮する必要がないた
め、製造工程が一層簡単になる。
表示放電電極58a、58bの遮光性が低いことから、
上記PDP8のように透明電極28およびその導電性を
補うためのバス電極30から構成する必要がないため、
前記工程から明らかなようにPDP40の製造工程が簡
単になり、製造コストが低減される。しかも、表示放電
電極58a、58bを構成する被覆金属線63は、その
断面形状が円形であることから、前記工程61の金属線
溶接工程においてその方向性を考慮する必要がないた
め、製造工程が一層簡単になる。
【0058】因みに、透明電極28を用いる場合には、
電極形成工程として例えば図10に示されるような多く
の工程が必要となる。すなわち、先ず、工程101にお
いて透明電極28の膜強度を高めると共にガラス基板か
らのアルカリ成分溶出を抑制するためのSiO2膜(図1で
は図示せず)をディッピング法、スパッタ法、CVD法
やスクリーン印刷法等で設け、次いで、工程102にお
いてそのSiO2膜上にCVDや蒸着等の薄膜プロセスによ
ってITO、ATO等の透明導電膜を設け、更に、工程
103においてフォト・プロセスを利用してパターニン
グすることによって透明電極28が形成される。この透
明電極28は導電性が低いことから、バス電極30が必
要であるため、工程104において透明電極28上にCr
-Cu-Cr等の金属膜を薄膜プロセスで形成し、工程105
において透明電極28と同様にパターニングすることに
よって、表示放電電極24が得られ、その後、工程10
6において誘電体層20が形成される。したがって、高
価な薄膜プロセスが利用されると共に製造工程が複雑と
なって、製造コストが増大していたのである。
電極形成工程として例えば図10に示されるような多く
の工程が必要となる。すなわち、先ず、工程101にお
いて透明電極28の膜強度を高めると共にガラス基板か
らのアルカリ成分溶出を抑制するためのSiO2膜(図1で
は図示せず)をディッピング法、スパッタ法、CVD法
やスクリーン印刷法等で設け、次いで、工程102にお
いてそのSiO2膜上にCVDや蒸着等の薄膜プロセスによ
ってITO、ATO等の透明導電膜を設け、更に、工程
103においてフォト・プロセスを利用してパターニン
グすることによって透明電極28が形成される。この透
明電極28は導電性が低いことから、バス電極30が必
要であるため、工程104において透明電極28上にCr
-Cu-Cr等の金属膜を薄膜プロセスで形成し、工程105
において透明電極28と同様にパターニングすることに
よって、表示放電電極24が得られ、その後、工程10
6において誘電体層20が形成される。したがって、高
価な薄膜プロセスが利用されると共に製造工程が複雑と
なって、製造コストが増大していたのである。
【0059】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の実施例において前述の実施例或いは図1に示
される従来のPDP8と共通する部分は、同一の符号を
付して説明を省略する。
お、以下の実施例において前述の実施例或いは図1に示
される従来のPDP8と共通する部分は、同一の符号を
付して説明を省略する。
【0060】図11(a) 〜(d) は、表示放電電極58
a、58bすなわち被覆金属線63の他の断面形状を示
す図である。前述の実施例においては、被覆金属線63
の断面形状が円形とされていたが、円形に代えて、例え
ば、図に示されるような種々の断面形状としても前述と
同様な効果を得ることができる。なお、図において、一
点鎖線で区切られた左側部分が放電に寄与する表示放電
電極58a、58bの対向面として用いられる部分であ
る。したがって、図2に等に示される電極の配設状態に
おいて、上側に位置する維持電極58bはその左側部分
が下側に、下側に位置する走査電極58aはその左側部
分が上側にそれぞれ位置させられる。このようにして
も、その放電に寄与する部分が周方向に滑らかに連続さ
せられた凸面から構成されていることから、前記図3等
に示される円形断面の場合と同様なスパッタリング抑制
効果、遮光抑制効果、製造コスト低減効果等が得られ
る。
a、58bすなわち被覆金属線63の他の断面形状を示
す図である。前述の実施例においては、被覆金属線63
の断面形状が円形とされていたが、円形に代えて、例え
ば、図に示されるような種々の断面形状としても前述と
同様な効果を得ることができる。なお、図において、一
点鎖線で区切られた左側部分が放電に寄与する表示放電
電極58a、58bの対向面として用いられる部分であ
る。したがって、図2に等に示される電極の配設状態に
おいて、上側に位置する維持電極58bはその左側部分
が下側に、下側に位置する走査電極58aはその左側部
分が上側にそれぞれ位置させられる。このようにして
も、その放電に寄与する部分が周方向に滑らかに連続さ
せられた凸面から構成されていることから、前記図3等
に示される円形断面の場合と同様なスパッタリング抑制
効果、遮光抑制効果、製造コスト低減効果等が得られ
る。
【0061】図12は、本発明の他の実施例のPDP8
4の構成を説明する図であって、前記図2(b) に対応す
る図である。図において、前面板42の内面には、例え
ば50〜120(μm)程度の幅寸法を備えて厚さが2 〜 10(μ
m)程度の複数本の維持電極(金属電極)86が、例えば
750(μm)程度の一様な中心間隔で互いに平行に配列形成
されている。この維持電極86は、前面板42の内面に
膜形成された厚膜銀等の厚膜導体やアルミニウム等の薄
膜導体等から成るものであって、誘電体層20および保
護膜22に覆われており、その直下の位置には、隔壁4
8を高さ方向の中間位置において厚み方向に貫通するよ
うに前記実施例と同様な走査電極88が同様な高さ位置
に備えられている。したがって、表示放電電極58bに
代わって上記の維持電極86が前面板42上に膜形成さ
れている他は、前記PDP40と同様な構造になってお
り、維持電極86および走査電極88間の維持放電距離
は、それぞれの表面に設けられている保護膜22、62
間の距離で同様にgd =100(μm)程度に設定されてい
る。したがって、隔壁高さは270(μm)程度とPDP40
に比較して低いが、その側壁面の全高に亘って蛍光体が
固着されているため、蛍光体層56の面積は同様であ
る。本実施例においては、維持電極86および走査電極
88が第1表示放電電極および第2表示放電電極の何れ
か一方に、それらがそれぞれ配列させられている平面が
第1平面および第2平面の何れか一方にそれぞれ相当す
る。
4の構成を説明する図であって、前記図2(b) に対応す
る図である。図において、前面板42の内面には、例え
ば50〜120(μm)程度の幅寸法を備えて厚さが2 〜 10(μ
m)程度の複数本の維持電極(金属電極)86が、例えば
750(μm)程度の一様な中心間隔で互いに平行に配列形成
されている。この維持電極86は、前面板42の内面に
膜形成された厚膜銀等の厚膜導体やアルミニウム等の薄
膜導体等から成るものであって、誘電体層20および保
護膜22に覆われており、その直下の位置には、隔壁4
8を高さ方向の中間位置において厚み方向に貫通するよ
うに前記実施例と同様な走査電極88が同様な高さ位置
に備えられている。したがって、表示放電電極58bに
代わって上記の維持電極86が前面板42上に膜形成さ
れている他は、前記PDP40と同様な構造になってお
り、維持電極86および走査電極88間の維持放電距離
は、それぞれの表面に設けられている保護膜22、62
間の距離で同様にgd =100(μm)程度に設定されてい
る。したがって、隔壁高さは270(μm)程度とPDP40
に比較して低いが、その側壁面の全高に亘って蛍光体が
固着されているため、蛍光体層56の面積は同様であ
る。本実施例においては、維持電極86および走査電極
88が第1表示放電電極および第2表示放電電極の何れ
か一方に、それらがそれぞれ配列させられている平面が
第1平面および第2平面の何れか一方にそれぞれ相当す
る。
【0062】本実施例においても、維持放電させられる
平行電極対(維持電極86および走査電極88)が互い
に平行且つ異なる第1平面および第2平面にそれぞれ備
えられて厚さ方向の上下に配置されていることから、前
記の実施例と同様に平行電極対を上下に並んで配置する
ことに基づく種々の効果や、書込電極52との間でアド
レス放電させられる走査電極88が被覆金属線63で構
成されて隔壁48の高さ方向の中間位置に備えられるこ
とに基づく種々の効果が得られる。しかも、上記のよう
に、蛍光体層56の塗布面積がPDP40と同様であっ
て従来に比較して大きくされているにも拘わらず、その
PDP40よりも隔壁48の高さが低いことから視野角
が大きいという利点がある。但し、本実施例において
は、前面板42上に厚さ30〜 40(μm)程度の誘電体層2
0が膜形成されることから、その光透過率が低下させら
れているため、PDP40に比較すると射出される光量
が少なくなる。したがって、PDP84によれば、PD
P40に比較して輝度が低下させられる反面、比較的大
きな視野角を確保し得るという利点がある。PDP40
ほどには輝度向上を要求されない場合には、前面板42
上に膜形成が必要となるという不利点はあるが上記の構
成を採ることも可能である。なお、図においては、維持
電極86を金属電極だけから構成しているが、図1に示
される表示放電電極24と同様にこれに重ねて透明電極
28を設けてもよい。
平行電極対(維持電極86および走査電極88)が互い
に平行且つ異なる第1平面および第2平面にそれぞれ備
えられて厚さ方向の上下に配置されていることから、前
記の実施例と同様に平行電極対を上下に並んで配置する
ことに基づく種々の効果や、書込電極52との間でアド
レス放電させられる走査電極88が被覆金属線63で構
成されて隔壁48の高さ方向の中間位置に備えられるこ
とに基づく種々の効果が得られる。しかも、上記のよう
に、蛍光体層56の塗布面積がPDP40と同様であっ
て従来に比較して大きくされているにも拘わらず、その
PDP40よりも隔壁48の高さが低いことから視野角
が大きいという利点がある。但し、本実施例において
は、前面板42上に厚さ30〜 40(μm)程度の誘電体層2
0が膜形成されることから、その光透過率が低下させら
れているため、PDP40に比較すると射出される光量
が少なくなる。したがって、PDP84によれば、PD
P40に比較して輝度が低下させられる反面、比較的大
きな視野角を確保し得るという利点がある。PDP40
ほどには輝度向上を要求されない場合には、前面板42
上に膜形成が必要となるという不利点はあるが上記の構
成を採ることも可能である。なお、図においては、維持
電極86を金属電極だけから構成しているが、図1に示
される表示放電電極24と同様にこれに重ねて透明電極
28を設けてもよい。
【0063】図13は、更に他の電極構造を説明する図
である。図において、前記PDP84と同様に前面板4
2の内面に複数本の維持電極86が備えられる一方、背
面板44の内面上(厳密にはオーバ・コート54上)
に、その維持電極86と同様にして膜形成された複数本
の走査電極90が互いに平行且つ一様な中心間隔で維持
電極86の直下の位置に備えられている。走査電極90
は、例えば、100(μm)程度の幅寸法と2 〜 10(μm)程度
の厚さを備えたものであって、放電空間46側に位置す
るその表面は、誘電体層20と同様な硼珪酸ガラス等か
ら成る30〜 40(μm)程度の厚さの誘電体膜92、および
厚さ0.1(μm)程度のMgO 等から成る保護膜94で個々に
覆われている。本実施例においても、維持放電距離gd
は保護膜22、保護膜94間で100(μm)程度と、前述の
実施例と同様にされている。そのため、隔壁48の高さ
はgd に走査電極90、誘電体膜92、および保護膜9
4の厚さを加えた150(μm)程度であり、図12に示され
る実施例よりも更に低くなって、蛍光体層56の面積も
小さくなっている。なお、発光区画64を選択するため
の書込電極52と走査電極90との間のアドレス放電に
より生じる電荷は、専ら走査電極90の側面部分に蓄積
されることとなる。本実施例においては、維持電極86
および走査電極90が第1表示放電電極および第2表示
放電電極の何れか一方に、それらがそれぞれ配列させら
れている平面が第1平面および第2平面の何れか一方に
それぞれ相当する。
である。図において、前記PDP84と同様に前面板4
2の内面に複数本の維持電極86が備えられる一方、背
面板44の内面上(厳密にはオーバ・コート54上)
に、その維持電極86と同様にして膜形成された複数本
の走査電極90が互いに平行且つ一様な中心間隔で維持
電極86の直下の位置に備えられている。走査電極90
は、例えば、100(μm)程度の幅寸法と2 〜 10(μm)程度
の厚さを備えたものであって、放電空間46側に位置す
るその表面は、誘電体層20と同様な硼珪酸ガラス等か
ら成る30〜 40(μm)程度の厚さの誘電体膜92、および
厚さ0.1(μm)程度のMgO 等から成る保護膜94で個々に
覆われている。本実施例においても、維持放電距離gd
は保護膜22、保護膜94間で100(μm)程度と、前述の
実施例と同様にされている。そのため、隔壁48の高さ
はgd に走査電極90、誘電体膜92、および保護膜9
4の厚さを加えた150(μm)程度であり、図12に示され
る実施例よりも更に低くなって、蛍光体層56の面積も
小さくなっている。なお、発光区画64を選択するため
の書込電極52と走査電極90との間のアドレス放電に
より生じる電荷は、専ら走査電極90の側面部分に蓄積
されることとなる。本実施例においては、維持電極86
および走査電極90が第1表示放電電極および第2表示
放電電極の何れか一方に、それらがそれぞれ配列させら
れている平面が第1平面および第2平面の何れか一方に
それぞれ相当する。
【0064】本実施例においても、維持放電させられる
平行電極対(維持電極86および走査電極90)が互い
に平行且つ異なる第1平面および第2平面にそれぞれ備
えられて厚さ方向の上下に配置されていることから、前
記の実施例と同様に平行電極対を上下に並んで配置する
ことに基づく種々の効果、すなわち、発光区画64毎の
開口率が向上させられて高輝度が得られると共に、セル
・ピッチが維持放電距離gd の制約を受けないことから
精細度を高め得る等の効果が得られる。なお、本実施例
においても、図1に示されるように維持電極86および
走査電極90を透明電極28およびバス(金属)電極3
0でそれぞれ構成してもよい。
平行電極対(維持電極86および走査電極90)が互い
に平行且つ異なる第1平面および第2平面にそれぞれ備
えられて厚さ方向の上下に配置されていることから、前
記の実施例と同様に平行電極対を上下に並んで配置する
ことに基づく種々の効果、すなわち、発光区画64毎の
開口率が向上させられて高輝度が得られると共に、セル
・ピッチが維持放電距離gd の制約を受けないことから
精細度を高め得る等の効果が得られる。なお、本実施例
においても、図1に示されるように維持電極86および
走査電極90を透明電極28およびバス(金属)電極3
0でそれぞれ構成してもよい。
【0065】以上、本発明の一実施例を図面を参照して
詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施され
る。
詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施され
る。
【0066】例えば、実施例においては、本発明が蛍光
体層56を備えたAC型カラーPDP40に適用された
場合について説明したが、互いに平行な一対の維持電極
58bおよび走査電極58aと、その走査電極58a等
との間でアドレス放電させられる書込電極52とを備え
た3電極構造のAC型放電表示装置であれば、蛍光体層
56を備えていないモノクロ表示用PDPや、LCDバ
ックライト等の他の放電表示装置にも本発明は同様に適
用される。
体層56を備えたAC型カラーPDP40に適用された
場合について説明したが、互いに平行な一対の維持電極
58bおよび走査電極58aと、その走査電極58a等
との間でアドレス放電させられる書込電極52とを備え
た3電極構造のAC型放電表示装置であれば、蛍光体層
56を備えていないモノクロ表示用PDPや、LCDバ
ックライト等の他の放電表示装置にも本発明は同様に適
用される。
【0067】また、実施例においては、一対の表示放電
電極58a、58bが何れも被覆金属線63で構成され
る場合、維持電極86が前面板42上に膜形成されて走
査電極88だけが被覆金属線63で構成される場合、お
よび維持電極86および走査電極90が何れも前面板4
2上および背面板44上に膜形成される場合について説
明したが、例えば、維持電極を被覆金属線63で構成す
る一方、走査電極を背面板44上に膜形成してもよい。
何れの組み合わせの場合にも、維持放電させられる平行
電極対(維持電極および走査電極)の一方および他方が
第1平面およびそれに平行且つ異なる第2平面内にそれ
ぞれ備えられていれば、前面板42近傍にそれらのうち
の一本だけが備えられることとなるため、実質的な開口
率が向上させられて高輝度が得られると共に、セル・ピ
ッチが維持放電距離gd の制約を受けないという利点が
得られる。なお、維持電極だけを被覆金属線63で構成
する場合には、アドレス放電距離ga を自由に設定する
ことはできないが、維持放電距離gd と無関係に隔壁高
さ高くして蛍光体層56の面積を増大することは可能で
ある。
電極58a、58bが何れも被覆金属線63で構成され
る場合、維持電極86が前面板42上に膜形成されて走
査電極88だけが被覆金属線63で構成される場合、お
よび維持電極86および走査電極90が何れも前面板4
2上および背面板44上に膜形成される場合について説
明したが、例えば、維持電極を被覆金属線63で構成す
る一方、走査電極を背面板44上に膜形成してもよい。
何れの組み合わせの場合にも、維持放電させられる平行
電極対(維持電極および走査電極)の一方および他方が
第1平面およびそれに平行且つ異なる第2平面内にそれ
ぞれ備えられていれば、前面板42近傍にそれらのうち
の一本だけが備えられることとなるため、実質的な開口
率が向上させられて高輝度が得られると共に、セル・ピ
ッチが維持放電距離gd の制約を受けないという利点が
得られる。なお、維持電極だけを被覆金属線63で構成
する場合には、アドレス放電距離ga を自由に設定する
ことはできないが、維持放電距離gd と無関係に隔壁高
さ高くして蛍光体層56の面積を増大することは可能で
ある。
【0068】また、実施例においては、維持放電距離g
d =100(μm)程度、アドレス放電距離ga =105 〜150
(μm)程度、発光区画64の中心間隔が隔壁48の長手
方向に沿った方向においてpcc=750(μm)程度、それに
垂直な方向においてpcr=250(μm)程度にそれぞれ設定
されていたが、これらは駆動条件や要求される精細度等
に応じて適宜変更される。なお、維持放電距離gd は、
走査電極と維持電極との間の隔壁高さで決定されること
から、少なくとも一方が被覆金属線63で構成されて隔
壁48の形成途中に配設される場合には、その隔壁48
全体の高さを維持放電距離gd と独立して設定すること
ができる。また、書込電極52と走査電極との間のアド
レス放電距離ga は、それらの間の隔壁高さで決定され
ることからその走査電極が被覆金属線63で構成される
場合には、それと独立して隔壁48の全体の高さを設定
することができる。
d =100(μm)程度、アドレス放電距離ga =105 〜150
(μm)程度、発光区画64の中心間隔が隔壁48の長手
方向に沿った方向においてpcc=750(μm)程度、それに
垂直な方向においてpcr=250(μm)程度にそれぞれ設定
されていたが、これらは駆動条件や要求される精細度等
に応じて適宜変更される。なお、維持放電距離gd は、
走査電極と維持電極との間の隔壁高さで決定されること
から、少なくとも一方が被覆金属線63で構成されて隔
壁48の形成途中に配設される場合には、その隔壁48
全体の高さを維持放電距離gd と独立して設定すること
ができる。また、書込電極52と走査電極との間のアド
レス放電距離ga は、それらの間の隔壁高さで決定され
ることからその走査電極が被覆金属線63で構成される
場合には、それと独立して隔壁48の全体の高さを設定
することができる。
【0069】また、実施例においては、一対の表示放電
電極58a、58b等が前面板42の面方向に垂直なP
DP40等の厚み方向において並んで設けられていた
が、それらは、その厚み方向において斜めに、すなわち
図2(b) の左右方向に互いにずれた位置に配設されてい
てもよい。このようにしても、光の射出側に位置する一
方の平板、実施例においては、前面板42の内面近傍に
は平行電極対のうちの一方だけが配置されることから、
その内面近傍における直接的な遮光が低減されるため、
実質的な開口率は従来の面放電構造の場合に比較して飛
躍的に増大する。特に、一対の表示放電電極58a、5
8bが何れも円形断面を備えた被覆金属線63で構成さ
れる場合には、斜めに配設されても対向面の大きさに変
化が生じないため、電気特性上有利である。なお、上記
の面方向のずれは、表示放電電極58a、58b等の対
を為すべきもの相互の間隔が、それに隣接する表示放電
電極58a、58b等の他のものとの間隔よりも十分に
大きく、誤放電が確実に抑制できる範囲で許容される。
したがって、許容範囲は表示の精細度が高くなるほど小
さくなる。
電極58a、58b等が前面板42の面方向に垂直なP
DP40等の厚み方向において並んで設けられていた
が、それらは、その厚み方向において斜めに、すなわち
図2(b) の左右方向に互いにずれた位置に配設されてい
てもよい。このようにしても、光の射出側に位置する一
方の平板、実施例においては、前面板42の内面近傍に
は平行電極対のうちの一方だけが配置されることから、
その内面近傍における直接的な遮光が低減されるため、
実質的な開口率は従来の面放電構造の場合に比較して飛
躍的に増大する。特に、一対の表示放電電極58a、5
8bが何れも円形断面を備えた被覆金属線63で構成さ
れる場合には、斜めに配設されても対向面の大きさに変
化が生じないため、電気特性上有利である。なお、上記
の面方向のずれは、表示放電電極58a、58b等の対
を為すべきもの相互の間隔が、それに隣接する表示放電
電極58a、58b等の他のものとの間隔よりも十分に
大きく、誤放電が確実に抑制できる範囲で許容される。
したがって、許容範囲は表示の精細度が高くなるほど小
さくなる。
【0070】また、実施例においては、被覆金属線63
で構成される表示放電電極58a等は、前面板42およ
び背面板44の内面から離隔した隔壁48の高さ方向の
中間位置に配設されていたが、それらの内面(背面板4
4側においては厳密にはオーバ・コート54上)に接触
して配置されていてもよい。
で構成される表示放電電極58a等は、前面板42およ
び背面板44の内面から離隔した隔壁48の高さ方向の
中間位置に配設されていたが、それらの内面(背面板4
4側においては厳密にはオーバ・コート54上)に接触
して配置されていてもよい。
【0071】また、図13に示される実施例において
は、複数本の走査電極90が個々に誘電体膜92および
保護膜94で被覆されていたが、維持電極86と同様に
全体が一つの誘電体層および保護膜で覆われていてもよ
い。
は、複数本の走査電極90が個々に誘電体膜92および
保護膜94で被覆されていたが、維持電極86と同様に
全体が一つの誘電体層および保護膜で覆われていてもよ
い。
【0072】また、実施例においては、1つの発光区画
64に対して表示放電電極58a、58b等が一対だけ
設けられていたが、前述のように表示放電電極58a、
58b等の断面が円形或いは楕円等の光が回り込み易い
形状である場合にはその遮光性が低いことから、1つの
発光区画64に複数対の表示放電電極58a、58b等
を配置してもよい。このようにすれば、遮光量を特に増
大することなく、発光区画64の大きさに応じた複数対
の表示放電電極を配置できるため、有効な放電領域を拡
大して一層高い輝度が得られる。
64に対して表示放電電極58a、58b等が一対だけ
設けられていたが、前述のように表示放電電極58a、
58b等の断面が円形或いは楕円等の光が回り込み易い
形状である場合にはその遮光性が低いことから、1つの
発光区画64に複数対の表示放電電極58a、58b等
を配置してもよい。このようにすれば、遮光量を特に増
大することなく、発光区画64の大きさに応じた複数対
の表示放電電極を配置できるため、有効な放電領域を拡
大して一層高い輝度が得られる。
【0073】また、実施例においては、表示放電電極5
8a、58b等を構成する金属線58はタングステンか
ら成るものであったが、Ni、Fe、Al、Ti、Cu、Ag、Mo、
Pt、Ta、ニクロムI(Ni60,Cr16,Fe24)、ニクロムIII(Ni
85,Cr15)、Cu-Ag(Cu93,Ag6.3,MgO0.02) 、YEF426(Ni42,
Cr6,Fe) 、50(Ni50,Fe) 、SUS304(18Cr,8Ni,Fe) 、SUS3
16(18Cr,12Ni,Fe)等の他の導電性が高い金属材料から構
成されてもよい。
8a、58b等を構成する金属線58はタングステンか
ら成るものであったが、Ni、Fe、Al、Ti、Cu、Ag、Mo、
Pt、Ta、ニクロムI(Ni60,Cr16,Fe24)、ニクロムIII(Ni
85,Cr15)、Cu-Ag(Cu93,Ag6.3,MgO0.02) 、YEF426(Ni42,
Cr6,Fe) 、50(Ni50,Fe) 、SUS304(18Cr,8Ni,Fe) 、SUS3
16(18Cr,12Ni,Fe)等の他の導電性が高い金属材料から構
成されてもよい。
【0074】また、実施例においては、誘電体被覆60
がB2O3-ZnO-PbO等から成るガラス材料から構成されてい
たが、CaO-Al2O3-SiO2、MgO-B2O3-SiO2 、B2O3-SiO2 、
Na2O-B2O3-SiO2、B2O3-ZnO-SiO2 、PbO-B2O3-SiO2-Al2O
3 、SiO2-Al2O3-B2O3-R2O 、CaO-BaO-SiO2、SiO2-Al2O3
-CaO、SiO2-ZnO-CaO、SiO2-B2O3-R2O 等の種々の組成の
ガラス材料も同様に用いられ得る。なお、被覆金属線6
3を放電電極として用いる場合には、誘電体被覆60の
材質が前面板42および背面板44の最高処理温度の制
約を受けないことから、作業温度が比較的高くなっても
差し支えないため、電気的特性上好ましい比誘電率が一
層高い材料を用いることも可能である。
がB2O3-ZnO-PbO等から成るガラス材料から構成されてい
たが、CaO-Al2O3-SiO2、MgO-B2O3-SiO2 、B2O3-SiO2 、
Na2O-B2O3-SiO2、B2O3-ZnO-SiO2 、PbO-B2O3-SiO2-Al2O
3 、SiO2-Al2O3-B2O3-R2O 、CaO-BaO-SiO2、SiO2-Al2O3
-CaO、SiO2-ZnO-CaO、SiO2-B2O3-R2O 等の種々の組成の
ガラス材料も同様に用いられ得る。なお、被覆金属線6
3を放電電極として用いる場合には、誘電体被覆60の
材質が前面板42および背面板44の最高処理温度の制
約を受けないことから、作業温度が比較的高くなっても
差し支えないため、電気的特性上好ましい比誘電率が一
層高い材料を用いることも可能である。
【0075】また、表示放電電極58a等を構成する金
属線の直径や誘電体被覆60の厚み等、或いは被覆金属
線63の直径、前面板42上或いは背面板44上に膜形
成される維持電極86等の厚さや幅寸法等は、実施例で
示された数値に限られず、これらの材料特性、放電空間
46の大きさや駆動電圧等に応じて適宜変更される。
属線の直径や誘電体被覆60の厚み等、或いは被覆金属
線63の直径、前面板42上或いは背面板44上に膜形
成される維持電極86等の厚さや幅寸法等は、実施例で
示された数値に限られず、これらの材料特性、放電空間
46の大きさや駆動電圧等に応じて適宜変更される。
【0076】また、実施例においては、被覆金属線63
を製造するに際して、電着法によって金属線58の外周
面にガラス粉末を固着して焼成することにより誘電体被
覆60を生成し、その表面にスパッタ法によって保護膜
62を形成していたが、これらはディップ法やスプレー
等によって塗布形成しても差し支えない。なお、何れの
方法による場合にも、誘電体被覆60が可及的に緻密に
形成されることが望まれるため、焼成温度はガラス材料
が十分に軟化する温度に設定されることが必要である。
を製造するに際して、電着法によって金属線58の外周
面にガラス粉末を固着して焼成することにより誘電体被
覆60を生成し、その表面にスパッタ法によって保護膜
62を形成していたが、これらはディップ法やスプレー
等によって塗布形成しても差し支えない。なお、何れの
方法による場合にも、誘電体被覆60が可及的に緻密に
形成されることが望まれるため、焼成温度はガラス材料
が十分に軟化する温度に設定されることが必要である。
【0077】また、実施例においては、発光区画64は
長手状の隔壁48によって一方向に沿った方向のみにお
いて物理的に区分されていたが、格子状の隔壁を設けて
それと直交する他方向においても物理的に区分されるよ
うにしても差し支えない。但し、その場合には、書込電
極52に沿った方向のクロストークが抑制される反面、
図6の工程13の前面板接合工程において位置合わせが
困難になるという問題も生じることから、隔壁の形状は
これらの兼ね合いで決定されることが望ましい。
長手状の隔壁48によって一方向に沿った方向のみにお
いて物理的に区分されていたが、格子状の隔壁を設けて
それと直交する他方向においても物理的に区分されるよ
うにしても差し支えない。但し、その場合には、書込電
極52に沿った方向のクロストークが抑制される反面、
図6の工程13の前面板接合工程において位置合わせが
困難になるという問題も生じることから、隔壁の形状は
これらの兼ね合いで決定されることが望ましい。
【0078】その他、一々例示はしないが、本発明はそ
の主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものであ
る。
の主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものであ
る。
【図1】(a) は従来の3電極構造のAC型PDPを一部
を切り欠いて示す斜視図であり、(b) は(a) における書
込電極に沿った断面を示す図である。
を切り欠いて示す斜視図であり、(b) は(a) における書
込電極に沿った断面を示す図である。
【図2】(a) は本発明の3電極構造のAC型PDPを一
部を切り欠いて示す斜視図であり、(b) は(a) における
書込電極に沿った断面を示す図である。
部を切り欠いて示す斜視図であり、(b) は(a) における
書込電極に沿った断面を示す図である。
【図3】図2のPDPに用いられている表示放電電極の
構成を説明する図である。
構成を説明する図である。
【図4】隔壁および電極の位置関係を表す平面図であ
る。
る。
【図5】従来のPDPにおいてカラーフィルタが設けら
れる場合の構成を説明する図である。
れる場合の構成を説明する図である。
【図6】図2のPDPの製造工程を説明する工程図であ
る。
る。
【図7】(a) 〜(j) は図6の製造工程の各段階における
断面構造をそれぞれ示す図である。
断面構造をそれぞれ示す図である。
【図8】図6の製造工程において用いられる被覆金属線
の被覆処理方法を説明する工程図である。
の被覆処理方法を説明する工程図である。
【図9】図8の被覆処理工程において金属線がフレーム
に固定された状態を示す図である。
に固定された状態を示す図である。
【図10】図1に示される従来のPDPの前面板の処理
工程を説明する図である。
工程を説明する図である。
【図11】(a) 〜(d) は、図2のPDPに用いられ得る
表示放電電極の断面形状の他の例をそれぞれ示す図であ
る。
表示放電電極の断面形状の他の例をそれぞれ示す図であ
る。
【図12】本発明の他の実施例の電極配置構造を説明す
る図2(b) に対応する図である。
る図2(b) に対応する図である。
【図13】本発明の更に他の実施例の電極配置構造を説
明する図2(b) に対応する図である。
明する図2(b) に対応する図である。
40:AC型カラーPDP(放電表示装置) 42:前面板(一対の平行平板の他方) 44:背面板(一対の平行平板の一方) 46:放電空間 48:隔壁 52:書込電極 58a:第1表示放電電極 58b:第2表示放電電極 60:誘電体被覆(誘電体層) 64:発光区画
Claims (7)
- 【請求項1】 一対の平行平板間に形成された気密空間
内に第1の方向および該第1の方向と直交する第2の方
向に沿って設けられた複数の発光区画と、該複数の発光
区画を少なくとも該第2の方向において相互に区分する
隔壁と、該第1の方向に沿って該隔壁の間の位置にそれ
ぞれ設けられ、発光させる所定の発光区画を選択するた
めの複数本の書込電極と、誘電体層に覆われて前記第2
の方向に沿い且つ前記発光区画毎に一対が位置するよう
に設けられて該所定の発光区画を発光させるための表示
放電を発生および維持させる複数対の表示放電電極とを
備えた放電表示装置であって、該複数対の表示放電電極
は、 前記一対の平行平板の面方向に平行な第1平面上に配列
された複数本の第1表示放電電極と、 該第1平面と平行且つ異なる第2平面上に配列されて該
複数本の第1表示放電電極との間で前記表示放電をさせ
られる複数本の第2表示放電電極とを、含むことを特徴
とする放電表示装置。 - 【請求項2】 前記複数本の第1表示放電電極および前
記複数本の第2表示放電電極は、前記表示放電させられ
る各対が前記第1平面に垂直な方向に沿って並んで配置
されるものである請求項1の放電表示装置。 - 【請求項3】 前記複数の発光区画内において少なくと
も前記隔壁の側面に備えられた蛍光体層を含み、 前記複数本の第1表示放電電極および前記複数本の第2
表示放電電極の少なくとも一方は、外周面が前記誘電体
層によって個々に覆われた金属線から成るものである請
求項1または2の放電表示装置。 - 【請求項4】 前記複数本の第1表示放電電極および前
記複数本の第2表示放電電極は、外周面が前記誘電体層
によって個々に覆われた金属線でそれぞれ構成されるも
のである請求項1または2の放電表示装置。 - 【請求項5】 前記複数の発光区画内において少なくと
も前記隔壁の側面に備えられた蛍光体層を含むものであ
る請求項4の放電表示装置。 - 【請求項6】 前記一対の平行平板のうちの一方の内面
上に備えられた蛍光体層を含み、前記複数対の表示放電
電極は、該蛍光体層の表面から該一対の平行平板の他方
側に離隔した位置に設けられるものである請求項3乃至
5の何れかの放電表示装置。 - 【請求項7】 前記複数対の表示放電電極のうち前記誘
電体層によって個々に覆われた金属線から成るものは、
前記外周面のうち放電に寄与する部分が周方向に滑らか
に連続させられた凸面で構成されるものである請求項3
乃至6の何れかの放電表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9307423A JPH11144627A (ja) | 1997-11-10 | 1997-11-10 | 放電表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9307423A JPH11144627A (ja) | 1997-11-10 | 1997-11-10 | 放電表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11144627A true JPH11144627A (ja) | 1999-05-28 |
Family
ID=17968887
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9307423A Pending JPH11144627A (ja) | 1997-11-10 | 1997-11-10 | 放電表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11144627A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2794283A1 (fr) * | 1999-05-26 | 2000-12-01 | Thomson Plasma | Panneau d'affichage au plasma |
KR100869105B1 (ko) | 2007-03-12 | 2008-11-17 | 삼성에스디아이 주식회사 | 플라즈마 디스플레이 패널 |
-
1997
- 1997-11-10 JP JP9307423A patent/JPH11144627A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2794283A1 (fr) * | 1999-05-26 | 2000-12-01 | Thomson Plasma | Panneau d'affichage au plasma |
WO2000074101A1 (en) * | 1999-05-26 | 2000-12-07 | Thomson Plasma | Plasma display panel |
KR100869105B1 (ko) | 2007-03-12 | 2008-11-17 | 삼성에스디아이 주식회사 | 플라즈마 디스플레이 패널 |
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